JP6245871B2 - トルクコンバータのロックアップ装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1実施形態によるロックアップ装置を有するトルクコンバータ1の断面部分図である。図1の左側にはエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。なお、図1に示すO−Oがトルクコンバータ及びロックアップ装置の回転軸線である。
トルクコンバータ1は、エンジン側のクランクシャフト(図示せず)からトランスミッションの入力シャフトにトルクを伝達するための装置であり、入力側の部材に固定されるフロントカバー2と、3種の羽根車(インペラ3、タービン4、ステータ5)からなるトルクコンバータ本体6と、ロックアップ装置7と、から構成されている。
図2に、図1のロックアップ装置7を抽出して示している。ロックアップ装置7は、フロントカバー2とタービン4との間の環状の空間に配置されている。ロックアップ装置7は、クラッチ部28と、複数の内周側トーションスプリング29と、中間部材30と、複数の外周側トーションスプリング31と、ドリブンプレート(出力回転部材)32と、ダイナミックダンパ装置33と、を有している。
クラッチ部28は、フロントカバー2に対向して軸方向に移動自在に配置されており、フロントカバー2からの動力が入力される。クラッチ部28は、ピストン35と、摩擦部材36と、ドライブプレート37と、を有している。
ドライブプレート37は、円板状の部材であり、内周部がリベット40によってピストン35の内周部に固定されている。また、ドライブプレート37の外周部には複数の窓孔37aが形成されている。この複数の窓孔37aに複数の内周側トーションスプリング29が収容されている。
中間部材30は、ピストン35とタービン4との間に配置されており、第1プレート41と第2プレート42とから構成されている。第1プレート41及び第2プレート42は、環状かつ円板状の部材であり、ドライブプレート37及びドリブンプレート32に対して相対回転自在である。第1プレート41はエンジン側に配置され、第2プレート42はトランスミッション側に配置されている。第1プレート41と第2プレート42とは、複数のリベット43により互いに相対回転不能でかつ軸方向に移動不能に連結されている。
ドリブンプレート32は、環状かつ円板状の部材であり、内周部がタービンシェル15とともにリベット18によってタービンハブ17のフランジ17aに固定されている。このドリブンプレート32は、中間部材30とタービン4との間に配置されている。そして、ドリブンプレート32の外周部には、外周側トーションスプリング31の両端に係合する複数の係合部32aが形成されている。複数の係合部32aは、ドリブンプレート32の外周部をエンジン側に折り曲げて形成されたものである。
図3及び図4にダイナミックダンパ装置33を抽出して示している。ダイナミックダンパ装置33は、ダンパプレート45と、第1及び第2イナーシャリング46,47と、複数のコイルスプリング(ダイナミックダンパ用弾性部材)48と、を有している。
まず、トルクコンバータ本体の動作について簡単に説明する。フロントカバー2及びインペラ3が回転している状態では、インペラ3からタービン4へ作動油が流れ、作動油を介してインペラ3からタービン4へトルクが伝達される。タービン4に伝達されたトルクはタービンハブ17を介してトランスミッションの入力シャフト(図示せず)に伝達される。
中間部材30に伝達されたトルクは、外周側トーションスプリング31を介してドリブンプレート32に伝達され、さらにタービンハブ17を介してトランスミッション側の部材に伝達される。このとき、中間部材30にはダイナミックダンパ装置33が設けられているので、エンジンの回転変動を効果的に抑制することができる。すなわち、ダンパプレート45の回転と2つのイナーシャリング46,47との回転は、コイルスプリング48の作用によって位相にズレが生じる。具体的には、イナーシャリング46,47の回転はダンパプレート45の回転に対して遅れる。この位相のズレによって、回転変動を吸収することができる。
(1)第1及び第2イナーシャリング46,47が外周側トーションスプリング31のさらに外周側に、外周側トーションスプリング31と軸方向において重なる位置に配置されている。このため、イナーシャリング46,47が軸方向において占めるスペースを短縮化でき、ダイナミックダンパ装置33を含むロックアップ装置全体の軸方向スペースを短縮することができる。
図8に本発明の第2実施形態によるロックアップ装置を有するトルクコンバータ1の断面部分図を示す。第1実施形態と同様に、図8の左側にはエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。また、図8に示すO−Oがトルクコンバータ及びロックアップ装置の回転軸線である。
トルクコンバータ51は、エンジン側のクランクシャフト(図示せず)からトランスミッションの入力シャフトにトルクを伝達するための装置である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成(フロントカバー2、インペラ3、タービン4、ステータ5、トルクコンバータ本体6等)については、同じ符号を付している。したがって、これらの説明を省略する。この第2実施形態では、ロックアップ装置52が第1実施形態と異なっている。
ロックアップ装置52は、フロントカバー2とタービン4との間の環状の空間に配置されている。ロックアップ装置52は、クラッチ部54と、複数の外周側トーションスプリング55と、中間部材56と、複数の内周側トーションスプリング57と、ドリブンプレート(出力回転部材)58と、ダイナミックダンパ装置59と、を有している。
図9に示すように、クラッチ部54は、フロントカバー2に対向して軸方向に移動自在に配置されており、フロントカバー2からのトルクが入力される。クラッチ部54は、ピストン61と、摩擦部材62と、ドライブプレート63と、を有している。なお、図9は図8におけるロックアップ装置52を抽出して示したものである。
ドライブプレート63は、円板状の部材であり、内周部がリベット65によってピストン61の円板部61aに固定されている。ドライブプレート63の外周部には、タービン側に折り曲げて形成された複数の係止部63aが設けられている。複数の係止部63aは外周側トーションスプリング55の円周方向の両端に係合している。
中間部材56は、ピストン61とタービン4との間に配置されており、第1プレート71と第2プレート72とから構成されている。第1プレート71及び第2プレート72は、環状かつ円板状の部材であり、ドライブプレート63及びドリブンプレート58に対して所定の角度範囲で相対回転自在である。第1プレート71はエンジン側に配置され、第2プレート72はトランスミッション側に配置されている。第1プレート71と第2プレート72とは、複数のリベット73により互いに相対回転不能でかつ軸方向に移動不能に連結されている。
ドリブンプレート58は、環状かつ円板状の部材であり、内周部に複数の窓孔58a及び複数の開口58bを有している。複数の窓孔58aは円周方向に所定の間隔で形成されており、前述のように、この窓孔58aに内周側トーションスプリング57が配置されている。複数の開口58bは円周方向に所定の間隔で形成されている。
ダイナミックダンパ装置59については、ダンパプレートの中間部材56への取付方向が第1実施形態と異なる以外は、まったく同様の構成である。したがって、詳細の説明は省略する。
トルクコンバータ本体の動作については第1実施形態と同様である。すなわち、ロックアップクラッチがオフの状態では、トルクは、フロントカバー2及びインペラ3から作動油を介してタービン4に伝達され、タービン4に伝達されたトルクはタービンハブ17を介してトランスミッションの入力シャフトに伝達される。
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
2 フロントカバー
4 タービン
6 トルクコンバータ本体
7,52 ロックアップ装置
28,54 クラッチ部
29,57 内周側トーションスプリング
30,56 中間部材
31,57 外周側トーションスプリング
37,58 ドリブンプレート
33,59 ダイナミックダンパ装置
36 摩擦部材
45 ダンパプレート
46 第1イナーシャリング
46a 凹部
47 第2イナーシャリング
47a 凹部
48 コイルスプリング(ダイナミックダンパ用弾性部材)
Claims (5)
- エンジン側の部材に連結されるフロントカバーとトルクコンバータ本体との間に配置され、前記フロントカバーからのトルクを前記トルクコンバータ本体のタービンに直接伝達するためのロックアップ装置であって、
前記フロントカバーからのトルクを出力側に伝達するクラッチ部と、
前記クラッチ部と相対回転自在であり、前記タービンに連結された出力回転部材と、
前記クラッチ部と前記出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための複数のトルク伝達用弾性部材と、
前記クラッチ部から前記出力回転部材に至る動力伝達経路を構成する部材のいずれかに連結されたダンパプレートと、前記トルクコンバータ本体より径方向外側であって前記複数のトルク伝達用弾性部材の外周側に配置され前記ダンパプレートと相対回転自在なイナーシャ部材と、前記ダンパプレートと前記イナーシャ部材とを弾性的に連結する複数のダイナミックダンパ用弾性部材と、を有し、回転速度変動を減衰するダイナミックダンパ装置と、
を備えたトルクコンバータのロックアップ装置。 - 前記クラッチ部は、
軸方向に移動自在な円板状のピストンと、
前記ピストンの外周部側面に固定され、前記フロントカバーに圧接可能な摩擦部材と、
を有し、
前記イナーシャ部材は、前記ピストンの前記フロントカバーとは逆側において前記摩擦部材と径方向において重なる位置に配置されている、
請求項1に記載のトルクコンバータのロックアップ装置。 - 前記トルク伝達用弾性部材は、複数の外周側トーションスプリングと、前記複数の外周側トーションスプリングの内周側に配置された複数の内周側トーションスプリングと、を有し、
前記イナーシャ部材は前記複数の外周側トーションスプリングの外周側に配置されている、
請求項1又は2に記載のトルクコンバータのロックアップ装置。 - 前記クラッチ部及び前記出力回転部材と相対回転自在であり、前記複数の外周側トーションスプリングの少なくとも1つと前記複数の内周側トーションスプリングの少なくとも1つとを直列的に作用させるための中間部材をさらに有し、
前記ダイナミックダンパ装置は前記中間部材に連結されている、
請求項3に記載のトルクコンバータのロックアップ装置。 - 前記ダイナミックダンパ装置のイナーシャ部材は、軸方向に分割され互いに軸方向に対向する収容凹部を有する第1及び第2イナーシャリングを有し、
前記複数のダイナミックダンパ用弾性部材は前記第1及び第2イナーシャリングの収容凹部に収容されている、
請求項1から4のいずれかに記載のトルクコンバータのロックアップ装置。
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