以下、本明細書で開示する熱電変換素子の好ましい第1実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図1(A)は、本明細書に開示する熱電変換素子の第1実施形態を示す断面図であり、図1(B)は平面図である。図1(A)は、図1(B)のX−X線断面図である。
本実施形態の熱電変換素子10は、電気的に接続された第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2を備える。
第1の単位素子A1は、第1の面11aと第2の面11bとを有し、第1の面11aから第2の面11bに向けて貫通する第1貫通孔11c及びこの第1貫通孔11cと間隔をあけて配置された第2貫通孔11dを有する電気絶縁性の支持部11を有する。
図1(B)に示すように、支持部11は、平面視した形状が矩形である。
支持部11の第1貫通孔11c内には、n型半導体層12が充填され、第2貫通孔11d内には、p型半導体層13が充填される。
本実施形態では、貫通孔の断面形状は円形であり、半導体層は円柱形状を有しているが、貫通孔及び半導体層は、他の形状を有していても良い。
第1貫通孔11cの第1の面11aの開口部に露出しているn型半導体層12の部分と、第2貫通孔11dの第1の面11aの開口部に露出しているp型半導体層13の部分とは第1導電部14によって、電気的に接続される。
支持部11の第2の面11b上には、開口部に露出したn型半導体層12の部分と電気的に接続する第3導電部17a、及び、開口部に露出したp型半導体層13の部分と電気的に接続する第4導電部17bが配置される。
第3導電部17a上には、第3導電部17aと電気的に接続する導電性の端子18aが配置される。同様に、第4導電部17b上には、第4導電部17bと電気的に接続する導電性の端子18bが配置される。
また、支持部11の第1の面11a上には、第1導電部14を覆うように、電気絶縁性の保護層19が配置される。同様に、支持部11の第2の面11b上には、第3導電部17a及び第4導電部17bを覆うように、保護層19が配置される。端子18aは、保護層19を貫通して、外部に露出している。同様に、端子18bは、保護層19を貫通して、外部に露出している。保護層19は、第1導電部14、第3導電部17a又は第4導電部17b及び支持部11を保護する。
第2の単位素子A2は、上述した第1の単位素子A1と同様の構造を有するので、第1の単位素子A1に対する説明は、第2の単位素子A2に対しても適宜適用される。
熱電変換素子10は、可撓性を有し、第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2を接合する接合部15を備える。図1(B)に示すように、接合部15は、平面視した形状が矩形である。
接合部15は、接合部15を厚さ方向に貫通する2つの貫通孔15a、15bを有しており、第1の単位素子A1は貫通孔15a内に配置され、第2の単位素子A2は貫通孔15b内に配置される。
接合部15は、第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2それぞれの第1の面11aが同じ方向を向くように並べられた状態で、第1の単位素子A1と第2の単位素子A2とを接合する。
第1の単位素子A1と第2の単位素子A2との間には、可撓性を有する接合部15の一部が介在しており、この接合部15の部分が変形することにより、熱電変換素子10は、発熱体(図示しない)等の表面形状に追従して密着することが可能である。
接合部15は、支持部11の周りを囲むことにより、n型半導体層12及びp型半導体層13を内部に有する支持部11に対して、外力が直接作用することを防止する。
また、熱電変換素子10は、可撓性を有し、第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2を電気的に接続する第2導電部16を備える。
第2導電部16は、第1の単位素子A1の第2貫通孔11dの第2の面11bの開口部に露出しているp型半導体層13の部分と、第2の単位素子A2の第1貫通孔11cの第2の面11bの開口部に露出しているn型半導体層12の部分とを電気的に接続する。
第2導電部16は、端子18b及び第4導電部17bを介して、第1の単位素子A1のp型半導体層13と電気的に接続する。また、第2導電部16は、端子18a及び第3導電部17aを介して、第2の単位素子A1のn型半導体層12と電気的に接続する。
第2導電部16は、第1の単位素子A1と第2の単位素子A2との間に位置する接合部15の部分に積層されている。可撓性を有する第2導電部16は、積層される接合部15の部分の変形に追従する。さらに、第2導電部16を電気的に保護する保護層を備えても良い。
次に、上述したn型半導体層12及びp型半導体層13について、更に以下に説明する。
n型半導体層12又はp型半導体層13の形成材料としては、電気的に接続されて熱電変換特性(ゼーベック効果)を示すものならば、n型半導体又はp型半導体を特に制限無く用いることができる。例えば、n型半導体層12又はp型半導体層13の形成材料として、テルライド、酸化物半導体、シリサイド、スクッテルダイト等を用いることができる。具体的には、n型半導体層12としてBi2Te3を用いることができ、p型半導体層13としてBi0.3Sb1.7Te3を用いることができる。
次に、上述した支持部11について、更に以下に説明する。
支持部11は、n型半導体層12及びp型半導体層13を保護する観点から、n型半導体層12及びp型半導体層13よりも、硬度及び機械的強度が高いことが好ましい。また、支持部11は、n型半導体層12及びp型半導体層13に温度差を生じさせて発電させる観点から、n型半導体層12及びp型半導体層13よりも、熱抵抗及び電気抵抗が高いことが好ましい。更に、支持部11は、n型半導体層12及びp型半導体層13よりも、化学的安定性が高いことが好ましい。
支持部11の形成材料としては、例えば、ガラス、又は酸化アルミニウム等の酸化物を用いることができる。
次に、上述した接合部15について、更に以下に説明する。
接合部15は、支持部11よりも、高い可撓性を有することが好ましい。接合部15は、支持部11よりも軟らかく、低いヤング率を有することが好ましい。また、接合部15は、n型半導体層12及びp型半導体層13よりも、熱抵抗及び電気抵抗が高いことが好ましい。
接合部15の形成材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、PMMA又はフッ素樹脂等の樹脂を用いることができる。
次に、上述した第2導電部16について、更に以下に説明する。
第2導電部16は、例えば、金属を用いた薄膜により形成される。具体的には、第2導電部16は、スパッタリング法又は蒸着法を用いて積層された積層膜(Ti又はCr等の下地膜とAu又はCu等の配線層との積層膜(バリア層として密着層と配線層の間にPt等を積層しても良い))としても良い。また、第2導電部16は、インクジェット法又は印刷法を用いて形成されたAu膜やAg膜としても良い。
次に、上述した保護層19について、更に以下に説明する。
保護層19は、発熱体(図示せず)又は放熱体(図示せず)と、n型半導体層12及びp型半導体層13との間の熱の伝達を妨げないように、熱伝導率の高いことが好ましい。この観点から、保護層19の厚さは、導電部等を保護する程度の厚さを有していれば、薄いことが好ましい。
保護層19の形成材料としては、例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、パリレン、樹脂等を用いることができる。
次に、熱電変換素子10を形成する各構成要素の寸法について、以下に説明する。
n型半導体層12又はp型半導体層13の径は、5μm〜100μmであることが好ましく、例えば、50μmとすることができる。n型半導体層12又はp型半導体層13の長さは、50μm〜500μmであることが好ましく、例えば、300μmとすることができる。
n型半導体層12又はp型半導体層13の長さと径とのアスペクト比は、例えば、2〜40とすることができる。n型半導体層12又はp型半導体層13の径を小さくすると、単位面積あたりに多くの半導体層を配置することができるが、半導体層を製造することが困難となる場合がある。また、n型半導体層12又はp型半導体層13の長さを長くすると、温度差を大きくして起電力を増大できるが、半導体層を製造することが困難となる場合がある。また、径を小さく、長さを長くすると、半導体層の電気抵抗が増加する。このため、使用状況に応じて最適な形状が存在する。
n型半導体層12が充填される第1貫通孔11cと、p型半導体層13が充填される第2貫通孔11dとの間の距離は、例えば、5μm〜100μmとすることができる。
第1の単位素子A1と第2の単位素子A2との間の距離は、例えば、500μm〜5000μmとすることができる。
上述した本実施形態の熱電変換素子10によれば、第1の単位素子A1と第2の単位素子A2との間に位置する接合部15の部分が変形することにより、発熱体(図示しない)等の表面形状に追従して密着することが可能である。
また、熱電変換素子10によれば、発熱体(図示せず)又は放熱体(図示せず)と、支持部11の開口部から露出しているn型半導体層12及びp型半導体層13との間において、熱が効率良く伝達される。
また、熱電変換素子10によれば、n型半導体層12及びp型半導体層13が、接合部15により囲まれた支持部11内に配置されているので、外力を受けても損傷を受けにくい。
熱電変換素子10は、様々な曲面を有する発熱体から効率良く熱エネルギーを取り出すことが可能となる。発熱体としては、例えば、人体又は他の動物、工場、発電所又は住宅で発生する熱排気又は熱排水等が挙げられる。熱電変換素子10を形成する使用材料を選択することによって、高温での使用にも適用可能である。
熱電変換素子10は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて製造することができる。このような熱電変換素子10は、携帯型マイクロエネルギー源、局部冷却デバイス又はセンサ等へ応用することができる。
また、熱電変換素子10は、電力を供給することにより、温度差を有する物体間の熱の伝達に用いることもできる。このようにして、熱電変換素子10を、物体の加熱又は冷却に用いても良い。
次に、上述した熱電変換素子の他の実施形態を、図2〜図6を参照しながら以下に説明する。他の実施形態について特に説明しない点については、上述の第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、同一の構成要素には同一の符号を付してある。
図2は、本明細書に開示する熱電変換素子の第2実施形態を示す図である。
本実施形態の熱電変換素子20は、4つの単位素子A1〜A4を備えており、4つの単位素子A1〜A4は、可撓性を有する接合部15を介して接合される。
接合部15は、接合部15を厚さ方向に貫通する4つの貫通孔15a〜15dを有している。第1の単位素子A1は貫通孔15a内に配置され、第2の単位素子A2は貫通孔15b内に配置され、第3の単位素子A3は貫通孔15c内に配置され、第4の単位素子A4は貫通孔15d内に配置される。
各単位素子間には、可撓性を有する接合部15の一部が介在しており、この接合部15の部分が変形することにより、熱電変換素子10は、発熱体(図示しない)等の表面形状に追従して密着することが可能である。
本実施形態では、4つの単位素子A1〜A4は、電気的に直列に接続される。なお、4つの単位素子A1〜A4は、電気的に並列に接続されても良い。
各単位素子A1〜A4は同じ構造を有しているので、以下に述べる第1の単位素子A1の説明は、他の単位素子に対しても適宜適用される。
第1の単位素子A1は、第1の面と第2の面とを有し、第1の面から第2の面に向けて貫通する第1貫通孔11c及びこの第1貫通孔11cと間隔をあけて配置された第2貫通孔11dを有する電気絶縁性の支持部11を有する。図2において、第1の面は、支持部11の紙面手前側の面を意味し、第2の面は、支持部11の紙面奥側の面を意味する。
支持部11は、また、第1の面から第2の面に向けて貫通する第3貫通孔11e及びこの第3貫通孔11eと間隔をあけて配置された第4貫通孔11fを有する。
支持部11の第1貫通孔11c内にはn型半導体層12が充填され、第2貫通孔11d内にはp型半導体層13が充填され、第3貫通孔11e内にはp型半導体層13が充填され、第4貫通孔11f内にはn型半導体層12が充填される。
第1貫通孔11cの第1の面の開口部に露出しているn型半導体層12の部分と、第2貫通孔11dの第1の面の開口部に露出しているp型半導体層13の部分とは第1導電部14aによって、電気的に接続される。
同様に、第3貫通孔11eの第1の面の開口部に露出しているp型半導体層13の部分と、第4貫通孔11fの第1の面の開口部に露出しているn型半導体層12の部分とは第1導電部14bによって、電気的に接続される。
第2貫通孔11dの第2の面の開口部に露出しているp型半導体層13の部分と、第4貫通孔11fの第2の面の開口部に露出しているn型半導体層12の部分とは、導電性の第5導電部22によって電気的に接続される。
熱電変換素子20は、可撓性を有し、第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2を電気的に接続する第2導電部21aを備える。
第2導電部21aは、第1の単位素子A1の第3貫通孔11eの第2の面の開口部に露出しているp型半導体層13の部分と、第2の単位素子A2の第1貫通孔11cの第2の面の開口部に露出しているn型半導体層12の部分とを電気的に接続する。
第2導電部21aは、第1の単位素子A1と第2の単位素子A2との間に位置する接合部15の部分に積層されている。可撓性を有する第2導電部21aは、積層される接合部15の部分の変形に追従する。
また、熱電変換素子20は、可撓性を有し、第2の単位素子A2及び第3の単位素子A3を電気的に接続する第2導電部21bを備える。
第2導電部21bは、第2の単位素子A2の第3貫通孔11eの第2の面の開口部に露出しているp型半導体層13の部分と、第3の単位素子A3の第1貫通孔11cの第2の面の開口部に露出しているn型半導体層12の部分とを電気的に接続する。
第2導電部21bは、第2の単位素子A2と第3の単位素子A3との間に位置する接合部15の部分に積層されている。可撓性を有する第2導電部21bは、積層される接合部15の部分の変形に追従する。
更に、熱電変換素子20は、可撓性を有し、第3の単位素子A3及び第4の単位素子A4を電気的に接続する第2導電部21cを備える。
第2導電部21cは、第3の単位素子A3の第3貫通孔11eの第2の面の開口部に露出しているp型半導体層13の部分と、第4の単位素子A4の第1貫通孔11cの第2の面の開口部に露出しているn型半導体層12の部分とを電気的に接続する。
第2導電部21cは、第3の単位素子A3と第4の単位素子A4との間に位置する接合部15の部分に積層されている。可撓性を有する第2導電部21cは、積層される接合部15の部分の変形に追従する。
また、熱電変換素子20は、第1の単位素子A1の第1貫通孔11cの第2の面の開口部に露出しているn型半導体層12と電気的に接続する第2導電部21dを備える。更に、熱電変換素子20は、第4の単位素子A4の第3貫通孔11eの第2の面の開口部に露出しているp型半導体層13と電気的に接続する第2導電部21eを備える。第2導電部21a〜21cを保護する保護層をさらに備えても良い。
このように、熱電変換素子20では、全てのn型半導体層12とp型半導体層13とが電気的に直列に接続される。そして、熱電変換素子20によって発電された電力は、第2導電部21d及び第2導電部21eから取り出される。
上述した本実施形態の熱電変換素子20によれば、上述した第1実施形態よりも多くの数の単位素子を有しており、且つ、1つの単位素子が、上述した第1実施形態よりも多くの数の半導体層を有しているので、より大きな起電力が得られる。
図2に示す熱電変換素子20では、1つ単位素子には、n型半導体層及びp型半導体層を有する素子対が2個配置されているが、1つ単位素子に配置される素子対の数は2個でなくても良い。単位素子に配置される素子対の数は適宜設定され得る。
また、図2に示す熱電変換素子20には、4つの単位素子が配置されているが、配置される単位素子の数は適宜設定され得る。
例えば、1つの熱電変換素子には、100〜1000個の素子対が配置されるように単位素子及び単位素子の数が設定され得る。
図3は、本明細書に開示する熱電変換素子の第3実施形態を示す図である。
本実施形態の熱電変換素子30は、電気的に接続された第1の熱電変換部10a及び第2の熱電変換部10bを備える。第1の熱電変換部10a及び第2の熱電変換部10bそれぞれは、第6導電部32及び第7導電部33を有する点を除いて、上述した第1実施形態の熱電変換素子と同様の構造を有している。
第1の熱電変換部10aは、端子18aを介して、第1の単位素子A1の第3導電部17aと電気的に接続する第6導電部32を有する。また、第1の熱電変換部10aは、端子18bを介して、第2の単位素子A2の第4導電部17bと電気的に接続する第7導電部33を有する。同様に、第2の熱電変換部10bも、第6導電部32及び第7導電部33を有する。
熱電変換素子30は、可撓性を有し、第1の熱電変換部10aと第2の熱電変換部10bとを対向させて接合する第2接合部31を備える。
第1の熱電変換部10aにおける第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2それぞれの第2の面11bと、第2の熱電変換部10bにおける第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2それぞれの第2の面11bとは、第2接合部31を介在して対向する。
第1の熱電変換部10aの第1の単位素子A1は、第2接合部31を介在させて、第2の熱電変換部10bの第1の単位素子A1と対向して配置される。同様に、第1の熱電変換部10aの第2の単位素子A2は、第2接合部31を介在させて、第2の熱電変換部10bの第2の単位素子A2と対向して配置される。
熱電変換素子30では、接合部15及び第2接合部31が変形することにより、発熱体(図示しない)等の表面形状に追従して密着することが可能である。
第2接合部31は、支持部11よりも、高い可撓性を有することが好ましい。第2接合部31は、支持部11よりも軟らかく、低いヤング率を有することが好ましい。また、第2接合部31は、n型半導体層12及びp型半導体層13よりも、熱抵抗及び電気抵抗が高いことが好ましい。
第2接合部31の形成材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、PMMA又はフッ素樹脂等の樹脂を用いることができる。
また、熱電変換素子30は、第1の熱電変換部10aの第2の単位素子A2のp型半導体層13と、第2の熱電変換部10bの第2の単位素子A2のp型半導体層13とを電気的に接続する第8導電部34を備える。第8導電部34は、第2接合部31を介在させて対向するp型半導体層13同士を電気的に接続する。
第8導電部34は、第7導電部33及び端子18b及び第4導電部17bを介して、第1の熱電変換部10aにおける第2の単位素子A2のp型半導体層13と電気的に接続する。
同様に、第8導電部34は、第7導電部33及び端子18b及び第4導電部17bを介して、第2の熱電変換部10bにおける第2の単位素子A2のp型半導体層13と電気的に接続する。
上述した本実施形態の熱電変換素子30によれば、2つの熱電変換部を積層することにより、積層方向の熱抵抗を増加させてより大きな温度差を半導体層に与えることにより、更に大きな起電力が得られる。図3に示す例では、2つの熱電変換部が積層されているが、更に多くの熱電変換部を積層しても良い。
また、本実施形態の熱電変換素子30によれば、第2導電部16、第3導電部17a、第4導電部17b、第6導電部32、第7導電部33及び第8導電部34が、第1の熱電変換部10aと第2の熱電変換部10bとの間に配置される。即ち、これらの導電部により形成される配線層10cが、第1の熱電変換部10aと第2の熱電変換部10bとの間に配置される。詳しくは後述するが、このような配線層10cの配置によって、熱電変換素子30の変形により、配線層10cに対して応力が集中することが低減される。
図4(A)は、本明細書に開示する熱電変換素子の第4実施形態を示す図であり、熱電変換素子が円筒形の発熱体上に配置された状態を示しており、図4(B)は熱電変換素子の平面図である。
本実施形態の熱電変換素子40は、可撓性を有するので、円筒形状の発熱体41の表面に密着して配置される。
熱電変換素子40は、複数の単位素子Aが、可撓性を有する接合部15により接合されている。各単位素子Aは、接合部15を厚さ方向に貫通する貫通孔内に配置される。また、各単位素子Aは、図示しない導電部を用いて、電気的に直列又は並列に接続される。
単位素子Aとしては、上述した実施形態の単位素子を用いることができる。また、単位素子Aとして、上述した第3実施形態のように、複数の単位素子が第2接合部を介して積層されたものを用いても良い。
図4(B)に示すように、本実施形態の熱電変換素子40では、単位素子の平面視した形状は正方形である。
熱電変換素子40では、発熱体41の湾曲する向きに配置される方向では、単位素子Aは、隣接する単位素子Aとの間の距離が長さL1で配置される。また、熱電変換素子40では、発熱体41の湾曲しない向きに配置される方向では、単位素子Aは、隣接する単位素子Aとの間の距離が、長さL1よりも短い長さL2で配置される。長さL1は、長さL2よりも長くなっており、熱電変換素子40が、発熱体41の湾曲した表面により密着して配置され易くなっている。
次に、上述した第4実施形態の熱電変換素子の変形例1〜4を、図面を参照して、以下に説明する。
図5(A)〜図5(C)は、本明細書に開示する熱電変換素子の第4実施形態の変形例1〜3を示す図である。
上述した第4実施形態では、単位素子Aの平面視した形状は正方形であったが、単位素子Aの平面視した形状は、他の形状であっても良い。
図5(A)に示す変形例1では、単位素子Aの平面視した形状は長方形である。
図5(B)に示す変形例2では、単位素子Aの平面視した形状は6角形である。
図5(C)に示す変形例3では、単位素子Aの平面視した形状は円形である。
図6(A)は、本明細書に開示する熱電変換素子の第4実施形態の変形例4を示す平面図であり、図6(B)は、図6(A)のY−Y線断面図である。
変形例4の熱電変換素子40は、4つの単位素子A1〜A4が、接合部15を介して接合されている。
熱電変換素子40では、単位素子A1と単位素子A2との間の接合部15の部分に空洞42が配置されている。
同様に、単位素子A1と単位素子A3との間の接合部15の部分に空洞42が配置されている。また、単位素子A2と単位素子A4との間の接合部15の部分に空洞42が配置されている。更に、単位素子A3と単位素子A4との間の接合部15の部分に空洞42が配置されている。
更にまた、単位素子A1と単位素子A4との間の接合部15の部分(単位素子A2と単位素子A3との間の接合部15の部分)にも、空洞42が配置されている。
このように、可撓性を有する接合部15が空洞42を有することにより、接合部15の変形量を増大させることができる。
従って、変形例4では、接合部15が大きく変形することができるので、発熱体41の表面形状により追従して密着することにより、発熱体41と熱電変換素子40との間の熱の伝達性を更に向上できる。
図7は、本明細書に開示する電子装置の一実施形態を示す図である。
本実施形態の電子装置50は、熱電変換素子51と、蓄電素子52と、電力制御回路54と、センサ53と、演算回路55と、送信回路56と、受信回路57と、アンテナ58とを備える。
熱電変換素子51としては、上述した各実施形態の熱電変換素子を用いることができる。熱電変換素子51は、例えば、人体等の発熱体に配置されて発電する。
電力制御回路54は、熱電変換素子51が発電した電力を入力して、蓄電素子52に蓄電させる。また、電力制御回路54は、熱電変換素子51又は蓄電素子52から電力を入力して、演算回路55に出力する。
センサ53は、温度、湿度又は心拍数等の被センシング値を検知して、検知した被センシング値を演算回路55に出力する。
演算回路55は、センサ53から被センシング値を入力して、入力した被センシング値を演算し、演算した結果を、送信回路56を介してアンテナ58から送信する。
また、演算回路55は、受信回路57を介してアンテナ58から受信した指示情報を入力し、入力した指示情報に基づいて、電力制御回路54を制御する。
本実施形態の電子装置50は、例えば、熱電変換素子51をメンテナンスフリーの電源として有するので、電池の交換又は電池の充電を必要としない。従って、電子装置50は、熱電変換素子51を人体等の発熱体上に配置することにより、発電して作動を続けることができる。
図7に示す例では、電子装置50はセンサ装置であったが、電子装置50は、センサ装置以外の装置であっても良い。
次に、本明細書に開示する熱電変換素子は、発熱体等の熱が効率良く伝達されることを、図面を参照して、以下に説明する。
図8は、本明細書に開示する熱電変換素子の温度差を計算するモデルを説明する図である。
可撓性を有する基板61の上に熱電変換素子60を配置して、熱電変換素子60の下面60bと上面60aとの間の温度差を有限要素法を用いて計算した。
熱電変換素子60は、縦100μm×横100μm×厚さ200μmの寸法を有し、熱伝導率が1W/m/Kのガラスにより形成されるとした。基板61は、縦100μm×横100μm×厚さ0〜200μmの寸法を有し、熱伝導率が0.2W/m/Kのエポキシ樹脂により形成されるとした。
基板61は、温度36℃の発熱体上に配置され、熱電変換素子60の上面には温度26℃の放熱体が配置されるとした。即ち、熱電変換素子60の上面と基板61の下面との間の温度差は10℃である。
計算では、接触熱抵抗と、導電部及び保護層による温度ロスは考慮しなかった。
図9は、本明細書に開示する熱電変換素子の温度差を計算した結果を示す図である。
基板61の厚さが200μmの時には、熱電変換素子60の上面60aと下面60bとの間の温度差は約1.7℃であった。熱電変換素子60の上面と基板61の下面との間の温度差10℃の内の大半(約8.3℃)は、基板61において生じている。
熱電変換素子60の上面60aと下面60bとの間の温度差は、基板61の厚さが減少するのと共に増加して、基板61の厚さがゼロの時には10℃となる。
本明細書に開示する熱電変換素子は、図8に示すような基板61を有しておらず、支持部11の開口部からn型半導体層12及びp型半導体層13が露出しているので、発熱体又は放熱体との間で熱が効率良く伝達されることが分かる。
本明細書に開示する熱電変換素子は可撓性を有するので、変形することにより内部に応力が発生する。熱電変換素子は、導電部により形成される配線層(図3の配線層10cを参照)を有しおり、配線層に対して応力が集中する場合がある。
そこで、熱電変換素子が変形した場合の配線層への応力を、有限要素法を用いて計算したので、以下に説明する。
図10(A)〜(C)は、本明細書に開示する熱電変換素子内の応力の計算を説明する図である。
図10(A)は、上述した第1実施形態に対応する熱電変換素子70Aの配線層71Aの応力を計算したモデルを示す。
熱電変換素子70Aは、単位素子に対応するガラスの部分と、接合部に対応するエポキシ樹脂の部分とを有する。また、熱電変換素子70Aは、第2導電部と第3導電部と第4導電部と端子に対応する配線層71Aを有する。各構成要素の寸法は、図10(A)に示す通りである。
ガラスのヤング率は87GPaとし、ポアソン比は0.24とした。エポキシ樹脂のヤング率は2GPaとし、ポアソン比は0.3とした。配線層のヤング率は74GPaとし、ポアソン比は0.42とした。
熱電変換素子70Aの長手方向の第1端部70aを固定して、第2端部70bに対して10MPaの応力を加えた時に、配線層71Aに発生する最大応力は5501MPaであった。
図10(B)は、図10(A)に示す熱電変換素子70Aのガラス及びエポキシ樹脂の部分の厚さを2倍にした熱電変換素子70Bの配線層71Bの応力を計算したモデルを示す。
熱電変換素子70Bの長手方向の第1端部70aを固定して、第2端部70bに対して10MPaの応力を加えた時に、配線層71Bに発生する最大応力は2002MPaであった。熱電変換素子70Bのガラス及びエポキシ樹脂の部分の厚さを、熱電変換素子70Aの2倍にしたので、配線層71Bに生じる応力は、配線層71Aの半分程度に減少した。
図10(C)は、上述した第3実施形態に対応する熱電変換素子70Cの配線層の応力を計算したモデルを示す。
熱電変換素子70Cは、図10(A)に示す一対の熱電変換素子70Aによって配線層71Cが挟まれた構造を有する。ここで、配線層71Cは、図3の配線層10cに対応する。
熱電変換素子70Cの長手方向の第1端部70aを固定して、第2端部70bに対して10MPaの応力を加えた時に、配線層71Cに発生する最大応力は278MPaであった。配線層71Cの最大応力は、配線層71Aの1/10以下である。熱電変換素子70Cの上側には引っ張り応力が生じ、下側には圧縮応力が生じるので、配線層71Cが位置する厚さ方向の中央では、応力が一番低くなっている。
従って、熱電変換素子の配線層に生じる応力を低減するには、上述した第3実施形態の構造を用いることが好ましいことが分かった。
また、第1実施形態の熱電変換素子の配線層に生じる応力を低減するには、単位素子及接合部の厚さを厚くすることが好ましいことが分かった。
次に、本明細書に開示する熱電変換素子の好ましい製造方法の第1実施形態について、図面を参照して、以下に説明する。本実施形態の製造方法は、上述した第1実施形態の熱電変換素子を形成する。
まず、図11(A)に示すように、紫外線に対して感光性を有する支持基板80の上に、開口部81a、81bを有するマスク81を配置する。そして、マスク81の上方から支持基板80に対して紫外線が照射される。開口部81a、81bを通過した紫外線が支持基板80に照射されて、紫外線が照射された支持基板80の露光部分が変質する。
支持基板80としては、紫外線に対して感光性を有するガラス基板を用いることができる。
次に、図11(B)に示すように、支持基板80に対して加熱処理が行われる。加熱処理としては、例えば、窒素雰囲気において、温度500℃×1時間の加熱を行った後、温度590℃×2時間の加熱を行うことが挙げられる。この加熱処理によって、支持基板80の露光部分82a、82bのエッチング速度が増加する。
次に、図11(C)に示すように、支持基板80がエッチングされて、露光部分82a、82bが除去されることにより、第1貫通孔11c及び第2貫通孔11dを有する支持部11が形成される。第1貫通孔11c及び第2貫通孔11dは、支持部11の第1の面11aから第2の面11bに向けて貫通する孔である。
支持基板80のエッチング法としては、例えば、フッ酸水溶液を用いたエッチングを用いることができる。
次に、図12(A)に示すように、支持部11の第1貫通孔11c内にn型半導体が充填されて、n型半導体層12が形成される。
n型半導体を第1貫通孔11c内に充填する方法としては、例えば、エアロゾルデポジション法を用いることができる。エアロゾルデポジション法は、微細且つ高アスペクト比の貫通孔内に粉体粒子を充填するのに適している。
具体的には、基板84上に支持部11が配置される。そして、開口部83aを有するマスク83を、開口部83aと第1貫通孔11cの位置を一致させて、支持部11の上方に配置する。そして、エアロゾルデポジション法を用いて、n型半導体の粉体粒子を第1貫通孔11c内に充填する。n型半導体の粉体粒子としては、例えば、粒径が略200nmのBi2Te3を用いることができる。
次に、図12(B)に示すように、支持部11の第2貫通孔11d内にp型半導体が充填されて、p型半導体層13が形成される。
具体的には、開口部85aを有するマスク85を、開口部85aと第2貫通孔11dの位置を一致させて、支持部11の上方に配置する。そして、エアロゾルデポジション法を用いて、p型半導体の粉体粒子を第2貫通孔11d内に充填する。p型半導体の粉体粒子としては、例えば、粒径が略200nmのBi0.3Sb1.7Te3を用いることができる。
そして、貫通孔内の粉体粒子に対して圧力を加えた状態で加熱処理を行うことが、n型半導体層12及びp型半導体層13の熱電変換特性を向上する上で好ましい。加熱処理としては、例えば、不活性ガス雰囲気において、温度400℃×1時間の加熱を行うことが挙げられる。
そして、支持部11の第1の面11aにおいて、第1貫通孔11c及び第2貫通孔11dから突出している半導体層の部分が、研磨により除去される。
上述した説明では、n型半導体層12が形成された後に、p型半導体層13が形成されたが、p型半導体層13が形成された後に、n型半導体層12が形成されても良い。
また、貫通孔の開口が大きい場合又はアスペクト比が小さい場合には、ホットプレス法を用いて粉体粒子を貫通孔内に充填してもよい。また、メッキ法を用いて、貫通孔内に半導体層を形成してもよい。
次に、図13(A)に示すように、支持部11の第1の面11a上に、第1導電部14が形成される。また、支持部11の第2の面11b上に、第3導電部17a及び第4導電部17bが形成される。
これらの導電部は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法又はインクジェット描画法等を用いて形成される。
次に、図13(B)に示すように、支持部11の第1の面11a上に、第1導電部14を覆うように、保護層19が形成される。また、支持部11の第2の面11b上に、第3導電部17a及び第4導電部17bを覆うように、保護層19が形成される。保護層19は、例えば、スパッタリング法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成される。
このようにして、第1の単位素子A1が形成される。また、図示しないが、第2の単位素子A2が、第1の単位素子A1と同様に形成される。
上述した説明では、1つの支持部11が形成されて、その支持部に半導体層及び導電部及び保護層が形成されて、1つの単位素子が形成された。また、複数の支持部が接続された支持部連続体を形成し、その支持部連続体に半導体層及び導電部及び保護層を形成して、単位素子連続体を形成した後、個々の端子素子に切断しても良い。
次に、図14(A)に示すように、第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2が用意されて、第3導電部17a及び第4導電部17bそれぞれの部分に導電性のプラグ86が形成される。プラグ86は、例えば、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて形成される。
次に、図14(B)に示すように、基板87上に、硬化した状態で可撓性を有する樹脂88が塗布される。樹脂88としては、例えば、熱硬化樹脂又は光効果樹脂等を用いることができる。本実施形態では、樹脂88としては、熱硬化樹脂を用いた。
そして、樹脂88が塗布された基板87上に、第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2が、第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2それぞれの第1の面11aが同じ方向を向くように且つ各単位素子の間に樹脂88が充填されるように配置される。本実施形態では、第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2それぞれの第1の面11aは、基板87とは反対の向きを向くように、基板87上に配置された。
第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2は、例えば、フリップチップボンダ等を用いて基板87上に配置される。
次に、図15(A)に示すように、第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2が配置された基板87が加熱処理されて、樹脂88が硬化して接合部15が形成される。加熱処理としては、例えば、温度90℃×5分の加熱をした後に、温度130℃×5分の加熱を行うことが挙げられる。
次に、図15(B)に示すように、接合部15により接合された第1の単位素子A1及び第2の単位素子A2から基板87が取り除かれる。そして、保護層19から突出しているプラグ86の部分と、保護層19上に積層されている樹脂88の部分とが研磨により除去されて端子18a、18bが形成され、図1に示す熱電変換素子10が得られる。
次に、本明細書に開示する熱電変換素子の好ましい製造方法の第2実施形態について、図面を参照して、以下に説明する。本実施形態の製造方法は、上述した第3実施形態の熱電変換素子を形成する。
まず、図16(A)に示すように、図15(B)に示す熱電変換部10aが用意され、端子18aを介して、第1の単位素子A1の第3導電部17aと電気的に接続する第6導電部32が形成される。また、端子18bを介して、第2の単位素子A2の第4導電部17bと電気的に接続する第7導電部33が形成される。
第6導電部32及び第7導電部33は、例えば、スパッタリング法、蒸着法、インクジェット法又は印刷法を用いて形成される。
次に、図16(B)に示すように、熱電変換部10aに対して、第2導電部16及び第6導電部32及び第7導電部33及び保護層19を覆うように、硬化した状態で可撓性を有する樹脂が塗布されて樹脂層89が形成される。樹脂層89を形成する樹脂としては、例えば、熱硬化樹脂又は光効果樹脂等を用いることができる。本実施形態では、樹脂層89を形成する樹脂として、熱硬化樹脂を用いた。図示しないが、熱電変換部10bが、熱電変換部10aと同様に形成される。
次に、図17に示すように、第1の熱電変換部10aと第2の熱電変換部10bとが、樹脂層89同士を対向させて接合される。具体的には、第1の熱電変換部10aと第2の熱電変換部10bとは、加圧された状態で加熱処理されて接合される。加熱処理としては、例えば、温度90℃×5分の加熱をした後に、温度130℃×5分の加熱を行うことが挙げられる。この熱圧着処理により、樹脂層89同士が一体化して第2接合部31が形成される。
そして、第1の熱電変換部10aにおけるp型半導体層13と、第2の熱電変換部10bにおけるp型半導体層13とを電気的に接続する第8導電部34が形成される。第8導電部34は、例えば、導電性のペーストが塗布されて、加熱処理することにより形成される。このようにして、図3に示す熱電変換素子30が得られる。
本発明では、上述した実施形態の熱電変換素子、電子装置及び熱電変換素子の製造方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の実施形態が有する構成要件は、他の実施形態にも適宜適用することができる。
ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、読者が、発明者によって寄与された発明及び概念を技術を深めて理解することを助けるための教育的な目的を意図する。ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、そのような具体的に述べられた例及び条件に限定されることなく解釈されるべきである。また、明細書のそのような例示の機構は、本発明の優越性及び劣等性を示すこととは関係しない。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、その様々な変更、置き換え又は修正が本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り行われ得ることが理解されるべきである。