JP6241395B2 - 土堤の耐震補強構造 - Google Patents
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Description
特にその基盤部が砂地盤の場合、地震動により基盤部に液状化が生じ、堤体の重量を支えられず大きく沈下することがある。河川堤防でこのような沈下が生じると、堤体天端標高が河川の水位を下回り破堤につながる。
海岸堤防で沈下が生じた場合には、本来の目的である高潮や津波を防ぐ機能が損なわれることになる。
また近年は、施工技術の向上により堤体直下の液状化層を地盤改良し、液状化そのものを防止する方法も実施されている。これらは基盤部での対策であるが、堤体内に耐震性に優れたコアとなる構造物を設置する方法も提案されている。
例えば特許文献1には、堤体内に鋼矢板壁を二重に設置し、地震や液状化により法部が崩壊や沈下しても、二重の鋼矢板壁に囲まれた部分は沈下せずに残るというものである。
また、堤体直下の基盤部の地盤改良により液状化を抑止する方法は、一時的に堤体を撤去し、地盤改良後に堤体を復旧する必要があり、工事が大掛かりとなり工期を要するという問題がある。
堤体を残したまま、堤体を傷つけずに地盤改良を行うためには、堤外から斜めに薬液注入管を建て込む等の方法が必要となり、作業の難易度が高く、この場合でも工期と工費が増大する。
また、円筒骨格体は、液状化層を直線形鋼矢板で囲い込んでいるので、地盤が側方に移動するのを拘束し、液状化抑止効果も期待できる。
さらに、円筒骨格体を形成している直線形鋼矢板の下端部が液状化層内に位置しているので、地震時において液状化層が液状化した際に、液状化層が免震層と類似の作用を発現し、堤体へ揺れが伝わるのを緩和できる。
本発明の一実施の形態に係る土堤の耐震補強構造1は、図1に示すように、基盤部3上に形成された土堤5に複数の直線形鋼矢板7を、その継手部7aを連結させて円筒状に前記土堤5に打設してなる円筒骨格体9を、土堤5の軸線方向に隣接させて複数形成したものである。
以下、各構成要件を詳細に説明する。
土堤5は、支持層11(非液状化層)とその上方の液状化層13からなる基盤部3上に盛土によって形成されている。
直線形鋼矢板7は、図3に示すように、両端に設けられた主爪部と副爪部からなる継手部7aと、継手部7a同士を繋ぐウェブ部7bとによって構成されている。図3に示すように、隣の直線形鋼矢板7の継手部7aを連結することで、円筒骨格体9が形成される。
なお、直線形鋼矢板7の継手部7aに作用する荷重としては、打設時に生じる圧縮力と引張力が主となるので、施工方法および地盤条件を考慮して最大荷重を算定し、それに耐えられる構造とすればよい。
円筒骨格体9は、直線形鋼矢板7を、その継手部7aを連結させて円筒状に土堤5に打設して形成される。
本実施の形態における円筒骨格体9を形成する全ての直線形鋼矢板7の下端部は、図1に示すように、液状化層13内に位置している。
また、円筒骨格体9は、図2に示すように、土堤5の軸線方向に隣接させて連続して形成されている。
円筒骨格体9は、直線形鋼矢板7による円筒部と内部の土砂は一体となって挙動し、外力に対して抵抗する構造となる。
また、円筒骨格体9は、液状化層13を直線形鋼矢板7で囲い込むことにより、地盤が側方に移動するのを拘束するので、液状化抑止効果が得られる。
さらに、円筒骨格体9を形成している直線形鋼矢板7の下端部が液状化層13内に位置しているので、地震時において液状化層13が液状化し免震層の作用を発現し、堤体に揺れが伝わるのを緩和できる。
本実施の形態に係る土堤の耐震補強構造17は、図5に示すように、円筒骨格体9を形成する一部の直線形鋼矢板7の下端部が液状化層13内に位置し、他の直線形鋼矢板7の下端部が支持層11内に位置するようにしたものである。
地震時において、円筒骨格体9自体が沈下しないためには、液状化層13が液状化した場合においても円筒骨格体9の底面における地盤の支持力が堤体の自重を上回るようにする必要がある。
そのため、地盤の鉛直支持力が不足する場合には、円筒骨格体9を形成する直線形鋼矢板7の一部について縦方向の長さを長く設定し、支持層11に根入れするようにする。
この場合も、鋼矢板セルの底面積は、鋼矢板壁の底面積に比べて圧倒的に大きいため、鋼矢板二重壁によるコアに比べて根入れ長を大幅に小さくでき、使用鋼材量を減らし、より対策コストを低減することもできる。
図6は、本発明による設計例を示すものである。
円筒骨格体の直径はφ10186mm、砂質土のN値はN=5、円筒骨格体の下端は液状化層内に位置し、根入れ深さは4.50m(D.L.=-8.50m)である。
従来例では、根入れ深さは、8.50m(D.L.=-12.5m)である。
このように、本発明例によれば、鋼重を大きく低減することができる。
3 基盤部
5 土堤
7 直線形鋼矢板
7a 継手部
7b ウェブ部
9 円筒骨格体
11 支持層
13 液状化層
15 アーク部
17 土堤の耐震補強構造(実施の形態2)
Claims (3)
- 支持層の上方が液状化層になっている基盤部上に形成された土堤の耐震補強構造であって、複数の直線形鋼矢板を、その継手部を連結させて円筒状で、かつ全ての直線形鋼矢板の下端部が液状化層内に位置しているように前記土堤に打設してなる円筒骨格体を、前記土堤の軸線方向に隣接させて連続して形成したことを特徴とする土堤の耐震補強構造。
- 支持層の上方が液状化層になっている基盤部上に形成された土堤の耐震補強構造であって、複数の直線形鋼矢板を、その継手部を連結させて円筒状で、かつ一部の直線形鋼矢板の下端部が液状化層内に位置しているように前記土堤に打設してなる円筒骨格体を、前記土堤の軸線方向に隣接させて連続して形成したことを特徴とする土堤の耐震補強構造。
- 隣接する前記円筒骨格体を、単数又は複数の直線形鋼矢板で連結したことを特徴とする請求項1又は2に記載の土堤の耐震補強構造。
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