JP6229319B2 - リアクトル、リアクトル用のコア片、コンバータ、および電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リアクトル、リアクトル用のコア片、リアクトルを備えるコンバータ、およびコンバータを備える電力変換装置に関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両に搭載されるコンバータ等に利用される。このようなリアクトルとして、例えば、特許文献1に示すものがある。
特許文献1に記載のリアクトルは、環状のコアとコイルとを組み合わせて構成される。コアは、コイルで覆われるコイル配置部と、コイルで覆われない露出部とを備える。このコイル配置部と露出部とは個別に作製され、互いに接合することで環状のコアを形成する。コイル配置部は、成形硬化体で構成することができる。成形硬化体は、軟磁性粉末(必要に応じて更に非磁性粉末を加えた混合粉末)と流動性のあるバインダ樹脂とを混合し、この混合流体を、圧力をかけて成形型(金型)に流し込んで成形した後、バインダ樹脂を硬化させることで得られる。成形硬化体は、磁性体粉末と樹脂との混合比率を調整することで、リアクトルに所望の磁気特性を与えることが容易である。さらに、成形硬化体は注型成形や射出成形等により容易に製造できるので、生産性に優れる。
特開2009−033055号公報 特開2008−112935号公報 特許第4650755号公報 特開2004−327569号公報 特開2010−045112号公報
近年、リアクトルの損失を低減することが要求されている。特許文献1に記載のリアクトルが備えるコアは、この要求を満たすために、露出部とコイル配置部とを個別に作製して、露出部の比透磁率をコイル配置部のそれよりも高くしている。このようにすることで、全体が一様な磁性材料で構成された環状コアと比べて、コアの内側空間や周囲に漏れ磁束が生じることを低減することができる。
しかし、特許文献1に記載のリアクトルのように、コイル配置部と露出部とを個別に作製して接合すると、接合箇所が直角になることが多い。この接合箇所の隅部(内角部)からは、漏れ磁束が発生しやすい。漏れ磁束は、コイルに侵入することで銅損を生じるばかりか、リアクトルの周辺機器に影響を与えるおそれがある。したがって、漏れ磁束は、できるだけ少ないことが望まれる。また、コイル配置部と露出部とを別々に作製して接合するので、リアクトルの生産性が劣る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、漏れ磁束を低減することができ、生産性に優れるリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、リアクトル用のコア片を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、このリアクトルを備えるコンバータを提供すること、並びに、このコンバータを備える電力変換装置を提供することにある。
本発明は、コアとコイルとを備えるリアクトルであって、コアの少なくとも一部を構成するコア片が、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料である。コア片は、コイル配置部と、露出部と、面取り部とを備える。コイル配置部は、コイルの内側に挿通される。露出部は、コイル配置部と一体に成形され、コイル端面の少なくとも一部を覆うようにコイルの外側に配される。面取り部は、隅部に形成される。隅部は、コイル配置部と露出部のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分とにより構成される。
上記発明によれば、リアクトルに発生する漏れ磁束を低減することができるリアクトルを提供することができる。
実施形態1に係るコア片の概略斜視図である。 実施形態1に係るコア片をコイル軸方向から見た端面図である。 実施形態1に係るコア片の概略斜視図である。上段はバリを備える状態を、下段はバリを折り取った状態を示す。 実施形態1に係るリアクトルの分解斜視図である。 実施形態2に係るコア片の概略斜視図である。 実施形態2に係るコア片が備える傾斜面を表す概略図である。上段は概略上面図を、下段は概略側面図を表す。 実施形態2に係るリアクトルの分解斜視図である。 実施形態3に係るリアクトルの分解斜視図である。 実施形態3に係るリアクトルの上面図である。 変形例1に係るリアクトルの分解斜視図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明のコンバータを備える本発明の電力変換装置の一例を示す概略回路である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態に係るリアクトルは、コアとコイルとを備えるリアクトルであって、コアの少なくとも一部を構成するコア片が、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料である。コア片は、コイル配置部と、露出部と、面取り部とを備える。コイル配置部は、コイルの内側に挿通される。露出部は、コイル配置部と一体に成形され、コイル端面の少なくとも一部を覆うようにコイルの外側に配される。面取り部は、隅部に形成される。隅部は、コイル配置部と露出部のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分とにより構成される。
本実施形態によれば、コアから発生する漏れ磁束を低減できる。特に、コア片の所定箇所に面取り部を形成することで、磁束が急激に曲がる箇所である隅部における漏れ磁束の発生を低減することができる。これにより、実施形態に係るリアクトルは、損失を低減することができる。また、漏れ磁束のコイルへの侵入を防ぐことで、リアクトルの効率の低下を低減することができる。さらに、漏れ磁束が周辺機器に影響を与える等の問題を防ぐことができる。また、コア片が備えるコイル配置部と露出部とが一体に成形されることで生産性に優れる。
(2)前記(1)の実施形態に係るリアクトルにおいて、露出部が基部と外側脚部とを備える形態が挙げられる。基部は、コイル端面の少なくとも一部に対向する部分を備える。外側脚部は、コイルの外周の一部を覆う。そして、基部のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分と外側脚部とにより構成される隅部に形成された面取り部を備える。
本実施形態によれば、基部のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分と外側脚部とにより構成される隅部が面取り部を備えることで、この隅部からの漏れ磁束の発生を低減でき、リアクトルの損失の低下を低減することができる。
(3)前記(1)または(2)の実施形態に係るリアクトルにおいて、面取り部の形状は、円弧形状であり、この円弧の半径Rが0.5mm以上であることが好ましい。面取り部の形状及び半径Rを上記のようにすることで、隅部から発生する漏れ磁束を低減することができるからである。ここで、円弧形状とは、隅部を構成する複数の面のうち、いずれかの面に対して直交する面で面取り部を切断した場合に、その断面における円弧のふくらみの方向が隅部方向である形状をいう。
(4)前記(1)から(3)の実施形態に係るリアクトルにおいて、前記コイルは、一対のコイル素子を備える形態が挙げられる。この形態において、各コイル素子は互いの軸方向が平行に配置され、コイル配置部が、前記一対のコイル素子のそれぞれの内側に挿通される。
本実施形態のリアクトルは、コアの隅部から発生する漏れ磁束を低減することができ、損失を低減することができる。
(5)前記(1)から(4)のいずれかの実施形態に係るリアクトルにおいて、リアクトルをコイルの軸方向が設置対象に対して平行となるように設置した場合に、露出部が、リアクトルの設置対象側およびその反対側の少なくとも一方の方向に突出した突出部を含む形態が挙げられる。この実施形態において、突出部とコイル配置部とが構成する隅部に面取り部が形成されている。
本実施形態のリアクトルは、露出部が突出部を備えることで、コアに発生する熱を突出部を介して冷却ベースなどの設置対象に効率的に伝えることができ、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。また、突出部とコイル配置部とが構成する隅部に面取り部が形成されていることで、隅部から発生する漏れ磁束を低減することができ、リアクトルの損失をより低減することができる。
(6)前記(5)の実施形態に係るリアクトルにおいて、突出部が、複合材料の注入跡を備えることが好ましい。
コア片を作製する過程において、複合材料の注入口を設ける場所によっては、複合材料がスムーズに金型内に行き渡らない場合がある。しかし、突出部が複合材料の注入跡を備えることで、換言すれば、コア片を成形する際の金型において、コア片の突出部を成形する領域に複合材料の注入口を設けることで、複合材料を金型内に偏りなくスムーズに充填させやすくなる。よって、本実施形態は、コア片の欠けや変形等といった成形不良を低減することができ、歩留まり(生産性)に優れる。
(7)前記(1)から(6)のいずれかの実施形態に係るリアクトルにおいて、コイル配置部が、コイルの端面側から内部側へ傾斜する傾斜面を備えることが好ましい。
コア片を作製する過程において、コア片を金型から脱型させる際に、金型の内周面との摩擦により、コア片が破損するおそれがある。コイル配置部が、コイルの端面側から内部側へ傾斜する傾斜面を備えることで、換言すれば、コア片を作製するための金型にいわゆる抜き勾配を設けておくことで、コア片と金型の内周面との摩擦を低減でき、コア片を容易に脱型できる。これにより、コア片の歩留り(生産性)を、さらにはリアクトルの歩留まりを向上させることができる。
(8)前記(1)から(7)のいずれかの実施形態に係るリアクトルにおいて、前記コイル配置部、前記露出部および前記面取り部の少なくともいずれかの周縁が角落しされていることが好ましい。
リアクトルを作製する過程において、コア片が他の部材などと接触し、物理的な衝撃を受けることで、稜線部で構成される周縁が欠損することがある。少なくともいずれかの周縁を角落しし、コア片の周縁が尖らないようにしておくことで、コア片の周縁に欠損が生じ難くできる。したがって、リアクトルの作製の際に、コア片に欠損が生じて不良品となる可能性を大幅に低減でき、歩留りを向上させることができる。
(9)本願発明の実施形態に係るリアクトル用のコア片は、コイル配置部と、露出部と、面取り部とを備える。コイル配置部は、コイルの内側に挿通される。露出部は、コイル配置部と一体に成形され、コイル端面の少なくとも一部を覆うようにコイルの外側に配される。面取り部は、コイル配置部と露出部のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分とにより構成される隅部に形成される。そして、このコア片は、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成される。
本実施形態によれば、複合材料からなり、コイル配置部と露出部とが一体に成形されることで生産性に優れる。また、コア片の所定箇所に面取り部を形成することで、リアクトルに発生する漏れ磁束を低減することができる。特に、磁束が急激に曲がる箇所である隅部における漏れ磁束の発生を低減することができる。これにより、本実施形態に係るリアクトル用のコア片を組み合わせたコアとコイルとを組み合わせたリアクトルは、損失を低減することができる。
(10)本願発明の実施形態に係るコンバータは、前記(1)から(8)のいずれかに記載のリアクトルを備えたコンバータである。
(11)本願発明の実施形態に係る電力変換装置は、前記(10)に記載のコンバータを備える電力変換装置である。
本願発明の実施形態に係るコンバータおよび本発明の実施形態に係る電力変換装置は、損失が低減され、生産性に優れる本発明リアクトルを備えることで、車載部品などに好適に利用できる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
実施形態1では、図1から図4を参照し、本実施形態のリアクトル及びリアクトル用のコア片を説明する。このリアクトルは、図示しない冷却ベースなどの設置対象に取り付けられ、図4では、図の下方が設置対象側、上方がその反対側である。
[リアクトル]
図4に示すように、本実施形態のリアクトル1aは、コイル2と、複数のコア片3a,3aを組み合わせたコア3とを備える。各コア片3a,3aは、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料で構成される。いずれのコア片も、後述するように、互いに一体に成形されるコイル配置部と露出部とを備え、両者で構成される隅部に面取り部を有する。
[コイル]
コイル2は、巻線を螺旋状に巻回して構成される。本実施形態のコイルでは、一対のコイル素子2A,2Bと、両コイル素子2A,2Bを連結するコイル素子連結部2rとを備える。各コイル素子2A,2Bは、互いに同一の巻数、同一の巻回方向で中空筒状に形成され、各軸方向が平行するように横並びに並列されている。また、コイル素子連結部2rは、コイル2の他端側(図3において紙面右側)において両コイル素子2A,2Bを繋ぐU字状に屈曲された部分である。このコイル2は、接合部の無い一本の巻線を螺旋状に巻回して形成しても良いし、各コイル素子2A,2Bを別々の巻線により作製し、各コイル素子2A,2Bの巻線の端部同士を半田付けや圧接などにより接合することで形成しても良い。巻線の両端部2a,2bは、ターン形成部分から上方に引き延ばされて、図示しない端子部材に接続される。この端子部材を介して、コイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示せず)が接続される。
コイル2は、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる平角線や丸線などの導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線を好適に利用できる。本実施形態では、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2A,2Bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。また、ここでは、各コイル素子2A,2Bの端面形状は、矩形枠の外側の角部と内側の隅部の各々に丸みを持たせた形状である。端面形状は、円形状や角部を丸めていない矩形状など、適宜変更することができる。
[コア片]
図1および図3下段に示すように、本実施形態のコア片3aは、上面視したときに略U字状の形状である。このコア片3aは、コイル配置部31,31と、露出部32と、面取り部33とを備える。リアクトル1aにおいては、2つのコア片3a,3aのコイル配置部31,31を、それぞれコイル素子2A,2Bの両端側からコイル素子2A,2Bの内部に挿入する。この際、対向するコイル配置部31の端面(コア対向面)同士を接合することで、環状のコアとなり、リアクトル1aに閉磁路を形成することができる。以下、上述した各部につき説明する。
(コイル配置部)
図1に示すように、コイル配置部31,31は、コア片3aの一部であって、コイルの内側に挿通される部分である。ここでは、略直方体状のコイル配置部31,31とし、その端面形状は、コイル素子2A,2Bの端面における中空部分の形状に対応した略長方形状である。コイル配置部31,31はそれぞれ、コイル素子2A,2Bの軸方向の長さの約半分の長さを有する。また、コイル配置部31,31のコイル内周面に対向する面(コア周回面)の周縁は、角落とし部が形成されている。この角落とし部については後述する。
(露出部)
露出部32は、コア片3aの一部であって、コイル2の外側に配される部分である。露出部32は、上記コイル配置部31,31と一体に成形される。本実施形態における露出部は、台形柱状の形状である。この露出部32は、基部32aと突出部32bとを備える。以下の説明において、露出部の表面のうち、各コイル素子の端面と対向する面を、露出部のコイル対向面、基部のコイル対向面、突出部のコイル対向面と言うことがある。
〔基部〕
基部とは、露出部の一部であって、次の要件を満たす部分のことである。コイルとコアとを組み合わせた状態において、コア片のうち、コイルの軸方向に実質的に沿った部分を脚部とする。このコア片をコイルの軸方向から見た場合、露出部のうち、全ての脚部の包絡輪郭S内に位置する部分を基部とする。別な表現をすれば、基部はコイル端面の少なくとも一部を覆う面(基部のコイル対向面)を有する部分であり、脚部は基部のコイル対向面から基部と交差する方向に突出される部分である。例えば、実施形態1のコア片3aの場合、図1に示すように、各コイル配置部31,31が脚部である。また、図2に示すように、コア片3aをコイル2の軸方向から見た場合において、露出部32のうち、両コイル配置部31,31の包絡輪郭S(実線参照)内に位置する台形柱状の部分が基部32aとなる。換言すれば、露出部32のうち、両コイル配置部31,31の下面の延長面よりも上方の部分が基部32aである。この基部32aのコイル対向面とコイル配置部31,31の外周面との間には2つの隅部が構成され、各隅部に後述する面取り部33aが形成される。
基部の形状は、脚部を繋ぐことができる形状であれば特に限定されない。図1に示すように、本実施形態では、基部32aは、上方から見たときにコイル2側が長辺となるような略台形状としている。他にも、上方から見たときの形状を、長方形状としたり、コイルの端面側が弦となる略半円形状としたりしてもよい。また、基部32aの周縁の一部は、角落としされている。この角落としについても後述する。
〔突出部〕
突出部とは、露出部のうち、基部からコイルの軸方向と交差する方向に突出する部分のことである。例えば、実施形態1のコア片3aの場合、図1および図2に示すように、露出部32のうち、基部32aから下方側に突出している台形柱状の部分が突出部32bである。突出部32bのコイル対向面は、基部32aのコイル対向面と面一になっている。また、突出部32bの下面は、コイル配置部31の下面よりも低くなっている。これにより、各コイル配置部31,31の下面と突出部32aのコイル対向面とにより2つの隅部が構成され、各隅部に後述する面取り部33bが形成される。なお、本実施形態では、コア片3aをコイル2に組み付けたとき、コア片3aの露出部32の下面(すなわち突出部32bの下面)がコイル2の下面と面一になる。
(面取り部)
面取り部は、脚部と基部又は突出部とで構成される隅部に形成され、この隅部におけるコア片の急峻な方向変換を緩和して、隅部からの漏れ磁束を低減するための部分である。実施形態1では、面取り部33は、コイル配置部31,31と露出部32のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分とにより構成される隅部に形成される。より具体的には、面取り部33は、面取り部33a、面取り部33b、および、面取り部33rから構成される。面取り部33aは、各コイル配置部31,31の外周面のうち、両コイル配置部が互いに対向し合う内側面と、基部32aのコイル対向面とにより構成される隅部に形成される。面取り部33bは、コイル配置部31,31の下面と、突出部32bのコイル対向面とにより構成される隅部に形成される。面取り部33rは、面取り部33a、面取り部33bの各々の両端部に形成される。この面取り部33rは、後述する角落としの項目で合わせて説明する。
本実施形態では、面取り部33の形状を円弧形状、特に真円の円弧形状としているが、他の形状、例えば隅部に傾斜面(C面)を形成したり、楕円の円弧形状としたりすることで面取り部33としてもよい。真円の円弧形状とする場合、円弧の半径Rは適宜設計すればよいが、0.5mm以上とすることが好ましい。0.5mm未満であると、磁束の急激な曲がりを緩和できず、漏れ磁束を低減できないおそれがある。また、半径Rは2.0mm以下とすることが好ましい。半径Rが大きすぎると、コイル2と組み合わせてリアクトル1とする際に、露出部32のコイル2側の端面とコイル2の端面とが密着できず、コア片3aとコイル2とを確実に組み合わせることが困難になるおそれがあるからである。同様の理由から、C面を形成して面取り部33とする場合にも、0.5mm以上2.0mm以下(C5以上C20以下)のC面を形成すればよい。楕円の円弧形状とする場合も、磁束の急激な曲がりを緩和できるように、長半径と短半径の大きさを設定すればよい。
面取りの方法としては、結果的に面取り部がコア片に形成される方法であれば制限されない。例えば、後述するコア片3aの製造の際に用いる金型を、所望の形状および寸法の面取り部が形成できるように設計しておく、コア片を成形した後に硬化前の複合材料を面取り部のない隅部に充填し、その充填箇所をC面や円弧など、所定の面取り部の形状に応じた適宜な治具で成形することで隅部を肉盛する等の方法で面取り部を形成することができる。
(角落とし)
図1および図3下段に示すように、コイル配置部31,31のコア周回面の周縁のうち、コイル素子2A,2Bの内側の隅部(以下、隅R部という)に対向する8つの辺は、この隅R部の形状に沿うように角落としされている。この8つの角落としされた辺のうち、露出部32と隅部を形成する6つの辺における露出部32の近傍の領域を面取りすることで、6つの面取り部33rが形成される。ここでは、この6つの面取り部33rの面取り形状は、上述の面取り部33a,33bと同様の形状としている。
図1、図2、および図4に示すように、露出部32の周縁は一部を除いて角落としされている。より具体的には突出部32bの下面の周縁以外が角落としされている。角落としの形状は、C面形状でも良いし、R面形状でも良いが、本実施形態ではより欠損が生じ難く、コイルの内周面に沿った形状であるR面形状とした。R面形状は、半径Rを0.5mm以上5.0mm以下とすることが好ましく、より好ましくは2.0mm以上3.0mm以下である。C面形状の場合は、0.5mm以上5.0mm以下(C5以上C50以下)とすることが好ましく、より好ましくは2.0mm以上3.0mm以下(C20以上C30以下)である。この範囲のR面形状およびC面形状であれば、コア片3aの周縁の欠損を効果的に防止でき、かつコア3の磁路面積を十分に確保することができる。
上記の角落としは、上述した個所以外に行ってもよい。例えば、本実施形態で角落とししていない、基部32aの上面の周縁のコイル端面側の周縁、突出部32bの下面の周縁、コイル配置部31,31のコア対向面の周縁等を角落とししてもよい。すなわち、コア片3aの周縁のいずれの場所を角落とししてもよい。また、コイル2とリアクトル用のコア片3aとをより近接して固定するために、コイル素子2A,2Bの内周縁を、面取り部の形状に合わせて削る等してもよい。
角落としの方法としては、結果的に角落としがコア片に形成される方法であれば制限されない。例えば、コア片を成形した後に削り取って角落としする、コア片を成形する際に角落としが形成されるように金型を設計しておいたりする等の方法で角落としすることができる。
[複合材料]
本実施形態でコア片3aを構成する複合材料とは、樹脂中に、磁性体粉末を構成する粒子が分散した構成を備える磁性体である。
複合材料に含まれる磁性体粉末には、鉄や、鉄基合金、希土類金属を含む合金などを利用することができる。また、磁性体粉末として、磁性体粒子の表面に絶縁被覆を備える被覆粉末を利用することもできる。特に、被覆粉末を用いることで、リアクトルにおける渦電流損を効果的に低減することができる。絶縁被覆としては、例えば、リン酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、硼素化合物などが挙げられる。
磁性体粉末の平均粒径は、1μm以上1000μm以下、特に10μm以上500μm以下とすることが好ましい。また、磁性粉末は、平均粒径が異なる複数の粉末が混合されたものでも良いし、材質が異なる複数の粉末が混合されたものでも良いし、平均粒径も材質も異なる複数の粉末が混合されたものでも良い。平均粒径が上記の範囲を満たす磁性体粉末であれば、複合材料に用いた場合に流動性に優れ、射出成形などを利用してコア片を生産性よく製造することができる。
一方、複合材料における樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。その他、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、あるいは低温硬化性樹脂を用いてもよい。また、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)や、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴムなどを用いることもできる。
その他、複合材料には、セラミックスフィラーを含有させても良い。セラミックスフィラーとしては、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、ムライト、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種を挙げることができる。このセラミックスフィラーは、コア片の放熱性の向上、複合材料における磁性体粉末の偏在の抑制(均一的な分散)に寄与する。
複合材料における磁性体粉末の含有量は、複合材料を100体積%とするとき、体積割合で20体積%以上75体積%以下とすることが好ましい。磁性体粉末が20体積%以上であることで、比透磁率や飽和磁束密度などの磁気特性を確保し易い。磁性体粉末が75体積%以下であると、樹脂との混合が行い易く、コア片の製造性に優れる。
磁性体粉末の含有量が上記範囲にあるコア片の比透磁率は5以上50以下、飽和磁束密度は0.6T以上1.5T以下とすることが望ましい。また、コア片の熱伝導率は、0.25W/m・K以上とすることが望ましい。コア片の磁気特性は、磁性体粉末の含有量を変化させることで調整できる。もちろん、磁性体粉末の材質を変更することでもコア片の磁気特性を調整できる。
なお、コア片にセラミックスフィラーを含有させる場合、その含有量は、コア片を100質量%とするとき、0.2質量%以上20質量%以下であると、上記効果を十分に得られる。
上記コア片の比透磁率は、次のようにして求めたものとする。コア片に用いる複合材料と同じ構成材料で、外径34mm、内径20mm、厚さ5mmのリング状試験片を作製する。この試験片に、一次側300巻き、二次側20巻きの巻線を施し、試験片のB−H初磁化曲線をH=0〜100エルステッド(Oe)の範囲で測定する。測定には、例えば、理研電子株式会社製BHカーブトレーサ「BHS−40S10K」を用いることができる。得られたB−H初磁化曲線の勾配(B/H)の最大値を求め、それをコア片の比透磁率とする。通常はH=0またはH=0付近で、B−H初磁化曲線の勾配(B/H)は最大となる。ここでの磁化曲線とは、いわゆる直流磁化曲線である。また、ここでの比透磁率とはいわゆる直流透磁率であって、交流磁場中で測定された交流比透磁率とは異なる。一方、上記コア片の飽和磁束密度は、上記試験片に対して電磁石で10000(Oe)の磁界を印加し、十分に磁気飽和させたときの磁束密度とする。
以上説明した複合材料から構成されるコア片は、以下に示す準備工程と成形工程を備えるコア片の製造方法により作製することができる。
準備工程では、磁性体粉末と樹脂とを用意し、両者を混合することで複合材料を作製する。コア片にセラミックスフィラーを含有させる場合、複合材料にセラミックスフィラーを混合しておくと良い。なお、複合材料における磁性体粉末と樹脂の配合比率(セラミックスフィラーを含む場合は、セラミックスフィラーを含めた配合比率)は、コア片における配合比率と同じと考えて良い。
次に、図示しない金型を用意して、準備工程で作製した複合材料を金型のキャビティ内に充填し、樹脂を硬化させ、コア片を完成させる。金型を用いたコア片の作製手法としては、射出成形、トランスファー成形、MIM(Metal Injection Molding)、注型成形、磁性体粉末と粉末状の固形樹脂とを用いたプレス成形などを利用することができる。射出成形の場合は、磁性体粉末と樹脂との混合材料を所定の圧力をかけて金型に充填して成形した後、上記樹脂を硬化させることでコア片を得ることができる。トランスファー成形やMIMの場合も、上記混合材料を金型に充填して成形を行う。注型成形の場合は、上記複合材料を、圧力をかけることなく金型に注入して成形・硬化させることで複合材料から構成されるコア片を得ることができる。
(注入跡)
その他のコア片の構成として、このコア片を射出成形により製造した場合に、上記複合材料の注入跡を備えることが挙げられる。図3上段に、金型から取り出した状態のコア片3a’を示す。このコア片3a’は、金型のキャビティ内に複合材料を導入するためのスプルー、ランナー、およびゲート等により成形されたバリBを備える。このバリBを折り取ることで、突出部32bに複合材料の注入跡32mが形成されたコア片3aとなる。この注入跡は、通常、研磨処理されるが、その場合でも研磨跡として残る。なお、本実施形態では、金型における複合材料の注入口を、突出部32bを形成する領域の下面に設けている。
図3に示すように、バリBは、三角板状部と棒状部とから構成される。三角板状部の底辺に相当する箇所には、溝を形成している。すなわち、バリBの三角板状部のうち、突出部32bの近傍の領域の厚みが局所的に薄く形成されている。
以上説明した本実施形態のリアクトル1aおよびリアクトル用のコア片3aは以下の作用効果を有する。
(1)隅部を面取りして面取り部33とすることで、隅部から発生する漏れ磁束を低減することができる。隅部では磁束が急激に曲がるので、漏れ磁束が発生しやすい。よって、この急激な曲がりを緩和するために隅部を面取り部33とすることで、漏れ磁束を低減することができる。
(2)突出部32bの下面がコイル2の下面と面一になることで、リアクトル1の動作時に発生する熱、特にコア3に発生する熱を突出部を介して冷却ベース側に効率的に伝えることができ、放熱性に優れたリアクトルとすることができる。
(3)コイル配置部31,31の周縁を角落とししておくことで、コイル配置部31,31の欠損やコイル2の絶縁被覆の損傷を抑制できる。コイル配置部31,31の周縁は、コイル2に対するコア片3aの組み付け時に、コイル素子2A,2Bの内周面に接触して欠損するおそれがある。しかも、コイル配置部31,31の周縁はコア片3aの組み付け時にコイル2に覆われ見え難い位置である。よって、コイル配置部31,31は、上記組み付け時に上記欠損が生じるおそれが高いばかりか、発生した欠損を外部から容易に確認できないという問題もある。また、逆にコイル配置部31,31の周縁がコイル素子2A,2Bの内周側の絶縁被覆を損傷するおそれもある。したがって、本実施形態のように、コイルの隅R部に対向するコア片3aの周縁を角落とししておけば、上記欠損・損傷の可能性を大幅に低減でき、不良品の発生率を低減することができる。その結果、リアクトル1の不良品の発生率を低減でき、リアクトル1の生産性を向上させることができる。また、角落としの形状を、コイル素子2A,2Bの隅R部に沿った形状とすることで、コア周回面の周縁をコイル2の隅R部に近接させることができ、コイル2とコア片3aとの固定を確実に行うことができる。
(4)露出部32の周縁も角落とししておくことで、これらの周縁に欠損が生じ難くできる。上記(3)同様、リアクトル1を作製する過程において、露出部32の周縁が他の部材などと接触し、周縁が欠損することがある。よって、本実施形態によれば、これらの周縁に欠損が生じ難くできる。
(5)複合材料を射出成型することで、露出部32とコイル配置部31,31とが一体となった複雑形状のコア片3aを容易に生産できる。また、複合材料の注入口を金型の突出部32bを成形する領域に設けることで、複合材料をキャビティに偏りなくスムーズに充填させやすくなる。注入口を設ける場所によっては、複合材料がスムーズにキャビティ内に行き渡らない場合があるからである。また、本実施形態のように、突出部32bを形成する領域の下面に注入口を設けると、複合材料の充填をよりスムーズに行うことができるので好ましい。
(6)バリBの三角板状部との境界近傍(本実施形態では三角板状部の底辺)が溝を備えることで、コア片3a’からバリBを折り取りやすく、コア片3aの生産性に優れる。
<実施形態2>
実施形態2では、図5から図7を参照し、実施形態1と異なる構成のコア片3bを備えるリアクトル1bを例に用いて説明する。
[リアクトル]
図7に示すように、本実施形態のリアクトル1bは、基本的には実施形態1に記載のリアクトル1aと同様の構成を備えるが、コア片3bが、上方にも突出部32cを備える点、およびコイル配置部31が、コイル配置部31の露出部32側の端面からその反対側の端面に向かって傾斜する傾斜面を備える点が実施形態1のコア片3aと異なる。その余の点は実施形態1のリアクトル1aおよびコア片3a同様であるため説明は省略し、以下では突出部32cと傾斜面につき説明する。
図5に示すように、本実施形態のコア片3bは、露出部32が、基部32aと、突出部32bと、突出部32cとを備える。図5および図6中の二点鎖線は、基部32aと脚部(コイル配置部31、および一対の外側脚部32d,32d)との境界である。突出部32cは、露出部32のうち、基部32aから上方側に突出している台形柱状の部分である。基部32aの上面は、コイル配置部31,31の上面と面一になっているが、突出部32cの上面は、基部32aの上面よりも高くなっている。本実施形態では、コア片3bをコイル2に組み付けたとき、突出部32cの上面がコイル2の上面と面一になる。なお、基部32aの上面と突出部32cのコイル対向面とにより構成される隅部を面取りして面取り部としてもよい。突出部32cのコイル対向面は、コイル2の軸方向と実質的に直交する平面で構成されているが、このコイル対向面をコイル素子連結部2rの端面に対応した傾斜面としてもよい。
図6に示すように、本実施形態のコア片3bは、脚部であるコイル配置部31,31のコア周回面が、コイル2の端面側からコイル2の内部側へ傾斜する傾斜面である。
傾斜面は、本実施形態のように可動型の抜出方向が脚部の長手方向となるように割面を設けた場合には、コイル軸方向に平行する面のすべてに設けてもよいし、一部の面にのみ設けてもよい。また、脚部が円筒状の場合は、略円錐状の形状とすればよい。図6に示すように、傾斜面のコイル軸方向(コイル配置部の軸方向と実質的に同じ)に対する角度θは、傾斜を有しないとした場合の角度を0°としたときに、0.3°以上1.0°以下とすることが好ましい。0.3°以上とすることで、脚部を脱型し易い。また、1.0°以下とすることで、直方体や円柱状などといった傾斜角度のない脚部と比較して、遜色のない磁気特性を有することができる。
以上説明した本実施形態のリアクトル1bおよびコア片3bは、実施形態1に記載の1aおよびコア片3aの有する作用効果に加えて、さらに以下の作用効果を有する。
(1)突出部32cを設けない場合と比べて、コア3の体積を同一としつつも基部32aのコイル軸方向の大きさ(長さ)を小さくすることができる。さらに、突出部32cのコイル側の端面を基部32aのコイル側の端面と面一とせず、基部32aの上面において、コイル2から離れた側にのみ突出部32cを設けることで、コイル素子連結部2rと突出部32cとが干渉しない。以上より、リアクトル1bは、長さや高さが過度に大きくなることもなく、小型なリアクトルとすることができる。
(2)突出部32cの上面をコイル2の上面と面一とすることで、例えば、リアクトル1bの上部にコイル2と突出部32cとの双方に接する放熱板などの冷却部材等を設けた場合において、コア片3bに発生した熱を、この突出部32cと冷却部材とを介して、リアクトル1bから放熱することができる。
また、例えば、突出部32cのコイル対向面をコイル素子連結部2rの端面に対応した傾斜面としてもよい。このようにすることで、リアクトル1bのデッドスペースを削減できると共に、突出部32cの体積をより大きくすることができる。この結果、リアクトル1bのコイル軸方向の長さをさらに短くできる。また、突出部32cの上面の面積が大きくなることで冷却部材等に接する面積が大きくなり、リアクトル1bからの放熱効率を向上させることができる。
(3)コイル配置部31,31に抜き勾配を設けることで、コア片3bの欠損を抑制し、生産性を高めることができる。コア片3bを作製する過程においてコア片3bを金型から脱型(抜き出し)する際に、金型の内周面との摩擦により、コア片3bが破損するおそれがある。本実施形態では、可動型の抜出方向が脚部(ここではコイル配置部31,31)の長手方向(コイル軸方向)となるように割面を設けているので、脚部が破損するおそれがある。よって、コイル配置部31が備えるコア周回面を、コイル配置部31の露出部32側の端面からその反対側の端面に向かって傾斜する傾斜面とすることで、換言すれば、コア片3bを作製するための金型にこのような傾斜面(いわゆる抜き勾配)を設けておくことで、コイル配置部31と金型の内周面との摩擦を低減でき、コア片3bを容易に脱型できる。これにより、コア片3bの破損を防止し、歩留り(生産性)を向上させることができる。なお、抜き勾配は、コアを製造するための金型の設計に従って設ければよく、上記の脚部に設ける場合に限定されない。
以上、実施形態2のリアクトル1bおよびコア片3bにつき説明したが、コア片3bは、上記の実施形態1と同様の方法で作製することができる。
<実施形態3>
実施形態3では、図8および図9を参照し、実施形態1と異なる構成のコア片3c、およびこのコア片3cを組み合わせたコア3を備えるリアクトル1cを説明する。実施形態3に係るリアクトル1cは、一対のいわゆるE型コア片3cを組み合わせてコア3を構成している。
[リアクトル]
図8に示すように、本実施形態のリアクトル1cは、コイル2と、コア3を構成する複数のコア片3c,3cとを備える。各コア片3c,3cは、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料で構成される。いずれのコア片3c,3cも、後述するように、互いに一体に成形されるコイル配置部31と、露出部32とを備える。露出部32は、基部32aと外側脚部32d,32dとを備える。そして、基部32aとコイル配置部31とで構成される隅部に面取り部33aを、基部32aと外側脚部32d,32dとで構成される隅部に面取り部33dを有する。
[コイル]
図8に示すリアクトル1cに備わるコイル2は、コイル素子2Cを一つだけ備える。巻線の各端部は、この一つのコイル素子2Cの一端側と他端側から上方に引き出されている。また、各コイル素子2Cの端面形状は、実施形態1のコイル素子2A,2B同様、矩形枠の外側の角部と内側の隅部の各々に丸みを持たせた形状である。
[コア]
図8および図9に示すように、本実施形態のコア片3cは、上面視したときに略E字状の形状である。このコア片3cは、コイル配置部31と、露出部32と、面取り部33とを備える。露出部32は、基部32aと、一対の外側脚部32d,32dとを備える。図中の二点鎖線は、基部32aと脚部(コイル配置部31、および一対の外側脚部32d,32d)との境界である。リアクトル1cにおいては、2つのコア片3c,3cのコイル配置部31を、それぞれコイル素子2Cの両端側からコイル素子2Cの内部に挿入する。この際、対向するコイル配置部31のコア対向面同士と、対向する外側脚部32d,32dのコア対向面同士とをそれぞれ接合することで、一体のコア3となり、リアクトル1cに閉磁路を形成することができる。以下、上述したコア片3cが備える各部につき説明する。
(コイル配置部)
本実施形態では、コイル配置部31は、実施形態1,2同様に略直方体状の形状としている。また、その端面形状、軸方向の長さ、角落とし部に関しても、実施形態1,2と同様である。
(露出部)
本実施形態における露出部32は、略]状の形状である。この露出部32は、基部32aと外側脚部32dとを備える。以下、外側脚部32dにつき説明する。
〔外側脚部〕
外側脚部32dは、露出部32の一部である。換言すれば、コアの脚部のうち、コイル2の外周の側面の一部を覆う部分をいう。本実施形態では、外側脚部32d,32dは、コイル2を挟んでコイル配置部31と並列される略直方体形状の部分であり、コイル軸方向の長さはコイル配置部31同様に、コイルの半分程度の長さとなっている。よって、上述したように、複数のコア片3c,3cを組み合わせることで一体のコア3となる。コア3と組み合されるコイル2Cが生成する磁束は、コイル配置部31を通過し、一方のコア片3cの基部32a、このコア片3cの外側脚部32d,32d、他方のコア片3cの外側脚部32d,32d、このコア片3cの基部32aを順に経て、コイル配置部31に戻る。したがって、リアクトル1cに閉磁路を形成することができる。また、外側脚部32d,32dのコイル配置部31のコア周回面に対向する面の周縁の一部は、角落とし部が形成されている。
(面取り部)
本実施形態では、面取り部33は、面取り部33a、面取り部33d、および、面取り部33rから構成される。面取り部33aは、コイル配置部31の外周面のうち、両外側脚部32d,32dと対向し合う内側面と、基部32aのコイル対向面とにより構成される隅部に形成される。面取り部33dは、両外側脚部32d,32dの外周面のうち、コイル配置部31に対向し合う内側面と、基部32aのコイル対向面とにより構成される隅部に形成される。面取り部33rは、面取り部33aの両端部、および、面取り部33dの上方側の端部に形成される。
本実施形態では、コア片3cは、6つの面取り部33rを備える。コイル配置部31のコア周回面の周縁のうち、コイル2の隅R部に対向する4つの辺は、この隅R部の形状に沿うように角落としされた角落とし部としている。この4つの角落とし部において、基部32aの近傍の領域を面取りすることで、4つの面取り部33rが形成される。同様に、外側脚部32d,32dの上面を構成する辺のうち、コイル配置部31に対向する2つの辺を角落とし部としている。この角落とし部の基部32aの近傍の領域を面取りすることで、2つの面取り部33rが形成される。面取りの形状、および大きさは、実施形態1と同様とすることができる。なお、外側脚部32d,32dの下面側の周縁には角落とししていない(角落とし部としていない)。これにより、この下面を冷却ベース側に接続した場合、下面を広い放熱経路として活用できる。
<変形例1>
以下、図10を参照し、実施形態1を変形した変形例1について説明する。
[リアクトル]
本変形例のリアクトル1dは、一対のコイル素子2A,2Bを備えるコイル2を備える点は実施形態1と同様であるが、同一の形状を有する内側コア片3d,3dと、同一の形状を有する2つの外側コア片3e,3eとを組み合わせたコア3としている点が実施形態1のリアクトルと異なる。以下、実施形態1のリアクトル1aと異なる点である、内側コア片3dおよび外側コア片3eについて説明する。
[内側コア片]
内側コア片3d,3dは、コイル2の内部に挿通されるコアであって、コイル配置部31の一部である。また、コイル2に組み合された際に、コイル軸方向の両端面の少なくとも一方がコイル端面よりも内側に位置する。本変形例の内側コア片3d,3dは、コイル素子2A,2B内に配置されるコアであり、コイル2の軸方向の両端面がコイル2の両端面よりも内側に位置している。また、本変形例の内側コア片3d,3dは、コア周回面が角落としされている。すなわち、内側コア片3d,3dは、周縁の一部が角落としされている略直方体形状である。このようにすることで、内側コア片3d,3dの周縁の欠損を防止することができる。
内側コア片3d,3dは、複合材料はもちろん、磁性体粉末を加圧成形してなる圧粉成形体、電磁鋼板を積層した積層体を用いてもよい。本変形例において、内側コア片3d,3dは圧粉成形体から構成される。以下、圧粉成形体につき詳述する。
[圧粉成形体]
本実施形態で内側コア片3d,3dを構成する圧粉成形体は、代表的には、表面に絶縁被膜を有する磁性体粉末を加圧成形した後、適宜熱処理を施すことで製造することができる。圧粉成形体の材料には、鉄基材料や希土類金属を含む合金などの磁性体粉末からなる粒子の表面に絶縁被覆を備える被覆粉末に、熱可塑性樹脂などの樹脂や高級脂肪酸などの添加剤(上記熱処理によって消失、又は絶縁物に変化するもの)を加えた混合材料を用いることが挙げられる。上記製造方法によって、磁性体粒子の周囲が絶縁被覆(例えば、リン酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、硼素化合物など)で覆われ、当該粒子間に絶縁物が介在する圧粉成形体が得られる。絶縁被覆を備える圧粉成形体は、絶縁性に優れ、渦電流損を低減することができる。また、圧粉成形体の材料には、磁性体粉末としてフェライトの粉末を用いても良い。フェライトを材料とする場合、絶縁被覆を備えていなくても、絶縁性に優れる。
使用する磁性体粉末の平均粒径は、1μm以上1000μm以下、特に10μm以上500μm以下とすることが好ましい。磁性体粉末は、平均粒径が異なる複数の粉末が混合されたものでも良いし、材質が異なる複数の粉末が混合されたものでも良いし、平均粒径も材質も異なる複数の粉末が混合されたものでも良い。なお、圧粉成形体における磁性体粉末と材料に用いた粉末とは、その大きさが実質的に同じである(維持されている)。
圧粉成形体における磁性体粉末(磁性成分)の含有量は、圧粉成形体を100体積%とするとき、体積割合で70体積%以上とすることが望ましく、80体積%以上とすることがさらに望ましい。圧粉成形体における磁性体粉末の含有量の調整は、例えば、磁性粒子の表面に形成される絶縁被覆の厚さや、圧粉成形体の作製時に磁性体粉末に加えられる樹脂や添加剤の量によって調節できる。
上記磁性体粉末の含有量から分かるように、圧粉成形体において絶縁成分に比べて磁性成分が圧倒的に多いため、圧粉成形体は、上述した複合材料に比べて高比透磁率でかつ高飽和磁束密度となり易い。この圧粉成形体の比透磁率は50以上500以下、飽和磁束密度は1.0T以上、熱伝導率は10W/m・K以上とすることが望ましい。圧粉成形体の磁気特性は、磁性体粉末の含有量を変化させることで調整できる。もちろん、磁性体粉末の材質を変更することでも圧粉成形体の磁気特性を調整できる。その他、加圧成形時の成形圧力を調整することでも、圧粉成形体の磁気特性(特に、飽和磁束密度)を変化させることができる。その場合、成形圧力を高くすることで、飽和磁束密度が高い圧粉成形体が得られる。圧粉成形体の比透磁率、および磁束密度は、上述の複合材料と同様の手法で求めることができる。
[外側コア片3e]
本変形例における外側コア片3e,3eは、上記内側コア片3d,3dと繋がることで環状のコア3を構成するコア片であり、複合材料から構成される。ここで、本変形例に係る外側コア片3eは実施形態1に係るコア片3aと同様の構成であるが、コイル配置部31のコイル軸方向の長さが、実施形態1に係るコア片3aが備えるコイル配置部31のそれよりも短い点が異なる。より詳細に説明すれば、外側コア片3eのコイル配置部31,31の軸方向の長さは、内側コア片3d,3dのコイル軸方向の長さの分だけ、実施形態1に係るコア片3aのコイル配置部31,31よりも短い。そして、内側コア片3d,3dをコイル2の内部に挿入すると共に、コイル2の内部に位置する内側コア片3d,3dのコア対向面と、外側コア片3e,3eのコア対向面(外側コア片3eの脚部のコア対向面)とを接合することで環状のコア3となり、閉磁路を形成することができる。
本実施形態によれば、外側コア片3e,3eが備えるコイル配置部31,31と基部32aとで構成される隅部から発生する漏れ磁束を低減することができる。また、内側コア片3d,3dと、外側コア片3e,3eとを組み合わせて一体のコア3とすることで、コイル配置部31の透磁率を、コイル2の中央部と両端部とで異ならせることが容易である。よって、多様な特性のリアクトル1dを実現することができる。
<実施形態4>
実施形態4では、図11および図12を参照し、実施形態に係るコンバータおよび電力変換装置について説明する。このコンバータおよび電力変換装置は、実施形態1から実施形態3、および変形例1に示したリアクトルを備える。
実施形態1〜3、および変形例1に示したリアクトルは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用することができる。この用途では、直流通電が0Aのときのインダクタンスが、10μH以上2mH以下、最大電流通電時のインダクタンスが、0Aのときのインダクタンスの10%以上を満たすものが好適に利用できると期待される。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図11に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを備える。なお、図11では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態としても良い。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図12に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを備え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態、変形実施形態に記載のリアクトルを用いる。軽量で扱い易いこれらリアクトルを用いることで、電力変換装置1100(コンバータ1110を含む)の軽量化を図ることができる。
ここで、上記車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC−DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC−DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC−DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態や変形例のリアクトルなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態や変形例のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、コイルとコアとの間には、ボビン等の絶縁部材を介在させてもよい。また、コアの突出部は、基部の上下方向に設けるのみならず、コイル軸方向と直交する方向の全方向に渡って設け、コイル端面のすべてを覆うようにしてもよい
以上の説明に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
コアとコイルとを備えるリアクトルであって、
前記コアの少なくとも一部を構成するコア片が、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料で構成され、
前記コア片が、
前記コイル端面の少なくとも一部を覆うように前記コイルの外側に配される基部と、
この基部と一体に成形され、前記基部と交差する方向に突出する脚部とを備え、
前記脚部が、前記コイルの内側に挿通されるコイル配置部を含み、
前記脚部と前記基部のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分とにより構成される隅部に形成された面取り部を有するリアクトル。
本発明のリアクトルは、損失を低減できる。よって、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載される双方向DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用することができる。本発明のリアクトル用のコア片は、リアクトルに発生する損失を低減できる。よって、リアクトルが備えるコアを構成するコア片として好適である。本発明のコンバータおよび電力変換装置は、損失が低減されかつ生産性に優れる本発明リアクトルを備えることで、車載部品などに好適に利用できる。
1a,1b,1c,1d リアクトル
2, コイル
2A,2B,2C コイル素子 2r コイル素子連結部
2a,2b 端部
3 コア
3a,3a’,3b,3c コア片
3d 内側コア片 3e 外側コア片
31,31A,31B コイル配置部
32 露出部
32a 基部 32b,32c 突出部
32d 外側脚部 32m 注入跡
33,33a,33b,33d,33r 面取り部
B バリ S 包絡輪郭
1100 電力変換装置
1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路
L リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ
1220 モータ
1230 サブバッテリ
1240 補機類
1250 車輪

Claims (10)

  1. コアとコイルとを備えるリアクトルであって、
    前記コアの少なくとも一部を構成するコア片が、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料で構成され、
    前記コア片が、
    コイルの内側に挿通されるコイル配置部と、
    このコイル配置部と一体に成形され、前記コイル端面の少なくとも一部を覆うように前記コイルの外側に配される露出部と、
    前記コイル配置部と前記露出部のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分とにより構成される隅部に形成された面取り部とを備え
    前記リアクトルを前記コイルの軸方向が設置対象に対して平行となるように設置した場合において、前記露出部が、前記リアクトルの設置対象側およびその反対側の少なくとも一方の方向に突出した突出部を含み、
    前記突出部が、前記複合材料の注入跡を備えるリアクトル。
  2. 前記露出部が、
    前記コイル端面の少なくとも一部に対向する部分を有する基部と、
    前記コイルの外周の一部を覆う外側脚部と、
    前記基部のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分と前記外側脚部とにより構成される隅部に形成された面取り部とを備える請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記面取り部の形状が円弧形状であり、この円弧の半径Rが0.5mm以上である請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記コイルは一対のコイル素子を備え、各コイル素子は互いの軸方向が平行に配置され、
    前記コイル配置部が、前記一対のコイル素子のそれぞれの内側に挿通される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 記突出部と前記コイル配置部とが構成する隅部に形成された面取り部を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記コイル配置部が、前記コイルの端面側から内部側へ傾斜する傾斜面を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記コイル配置部、前記露出部および前記面取り部の少なくともいずれかの周縁が角落しされている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
  8. コイルの内側に挿通されるコイル配置部と、
    前記コイル配置部と一体に成形され、前記コイル端面の少なくとも一部を覆うように前記コイルの外側に配される露出部と、
    前記コイル配置部と前記露出部のコイル端面の少なくとも一部に対向する部分とにより構成される隅部に形成された面取り部とを備え、
    磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成され、
    前記露出部の下方側及び上方側の少なくとも一方に突出する突出部が設けられ、
    前記突出部が、前記複合材料の注入跡を備えるリアクトル用のコア片。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のリアクトルを備えるコンバータ。
  10. 請求項9に記載のコンバータを備える電力変換装置。
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