JP2019175634A - 正極活物質及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

正極活物質及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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宏郁 角田
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Abstract

【課題】良好なサイクル特性を有する正極活物質及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】本発明にかかる正極活物質は、LiVOPO4で表される第一化合物と、前記第一化合物の表面の少なくとも一部に被覆層を有し、前記被覆層はLi2VPO6で表される第二化合物を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、正極活物質及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池の正極材料の活物質として、LiCoOやLiNi1/3Mn1/3Co1/3等の層状化合物やLiMn等のスピネル化合物が用いられている。近年では、LiFePOに代表されるオリビン型構造の化合物が注目されている。オリビン型構造を有するLiFePOは、その結晶構造に安定なリン酸骨格を有するため高温での熱安定性が高く、安全性が高いことが利点として挙げられる。しかし、LiFePOを用いたリチウムイオン二次電池はその平均充電電圧が約3.5Vと低く、エネルギー密度が十分とは言い難い。LiFePOと同様なリン酸骨格を有する正極活物質の中で4V級の充放電電圧を実現しうる化合物として、LiVOPOが知られている(特許文献1)。
一般にリチウムイオン二次電池の正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池のレート特性は、前記正極活物質の粒径に大きく依存する。前記正極活物質の粒径が小さくなるにつれてリチウムイオンの粒内拡散距離が短くなり、レート特性が改善されるとされている。しかし、特許文献1に記載されているようなLiVOPOは結晶生成過程において粒成長しやすく、良好なサイクル特性およびレート特性を得ることが非常に困難である。
粒成長したLiVOPO活物質粒子を粉砕することによりLiVOPO活物質粒子の粒径を細かくすることは可能であるが、粉砕することによりLiVOPO活物質にひずみが導入され、そのひずみによってリチウムイオンの拡散が阻害されるためレート特性の改善は困難と考えられる。
レート特性を改善する先行技術としては、その他、例えば(特許文献2)において、水熱合成中に添加剤を加えることで、レート特性を改善する報告がなされているが、サイクル特性に関するさらなる改善が求められている。
特開2004−303527 特開2011−051859
本発明は良好なサイクル特性を有する正極活物質及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供する。
上記目的を達成するために、本発明に係る正極活物質は、LiVOPOで表される第一化合物と、前記第一化合物の表面の少なくとも一部に被覆層を有し、前記被覆層はLiVPOで表される第二化合物を含む。
上記本発明に係る構成によれば、リチウムイオン二次電池に使用した場合、正極活物質としてLiVOPOと表される第一化合物を単独で用いた場合に比べて、サイクル特性が向上する。これは、LiVOPOと電解液との接触を抑制することが可能であることに加えて、被覆層に含まれるバナジウムが5価の化合物であるLiVPOは、充放電に寄与せず、安定な化合物であるためであると推察している。
また、前記被覆層の厚みが1〜200nmであることが好ましい。
前記被覆層の厚みを1〜200nmにすることで、サイクル後に高い容量を得ることができる。コート量が多すぎると、充放電に寄与するLiVOPOの割合が相対的に低下することから、初期容量が低くなることに伴い300サイクル後の容量が低くなる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極、負極、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータ及び非水電解質を具備し、前記正極が、上述した正極活物質を含むことが好ましい。
上記正極活物質を含む正極を用いることで、サイクル特性の改善されたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明によれば、良好なサイクル特性を有する正極活物質及びそれを用いたリチウム二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る正極及び負極を備えるリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
(リチウムイオン二次電池)
図1は、本実施形態とするリチウムイオン二次電池を示す模式断面図である。図1に示すように、リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60、62を備えている。
積層体30は、一対の正極10、負極20が、セパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、板状(膜状)の正極集電体12上に正極活物質層14が設けられたものである。負極20は、板状(膜状)の負極集電体22上に負極活物質層24が設けられたものである。正極活物質層14の主面及び負極活物質層24の主面が、セパレータ18の主面にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード62、60が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。
(正極集電体)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層14は、正極活物質、バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
(正極活物質)
本実施形態の正極活物質はLiVOPOで表される第一化合物と、その表面に被覆層を有しており、被覆層にはLiVPOで表される第二化合物とを含むことを特徴とする。
係る構成によれば、リチウムイオン二次電池に使用した場合、サイクル特性が向上する。これは、LiVOPOと電解液との接触を抑制することが可能であることに加えて、被覆層に含まれるバナジウムが5価の化合物であるLiVPOは、充放電に寄与せず、安定な化合物であるためであると推察している。
本実施形態の正極活物質は、被覆層の厚みが1〜200nmであることが好ましい。
本実施形態の正極活物質は、被覆層の厚みが1〜200nmであればサイクル特性改善の効果はより顕著となる。一方、被覆層の厚みが200nm以下となることでより高い容量を得ることができる。すなわち、被覆層の厚みが1〜200nmとすることで、初期放電容量を維持しつつ、サイクル特性を改善することができる。
本実施形態の正極活物質は、被覆層の厚みが50〜150nmの範囲であることがより好ましい。本範囲とすることで特に高い初期放電容量を維持しつつ、サイクル特性を改善することができる。
本実施形態の正極活物質は、被覆層がLiVOPOで表される第一化合物の表面を完全に被覆している必要はなく、化合物表面の50%以上に被覆層が存在していることでサイクル特性を改善することができる。
また、本実施形態の正極活物質は、化合物表面に存在する被覆層の割合が多いほどサイクル特性の改善効果がより顕著となり、化合物表面の80%以上に被覆層が存在していることが好ましい。
正極活物質中のLiVOPOで表される第一化合物、LiVPOで表される第二化合物それぞれの化合物の同定方法は、正極活物質をX線回折測定(XRD)により測定し、得られたデータをリートベルト解析することで正極活物質に含まれる化合物を同定する。また、リチウムイオン二次電池の場合は、放電状態のリチウムイオン二次電池を解体し、正極電極から正極活物質を回収して有機溶剤で洗浄した後、同様の方法で正極活物質に含まれる化合物を同定することができる。
また、正極活物質中のLiVOPOで表される第一化合物、LiVPOで表される第二化合物それぞれの化合物の存在状態は透過型電子顕微鏡(TEM)及びエネルギー分散型X線分析(EDS)等を用いて測定することができる。
XRDによって正極活物質中の第一化合物及び第二化合物を同定した後、TEMによって第一化合物及び第二化合物の状態を特定し、EDSを用いてTEMで観察した正極活物質における第一化合物及び第二化合物の存在状態を特定し、こられを照らし合わせることで、得られた正極活物質の状態を特定することができる。
また、微小な領域における各化合物を同定する場合、TEMを用いた電子線回折測定を行うことで、特定領域における第一化合物及び第二化合物の同定を行うことで、より詳細な正極活物質の状態を特定することができる。
(LiVPOと表される化合物の合成)
本実施形態に係る正極活物質のLiVPOで表される第二化合物は、例えば、固相反応法により製造することができる。
(固相反応工程)
固相反応工程では、まず、各々の原料を混合する容器、例えばジルコニアボールやアルミナボールが入ったポットミル容器内に、リチウム源、リン酸源、バナジウム源を投入し、さらに溶媒となるアルコールを投入して、密閉状態で混合する。
リチウム源としては、例えば、LiCO、LiNO、LiOH、LiCl、LiPO及びLiSOからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
リン酸源としては、例えば、HPO、NHPO、(NHHPO及びLiPOからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
バナジウム源としては、例えば、V及びNHVOからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
なお、二種以上のリチウム源、二種以上のリン酸源又は二種以上のバナジウム源を併用してもよい。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。溶剤中に水分が含まれていると、リチウム源が溶解し、乾燥工程においてリチウム源の偏析が生じ、原料が均一に混合されない恐れがある。そのため、脱水処理を施した前記溶剤を用いることが好ましい。
ポットミルによる混合条件は、75〜100rpmの回転数にて、1〜24時間であればよい。
混合後のスラリー中に含まれる溶媒を、乾燥器等を用いて揮発させることで各々の原料の混合粉を得ることができる。
(熱処理工程)
本実施形態に係るLiVPOと表される化合物の製造方法は、各々の原料を混合する工程後に加熱する熱処理工程を備える必要がある。熱処理工程によって、リチウム源、リン酸源及びバナジウム源の反応を進行させ、LiVPOで表される化合物を得ることができる。
熱処理工程では、混合粉を400〜700℃の熱処理温度で加熱することが好ましい。また、混合物の熱処理時間は、3〜10時間であればよい。熱処理温度が低い場合は時間を長く、逆に、熱処理温度が高い場合は時間を低く設定すればよい。さらに混合物の熱処理雰囲気は、酸素を含む雰囲気であればよい。
また、正極活物質LiVPOと表される第二化合物の製造方法は固相反応法に限定されることはなく、水熱合成法、ゾルゲル法、等の製造方法を用いてもよい。
本実施形態に係る第二化合物の粒形は、第一化合物よりも小さいことが好ましい。
(LiVOPOと表される化合物の合成)
本実施形態に係る正極活物質のLiVOPOと表される第一化合物は、例えば、水熱合成法により製造することができる。
(水熱合成工程)
水熱合成工程では、まず、内部を加熱、加圧する機能を有する反応容器(例えば、オートクレーブ等)内に、リチウム源、リン酸源、バナジウム源、水、及び還元剤を投入して、これらが分散した混合物を調製する。なお、混合物を調製する際は、例えば、最初に、リン酸源、バナジウム源、水及び還元剤を混合したものを還流した後、これにリチウム源を加えてもよい。この還流により、リン酸源及びバナジウム源の複合体を形成することができる。
リチウム源としては、例えば、LiNO、LiCO、LiOH、LiCl、LiPO、LiSO及びCHCOOLiからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
リン酸源としては、例えば、HPO、NHPO、(NHHPO及びLiPOからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
バナジウム源としては、例えば、V及びNHVOからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
なお、二種以上のリチウム源、二種以上のリン酸源又は二種以上のバナジウム源を併用してもよい。
還元剤としては、例えば、ヒドラジン(NHNH・HO)及び過酸化水素(H)のいずれかまたはこれらを混合したものを用いることができる。還元剤としては、特に、ヒドラジンを用いることが好ましい。ヒドラジンを用いた場合、他の還元剤を用いた場合に比べて、電池の放電容量及びレート特性が顕著に向上する傾向がある。
水熱合成工程では、密閉した反応器内の混合物を加圧しながら加熱することにより、混合物中で水熱反応を進行させる。これにより、本実施形態における正極活物質が水熱合成される。なお、混合物を加圧しながら加熱する時間は、混合物の量に応じて適宜調整すればよい。
水熱合成工程では、混合物を加圧下で、好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜250℃に加熱する。
水熱合成工程において混合物に加える圧力は、0.2〜1MPaとすることが好ましい。混合物に加える圧力が低過ぎると、最終的に得られるLiVOPOの結晶性が低下し、その容量密度が減少する傾向がある。混合物に加える圧力が高過ぎると、反応容器に高い耐圧性が求められ、正極活物質の製造コストが増大する傾向がある。混合物に加える圧力を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。前記水熱合成工程において、LiVOPOで表される第一化合物を得ることができる。
また、得られたLiVOPOであらわされる第一化合物を熱処理する熱処理工程を行ってもよい。
熱処理工程によって、水熱合成工程で反応しなかったリチウム源、リン酸源及びバナジウム源の反応を進行させたり、水熱合成工程で生成したLiVOPOで表される第一化合物の結晶性を向上したりすることができる。
熱処理工程では、混合物を400〜700℃の熱処理温度で加熱することが好ましい。熱処理温度が低過ぎる場合、正極活物質のLiVOPOと表される第一化合物は十分な結晶性が得られず、その容量密度の向上度が小さくなる傾向がある。熱処理温度が高すぎる場合、上記正極活物質のLiVOPOと表される第一化合物は粒成長し、粒径が増加しすぎる傾向がある。その結果、正極活物質におけるリチウムの拡散が遅くなり、正極活物質の容量密度の向上度が小さくなる傾向がある。熱処理温度を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。
本実施形態に係る第一化合物の平均一次粒形は50〜1000nmの範囲であることが好ましく、100〜600nmの範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る第一化合物の一次粒形は走査型電子件微妙で粒子100粒をランダムに選択し、それぞれの粒子の円相当径を求め、平均した値を用いることができる。
また、本実施形態に係る第一化合物の粒度分布測定におけるメジアン系(D50)が1.0〜15.0μmの範囲であることが好ましい。
(LiVPOで表される化合物を有する被覆層をLiVOPOで表される第一化合物に形成する工程)
前記LiVPOと表される化合物を有する被覆層を、前記LiVOPOに相当する第一化合物に対して形成する場合、ボールミルやポットミル等の装置を用いて形成することができる。
LiVOPOと表される第一化合物を、LiVPOと表される第二化合物をエタノール等の溶媒に分散した被覆層形成材料とともに、それぞれ所定の割合にて秤量し、ジルコニアボールやアルミナボールが入ったポットミルを用いて湿式混合を行う。ポットミルによる混合条件は、75〜100rpmにて1〜24時間であればよい。
(熱処理工程)
本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、水熱合成工程後のLiVOPO表される第一化合物の前駆体と、LiVPOと表される第二化合物とを混合した混合粉を乾燥することで溶媒を除去した後に、更に加熱する熱処理工程を行ってもよい。熱処理工程によって、混合時に用いた溶媒を完全に除去し被覆層が緻密になると共に、LiVOPOで表される第一化合物の表面と被覆層との密着性を向上することができる。
熱処理工程では、混合物を200〜500℃の熱処理温度で加熱することが好ましい。熱処理温度が低過ぎる場合、被覆層の緻密性が十分ではなく、LiVOPO表される第一化合物の表面から剥離しやすくなってしまい、サイクル特性が十分に向上しない可能性がある。熱処理温度が高すぎる場合、被覆層の緻密性は向上するものの、上記正極活物質のLiVOPOと表される第一化合物は粒成長し、粒径が増加しすぎる傾向がある。その結果、正極活物質におけるリチウムの拡散が遅くなり、正極活物質の容量密度の向上度が小さくなる傾向がある。熱処理温度を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。
熱処理時間は、3〜10時間であればよい。熱処理温度が低い場合は熱処理時間を長く、逆に熱処理温度が高い場合は熱処理時間を短くすることで粒成長を抑制した正極活物質を合成することができる。また、混合物の熱処理雰囲気は、不活性ガスを含む還元雰囲気であればよい。
また、上記正極活物質は、前記正極活物質中における被覆層の厚みが1〜200nmであることが好ましい。これにより容量を維持しつつ、サイクル特性を改善することができる。
本実施形態にかかる被覆層の形成方法は上記の方法に限らず、液相法やスパッタなどの既存の方法を用いて形成することができる。
(正極バインダー)
バインダーは、上記の正極活物質と導電材とを集電体12に結着することができれば特に限定されず、公知の結着剤を使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ビニリデン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂が挙げられる。
(正極導電助剤)
導電助剤も、正極活物質層14の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅、ニッケル、ステンレス又はそれらの合金の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(負極活物質層)
負極活物質層24は、負極活物質としての黒鉛、バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
(負極活物質)
負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、LiTi12等を含む粒子が挙げられる。
(負極バインダー)
バインダーには、正極バインダーとして例示した上述の材料に加え、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリル酸等を用いても良い。
(負極導電助剤)
導電助剤は特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、カーボンブラックのような熱分解炭素、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成材料、炭素繊維、あるいは活性炭などの炭素材が挙げられる。また、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛などの負極活物質材料を、形状を変えて添加してもよい。
上述した構成要素により、電極10、20は、通常用いられる方法により作製できる。例えば、活物質(正極活物質または負極活物質)、バインダー(正極バインダーまたは負極バインダー)、溶媒、及び、導電助剤(正極導電助剤または負極導電助剤)を含む塗料を集電体上に塗布し、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、Nメチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、水等を用いることができる。
塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
集電体12、22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する方法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体12、22を、例えば80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして活物質層14、24が形成された電極を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置等によりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、100〜2,000kgf/cmとすることができる。
次に、リチウムイオン二次電池100の他の構成要素を説明する。
(セパレータ)
セパレータ18は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも一種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
(電解質溶液)
電解質溶液は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質溶液としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液であることが好ましい。電解質溶液としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
なお、本実施形態において、電解質溶液の例を挙げて説明したが、ゲル化剤を添加されたゲル状電解質を用いてもよい。また、電解質溶液に代えて、固体電解質を用いることもできる。
(ケース)
ケース50は、その内部に発電要素30及び電解質溶液を密封するものである。ケース50は、電解質溶液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミニウム箔を、合成樹脂膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい。
(リード)
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極活物質層14と負極20の負極活物質層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールすればよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、リチウムイオン二次電池は図1に示した形状のものに限定されず、コイン形状に打ち抜いた電極とセパレータとを積層したコインタイプや、電極シートとセパレータとをスパイラル状に巻回したシリンダータイプ等であってもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(LiVPOと表される第二化合物の固相反応工程)
ポットミル容器に直径3mmのジルコニアボールと、LiCO(高純度化学社製、純度99.9%)、V(ナカライテスク社製、純度99%)、HPO(ナカライテスク社製、純度85%)、を加え、さらに溶媒として無水エタノール(純正化学社製、99.5%)を加え、混合した。得られたスラリーを90℃に保持された乾燥器内で16時間乾燥させ、溶媒を除去し、混合粉を得た。前記混合粉をアルミナ坩堝に入れ、焼成炉にて550℃で4時間保持し、LiVPOと表される第二化合物を得た。前記焼成体に粉砕処理を行い、第二化合物の焼成粉を得た。
(LiVOPOと表される第一化合物の合成工程)
マイヤーフラスコにHPO(ナカライテスク社製、純度85%)及び蒸留水を入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。続いてV(ナカライテスク社製、純度99%)を加え、2時間攪拌を続けた。次にNHNH・HOを滴下し、1時間の攪拌を続け、その後LiOH・HO(ナカライテスク社製、純度99%)を加えた。得られたペースト状の物質に蒸留水を追加した後、0.5Lオートクレーブのガラス製の円筒容器内に移した。容器を密閉し、16時間、160℃で保持し、水熱合成を行った。さらに水熱合成後のスラリーを90℃で30時間熱処理した後、粉砕処理を行い、第一化合物の前駆体を得た。
得られた第一化合物の前駆体を大気雰囲気化、400℃で3時間熱処理を行い、得られた焼成物を粉砕後、粗さ5μmの篩で分級することでLiVOPOと表される第一化合物を得た。
得られた第一化合物のSEMから算出した平均粒形は550nmであり、メジアン径(D50)は8〜11μmであった。
(被覆層形成工程)
直径3mmのジルコニアボールを備えたポットミル容器に、得られたLiVOPOに相当する第一化合物と、固相反応で得られたLiVPOと表される第二化合物の焼成粉とをそれぞれ99.5:0.5重量%比となるよう秤量し、混合物50重量部に対して、エタノール100重量部を加え、200rpmにて16時間混合した。
得られた混合物を80℃で乾燥することで溶媒を除去した後、アルゴン雰囲気化で250℃、1時間熱処理を行うことで、実施例1の正極活物質を得た。
得られた正極活物質を、透過型電子顕微鏡(TEM)及び電子線回折測定を用いて観察した結果、LiVOPOと表される第一化合物の表面に平均厚み38nmの被覆層が形成されていることを確認した。また、被覆層にはLiVPOと表される第二化合物が主成分として含まれることを確認した。
また、得られた正極活物質に対してX線回折測定を行った結果、LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を含むことを確認した。
(正極の作製)
実施例1の正極活物質と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアセチレンブラックを混合したものを、溶媒であるNメチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーにおいて正極活物質とアセチレンブラックとPVDFとの重量比が84:8:8となるように、スラリーを調製した。このスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、正極活物質を含む活物質層が形成された正極を得た。
(負極の作製)
負極活物質として黒鉛と、バインダーとしてスチレン・ブタジエンゴム及びセルロースと、導電助剤としてカーボンブラックを混合したものを、溶媒である純水中に分散させてスラリーを調整した。このスラリーを負極集電体である銅箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、負極活物質を含む活物質層が形成された負極を得た。
(評価用セルの作製)
上述したとおり準備した正極、及び負極と、ポリエチレン多孔膜からなるセパレータとを所定の寸法に切断し、負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順序で、負極4層、正極3層となるよう積層した。この積層体を、アルミラミネートパックに入れ、電解質溶液として1MのLiPF溶液を注入した後、真空シールし、実施例1の正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ99.0:1.0重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが61nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例3)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ98.5:1.5重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが79nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例4)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ98.0:2.0重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが98nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例5)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ97.5:2.5重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが123nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例6)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ97.0:3.0重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが141nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例7)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ96.5:3.5重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが157nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例8)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ96.0:4.0重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが179nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例9)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ95.5:4.5重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが200nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例10)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ95.0:5.0重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが228nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(実施例11)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を混合する際、それぞれ94.5:5.5重量%と変更し、実施例1と同様の方法で正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが257nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(比較例1)
被覆層を形成せず、LiVOPOと表される第一化合物のみを正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例1の評価用セルを作製した。
(比較例2)
被覆層として、LiVPOの代わりにAlを第二化合物として用いたことを除いて、実施例4と同様にして比較例2の正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、Alとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが102nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(比較例3)
被覆層として、LiVPOの代わりにAlを第二化合物として用いたことを除いて、実施例9と同様にして比較例3の正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、Alとそれぞれ表される化合物のみが検出され、前記被覆層の厚みが199nmであった。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(比較例4)
第一化合物として、LiVOPOの代わりにLiFePOを用いたことを除いて、実施例1と同様の方法で比較例4の評価用セルを作製した。
(比較例5)
第一化合物として、LiVOPOの代わりにLiFePOを用いたことを除いて、比較例1と同様の方法で比較例5の評価用セルを作製した。
(比較例6)
LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を、ポットミルを用いて、100rpm、1時間の乾式混合することにより、比較例6の正極活物質を作製した。実施例1と同様に正極活物質を分析したところ、LiVOPO、LiVPOとそれぞれ表される化合物のみが検出された。一方で、LiVOPOと表される化合物の表面に被覆層が形成されていることは確認できず、LiVOPOと表される化合物と、LiVPOと表される化合物が混合状態であることを確認した。得られた正極活物質を用いこと以外は、実施例1と同様の方法で評価用セルを作製した。
(放電容量及びサイクル放電特性の評価方法)
実施例及び比較例で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、充電レートおよび放電レートを0.1C(25℃で定電流放電を行ったときに10時間で放電終了となる電流値)として充電及び放電を行った際の放電容量(単位:mAh/g)を測定し初期放電容量とした。初期放電容量を測定した後、充電レート及び放電レートを1C(25℃で定電流放電を行ったときに1時間で放電終了となる電流値)として300サイクル充放電を繰り返した後の放電容量をサイクル特性とした(300th容量)。
(結果の判定)
求められたサイクル特性が110mAh/g以上であれば良好な結果であると判断する。また、サイクル放電特性が改善しても初期放電容量が減少する場合、実用上好ましくないため、初期放電容量は、130mAh/g以上であることが好ましい。
Figure 2019175634
表1に示す通り、実施例1〜11のリチウムイオン二次電池は正極活物質として、LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物を含む被覆層を有することで、比較例1のLiVOPOと表される第一化合物のみから構成される正極活物質と比較し、サイクル特性に優れるといった本発明の効果が確認された。さらに、実施例1〜9はサイクル特性ならびに初期放電容量が良好な値を示した。一方、比較例2と3は被覆層としてLiVPOを含まないために所望の特性を得ることができなかった。
また、比較例4、5の結果から、LiVOPOと表される第一化合物と、LiVPOと表される第二化合物との組合せによって顕著なサイクル特性の改善効果が得られることが分かった。
さらに、実施例1と比較例6の結果を対比した、LiVOPOと表される第一化合物の表面に、LiVPOと表される第二化合物が被覆層として存在することによってサイクル特性の改善効果が得られることが分かった。
10・・・正極、12・・・正極集電体、14・・・正極活物質層、18・・・セパレータ、20・・・負極、22・・・負極集電体、24・・・負極活物質層、30・・・積層体、50・・・ケース、52・・・金属箔、54・・・高分子膜、60,62・・・リード、100・・・リチウムイオン二次電池。

Claims (3)

  1. LiVOPOで表される第一化合物と、前記第一化合物の表面の少なくとも一部に被覆層を有し、前記被覆層はLiVPOで表される第二化合物を含む、正極活物質。
  2. 前記被覆層の厚みが1〜200nmである請求項1に記載の、正極活物質。
  3. 正極、負極、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータおよび非水電解質を具備し、前記正極が、請求項1または2いずれか一項に記載の正極活物質を含む、リチウムイオン二次電池。
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