JP6252417B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明はコネクタに関するものである。
従来より、コネクタハウジングのキャビティ内に収容される端子金具に対する抜け止めは、キャビティ内に形成されたランスと、コネクタハウジングに組み付けられるリテーナとによって行われている。このうち、リテーナはコネクタハウジングの側面に開口して形成されたリテーナ挿通孔へと組み込まれる。リテーナ挿通孔はキャビティの途中の位置に設けられ、最上段のキャビティから最下段のキャビティに至るまで形成されている。
特開2002−75508号公報
上記した従来のコネクタハウジングにおいて、リテーナ挿通孔の内部ではキャビティ間を仕切る隔壁が設けられておらず、全てのキャビティが直接連通する状態となっている。したがって、電位差を有する端子金具が幅方向に隣接するような場合に、リテーナ挿通孔内に水の進入があると、リテーナとコネクタハウジングとの間の隙間を通って幅方向に隣接する端子金具同士が短絡してしまうことが懸念された。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、リテーナ挿通孔内に組込まれるリテーナ付きのコネクタにおいて、短絡の事態を有効に回避することを目的とする。
本発明のコネクタは、端子金具と、相手側コネクタハウジングと嵌合可能に形成され、内部には端子金具を収容する複数のキャビティが嵌合方向と交差する並び方向に並列して形成されるとともに、側面にはキャビティに連通するリテーナ挿通孔が開口して形成されたコネクタハウジングと、リテーナ挿通孔内に組み込まれて端子金具を抜け止めして係止可能なリテーナとを備えたコネクタであって、リテーナ挿通孔内には、並び方向で隣接するキャビティ間を仕切る短絡防止壁が設けられ、かつこれら各短絡防止壁は各キャビティを構成する側壁から嵌合方向で連続するようにして形成され、
前記リテーナには各キャビティの並び方向に沿って複数個の枠状部が設けられ、かつ各枠状部は対応するキャビティと連通可能に形成されるとともに、並び方向で隣接する枠状部の間にはリテーナの組み込み方向に沿って逃がし溝が形成され、かつ各逃がし溝は前記リテーナの組み込み方向前端部が開口することで、リテーナはリテーナ挿通孔へ前記短絡防止壁との干渉を回避しつつ組み込み可能となっていることを特徴とする。
本発明のコネクタによれば、リテーナ挿通孔内においても、並び方向で隣接するキャビティ間が短絡防止壁によって区画されている。したがって、リテーナ挿通孔内に水が進入する事態が生じたとしても、隣接する端子金具間が短絡してしまう事態を回避することができる。
雌コネクタハウジングの斜視図 雌コネクタハウジングとリテーナとを下面側から見た斜視図 雌コネクタハウジングの底面図 図3のA−A線断面図 リテーナの正面図 同じく底面図 リテーナの仮係止状態を示す正断面図 リテーナの本係止状態を示す正断面図 同じく平断面図 同じく側断面図 同じく斜視図 プリント基板上に設けられた雄コネクタハウジングに雌コネクタが嵌合した状態を示す正面図 図12のB−B線断面図
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
(1)本発明のコネクタは、前記リテーナに、前記リテーナ挿通孔への組み込み方向後端部において前記各枠状部を連結する押圧部が形成され、前記押圧部の下面には、前記枠状部を構成する枠片のうち並び方向に位置する両枠片からは前方あるいは後方へ向けて各一対の延長壁が延設され、かつこの各一対の延長壁の延び方向は前記並び方向で互い違いとなるようにしてあるとともに、前記各一対の延長壁の端部は前記押圧部から連続する複数の延長押圧部の内面側にそれぞれ連続しており、前記リテーナ挿通孔の開口面には、前記各延長押圧部に対応して前記並び方向で前後互い違いの位置で前記リテーナ挿通孔を拡張するようにして形成され、前記リテーナが前記リテーナ挿通孔内に組込まれた状態では、前記リテーナ挿通孔と共に前記押圧部と前記延長押圧部とを適合して嵌め入れ可能な回避凹部が複数形成され、さらに、コネクタハウジングのうち回避凹部が設けられた部位には、前記各延長壁が差し込み可能な差し込み溝が前記リテーナの組み込み方向に沿って形成されている構成とすることが好ましい。
キャビティ内に収容されている端子金具のうちリテーナ挿通孔へ臨む部位を考慮した場合、仮にリテーナに延長壁が設けられていない場合には、隣接する端子金具間は押圧部と短絡防止壁との間の隙間を介して比較的短い沿面距離しか確保されない。しかし、上記のように、リテーナにおいて前方あるいは後方に延長壁を設けることで、隣接する端子金具間の沿面距離を前方あるいは後方の少なくともいずれかの方向に増大させることができ、これによって短絡をより有効に回避することができる。
(2)前記リテーナの組み込み方向前端部と、リテーナ挿通孔の開口縁又は前記回避凹部の開口縁とのいずれかには、前記リテーナの組み込み時において相互に摺接して前記逃がし溝の組み込み方向前端側の開口幅を正規幅に矯正する誘導部が形成されている構成とすることが好ましい。
このような構成によれば、例えばリテーナは逃がし溝の先端側が拡開方向に変形している場合に、誘導部の作用により逃がし溝を正規幅に矯正して短絡防止壁に対する差込み動作を円滑に行うことができる。
<実施例>
次に、本発明のコネクタを具体化した実施例について、図面を参照しつつ説明する。
<端子金具6>
まず、端子金具について説明する(図9、図10参照)。端子金具6は、各電線Wの端部に取付けられている。端子金具6は銅あるいは銅合金製の板材を折り曲げ加工して形成したものであり、公知の雌型端子金具が使用されている。すなわち、端子金具6は、図10等に示すように、前端部に角筒状をなす端子接続部6Aが形成され、その後部側には電線Wの絶縁被覆にかしめ付けられるインシュレーションバレル6Bと、芯線にかしめ付けられるワイヤバレル6Cとが形成されている。
<雌コネクタハウジング8>
次に、各端子金具6が収容される雌コネクタのコネクタハウジング8について説明する(図1乃至図4参照)。以下の説明中、左右、上下に関する称呼は図1に基づいて行うものとし、前後に関する称呼は雌雄コネクタの嵌合方向と対応するものとする。
雌コネクタハウジング8は合成樹脂製であり、全体はボックス形状に形成されている。雌コネクタハウジング8の上面には撓み可能なロックアーム9が形成されている。ロックアーム9は、雌コネクタFが雄コネクタハウジング10に対して正規に嵌合した場合に、雌雄コネクタハウジング8,10同士を嵌合状態にロックする。
雌コネクタハウジング8の内部には端子金具6を収容するためのキャビティ11が複数室形成されている。図1等に示すように、キャビティ11は図示上下方向及び左右方向(並び方向)に共に4個ずつが並列するように配されている。各キャビティ11は雌コネクタハウジング8を前後方向(嵌合方向)に沿って貫通するようにして形成されており、前面(嵌合面)には端子挿通孔12として開口している。各キャビティ11は、図4に示すように、略方形状の断面をもって形成されている。すなわち、各キャビティ11は後述するリテーナ13が組込まれる領域を除いて四方が隔壁によって取り囲まれ、上下・左右に隣接するキャビティ11同士を区画している。
図2等に示すように、雌コネクタハウジング8の下面には、リテーナ挿通孔15が全キャビティ11に連通するようにして凹み形成されている。図10に示すように、各キャビティ11はリテーナ挿通孔15によって前後の2室11F,11Rに分断されており、前側の室11Fには端子金具6の端子接続部6Aが収容されている。図10等に示すように、端子金具6がキャビティ11内に正規深さまで挿入された状態では、各端子接続部6Aの後端位置は前後方向に関してほぼ揃っており、リテーナ挿通孔15に僅かな距離をおいて臨むようになっている。また、この前側の室11Fの天井面には撓み可能なランス33が形成され、端子接続部6Aに係止して端子金具6の抜け止めを行う。図10等に示すように、各キャビティ11における後側の室11Rには端子金具6のインシュレーションバレル6B部分及び電線Wが収容され、リテーナ挿通孔15部分にはワイヤバレル6C部分がほぼ位置するようになっている。
図1、図2等に示すように、雌コネクタハウジング8における左右方向の両側面であって、リテーナ13が組込まれる領域に対応する部分には、仮係止孔16と本係止孔17とがそれぞれ上下方向に間隔をおいて貫通して設けられている。
図2等に示すように、リテーナ挿通孔15内において、左右方向に隣接する各キャビティ11間は短絡防止壁18によって仕切られている。短絡防止壁18はキャビティ11の前室11Fおよび後室11Rの左右両側壁とを連結し、これらとほぼ同一の壁厚をもって形成されている。また、図3に示すように、リテーナ挿通孔15の左右両端部に位置するキャビティ11の端部側の側壁および各短絡防止壁18の下端縁部で長さ方向の中央部には方形状の切欠き部19がそれぞれ形成されている。なお、各切欠き部19は、後述するリテーナ13が雌コネクタハウジング8に組み込まれたときに、リテーナ13において上下方向で列をなす各枠状部20同士の連結部位との干渉を回避するためのものである。
さらに、図1、図2等に示すように、雌コネクタハウジング8の下面には、リテーナ挿通孔15の開口面が形成されている。この開口面は、左右方向に隣接するキャビティに対応して前端位置と後端位置とが交互にずれるようにして形成されている。つまり、この開口面はリテーナ13の各枠状部20を通過させる中央領域から前方あるいは後方へ交互に拡張方向を変える領域(回避凹部21)とからなっている。
雌コネクタハウジング8において、回避凹部21が形成された部位では、対応するキャビティ11の底壁が切除されることとなり、図3に示す底面視で、当該キャビティ11の天井壁の一部が回避凹部21を通して外部に露出する。したがって、当該キャビティ11内に端子金具6が収容された状態では、回避凹部21の内方には端子接続部6Aの後部あるいはインシュレーションバレル6B部分が臨むことになる。但し、回避凹部21が形成された部分においても左右方向で隣接するキャビティ11間はキャビティ11を構成する隔壁によって区画されている。
さらにまた、図3、図4に示すように、雌コネクタハウジング8において各回避凹部21が形成された部分では、上下方向に並ぶ各キャビティの左右の隔壁に沿うようにし、かつ上下方向に並ぶキャビティを貫くようにして、それぞれ一対の差し込み溝22が縦向きに切り込み形成されている。対をなす差し込み溝22は後述するリテーナ13に形成された各一対の延長壁23が差し込み可能となっている。
また、各回避凹部21の開口縁には内向きに下り勾配となるテーパ状の傾斜面が形成され、それぞれはリテーナ13の組み込み動作を案内する誘導部24となっている。
<リテーナ13>
リテーナ13も合成樹脂材によって一体に形成されている。図2、図5に示すように、リテーナ13は複数の枠状部20を有している。枠状部20は各キャビティ11に整合して連通可能な方形の枠状に形成され、図5に示すように、本実施例のリテーナ13は各枠状部20を上下方向に3つを積み上げて形成されたものを、左右方向に4列備えた構成となっている。各枠状部20を構成する一つの枠片20Aには係止突部25が設けられている。但し、リテーナ13の組み込み方向前端部に位置する枠片20A(図5では最上位にある枠片)にも係止突部25が形成されている。図10に示すように、各係止突部25は、リテーナ13が後述する本係止位置にあるときに端子金具6の端子接続部6Aの後端に係止可能である。
図2、図5に示すように、左右方向に並ぶ各枠状部20の組込み方向下端部同士は左右方向に長い平板状の押圧部26によって連結されている。図5に示すように、上下方向に連結されて設けられた枠状部20の各列の間には、短絡防止壁18との干渉を回避するための逃がし溝32が設けられている。このことにより、リテーナ13を構成する枠状部20の各列は、組み込み方向前端部側を自由端とする片持ち構造となっている。
リテーナ13の左右方向の両側面には第1係止突起27と第2係止突起28とが上下に間隔をおいて並列して突出形成されている。リテーナ13の組み込み方向の前側に位置する第1係止突起27が雌コネクタハウジング8の仮係止孔16に係止することによって、リテーナ13は雌コネクタハウジング8に対して仮係止位置に保持される(図7状態)。リテーナ13が仮係止位置にあるときには、各枠状部20が対応するキャビティ11と略整合状態で連通し、各係止突部25が端子金具6の挿入経路の外側に位置している。これにより端子金具6がキャビティ11に対して抜き差し自在となる。一方、リテーナ13がリテーナ挿通孔15内により深く組み込まれると、第1係止突起27は仮係止孔16内をそのまま変位するが、第2係止突起28が本係止孔17に係止することによって、リテーナ13は雌コネクタハウジング8に対して本係止位置に保持される(図8状態)。リテーナ13が本係止位置にあるときには、各係止突部25が端子金具6の挿入経路内に突出して位置し、端子金具6の端子接続部6Aと係止可能となる。
また、押圧部26の前後縁部からは前記した回避凹部21に対応して略方形状をなす延長押圧部29が略面一状態で延設されている。すなわち、各延長押圧部29は押圧部26に対し左右方向に並ぶキャビティ11に対し前方あるいは後方へ交互に延出方向を逆向きにして延出している。そして、リテーナ13が雌コネクタハウジング8に対して本係止状態で装着されたときには、押圧部26はリテーナ挿通孔15を整合状態で閉じ、各延長押圧部29は対応する回避凹部21をそれぞれ整合状態で閉じるようになっており、このときには押圧部26及び各延長押圧部29は雌コネクタハウジング8の下面とほぼ面一をなすようにしてある。
各延長押圧部29の内面側には、上下方向で列を構成する全枠状部20の左右方向に位置する両枠片20Aから延長押圧部29の突出幅と等しい延出幅をもって一対の延長壁23が連続して設けられている。換言すれば、両延長壁23は対応する延長押圧部29と等幅でリテーナ13の全高さ範囲に亘って形成され、上下方向で列を構成する各枠状部20の左右の枠片20Aを前方あるいは後方へ延出させ、リテーナ13の組み込み方向前端側を自由端として形成されている。リテーナ13が雌コネクタハウジング8に組込まれるときには、差し込み溝22に差し込まれるとともに、各延長壁23のうち前方へ延出したものは、対応する端子金具6の端子接続部6Aの後端部を左右方向から挟む一方、延長壁23のうち後方へ延出したものは端子金具6のうちほぼインシュレーションバレル6B部分を左右方向から挟むようにしている。
<雄コネクタM>
雄コネクタMはプリント基板4上に設けられている。図12に示すように、雄コネクタMは雄コネクタハウジング10を有している。雄コネクタハウジング10は嵌合面側へ開口する角筒状に形成され、それぞれの内部は雌コネクタハウジング8が嵌合可能に形成されるとともに、天井壁の嵌合面寄りの位置には、詳細には図示されないが、ロック受け部が形成されて雌コネクタFのロックアーム9と係止可能である。雄コネクタハウジング10の内部には雌コネクタF側の各端子金具6(端子接続部6A)の配列に合わせて複数の雄端子金具31が配されている。各雄端子金具31はピン状に形成され、それぞれは雄コネクタハウジング10の奥壁を圧入状態で貫通して外部に導出され、ほぼ直角に屈曲した後、各端部はプリント基板4に対応して形成されたスルーホールへ差し込まれている。そして、スルーホールへの差し込み部分で半田付けされることによって、プリント基板4上に形成された導電路と電気的に接続されている。
次に、上記のように構成された本実施例の作用効果を説明する。雌コネクタFを組み立てる場合には、まず、リテーナ13をリテーナ挿通孔15へ組み込む。この場合には、リテーナ13を、図2に示す向きにしてかつ各延長押圧部29と回避凹部21との位置関係を合わせつつリテーナ挿通孔15に適合させる。そして、押圧部26及び延長押圧部29を押圧操作してリテーナ13をリテーナ挿通孔15内に押し込む。この際において、仮に、リテーナ13における各逃がし溝32の先端部の間隔が拡開変形していたとしても、リテーナ13の組み込み方向前端部とリテーナ挿通孔15の開口縁及び各回避凹部21の開口縁に形成された誘導部24とが摺接し、誘導部24に形成されたテーパの機能により各逃がし溝32の先端側を強制的に閉じさせる。これにより、逃がし溝32は対応する短絡防止壁18を挟むようにして嵌め入れられ、また各延長壁23は対応する差し込み溝22内に差し込まれてゆく。そして、リテーナ13はまず図7に示す仮係止位置にて保持される。
この状態で、各端子金具6を対応するキャビティ11内に挿通させる。各端子金具6がキャビティ11に対して正規深さまで挿通されれば、各端子金具6の端子接続部6Aがランス33によって係止されて抜け止めされる。
次に、リテーナ13をさらに押し込んで図8に示す本係止位置に保持させる。本係止位置では、リテーナ13の各係止突部25が端子金具6における端子接続部6Aの後端に係止するため、端子金具6はランス33による係止と併せて二重に抜け止めされる。
上記のようにして、雌コネクタFが組み立てられれば、雄コネクタMの雄コネクタハウジング10への嵌合がなされる。そして、雌雄コネクタ同士が正規に嵌合すれば、ロックアーム9とロック受け部とが係止して雌雄コネクタが嵌合状態にロックされる。
雌雄コネクタF,M間の隙間から水が進入した場合には、リテーナ13とリテーナ挿通孔15(回避凹部21を含む)との間の隙間から内部への浸水の虞がある。本実施例では、仮にそのような事態が生じたとしても、左右方向で隣接する端子金具6間での短絡を有効に回避することができる。すなわち、本実施例ではリテーナ挿通孔15の内部においても左右方向で隣接するキャビティ11間が短絡防止壁18によって仕切られている。したがって、左右方向で隣接する端子金具6間の短絡を有効に回避することができる。
さらに、本実施例のリテーナ13は上下方向で列をなす各枠状部20から1対の延長壁23を前方あるいは後方へ交互に延出した構成となっている。仮に、延長壁23を持たないリテーナ13がコネクタハウジングに組込まれる場合を想定した場合には、左右方向で隣接する端子金具6の端子接続部6A同士あるいはワイヤバレル6Cからインシュレーションバレル6Bにかけての部分同士が、短絡防止壁18の切欠き部19を介して比較的短い電気的距離をおいて位置しているから、低い可能性とは言え、これらの間で短絡の可能性がないとは言えない。しかし、本実施例のリテーナ13は、左右方向で隣接する端子接続部6Aの一方の端子接続部6Aの後端部、あるいはワイヤバレル6Cをからインシュレーションバレル6Bにかけての部分を、1対の延長壁23で取り囲むようにしている。したがって、左右方向で隣接する端子金具6の間の電気的距離は、延長壁23を設けたことで増長される結果、短絡の事態をより確実に回避することができる。
さらにまた、本実施例では回避凹部21の開口縁に誘導部24を形成して、リテーナの組み込み時おいてリテーナ13の組み込み方向前端部と摺接させるようにしている。したがって、仮に、リテーナ13における各逃がし溝32の前端側が拡開変形していたとしても、組込み途上で自動的に窄み方向に矯正されるから、リテーナ13の組み込み動作を円滑に行うことができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施例では、リテーナ13には延長壁23および延長押圧部29を形成して前後への突出構造が左右方向で交互に繰り返される構成としたが、これら前後への突出構造を持たずに左右方向で平板状をなす形態としてもよい。これに対応して、雌コネクタハウジング8のリテーナ挿通孔15も回避凹部21を有さない、均一の溝幅(前後方向の幅)をもって形成してもよい。
6…第2端子金具(端子金具)
8…雌コネクタハウジング
11…キャビティ
13…リテーナ
15…リテーナ挿通孔
18…短絡防止壁
20…枠状部
21…回避凹部
22…差し込み溝
23…延長壁
24…誘導部
29…延長押圧部
32…逃がし溝

Claims (3)

  1. 端子金具と、
    相手側コネクタハウジングと嵌合可能に形成され、内部には前記端子金具を収容する複数のキャビティが嵌合方向と交差する並び方向に並列して形成されるとともに、側面には前記キャビティに連通するリテーナ挿通孔が開口して形成されたコネクタハウジングと、
    前記リテーナ挿通孔内に組み込まれて前記端子金具を抜け止めして係止可能なリテーナとを備えたコネクタであって、
    前記リテーナ挿通孔内には、並び方向で隣接する前記キャビティ間を仕切る短絡防止壁が設けられ、かつこれら各短絡防止壁は前記各キャビティを構成する側壁から嵌合方向で連続するようにして形成され、
    前記リテーナには前記各キャビティの並び方向に沿って複数個の枠状部が設けられ、かつ前記各枠状部は対応する前記キャビティと連通可能に形成されるとともに、並び方向で隣接する前記枠状部の間には前記リテーナの組み込み方向に沿って逃がし溝が形成され、かつ各逃がし溝は前記リテーナの組み込み方向前端部が開口することで、前記リテーナは前記リテーナ挿通孔へ前記短絡防止壁との干渉を回避しつつ組み込み可能となっていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記リテーナには、前記リテーナ挿通孔への組み込み方向後端部において前記各枠状部を連結する押圧部が形成され、
    前記押圧部の下面には、前記枠状部を構成する枠片のうち並び方向に位置する両枠片からは前方あるいは後方へ向けて各一対の延長壁が延設され、かつこの各一対の延長壁の延び方向は前記並び方向で互い違いとなるようにしてあるとともに、前記各一対の延長壁の端部は前記押圧部から連続する複数の延長押圧部の内面側にそれぞれ連続しており、
    前記リテーナ挿通孔の開口面には、前記各延長押圧部に対応して前記並び方向で前後互い違いの位置で前記リテーナ挿通孔を拡張するようにして形成され、前記リテーナが前記リテーナ挿通孔内に組込まれた状態では、前記リテーナ挿通孔と共に前記押圧部と前記延長押圧部とを適合して嵌め入れ可能な回避凹部が複数形成され、
    さらに、コネクタハウジングのうち回避凹部が設けられた部位には、前記各延長壁が差し込み可能な差し込み溝が前記リテーナの組み込み方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記リテーナの組み込み方向前端部と、リテーナ挿通孔の開口縁又は前記回避凹部の開口縁とのいずれかには、前記リテーナの組み込み時において相互に摺接して前記逃がし溝の組み込み方向前端側の開口幅を正規幅に矯正する誘導部が形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
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