JP2008098035A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気抵抗が高い正極活物質を用い、正極合剤層の抵抗値が高くなった正極を使用した非水電解質二次電池において、大電流で放電を行うようにしたハイレートでの充放電サイクル特性を向上させる。
【解決手段】 正極集電体の上に少なくとも正極活物質と結着剤とを含む正極合剤層が形成された正極1と、リチウムを挿入脱離可能な負極活物質を用いた負極2と、非水系溶媒にリチウム塩からなる溶質を溶解させた非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、正極合剤層の厚み方向の抵抗値が3000Ω/cm以上である場合に、非水電解液中における溶質の濃度を1.3モル/リットル以上にした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、正極集電体の上に少なくとも正極活物質と結着剤とを含む正極合剤層が形成された正極と、リチウムを挿入脱離可能な負極活物質を用いた負極と、非水系溶媒にリチウム塩からなる溶質を溶解させた非水電解液とを備えた非水電解質二次電池に係り、特に、電気抵抗の大きい正極活物質を含む抵抗値の高い正極合剤層が形成された正極を有する非水電解質二次電池において、大電流で放電を行うようにしたハイレートでの充放電サイクル特性を向上させた点に特徴を有するものである。
近年、高出力,高エネルギー密度の新型二次電池として、非水電解液を用い、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うようにした非水電解質二次電池が広く利用されるようになった。
そして、このような非水電解質二次電池においては、正極における正極活物質として、一般にコバルト酸リチウムLiCoO2、スピネルマンガン酸リチウムLiMn24、一般式LiNiCoMn2(式中、a,b,cは、a+b+c=1である。)で表されるリチウム含有金属複合酸化物等が多く用いられている。
しかし、これらの正極活物質に使用されるCo等は希少な資源であるため、生産コストが高くつくと共に、安定した供給が困難になる等の問題があった。
そして、近年においては、上記のような正極活物質に代わるものとして、一般式LiFePO4(式中、xは0<x<1.3である。)で表されるオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムを用いることが検討されている。
しかし、上記のオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムは電気抵抗値が非常に高く、このような正極活物質と結着剤とを含む正極合剤層を形成した正極における抵抗値が非常に高くなり、このような正極を使用した非水電解質二次電池を大電流で放電させた場合、抵抗過電圧が増大して電池電圧が低下し、ハイレート特性が大きく低下するという問題があった。
このため、近年においては、オリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムを正極活物質に用いるにあたり、このリン酸鉄リチウムと炭素材料との複合材料を用いることが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
しかし、このように正極活物質にリン酸鉄リチウムと炭素材料との複合材料を用いた非水電解質二次電池においても、大電流で放電を繰り返して行った場合、電極厚み方向で反応が起こりやすい箇所に電流が集中し、不均一な反応が生じて局所的な劣化が生じ、ハイレートでの充放電サイクル特性が大きく低下するという問題があった。
特開2002−110161号公報 特開2002−110162号公報
本発明は、正極集電体の上に少なくとも正極活物質と結着剤とを含む正極合剤層が形成された正極と、リチウムを挿入脱離可能な負極活物質を用いた負極と、非水系溶媒にリチウム塩からなる溶質を溶解させた非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、この正極にオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムのような電気抵抗が高い正極活物質を用いた場合における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、特に、大電流で放電を行うようにしたハイレートでの充放電サイクル特性を向上させることを課題とするものである。
本発明においては、上記のような課題を解決するため、正極集電体の上に少なくとも正極活物質と結着剤とを含む正極合剤層が形成された正極と、リチウムを挿入脱離可能な負極活物質を用いた負極と、非水系溶媒にリチウム塩からなる溶質を溶解させた非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、上記の正極合剤層の厚み方向の抵抗値が3000Ω/cm以上である場合において、上記の非水電解液中における溶質の濃度が1.3モル/リットル以上になるようにしたのである。
ここで、本発明の非水電解質二次電池において、上記の正極における正極活物質としては、一般式LixMPO4(式中、Mは、Co,Ni,Mn及びFeから選択される少なくとも1種以上の元素であり、0<x<1.3の条件を満たす。)で表されるオリビン型リチウム含有リン酸塩等を用いることができ、特に充電時の出力を確保する観点からは、比較的充電電位の低い一般式LiFePO4(式中、xは0<x<1.3である。)で表されるオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムを用いることが好ましい。また、このオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムとしては、リチウムの拡散経路を短くして良好な出力特性が得られるようにするため、その平均粒子径が10μm以下のものを用いることが好ましく、さらに好ましくは5μm以下のものを用いるようにする。
また、本発明の非水電解質二次電池において、上記のような正極活物質と結着剤とを含む正極合剤層を形成するにあたり、この正極合剤層の充填密度が高くなりすぎたり、また正極合剤層の塗布量が多くなって正極合剤層が厚くなりすぎたりすると、正極合剤層内に非水電解液が浸透されにくくなって、正極合剤層中におけるリチウムイオン量が少なくなり、上記のように大電流で放電を行うと、電気抵抗値が大きい正極合剤層中においてリチウムイオンの濃度勾配が生じ、局所的な非水電解液の分解などの副反応が起こり、ハイレートでの充放電サイクル特性が低下する。このため、上記の正極合剤層の充填密度を1.9g/cm3以下にすることが好ましく、また正極の片面における正極合剤層の厚みを100μm以下にすることが好ましく、より好ましくは正極の片面における正極合剤層の厚みを60μm以下にする。
なお、上記の正極合剤層の厚み方向の抵抗値が高くなりすぎると、ハイレートでの充放電サイクル特性を向上させることが困難になるため、正極合剤層の厚み方向の抵抗値は30000Ω/cm以下であることが好ましく、また上記のように正極集電体上に正極合剤層が形成された正極にタブを設ける場合には、電極長さ方向における反応の不均一を抑制するため、タブ1本あたりの電極長さを100cm以下にすることが好ましい。
また、本発明の非水電解質二次電池において、上記の非水電解液に用いる非水系溶媒としては、非水電解質二次電池において一般に使用されているものを用いることかでき、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートや、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートなどを用いることができ、特に、上記の環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒を用いることが好ましい。
また、この非水系溶媒に溶解させるリチウム塩からなる溶質としても、非水電解質二次電池において一般に使用されているリチウム塩を用いることができ、例えば、LiPF6,LiBF4,LiCF3SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN(CF3SO2)(C49SO2),LiC(CF3SO23,LiC(C25SO23,LiAsF6,LiClO4,Li210Cl10,Li212Cl12や、これらの混合物等を用いることができる。また、これらのリチウム塩に加えて、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を含ませることが好ましい。そして、このようなオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩としては、リチウム−ビス(オキサラト)ボレートなどを用いることができる。
また、本発明の非水電解質二次電池において、負極に用いる負極活物質も特に限定されるものではないが、負極活物質に炭素材料を用いることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池においては、上記のように正極合剤層の厚み方向の抵抗値が3000Ω/cm以上である正極合剤層が形成された正極を用いた場合に、非水電解液中におけるリチウム塩からなる溶質の濃度を1.3モル/リットル以上にしたため、正極合剤層内に十分な量のリチウム塩が導入されるようになり、多くの大電流で放電を行った場合において、放電末期に正極合剤層内においてリチウムイオンの濃度勾配が生じるのが抑制され、正極合剤層内で不均一な反応が生じて局所的な劣化が生じるのが防止されると考えられる。
この結果、本発明の非水電解質二次電池においては、上記のように厚み方向の抵抗値が3000Ω/cm以上である高抵抗の正極合剤層が形成された正極を用いたにも拘らず、大電流で放電を行うハイレートでの充放電サイクル特性が十分に向上されるようになる。
ここで、上記の正極活物質として、オリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムを用いた場合、前記のコバルト酸リチウムやスピネルマンガン酸リチウム等のリチウム含有金属複合酸化物に比べて、リチウムイオン伝導性が低いため、リチウムの拡散経路を短くして良好な出力特性が得られるようにするために、その粒子径を小さくすることが必要になる。しかし、このように粒子径を小さくすると、正極のBET比表面積が大きくなって、非水電解液の分解などの副反応が起こりやすくなる。
また、オリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムは、上記のリチウム含有金属複合酸化物に比べて作動電圧が低く、さらに大電流で放電した場合、抵抗過電圧により作動電圧が低下する。そのため、放電末期に正極合剤層内においてリチウムイオンの濃度勾配が生じた場合、リチウム含有金属複合酸化物に比べて正極電位が非常に低くなり、局所的な非水電解液の分解などの副反応がさらに起こりやすくなる。
しかし、本発明の非水電解質二次電池のようにリチウム塩からなる溶質の濃度が1.3モル/リットル以上の非水電解液を用いると、上記のオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムのようにBET比表面積が大きく、正極電位が低い正極活物質を用いた場合においても、局所的に電位が低下するのが抑制されて、非水電解液の分解など防止され、大電流で放電を行うハイレートでの充放電サイクル特性が十分に向上されるようになる。
以下、この発明に係る非水電解質二次電池について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例に係る非水電解質二次電池においては、前記のように厚み方向の抵抗値が3000Ω/cm以上である抵抗値の高い正極合剤層が形成された正極を用いた場合においても、大電流で放電を行うハイレートでの充放電サイクル特性が十分に向上されることを、比較例及び参考例を挙げて明らかにする。なお、本発明の非水電解質二次電池は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
実施例1においては、下記のようにして作製した正極と負極と非水電解液とを用い、図1に示すような円筒型で電池容量が1000mAhになった非水電解質二次電池を作製した。
[正極の作製]
正極を作製するにあたっては、正極活物質として用いるオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムLiFePO4を得るにあたり、原料となるリン酸鉄八水和物Fe3(PO42・8H2Oとリン酸リチウムLi3PO4とを1:1のモル比になるように混合し、この混合物と直径1cmのステンレス製ボールとを直径10cmのステンレス製ポットに入れ、公転半径:30cm、公転回転数:150rpm、自転回転数:150rpmの条件で12時間混練させた。そして、この混練物を非酸化性雰囲気中の電気炉において600℃の温度で10時間焼成させて、平均粒子径が100nmになったリン酸鉄リチウムLiFePO4を得た。
そして、上記のLiFePO4からなる正極活物質と、導電剤の繊維状炭素材料と、結着剤のポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、正極活物質と導電剤と結着剤との重量比が85:10:5になるように混合して、正極合剤スラリーを調製した。次いで、この正極合剤スラリーをアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布した後、これを乾燥させ、圧延ローラにより圧延させて正極合剤層を形成し、さらに集電タブを取り付けて正極を作製した。なお、この正極の両面に形成された正極合剤層の片面の厚みは45μmであり、またその充填密度は2.0g/cm3であった。
また、上記のように作製した正極について、抵抗測定器(三菱化学社製:MCP−T600)を用いて、上記の正極合剤層の厚み方向の抵抗値を求めた結果、抵抗値は9300Ω/cmであった。
[負極の作製]
負極を作製するにあたっては、負極活物質に黒鉛粉末を用い、この負極活物質に結着剤のポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させたバインダー溶液を、黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデンとが85:15の重量比となるように混合させて負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを銅箔からなる集電体の両面に塗布し、これを乾燥させ、圧延ローラにより圧延させた後、集電タブを取り付けて負極を作製した。
[非水電解液の作製]
非水系溶媒のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:7の体積比で混合した混合溶媒に、溶質のLiPF6を1.6モル/リットルの濃度になるように溶解させて、非水電解液を作製した。
[電池の作製]
電池を作製するにあたっては、図1に示すように、上記のようにして作製した正極1と負極2との間に、セパレータ3としてリチウムイオン透過性のポリエチレン製の微多孔膜を介在させ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶4内に収容させた後、この電池缶4内に上記の非水電解液を注液して封口し、上記の正極1を正極タブ5により、正極蓋6に取り付けられた正極外部端子9に接続させると共に、上記の負極2を負極タブ7により電池缶4に接続させ、電池缶4と正極蓋6とを絶縁パッキン8により電気的に分離させた。
(実施例2)
実施例2においては、上記の実施例1における非水電解液の作製において、溶質のLiPF6を1.3モル/リットルの濃度になるように溶解させて非水電解液を作製し、それ以外は実施例1の場合と同様にして、実施例2の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
比較例1においては、上記の実施例1における非水電解液の作製において、溶質のLiPF6を1.0モル/リットルの濃度になるように溶解させて非水電解液を作製し、それ以外は実施例1の場合と同様にして、比較例1の非水電解質二次電池を作製した。
(参考例1)
参考例1においては、上記の実施例1における正極の作製において、正極活物質として、LiNi1/3Co1/3Mn1/32とスピネル型構造を有するマンガン酸リチウムであるLi1.1Mn1.895Al0.0054とを1:1の重量比で混合した混合物を使用し、この正極活物質と、導電剤の繊維状炭素材料と、結着剤のポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、正極活物質と導電剤と結着剤との重量比が94:3:3になるように混合した正極合剤スラリーを用いて正極を作製し、それ以外は実施例1の場合と同様にして、参考例1の非水電解質二次電池を作製した。なお、この参考例1における正極合剤層の厚み方向の抵抗値を上記の実施例1の場合と同様にして求めた結果、抵抗値は1800Ω/cmであった。
(参考例2)
参考例2においては、上記の参考例1の場合と同様にして作製した正極を用いると共に、上記の実施例1における非水電解液の作製において、溶質のLiPF6を1.3モル/リットルの濃度になるように溶解させて非水電解液を作製し、それ以外は実施例1の場合と同様にして、参考例2の非水電解質二次電池を作製した。
(参考例3)
参考例3においては、上記の参考例1の場合と同様にして作製した正極を用いると共に、上記の実施例1における非水電解液の作製において、溶質のLiPF6を1.0モル/リットルの濃度になるように溶解させて非水電解液を作製し、それ以外は実施例1の場合と同様にして、参考例3の非水電解質二次電池を作製した。
そして、上記の実施例1,2及び比較例1の各非水電解質二次電池をそれぞれ室温において、1Aの定電流で4.2Vまで充電させ、さらに4.2Vの定電圧で電流値が50mAになるまで定電圧充電させた後、10Aの定電流で2.0Vまで放電させ、これを1サイクルとして80サイクルの充放電を繰り返して行った。
また、上記の参考例1〜3の各非水電解質二次電池については、それぞれ室温において、1Aの定電流で4.2Vまで充電させ、さらに4.2Vの定電圧で電流値が50mAになるまで定電圧充電させた後、10Aの定電流で2.5Vまで放電させ、これを1サイクルとして、80サイクルの充放電を繰り返して行った。
そして、上記の実施例1,2、比較例1及び参考例1〜3の各非水電解質二次電池について、初期の放電容量Q1に対する80サイクル時の放電容量Q80の容量維持率A80を下記の式により求め、その結果を下記の表1に示した。
容量維持率A80(%)=(Q80/Q1)×100
また、上記の実施例1及び比較例1の非水電解質二次電池について、充放電のサイクル数に対する容量維持率の変化を求め、図2に実施例1の非水電解質二次電池の結果を実線で、比較例1の非水電解質二次電池の結果を破線で示した。なお、上記の実施例2及び参考例1〜3の各非水電解質二次電池においても、上記の実施例1の非水電解質二次電池とほぼ同様の充放電のサイクル数に対する容量維持率の変化が見られた。
Figure 2008098035
この結果から明らかなように、正極活物質にLiFePO4を用いて抵抗値が3000Ω/cm以上の9300Ω/cmになった正極合剤層を形成した実施例1,2及び比較例1の非水電解質二次電池を比較した場合、非水電解液中におけるリチウム塩からなる溶質の濃度を1.3モル/リットル以上にした実施例1,2の非水電解質二次電池は、リチウム塩からなる溶質の濃度が1.0モル/リットルである比較例1の非水電解質二次電池に比べて、上記の容量維持率が非常に高くなっており、高電流で放電させた場合における充放電サイクル特性が大きく向上していた。
また、正極活物質にLiNi1/3Co1/3Mn1/32とスピネル型構造を有するマンガン酸リチウムであるLi1.1Mn1.895Al0.0054とを用いて抵抗値が3000Ω/cm未満の1800Ω/cmになった正極合剤層を形成した参考例1〜3の非水電解質二次電池においては、非水電解液中におけるリチウム塩からなる溶質の濃度を変化させた場合にも容量維持率が殆ど変化していなかった。
この結果、非水電解液中におけるリチウム塩からなる溶質の濃度を1.3モル/リットル以上にした場合に、容量維持率が非常に高くなって高電流で放電させた場合における充放電サイクル特性が大きく向上するのは、LiFePO4等の電気抵抗が高い正極活物質を用いて抵抗値が3000Ω/cm以上になった正極合剤層を形成した非水電解質二次電池における特有の効果であることが分かる。
(実施例3)
実施例3においては、上記の実施例1における正極の作製において、導電剤として繊維状炭素材料と塊状炭素材料とを1:1の重量比で混合させたものを使用し、上記のLiFePO4からなる正極活物質と、導電剤の繊維状炭素材料と塊状炭素材料と、結着剤のポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、正極活物質と導電剤と結着剤との重量比が85:10:5になるように混合した正極合剤スラリーを用いて正極を作製し、それ以外は実施例1の場合と同様にして、実施例3の非水電解質二次電池を作製した。なお、この実施例3における正極合剤層の厚み方向の抵抗値を上記の実施例1の場合と同様にして求めた結果、抵抗値は3500Ω/cmであった。
(比較例2)
比較例2においては、上記の実施例3と同様にして作製した正極を用いると共に、上記の実施例1における非水電解液の作製において、溶質のLiPF6を1.0モル/リットルの濃度になるように溶解させて非水電解液を作製し、それ以外は実施例1の場合と同様にして、比較例2の非水電解質二次電池を作製した。
そして、上記の実施例3及び比較例2の各非水電解質二次電池についても、それぞれ室温において、1Aの定電流で4.2Vまで充電させ、さらに4.2Vの定電圧で電流値が50mAになるまで定電圧充電させた後、10Aの定電流で2.0Vまで放電させ、これを1サイクルとして、150サイクルの充放電を繰り返して行った。
そして、上記の実施例3及び比較例2の各非水電解質二次電池について、初期の放電容量Q1に対する150サイクル時の放電容量Q150の容量維持率A150を下記の式により求め、その結果を下記の表2に示すと共に、充放電のサイクル数に対する容量維持率の変化を求め、図3に実施例3の非水電解質二次電池の結果を実線で、比較例2の非水電解質二次電池の結果を破線で示した。
容量維持率A150(%)=(Q150/Q1)×100
Figure 2008098035
この結果、正極活物質にLiFePO4を用いて抵抗値が3000Ω/cm以上の3500Ω/cmになった正極合剤層を形成した実施例3及び比較例2の非水電解質二次電池を比較した場合、抵抗値が9300Ω/cmになった正極合剤層を形成した実施例1,2及び比較例1の非水電解質二次電池に比べると差は少なくなっているが、非水電解液中におけるリチウム塩からなる溶質の濃度を1.6モル/リットルにした実施例3の非水電解質二次電池は、リチウム塩からなる溶質の濃度が1.0モル/リットルである比較例2の非水電解質二次電池に比べて、上記の容量維持率が高くなっており、高電流で放電させた場合における充放電サイクル特性が向上していた。
(実施例4)
実施例4においては、上記の実施例1における正極の作製において、上記の正極合剤層の充填密度を2.1g/cm3にし、それ以外は実施例1の場合と同様にして、実施例4の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例5)
実施例5においては、上記の実施例1における正極の作製において、上記の正極合剤層の充填密度を1.9g/cm3にし、それ以外は実施例1の場合と同様にして、実施例5の非水電解質二次電池を作製した。
そして、上記の実施例1及び実施例4,5の各非水電解質二次電池について、それぞれ室温において、1Aの定電流で4.2Vまで充電させ、さらに4.2Vの定電圧で電流値が50mAになるまで定電圧充電させた後、10Aの定電流で2.0Vまで放電させ、これを1サイクルとして、200サイクルの充放電を繰り返して行った。
そして、上記の実施例1,4,5の各非水電解質二次電池について、初期の放電容量Q1に対する200サイクル時の放電容量Q200の容量維持率A200を下記の式により求め、その結果を下記の表3に示すと共に、充放電のサイクル数に対する容量維持率の変化を求め、図4に実施例1の非水電解質二次電池の結果を破線で、実施例4の非水電解質二次電池の結果を一点鎖線で、実施例5の非水電解質二次電池の結果を実線で示した。
容量維持率A200(%)=(Q200/Q1)×100
Figure 2008098035
この結果、正極活物質にLiFePO4を用いて抵抗値が3000Ω/cm以上になった正極合剤層を形成すると共に、非水電解液中におけるリチウム塩からなる溶質の濃度を1.6モル/リットルにした実施例1,4,5の非水電解質二次電池を比較した場合、上記の正極合剤層の充填密度を1.9g/cm3にした実施例5の非水電解質二次電池は、正極合剤層の充填密度が2.0g/cm3以上になった実施例1,4の非水電解質二次電池に比べて、上記の容量維持率がさらに高くなっており、高電流で放電させた場合における充放電サイクル特性がさらに向上していた。
(実施例6)
実施例6においては、上記の実施例1における正極の作製において、上記の正極合剤層の片面の厚みを60μmにし、それ以外は実施例1の場合と同様にして、実施例6の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例7)
実施例7においては、上記の実施例1における正極の作製において、上記の正極合剤層の片面の厚みを70μmにし、それ以外は実施例1の場合と同様にして、実施例7の非水電解質二次電池を作製した。
そして、上記の実施例1及び実施例6,7の各非水電解質二次電池について、それぞれ室温において、1Aの定電流で4.2Vまで充電させ、さらに4.2Vの定電圧で電流値が50mAになるまで定電圧充電させた後、10Aの定電流で2.0Vまで放電させ、これを1サイクルとして400サイクルの充放電を繰り返して行った。
そして、上記の実施例1,6,7の各非水電解質二次電池について、初期の平均作動電圧V1と400サイクル時の平均作動電圧V400とを求め、下記の式により400サイクル時の平均作動電圧維持率を求め、その結果を下記の表4に示した。
平均作動電圧維持率(%)=(V400/V1)×100
Figure 2008098035
この結果、正極活物質にLiFePO4を用いて抵抗値が3000Ω/cm以上になった正極合剤層を形成すると共に、非水電解液中におけるリチウム塩からなる溶質の濃度を1.6モル/リットルにした実施例1,6,7の非水電解質二次電池を比較した場合、上記の正極の片面における正極合剤層の厚みを60μm以下にした実施例1,6の非水電解質二次電池は、正極合剤層の厚みが70μm以上になった実施例7の非水電解質二次電池に比べて、400サイクル時の平均作動電圧維持率が高くなっており、長期にわたって安定した放電が行えるようになっていた。
本発明の実施例1〜7、比較例1,2及び参考例1〜3において作製した非水電解質二次電池の概略断面図である。 本発明の実施例1及び比較例1の非水電解質二次電池を充放電させた場合における充放電のサイクル数と容量維持率との関係を示した図である。 本発明の実施例3及び比較例2の非水電解質二次電池を充放電させた場合における充放電のサイクル数と容量維持率との関係を示した図である。 本発明の実施例1,4,5の非水電解質二次電池を充放電させた場合における充放電のサイクル数と容量維持率との関係を示した図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 正極タブ
6 正極蓋
7 負極タブ
8 絶縁パッキン
9 正極外部端子

Claims (4)

  1. 正極集電体の上に少なくとも正極活物質と結着剤とを含む正極合剤層が形成された正極と、リチウムを挿入脱離可能な負極活物質を用いた負極と、非水系溶媒にリチウム塩からなる溶質を溶解させた非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、上記の正極合剤層の厚み方向の抵抗値が3000Ω/cm以上であり、上記の非水電解液中における溶質の濃度が1.3モル/リットル以上であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、前記の正極活物質が一般式LiFePO4(式中、xは0<x<1.3である。)で表されるオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムであることを特徴とする非水電解質二次電池。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の非水電解質二次電池において、前記の正極における正極合剤層の充填密度が1.9g/cm3以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の非水電解質二次電池において、前記の正極の片面における正極合剤層の厚みが60μm以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
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