JP6256360B2 - 永久磁石およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、MnAl系合金からなる高磁気特性(特に高飽和磁化)な永久磁石とその製造方法に関する。
Nd等を用いた希土類磁石は非常に優れた磁気特性を発揮するが、稀少で高価な希土類元素(特にDy等)を使用するため、資源リスクが伴う。一方、フェライト磁石は、豊富なFeの酸化物からなるため資源リスクは殆どないが、磁気特性が不十分である。
このような観点から、それらに替わる種々の永久磁石が提案されており、その一つとしてMnAl系磁石がある。これに関連する記載が、例えば、下記の文献にある。
特開2001−217108号公報
P. Manchanda, A. Kashyap, J. E. Shield, L. H. Lewis, R. Skomski: Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 365, 88 (2014). C. Paduani, J. Schaf, A. I. C. Persiano, J. D. Ardisson: Journal of Alloys and Compounds, 479, 1 (2009). M. Matsumoto, A. Morisako, and N. Kohshiro: IEEE Transaction on Magnetics, 6, 134 (1991). A. Morisako, M. Matsumoto, and M. Maoe: IEEE Transaction on Magnetics, MAG-23, 2470 (1987).
特許文献1は、Mn−B相とMn−Al相の両相を混在させることによって磁気特性の向上を図った Mn−B−Alからなる磁石組成物を提案している。
非特許文献1は、MnAl中のMnをFeで置換することにより飽和磁化が減少する旨を計算結果に基づいて予測している。非特許文献2は、MnAl中のMnをFeで置換した複数の合金(Mn42Al42Fe16 、Mn34Al44Fe22 、Mn34l41Fe25 )について磁気特性を検討している。いずれの合金もFeの置換量が多いにも拘わらず、永久磁石特性を発現していない。
非特許文献3は、MnAl中のMnをNiで置換することにより飽和磁化が増加する旨を述べている。しかし、ベースとしたMnAlの格子定数(a=0.398nm、 c=0.348nm、c/a=0.87)が、その本来の格子定数(a=0.392nm、 c=0.354nm、 c/a=0.90)と大きく異なっている。また、その飽和磁化も120emu/cmと極めて小さい。これらのことから、非特許文献3のMnAl系磁石では、永久磁石特性を発現するMnAlが十分に形成されていないと推察される。仮に、その飽和磁化が増加しているなら、それはMnAl中のMnの一部がNiに置換されたためではなく、強磁性元素であるNi自身によるものと考えられる。
非特許文献4は、MnAl中のMnの一部をCuで置換することにより飽和磁化が減少する旨を述べている。
このようにMnAl中のMnの一部を他元素で置換したMnAl系磁石の検討は従来からなされてきたが、現実的に、MnAlからなる永久磁石の磁気特性(特に飽和磁化)を向上させたものはなかった。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものである。すなわち、現実に磁気特性(特に飽和磁化)を向上させたMnAl系合金からなる永久磁石と、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、MnAl中のMnの少量をFeまたはNiで置換することにより、MnAl系合金からなる永久磁石(単に「MnAl系磁石」という。)の飽和磁化を向上させることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べるような本発明を完成するに至った。
《永久磁石》
(1)本発明の永久磁石は、全体を100原子%(以下、単に「%」という。)としたときに、FeとNiの合計:0.2〜2.8%、Al:40〜50%、Mn:残部であるMnAl系合金からなり、該MnAl系合金の結晶構造は、正方晶であると共に、格子定数比(c/a):0.877<c/a<0.91、格子定数(a):0.3904nm<a<0.3979nm、格子定数(c):0.349nm<c<0.3553nmであることを特徴とする。このMnAl系合金に含まれ得るFeとNiは、いずれか一方のみでもよい。
(2)本発明の永久磁石は、単にMnAlからなる従来の永久磁石(単に「MnAl磁石」という。)よりも、少なくとも高い飽和磁化を発現する。このため本発明の永久磁石によれば、希土類磁石やフェライト磁石等に替えて、資源リスクの少ないMnAl系磁石の利用促進を図れるようになる。
ところで本発明の永久磁石の飽和磁化が向上した理由は、必ずしも定かではないが、次のように考えられる。先ず飽和磁化は、結晶構造と構成元素で決定される制御困難な物性値であるため、通常、その向上は容易ではない。一見、強磁性元素であるFe等の添加により、MnAl磁石の飽和磁化を容易に向上させ得るようにみえるが、実際には、上述した非特許文献等にもあるように、Fe等の添加によって、飽和磁化は逆に低下し得る。これはFe等の添加により、磁気特性を発現するMnAlの結晶構造(正方晶/L1型結晶)が維持されず、永久磁石としての特性が劣る他の結晶構造が出現するためと考えられる。
本発明のMnAl系磁石は、強磁性元素の中でも特定の元素(FeまたはNi)を、特定の少量だけ含む。このため、永久磁石特性を発現するMnAlの結晶構造はそのまま維持されつつ、Fe等の添加によって結晶格子が異方的に歪む。その結果、構成元素の原子間距離ひいては電子の分布状態が変化して、本発明のMnAl系磁石では飽和磁化が向上したと考えられる。
《永久磁石の製造方法》
本発明は、上述した永久磁石としてのみならず、その製造方法としても把握できる。すなわち、本発明は、MnとAlからなる第一合金層と、FeまたはNiの少なくとも一方とMnまたはAlの少なくとも一方とからなる第二合金層とを交互に積層した積層体を形成する積層工程と、該積層体を加熱して均質化する均質化工程とを備え、上述した永久磁石が得られることを特徴とする永久磁石の製造方法としても把握できる。
《その他》
(1)本明細書では、MnAl系磁石の結晶構造を特定するために格子定数を適宜用いるが、適宜、その単位(nm)を省略して表記する。
(2)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を、新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
本明細書で説明する内容は、本発明の永久磁石のみならず、その製造方法にも該当し得る。製造方法に関する構成要素は、プロダクトバイプロセスクレームとして理解すれば物に関する構成要素ともなり得る。上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《MnAl系合金》
本発明に係るMnAl系合金は、全体を100原子%(単に「%」という。)としたときに、FeとNiの少なくとも一方を含み、その合計は0.2〜4%、0.4〜3.5%さらには0.6〜3%であると好ましい。これらの元素が過少でも過多でも、飽和磁化の十分な向上を図れない。特に、それらの元素が過多になると、永久磁石特性を発現するL1型結晶構造が維持されなくなり、好ましくない。また本発明に係るMnAl系合金は、Alを40〜50%、42〜48%さらには43%〜47%含むと好ましい。Alが過少でも過多でも、やはり、MnAl系磁石の結晶構造(L1型正方晶)が維持されず、好ましくない。
本発明に係るMnAl系合金は、特定の結晶構造を有するMn(Fe、Ni)とAlの金属間化合物からなる。具体的にいうと、その結晶構造は正方晶であり、さらに詳述すると、その格子定数(a)は0.3904<a<0.3979、0.3950<a<0.3975さらには0.3960<a<0.3973であると好ましい。また格子定数(c)は、0.349<c<0.3553、0.350<c<0.354さらには0.351<c<0.353であると好ましい。そして格子定数比(c/a)は、0.877<c/a<0.91、0.88<c/a<0.90さらには0.885<c/a<0.895であると好ましい。本発明に係るMnAl系合金の結晶構造は、a、cまたはc/aの2以上を組合わせて特定され得るが、磁気特性(飽和磁化)へ影響を及ぼす結晶構造の歪みだけであればc/aだけでも指標され得る。
ちなみに、MnAl磁石の代表的な合金組成はMn:55原子%、Al:45原子%である(適宜、この合金を「ベース合金」または「Mn55Al45」という。)。この合金(化合物)の結晶構造はa=0.3904nm、c=0.3553nm、c/a=0.910である。本発明に係るMnAl系合金は、少量のFeまたはNiが混在することにより、そのベース合金に対して、aが延伸されcが短縮された(c/aが小さくなった)歪んだ結晶構造となる。このような結晶構造の歪みにより、本発明のMnAl系磁石は、ベース合金からなるMnAl磁石よりも高い飽和磁化を発現していると考えられる。
本発明に係るMnAl系合金は、ベース合金を構成するMnの一部が、Mn(原子半径:127pm)と大きさが近い強磁性元素であるFe(原子半径:140pm)またはNi(原子半径:124pm)で置換されたものとも考えることができる。このとき、ベース合金に含まれるMnの全体を100原子%として、そのMnの一部を置換したFeまたはNiの割合(置換率)は、上述した合金組成に基づいて、0.5〜7%さらには0.8〜6%であると好ましいといえる。
なお、本発明に係るMnAl系合金は、不可避不純物を含み得ることは勿論、永久磁石として高特性な結晶構造が維持される範囲内で、他の元素を少量(例えば2原子%以下)含み得る。このような元素として、原子半径の小さい侵入型元素であるB、C、N、Oなどがある。
《永久磁石の製造方法》
本発明の永久磁石は、その製造方法を問わないが、例えば、上述した積層工程と、均質化工程とを行うことにより得られる。
(1)積層工程
第一合金層または第二合金層の形成は、例えば、永久磁石となるMnAl系合金の所望組成に応じて用意されたターゲット原料に対してスパッタリング等を行うことにより可能である。各合金層の組成は種々調整され得るが、例えば、第一合金層が永久磁石特性を発現するMnAl合金(例えばベース合金)からなり、第二合金層がそのMnAl合金のMnと置換されるFeまたはNiと、Alとの合金からなると好ましい。これにより、少量のMnをFeまたはNiで置換した所望組成のMnAl系合金の形成が容易となる。
具体的にいうと、例えば、第一合金層がAl:40〜50原子%を含み、残部がMnからなるMnAl合金であり、第二合金層がAl:40〜50原子%を含み、残部がFeまたはNiの少なくとも一方からなると好ましい。勿論、各合金層は、上記の組成以外でもよく、例えば、第二合金層はFeまたはNiの少なくとも一方とMnとAlの三元系合金でもよい。
MnAl系磁石の全体組成を、第一合金層と第二合金層の膜厚で調整する場合、例えば、MnAl層(第一合金層)に対する(Fe、Ni)Al層(第二合金層)の膜厚比は、0.001〜0.1さらには0.005〜0.07であるとよい。なお、各合金層を複数積層する場合、各層の組成や膜厚は変化してもよい。但し、第一合金層の各層または第二合金層の各層はそれぞれ、同一組成または同一膜厚であると、工程管理が容易となり好ましい。ちなみに各合金層の膜厚は、例えば、1〜100nmであると、積層体の熱処理した際に均質的な永久磁石が得られ易くなり好ましい。
なお、各合金層を形成する際に用いる基材の材質や形態は基本的には問わない。もっとも、特定の結晶構造を有するMnAl系合金を得るために、エピタキシャル成長により結晶方位が特定方向に揃った結晶粒が得られる基材を用いると好ましい。ちなみにエピタキシャル成長には、基材側(または下地層)の結晶と合金層の結晶との格子定数がほぼ等しく、両者の熱膨張係数が近接しているほど好ましい。このような基材として、酸化マグネシウム(MgO)の単結晶からなるMgO単結晶基材、W、Mo、Cu、Siの単結晶基材などがある。この場合、基材の積層面に垂直な方向を合金層の磁化容易軸(c軸)の方向とするとよい。
また、基材自体の結晶構造とは別に、基材の表面上に合金層の結晶面と整合的な結晶構造を有する下地層を形成しておいてもよい(下地層形成工程)。このような下地層には、シード層やバッファ層がある。シード層とはバッファ層の結晶成長を促進させる層であり、バッファ層とは合金層の形成を促進する土台となる層である。 このような下地材として、Mo、Ta、W、Ti、Cr、V、Nb、Pd、Pt、Ag、Auなどがある。なお、下地層もスパッタリングにより形成可能である。
(2)均質化工程
第一合金層と第二合金層の積層体を加熱して各元素(特にFeまたはNi)を拡散させることにより、所望の組成および結晶構造を有する均質的なMnAl系合金が得られる。加熱条件は種々調整され得るが、例えば、300〜800℃さらには400〜600℃で、0.1〜10時間さらには0.5〜2時間加熱すると好ましい。なお、積層体の加熱は、酸化防止雰囲気(真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等)で行うと好ましい。
さらに、得られたMnAl系合金の表面に、その酸化を抑止する保護層を形成すると好ましい(保護層形成工程)。この保護層形成工程も、前述したスパッタリングにより行える。そのターゲットには、Cr、Ag、Au、Pd、Pt、Mo、Cu、Ti、Ta、Ru、V、Hf、W、Irなどの単体、合金または化合物などを用いることができる。このスパッタリングは通常、室温域で行えば足りる。
《永久磁石》
本発明の永久磁石は、その用途を問わないが、例えば、電動機のロータまたはステータなどに用いることもできる。なお、本発明の永久磁石は、上述した薄膜法の他、溶解法等によっても製造可能であり、種々の機器に用いられ得る。
薄膜法により、ベース合金(Mn55Al45)からなる第一合金層とそのMnをFe、Co、NiまたはCuのいずれかである置換元素(M)で置換した合金(M55Al45)からなる第二合金層とを交互に積層した種々の積層体を製作した(積層工程)。これら積層体を加熱し均質化して得られた各種のMnAl系合金(試料)について、結晶構造と磁気特性を評価した。これらの内容に基づいて本発明をより具体的に説明する。
《試料の製造》
(1)下地層形成工程
MgO単結晶基板(以下単に「基板」という。)を用意した。MgO単結晶基板は、(001)面が基板面になるように加工し、表面粗度を小さくするため研磨を行ったものである。この基板の(001)面上に、Crからなる下地層をスパッタリングにより形成した(下地層形成工程)。このCr下地層の厚さは約10nmとした。
なお、本実施例でいうスパッタリングは、特に断らない限り、マグネトロンスパッタ法に基づき、積層(成膜)前の到達真空度を5x10−8Pa以下、製膜形状をφ8mmとして行った。また、各層(膜)の厚さは、積層速度と積層時間の積から算出した。ちなみに積層速度は、本実施例では0.4〜1Å/sとした。これらの点は、下記の積層工程でも同様である。
(2)積層工程
550℃に加熱した基板に対して上述したスパッタリングを行い、Mn55Al45 からなる第一合金層を成膜した(第一合金層形成工程)。その上に、M55Al45 (M:Fe、Co、Ni、Cuのいずれか)からなる第二合金層を成膜した(第二合金層形成工程)。このように第一合金層の成膜と第二合金層の成膜を交互に繰り返して各種の積層体を得た。この際、第一合金層と第二合金層の膜厚をそれぞれ数nmレベルで制御し、それらの膜厚比を調整することにより、所望の合金組成からなる積層体を種々調製した。具体的にいうと、第一合金層の膜厚は1.8〜1.98nm、第二合金層の膜厚は0.02〜0.2nmで調整し、これらの全積層数は50層とした。
(3)均質化工程
各種の積層体を真空雰囲気中で、500℃×1時間加熱した。これにより第一合金層と第二合金層を構成する各元素を拡散させて、全体的に均質的な薄膜状のMnAl系合金を得た。
(4)保護層形成工程
MnAl系合金(膜)を形成した基板を室温(35℃以下)まで冷却し、その室温域で、その表面に酸化防止のためのCr層(保護層)を形成した。こうして表1に示す各種のMnAl系合金を得た。なお、比較のため、ベース合金(試料C0)も併せて表1に示した。
《試料の観察・測定》
(1)結晶構造と格子定数
各試料に係る合金の結晶構造と格子定数を、X線回折法およびIn−PlaneX線回折法を用いて特定した。その結果を表1に併せて示した。なお、表1中に示した「相生成」は、永久磁石としての特性を示すL1型正方晶からなる相が生成されていたかを示す。そのような相が生成されているときを「○」、その他の相が主に生成したときを「×」として示した。
(2)磁気特性
各試料に係る合金層の室温(23℃)における磁気特性(飽和磁化と保磁力)を振動試料型磁力計(VSM)で測定した。その結果を表1に併せて示した。
《評価》
表1から明らかなように、FeまたはNiを特定量含むMnAl系合金は、飽和磁化がベース合金(試料C0)よりも向上していることがわかる。なお、試料8は試料C0よりも飽和磁化が高いが、保磁力が大幅に低下している。試料8の高飽和磁化は、特定の結晶構造からなるMnAl系合金相に由来するものではなく、多量に配合された強磁性元素であるNi自体に由来するものと考えられる。
試料9、10は、強磁性元素であるCoで少量のMnを置換しているにも拘わらず、飽和磁化および保磁力が逆に低下した。格子定数比からわかるように、Coは少量でも結晶構造を大きく歪ませ、特定の結晶構造からなる所望の合金相が生成されなかったためと考えられる。
試料11、12は、FeまたはNiでMnを置換した試料1〜3または試料5〜7と格子定数(比)が近いが、飽和磁化および保磁力が大幅に低下している。これは置換元素が強磁性元素ではないCuであるためと考えられる。
Figure 0006256360

Claims (7)

  1. 全体を100原子%(以下、単に「%」という。)としたときに、
    FeとNiの合計:0.2〜2.8%、Al:40〜50%、Mn:残部であるMnAl系合金からなり、
    該MnAl系合金の結晶構造は、正方晶であると共に、
    格子定数比(c/a):0.877<c/a<0.91、
    格子定数(a):0.3904nm<a<0.3979nm、
    格子定数(c):0.349nm<c<0.3553nm、
    であることを特徴とする永久磁石。
  2. 全体を100%としたときに、
    Fe:0.2〜2.8%、Al:40〜50%、Mn:残部であるMnAl系合金からなり、
    該MnAl系合金の結晶構造は、正方晶であると共に、
    格子定数比(c/a):0.877<c/a<0.91、
    格子定数(a):0.3904nm<a<0.3979nm、
    格子定数(c):0.349nm<c<0.3553nm、
    であることを特徴とする永久磁石。
  3. 全体を100%としたときに、
    Ni:0.2〜2.8%、Al:40〜50%、Mn:残部であるMnAl系合金からなり、
    該MnAl系合金の結晶構造は、正方晶であると共に、
    格子定数比(c/a):0.877<c/a<0.91、
    格子定数(a):0.3904nm<a<0.3979nm、
    格子定数(c):0.349nm<c<0.3553nm、
    であることを特徴とする永久磁石。
  4. 前記MnAl系合金は、Al:42〜48%である請求項1〜3のいずれかに記載の永久磁石。
  5. 前記MnAl系合金の結晶構造は、格子定数(a):0.3950nm<a≦0.3978nmである請求項1〜4のいずれかに記載の永久磁石。
  6. 前記MnAl系合金の結晶構造は、格子定数比(c/a):0.879≦c/a<0.90である請求項1〜5のいずれかに記載の永久磁石。
  7. MnとAlからなる第一合金層と、FeまたはNiの少なくとも一方とMnまたはAlの少なくとも一方とからなる第二合金層とを交互に積層した積層体を形成する積層工程と、
    該積層体を加熱して均質化する均質化工程とを備え、
    請求項1〜6のいずれかに記載の永久磁石が得られることを特徴とする永久磁石の製造方法。
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