JP2017152362A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温での急速充電に優れたリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】正極活物質層を有する正極と、負極と、電解液を備えるリチウムイオン二次電池であって、前記正極活物質層は、正極活物質としてLia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)を含有し、さらにフッ素化合物を正極活物質層の重量に対してフッ素に換算して1〜300ppm含有するリチウムイオン二次電池。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
従来、リチウムイオン二次電池の正極材料(正極活物質)としてLiCoO2やLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2等の層状化合物やLiMn2O4等のスピネル化合物が用いられてきた。近年では、LiFePO4に代表されるオリビン型構造の化合物が注目されている。オリビン構造を有する正極材料は高温での熱安定性が高く、安全性が高いことが知られている。しかし、LiFePO4を用いたリチウムイオン二次電池は、その充放電電圧が3.5V程度と低く、エネルギー密度が低くなるという欠点を有する。そのため、高い充放電電圧を実現し得るリン酸系正極材料として、LiCoPO4やLiNiPO4等が提案されている。
しかし、これらの正極材料を用いたリチウムイオン二次電池においても、十分な容量が得られていないのが現状である。リン酸系正極材料の中でも4V級の充放電電圧を実現し得る化合物として、LiVOPO4やLi3V2(PO4)3の構造を持つバナジウムホスフェートが知られている。これらの化合物を正極活物質として用いた場合に低温での急速充電特性が十分でない課題があった。上記の正極材料は、例えば、下記特許文献1,2にバナジウムホスフェートについて記載されているが低温での急速充電の問題については記載がない。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、低温での急速充電に優れたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極活物質層を有する正極と、負極と、電解液を備えるリチウムイオン二次電池であって、前記正極活物質層は、正極活物質として、Lia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)を含有し、さらにフッ素化合物を正極活物質層の重量に対してフッ素に換算して1〜300ppm含有する。
上述した構成により低温での急速充電に優れたリチウムイオン二次電池となる。これはフッ素化合物が、前記正極活物質と電解液の分解を抑制し界面に形成される被膜の増大を抑制するためと考えられる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池において、前記フッ素化合物が、フッ化リチウムであることが好ましい。
前記フッ素化合物が、フッ化リチウムであることにより、フッ化リチウムが正極活物質と特異的に相互作用し、電解液の分解を抑制し、界面に形成される被膜の増大を抑制すると考えられる。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池において、前記フッ素化合物は、前記正極活物質の表面から100nmの深さまでの領域に存在することが好ましい。
正極活物質の表面のフッ素化合物が、正極活物質の表面から100nmの深さまで存在することによって、より効果的に電解液の分解を抑制し、界面に形成される被膜の増大を抑制していると考えられる。
さらに前記正極活物質は、LiVOPO4またはLi3V2(PO4)3を含有することが好ましい。このような正極活物質とすることにより、フッ素化合物と特異的に相互作用し、電解液の分解を抑制し、界面に形成される被膜の増大を抑制していると考えられる。
前記正極活物質層は、第二の正極活物質として、LiNixCoyMnzMaO2(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)を含有することが好ましい。
前記正極活物質は、正極活物質と第二の正極活物質の総和に対して1〜30wt%含有することが好ましい。
前記電解液として、4−フルオロエチレンカーボネートを含有することが好ましい。
4−フルオロエチレンカーボネートを含むことにより、Lia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)の表面フッ素化合物が安定化し、正極活物質とフッ素化合物の相互作用を促し、界面に形成される被膜の増大を抑制しているものと考えられる。
前記負極は、負極活物質としてケイ素、酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好ましい。
前記負極活物質にケイ素、酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種以上を含むことにより、さらに良好な低温での急速充電が可能である。
本発明によれば、低温での急速充電に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
(リチウムイオン二次電池)
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、互いに対向する板状の負極20及び板状の正極10と、負極20と正極10との間に隣接して配置される板状のセパレータ18と、を備える発電要素30と、リチウムイオンを含む電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される負極リード62と、正極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される正極リード60とを備える。
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、互いに対向する板状の負極20及び板状の正極10と、負極20と正極10との間に隣接して配置される板状のセパレータ18と、を備える発電要素30と、リチウムイオンを含む電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される負極リード62と、正極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される正極リード60とを備える。
負極20は、負極集電体22と、負極集電体22上に積層された負極活物質層24と、を有する。また、正極10は、正極集電体12と、正極集電体12上に積層された正極活物質層14と、を有する。セパレータ18は、負極活物質層24と正極活物質層14との間に位置している。
(第一の実施形態)
(正極活物質層)
本実施形態のリチウムイオン二次電池に用いられる正極中の正極活物質層は、正極活物質として、Lia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)を含有し、さらにフッ素化合物を正極活物質層の重量に対して1〜300ppm含有する。
(正極活物質層)
本実施形態のリチウムイオン二次電池に用いられる正極中の正極活物質層は、正極活物質として、Lia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)を含有し、さらにフッ素化合物を正極活物質層の重量に対して1〜300ppm含有する。
本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の前記正極活物質層はフッ素化合物を1〜300ppm含有する。フッ素化合物の含有量としては10〜250ppmの範囲であることが好ましい。さらに15〜200ppmの範囲であることがより好ましい。
フッ素化合物を含有する方法としては合成時に原料にフッ素化合物を混合する方法、合成後の正極活物質表面に湿式法、乾式法、気相法などにより吸着させる方法がある。
前記正極活物質であるバナジウムホスフェートのLia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)は、固相合成、水熱合成、カーボサーマルリダクション法などにより合成できることが知られている。中でも水熱合成法で作製したバナジウムホスフェートは粒子径が小さく、レート特性に優れる傾向があり、水熱合成法で作製したバナジウムホスフェートは正極活物質として好ましい。水熱合成法により合成したバナジウムホスフェートは粒子径、結晶形状、結晶性などの要素がレート特性向上に適しているためであると考えられる。
前記正極活物質層に含まれる前記フッ素化合物は、フッ化リチウム、フッ化リン、フッ化リン酸リチウム、フッ化リン酸バナジウム、フッ化リン酸バナジウムリチウムなどが好ましく、特に、フッ化リチウムとして存在することが好ましい。フッ化リチウムは効果的に電解液の分解を抑制し界面に形成される被膜の増大を抑制するためと考えられる。
前記正極活物質層に含まれるフッ素化合物は前記正極活物質層表面付近に存在することが好ましく、表面から100nmまでの深さに存在することが好ましい。さらに表面から80nmまでの深さに存在することがより好ましく、70nmまでの深さに存在することが特に好ましい。この範囲にフッ素化合物が存在することにより電解液の分解を抑制し界面に形成される被膜の増大を抑制すると考えられる。フッ素化合物の存在形態は特に限定されないが、均一な膜状または不均一な島状などである。
(深さ方向におけるフッ素化合物の検出)
前記正極活物質層に含まれるフッ素化合物はX線光電分光法(XPS)に代表される既存の分析方法を用いて測定することができる。正極活物質層の表面から深さ方向に元素分析を行い、フッ素化合物の有無を測定することができる。
前記正極活物質層に含まれるフッ素化合物はX線光電分光法(XPS)に代表される既存の分析方法を用いて測定することができる。正極活物質層の表面から深さ方向に元素分析を行い、フッ素化合物の有無を測定することができる。
(フッ素含有量の測定)
前記正極活物質層に含まれるフッ素含有量は、イオンクロマトグラフィーを用いて測定することができる。その際、事前に酸等の溶媒を用いることでバインダー成分を除外することで目的のフッ素化合物に由来するフッ素の含有量を測定することができる。その後、除去したバインダー成分の重量を併せることで、正極活物質層に含まれるフッ素の含有量として換算することができる。
前記正極活物質層に含まれるフッ素含有量は、イオンクロマトグラフィーを用いて測定することができる。その際、事前に酸等の溶媒を用いることでバインダー成分を除外することで目的のフッ素化合物に由来するフッ素の含有量を測定することができる。その後、除去したバインダー成分の重量を併せることで、正極活物質層に含まれるフッ素の含有量として換算することができる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池が低温での急速充電を可能にすることができるメカニズムは下記のように考えられる。Lia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)の表面にフッ化リチウムが存在することにより、フッ化リチウムがLia(M)b(PO4)cと電解液の分解を抑制し界面に形成される被膜の増大を抑制するためと考えられる。本実施形態における前記正極活物質が、LiVOPO4またはLi3V2(PO4)3を含有する場合に、特に低温での急速充電の効果が顕著である。
(第二の実施形態)
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極活物質としてLia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)を第一の正極活物質として含有し、さらにフッ素化合物を含有することに加えて、第二の正極活物質として従来用いられている正極活物質を併せて含有する。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極活物質としてLia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)を第一の正極活物質として含有し、さらにフッ素化合物を含有することに加えて、第二の正極活物質として従来用いられている正極活物質を併せて含有する。
第二の正極活物質としては、例えば、リチウム酸化物、リチウム硫化物、あるいはリチウムを含む層間化合物等のリチウム含有化合物等が挙げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
特に、エネルギー密度の観点から、一般式LixMO2で表されるリチウム複合酸化物、あるいはリチウムを含んだ層間化合物が好ましい。なお、Mは1種類以上の遷移金属が好ましく、具体的には、Co、Ni、Mn、Fe、V、Tiのうちの少なくとも1種が好ましい。xは、電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。
また、他にもスピネル型結晶構造を有するマンガンスピネル(LiMn2O4)や、オリビン型結晶構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)などを用いてもよい。
具体的には、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、LiNixCoyMnzMaO2(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素が挙げられる)、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素)、LiNixCoyAlzO2(0.9<x+y+z<1.1)などが挙げられる。また、これらの材料に限定することはなく、他にもリチウムイオンを電気化学的に挿入および脱離する正極活物質材料であれば、特に制限はされない。
中でも、第二の正極活物質は、高いエネルギー密度を得られる観点から、LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2、LiNi0.5Mn0.2Co0.3O2、LiNi0.85Co0.10Al0.05O2などのリチウム複合酸化物を用いることが好ましい。
本実施形態に係る正極活物質層は、正極活物質と第二の正極活物質の総和に対する、正極活物質の含有量を1〜30wt%含有することが好ましい。また、より好ましくは3〜21wt%であり、更に好ましくは5〜16wt%である。
正極活物質と第二の正極活物質の総和に対して、正極活物質を上記の範囲含有することにより、第二の正極活物質の高いエネルギー密度を損なうことなく、正極活物質であるLia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)の表面にフッ化リチウムが存在することにより、フッ化リチウムがLia(M)b(PO4)cと電解液の分解を抑制し界面に形成される被膜の増大を抑制する効果が十分に得られると考えられる。
(正極活物質、第二の正極活物質の含有量)
正極活物質及び第二の正極活物質の含有量はX線回折測定(XRD)及び誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)などを用いて測定することができる。正極活物質及び第二の正極活物質を含有した正極活物質層をXRDにて測定し、正極活物質及び第二の正極活物質を同定した後、ICP−AESなどを用いて正極活物質層に含まれる遷移金属元素を測定し、正極活物質及び第二の正極活物質として換算することでそれぞれの含有量を算出することができる。
正極活物質及び第二の正極活物質の含有量はX線回折測定(XRD)及び誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)などを用いて測定することができる。正極活物質及び第二の正極活物質を含有した正極活物質層をXRDにて測定し、正極活物質及び第二の正極活物質を同定した後、ICP−AESなどを用いて正極活物質層に含まれる遷移金属元素を測定し、正極活物質及び第二の正極活物質として換算することでそれぞれの含有量を算出することができる。
正極活物質層14は、上述した正極活物質と導電助剤とを含有する。導電助剤としては、カーボンブラック類等の炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属粉、炭素材料及び金属粉の混合物、ITOのような導電性酸化物が挙げられる。炭素材料は、タップ密度が0.03〜0.09g/mlであるカーボンと、タップ密度が0.1〜0.3g/mlであるカーボンと、を含むことが好ましい。正極活物質層は活物質及び導電助剤を結着するバインダーを含んでもよい。正極活物質層14は、上記本実施形態に係る製造方法により得たLiVOPO4と、バインダーと、溶媒と、導電助剤と、を含む塗料を正極集電体12上に塗布する工程によって形成される。
また、第二の正極活物質を併せて含有する場合は、上記工程において更に第二の正極活物質を混合すればよい。
第二の正極活物質を混合する場合、バインダーと、溶媒と、導電助剤と混合する前に、正極活物質と第二の正極活物質とを分散、混合してもよい。
正極活物質と第二の正極活物質とを分散、混合する方法は特に制限されず、ジルコニアボールやアルミナボールが入ったポットミルによる乾式混合、らいかい機を使用した乾式混合、流動層装置による混合などの従来から知られている方法を用いることができる。
(電解液)
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の電解液としては、4−フルオロエチレンカーボネート(FEC)を含有することが好ましい。FECの添加量は電解液全体に対して0.1〜35重量%を添加することが好ましく、低温で急速充電することができる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の電解液としては、4−フルオロエチレンカーボネート(FEC)を含有することが好ましい。FECの添加量は電解液全体に対して0.1〜35重量%を添加することが好ましく、低温で急速充電することができる。
また、本実施形態の電解液としては、溶質としてリチウム塩を、非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiCF3、CF2SO3、LiC(CF3SO2)3、LiN(CF3SO2)2、LiN(CF3CF2SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiN(CF3CF2CO)2、LiBOB等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。正極活物質にフッ素化合物を安定化させるために、上記電解液にフッ素含有化合物を含有させても良い。
なお、本実施形態において、電解液は液状以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、電解液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)が含有されていてもよい。
(負極活物質)
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn、Si等のリチウムと化合することのできる金属又は合金、SiOx(1<x≦2)、SnOx(1<x≦2)等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、TiO2が挙げられる。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn、Si等のリチウムと化合することのできる金属又は合金、SiOx(1<x≦2)、SnOx(1<x≦2)等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、TiO2が挙げられる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の負極活物質としては、SiやSiOx(1<x≦2)などケイ素、酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好ましく、これにより電池の低温での充電特性がさらに優れる。これはLia(M)b(PO4)cを含有する正極表面の電解液の分解を抑制し界面に形成される被膜の増大を抑制するために負極に正極の分解物が泳動することを防いでいると考えられる。
負極活物質層24が含む負極活物質としては、上述した材料をもちいることができ、その負極活物質はバインダーにより結着されていてもよい。負極活物質層24は、正極活物質層14の場合と同様に、負極活物質等を含む塗料を負極集電体22上に塗布する工程によって形成される。
(セパレータ)
また、セパレータ18も、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
また、セパレータ18も、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
(ケース)
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図4に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、合成樹脂膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい。
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図4に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、合成樹脂膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい。
リード60,62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
(ガス発生量の測定)
上記により得られたリチウムイオン二次電池において、充電状態でのガスの発生率を測定する場合にはアルキメデス法を用いて測定することができる。具体的にはセルを純水中に沈め、浮力を測定し、押しのけた水の体積をガス発生量として算出する。
上記により得られたリチウムイオン二次電池において、充電状態でのガスの発生率を測定する場合にはアルキメデス法を用いて測定することができる。具体的にはセルを純水中に沈め、浮力を測定し、押しのけた水の体積をガス発生量として算出する。
以上、本発明に係るリチウムイオン二次電池の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[評価用セルの作製]
V2O5とLiOHとH3PO4をモル比およそ1:2:2とし、密閉容器中において160℃で8時間加熱し、得られたペーストを空気中600℃、4時間焼成した。このようにして得られた粒子はβ型LiVOPO4であることがわかった。
[評価用セルの作製]
V2O5とLiOHとH3PO4をモル比およそ1:2:2とし、密閉容器中において160℃で8時間加熱し、得られたペーストを空気中600℃、4時間焼成した。このようにして得られた粒子はβ型LiVOPO4であることがわかった。
LiVOPO4粒子と、アセチレンブラック(電気化学工業製FX−35)と、ケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製EC600JD)とを、80:5:5の重量比で秤量し、これに対して遊星型ボールミルによる1分間の混合処理を3回行った。遊星型ボールミルの回転数は550rpmに設定した。
これにより得た混合物とバインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF、呉羽化学製KF7305)とを混合したものを、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリー中における混合物とPVDFとの重量比を90:10に調整した。正極活物質とバインダーと導電助剤の合計の重量に対して0.005重量%となるようにフッ化リチウムを添加した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、活物質層が形成された正極を作製した。
次に、負極として人造黒鉛(BTR社製FSN)とポリフッ化ビニリデン(PVdF)のNメチルピロリドン(NMP)5wt%溶液を人造黒鉛:ポリフッ化ビニリデン=93:7の割合になるように混合し、スラリー状の塗料を作製した。塗料を集電体である銅箔に塗布し、乾燥、圧延することによって負極を作製した。
正極と、負極とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネートパックに入れた。電解液はエチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7で混合し、支持塩としてLiPF6を1mol/Lになるよう溶解した。
積層体を入れたアルミラミネートパックに、上記電解液を注入した後、真空シールし、実施例1の評価用セルを作製した。
(実施例2〜6、比較例3)
フッ化リチウムの添加量を変えた以外は実施例1と同様の方法で、実施例2〜6及び比較例3の評価用セルを作製した。
フッ化リチウムの添加量を変えた以外は実施例1と同様の方法で、実施例2〜6及び比較例3の評価用セルを作製した。
(実施例7〜12、比較例2)
正極にフッ化リチウムを添加せず、電解液中に4−フルオロエチレンカーボネートを添加したセルを作製した。それ以外は実施例1と同様の方法で、実施例7〜12及び比較例2の評価用セルを作製した。
正極にフッ化リチウムを添加せず、電解液中に4−フルオロエチレンカーボネートを添加したセルを作製した。それ以外は実施例1と同様の方法で、実施例7〜12及び比較例2の評価用セルを作製した。
(実施例13)
負極活物質として黒鉛を90重量%、ケイ素を10重量%混合した負極活物質を用いて負極を作製した。それ以外は実施例9と同様の方法で、実施例13の評価用セルを作製した。
負極活物質として黒鉛を90重量%、ケイ素を10重量%混合した負極活物質を用いて負極を作製した。それ以外は実施例9と同様の方法で、実施例13の評価用セルを作製した。
(実施例14〜19)
負極活物質としてケイ素を用いて負極を作製した。それ以外は実施例1〜6と同様の方法で、実施例14〜19の評価用セルを作製した。
負極活物質としてケイ素を用いて負極を作製した。それ以外は実施例1〜6と同様の方法で、実施例14〜19の評価用セルを作製した。
(実施例20〜25)
正極活物質としてLi3V2(PO4)3を用いて正極を作製した。それ以外は実施例7〜12と同様の方法で、実施例20〜25の評価用セルを作製した。
正極活物質としてLi3V2(PO4)3を用いて正極を作製した。それ以外は実施例7〜12と同様の方法で、実施例20〜25の評価用セルを作製した。
(実施例26)
負極活物質として黒鉛を90重量%、ケイ素を10重量%混合した負極活物質を用いて負極を作製した。それ以外は実施例24と同様の方法で、実施例26の評価用セルを作製した。
負極活物質として黒鉛を90重量%、ケイ素を10重量%混合した負極活物質を用いて負極を作製した。それ以外は実施例24と同様の方法で、実施例26の評価用セルを作製した。
(実施例27)
正極活物質としてLi0.9VOPO4を用いて正極を作製した。それ以外は実施例18と同様の方法で、実施例27の評価用セルを作製した。
正極活物質としてLi0.9VOPO4を用いて正極を作製した。それ以外は実施例18と同様の方法で、実施例27の評価用セルを作製した。
(実施例28、29)
正極活物質としてLiVOPO4を、第二の正極活物質としてLiNi0.33Mn0.33Co0.33O2(表中NMCと記載)を用い、これらの混合物を混合比7:3または3:7とした正極活物質を用いて正極を作製した。それ以外は実施例9と同様の方法で、実施例28、29の評価用セルを作製した。
正極活物質としてLiVOPO4を、第二の正極活物質としてLiNi0.33Mn0.33Co0.33O2(表中NMCと記載)を用い、これらの混合物を混合比7:3または3:7とした正極活物質を用いて正極を作製した。それ以外は実施例9と同様の方法で、実施例28、29の評価用セルを作製した。
(実施例30)
正極活物質としてLiVOPO4とLiNi0.33Mn0.33Co0.33O2の混合物を混合比3:7とした正極活物質を用いて正極を作製した。それ以外は実施例13と同様の方法で、実施例30の評価用セルを作製した。
正極活物質としてLiVOPO4とLiNi0.33Mn0.33Co0.33O2の混合物を混合比3:7とした正極活物質を用いて正極を作製した。それ以外は実施例13と同様の方法で、実施例30の評価用セルを作製した。
(比較例1)
フッ化リチウムを添加しなかったことを除いて、実施例1と同様の方法で、比較例1の評価用セルを作製した。
フッ化リチウムを添加しなかったことを除いて、実施例1と同様の方法で、比較例1の評価用セルを作製した。
(比較例4)
電解液にフッ化リチウムを添加したことを除いて、比較例1と同様の方法で、比較例2の評価用セルを作製した。
電解液にフッ化リチウムを添加したことを除いて、比較例1と同様の方法で、比較例2の評価用セルを作製した。
(実施例31、32及び比較例5)
フッ化リチウムの添加量を変更したことを除いて、実施例14と同様の方法で実施例31、32及び比較例5の評価用セルを作製した。
フッ化リチウムの添加量を変更したことを除いて、実施例14と同様の方法で実施例31、32及び比較例5の評価用セルを作製した。
(実施例33、比較例6)
FECの添加量を変更したことを除いて、実施例20と同様の方法で実施例33、比較例6の評価用セルを作製した。
FECの添加量を変更したことを除いて、実施例20と同様の方法で実施例33、比較例6の評価用セルを作製した。
(実施例34〜40、比較例7、8)
FECの添加量を変更したことを除いて、実施例29と同様の方法で実施例34〜40及び比較例7、8の評価用セルを作製した。
FECの添加量を変更したことを除いて、実施例29と同様の方法で実施例34〜40及び比較例7、8の評価用セルを作製した。
(フッ素化合物の測定)
実施例1〜40及び比較例1〜8の方法により得られたそれぞれの正極において、正極活物質層の表面からXPSによる元素分析を行うことで、各正極の正極活物質層の表面からの深さ方向におけるフッ素化合物の有無を確認した。各正極活物質層の表面からフッ素化合物が検出された深さまでをフッ素化合物の存在領域とした。なお、フッ素化合物が検出されなかったものはN.D.(No Detected)とした。
実施例1〜40及び比較例1〜8の方法により得られたそれぞれの正極において、正極活物質層の表面からXPSによる元素分析を行うことで、各正極の正極活物質層の表面からの深さ方向におけるフッ素化合物の有無を確認した。各正極活物質層の表面からフッ素化合物が検出された深さまでをフッ素化合物の存在領域とした。なお、フッ素化合物が検出されなかったものはN.D.(No Detected)とした。
(フッ素含有量の測定)
実施例1〜40及び比較例1〜8の方法により得られたそれぞれの正極において、正極活物質層に含まれるフッ素の含有量を、イオンクロマトグラフィーを用いて測定した。
実施例1〜40及び比較例1〜8の方法により得られたそれぞれの正極において、正極活物質層に含まれるフッ素の含有量を、イオンクロマトグラフィーを用いて測定した。
(低温での急速充電特性の測定)
0℃において電池容量に対して2C相当の電流を流し、充電が完了する時間を測定した。充電は定電流定電圧充電(CCCV充電)によっておこない、電池容量の1/20Cの電流値に達したときに終了する条件とした。充電開始から終了条件に達するまでの時間を充電時間として評価した。なお、電流密度は1Cを160mAh/gとし、充電電圧は4.2V(vs.Li/Li+)として測定を行った。
0℃において電池容量に対して2C相当の電流を流し、充電が完了する時間を測定した。充電は定電流定電圧充電(CCCV充電)によっておこない、電池容量の1/20Cの電流値に達したときに終了する条件とした。充電開始から終了条件に達するまでの時間を充電時間として評価した。なお、電流密度は1Cを160mAh/gとし、充電電圧は4.2V(vs.Li/Li+)として測定を行った。
実施例1〜40及び比較例1〜8の方法により作製した評価用セルを上記条件にて急速充放電特性を測定し、それぞれn=5で評価した結果の平均値をそれぞれの急速充放電特性とした。
(ガス発生量の測定)
実施例1〜40及び比較例1〜8の評価用セルにおいて、低温での急速充電特性を測定した後、評価用セルを定電流放電(CV放電)によって放電をおこなった。なお、放電電圧は3.0V(vs.Li/Li+)とし、電流密度は0.5C相当とした。放電後の評価用セルのガス発生量はアルキメデス法を用いて測定した。
実施例1〜40及び比較例1〜8の評価用セルにおいて、低温での急速充電特性を測定した後、評価用セルを定電流放電(CV放電)によって放電をおこなった。なお、放電電圧は3.0V(vs.Li/Li+)とし、電流密度は0.5C相当とした。放電後の評価用セルのガス発生量はアルキメデス法を用いて測定した。
これらの測定によって得られた実施例1〜40及び比較例1〜8の結果を以下表1に示す。
上記表1の結果より、本願発明における評価セルは低温における急速充放電特性が向上することが分かる。また、比較例4の結果から、電解液にフッ素化合物を添加した場合、低温における急速充放電特性が向上しないこと分かる。これは、正極活物質層に添加した場合とは異なり、正極活物質層中にフッ素化合物が存在しないためであると考えられる。
(実施例41〜48、比較例9、10)
第二の正極活物質として、LiNi0.85Co0.10Al0.05O2(表中NCAと記載)を用いたことを除いて、実施例29、実施例34〜40及び比較例6、7と同様の方法で実施例41〜48及び比較例9、10の評価用セルを作製した。
第二の正極活物質として、LiNi0.85Co0.10Al0.05O2(表中NCAと記載)を用いたことを除いて、実施例29、実施例34〜40及び比較例6、7と同様の方法で実施例41〜48及び比較例9、10の評価用セルを作製した。
実施例41〜48及び比較例9、10の方法により作製した評価用セルを、実施例1と同様の方法でフッ素化合物、フッ素の含有量及び低温充電特性測定後の評価用セルのガス発生量を測定した。
実施例41〜48及び比較例9、10の方法により作製した評価用セルを、実施例1と同様の方法で急速充放電特性を測定し、それぞれn=5で評価した結果の平均値をそれぞれの急速充放電特性とした。
これらの測定によって得られた実施例41〜48及び比較例9、10の結果を以下表2に示す。
上記表2の結果より、第二の正極活物質を変更しても同様に低温での急速充電特性が向上することが確認された。
(実施例49〜57)
正極活物質と第二の正極活物質の総和に対する正極活物質の含有量(以下「正極活物質の含有量」と記載)を変更したことを除いて実施例41と同様の方法で実施例49〜57の評価用セルを作製した。
正極活物質と第二の正極活物質の総和に対する正極活物質の含有量(以下「正極活物質の含有量」と記載)を変更したことを除いて実施例41と同様の方法で実施例49〜57の評価用セルを作製した。
(初回放電容量の測定)
初回放電容量は、低温での急速充電特性を測定した後、評価用セルを定電流放電(CV放電)によって放電をおこなった。なお、放電電圧は3.0V(vs.Li/Li+)とし、電流密度は0.5C相当とした。この際に得られた容量を、それぞれの正極活物質及び第二の正極活物質の総重量で除算した値を正極の初回充電容量(mAh g−1)とした。なお、電流密度は1Cを160mAh/gとして測定を行った。
初回放電容量は、低温での急速充電特性を測定した後、評価用セルを定電流放電(CV放電)によって放電をおこなった。なお、放電電圧は3.0V(vs.Li/Li+)とし、電流密度は0.5C相当とした。この際に得られた容量を、それぞれの正極活物質及び第二の正極活物質の総重量で除算した値を正極の初回充電容量(mAh g−1)とした。なお、電流密度は1Cを160mAh/gとして測定を行った。
実施例49〜57及び実施例41の評価用セルを上記の条件で充放電することで、各評価用セルの初回放電容量を測定し、それぞれn=5で評価した結果の平均値をそれぞれの初回放電容量とした。
実施例49〜57の方法により作製した評価用セルを、実施例1と同様の方法で急速充放電特性、ガス発生量を測定した。
これらの測定によって得られた実施例49〜57の結果を以下表3に示す。
上記表3の結果より、正極活物質の含有量が1〜30wt%の範囲である場合、低温での急速充電特性に加えて高い初回放電容量と、を両立することが分かる。
10・・・正極,20・・・負極、12・・・正極集電体、14・・・正極活物質層、18・・・セパレータ、22・・・負極集電体、24・・・負極活物質層、30・・・発電要素、50・・・ケース、60,62・・・リード、100・・・リチウムイオン二次電池。
Claims (8)
- 正極活物質層を有する正極と、負極と、電解液を備えるリチウムイオン二次電池であって、前記正極活物質層は、正極活物質としてLia(M)b(PO4)c(M=VOまたはV、0.9≦a≦3.3、0.9≦b≦2.2、0.9≦c≦3.3)を含有し、さらにフッ素化合物を正極活物質層の重量に対してフッ素に換算して1〜300ppm含有するリチウムイオン二次電池。
- 前記フッ素化合物が、フッ化リチウムである請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記フッ素化合物は、前記正極活物質層の表面から100nmの深さまでの領域に存在する請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記正極活物質は、LiVOPO4またはLi3V2(PO4)3を含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記正極活物質層は、第二の正極活物質として、LiNixCoyMnzMaO2(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)を含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記正極活物質層は、前記正極活物質が、前記正極活物質と前記第二の正極活物質の総和に対して1〜30wt%含有する請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記電解液として、4−フルオロエチレンカーボネートを含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極は、負極活物質としてケイ素、酸化ケイ素から選ばれる少なくとも1種以上を含有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
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2016
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