JP7260514B2 - 多気筒エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガスを1つの排気出口穴に集めて排気する排気集合通路内蔵型(エキマニ内蔵型)のシリンダヘッドを備えたエンジンに関するものである。
多気筒エンジンのシリンダヘッドにおいて、外付け方式の排気マニホールドを使用することに代えて、シリンダヘッドの内部に排気集合通路を形成して、排気ガスを1つの排気出口穴から排出することは広く知られている。3気筒エンジンのシリンダヘッドでは、一般に、排気出口穴は第2気筒の真横に配置されており、従って、排気ポート及び排気集合通路の群より成る排気通路は、クランク軸線方向を向いて前後対称の形態になっていることが多い。
他方、シリンダヘッドには冷却水が流れるウォータジャケットが形成されているが、排気集合通路を内蔵したシリンダヘッドでは、ウォータジャケットは排気通路を挟んだ上下に形成されているのが普通であり、これらのウォータジャケットは、気筒軸線方向から見て排気通路と重なるように広がっている(例えば特許文献1)。
特開2020-33954号公報
さて、エンジン(内燃機関)において、シリンダヘッドはガスケットを介してヘッドボルトによってシリンダブロックに締結されており、ヘッドボルトは、気筒群を挟んだ両側に配置されている。正確には、ヘッドボルトは、ボア間部を挟んだ左右両側の部位と、端部に位置した気筒の左右両側の部位とに配置されており、ヘッドボルトの群は、気筒列の並びの両側において前後方向(クランク軸線方向)に一列に並んでいる。
そして、シリンダブロックには気筒群を囲うようにウォータジャケットが形成されており、ヘッドボルトはウォータジャケットの外側に位置している。また、ヘッドボルトはガスケットに貫通しており、ヘッドボルトの締め込みにより、シリンダヘッドがガスケットを介してシリンダブロックに押さえ付けられている。
ガスケットは金属板製のものが多用されており、シリンダヘッドによる押圧で弾性変形(潰れ変形)するビードを形成していることが多いが、本願発明者たちが観察したところ、排気集合通路内蔵型のシリンダヘッドでは、排気側でかつ後部寄りの箇所においてシリンダヘッドによる面圧が部分的に低下して、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間のシール性が低下する現象が見られた。
各排気ポートをシリンダヘッドの排気側面に個別に開口させて、排気側面に排気マニホールドを固定しているタイプのシリンダヘッドでは上記したシール性低下の問題はなく、従って、シール性が部分的に低下する現象は、排気集合通路をシリンダヘッドに内蔵したことによってウォータジャケットが大きく広がっていることに起因していると云える。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、排気集合通路を内蔵したシリンダヘッドにおいて、シール性低下現象を簡単な構造で防止しようとするものである。
本願発明はエンジンに関し、このエンジンは、
複数の気筒がクランク軸線方向に並んでいるシリンダブロックと、前記シリンダブロックの上面にガスケットを介してヘッドボルトで締結されるシリンダヘッドとを有し
前記シリンダブロックの上面には、前記気筒の群を囲うようにブロック側ジャケットが形成されている一方、
前記シリンダヘッドの内部に、各気筒に対応した複数の排気ポートと、各排気ポートを集合させて1つの排気出口穴に導く排気ガス集合通路とが形成されており、かつ、前記排気ポート及び排気ガス集合通路で構成される排気ガス通路の下方の部位にウォータジャケットが形成されている」
という基本構成である。
そして、上記基本構成において、
前記ガスケットには、前記ブロック側ジャケットの外周に沿ってクランク軸線方向に延びるインナービードと、前記インナービードの外側に位置してクランク軸線方向に延びるアウタービードとが形成されており、
前記ウォータジャケットのうち、気筒軸線方向から見て前記ガスケットに重なると共に端部に位置した気筒の側方の部位に、当該ウォータジャケットの上下面に繋がった柱状のボス部を、気筒軸線方向から見て前記インナービードとアウタービードとに跨がるように一体に形成している」
という特徴を有している。
本願発明は、様々に展開することができる。その例として請求項2では、
「前記ウォータジャケットにおいて、冷却水が主として気筒群の吸気側から排気側面の方向に流れるように設定されている一方、前記ボス部は、前記冷却水の流れ方向に長い板状の形態になっている」
という構成を採用している。
排気ガス集合通路を内蔵したシリンダヘッドにおいてシール性が低下するのは、排気通路の下方に位置したウォータジャケットが広がる面積が大きくて、ウォータジャケットの下方の底部が弾性変形しやすくなっているためと解される。特に、ウォータジャケットのうちミッションケンースが配置される側の後部では、冷却水が集まることからウォータジャケットの広がりの程度が大きくなっているため、ヘッドボルトを強く締め込んでも、シリンダヘッドの底部が部分的に弾性変形してガスケットに対するシリンダヘッドの面圧(押圧力)を高くできていないと云える。
これに対して本願発明では、ウォータジャケットに柱状のボス部を設けたことにより、シリンダヘッドのうちウォータジャケットが大きく広がっている部位の剛性が格段に向上するため、ヘッドボルトの締め込みにより、ガスケットをシリンダヘッドによって強く押圧できる。これにより、ガスケットとシリンダヘッド及びシリンダブロックとの密着性を高めて、排気マニホールドを外付けしているシリンダヘッドと同様の高いシール性を確保できる。特に、ボス部をガスケットのインナービードとアウタービードとに重なるように配置しているため、ガスケットの押さえ効果を高めてシール性向上に更に貢献できる。
そして、ボス部はシリンダヘッドを鋳造するに際して形成するものであるため、製造コストが嵩むことはない。むしろ、鋳造に際してはボス部の存在によって金属湯の流れが良くなるため、鋳造精度の向上や歩留りの向上に貢献できる利点がある。
さて、排気集合通路内蔵型のシリンダヘッドにおいては、例えば3気筒の場合、第1排気ポートから排出された排気ガスが第3排気ポートに入り込んだり、第3排気ポートから排出された排気ガスが第1排気ポートに入り込んだりといった逆流現象が生じやすくなる問題がある。
これに対しては、排気出口穴をできるだけ気筒群から離して、第1排気ポートに連通した第1排気集合通路と第3排気ポートに連通した第3排気集合通路とを、排気出口穴に向かうに従って気筒群から遠ざかるように湾曲又は傾斜させたらよいが、このように構成すると、隣り合った排気ポートを区画する仕切壁の群のうち排気出口穴に近い部位のものの突出寸法が大きくなるため、ウォータジャケットにおいて冷却水をクランク軸線方向に縦流れさせると、仕切壁は冷却水の流れを遮る姿勢になって、冷却水のスムースな流れが阻害されやすくなる。
これに対して、冷却水をシリンダヘッドの幅方向に横流れさせると、排気ポートを区画する仕切壁は冷却水の流れ方向に長くなるため、冷却水の流れをスムース化させつつ、排気集合通路を大きく湾曲又は傾斜させて排気ガスの排出もスムース化できるが、本願請求項2では、ボス部は冷却水の横流れ方向に長い姿勢になっているため、冷却水の流れを阻害することなくボス部を形成できる。
従って、請求項2では、排気ガスのスムースな排出と冷却水のスムースな流れとを確保しつつ、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間のシールを確実化できる利点がある。
実施形態のシリンダヘッドを排気側から見た側面図である。 図1及び図4のII-II 視断面図である。 図2の部分拡大図である。 図3の IV-IV視断面図である。 図3の V-V視断面図である。 図4のVI-VI 視平断面図である。 図4の VII-VII視底断面図である。 シリンダブロックの平面図である。
次に、本願発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。本実施形態は自動車用エンジンに適用しており、エンジンは、クランク軸線が車幅方向に向いた横置き姿勢でエンジンルームに搭載されている。
以下では、方向を特定するため前後左右の文言を使用するが、前後方向はクランク軸線方向であり、タイミングチェーンが配置されている側を前、ミッションケースが配置されている側を後ろとしている。左右方向は、クランク軸線及び気筒軸線と直交した方向である。念のため、図1等に表示している。以下では、構成要素に第1、第2、第3の番号を付すことがあるが、番号は前から順に付している。
(1).シリンダヘッドの構造
本実施形態のエンジンは直列3気筒であり、従って、図2,3,8に示すように、シリンダブロック1(図4,5参照)には、第1~第3の3つの気筒3~5が直列に形成されて、シリンダヘッド2には、各気筒3~5と同心に3つのイグニッションホール6が空いている。図4のとおり、イグニッションホール6の下部には点火プラグ7がねじ込みによって固定されている。図4,5に示すように、シリンダヘッド2は、ガスケット8を介してシリンダブロック1に固定されている。
図4に示すように、シリンダヘッド2には、気筒3~5と同心で截頭三角錐状の燃焼室9a~9cが形成されており、図2,3に示すように、燃焼室9a~9cに、一対ずつの吸気ポート10の終端と、一対ずつの排気ポート11a~13bの始端とが開口している。吸気ポート10の対は、それぞれ独立して吸気側面2aに開口している。
図2,3のとおり、排気ポートは、第1燃焼室9aに開口した一対の第1排気ポート11a,11bと、第2燃焼室9bに開口した一対の第2排気ポート12a,12bと、第3燃焼室9cに開口した一対の第3排気ポート13a,13bとに分かれている。
一対の第1排気ポート11a,11bは第1集合通路14aに集合し、一対の第2排気ポート12a,12bは第2集合通路14bに集合し、一対の第3排気ポート13a,13bは第3集合通路14cに集合しており、3つの集合通路14a~14cは1つに集まって排気出口穴15に連通しており、排気出口穴15は第2集合通路14bと対向している。従って、排気出口穴15は、平面視で第2燃焼室9b(或いは第2気筒4)の真横においてシリンダヘッド2の排気側面2bに開口している。
一対の第1排気ポート11a,11bは第1仕切壁16で区分され、隣り合った第1排気ポート11bと第2排気ポート12aとは第2仕切壁17で区分され、一対の第2排気ポート12a,12bは第3仕切壁18で区分され、隣り合った第2排気ポート12bと第3排気ポート13bとは第4仕切壁19で区分され、一対の第3排気ポート13a,13bは第5仕切壁20で区分されており、各仕切壁16~20は、平面視で燃焼室9a~9cの上方から排気側面2bに向けて延びており、前端は自由端になっている。
そして、第1仕切壁16と第5仕切壁20とは、先窄まりでかつ平面視で燃焼室9a~9c及び気筒3~5の縁を結ぶ基準線O1(図3参照)から僅かに突出した状態であると共に、排気出口穴15に向かってややなびくように僅かに湾曲している。
他方、第2仕切壁17と第4仕切壁19とは、先半分程度が先窄まりになっていると共に、基準線O1から気筒3~5の半径よりも大きい寸法で突出しており、かつ、排気出口穴15に向かうように湾曲している。更に、第3仕切壁18は、若干中膨れ状態であるが大まかには等しい幅になっており、先端は窄まることなく切れた形態になっている。また、第3仕切壁18は、第2仕切壁17及び第4仕切壁19よりも僅かに突出している。
このように、第1仕切壁16及び第5仕切壁20が先窄まりで湾曲していることと、第2仕切壁17及び第4仕切壁19が大きく突出して先半部が排気出口穴15に向けて先窄まりしつつ湾曲していることにより、第1集合通路12と第3集合通路14とは、基準線O1から遠ざかりつつ排気出口穴15に向かうように湾曲している。
すなわち、第1集合通路14a及び第3集合通路14cの外側面14d,14eは、排気出口穴15に向けて気筒3~4の群から遠ざかるように、気筒3~4の群に向けて凹んだ状態に(ドーム状に)湾曲している。従って、第1排気ポート11a,11bから排出された排気ガスは、第3排気ポート13a,13bに流入することなく排気出口穴15から排出され、第3排気ポート13a,13bから排出された排気ガスは、第1排気ポート11a,11bに流入することなく排気出口穴15から排出される。従って、排気ガスの排出をスムース化できる。なお、例えば図3において符号21で示すのはバルブステムである。
シリンダヘッド2には、シリンダブロック1に固定するヘッドボルト22を挿通するヘッドボルト挿通穴23が開いている。ヘッドボルト挿通穴23は、各気筒3~5の群を挟んだ左右両側で、かつ、各気筒3~5を挟んだ前後両側に配置されており、従って、2本のヘッドボルト挿通穴23はボア間部24の左右両側に位置しており、排気側では、ボア間部24の箇所のヘッドボルト挿通穴23は、第2仕切壁17と第4仕切壁19とに形成されている。第2~第4仕切壁17,18,19にオイル落とし通路25を形成している。
動弁機構の潤滑やVVTの制御などの仕事をしたオイルは、シリンダヘッド2の凹所28に流れ落ちて、凹所27の底面を伝ってオイル落とし通路25に流れ込む。エンジンは、排気側が前傾するように鉛直線に対して若干の角度だけスラントしており、従って、凹所27に流れ落ちたオイルは、排気側に位置したオイル落とし通路25に誘い込まれていく。
シリンダブロック1には、既述のとおり3つの気筒(シリンダボア)3~が直列に形成されて、冷却水が流れるブロック側ジャケット30が、気筒3~4の群を囲うようにして形成されている。また、シリンダブロック1には、ヘッドボルト22が螺合するタップ穴31の群を形成している。
図8に示すように、シリンダヘッド2の上面のうち後部でかつ排気側の部位に、前後長手の冷却水受け溝32aが形成されており、シリンダヘッド2に設けた戻り通路(図示せず)から、冷却水が冷却水受け溝32aに流下する。シリンダブロック1の排気側の側面部には、冷却水受け溝32aと連通した前後長手でボス状のバイパス通路32b(図4,5,8参照)が形成されており、冷却水は、シリンダブロック1の排気側面部のうち前部に配置されたウォータポンプ(図示せず)に吸引される。
ウォータポンプから吐出した冷却水は、図8に点線矢印Xで示すようにブロック側ジャケット30に送られる。ブロック側ジャケット30は、前部でかつ吸気側の箇所において壁30aで分断されており、ウォータポンプから送られた冷却水は、二股に分かれてブロック側ジャケット30を流れていき、それぞれシリンダヘッド2に送られる。
図8に示すように、シリンダブロック1の上面のうち排気側の部位に、第2仕切壁18に設けたオイル落とし通路25及び第1仕切壁17に設けたオイル落とし通路25からオイルが流下するオイル受け溝33aと、第4仕切壁19に設けたオイル落とし通路25からオイルが流下する第2オイル受け溝33bとが形成されている。
両オイル受け溝33a,33bは前後方向に長い長溝になっており、第1オイル受け溝33aの前部は、シリンダブロック1の排気側面部に形成した上下長手の第1オイル落とし穴34a(図5参照)に連通し、第2オイル受け溝33bは、同じくシリンダブロック1の排気側面部に形成した上下長手の第2オイル落とし穴34b(図8参照))に連通している。オイル落とし穴34a,34bは、オイルパン(図示せず)の側部に開口している。
(3).シリンダヘッドのウォータジャケット
例えば図4,5に示すように、シリンダヘッド2には、概ね気筒列中心線O2(図3,6参照)を挟んで排気側に位置し、かつ、排気ポート及び排気集合通路の群よりなる排気通路の上端よりも下に位置した排気側下部ヘッドジャケット35と、概ね気筒列中心線O2よりも吸気側でかつ排気通路よりも下方に位置した吸気側下部ヘッドジャケット36と、概ね気筒群の上方に位置して吸気側下部ヘッドジャケット36及び排気側下部ヘッドジャケット35とに連通した中間部ヘッドジャケット36aと、排気通路よりも上に位置して中間部ヘッドジャケット36aに連通した排気側上部ヘッドジャケット37とが形成されている。
図4,5に示すように、中間部ヘッドジャケット36aは高い高さになっており、このため、排気側上部ヘッドジャケット37と吸気側下部ヘッドジャケット36とに連通している。
図6に示すように、排気側下部ヘッドジャケット35と吸気側下部ヘッドジャケット36とは、吸排気ポート9a~11bやイグニッションホール6が形成された柱部38と、隣り合った柱部38を繋ぐブリッジ部(整流ガイド部)39とによって左右に分断されている。
図2,3と図6との対比から理解できるように、第2仕切壁17及び第4仕切壁19は、排気通路の箇所ではブリッジ部39と一体に繋がっているが、排気通路よりも低い箇所では、図6に示すように、ヘッドボルト挿通穴23とオイル落とし通路25とが形成された部分が排気側下部ヘッドジャケット35の内部に島状に独立して配置された形態になっている。従って、図2,3及び図5から理解できるように、排気側下部ヘッドジャケット35は、第2仕切壁17及び第4仕切壁19に対して下方から入り込んだ嵩高部35aを有している。
図6に示すように、シリンダヘッド2のうち前部と吸気側の部位とには、ブロック側ジャケット30のうち前部と吸気側部位とから冷却水が噴き上がる通水穴41の群が形成されている。但し、本実施形態の冷却システムは、冷機時には冷却水はブロック側ジャケット30の前部の通水穴41のみからヘッドジャケットに流入して、暖機状態になると吸気側の通水穴41からも吸気側下部ヘッドジャケット36にも流入する2系統冷却方式になっている。図2や図3に示す符号40は、鋳造に際して中子安定的に保持するためのダミー足部の名残のダミー穴であり、図5に示すように、ダミー40はガスケット8で塞がれている。
冷機時には、冷却水は前部の通水穴41から中間部ヘッドジャケット36a及び吸気側下部ヘッドジャケット36の前部に流入する。そして、冷却水は、全体としては中間部ヘッドジャケット36a及び吸気側下部ヘッドジャケット36を前から後ろに向けて流れつつ、中間部ヘッドジャケット36aからは、柱状の部分の間の通路を介して上下の排気側ヘッドジャケット35,37に流れ込む。
従って、冷機運転時には、冷却水は中間部ヘッドジャケット36aの前端から後端に向けて流れつつ、吸気側下部ヘッドジャケット36と排気側下部ヘッドジャケット35とに横流れしていき、吸気側下部ヘッドジャケット36及び排気側下部ヘッドジャケット35を横流れした冷却水は、左右端部において縦流れして後端に向かう。
機関温度(冷却水)が所定温度まで上昇して暖機運転状態に移行すると、冷却水はブロック側ジャケット30の吸気側からも通水穴41を介して吸気側下部ヘッドジャケット35に流入して、冷却水は、吸気側下部ヘッドジャケット35から中間部ヘッドジャケット36aを介して排気側下部ヘッドジャケット35に横流れしていく。
いずれにしても、冷却水はシリンダヘッド2の後端部に向けて流れるが、シリンダヘッド2の後端部には排水ユニット(図示せず)が一体に又は別体に配置されており、各ヘッドジャケット35,36,36aを後端に向けて流れた冷却水は、1つに合流して排水ユニットに流れ込む。従って、シリンダヘッド2の後端部には、各ヘッドジャケット35,36,36aを合流させる連通路が形成されている。排気側下部ヘッドジャケット35の箇所では、冷却水は気筒3~5を囲う部位から排気側面2bに向けて左右方向に流れるようになっている。すなわち、排気側下部ヘッドジャケット35の箇所では、冷却水は左右方向に流れる横流れ方式になっている。
図6に示すように、排気通路の下方において第2仕切壁17及び第4仕切壁19は島状に分断されているため、ボア間部24の側方においてブロック側ジャケット30から排気側下部ヘッドジャケット35に噴出した冷却水は、島状に分断された第2仕切壁17及び第4仕切壁19を前後両側から舐めるようにして排気側面2bに向かう。
そして、仕切壁16~20は概ね左右方向(シリンダヘッド2の幅方向)に長い形態になっているが、冷却水は仕切壁16~21の長手方向である左右方向に流れる(横流れする)ため、特に第2~第4仕切壁17~20の長さを長くしつつ、流れ抵抗を低下させた状態で冷却性能を向上できる。従って、排気ガス排出のスムース化とオイル戻しの確実化とを図りつつ、冷却水の流れをスムース化できる。
図6に示すように、中間部ヘッドジャケット36aは、平面視において、概ね気筒列長手中心線O2に沿って広がっているが、図2,3,5に示すように、第1仕切壁16,第3仕切壁17及び第5仕切壁20にも付け根から入り込んでいる。特に、第3仕切壁18の箇所ではかなり大きく入り込んでいる。このため、第3仕切壁18の冷却性能を向上して、オイルの過剰昇温を防止できる。
そして、図6に示すように、シリンダヘッド2のうち概ね吸気側の下部に、ブロック側ジャケット30のうち吸気側の部位と連通した吸気側の通水穴41が前後方向に分離して複数形成されており、冷却水が、吸気側の通水穴41の群を介してブロック側ジャケット30から吸気側下部ヘッドジャケット36に噴出するように設定されている。
吸気側の通水穴41は、ボア間部24の外側の箇所に形成されている。従って、冷機運転から暖機運転に移行した後は、吸気側下部ヘッドジャケット36においても、冷却水は、主として気筒3~5の群から吸気側面2aの外に向かうように横流れしている。敢えて述べるまでもないが、通水穴41はガスケット8にも開口している(図4,5参照)。
冷却水は、排水ユニットにおいて、ヒータコアに向かったりラジエータに向かったり制御される。なお、ヒータコアには一定量の冷却水が常に流れており、暖機運転後には、冷却水の全量が戻し通路を介してシリンダブロック1のバイパス戻り通路32bに戻る。
図6,7に示すように、排気側下部ヘッドジャケット35のうち、第3気筒5の軸心の真横で、かつ、排気側の4本のヘッドボルト挿通穴23を結ぶ線よりもやや排気側面2bに寄った部位に、左右長手のボス部44を設けている。従って、本実施形態では、排気側下部ヘッドジャケット35が請求項に記載したウォータジャケットに該当する。ボス部44は左右方向(シリンダヘッド2の幅方向)に長い形態であり、気筒列中心線O2に向いた内端部44aは、平断面視で先窄まりのくさび形(三角形、山形)に形成されている。気筒列中心線O2と反対側の外端部は、平断面視で円弧状に形成されている。
ガスケット8は金属板より成る単層品又は複層品であり、図8に平行斜線で示すように、シリンダブロック1とシリンダヘッド2とが重なっている面の全体に広がっており(従って、図8の平行斜線は断面の表示ではない)、ヘッドボルト22による締め込みによって潰れ変形するビード(凸条)45a,45bを形成している。
ビード45a,45bは、概ねガスケット8の外周に沿って延びるアウタービード45aと、アウタービード45aと気筒群との間に位置したインナービード45bとに分離しており、排気側では、アウタービード45aとインナービード45bとの間に冷却水受け溝32a及びオイル受け溝33a,33bが位置している。
そして、図8に、排気側下部ヘッドジャケット35に設けたボス部44を便宜的に実線で表示しているが、ボス部44は、シリンダブロック1との関係では冷却水受け溝32の上に位置して、アウタービード45aとインナービード45bとに跨がって重なるように配置されている。
排気集合通路を内蔵したシリンダヘッドでは、仕切壁16~20は先端を自由端とした半島状の形態になるため、排気側下部ヘッドジャケット35は、ほぼ気筒群と同じ程度の長さで途切れることなく一連に広がっている。このため、シリンダヘッド2の排気通路の下方に位置した底部46の剛性が低下する。特に、排気側下部ヘッドジャケット35の後部では、冷却水の集まりを良くするために広い面積になるため剛性低下が顕著に現れて、第3気筒5の前後両側に位置したヘッドボルト22を強く締め込んでも、必要なシール性を得られない場合が有り得る。
これに対して本実施形態のように、排気側下部ヘッドジャケット35のうち第3気筒5(或いは第3燃焼室9c)の外側の部位にボス部44を形成すると、排気側下部ヘッドジャケット35の箇所の底部46aと天井部46b(図4~7参照)とが繋がることにより、排気側下部ヘッドジャケット35の箇所においてシリンダヘッド2の剛性が格段に向上して上下方向に作用する曲げに対する抵抗が増大するため、底部46aの変形を招来することなくガスケット8のビード45a,45bをしっかりと潰し変形することができる。これにより、排気マニホールド外付けタイプのシリンダヘッドと同様の高いシール性を確保できる。
また、構造は簡単でボス部44は鋳造によって形成できるためコストアップの問題はないし、鋳造時には金属湯の流れを良くして加工精度の向上や歩留り向上に貢献できる。そして、ボス部44は冷却水の流れ方向(横流れ方向)に長い形態になっているため、冷却水の流れを阻害することはないし、むしろ、流れをガイドする整流作用を果たすこともできる。
本実施形態のようにボス部44を左右長手に形成すると、気筒軸線方向から見た平面視でボス部44とビード45a,45bとがクロスするため、ビード45a,45bをボス部44によって安定良く押圧できるという利点ある。
なお、図4において符号47で示すのはカム軸を回転自在に保持する軸受け部、符号48で示すのは前後方向に長く延びるオイルギャラリーであり、オイルギャラリー48に送られたオイルにより、カム軸の潤滑やラッシュアジャスタの自動制御が行われる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、複数のボス部を形成することも可能である(この場合、複数のボス部は同じ姿勢であってもよいし、異なる姿勢であってもよい。)。ボス部の断面形状は長方形には限らず、円形や楕円形、多角形などの各種の形態を採用できる。
排気出口穴を気筒列の前後中間部でなく前側又は後ろ側に偏らせて配置することも可能であり、この場合、排気通路が前後非対称になって、ウォータジャケットも前後左右に大きく広がる部位が形成される可能性であるが、本願発明では、このような場合でも、ウォータジャケットが大きく広がった箇所にボス部を設けて剛性を向上できるため、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に高いシール性を確保できる。
本願発明は、多気筒エンジンのシリンダヘッドに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
2 シリンダヘッド
3~5 気筒
8 ガスケット
9a~9c 燃焼室
11a~13b 排気ポート
14a~14c 集合通路
15 排気出口穴
16~20 仕切壁
22 ヘッドボルト
30 ブロック側ジャケット
35 排気側下部ヘッドジャケット(請求項のウォータジャケット)
36 吸気側下部ヘッドジャケット
37 上部ヘッドジャケット
40 排気側通水穴
41 吸気側通水穴
44 ボス部
45a,45b ガスケットのビード

Claims (2)

  1. 複数の気筒がクランク軸線方向に並んでいるシリンダブロックと、前記シリンダブロックの上面にガスケットを介してヘッドボルトで締結されるシリンダヘッドとを有し
    前記シリンダブロックの上面には、前記気筒の群を囲うようにブロック側ジャケットが形成されている一方、
    前記シリンダヘッドの内部に、各気筒に対応した複数の排気ポートと、各排気ポートを集合させて1つの排気出口穴に導く排気ガス集合通路とが形成されており、かつ、前記排気ポート及び排気ガス集合通路で構成される排気ガス通路の下方の部位にウォータジャケットが形成されているエンジンであって
    前記ガスケットには、前記ブロック側ジャケットの外周に沿ってクランク軸線方向に延びるインナービードと、前記インナービードの外側に位置してクランク軸線方向に延びるアウタービードとが形成されており、
    前記ウォータジャケットのうち、気筒軸線方向から見て前記ガスケットに重なると共に端部に位置した気筒の側方の部位に、当該ウォータジャケットの上下面に繋がった柱状のボス部を、気筒軸線方向から見て前記インナービードとアウタービードとに跨がるように一体に形成している、
    多気筒エンジ
  2. 前記ウォータジャケットは、冷却水が主として気筒群の吸気側から排気側面の方向に流れるように設定されている一方、前記ボス部は、前記冷却水の流れ方向に長い板状の形態になっている、
    請求項1に記載した多気筒エンジ
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