JP2015015407A - 熱電素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一方の側から他方の側に熱が伝わりにくく、且つ応力や衝撃力が加えられても破損しにくい熱電素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】まず、基板21に複数の貫通孔22を形成する。次に、貫通孔22内に熱電材料を充填して、熱電部材24,25を形成する。次に、基板21をその厚さ方向の途中までエッチングする。次に、基板21のエッチングを施した面に絶縁材料を塗布して、補強材26を形成する。次いで、基板21を除去した後、熱電部材24,25の端部に電極29を接続する。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱電素子及びその製造方法に関する。
熱電素子には、ゼーベック効果を利用した熱電変換素子や、ペルチェ効果を利用したペルチェ素子などがある。
熱電変換素子は、例えば2枚の伝熱板の間にn型熱電部材とp型熱電部材とを挟んだ構造を有する。伝熱板側に設けられた電極によりn型熱電部材とp型熱電部材とは電気的に直列接続されており、一方の伝熱板と他方の伝熱板との間に温度差を与えると、温度差に応じた電力を発生する。
また、ペルチェ素子も、例えば2枚の伝熱板の間にn型熱電部材とp型熱電部材とを挟んだ構造を有する。伝熱板側に設けられた電極によりn型熱電部材とp型熱電部材とは電気的に直列接続されており、直列接続されたn型熱電部材及びp型熱電部材に電圧を印加すると、2枚の伝熱板間に温度差が生じる。
一般的な熱電素子(マクロ熱電素子)は、熱電材料を機械加工して製造された熱電部材を使用している。しかし、熱電材料は脆いため、機械加工時に破損しやすく、より一層の小型化が困難である。
そこで、近年、サブミクロンオーダーの加工が可能なMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて、小型の熱電素子を製造することが提案されている。このような小型の熱電素子を、マイクロ熱電素子と呼ぶ。
マイクロ熱電素子は、携帯型マイクロエネルギー源としての応用、センサ等への応用、及び局所冷却デバイスとしての応用などが検討されている。特に、温度差により電力を発生するマイクロ熱電素子は、センサネット用の複合デバイスに組み込んで、電子機器等の廃熱や、生体の体温を用いた発電が可能なメンテナンスフリー電源としての使用が期待されている。
特開平11−274592号公報 特開2011−124805公報
一方の側から他方の側に熱が伝わりにくく、且つ応力や衝撃力が加えられても破損しにくい熱電素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
開示の技術の一観点によれば、複数の柱状の熱電部材と、前記熱電部材の長さ方向の端部に接続され、前記複数の熱電部材を電気的に直列接続する電極と、前記熱電部材の長さ方向の一部に接触し、隣り合う前記熱電部材間を連絡する補強材とを有する熱電素子が提供される。
開示の技術の他の一観点によれば、基板に複数の貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔内に熱電材料を充填して熱電部材を形成する工程と、前記基板をその厚さ方向の途中までエッチングする工程と、前記基板の前記エッチングを施した面に絶縁材料を塗布して補強材を形成する工程と、前記基板を除去する工程と、前記熱電部材の端部に電極を接続する工程とを有する熱電素子の製造方法が提供される。
上記一観点に係る熱電素子及び熱電素子の製造方法によれば、熱電部材間が、その熱電部材の長さ方向の一部に接触する補強材により連絡しているので、応力又は衝撃力が補強材を介して分散される。これにより、一方の側から他方の側に熱が伝わりにくく、且つ応力や衝撃力が加えられても破損しにくい熱電素子が得られる。
図1は、マイクロ熱電素子の一例を示す図である。 図2は、実施形態に係る熱電素子の製造方法を表わした断面図(その1)である。 図3は、実施形態に係る熱電素子の製造方法を表わした断面図(その2)である。 図4は、実施形態に係るマイクロ熱電素子のn型熱電部材、p型熱電部材、補強材及び電極の配置を示す模式平面図である。 図5は、伝熱板がない熱電素子(変形例)の例を示す断面図である。 図6は、補強材を熱電部材の上部と下部とに交互に配置した熱電素子の例(変形例)を示す模式平面図である。 図7は、一列毎にヤング率が異なる補強材を交互に配置した例(変形例)を示す模式平面図である。 図8は、接続部よりも中央部が細い形状の補強材の例を示す断面図である。 図9(a)〜(d)は、比較例、実施例1、実施例2及び実施例3の熱電素子を示す模式図である。 図10は、SU−8、エポキシ樹脂、及びBiTeのヤング率及びポアソン比を示す図である。 図11は、比較例、実施例1、実施例2及び実施例3の最大ミーゼス応力をシミュレーション計算した結果を示す図である。
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
図1は、マイクロ熱電素子の一例を示す図である。
この図1に例示したマイクロ熱電素子10は、2枚の伝熱板11a,11bと、それらの伝熱板11a,11b間に配置された複数のn型熱電部材12及びp型熱電部材13とを有する。
n型熱電部材12及びp型熱電部材13は所定のピッチで交互に並んで配列している。また、それらのn型熱電部材12及びp型熱電部材13は、伝熱板11a,11b側に設けられた電極14により電気的に直列接続されている。そして、直列接続されたn型熱電部材12及びp型熱電部材13の端部には、引出電極15a,15bが接続されている。
このような構造の熱電変換素子10において、例えば一方の伝熱板(11a又は11b)と他方の伝熱板(11b又は11a)との間に温度差を与えると、ゼーベック効果により電力が発生し、引出電極15a,15bから電力を取り出すことができる。
ところで、マイクロ熱電素子10は、熱電部材12,13の長さが極めて短いため、熱電部材12,13を介して一方の伝熱板から他方の伝熱板に熱が移動しやすい。一方の伝熱板から他方の伝熱板に熱が移動すると、伝熱板11a,11b間の温度差が小さくなり、マイクロ熱電素子10の発電効率が低下してしまう。
熱電部材12,13を介した熱の移動を抑制してマイクロ熱電素子10の発電効率を高くするためには、熱電部材12,13の直径(熱電部材が角材の場合は幅:以下、同じ)を小さくすることが考えられる。しかし、熱電部材12,13の直径を小さくすると強度が低下し、応力や衝撃力が加えられると容易に破損してしまう。
例えば、孔が設けられた補強部材を使用し、補強部材の孔内に熱電部材12,13を配置して、熱電部材12,13の破損を防止することも考えられる。しかし、その場合は、補強部材を介して熱が移動するため、マイクロ熱電素子10の発電効率が低下する。
以下の実施形態では、一方の側から他方の側に熱が伝わりにくく、且つ応力や衝撃力が加えられても破損しにくい熱電素子及びその製造方法について説明する。
(実施形態)
図2,図3は、実施形態に係る熱電素子の製造方法を工程順に表わした断面図である。
まず、図2(a)示すように、基板21を用意し、基板21に所定のピッチで複数の貫通孔22を形成する。
本実施形態では、基板21として、厚さが50μm〜500μmのシリコンウェハを使用する。そして、基板21の上にフォトレジスト膜(図示せず)を形成した後、所定のパターンが設けられた露光マスクを使用してフォトレジスト膜を露光する。その後、現像処理を実施して、貫通孔を形成する部分の基板21を露出させる。
次に、フォトレジスト膜をエッチングマスクとし、例えばSF6ガスを用いた反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)を実施して、基板21に貫通孔22を形成する。貫通孔22を形成した後、基板21上のフォトレジスト膜をアセトン等の溶剤により除去する。
貫通孔22の直径は例えば5μm〜100μmとし、隣接する貫通孔22間の間隔は例えば100μmとする。また、貫通孔22のアスペクト比は、例えば2〜40程度とする。
次に、図2(b)のように、基板21上にステンシルマスク23を配置して、エアロゾルデポジッション法により所定の貫通孔22内のみにn型熱電材料を充填し、n型熱電部材24を形成する。
n型熱電材料として、例えばBi2Te3や、NaxCoO及びAZO(Aluminum-doped Zinc Oxide)等の酸化物熱電材料を使用することができる。その他、CoSb、SiGe及びPbTe等の化合物半導体、又はBi、Pt、Au、Cu及びNi等の単体金属を使用してもよい。本実施形態では、n型熱電材料として、粒径が200nmのテルル化ビスマス(Bi2Te3)を用いるものとする。
次に、図2(c)のように、基板21上にステンシルマスク(図示せず)を配置し、エアロゾルデポジッション法により残りの貫通孔22内にp型熱電材料を充填して、p型熱電部材25を形成する。
p型熱電材料として、例えばBi0.3Sb1.7Te3や、Ca3Co49等の酸化物熱電材料を使用することができる。その他、CoSb、SiGe及びPbTe等の化合物半導体、又はBi、Pt、Au、Cu及びNi等の単体金属を使用してもよい。
本実施形態では、p型熱電材料として、粒径が200nmのBi0.3Sb1.7Te3を用いるものとする。また、本実施形態では、図2(c)のように、n型熱電部材24とp型熱電部材25とが交互に並ぶように、貫通孔22内にn型熱電材料及びp型熱電材料を充填する。
なお、本実施形態ではエアロゾルデポジッション法を用いて貫通孔22内に熱電材料を充填しているが、ホットプレス法又はその他の方法により貫通孔22内に熱電材料を充填してもよい。但し、貫通孔22の直径が小さく且つアスペクト比が大きい場合は、貫通孔22内に熱電材料を確実に充填するために、エアロゾルデポジッション法を用いることが好ましい。
エアロゾルデポジッション法で貫通孔22内に熱電材料を充填して熱電部材24,25を形成した場合は、熱処理(アニール)又は加圧処理(プレス処理)等の後処理を行うことで、熱電部材24,25の熱電特性を改善できる。例えば貫通孔22内に熱電材料を充填して熱電部材24,25を形成した後、真空中又は不活性ガス中で400℃の温度で1時間程度の熱処理を行うことが好ましい。
このようにしてn型熱電部材24及びp型熱電部材25を形成した後、基板21の表面を研磨して、表面に付着した残渣を除去するとともに基板21自体の凹凸を低減する。
次に、図2(d)に示すように、基板21を、その厚さの半分程度までエッチングする。本実施形態では基板21としてシリコンウェハを使用しているので、例えばエッチングガスとしてSF6を使用した反応性イオンエッチングにより基板21をエッチングする。エッチング速度が10μm/分程度であるとすると、約25分間エッチングを行うことで、基板21を250μm程度エッチングすることができる。
次に、図3(a)に示すように、熱電部材24,25間の基板21上に、熱電部材24,25間を連絡する補強材26を形成する。補強材26は、絶縁性であり、機械的強度及び耐衝撃性が高く、且つ熱伝導率が低いことが重要である。
本実施形態では、二液性エポキシ樹脂を有機溶剤で希釈したものをインクとして使用し、インクジェットプリンターで熱電部材24,25間の基板21上に樹脂を付着させる。その後、基板21を例えば150℃の温度で1分間熱処理して樹脂を硬化させ、補強材26とする。補強材26の厚さは、例えば20μm程度とする。
補強材26の材料として、エポキシ樹脂以外にも種々の樹脂やゴムを使用することができる。また、インクジェット印刷以外の方法で補強材26を形成してもよい。
次に、図3(b)のように、基板21から突出した熱電部材24,25の端部に電極29を取り付け、更にその上に伝熱板28aを取り付ける。伝熱板28aは、熱伝送効率が高く、少なくとも熱電部材24,25側の表面が絶縁性であることが重要である。伝熱板28aとして、例えばAlN又はSiを使用することができる。本実施形態では、伝熱板28aとして、表面が絶縁膜で覆われたシリコン板を使用する。
電極29は熱電部材24,25とオーミック接続するものであればよく、例えばCr/Cu、Ti/Au、又はTi/Cu等の2層構造とする。
次に、図3(c)に示すように、例えばSF6を使用した反応性イオンエッチングにより、基板21を完全に除去する。
次いで、図3(d)に示すように、熱電部材24,25の他方の端部、電極29及び引出電極29a,29bを取り付け、更にその上(図3(d)では下側)に伝熱板28bを取り付ける。本実施形態では、伝熱板28bも、伝熱板28aと同様に、表面が絶縁膜で覆われたシリコン板を使用する。
このようにして、本実施形態に係るマイクロ熱電素子20が完成する。本実施形態に係るマイクロ熱電素子20の伝熱板28a,28b間に温度差を与えると、ゼーベック効果により電力が発生し、引出電極29a,29bから電力を取り出すことができる。
図4は、上述した方法により製造された本実施形態に係るマイクロ熱電素子20のn型熱電部材24、p型熱電部材25、補強材26及び電極29の配置を示す模式平面図である。この図4に示すように、伝熱板28a,28b間には多数の熱電部材24,25が配置されており、隣接する熱電部材24,25間は補強材26により連絡されている。また、電極29は2つの熱電部材、すなわち隣り合うn型熱電部材24とp型熱電部材25との間を電気的に接続している。
本実施形態によれば、基板21の貫通孔22内に熱電材料を充填してn型熱電部材24及びp型熱電部材25を形成するので、機械加工で形成する場合と異なり、製造工程中に熱電部材を破損するおそれが少ない。
また、本実施形態によれば、各熱電部材24,25の間に補強材26を配置しているので、応力や衝撃力が加えられても、応力や衝撃力が補強材26を介して分散される。これにより、熱電部材24,25の破損が抑制される。
更に、本実施形態の熱電素子20では、補強材26は熱電部材24,25の長さ方向の一部としか接触していないので、一方の伝熱板から他方の伝熱板への補強材26を介した熱の移動が抑制される。これにより、良好な発電効率を確保できる。
(変形例)
上述の実施形態では、伝熱板28a,28b間にn型熱電部材24及びp型熱電部材25が配置されている場合について説明したが、熱電素子を絶縁性の部材に取り付ける場合は、図5に例示するように伝熱板がなくてもよい。
また、上述の実施形態では、補強材26が各熱電部材24,25の長さ方向のほぼ中央に接合されている場合について説明したが、補強材26と熱電部材24,25との接触位置は中央でなくてもよい。
更に、上述の実施形態では、全ての補強材26が同一平面上に配置されている場合について説明したが、全ての補強材26が同一平面上に配置されていなくてもよい。
図6に例示する熱電変換素子20aは、補強材26aを熱電部材24,25の長さ方向に直交する第1の平面上に配置し、補強材26bを熱電部材24,25の長さ方向に直交する第2の平面上に配置している。このような熱電部材20aは、例えば基板21をその厚さの1/3までエッチングした後に上段の補強材26aを形成し、その後基板21を2/3までエッチングして下段の補強材26bを形成することにより形成できる。
図6では2つの平面上に補強材26a,26bを配置しているが、3以上の平面上に補強材を配置するようにしてもよい。また、図9(c)に示すように、隣接する熱電部材31間に配置された補強材32の数が、熱電部材31の配列方向に沿って、例えば1,2,1,2,…というように一定の周期で変化していてもよい。
更に、全ての補強材26を同じ材質とする必要はなく、例えばヤング率が異なる複数の補強板を適宜配置するようにしてもよい。
図7は、一列毎にヤング率が異なる補強材26c,26dを交互に配置した例を示している。ここでは、補強材26cは二液性エポキシ樹脂により形成し、補強材26dはフォトレジストとして使用されるSU−8により形成している。
更に、補強材26は、図8に例示するように、熱電部材24,25との接続部よりも中央部が細い形状とすることが好ましい。これにより、熱電部材24,25間の熱の移動を抑制することができる。
(効果)
図9(a)〜(d)に示す構造の熱電素子について、最大ミーゼス応力をシミュレーション計算し、実施形態の効果について調べた。
図9(a)は、熱電部材31間に補強材がない構造の比較例の熱電素子である。また、図9(b)は、熱電部材31の長さ方向の中央部にエポキシ樹脂製の補強材32を配置した構造の実施例1の熱電素子である。
更に、図9(c)は、熱電部材31の一方の側に補強材32を1個配置し、他方の側に補強材32を2個配置した構造の実施例2の熱電素子である。補強材32はいずれもエポキシ樹脂である。
更にまた、図9(d)は、熱電部材31の一方の側にエポキシ樹脂製の補強材32aを1個配置し、他方の側にSU−8製の補強材32bを2個配置した構造の実施例3の熱電素子である。
この図9(a)〜(d)に示す構造の比較例、実施例1、実施例2及び実施例3の各熱電素子について、熱電部材31の内部に生じる最大ミーゼス応力をシミュレーション計算した。
なお、シミュレーション計算時には、図10に示すSU−8、エポキシ樹脂、及び熱電部材の材料であるBiTeのヤング率及びポアソン比を使用した。また、熱電部材31の幅は10μm、長さは100μm、アスペクト比は10とした。更に、シミュレーション計算には、境界条件として下部電極を固定した条件で電極材料側面に100kPaの応力を加えた場合に熱電部材31の内部に生じる最大ミーゼス応力を比較した。その結果を、図11にまとめて示す。
図11からわかるように、補強材がない比較例の熱電素子では、最大ミーゼス応力が約5800kPaと大きい。それに対し、実施例1〜3の熱電素子は、いずれも比較例に比べて最大ミーゼス応力が1000kPa以上低減される。このことから、実施例1〜3の熱電素子は、比較例に比べて耐衝撃性が高いことが確認された。
以上の諸実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)複数の柱状の熱電部材と、
前記熱電部材の長さ方向の端部に接続され、前記複数の熱電部材を電気的に直列接続する電極と、
前記熱電部材の長さ方向の一部に接触し、隣り合う前記熱電部材間を連絡する補強材と
を有することを特徴とする熱電素子。
(付記2)前記熱電部材は、n型熱電材料からなるn型熱電部材と、p型熱電材料からなるp型熱電部材とを有し、前記電極は前記n型熱電部材とp型熱電部材とを交互に接続することを特徴とする付記2に記載の熱電素子。
(付記3)前記熱電部材は、一対の伝熱板間に配列していることを特徴とする付記1又は2に記載の熱電素子。
(付記4)前記補強材の一部は、前記熱電部材の長さ方向に直交する第1の平面上に配置され、少なくとも他の一部は前記熱電部材の長さ方向に直交する第2の平面上に配置されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の熱電素子。
(付記5)隣接する熱電部材間に配置された前記補強材の数が、前記熱電部材の配列方向に沿って一定の周期で変化していることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
(付記6)前記熱電部材間に配置された前記補強材の一部は、他の補強材とヤング率が異なることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
(付記7)前記補強材は、前記熱電部材との接続部よりも中央部が細い形状であることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
(付記8)基板に複数の貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔内に熱電材料を充填して熱電部材を形成する工程と、
前記基板をその厚さ方向の途中までエッチングする工程と、
前記基板の前記エッチングを施した面に絶縁材料を塗布して補強材を形成する工程と、
前記基板を除去する工程と、
前記熱電部材の端部に電極を接続する工程と
を有することを特徴とする熱電素子の製造方法。
(付記9)前記貫通孔は、直径が5μm乃至100μmであり、アスペクト比が2乃至40であることを特徴とする付記8に記載の熱電素子の製造方法。
(付記10)熱電材料は、エアロゾルデポジッション法により前記貫通孔内に充填することを特徴とする付記8又は9に記載の熱電素子の製造方法。
(付記11)前記貫通孔内に前記熱電材料を充填した後、熱処理又は加圧処理を実施することを特徴とする付記10に記載の熱電素子の製造方法。
(付記12)前記補強材を形成する工程では、インクジェットプリンターを使用して前記絶縁材料を前記基板に塗布することを特徴とする付記8乃至11のいずれか1項に記載の熱電素子の製造方法。
(付記13)前記基板として、シリコンウェハを使用することを特徴とする付記8乃至12のいずれか1項に記載の熱電素子の製造方法。
10…マイクロ熱電素子、11a.11b…伝熱板、12…n型熱電部材、13…p型熱電部材、14…電極、15a,15b…引出電極、20…マイクロ熱電素子、21…基板、22…貫通孔、23…ステンシルマスク、24…n型熱電部材、25…p型熱電部材、26,26a,26b,26c,26d,32,32a,32b…補強材、28a,28b…伝熱板、29…電極、29a,29b…引出電極。

Claims (9)

  1. 複数の柱状の熱電部材と、
    前記熱電部材の長さ方向の端部に接続され、前記複数の熱電部材を電気的に直列接続する電極と、
    前記熱電部材の長さ方向の一部に接触し、隣り合う前記熱電部材間を連絡する補強材と
    を有することを特徴とする熱電素子。
  2. 前記補強材の一部は、前記熱電部材の長さ方向に直交する第1の平面上に配置され、少なくとも他の一部は前記熱電部材の長さ方向に直交する第2の平面上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱電素子。
  3. 隣接する熱電部材間に配置された前記補強材の数が、前記熱電部材の配列方向に沿って一定の周期で変化していることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電変換素子。
  4. 前記熱電部材間に配置された前記補強材の一部は、他の補強材とヤング率が異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  5. 前記補強材は、前記熱電部材との接続部よりも中央部が細い形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  6. 基板に複数の貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔内に熱電材料を充填して熱電部材を形成する工程と、
    前記基板をその厚さ方向の途中までエッチングする工程と、
    前記基板の前記エッチングを施した面に絶縁材料を塗布して補強材を形成する工程と、
    前記基板を除去する工程と、
    前記熱電部材の端部に電極を接続する工程と
    を有することを特徴とする熱電素子の製造方法。
  7. 前記貫通孔は、直径が5μm乃至100μmであり、アスペクト比が2乃至40であることを特徴とする請求項6に記載の熱電素子の製造方法。
  8. 熱電材料は、エアロゾルデポジッション法により前記貫通孔内に充填することを特徴とする請求項6又は7に記載の熱電素子の製造方法。
  9. 前記補強材を形成する工程では、インクジェットプリンターを使用して前記絶縁材料を前記基板に塗布することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の熱電素子の製造方法。
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