JP6252553B2 - 負極活物質、ナトリウムイオン電池およびリチウムイオン電池 - Google Patents

負極活物質、ナトリウムイオン電池およびリチウムイオン電池 Download PDF

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Description

本発明は、電池の安全性向上を図ることができる負極活物質に関する。
リチウムイオン電池は、Liイオンが正極および負極の間を移動する電池である。リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高いという利点を有する。一方、ナトリウムイオン電池は、Naイオンが正極および負極の間を移動する電池である。NaはLiに比べて豊富に存在するため、ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池に比べて低コスト化を図りやすいという利点がある。これらの電池は、一般的に、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、正極活物質層および負極活物質層の間に形成された電解質層とを有する。
これらの電池に用いられる負極活物質として、炭素材料を用いることが知られている。例えば、特許文献1においては、正極活物質として、LiFePOで表されるリン酸鉄リチウムを用い、負極活物質として、平均作動電位がリチウム基準で0.3V以下である炭素材料を用いた非水電解質二次電池が開示されている。
なお、非特許文献1には、光触媒材料として、KNb17が開示されている。また、特許文献2には、LiNb17を電極用活物質として含むリチウム二次電池用電極が開示されている。
特開2010−231958号公報 特開2001−052701号公報
Shigeru Ikeda et al., "Effect of the particle size for photocatalytic decomposition of water on Ni-loaded K4 Nb6O17", Microporous Materials 9 (1997) 253-258
例えば、特許文献1に記載された炭素材料は、平均作動電位がリチウム基準で0.3V以下であるため、金属Liが析出しやすいという問題がある。また、ナトリウムイオン電池に用いる有用な負極材料の一つとして、ハードカーボンが挙げられるが、ハードカーボンも平均作動電位が0V付近であるため、金属Naが析出しやすいという問題がある。このように、負極活物質の作動電位が低すぎると、負極活物質の表面に金属が析出しやすいため、電池の安全性の確保が難しいという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電池の安全性向上を図ることができる負極活物質を提供することを主目的とする。
上記課題を達成するために、本発明においては、ナトリウムイオン電池またはリチウムイオン電池に用いられる負極活物質であって、ANb17相(Aは、H、NaおよびKの少なくとも一種である)を有することを特徴とする負極活物質を提供する。
本発明によれば、ANb17相が比較的高い電位で作動するため、電池の安全性向上を図ることができる。
上記発明においては、上記Aが、Kであることが好ましい。
上記発明においては、上記Aが、Naまたはであることが好ましい。
また、本発明においては、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン電池であって、上記負極活物質が、上述した負極活物質であることを特徴とするナトリウムイオン電池を提供する。
本発明によれば、上述した負極活物質を用いることで、安全性の高いナトリウムイオン電池とすることができる。
また、本発明においては、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するリチウムイオン電池であって、上記負極活物質が、上述した負極活物質であることを特徴とするリチウムイオン電池を提供する。
本発明によれば、上述した負極活物質を用いることで、安全性の高いリチウムイオン電池とすることができる。
本発明の負極活物質は、電池の安全性向上を図ることができるという効果を奏する。
本発明のナトリウムイオン電池またはリチウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1で得られた活物質のXRD測定の結果である。 Nb17相の結晶構造を示す模式図である。 実施例1で得られた活物質を用いた評価用電池(ナトリウムイオン電池)の充放電試験の結果である。 実施例1で得られた活物質を用いた評価用電池(リチウムイオン電池)の充放電試験の結果である。 実施例2で得られた活物質を用いた評価用電池(ナトリウムイオン電池およびリチウムイオン電池)の充放電試験の結果である。 実施例3で得られた活物質を用いた評価用電池(ナトリウムイオン電池およびリチウムイオン電池)の充放電試験の結果である。 実施例1〜3で得られた活物質を用いた評価用電池(ナトリウムイオン電池およびリチウムイオン電池)における、A元素(A=H、Na、K)のイオン半径と、可逆容量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の負極活物質、ナトリウムイオン電池およびリチウムイオン電池について、詳細に説明する。
A.負極活物質
本発明の負極活物質は、ナトリウムイオン電池またはリチウムイオン電池に用いられる負極活物質であって、ANb17相(Aは、H、NaおよびKの少なくとも一種である)を有することを特徴とする。
本発明によれば、ANb17相が比較的高い電位で作動するため、電池の安全性向上を図ることができる。例えば、後述する実施例1では、KNb17相を有する負極活物質の作動電位が、1V付近であることが確認された。1V付近という作動電位は、負極活物質として適度な電位であり、金属Naまたは金属Liの析出を抑制しつつ、電池電圧を大きくできるという利点がある。また、本発明の負極活物質は、通常、酸化物活物質であることから、耐熱性が良好であるという利点を有する。
一方、非特許文献1にはKNb17が記載されているが、活物質については記載も示唆もされていない。また、特許文献2には、KNb17ではなく、LiNb17を活物質として用いたリチウム二次電池用電極が開示されている。また、近年、ナトリウムイオン電池の研究開発が盛んであり、正極活物質に関しては、様々な材料が提案されているが、負極活物質に関しては、ハードカーボンが報告されている程度である。本発明においては、ANb17相というNbを用いた酸化物が、ナトリウムイオン電池用またはリチウムイオン電池用の負極活物質として有用であることを初めて見出した。
本発明の負極活物質は、ANb17相を有する。ANb17相におけるA元素は、H元素、Na元素およびK元素の少なくとも一種である。A元素は、H元素、Na元素およびK元素の一種であっても良く、二種以上であっても良い。A元素が、H元素またはNa元素である場合、K元素である場合に比べて、可逆容量が増加するという利点がある。ANb17相の存在は、X線回折(XRD)測定等により確認することができる。ANb17相は、CuKα線を用いたX線回折測定において、通常、2θ=10.01°、12.89°、14.68°、15.67°、17.63°、23.30°、25.10°、27.60°、30.20°、40.50°、46.40°に代表的なピークを有することが好ましい。なお、上記ピーク位置は、±2.00°の範囲内であれば良く、±1.00°の範囲内であっても良い。ANb17相の空間群は、P21nbであることが好ましい。また、ANb17相の結晶系は、斜方晶であることが好ましい。
また、本発明の負極活物質は、ANb17相の割合が多いことが好ましく、具体的には、ANb17相を主体として含有することが好ましい。ここで、「ANb17相を主体とする」とは、負極活物質に含まれる全ての結晶相の中で、ANb17相の割合が最も大きいことをいう。負極活物質に含まれるANb17相の割合は、50mol%以上であることが好ましく、60mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上であることがさらに好ましい。また、本発明の負極活物質は、ANb17相のみから構成されるもの(単相の活物質)であっても良い。なお、負極活物質に含まれるANb17相の割合は、例えば、X線回折による定量分析法(例えば、R値による定量法、リートベルト法)により決定することができる。
本発明の負極活物質は、A元素、Nb元素、O元素を含有し、上述したANb17相を有する。本発明の負極活物質の組成は、上述した結晶相を有するものであれば特に限定されるものではない。中でも、本発明の負極活物質は、ANb17およびその近傍組成を有することが好ましい。具体的には、ANb(3≦x≦5、5≦y≦7、16≦z≦18)の組成を有することが好ましい。
本発明の負極活物質の形状は、例えば粒子状であることが好ましい。また、その平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明の負極活物質の製造方法は、上述した負極活物質を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、固相法、ゾルゲル法、スプレードライ法、噴霧熱分解法、水熱法、共沈法を挙げることができる。また、HNb17相を有する負極活物質は、例えば、KNb17相を有する負極活物質のK元素の一部または全部を、H元素に置換することにより、得ることができる。また、NaNb17相を有する負極活物質は、例えば、HNb17相を有する負極活物質のH元素の一部または全部を、Na元素に置換することにより、得ることができる。置換方法としては、例えば、イオン交換法を挙げることができる。
B.ナトリウムイオン電池
図1は、本発明のナトリウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。図1に示されるナトリウムイオン電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。また、負極活物質層2は、上記「A.負極活物質」に記載した負極活物質を含有する。
本発明によれば、上述した負極活物質を用いることで、安全性の高いナトリウムイオン電池とすることができる。
以下、本発明のナトリウムイオン電池について、構成ごとに説明する。
1.負極活物質層
本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
本発明における負極活物質は、通常、上記「A.負極活物質」に記載した負極活物質である。負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%〜99重量%の範囲内、中でも70重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましい。
導電化材としては、例えば炭素材料を挙げることができる。炭素材料としては、具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、VGCF、グラファイト等を挙げることができる。導電化材の含有量は、例えば5重量%〜80重量%の範囲内、中でも10重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。
結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミド(PI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を挙げることができる。結着材の含有量は、例えば1重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。
固体電解質材料としては、所望のイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化物固体電解質材料、硫化物固体電解質材料を挙げることができる。固体電解質材料の含有量は、例えば1重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。
また、負極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
2.正極活物質層
本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。また、正極活物質層は、正極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
正極活物質としては、例えば、層状活物質、スピネル型活物質、オリビン型活物質等を挙げることができる。また、正極活物質としては、酸化物活物質を挙げることができる。正極活物質の具体例としては、NaFeO、NaNiO、NaCoO、NaMnO、NaVO、Na(NiMn1−X)O(0<X<1)、Na(FeMn1−X)O(0<X<1)、NaVPOF、NaFePOF、Na(PO、Na(PO(MはCo、Ni、FeおよびMnの少なくとも一種である)等を挙げることができる。
なお、正極活物質層に用いられる、導電化材、結着材および固体電解質材料の種類ならびに含有量については、上述した負極活物質層に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、正極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
3.電解質層
本発明における電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層である。電解質層に含まれる電解質を介して、正極活物質と負極活物質との間のイオン伝導を行う。電解質層の形態は、特に限定されるものではなく、液体電解質層、ゲル電解質層、固体電解質層等を挙げることができる。
液体電解質層は、通常、非水電解液を用いてなる層である。非水電解液は、通常、ナトリウム塩および非水溶媒を含有する。ナトリウム塩としては、例えばNaPF、NaBF、NaClOおよびNaAsF等の無機ナトリウム塩;およびNaCFSO、NaN(CFSO、NaN(CSO、NaN(FSO、NaC(CFSO等の有機ナトリウム塩等を挙げることができる。
非水溶媒としては、ナトリウム塩を溶解するものであれば特に限定されるものではない。例えば高誘電率溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状エステル(環状カーボネート)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等を挙げることができる。一方、低粘度溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状エステル(鎖状カーボネート)、メチルアセテート、エチルアセテート等のアセテート類、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル等を挙げることができる。高誘電率溶媒および低粘度溶媒を混合した混合溶媒を用いても良い。
非水電解液におけるナトリウム塩の濃度は、例えば0.3mol/L〜5mol/Lの範囲内であり、0.8mol/L〜1.5mol/Lの範囲内であることが好ましい。また、電解質層の厚さは、電解質の種類および電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
4.その他の構成
本発明のナトリウムイオン電池は、通常、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等を挙げることができる。また、集電体上に活物質層を形成する方法としては、例えば、ドクターブレード法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法等を挙げることができる。
本発明のナトリウムイオン電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に、セパレータを有していても良い。セパレータの材料は、有機材料であっても良く、無機材料であっても良い。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セルロース、ポリフッ化ビニリデン等の多孔膜等を挙げることができる。また、セパレータは、単層構造(例えばPE、PP)であっても良く、積層構造(例えばPP/PE/PP)であっても良い。また、電池ケースには、一般的な電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。
5.ナトリウムイオン電池
本発明のナトリウムイオン電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および電解質層を有するものであれば特に限定されるものではない。さらに、本発明のナトリウムイオン電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。なお、一次電池には、一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。また、本発明のナトリウムイオン電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、ナトリウムイオン電池の製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的なナトリウムイオン電池における製造方法と同様である。
C.リチウムイオン電池
図1は、本発明のリチウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。図1に示されるリチウムイオン電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。また、負極活物質層2は、上記「A.負極活物質」に記載した負極活物質を含有する。
本発明によれば、上述した負極活物質を用いることで、安全性の高いリチウムイオン電池とすることができる。
なお、本発明のリチウムイオン電池は、基本的に、上記「B.ナトリウムイオン電池」に記載した内容と同様であるので、以下、相違する点のみ記載する。
正極活物質としては、例えば、層状活物質、スピネル型活物質、オリビン型活物質等を挙げることができる。また、正極活物質としては、酸化物活物質を挙げることができる。正極活物質の具体例としては、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等を挙げることができる。
電解質層に用いられる支持塩(リチウム塩)としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOおよびLiAsF等の無機リチウム塩;およびLiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(FSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
原料であるKCOおよびNbを、KCO:Nb=2:3のモル比で秤量し、エタノール中で混練した。その後、ペレット成型し、マッフル炉にて1000℃、12時間の条件で焼成した。これにより、KNb17の組成を有する活物質を得た。
[評価]
(X線回折測定)
実施例1で得られた活物質に対して、CuKα線を用いたX線回折(XRD)測定を行った。その結果を図2に示す。図2に示すように、実施例1で得られた活物質は、2θ=10.01°、12.89°、14.68°、15.67°、17.63°、23.30°、25.10°、27.60°、30.20°、40.50°、46.40°に代表的なピークが現れ、KNb17相を主体として含有することが確認された。なお、図3は、KNb17相(斜方晶、空間群P21nb)の結晶構造を示す模式図である。図3に示すように、KNb17相は、NbO八面体層とK層と積層された層状構造を有する。
(充放電試験)
実施例1で得られた活物質を用いた評価用電池を作製した。まず、得られた活物質と、導電化材(アセチレンブラック)と、結着材(ポリフッ化ビニリデン、PVDF)とを、活物質:導電化材:結着材=85:10:5の重量比で秤量し、混練することにより、ペーストを得た。次に、得られたペーストを、銅箔上にドクターブレードにて塗工し、乾燥し、プレスすることにより、厚さ20μmの試験電極を得た。
その後、CR2032型コインセルを用い、作用極として上記試験電極を用い、対極として金属Naを用い、セパレータとしてポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの多孔質セパレータ(厚さ25μm)を用いた。電解液には、EC(エチレンカーボネート)およびDEC(ジエチルカーボネート)を同体積で混合した溶媒にNaPFを濃度1mol/Lで溶解させたものを用いた。
次に、得られた評価用電池に対して、充放電試験を行った。具体的には、環境温度25℃、電圧範囲10mV〜2.5Vの条件で行った。電流値は、3mA/gとした。その結果を図4に示す。
図4に示すように、Na脱離時に0.8V(vs Na/Na)付近に、Na脱離反応に伴う反応電位が現れ、Na脱離容量84mAh/gの可逆容量が得られることが確認された。このように、KNb17相を有する活物質が、ナトリウムイオン電池の負極活物質として有用なことが確認できた。また、この活物質は、1V(vs Na/Na)付近で作動するため、電池の安全性を向上させることができる。
また、対極として金属Liを用いて、上記と同様にして評価用電池(支持塩:LiPF=1mol/L、溶媒:EC/DMC/EMC=3/4/3)を作製し、上記と同様にして充放電試験を行った。その結果を図5に示す。
図5に示すように、Li脱離時に1.5V(vs Li/Li)付近に、Li脱離反応に伴う反応電位が現れ、Li脱離容量84mAh/gの可逆容量が得られることが確認された。このように、KNb17相を有する活物質が、リチウムイオン電池の負極活物質として有用なことが確認できた。また、この活物質は、1V(vs Li/Li)付近で作動するため、電池の安全性を向上させることができる。
[実施例2]
実施例1で得られた活物質(KNb17)を、濃度7MのHNO水溶液中で、24時間室温撹拌して、活物質に含まれるKイオンをHイオンにイオン交換した。これにより、HNb17の組成を有する活物質を得た。
[実施例3]
実施例2で得られた活物質(HNb17)を、濃度1MのNaOH水溶液中で、48時間室温撹拌して、活物質に含まれるHイオンをNaイオンにイオン交換した。これにより、NaNb17の組成を有する活物質を得た。
[評価]
(充放電試験)
実施例2、3で得られた活物質を用いた評価用電池(ナトリウムイオン電池およびリチウムイオン電池)を作製した。具体的な製造方法は、実施例1と同様である。得られた評価用電池に対して、充放電試験を行った。具体的には、環境温度25℃、電圧範囲0.1V〜2.5Vの条件で行った。電流値は、3mA/gとした。その結果を図6および図7に示す。
図6(a)に示すように、実施例2では、Na脱離時に0.9V(vs Na/Na)付近に、Na脱離反応に伴う反応電位が現れ、Na脱離容量110mAh/gの可逆容量が得られることが確認された。一方、図6(b)に示すように、実施例2では、Li脱離時に1.5V(vs Li/Li)付近に、Li脱離反応に伴う反応電位が現れ、Li脱離容量156mAh/gの可逆容量が得られることが確認された。また、充放電試験の結果からHNb17相を有する活物質が、リチウムイオン電池の負極活物質として有用なことが確認できた。
図7(a)に示すように、実施例3では、Na脱離時に0.8V(vs Na/Na)付近に、Na脱離反応に伴う反応電位が現れ、Na脱離容量113mAh/gの可逆容量が得られることが確認された。一方、図7(b)に示すように、実施例3では、Li脱離時に1.6V(vs Li/Li)付近に、Li脱離反応に伴う反応電位が現れ、Li脱離容量178mAh/gの可逆容量が得られることが確認された。また、充放電試験の結果からNaNb17相を有する活物質が、リチウムイオン電池の負極活物質として有用なことが確認できた。
また、実施例1〜3で得られた活物質のA元素(A=H、Na、K)のイオン半径と、可逆容量との関係を表1および図8に示す。
表1および図8に示すように、実施例1のKNb17のK元素を、よりイオン半径の小さいH元素およびNa元素に置換することで、可逆容量が増大することが確認された。イオン半径が小さくなることにより可逆容量が増大するメカニズムは、おそらく、NbO八面体で形成されるジグザグ状の層間内のNa挿入サイトおよびLi挿入サイトが増加したためであると推測される。
また、実施例2では、実施例1よりも可逆容量が増加しているものの、実施例3に比べて僅かに可逆容量が低下した。その理由として、実施例2では、実施例1、3とは異なるサイトにNaイオンおよびLiイオンが安定的に挿入されたことが推測される。なお、図6(a)、(b)には、2V付近にプラトーが確認されており、このプラトーが、実施例1、3とは異なるサイトでの反応を示している可能性がある。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … ナトリウムイオン電池またはリチウムイオン電池

Claims (2)

  1. ナトリウムイオン電池またはリチウムイオン電池に用いられる負極活物質であって、
    Nb17相(Aは、HおよびNa少なくとも一種である)を有することを特徴とする負極活物質。
  2. 正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン電池であって、
    前記負極活物質が、 Nb 17 相(Aは、H、NaおよびKの少なくとも一種である)を有することを特徴とするナトリウムイオン電池。
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