以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施の形態における空気圧縮機は、無線信号を送受信する本体側通信部を有する。そして、運転モードや、タンク内の空気圧力などの本体情報を、作業者の近傍にある外部端末(例えば、スマートフォン)へ送信する。これにより、空気圧縮機が設置された場所まで移動することなく、空気圧縮機の状態を確認することができるようになる。
ここで、通常、作業者は、作業をしている間は、作業に集中しており外部端末を確認する頻度は多くない。そして、作業者が外部端末を確認しない時間にも、外部端末が本体情報を表示させ続けた場合、外部端末の電力を無駄に消費してしまう。そこで、本発明の一実施の形態における空気圧縮機は、外部端末から送信された本体情報要求信号を受信した場合に、本体情報を外部端末へ送信する。この本体情報要求信号は、例えば、作業が一段落し、作業者が外部端末を介して本体情報の確認を要求した場合に空気圧縮機に送信される。これにより、外部端末の電力の消費を抑制できるようになる。
また、本発明の一実施の形態における空気圧縮機は、例えば、外部端末に電話がかかってきた場合など、運転モードを静音モードに切り替えるのに望ましい状況と判定される場合に、運転モードを静音モードへ切り替える。
また、本発明の一実施の形態における空気圧縮機は、現在の時刻が所定の時間帯である場合に、モータの駆動を停止させ、現在の時刻が所定の時間帯ではない場合、モータを駆動させる。これにより、自動で空気圧縮機のモータを稼働、停止させることができるようになる。例えば、昼休みの時間帯には、空気圧縮機を自動で停止させるとともに、昼休みが終了後には、空気圧縮機を自動で稼働させることができるようになる。
なお、本発明の実施の形態は、以降に説明する空気圧縮機に替えて発電機を適用するようにしても良い。
<構成例>
図1〜図3に示す本発明の一実施の形態における空気圧縮機10は、モータ駆動により作動するコンプレッサであり、その構成について説明すると、平行となって基台11に取り付けられる2つの空気タンク12a,12bを有しており、それぞれの空気タンク12a,12bの両端部の下面には、脚部13が取り付けられている。
また、空気圧縮機10は脚部13の部分で所定の設置箇所に配置され、基台11の両端部にはハンドル部14a,14bが設けられており、空気圧縮機10はハンドル部14a,14bを作業者が把持して持ち運ぶことができる。すなわち、空気圧縮機10は、可搬型のコンプレッサである。
基台11には、図2に示すように、駆動ボックス15が取り付けられており、この駆動ボックス15にはモータ16が取り付けられている。このモータ16は、ロータつまり回転子18と、円筒形のステータつまり固定子19とを有しており、電源からの電力の供給によって駆動されるものである。本発明の一実施の形態における空気圧縮機10で用いられるモータ16は、例えば三相交流ブラシレスモータである。
回転子18にはモータ回転軸17が取り付けられ、モータ回転軸17を介して被駆動部材としての圧縮空気生成部30を駆動する。圧縮空気生成部30は、モータ16の駆動により圧縮空気を生成するものである。
また、固定子19には複数の界磁巻線つまり巻線が回転子18に対向して設けられている。回転子18は固定子19の内部に組み込まれており、このモータ16はインナーロータ型となっている。固定子19はモータ16を収容するハウジングとしての駆動ボックス15に取り付けられる。
モータ回転軸17は駆動ボックス15に回転自在に支持されている。駆動ボックス15には、モータ回転軸17の回転方向に180度の位相をずらして2つのシリンダ21a,21bが取り付けられており、それぞれのシリンダ21a,21bにはピストン22a,22bが軸方向に往復動自在に組み込まれている。
モータ回転軸17の回転運動をピストン22a,22bの軸方向の往復運動に変換するために、それぞれのピストン22a,22bには、コネクティングロッド23a,23bの一端部がピン結合されている。コネクティングロッド23a,23bの他端部には、モータ回転軸17に装着される偏心カム24a,24bが設けられており、それぞれの偏心カム24a,24bはピストン22a,22bの往復動方向に、互いに逆向き(相補的)な位置となるように偏心している。
これにより、一方のピストン22aが駆動室25a,25bを圧縮する方向に駆動されると、他方のピストン22bは駆動室25a,25bの容量を拡大させる方向に駆動される。
それぞれのシリンダ21a,21bに設けられたシリンダヘッド26a,26bには、逆止弁27a,27bが設けられている。ピストン22a,22bが駆動室25a,25bを圧縮させる方向に駆動されると、吐出室28a,28bから配管29a,29bを介して空気タンク12a,12bに圧縮空気が供給される。
ピストン22bは外気を導入して圧縮する第1段目の低圧用のピストンであり、低圧用のピストン22bにより圧縮された空気は第2段目の高圧用のピストン22aによりさらに圧縮される。上述したシリンダ21a,21bとピストン22a,22b等は、圧縮空気生成部30を構成しており、モータ16の回転子18はモータ回転軸17を介して圧縮空気生成部30に連結される。モータ16により圧縮空気生成部30が駆動されると、高圧用のピストン22aから吐出された圧縮空気が空気タンク12a,12bに溜められる。
すなわち、圧縮空気生成部30では、モータ16の回転によるピストン22a,22bの往復運動で圧縮空気が生成され、この圧縮空気生成部30で生成された圧縮空気は、空気タンク(タンク)12a,12bに溜められる。
モータ回転軸17の一端部には、モータ16の外側に位置させて冷却ファン31aが取り付けられており、モータ回転軸17の他端部には冷却ファン31bが取り付けられている。冷却ファン31bの外側には制御基板(制御部、制御部材、メイン基板)32が配置されている。
また、冷却ファン31aにより生成される冷却風はモータ16に吹き付けられ、一方、冷却ファン31bにより生成される冷却風は制御基板32に吹き付けられる。基台11にはカバー33が装着されており、図2〜図4に示すように、上述した圧縮空気生成部30、モータ16および空気タンク12a,12b等はカバー33によって覆われている。
それぞれの空気タンク12a,12bに溜められた圧縮空気を外部に供給するために、図1に示すように、空気タンク12a,12bの端部上方にはカプラ34a,34bが設けられている。それぞれのカプラ34a,34bから外部に排出される圧縮空気の圧力を調整するために、減圧弁35a,35bが空気タンク12a,12bに設けられており、減圧された空気の圧力は圧力計36a,36bおよび表示部37に表示される。
制御基板(制御部、メイン基板)32では、主に、モータ16の駆動や圧縮空気生成部30における空気の圧縮動作を制御している。これらの制御は、制御基板32に設けられる制御用のマイコンチップである後述する図5に示すコントローラ62によって行われる。
図4は、空気圧縮機10のカバーを外した状態の構造の一例を示す側面図である。図4に示されるように、本体側通信部39は、無線信号を送受信する送受信部39aを有し、本体側通信部39と、送受信部39aとは接続ケーブル64で電気的に接続される。送受信部39aは、カバー33から露出するように取り付けられている。なお、送受信部39aは、本体側通信部39上に搭載されていても良い。また、送受信部39aは、ハンドル部14a,14bの内部に設けられるようにしても良い。また、送受信部39aは、ハンドル部14a,14bから露出するように取り付けられるようにしても良い。また、本体側通信部39は、制御基板32に設けられるようにしても良い。さらに、また、本体側通信部39は、ノイズの影響が少ない位置に設けられるようにしても良い。具体的には、本体側通信部39は、後述する図5に示される、商用電源52から整流回路54までの間から離れた位置に設けられるようにしても良い。また、本体側通信部39は、後述する図5に示される、力率改善回路(PFC)55、インバータ回路51や、モータ16から離れた位置に設けられるようにしても良い。
なお、制御基板32は、カバー33の内側(空気圧縮機本体の内部)の奥まった位置に配置されており、一方、表示部37および本体側通信部39は、空気圧縮機本体のカバー33に取り付けられている。また、表示部37には、表示面がカバー33から露出するように配置されている。また、本体側通信部39は、表示部37の下部に配置され、本体側通信部39と表示部37とが積層されている。
したがって、空気圧縮機10では、送受信部39a、表示部37および本体側通信部39は、カバー33の近傍に設けられている。ただし、本体側通信部39と表示部37は、例えば、横に並んで配置されていてもよい。
図5は空気圧縮機10および外部端末100を示すブロック図である。作業者による操作を受け付ける外部端末100は、例えば、空気圧縮機10を遠隔操作するために設けられたリモコン型の専用端末器と、図11に示されるスマートフォン1001やタブレット型端末器1002やスマートウォッチ(通信機能を備えるブレスレット型端末機を含む)1003等のように、空気圧縮機10を遠隔操作する機能以外の機能を有する携帯型の汎用情報処理端末器と、を含む。また、図11に示されるように、外部端末100の一例であるスマートフォン1001、タブレット型端末器1002、スマートウォッチ1003は、空気圧縮機10との間で無線通信を介して情報を送受信する。ここで無線通信とは、既存の任意の無線通信規格・手段を採用することが可能であり、一例を挙げれば、Bluetooth(登録商標)、無線LAN規格、携帯電話網の3G回線、赤外線、Zigbee(登録商標)、アナログ方式無線通信等が挙げられる。
図5に示されるように、外部端末100は、電源部110と、制御部120と、画像処理部130と、表示部140と、入力部150と、外部端末側通信部160と、センサ部170とを有する。
また、外部端末100は、所定のハードウェアおよびソフトウェアにより実装される。例えば、外部端末100は、プロセッサやメモリなどを有し、プロセッサにより実行されるメモリ上のプログラムが、外部端末100のコンピュータを機能させる。また、外部端末100には、空気圧縮機10の運転モードや、空気タンク12a,12b内の空気圧力などの本体情報を監視可能にする本体情報監視アプリケーションがインストールされている。
外部端末100の入力部150は作業者から操作を受け付ける。入力部150は、タッチパネル、ボタン、スイッチを含む。入力部150は、作業者の操作または使用により受け付けた入力信号に対応する指示信号を制御部120へ入力する。
外部端末100の外部端末側通信部160から、空気圧縮機10に本体情報要求信号が送信されると、本体情報要求信号に対する応答である本体情報に基づく本体情報確認画面(後述、図6)が表示部140に表示される。本体情報確認画面は、作業者に本体情報を確認させるとともに、空気圧縮機10に対する遠隔操作を受け付けるためのユーザインターフェースとして機能する。
なお、本体情報要求信号は、空気圧縮機10と外部端末100との間で通信が確立された状態で本体情報監視アプリケーションが起動された場合に送信される。また、本体情報要求信号は、本体情報監視アプリケーションが起動している状態で外部端末100の入力部150が作業者から操作(例えば、タッチパネルに対するタッチ操作や、ボタンまたはスイッチを押下する操作)を受け付けた場合に送信される。また、本体情報要求信号は、表示部140に表示される画面が、他の画面から本体情報確認画面へ切り替えられた場合に送信される。そして、いずれの場合にも送信された本体情報要求信号に対する応答である本体情報に基づく本体情報確認画面が表示部140に表示される。さらに、空気圧縮機10のコントローラ62が、空気圧縮機10を検出した場合にも、本体側通信部39から本体情報が送信され、送信された本体情報に基づく本体情報確認画面が表示部140に表示される。
以下、本体情報要求信号が外部端末側通信部160から送信されてから本体情報確認画面が表示されるまでの一連の処理について説明する。空気圧縮機10の本体側通信部39は、送信された本体情報要求信号を受信する。そして、本体側通信部39は、受信した本体情報要求信号をコントローラ62に入力する。本体情報要求信号が入力されたコントローラ62は、本体情報(空気タンク12a,12b内の空気圧力や、運転モードや、モータの駆動状態(駆動しているか停止しているか)などの)を取得し、取得した本体情報を本体側通信部39に入力する。本体側通信部39は、入力された本体情報を外部端末100に送信する。外部端末100の制御部120は、本体側通信部39により送信された本体情報に基づき、本体情報確認画面を表示部140に表示させる。以下、図6を用いて本体情報確認画面について説明する。
図6に示されるように、本体情報確認画面には、気圧表示領域801と、運転モード表示領域802とが表示される。また、本体情報確認画面には、空気圧縮機10のモータ16が駆動しているか停止しているかを示す情報(「ON」の近傍のインジケータが点灯している場合は、モータ16が駆動していることを示し、「OFF」の近傍のインジケータが点灯している場合は、モータ16が停止していることを示す)が表示される。
また、本体情報確認画面(前述、図6)、切替条件設定画面(後述、図7)、スケジュール設定画面(後述、図8)では、入力部150から入力(例えば、タップ操作や、フリック操作)を受け付けることで、設定のON(またはオン)とOFF(またはオフ)とが切り替えられる。
気圧表示領域801には、空気タンク12a,12b内の空気圧力が表示される。気圧表示領域801が操作を受け付けた場合、制御部120は、指定された空気圧力へ変更させるための空気圧力変更要求信号を生成する。
運転モード表示領域802にオフと表示されている場合、運転モードが通常の運転モードであることを示す。また、運転モード表示領域802にオンと表示されている場合、運転モードが静音モードであることを示す。運転モード表示領域802の表示をオンへと切り替える入力を受け付けた場合、制御部120は、空気圧縮機10の運転モードを通常モードから静音モードへ切り替えさせる静音モード切替要求信号を生成する。また、運転モード表示領域802の表示をオフへと切り替える入力を受け付けた場合、制御部120は、空気圧縮機10の運転モードを静音モードから通常モードへ切り替えさせる通常モード切替要求信号を生成する。
また、「ON」の近傍のインジケータが点灯している状態で「OFF」の近傍のインジケータが操作を受け付けた場合、制御部120は、空気圧縮機10のモータ16の駆動を停止させる停止要求信号を生成する。また、「OFF」の近傍のインジケータが点灯している状態で「ON」の近傍のインジケータが操作を受け付けた場合、制御部120は、空気圧縮機10のモータ16を駆動させる駆動要求信号を生成する。
なお、気圧表示領域801に表示される空気圧力は、数値をデジタル表示するようにしても良い。また、空気圧力を目盛りの間隔が細かいバーグラフ(例えば、1気圧を10個の目盛りとするバーグラフ)で表示ようにしても良い。これにより、空気圧縮機10に複雑な表示装置を設けることなく、外部端末100を介して空気圧力の詳細な値を表示できるようになる。
再び図5を参照する。制御部120は生成した制御信号を外部端末側通信部160に入力する。外部端末側通信部160は、制御部120から入力された制御信号(空気圧力変更要求信号や、静音モード切替要求信号や、通常モード切替要求信号や、停止要求信号や、駆動要求信号など)を空気圧縮機10へ無線通信を介して送信する。もっとも、外部端末100の外部端末側通信部160は、空気圧縮機10へ制御信号を送信する機能のみでなく、空気圧縮機10から無線通信を介して送信される信号を受信する機能も備えている。
空気圧縮機10の本体側通信部39は、外部端末100、あるいは、外部端末100からの信号を中継する機器から無線通信を介して送信される制御信号を受信する。本体側通信部39は、受信した制御信号をコントローラ62に入力する。
空気圧力変更要求信号が入力された空気圧縮機10のコントローラ62は、指定された空気圧力へ変更させるための制御をする。また、静音モード切替要求信号が入力された空気圧縮機10のコントローラ62は、運転モードを静音モードへと切り替える制御をする。また、通常モード切替要求信号が入力されたコントローラ62は、運転モードを通常モードへ切り替える制御をする。また、駆動要求信号が入力されたコントローラ62は、モータ16を駆動させる制御をする。また、停止要求信号が入力されたコントローラ62は、モータ16の駆動を停止させる制御をする。
制御信号と対応する制御をしたコントローラ62は、対応する制御が完了したことを示す情報(以下、完了情報と呼ぶ場合がある)を、本体側通信部39に送信させる。外部端末100の外部端末側通信部160は、送信された完了情報を受信し、受信した完了情報を制御部120に入力する。完了情報が入力された制御部120は、画像処理部130を介して表示部140に対応する制御が完了したことを示す情報を表示する。
また、外部端末100の表示部140は、切替条件設定画面を表示する。切替条件設定画面では、自動で静音モードへ切り替えられる条件(以下、切替条件と呼ぶ場合がある)が設定される。以下、図7を用いて切替条件設定画面について説明する。
切替条件としては、「通話」「他アプリ起動」「スケジュール」などがある。切替条件設定画面には、「通話」を切替条件として設定するための通話選択ボタン601と、「他アプリ起動」を切替条件として設定するための他アプリ起動選択ボタン602と、「スケジュール」を切替条件として設定するためのスケジュール選択ボタン603とが表示される。
通話選択ボタン601が入力を受け付けることで、OFFからONへと切り替えられた場合、切替条件として「通話」が設定される。
他アプリ起動選択ボタン602が入力を受け付けることで、OFFからONへと切り替えられた場合、切替条件として「他アプリ起動」が設定される。
スケジュール選択ボタン603が入力を受け付けることで、OFFからONへと切り替えられた場合、切替条件として「スケジュール」が設定されるとともに、スケジュール設定画面(後述、図8)へと表示が切り替えられる。以下、図8を用いてスケジュール設定画面について説明する。
図8に示されるように、スケジュール設定画面には、自動で静音モードへ切り替える時間帯(開始時刻と終了時刻とからなる)を選択する入力を受け付ける時間帯選択ボタン701と、時間帯指定欄702と、登録ボタン703とが表示される。
時間帯選択ボタン701が選択されることで、選択された時間帯選択ボタン701と対応する時間帯が設定される。なお、選択された時間帯選択ボタン701は、選択されていない時間帯選択ボタン701とは異なる態様(例えば、チェック表示がされるなど)で表示される。
時間帯指定欄702は、新規に追加する時間帯の入力を受け付ける。時間帯指定欄702に時間帯を入力後、登録ボタン703が入力を受け付けることで、入力された時間帯と対応する時間帯選択ボタン701が追加される。
選択された時間帯は、空気圧縮機10へ送信され、空気圧縮機10の記憶部に記憶される。これにより、テンキーなどを空気圧縮機10に設けることなく、自動で静音モードへ切り替える時間帯を空気圧縮機10に記憶させることができるようになる。
再び図5を参照する。外部端末100の制御部120は、設定された切替条件に基づき、静音モードへの切替条件を満たしたかを判定する。
なお、切替条件として「通話」が設定されている場合、制御部120は、外部端末100に着信および発信があった場合に、静音モード切替要求信号を生成する。詳細には、外部端末100の外部端末側通信部160が発呼信号を送受信する場合に、静音モード切替要求信号を生成する。なお、制御部120は、外部端末100が他の外部端末100などとの間の通話が確立した場合に静音モード切替要求信号を生成するようにしても良い。
また、切替条件として「他アプリ起動」が設定されている場合、制御部120は、本体情報監視アプリケーション以外のアプリケーションが起動された場合に、静音モード切替要求信号を生成する。
また、切替条件として「スケジュール」が設定されている場合、制御部120は、現在の時刻が、スケジュール設定画面(前述、図8)にて設定された時刻になった場合に静音モード切替要求信号を生成する。制御部120は、静音モード切替要求信号に替えて空気圧縮機10のモータ16の駆動を停止させる停止要求信号を生成するようにしても良い。
制御部120は生成した静音モード切替要求信号を外部端末側通信部160に入力する。外部端末側通信部160は、制御部120から入力された静音モード切替要求信号を空気圧縮機10へ無線通信を介して送信する。空気圧縮機10の本体側通信部39は、外部端末100から送信される静音モード切替要求信号を受信する。本体側通信部39は、受信した静音モード切替要求信号をコントローラ62に入力する。そして、コントローラ62は、運転モードを静音モードへと切り替える制御をする。
外部端末100は電源部110を備えており、外部端末100は、電源部110から供給される電力によって駆動される。電源部110は、例えば、充電式バッテリを含む。
空気圧縮機10の商用電源52からの電力の供給が開始されると、空気圧縮機10のコントローラ62は、時刻要求信号を本体側通信部39に入力する。時刻要求信号が入力された本体側通信部39は、時刻要求信号を外部端末100へ送信する。送信された時刻要求信号が入力された外部端末100の制御部120は、現在の時刻を所定間隔ごとに外部端末側通信部160に入力する。そして、外部端末側通信部160は、入力された現在の時刻を入力される度に空気圧縮機10へ送信する。空気圧縮機10の本体側通信部39は、現在の時刻を受信し、受信した現在の時刻をコントローラ62に入力する。コントローラ62は、現在の時刻が、予め入力された所定の時間帯(昼休み、12:00〜13:00)になったと判定する場合に、モータ16の駆動を停止させる。コントローラ62は、その後、現在の時刻が所定の時間帯ではなくなった場合、モータ16を駆動させる。なお、モータ16の駆動を停止させる時間帯は、外部端末100が入力を受け付けることで入力され、入力された後に、空気圧縮機10に送信される。外部端末100から送信された時間帯は、本体側通信部39により受信され、その後、コントローラ62により、図示しない記憶部に記憶される。なお、外部端末100にて、現在の時刻が入力された所定の時間帯であるかを判定するようにしても良い。そして、現在の時刻が入力された所定の時間帯になった場合に、外部端末100が空気圧縮機10に停止要求信号を送信し、現在の時間ではなくなった場合に、外部端末100が空気圧縮機10に駆動要求信号を送信するようにしても良い。
空気圧縮機10の表示部37は、例えばタッチパネルが該当する。そして、表示部37は、空気タンク12a,12b内の空気圧力や空気圧縮機10の運転状態、運転モードを作業者に報知し、さらに、操作スイッチとしても機能する。また、空気圧縮機10の空気タンク12a,12b内の空気圧力、運転状態、および運転モードはコントローラ62が、空気圧縮機10の表示部37に表示する。なお、表示部37に替えて圧力表示用LED、運転状態表示用LED、運転モード表示用LED等を適用するようにしても良い。空気圧縮機10のコントローラ62は、表示部37から入力される信号に基づいて、空気圧縮機10を制御する。
空気圧縮機10は、U相、V相およびW相の各巻線に対する駆動電流を制御するためのインバータ回路51を有している。インバータ回路51には、商用電源52の交流を直流に整流するための整流回路54と、整流された直流電圧を昇圧してインバータ回路51に供給するための力率改善回路(PFC)55とを介して電力が供給される。力率改善回路55は、MOSFETからなるトランジスタTrにPWM制御信号を出力するIC56を有しており、インバータ回路51のスイッチング素子で発生する高調波電流を制限値以下に抑える。なお、商用電源52と整流回路54との間には、インバータ回路51等で生じたノイズを商用電源側に伝えないようにするために、雑音対策回路53が設けられている。
空気圧縮機10のインバータ回路51は、3相フルブリッジインバータ回路であり、それぞれ直列に接続された2つのスイッチング素子Tr1、Tr2と、2つのスイッチング素子Tr3、Tr4と、2つのスイッチング素子Tr5、Tr6とを有し、それぞれは、力率改善回路55の正極と負極の出力端子に接続される。正極側に接続される3つのスイッチング素子Tr1、Tr3、Tr5は、ハイサイド側となっており、負極側に接続される3つのスイッチング素子Tr2、Tr4、Tr6は、ロウサイド側となっている。2つのスイッチング素子Tr1、Tr2の間には、U相の巻線の一方の接続端子が接続される。2つのスイッチング素子Tr3、Tr4の間には、V相の巻線の一方の接続端子が接続される。2つのスイッチング素子Tr5、Tr6の間には、W相の巻線の一方の接続端子が接続される。U相、V相およびW相のそれぞれの巻線の他方の接続端子は、相互に接続されており、各巻線はスター結線となっている。なお、結線方式としては、デルタ結線としても良い。それぞれのスイッチング素子Tr1〜Tr6としては、MOSFETが使用されている。
例えば、ハイサイド側のスイッチング素子Tr1と、ロウサイド側のスイッチング素子Tr4のゲートに制御信号が通電されると、U相とV相の巻線に電流が供給される。それぞれのスイッチング素子に供給される制御信号のタイミングを調整することにより、各巻線に対する転流動作が制御される。
空気圧縮機10のインバータ回路51に制御信号を演算して出力するモータ制御ユニット61は、コントローラ62を有しており、コントローラ62は図2に示した制御基盤32に設けられている。コントローラ62からは制御信号出力回路63を介してインバータ回路51に制御信号が送られる。表示部37が作業者による操作を受け付けることにより、モータのオンオフとモータ回転数の信号が操作スイッチ検出回路65を介してコントローラ62に送られる。回転位置検出センサとしてのホール素子S1〜S3の検出信号は、回転子位置検出回路66に送られる。回転子位置検出回路66からはモータ回転数検出回路67に信号が送られ、モータ回転数検出回路67からはコントローラ62にモータ回転数に応じた信号が出力される。モータ16に流れる電流を検出するためのモータ電流検出回路68からは、コントローラ62にモータ電流に応じた検出信号が送られる。
コントローラ62は、制御信号を演算するマイクロプロセッサと、制御プログラム、演算式およびデータなどが格納されるメモリとを有しており、コントローラ62は、巻線に対する通電タイミングを制御する通電相切替制御部と、ホール素子S1〜S3の検出信号に基づいて通電タイミングを進めるための進角制御部とを構成している。
モータ回転数は各巻線に供給される実効電圧を調整することにより制御される。巻線に対する実効電圧制御は、例えば、スイッチング素子をPWM制御することによって、インバータ回路51の各スイッチング素子Tr1〜Tr6のゲートに印加されるオン信号のデューティ比を調整することにより行われる。例えば、デューティ比を10%に設定すると、力率改善回路55からの出力電圧の10%の電圧が各巻線に供給され、デューティ比を100%に設定すると、モータ回転数は最大回転数となる。このように、空気圧縮機10のコントローラ62は電圧制御部を構成している。
電圧検出回路57は、検出した電圧を本体情報としてコントローラ62に入力する。
また、空気圧縮機10は、電力供給部(不図示)を有する。空気圧縮機10の電力供給部は、外部端末100の電力被供給部(不図示)と接触することで、外部端末100の電源部110(充電式バッテリ)へ電力を供給する。外部端末100の電源部110は、空気圧縮機10の電力供給部から電力が供給されることで充電される。なお、空気圧縮機10の電力供給部は、カバー33上面に露出した状態で設けられる。
図9は、空気圧縮機の送受信部39aの構造の一例を示す平面図である。図9に示されるように、送受信部39aには、アンテナ部39cが形成されている。そして、アンテナ部39cによって、無線信号を送受信する。アンテナ部39cが受信した無線信号は接続ケーブルを介して無線通信部に入力される。また、無線通信部から出力される無線信号は、アンテナ部39cから送信される。
<全体処理>
図10は、本発明の一実施の形態における全体処理の概要を示す図である。なお、全体処理は、外部端末100にインストールされた本体情報監視アプリケーションが起動された場合に開始する。
まず、S1001にて、外部端末側通信部160は、本体情報要求信号を送信する。
次に、S1002にて、空気圧縮機10の本体側通信部39は、受信した本体情報要求信号の応答である本体情報を送信する。
次に、S1003にて、表示部140は、S1002にて送信された本体情報に基づいて、本体情報確認画面(前述、図6)を表示する。
次に、S1004にて、外部端末100の制御部120は、切替条件設定画面(前述、図7)にて入力された切替条件に基づき、静音モードへの切替条件を満たしたかを判定する。制御部120が、静音モードへの切替条件を満たしていないと判定する場合(S1004−No)、S1008へ進む。一方、制御部120が、静音モードへの切替条件を満たしたと判定する場合(S1004−Yes)、S1005へ進む。
S1004にてYesだった場合、S1005にて、制御部120は、空気圧縮機10の運転モードを静音モードへ切り替えさせる静音モード切替要求信号を生成し、生成した静音モード切替要求信号を外部端末側通信部160に入力する。外部端末側通信部160は、入力された静音モード切替要求信号を空気圧縮機10へ送信する。
次に、S1006にて、空気圧縮機10の本体側通信部39は、外部端末側通信部160から送信された静音モード切替要求信号を受信する。そして、本体側通信部39は、受信した静音モード切替要求信号を、コントローラ62へ入力する。
次に、S1007にて、空気圧縮機10のコントローラ62は、運転モードを静音モードへと切り替える。その後、空気圧縮機10の本体側通信部39は、静音モードへの切り替えが完了したことを示す情報を外部端末100へ送信する。切替完了情報が入力された外部端末100の制御部120は、画像処理部130を介して表示部140に静音モードへの切り替えが完了したことを示す情報を表示する。
次に、S1008にて、空気圧縮機10のコントローラ62は、本体情報(例えば、運転モードや空気タンク12a,12b内の空気圧力)を外部端末10へ送信する条件(以下、本体情報送信条件と呼ぶ場合がある)を満たしたかを判定する。コントローラ62が、本体情報送信条件を満たしていないと判定する場合(S1008−No)、S1011へ進む。一方、コントローラ62が、本体情報送信条件を満たしたと判定する場合(S1008−Yes)、S1009へ進む。なお、空気圧縮機10のコントローラ62は、外部端末側通信部160から送信される本体情報要求信号を、本体側通信部39が受信した場合に、本体情報送信条件を満たしたと判定する。また、空気圧縮機10のコントローラ62は、空気圧縮機10に発生した異常を検出した場合に、本体情報送信条件を満たしたと判定する。
次に、S1009にて、空気圧縮機10のコントローラ62は、本体情報を本体側通信部39に入力する。本体側通信部39は、入力された本体情報を外部端末100に送信する。なお、空気圧縮機10に異常が発生した場合には、コントローラ62は、異常が発生したことを警告するための警告情報または本体情報の少なくとも一方を本体側通信部39に送信させる。
次に、S1010にて、外部端末100の外部端末側通信部160は、受信した本体情報を制御部120に入力する。制御部120は、入力された本体情報に基づき、画像処理部130を介して本体情報確認画面(前述、図6)を表示部140に表示させる。
次に、S1011にて、コントローラ62は、本体情報監視処理を終了するか判定する。コントローラ62が本体情報監視処理を終了しないと判定する場合(S1011−No)、S1004へ戻る。一方、コントローラ62が本体情報監視処理を終了すると判定する場合(S1011−Yes)、全体処理を終了する。
なお、コントローラ62は、現在の時刻が予め入力された所定の時間帯(昼休み、12:00〜13:00)になったと判定する場合、モータ16の駆動を停止させる。コントローラ62は、その後、現在の時刻が所定の時間帯ではなくなった場合、モータ16を駆動させる。
<本実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態における空気圧縮機10によれば、本体側通信部39が、本体情報を外部端末100へ送信することで、空気圧縮機10が設置された場所まで移動することなく、空気圧縮機10の状態を確認できるようになる。
また、本体側通信部39が、モータ16の駆動が停止した場合、本体情報を外部端末100へ送信することで、作業者は、空気圧縮機10が設置された場所まで移動することなくモータ16の駆動が停止したことを確認できるようになる。
また、本体側通信部39が、空気圧縮機10にて発生した異常が検出された場合、警告情報または本体情報の少なくとも一方を外部端末100に送信することで、作業者は、空気圧縮機10が設置された場所まで移動することなく空気圧縮機10に異常が発生したことを知ることができるようになる。さらに、作業者は、発生した異常の原因を特定するための情報である本体情報を確認できるようになる。
また、本体側通信部39が、外部端末100から送信された本体情報要求信号を受信した場合にだけ本体情報を外部端末100へ送信することで、外部端末100の電力の消費を抑制できるようになる。なお、外部端末100がスマートフォンである場合、電力の消費を抑制することは特に重要である。
また、コントローラ62が、静音モードへの切替条件を満たしたと判定する場合、運転モードを静音モードへ切り替えることで、状況に応じて運転モードを自動で静音モードへ切り替えることができるようになる。
また、コントローラ62が、現在の時刻が所定の時刻になった場合に、運転モードを静音モードへ切り替えることで、例えば、騒音を発生させることが望ましくない時間帯(早朝や夕方など)には、運転モードを静音モードに自動で切り替えられるようになる。
また、コントローラ62が、現在の時刻が所定の時間帯である場合に、モータ16の駆動を停止させ、現在の時刻が所定の時間帯ではない場合、モータ16を駆動させることで、例えば、昼休みの時間帯には、空気圧縮機10を自動で停止させるとともに、昼休みが終了後には、空気圧縮機10を自動で稼働させることができるようになる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、空気圧縮機が発電機である実施形態もある。