JP2015124763A - エンジンのシリンダヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】排気再循環通路を内部に設けられるエンジンのシリンダヘッドであって、シリンダヘッド内の冷却水を用いて効率よくEGRガスを冷却するとともに、シリンダヘッドの上壁に溜るまたは流れる潤滑オイルに対して熱劣化を防止できるシリンダヘッドを提供することを目的とする。【解決手段】排気再循環装置を有するエンジンのシリンダヘッド1であって、エンジンのカムを収容するカム室22と、排気再循環装置の再循環ガスが通るヘッド内EGR通路23と、該ヘッド内EGR通路23とカム室22の間に設けられる分岐通路(冷却水通路)19と、を備えることを特徴とする。【選択図】図4
Description
本発明は、エンジンのシリンダヘッドに関し、特にシリンダヘッド内に排気再循環通路が形成されたシリンダヘッドに関する。
従来から、排ガス(排気)の一部を吸気側に還流させて、混合気が燃焼する時の温度を低下してNOxの生成量を抑える排気再循環装置(EGR)が知られており、このようなEGRを行うエンジンにおいては、排気管から吸気管へと排ガスを戻すEGR通路をエンジンのシリンダヘッド内を貫通して形成したものが知られている。
例えば、特許文献1(特開2013−174171号公報)には、図7で示すように、シリンダヘッド内部に設けられるEGR通路(ヘッド内EGR通路)01は、排気側側壁から直線状に延びる排気側部分02と、排気側部分の内端から屈折して吸気側側壁に直線状に延びる吸気側部分03とを有し、排気側部分が、排気側部分と吸気側部分との境界に形成された屈折部04から排気側側壁へと進むにつれてシリンダの軸線方向における上方へと進むように傾斜し、シリンダヘッド05に形成された冷却水通路06は、吸気側部分の下方に、吸気側部分に沿うように配置される一方、排気側部分から離間して配置される構成が示される。
しかし、前記特許文献1のヘッド内EGR通路01は、シリンダヘッド05内で、シリンダ軸線方向において冷却水通路06の上方に位置して配設されている。このため、シリンダヘッド05の上壁に近い位置に配設される位置関係になるため、シリンダヘッド05の上壁の上方に溜るまたは流れる潤滑オイルに対して、排ガスの熱による熱劣化を与える問題を有する。
また、特許文献1のシリンダヘッド05に形成された冷却水通路06は、排気側側壁から吸気側側壁へと延びて形成されるヘッド内EGR通路01に対して吸気側部分の下方に、吸気側部分に沿うように配置されるだけであるため、冷却水通路06によるEGRガスの冷却効果を十分に期待できないものである。
そこで、本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、排気再循環通路を内部に設けられるエンジンのシリンダヘッドであって、シリンダヘッド内の冷却水を用いて効率よくEGRガスを冷却するとともに、シリンダヘッドの上壁に溜るまたは流れる潤滑オイルに対して熱劣化を防止できるシリンダヘッドを提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するために、排気再循環装置を有するエンジンのシリンダヘッドであって、前記エンジンのカムを収容するカム室と、前記排気再循環装置の再循環ガスが通る排気再循環通路と、前記排気再循環通路と前記カム室の間に設けられる冷却水通路と、を備えることを特徴とする。
かかる発明によれば、シリンダヘッドに設けられる排気再循環通路を、シリンダヘッドの底壁と冷却水通路との間に配置するので、シリンダヘッドの上壁に溜るまたは流れる潤滑オイルに対して、上壁と排気再循環通路の間に冷却水が流れるため、排気再循環通路に流れる排気の熱によるオイル熱劣化を与える問題を解消できる。
また、本発明の一実施形態においては、前記冷却水通路は、前記シリンダヘッドの冷却箇所を冷却した後に冷却水を排出する第1の冷却水排出口と、前記第1の冷却水排出口から分岐する分岐通路と、前記分岐通路を通過した前記冷却水を排出する第2の冷却水排出口と、を有し、前記分岐通路は、前記排気再循環通路に沿って配置され、前記分岐通路の冷却水は、前記第1の冷却水排出口から第2の冷却水排出口の方向へ流れ、前記排気再循環通路の前記再循環ガスは、前記冷却水の流れる方向と反対方向に流れることを特徴とする。
このようすることで、排気再循環通路の排気を、分岐通路を流れる冷却水を用いて効率的に冷却できる。
また、本発明の一実施形態においては、前記エンジンは前記冷却水を冷却する熱交換器と、前記熱交換器へ通じる通路と、前記熱交換器をバイパスするバイパス通路と、前記通路の前記熱交換器の下流に設けられ、前記冷却水の温度に応じて前記熱交換器から流れる前記冷却水の流量を調整する流量調整手段と、を備え、前記第1の冷却水排出口は前記通路へ接続可能であり、前記第2の冷却水排出口は前記バイパス通路に接続可能であり、前記流量調整手段は前記通路が前記第1の冷却水排出口に接続される際に、前記第1の冷却水排出口より下流に設けられることを特徴とする。
これにより、例えばエンジンの冷態時には、第1の冷却水排出口から冷却水を排出されず、分岐通路を介して第2の冷却水排出口から冷却水が排出され、熱交換器を通過せずに再びシリンダヘッドへ戻る。したがって、排気再循環通路を流れる排気の熱が分岐通路を流れる冷却水に効率的に伝導され、伝達された熱をもった冷却水が熱交換器で冷却されることなくシリンダヘッドに戻ることで、エンジンの暖機を促進できる。さらに冷態時においても排気循環ガスを冷却できる。
また、本発明の一実施形態においては、前記エンジンは前記シリンダヘッドを通過した冷却水を用いてヒータを温めるヒータ装置と備え、前記バイパス通路には前記ヒータ装置が接続されることを特徴とする。
これにより、排気再循環通路を流れる排気の熱から分岐通路を流れる冷却水に熱が効率的に伝導し、該冷却水がヒータ装置に流れることでヒータ性能が向上する。
また、本発明の一実施形態においては、前記分岐通路の前記排気循環通路に対応する部分の断面は、前記分岐通路が前記排気循環通路の断面に沿って湾曲した凹形状であることを特徴とする。
このように、分岐通路が前記排気循環通路の管部材を、断面に沿って湾曲した凹形状の断面形状を有するため、分岐通路と前記排気循環通路との接触面積が増大するため、熱伝達効率を高めることができる。
本発明によれば、排気再循環通路を内部に設けられるエンジンのシリンダヘッドにおいて、シリンダヘッド内の冷却水を用いて効率よくEGRガスを冷却するとともに、シリンダヘッドの上壁に溜るまたは流れる潤滑オイルに対して熱劣化を防止できる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、エンジンのシリンダヘッド1の冷却水経路を示す概略説明図である。
シリンダヘッド1はシリンダブロック3の上部に配置されており、気筒(シリンダ)5の周囲に設置されたシリンダヘッドボルト8によって締結されている。実施形態においては、各気筒に2つの吸気ポート4と2つの排気ポート6とを備えた直列4気筒のエンジンの例を示している(図1、6参照)。
シリンダヘッド1はシリンダブロック3の上部に配置されており、気筒(シリンダ)5の周囲に設置されたシリンダヘッドボルト8によって締結されている。実施形態においては、各気筒に2つの吸気ポート4と2つの排気ポート6とを備えた直列4気筒のエンジンの例を示している(図1、6参照)。
図1に示すように、シリンダヘッド1に形成されている冷却水通路は、4つのシリンダ5の配列方向の片側(排気側)に、シリンダ5ごとに一対の冷却水入口7、7と、反対側(吸気側)に冷却水出口9とが設けられている。冷却水入口7は、シリンダヘッド1内の冷却水通路にシリンダブロック3から冷却水を導入するための入口である。
また、シリンダヘッド1内の冷却水通路は、横流れ冷却水通路11と、縦流れ冷却水通路13からなり、この横流れ冷却水通路11は、冷却水入口7から冷却水出口9に至ってシリンダ5を横切るように流れて、シリンダ5の上部に配設された吸気弁、排気弁、燃料噴射ノズル(ガソリンエンジン車では、点火プラグ)等の部品およびこれら部品の周辺を冷却するように形成されている。
また、シリンダ5の上部には吸気弁、排気弁を駆動する図示しないカムシャフトがシリンダヘッド1の全長にわたって配置され、このカムシャフトを受ける軸受けおよびカムシャフト本体を収容するカム室22(図4参照)が設けられる。カムシャフトはカムの軸受け(カムジャーナル)からオイルが供給されカムシャフトの回転部やバルブ駆動部を潤滑する。このオイルはシリンダヘッドのカム室下面(シリンダヘッド1の上壁の上方)26に溜まり(図4参照)、シリンダヘッド1の上壁の上方からシリンダブロックへ向けた図示しないオイル落とし穴を通過してエンジン下部の図示しないオイルパンに戻る。
縦流れ冷却水通路13は、気筒列の方向に伸びて設けられ、シリンダヘッド1の略全長域に渡って設置されており、また、前記横流れ冷却水通路11を通過した冷却水が、それぞれの冷却水出口9から、縦流れ冷却水通路13に流入して合流するようになっている。
縦流れ冷却水通路13の下流端部には、冷却水排出口(第1の冷却水排出口)15が設けられており、縦流れ冷却水通路13に合流した各シリンダからの冷却水が該冷却水排出口15から外部に排出される。
また、縦流れ冷却水通路13は、図2、3に示すように、シリンダヘッド1の底壁に沿って配設されように扁平の断面形状を有し、4気筒の全ての吸気ポート17のシリンダ5の軸線方向の下方に位置してシリンダヘッド1の長手方向に沿って配置される。さらに、吸気ポート17側のシリンダヘッド1の側壁に沿っても配置されている。
縦流れ冷却水通路13を吸気ポート17の下方であって、シリンダヘッド1の底壁に沿って配置するため、吸気ポート17を流れる吸気に対して、吸気温度の安定化を行うことができる。例えば、吸気温度が低下している場合には、シリンダブロックおよびシリンダヘッドを冷却後の冷却水によって暖気でき吸気温度の安定化に寄与できる。
また、縦流れ冷却水通路13がシリンダヘッド1の底壁に沿って近い位置に配置されるため、シリンダヘッド1とシリンダブロック3との間に挟み込まれるガスケットに対して、吸気側に対して加熱作用が生じ、吸気側と排気側との熱バランスの均一化が可能になる。すなわち、吸気側のガスケットに対して加熱作用が生じるため、排気側のガスケットとの熱バランスの均一化が期待できる。
また、縦流れ冷却水通路13は、図3に示すように、4気筒の全ての吸気ポート17の下方側に配置される本体部13aと、該本体部13aの端部から上方に傾斜して立ち上がる傾斜部13bと、傾斜の頂上に形成され頂上部13cとを備えている。これら、傾斜部13bと頂上部13cから隆起部18を形成している。このように隆起部18は、縦流れ冷却水通路13の下流端域に形成されている。
この頂上部13cには、前記冷却水排出口15が設けられ、冷却水排出口15には縦流れ冷却水通路13の縦流れ方向と同一方向に突出した円筒形状の接続口が形成されている。また、この冷却水排出口15は、エンジンを車両に搭載した際に最高位置に位置されるように、頂上部13cに形成されている。エンジンは車両に傾斜して搭載可能になっている(図4参照)。
さらに、頂上部13cにおいて、縦流れ冷却水通路13から分岐して分岐通路(冷却水通路)19が形成されている。この分岐通路19は、図3、4に示すように、シリンダヘッド1の吸気側から排気側へ向かって延伸して形成され、斜めに下方向に傾斜した分岐傾斜通路部19aを有して構成される。この分岐傾斜通路部19aの下端部には、分岐排出口(第2の冷却水排出口)21が設けられ、前記冷却水排出口15と同様に、縦流れ冷却水通路13の縦流れ方向と同一方向に突出した円筒形状の接続口が形成されている。
横流れ冷却水通路11および縦流れ冷却水通路13で発生する空気(気泡)は、冷却水とともに冷却水排出口15に向かって流れるが、該冷却水排出口15は、隆起形状の頂上部13cに形成されてエンジンの搭載時に最高位置に位置されるため、外部へと効率よく、且つ滞留させることなく排出させることができる。
また、各気筒における横流れ冷却水通路11の間をそれぞれ連結して空気抜き通路25が設けられている。この空気抜き通路25は、略同一の中心線L(流れの方向も兼ねて示す)を有して形成され、気泡が通過できる程度の径を有し、縦流れ冷却水通路13より細い細管に形成されている。さらに、分岐傾斜通路部19aの中間部分に連通するようになっている(図3の矢印Aに流れの概略を示す)。
なお、空気抜き通路25の中心線Lは、分岐傾斜通路部19aとの連結部分に向かって上昇するように形成されていると、空気排出には好ましい。
なお、空気抜き通路25の中心線Lは、分岐傾斜通路部19aとの連結部分に向かって上昇するように形成されていると、空気排出には好ましい。
<EGR通路>
また、分岐通路19のシリンダ5の軸線方向の下方側には、分岐通路19に沿って並設してシリンダヘッド内形成されるヘッド内EGR通路(排気再循環通路)23が形成されている。
また、分岐通路19のシリンダ5の軸線方向の下方側には、分岐通路19に沿って並設してシリンダヘッド内形成されるヘッド内EGR通路(排気再循環通路)23が形成されている。
このヘッド内EGR通路(排気再循環通路)23は、分岐通路19の下方側に配置されるので、シリンダヘッド1の底壁に近い位置に配設されることによって、シリンダヘッド1の上壁の上方に溜るまたは流れる潤滑オイルに対して、排ガスの熱による熱劣化を与える問題を解消できる。
また、分岐通路19に沿って並設配置、しかも接して配置されるので、分岐通路19を流れる冷却水と、ヘッド内EGR通路(排気再循環通路)23を流れる排ガスとの熱交換を効果的に行うことができ、冷却効果を向上できる。
また、分岐通路19に沿って並設配置、しかも接して配置されるので、分岐通路19を流れる冷却水と、ヘッド内EGR通路(排気再循環通路)23を流れる排ガスとの熱交換を効果的に行うことができ、冷却効果を向上できる。
さらに、ヘッド内EGR通路23は、分岐通路19の全域に渡って分岐通路19の下側に配設されており、且つ、ヘッド内EGR通路23を流れるEGRガスと分岐通路19を流れる冷却水の流れとが互いに対向するように反対方向に流れるため、熱交換の効率が高められる。
このように、分岐通路19が冷却水排出口15の部分において分岐してから、シリンダヘッド1の幅方向に延在して形成され、ヘッド内EGR通路23はその分岐通路19の全域に渡って並設され、さらに、対向流れにすることによって、ヘッド内EGR通路23の排ガスを、分岐通路19を流れ冷却水によって冷却効果を高めることができる。
また、図5に示すように、分岐通路19の断面形状は、分岐通路19がヘッド内EGR通路23の管部材を、上方より囲むように湾曲した凹形状部24に形成されている。これによって、分岐通路19とヘッド内EGR通路23とが単に上下に接触して配置されるよりも接触面積を増大できるため、冷却効果をさらに高めることができる。
<冷却水経路>
次に、冷却水経路の概要について図1を参照して説明する。
シリンダヘッド1の冷却水排出口15は、排出通路27を介してラジエータ29に接続し、ラジエータ29の出口は冷却水温度を調節するサーモスタット31に接続し、サーモスタット31の出口は冷却水を循環するウォータポンプ(W/P)33に接続し、ウォータポンプ33の出口はシリンダブロック3に接続し、シリンダブロック3の出口は、冷却水入口7を介してシリンダヘッド1に接続している。これによって、冷却水が循環するように冷却水経路が構成されている。
次に、冷却水経路の概要について図1を参照して説明する。
シリンダヘッド1の冷却水排出口15は、排出通路27を介してラジエータ29に接続し、ラジエータ29の出口は冷却水温度を調節するサーモスタット31に接続し、サーモスタット31の出口は冷却水を循環するウォータポンプ(W/P)33に接続し、ウォータポンプ33の出口はシリンダブロック3に接続し、シリンダブロック3の出口は、冷却水入口7を介してシリンダヘッド1に接続している。これによって、冷却水が循環するように冷却水経路が構成されている。
また、分岐排出口21には、ラジエータ29をバイパスしてラジエータ29の出口側に接続するバイパス通路35が接続される。該バイパス通路35には、車室内の暖房用のヒータ37が接続され、ヒータ37の出口はサーモスタット(流量調整手段)31に接続されている。
このサーモスタット31は、バイパス通路35を通過する冷却水温度に応じて、ラジエータから流入する冷却水の量を調整してシリンダヘッド1を含むエンジンへ流入する冷却水の温度を調整する。
すなわち、例えば、エンジンが冷態状態から始動したときなど、冷却水温度が低い状態ではバイパス通路35を流れる冷却水温度が低く、サーモスタット31が開弁しない状態あるいは開度が低い状態となる。このような状態では、バイパス通路35を通る冷却水のみがシリンダヘッド1に供給され、ラジエータ(熱交換器)29を通過する冷却水はサーモスタットより下流へ流れない状態もしくは流れる量が少ない状態になる。
このサーモスタット31は、バイパス通路35を通過する冷却水温度に応じて、ラジエータから流入する冷却水の量を調整してシリンダヘッド1を含むエンジンへ流入する冷却水の温度を調整する。
すなわち、例えば、エンジンが冷態状態から始動したときなど、冷却水温度が低い状態ではバイパス通路35を流れる冷却水温度が低く、サーモスタット31が開弁しない状態あるいは開度が低い状態となる。このような状態では、バイパス通路35を通る冷却水のみがシリンダヘッド1に供給され、ラジエータ(熱交換器)29を通過する冷却水はサーモスタットより下流へ流れない状態もしくは流れる量が少ない状態になる。
以上の冷却水経路における、冷却水の流れについて説明する。
まず、冷却水は、図示のウォータポンプ33によって、シリンダブロック3の冷却水通路(ウォータジャケット)に送られ、シリンダブロック3の上部に設けられた冷却水出口から排出され、シリンダヘッド1の底壁に形成された冷却水入口7からシリンダヘッド1内に供給される。
まず、冷却水は、図示のウォータポンプ33によって、シリンダブロック3の冷却水通路(ウォータジャケット)に送られ、シリンダブロック3の上部に設けられた冷却水出口から排出され、シリンダヘッド1の底壁に形成された冷却水入口7からシリンダヘッド1内に供給される。
シリンダヘッド1内の冷却水通路に供給された冷却水は、図6に示すように、排気弁間を冷却するよう流れて吸気側に至るように、各気筒の燃焼室の上方を横切るように流れて吸気側の冷却水出口9から、縦流れ冷却水通路13に流れ込む。
縦流れ冷却水通路13に流れ込んだ、各気筒の横流れ冷却水は合流して、冷却水排出口15に向かって流れて、冷却水排出口15から排出されて、ラジエータ29に供給される。
一方、冷却水排出口15の近傍で冷却水の一部が分流して分岐通路19に流れ、分岐通路19に流れた冷却水は、分岐排出口21から排出されて、ヒータ37に供給される。
一方、冷却水排出口15の近傍で冷却水の一部が分流して分岐通路19に流れ、分岐通路19に流れた冷却水は、分岐排出口21から排出されて、ヒータ37に供給される。
さらに、ラジエータ29、ヒータ37にそれぞれ供給される冷却水は、ラジエータ29の下流側に設けられたサーモスタット31によって、ラジエータ29を通過させる流れの流量を、ラジエータ29を通過させずにヒータ37を通過したバイパス通路の流れる冷却水の温度によって調整する。
例えば、バイパス通路35を流れる冷却水の温度が、サーモスタット31の設定温度以下の冷態状態のときには、サーモスタット31は、ラジエータ29からの流れを遮蔽することで、バイパス通路35を流れる冷却水をエンジンの熱で温めてエンジンの暖機を促進させる。
また、バイパス通路35を流れる冷却水の温度が、サーモスタット31の設定温度を超えて全開となる所定の温度まで(例えば80度)の状態のときには、サーモスタット31は、ラジエータ29を流れる冷却水がシリンダブロック3及びシリンダヘッド1へ供給されるように、バイパス通路を流れる冷却水の温度の上昇に合わせて徐々に開弁して、ラジエータ29を流れる冷却水がサーモスタット31の下流に流れる流量を多くする。
バイパス通路を流れる冷却水の温度が、所定の温度を超えると、サーモスタット31は全開となり、サーモスタット31の下流へラジエータ29を流れる冷却水が最大流量となるようにする。
バイパス通路を流れる冷却水の温度が、所定の温度を超えると、サーモスタット31は全開となり、サーモスタット31の下流へラジエータ29を流れる冷却水が最大流量となるようにする。
上述のとおり、ヘッド内EGR通路23が分岐通路19に沿って配置されているため、エンジンが冷態状態で始動され、サーモスタット31が開弁されない状態ではラジエータ29へ流れる冷却水の流量が無くなるあるいは少なくなり、分岐排出口21へ向けて冷却水が流れる。
本実施例のように、ヘッド内EGR通路23と分岐通路19の間で効率的の熱伝達が行われるように配置すれば、ヘッド内EGR通路23の排気熱により分岐通路19の冷却水が暖められて、ウォータポンプ33を介してエンジンおよびシリンダヘッド1へ戻ってくることとなる。暖かい冷却水がエンジンに供給されると、エンジンのクランクやピストンなどに発生する冷態時のフリクション(オイルの熱に対する粘度特性や、金属の熱に対する収縮特性が原因とされる)が低下し、本実施例の構造を採用しないエンジンに対してエンジンの暖機を促進することができる。
本実施例のように、ヘッド内EGR通路23と分岐通路19の間で効率的の熱伝達が行われるように配置すれば、ヘッド内EGR通路23の排気熱により分岐通路19の冷却水が暖められて、ウォータポンプ33を介してエンジンおよびシリンダヘッド1へ戻ってくることとなる。暖かい冷却水がエンジンに供給されると、エンジンのクランクやピストンなどに発生する冷態時のフリクション(オイルの熱に対する粘度特性や、金属の熱に対する収縮特性が原因とされる)が低下し、本実施例の構造を採用しないエンジンに対してエンジンの暖機を促進することができる。
一方、冷却水が温まるということは、EGRガスの温度が低下するということである。本実施例の発明によれば、分岐通路19には冷態状態から積極的に冷却水が流れるため、エンジンの冷態状態から温態状態まで全域にわたって、EGRガスが分岐通路19の冷却水により効率的に冷却されることとなる。これにより、高温のEGRガスが吸気に供給されることによる充填効率の低下を防ぐことができる。
また、本実施例の構造では分岐排出口21からヒータ37へも温まった冷却水が供給される。これにより、本実施例の構造を採用しないエンジンに対してヒータ37にある図示しないヒータコアの昇温時間が短くなり、暖房性能を向上させることができる。
さらに、ラジエータ29の通過をバイパスさせるバイパス通路35への冷却水の流れを、シリンダヘッド1内において冷却水排出口15の部分から分岐して形成することで、シリンダヘッド1の外部での配管作業やレイアウトの煩雑さが解消される。
また、冷却水排出口15および分岐排出口21は、それぞれシリンダヘッド1の長手方向の端面に同一方向に向かって突出しているため、外部との接続の配管作業が容易化される。
また、冷却水排出口15および分岐排出口21は、それぞれシリンダヘッド1の長手方向の端面に同一方向に向かって突出しているため、外部との接続の配管作業が容易化される。
本発明によれば、排気再循環通路を内部に設けられるエンジンのシリンダヘッドにおいて、シリンダヘッド内の冷却水を用いて効率よくEGRガスを冷却するとともに、シリンダヘッドの上壁に溜るまたは流れる潤滑オイルに対して熱劣化を防止できるので、エンジンのシリンダヘッド構造への利用に適している。
1 シリンダヘッド
3 シリンダブロック
7 冷却水入口
9 冷却水出口
11 横流れ冷却水通路
13、51 縦流れ冷却水通路
15 冷却水排出口(第1の冷却水排出口)
19 分岐通路(冷却水通路)
21 分岐排出口(第2の冷却水排出口)
22 カム室
23 ヘッド内EGR通路(排気再循環通路)
24 凹形状部
26 カム室下面
29 ラジエータ(熱交換器)
31 サーモスタット(流量調整手段)
35 バイパス通路(冷却水バイパス通路)
3 シリンダブロック
7 冷却水入口
9 冷却水出口
11 横流れ冷却水通路
13、51 縦流れ冷却水通路
15 冷却水排出口(第1の冷却水排出口)
19 分岐通路(冷却水通路)
21 分岐排出口(第2の冷却水排出口)
22 カム室
23 ヘッド内EGR通路(排気再循環通路)
24 凹形状部
26 カム室下面
29 ラジエータ(熱交換器)
31 サーモスタット(流量調整手段)
35 バイパス通路(冷却水バイパス通路)
Claims (5)
- 排気再循環装置を有するエンジンのシリンダヘッドであって、
前記エンジンのカムを収容するカム室と、
前記排気再循環装置の再循環ガスが通る排気再循環通路と、
前記排気再循環通路と前記カム室の間に設けられる冷却水通路と、
を備えることを特徴とするシリンダヘッド。 - 前記冷却水通路は、前記シリンダヘッドの冷却箇所を冷却した後に冷却水を排出する第1の冷却水排出口と、
前記第1の冷却水排出口から分岐する分岐通路と、
前記分岐通路を通過した前記冷却水を排出する第2の冷却水排出口と、
を有し、
前記分岐通路は、前記排気再循環通路に沿って配置され、
前記分岐通路の冷却水は、前記第1の冷却水排出口から第2の冷却水排出口の方向へ流れ、
前記排気再循環通路の前記再循環ガスは、前記冷却水の流れる方向と反対方向に流れることを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッド。 - 前記エンジンは前記冷却水を冷却する熱交換器と、
前記熱交換器へ通じる通路と、
前記熱交換器をバイパスするバイパス通路と、
前記通路の前記熱交換器の下流に設けられ、前記冷却水の温度に応じて前記熱交換器から流れる前記冷却水の流量を調整する流量調整手段と、を備え、
前記第1の冷却水排出口は前記通路へ接続可能であり、
前記第2の冷却水排出口は前記バイパス通路に接続可能であり、
前記流量調整手段は前記通路が前記第1の冷却水排出口に接続される際に、前記第1の冷却水排出口より下流に設けられることを特徴とする請求項2に記載のシリンダヘッド。 - 前記エンジンは前記シリンダヘッドを通過した冷却水を用いてヒータを温めるヒータ装置と備え、
前記バイパス通路には前記ヒータ装置が接続されることを特徴とする請求項3に記載のシリンダヘッド。 - 前記分岐通路の前記排気循環通路に対応する部分の断面は、前記分岐通路が前記排気循環通路の断面に沿って湾曲した凹形状であることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載のシリンダヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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2013
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