JP7103895B2 - 内燃機関のシリンダヘッド - Google Patents

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Description

本願発明は、多気筒内燃機関のシリンダヘッドに関するものである。
内燃機関には、排気ガスを排出する排気ポートが各気筒に対応して形成されているが、近年、コンパクト化や熱効率向上等のために、シリンダヘッドの内部に排気集合部を形成して、排気側面には1つの排気出口穴が開口しただけの形態にすることが普及している。
シリンダヘッドの内部に排気集合部を形成すると、当該排気集合部が受ける熱量が高くなるため、冷却性も高くする必要がある。そこで、排気側のウォータジャケットを排気集合部(排気通路)の上と下とに形成している。
他方、シリンダヘッドには動弁機構やVVT装置などが配置されており、これらで使用したオイルは、シリンダヘッドの底部に集められてオイル落とし通路からオイルパンに戻されているが、オイルも昇温するため、オイルはできるだけ冷却するのが好ましい。
そこで、特許文献1には、オイル落とし通路及びヘッドボルト挿通穴が形成された共通ボス部をウォータジャケットの近くに位置させることにより、オイルの冷却促進を図ることが開示されている。
特開2015-121116号公報
特許文献1では、オイル落とし通路及びヘッドボルト挿通穴が空いている共通ボス部の一部が冷却水に晒されため、オイルの冷却性に貢献できるが、冷却水は、オイル落とし通路とヘッドボルト挿通穴とが形成されているボス部の一部にしか接触しないため、オイルの冷却性向上の面ではまだ改良の余地があった。
また、オイル落とし通路とヘッドボルト挿通穴とが形成されている共通ボス部は冷却水によって不均一に冷却されるため、熱ひずみが発生しやすくなるおそれもある。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本願発明は、
「複数の気筒から排出された排気ガスを1つの排気出口穴に集める排気通路と、冷却水がクランク軸線方向に流れる排気側ウォータジャケットと、動弁装置その他の機構部で使用されたオイルを下方に流下させるオイル落とし通路と、ヘッドボルトが挿通されるヘッドボルト挿通穴の群とが形成されており、
前記オイル落とし通路と1つのヘッドボルト挿通穴とが、前記排気側ウォータジャケットの内部に配置されて全周が冷却水に晒される柱状ボス体を有する共通ボス部に形成されている」
という基本構成になっている。
そして、上記基本構成において、
「前記排気側ウォータジャケットは、前記排気通路の上に配置された排気側上ウォータジャケットと、前記排気側上ウォータジャケットの下に配置された排気側下ウォータジャケットとを有していて、排気側上ウォータジャケットと排気側下ウォータジャケットとは、前記排気通路よりも下流側の部位において板状部によって区分されており、
前記柱状ボス体は前記板状部の上下両側に位置するように形成されており、かつ、前記板状部のうち前記柱状ボス体よりも下流側の部位に、前記排気側上ウォータジャケットの冷却水出口部と排気側下ウォータジャケットの冷却水出口部とを連通させる切欠き穴を形成している」
という構成になっている。
本願発明によると、オイル落とし通路が形成されている共通ボス部は、全周が冷却水に晒された柱状ボス体を有するため、オイル及び共通ボス部の冷却性能を大きく向上できる。そして、柱状ボス体は全体が均等に冷却されるため、シリンダヘッドの熱ひずみを防止又は抑制できる。その結果、動弁装置などの機器の滑らかな作動を確保することができると共に、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に浮きが発生することを防止して、エンジンのシール性向上にも貢献できる。
気側ウォータジャケットを、排気側上ウォータジャケットと排気側下ウォータジャケットとの複合構造に形成すると、排気通路が上下から冷却されるため、高い冷却性能を確保できる。そして、このように排気側上ウォータジャケットと排気側下ウォータジャケットとを形成した場合、両者の下流端部に冷却水出口部を設けて、両冷却水出口部を連通させる必要があるが、冷却水出口部が排気通路に近過ぎると、冷却水出口部の容積が大きくなり過ぎて流れの乱れなどが発生して、冷却水のスムースな流れが阻害されるそれがある。
この点、本願発明のように、排気側下ウォータジャケットと排気側上ウォータジャケットとの下流側端部を板状部で仕切ると、上下の排気側上ウォータジャケットから排出された冷却水が排気通路の下流直下部で過剰に混ざりあうことを防止して、上下の排気側ウォータジャケットにおいて、冷却水に、冷却水出口部に向かう流れの方向性を付与できる。その結果,冷却水の流れをスムース化できる。
しかも、上下の冷却水出口部は切欠き穴によって連通しているため、上下のウォータジャケットにおいて流量にバラツキがあっても、上下のウォータジャケットを流れてきた冷却水は出口部において互いに混ざり合う。従って、上下の冷却水出口部において流量が相違することによって圧損が大きくなったり、一方の冷却水出口部に空気が混入してキャビテーションが発生するような不具合は生じない。この面でも、冷却水の流れをスムース化できる。更に、板状部は補強リブの役割を果たすため、シリンダヘッドの剛性向上にも貢献できる。
また、本願発明では、オイル落とし通路を、排気側上ウォータジャケットの箇所において全周に冷却水が接触する柱状ボス部に形成しているため、オイルがオイル落とし通路に入るとすぐに冷却されてコーキング(焦げつき)の発生を防止できる。更に、共通ボス部は、板状部の下方の排気側下ウォータジャケットにおいても冷却水に晒されるため、共通ボス部が熱膨張することを抑制して、締結強度の向上やシール性向上に貢献できる。
更に、本願発明では、板状部は、排気通路を囲う部分で受けた熱をウォータジャケットに伝熱する放熱フィンの役割を果たすため、暖機後の運転時には、排気通路の内部が過剰に昇温することを抑制できる。従って、排気ガスの過剰昇温を抑制できると共に、シリンダヘッドの熱ひずみも抑制できる。更に、板状部からの冷却水に放熱されることにより、排気通路から共通ボス部への伝熱量を抑制できるため、オイル落とし通路を流れるオイルの冷却性能を向上できる。この点、上記したコーキング発生防止の効果を助長できる。更に、板状部の下方においても柱状ボス体を配置しているため、冷却性能を更に向上できて好適である。
他方、暖機運転時時や寒冷環境下での運転では、排気通路の熱が板状部を介してオイル落とし通路に伝達されるため、オイルを早期昇温させてメカロスの低減に貢献できる。また、柱状ボス体は板状部を補強する役割を果たすため、排気側ウォータジャケットの容積をできるだけ大きくしつつ、シリンダヘッドに高い剛性を保持させることができる。
また、自動車用内燃機関のシリンダヘッドは、一般にアルミを材料にした鋳造品が採用されているが、板状部を設けると、鋳型のうち板状部の部分は空所になっているため、鋳造に際して湯の流れをスムース化して、不良品発生率を低減させることができる。
実施形態のシリンダヘッドを排気側面の側から見た斜視図である。 シリンダヘッドの底面図である。 図1及び図7のIII-III 平断面図である。 図1の IV-IV視平断面図(排気通路を表示した平断面図)である。 図1の V-V視平断面図(排気側上ウォータジャケットを表示した平断面図)である。 排気側上ウォータジャケットである中子の分離平面図である。 シリンダヘッドの排気側面を部分的に切除した破断斜視図である。 シリンダヘッドの排気側面を部分的に切除した破断斜視図である。 シリンダヘッドの上面部を部分的に切除した斜視図である。
(1).概要
次に、本願発明を自動車用内燃機関のシリンダヘッドに適用した実施形態を、図面に基づいて説明する。まず、概要を説明する。図1から理解できるように、本実施形態のシリンダヘッドは3気筒内燃機関のものであり、周壁1,1aで囲われた内部に、クランク軸線方向に沿って3つの中心筒2が形成されている。
本実施形態では、方向を特定するため前後・左右の文言をするが、前後方向はクランク軸線方向(カム軸の軸線方向)であり、左右方向は、クランク軸線及び気筒軸線と直交した方向である。前と後ろは、一般的な呼び方に基づき、タイミングチェーンが配置されている側を前、ミッションケースが配置されている側を後ろとしている。念のため、図1,2に方向を明示している。
図1に示すように、シリンダヘッドの内部には、既述のとおり、イグニッション装置が挿入される中心筒2がクランク軸線方向に3つ並んでおり、かつ、内部は、中心筒2に繋がった仕切り壁3によって前後に仕切られている。各仕切り壁3と前壁1aとには、カム軸の下半部が嵌まる半円状の軸受け部4を形成している。
シリンダヘッドの後部には、冷却水分配部5を設けており、冷却水分配部5には、ラジエータ送りポート6やラジエータ戻りポート7などのポートが開口している。また、シリンダヘッドの排気側面8のうち前側に寄った部位に、左右横長の小判形に形成された1つの排気出口穴9が開口している。排気出口穴9は、周壁1から突出したランド部10に形成されている。
本実施形態では、排気出口穴9に排気ターボ過給機(図示せず)が接続されるようになっており、そこで、既述のとおり、排気出口穴9は前側に寄せて配置されている。すなわち、排気ターボ過給機の出口穴が後ろ向きに開口しており、この出口穴に触媒ケースが接続されるが、触媒ケースが機関本体の後ろにはみ出ることを防止するため、排気出口穴9を前側に寄せている。
図2に示すように、シリンダヘッドの下面には、3つの燃焼室11が形成されており、燃焼室11には、各気筒に対応して2つずつの吸気ポート12と排気ポート13とが開口している。また、シリンダヘッドの下面のうち前部には、シリンダブロックのウォータジャケットを経由した冷却水が流入する3つの流入穴14が、周方向に並んで開口している。
図2に示すように、シリンダヘッドのうち気筒列を挟んだ左右両側に、シリンダヘッドをシリンダブロックに固定するためのヘッドボルト挿通穴15が空いている。ヘッドボルト挿通穴15は、燃焼室11の群を囲うように全部で8箇所形成されている。
また、シリンダヘッドのうち排気側面8の側でかつ後ろ側には、端部のヘッドボルト挿通穴15に近づけた状態でオイル落とし通路16が上下に貫通している。オイル落とし通路16は、後端に位置した1つのヘッドボルト挿通穴15よりも少し前側で、かつ、少し排気側面8の側に配置している。従って、オイル落とし通路16と1つのヘッドボルト挿通穴15とは、いわば、1つの気筒の外周方向に並ぶように形成されている。
シリンダヘッドの下面には、燃焼室11を囲うように多数のダミー穴17が開口しているが、これらは、シリンダヘッドを鋳造するにおいて、後述する排気側下ウォータジャケットを形成するための中子を砂型内に保持するための足の名残であり、シリンダブロックのウォータジャケットとダミー穴17とは、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に介在させたガスケットによって分断されている。
図2に示すように、各燃焼室11の中心部には、点火プラグを取り付ける中心穴18が開口している。また、シリンダヘッドの下面のうち吸気側面19の側でかつ前側には、冷却水をシリンダブロックの内部に戻す前後長手の冷却水還流穴20が空いている。
(2).排気通路とその関連部位
次に、シリンダヘッドの内部構造を説明する。まず、排気部を説明する。図4に示すように、1つの気筒に対応して2つずつの排気ポート13が形成されており、一対の排気ポート13は1つの枝集合部13aに集合し、更に、3つの枝集合部13aが1つの排気出口穴9に集合している。従って、排気ポート13や枝集合部13aの群などにより、排気通路(排気空洞部)22が形成されている。
そして、平断面視で見た排気通路22の輪郭は、気筒列中心線23に向いた側では櫛歯状になっていて、排気側面8の側に位置した外側では、気筒列中心線23から徐々に遠ざかりながら排気出口穴9に向かう緩い曲面22a,22bになっている。逆に述べると、排気通路22の内面のうち排気側面8の側に位置した外側部分は、排気出口穴9から遠ざかるに従って気筒列中心線23に近づく緩い曲面22a,22bになっている。
そして、排気出口穴9が前側に寄っているため、排気出口穴9よりも上流側の外側曲面22aは排気出口穴9に向けて急激に傾斜している一方、排気出口穴9よりも下流側の外側曲面22bは、排気出口穴9に向けて緩く傾斜している。従って、排気通路22は、排気出口穴9を挟んで前後非対称の形状になっている。
シリンダヘッドの内部のうち排気通路22の高さ位置には、気筒列中心線23に沿って延びる吸気側ジャケット24が形成されている。吸気側ジャケット24の上流端は流入穴14と連通しており、吸気側ジャケット24を通過した冷却水は、冷却水配部5に形成した上冷却水出口部25aに流れ込む。既述のラジエータ送りポート6は、上冷却水出口部25aと連通している。
図3,4等に示すように、オイル落とし通路16とその近傍に位置した1つのヘッドボルト挿通穴15とは、共通ボス部27に形成されている(詳細は後述する。)。
冷却水配部5のうち吸気側面19に寄った部位に、冷却水還流空所29が形成されており、冷却水還流空所29には、ラジエータ戻りポート7が形成されている。
(3).排気側下ウォータジャケットとその関連部位
図3に示すように、シリンダヘッドの排気通路22の下方部のうち、気筒列中心線23を挟んで排気側面8の側には排気側下ウォータジャケット30が形成されている。吸気側ジャケット24の上流端部は2つの流入穴14と連通しており、排気側下ウォータジャケット30の上流端部(始端部)は、1つの流入穴14と連通している。
図3に示すように、排気側下ウォータジャケット30のうち前後両端の間の部位は、前後方向に長い隔壁31によって左右に分離している。隔壁31は強度を確保するためのものであり、中間部の2つのヘッドボルト挿通穴15は隔壁31に形成されている。
図4に示すように、排気通路22の手前側には、排気側フロントジャケット26が形成されている。排気側フロントジャケット26は排気側下ウォータジャケット30と連通しており、排気側フロント通路26の後端が下却水出口部25bと連通している(従って、排気側フロント通路26は、排気側下ウォータジャケット30の一部と云える。)。
図3に示すように、排気側下ウォータジャケット30と同じ高さ位置のうち吸気側面19の側には、冷却水をシリンダブロックに戻す前後長手の冷却水還流通路32が形成されている。冷却水還流通路32は、図4に示す冷却水還流空所29と連通しており、冷却水還流空所29から冷却水還流通路32に流入した冷却水は、冷却水還流穴20を経由してシリンダブロック内部に戻ってウォータポンプに吸引される。
(4).排気側上ウォータジャケットとその関連部位
排気通路22の上方には、図5に示すように、排気側上ウォータジャケット34が形成されている。排気側上ウォータジャケット34と吸気側ジャケット24とは、隔壁35によって左右に区分されている。図4に示すように、吸気側ジャケット24の前端部には、2つの流入穴14が連通している。なお、図5は、図1に明示するように、背面視で吸気側に向けて低くなるように傾斜した平面で切断している。このため、図5には吸気ポート12が現れている。
図5、7に示すように、排気側下ウォータジャケット30の前端部と排気側上ウォータジャケット34の前端部とは、フロント連通口43を介して連通している。従って、1つの流入穴14から排気側下ウォータジャケット30に流入した冷却水の一部は、フロント連通口43を通って排気側上ウォータジャケット34に流入する。フロント連通口43は、中子の製造上の制約によってシリンダヘッドの前面に開口しているが、この開口はプラグ44によって塞がれている。
図7,8から容易に理解できるように、排気側上ウォータジャケット34のうち排気通路22よりも下流側の部位と、排気側下ウォータジャケット30のうち排気通路22よりも下流側の部位とは、板状部37によって上下に区分されており、板状部37で区分された上下の空間が、ラジエータ送りポート6と連通した上下の冷却水出口部25a,25bになっている。換言すると、排気側上ウォータジャケット34の上冷却水出口部25aと、排気側下ウォータジャケット30の下冷却水出口部25bとが板状部37によって仕切られており、両者はラジエータ送りポート6と連通している。
そして、共通ボス部27は、板状部37と直交する状態で形成されているが、共通ボス部27は、板状部37の上下両側において、その全周が排気側上下ウォータジャケット34,30に露出した柱状ボス体27aとなっている。
従って柱状ボス体27aは、上下ウォータジャケット34,30で、その全周が冷却水に晒されている。柱状ボス体27aと隔壁35との間、及び、柱状ボス体27aと外壁36との間には僅かの隙間しか空いていない。このため、冷却水は柱状ボス体27aの左右両側の隙間を速い流速で通過する。従って、柱状ボス体27aの冷却性に優れている。
図7に示すように、排気側下ウォータジャケット30の後部の底面は、その前の部分に比べて少し高くなっている。そして、図3は、図7に示す切断線のとおり、高くなっている部分で切断しているため、図3では、共通ボス部27は排気側下ウォータジャケット30のみに露出した状態に表示されているが、実際には、共通ボス部27は、排気側下ウォータジャケット30の箇所でも柱状ボス体27aになっている。図3では、排気側下ウォータジャケット30に露出した柱状ボス体27aを点線で表示している。
図8や図9等に示すように、板状部37の端部に、ラジエータ送りポート6に連通した切欠き穴38を形成することにより、上下の冷却水出口部25a,25bを連通させている。従って、上下の冷却水出口部25a,25bに至って冷却水は、互いに混ざり合ってからラジエータ送りポート6に流入する。切欠き穴38は角穴(四角穴)に形成しているが、円形や楕円形などであってもよい。
実施形態では、オイル落とし通路16及び1つのヘッドボルト挿入穴15は、排気側の上下ウォータジャケット34,30の箇所に設けた柱状ボス体27aに形成されているため、オイルがオイル落とし通路16に入るとすぐに冷却されてコーキングの発生を防止できる。また、柱状ボス体27aは、板状部37の上下両側で冷却水に晒されるため、柱状ボス体27aが熱膨張することを抑制して、締結強度や高いシール性を確保できる。
また、既に述べたが、板状部37によって冷却水の流れに方向性を付与しつつ、上下の冷却水出口部25a,25bの冷却水を切欠き穴38によって混合させることにより、上下の冷却水出口部25a,25bでの冷却水の流れの偏りを無くして、冷却水をラジエータ送りポート6にスムースに送ることできる。板状部37が放熱フィンの役割や鋳造時の湯の流れを向上させる役割を有することも、既に述べたとおりである。
更に、熱ひずみの点を補足すると、図5に示すように、排気通路22を貫通するヘッドボルト挿通穴15のうちボア間部の外に位置したヘッドボルト挿通穴15は、全周を排気側上ウォータジャケット34に露出させた中間ボス部41に形成されているが、受熱量が大きくてオイル落とし通路16の近くに位置したヘッドボルト挿通穴15も、全周を排気側の上下ウォータジャケット34,30に露出させた共通ボス部27に形成されているため、各ボス部27,41の熱膨張を均一化して、シリンダヘッドの熱ひずみを抑制できるのである。
図5に示すように、吸気側ジャケット24を挟んで排気側上ウォータジャケット34と反対側(すなわち吸気側面19の側)には、既述の冷却水還流通路32が前後方向に長く形成されている。冷却水還流通路32は、冷却水還流穴20と連通している。
本実施形態を適用した内燃機関では、ウォータポンプはシリンダブロックに設けており、冷却水は、シリンダブロックを冷却してから流入穴14を経由してシリンダヘッドのジャケット24,30,34に流入し、次いで、ラジエータを経由して(又は経由することなく)、冷却水還流空所29、冷却水還流通路32、冷却水還流穴20の順で流れてシリンダブロックに設けた戻り通路に流入し、ウォータポンプに吸引される。
図5に示すように、シリンダヘッドのうち冷却水還流空所29と吸気側ジャケット24とを区分する隔壁39には貫通穴40が空いている。この貫通穴40は、シリンダヘッド内での冷却水の圧力が所定圧より高くなったときに冷却水を冷却水還流空所29に逃がすためのものであり、逆止弁(図示せず)によって開閉される。
なお、ラジエータ戻りポート7はサーモ弁によって開閉される。ラジエータ戻りポート7が閉じている状態では、冷却水は貫通穴40から冷却水還流空所29に流入して、冷却水還流通路32を経由してウォータポンプに吸引される。
図6では、ウォータジャケット24,30,34のみを表示している。この図では、吸気側ジャケット24と排気側下ウォータジャケット30とを一体に表示して、排気側上ウォータジャケット34は分離して表示しているが、これは、シリンダヘッドを鋳造するに当たって、排気側上ウォータジャケット34が、吸気側ジャケット24及び排気側下ウォータジャケット30とは別の中子で形成されることを意味している。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えは、吸気側ジャケットや排気側上ウォータジャケット、排気側下ウォータジャケットの形状は適宜変更できる。実施形態では、共通ボス部の柱状ボス体を排気側の上下ウォータジャケットに配置したが、いずれか一方のみに配置することも可能である。
本願発明は、内燃機関のシリンダヘッドに具体化できる。従って、産業上利用できる。
6 ラジェータ送りポート
7 ラジェータ戻りポート
8 排気側面
9 排気出口穴
15 ヘッドボルト挿通穴
16 オイル落とし通路
19 吸気側面
22 排気通路
23 気筒列中心線
25a 上冷却水出口部
25b 下冷却水出口部
27 共通ボス部
27a 柱状ボス体
30 排気側下ウォータジャケット
34 排気側上ウォータジャケット
37 板状部
38 切欠き穴

Claims (1)

  1. 複数の気筒から排出された排気ガスを1つの排気出口穴に集める排気通路と、冷却水がクランク軸線方向に流れる排気側ウォータジャケットと、動弁装置その他の機構部で使用されたオイルを下方に流下させるオイル落とし通路と、ヘッドボルトが挿通されるヘッドボルト挿通穴の群とが形成されており、
    前記オイル落とし通路と1つのヘッドボルト挿通穴とが、前記排気側ウォータジャケットの内部に配置されて全周が冷却水に晒される柱状ボス体を有する共通ボス部に形成されている構成であって、
    前記排気側ウォータジャケットは、前記排気通路の上に配置された排気側上ウォータジャケットと、前記排気側上ウォータジャケットの下に配置された排気側下ウォータジャケットとを有していて、排気側上ウォータジャケットと排気側下ウォータジャケットとは、前記排気通路よりも下流側の部位において板状部によって区分されており、
    前記柱状ボス体は前記板状部の上下両側に位置するように形成されており、かつ、前記板状部のうち前記柱状ボス体よりも下流側の部位に、前記排気側上ウォータジャケットの冷却水出口部と排気側下ウォータジャケットの冷却水出口部とを連通させる切欠き穴を形成している、
    内燃機関のシリンダヘッド。
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