JP2012031789A - 小型コンプレッサーの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工設備ごとに備えられ、該加工設備の空圧機器に圧縮空気を供給する小型コンプレッサーにおいて、消費エネルギーの低減化を図った該小型コンプレッサーの制御方法を提供することを課題とする。
【解決手段】小型コンプレッサー1は、空気を圧縮するとともに、その圧縮空気を吐出するコンプレッサーユニット11と、コンプレッサーユニット11を駆動するサーボモータ12と、サーボモータ12の駆動状態を制御するサーボアンプ13と、を有し、サーボアンプ13は、NC装置(制御装置)4によってサーボモータ12を駆動するタイミングが制御され、NC装置(制御装置)4は、空圧機器2が動作するタイミングに合わせてコンプレッサーユニット11より空圧機器2に圧縮空気が供給されるように、サーボアンプ13を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、加工設備ごとに備えられ、該加工設備の空圧機器に圧縮空気を供給する小型コンプレッサーの制御方法の技術に関する。
従来から、工作機械などの加工設備には複数の空圧機器が備えられ、これら空圧機器の原動力となる圧縮空気は、工場内に配設される大型コンプレッサーにより一括して供給されている。
即ち、工場内に配設される複数の加工設備と、大型コンプレッサーとの間には、配管設備がそれぞれ設けられ、これら加工設備への圧縮空気の供給は、共通の大型コンプレッサーから前記配管設備を通じて行われる。
このように、複数の加工設備に対する圧縮空気の供給源を、加工設備の外部に設けた共通の大型コンプレッサーとする場合、例えば、ある加工設備が停止していても、別の加工設備が稼動していると、大型コンプレッサーは圧縮空気の供給を継続しなければならず、工場内設備の省エネルギー化を図ることが困難であった。
また、工場内に点在する複数の加工設備と、大型コンプレッサーとを連結する配管設備は大掛かりなものとなり、配管工事にかかる費用が嵩張り、各加工設備のコストの低減化を図ることが困難であった。
このような問題点を改善するための手段として、「特許文献1」、および「特許文献2」に示される技術が提案されている。
即ち、「特許文献1」においては、複数の空圧利用機器(空圧機器)を内蔵し、それらの空圧利用機器(空圧機器)の各々にコンプレッサー(小型コンプレサー)を接続し、各空圧利用機器(空圧機器)がそれぞれに対応するコンプレッサー(小型コンプレサー)から供給される空圧(圧縮空気)を利用する構成にしたことを特徴とする機械(加工設備)が開示されている。
また、「特許文献2」においては、モータ部とエアーポンプ部を分離、ユニット化し、ユニット化されたモータの出力軸に直接エアーポンプを組合せ、発生する圧縮空気を直接空圧機器に送り込み、機器(該空圧機器)を作動させる小型小容量の圧縮空気発生装置(小型コンプレッサー)が開示されている。
特開2003−25168号公報 実開平7−35793号公報
このような、前記「特許文献1」、および前記「特許文献2」に示される技術に拠れば、各加工設備に備えられる複数の空圧機器に圧縮空気を供給するための小型コンプレッサーを、加工設備ごとに配設することが可能となる。
よって、工場内において、例えば、停止している加工設備と、稼動している加工設備とが混在する場合、前者の加工設備に配設される小型コンプレッサーを停止させるとともに、後者の加工設備に配設される小型コンプレッサーのみを稼動させることができる。
従って、工場内設備の省エネルギー化を容易に図ることが可能となる。
また、加工設備ごとに小型コンプレッサーを各々配設することで、従来のような、大型コンプレッサーとの間に設けられる大掛かりな配管設備も省略することができ、各加工設備のコストの低減化を図ることも可能となる。
しかし、これら前記「特許文献1」、および前記「特許文献2」において、小型コンプレッサーの駆動部となるモータは通常、誘導電動機(IM:Induction Motor)が多く用いられる。
そして、誘導電動機は一般的に応答性が低く、効率(モータに入力された電力に対する仕事量の割合)も低い。そのため、前記誘導電動機の起動後、コンプレッサーによって予め定められた圧力にまで圧縮空気の圧力が高められるには数分かかり、長時間を有する。
一方、加工設備に備えられる複数の空圧機器は、それぞれおよそ0.1秒単位で動作が制御されており、これら空圧機器に対する圧縮空気の供給は、各空圧機器の動作に追従して行う必要がある。
このようなことから、前記「特許文献1」、および前記「特許文献2」に示される小型コンプレッサーにおいては、モータの起動・停止を制御し、各空圧機器の動作に追従して運転することにより圧縮空気の供給を行うことが困難であった。
よって、小型コンプレッサーは圧縮空気の圧力を保持するために、常時運転されることとなり、各空圧機器が停止している場合においても、該空圧機器を有する加工設備が稼動している限り、小型コンプレッサーは常にこれら空圧機器に対して圧縮空気を供給し続けることとなる。
従って、加工設備全体としての消費エネルギー(例えば、小型コンプレッサーを稼動するために必要な電力や、該小型コンプレッサーによって供給される圧縮空気)の低減化を図ることは困難であった。
本発明は、以上に示した現状の問題点を鑑みてなされたものであり、加工設備ごとに備えられ、該加工設備の空圧機器に圧縮空気を供給する小型コンプレッサーにおいて、消費エネルギーの低減化を図った該小型コンプレッサーの制御方法を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、制御装置によって動作が制御される空圧機器を備えた加工設備ごとに備えられ、前記空圧機器に圧縮空気を供給する小型コンプレッサーの制御方法であって、該小型コンプレッサーは、空気を圧縮するとともに、その圧縮空気を空圧機器に対して吐出するコンプレッサーユニットと、該コンプレッサーユニットを駆動するサーボモータと、該サーボモータの駆動状態を制御するサーボアンプと、を有し、前記サーボアンプは、前記制御装置によって前記サーボモータを駆動するタイミングが制御され、前記制御装置は、前記空圧機器が動作するタイミングに合わせて前記コンプレッサーユニットより前記空圧機器に圧縮空気が供給されるように、前記サーボアンプを制御するものである。
請求項2においては、請求項1に記載の小型コンプレッサーの制御方法であって、前記制御装置には予め定められた閾値が与えられ、前記空圧機器に供給される圧縮空気の圧力が前記閾値以上である場合、前記制御装置は前記サーボモータの駆動を停止するように前記サーボアンプを制御するものである。
請求項3においては、請求項2に記載の小型コンプレッサーの制御方法であって、前記小型コンプレッサーの作動ステップとして、前記制御装置が前記サーボアンプに「圧縮空気供給開始指令」を行っているかどうかを判断する第一判断ステップと、前記第一判断ステップにおいて前記「圧縮空気供給開始指令」を行っている場合、前記制御装置によって、前記空圧機器に供給される圧縮空気の圧力が前記閾値以上であるかどうかを判断する第二判断ステップと、前記第二判断ステップにおいて、前記圧縮空気の圧力が前記閾値未満である場合、前記サーボモータを駆動する駆動ステップと、前記駆動ステップの開始より一定時間後に、再び前記制御装置によって、前記空圧機器に供給される圧縮空気の圧力が前記閾値以上であるかどうかを判断する第三判断ステップと、前記第三判断ステップにおいて、前記圧縮空気の圧力が前記閾値以上である場合、前記制御装置が前記サーボアンプに「圧縮空気供給停止指令」を行っているかどうかを判断する第四判断ステップと、を備えるものである。
請求項4においては、請求項1乃至請求項3のうちの何れか一項に記載の小型コンプレッサーの制御方法であって、前記制御装置はNC装置であるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る小型コンプレッサーの制御方法に拠れば、加工設備ごとに備えられ、該加工設備の空圧機器に圧縮空気を供給する小型コンプレッサーにおいて、消費エネルギーの低減化を図った該小型コンプレッサーの制御方法を提供することができる。
本発明の一実施例に係る小型コンプレッサーを備えた加工設備全体の構成を示したブロック線図。 小型コンプレッサーの制御方法を示したフローチャート。 設備加工サイクルに対する圧縮空気の圧力変動を示した図であり、上段は空圧機器が圧縮空気を必要とするタイミングを示した線図であり、下段は小型コンプレッサーが圧縮空気を供給するタイミングを示した線図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
[加工設備100の全体構成]
先ず、本発明に係る小型コンプレッサー1を備えた加工設備100の全体構成について、図1を用いて説明する。
加工設備100は圧縮空気を動力源とする空圧機器2を有した機械であり、例えば工作機械やプレス機械などによって代表される。
そして、加工設備100には小型コンプレッサー1が備えられ、該小型コンプレッサー1によって前記空圧機器2に圧縮空気が供給される。
また、加工設備100は、前記空圧機器2のほか、電気を動力源とする駆動モータ(図示せず)や、作動油を動力源とする油圧機器(図示せず)などからなる機構部3を有し、これら空圧機器2や機構部3の動作は、共通のNC装置4によって集中的に制御される。
NC装置4は、数値制御によってこれら空圧機器2や機構部3の動作を制御する制御装置であり、主に入力部41やNC制御ユニット42などにより構成される。
入力部41は、加工設備100の運転に関する実行プログラムなどの各種情報をNC制御ユニット42に入力するためのものである。
入力部41は、テープリーダーや操作パネルなどからなる入力機器41aや、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力を検出する圧力検出器41bなどにより構成される。
そして、これら入力機器41aや圧力検出器41bなどを介して入力された情報は電気信号に変換され、NC制御ユニット42に送信される。
NC制御ユニット42は、入力部41によって入力された情報を演算処理するためのものであり、CPUからなる演算処理部43や、RAMやROMなどからなる記憶部44などにより構成される。
記憶部44には、入力機器41aによって入力された前記実行プログラムなどが格納されるとともに、圧力検出器41bによって入力された検出値(圧力値)が、演算処理部43の命令によって一時的に保存される。
一方、演算処理部43は記憶部44より必要な情報を読み出して演算処理し、その際の演算結果は再び記憶部44に保存される。
そして、前記演算結果に基づいて、演算処理部43より空圧機器2(より詳しくは、後述する小型コンプレッサー1)や機構部3に出力信号を送信することで、これら空圧機器2や機構部3は動作され、加工設備100の運転はNC装置4によって制御される。
[小型コンプレッサー1]
次に、小型コンプレッサー1の構成について、図1を用いて詳述する。
小型コンプレッサー1は上述のとおり、加工設備100ごとに備えられ、該加工設備100が有する空圧機器2に圧縮空気を供給するための装置である。
小型コンプレッサー1は、主にコンプレッサーユニット11やサーボモータ12やサーボアンプ13などにより構成される。
コンプレッサーユニット11は、加工設備100周辺の空気を取り込んで該空気を圧縮するとともに、その圧縮空気を外部に吐出するための機器である。
コンプレッサーユニット11に配設される圧縮空気の吐出口は、配管設備(図示せず)を介して空圧機器2と連結されており、コンプレッサーユニット11より吐出された圧縮空気は空圧機器2に供給される。
なお、前述した圧力検出器41bは前記配管設備に備えられ、該圧力検出器41bによって、コンプレッサーユニット11より吐出された圧縮空気の圧力が、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力として検出される。
サーボモータ12は、小型コンプレッサー1の動力部であり、コンプレッサーユニット11を駆動するための機器である。
サーボモータ12の出力軸はコンプレッサーユニット11の内部に直接挿入され、該内部において、コンプレッサーユニット11の圧縮機構部(図示せず)と駆動連結される。
そして、サーボモータ12の始動・停止を切り替えることで、コンプレッサーユニット11による圧縮空気の吐出量は制御される。また、サーボモータ12の運転条件(例えば、出力軸の回転速度や、回転角度などに関する条件。以下同じ。)を変更することで、コンプレッサーユニット11による圧縮空気の圧力は制御される。
サーボアンプ13は、サーボモータ12の駆動状態を制御するための機器である。
サーボアンプ13は、サーボモータ12およびNC装置4の演算処理部43と電気的に接続される。
そして、サーボアンプ13は、サーボモータ12を駆動する旨の電気信号をNC装置4より受信すると、該電気信号に基づいて、サーボモータ12の駆動に関する具体的な運転条件を演算処理し、これによって求められた演算結果に基づいて、サーボモータ12に出力信号を送信し、該サーボモータ12の駆動状態を制御する。
換言すれば、サーボアンプ13は、NC装置4によってサーボモータ12を駆動するタイミング(サーボモータ12が始動・停止するタイミング)を制御されるのである。
このように、本実施例における小型コンプレッサー1においては、従来の小型コンプレッサーに多く用いられていた誘導電動機(IM:Induction Motor)に比べて応答性が高く、効率(モータに入力された電力に対する仕事量の割合)も高いサーボモータ12が動力部として設けられるとともに、該サーボモータ12の駆動状態は、NC装置4からの電気信号に基づいてサーボアンプ13が演算処理した演算結果によって制御することとしている。
このようなことから、サーボモータ12の起動後、小型コンプレサー1によって吐出される圧縮空気の圧力が、予め定められた圧力にまで高められるのに必要な時間を短縮化することができ、サーボモータ12の起動・停止を精確に制御して小型コンプレッサー1を運転することにより、およそ0.1秒単位によって動作が制御される空圧機器2に対しても、該空圧機器2の動作に追従して圧縮空気を供給することが可能となる。
よって、加工設備100の稼動状態において、たとえ他の機構部3が動作していても、空圧機器2が停止している間は、小型コンプレッサー1の運転を停止することが可能となる。
従って、加工設備全体としての消費エネルギー(例えば、小型コンプレッサー1を稼動するために必要な電力や、該小型コンプレッサー1によって供給される圧縮空気)の低減化を図ることができるのである。
また、本実施例における小型コンプレッサー1においては、サーボモータ12を駆動するタイミングを、NC装置4によって制御することとしている。
このような構成とすることで、小型コンプレッサー1は、さらに効果的に消費エネルギーの低減化を実現することを可能としている。
即ち、従来の小型コンプレサーにおいては、駆動部である誘導電動機は、コンプレッサーと空圧機器との間に設けられる配管設備に備えられる圧力検出器が、圧縮空気の圧力低下を検出した場合においても、強制的に駆動されるように制御されていた。
よって、例えば、前記配管設備が破損し、圧縮空気が外部に漏れ出して圧力低下を生じた場合においても、誘導電動機は強制的に駆動され、従来の小型コンプレッサーより吐出された圧縮空気は、空圧機器に供給されず、外部に放出されることとなっていた。
一方、本実施例における小型コンプレッサー1は、サーボモータ12を駆動するタイミングをNC装置4による出力信号のみによって行うため、このような配管設備の破損による圧縮空気の圧力低下が生じた場合においても、サーボモータ12が強制的に駆動されることはなく、消費エネルギーの無駄を低減することができるのである。
また、本実施例における小型コンプレッサー1においては、空圧機器2と、小型コンプレッサー1との間に設けられる配管設備に、小型コンプレッサーより吐出される圧縮空気が常時供給されることもなく、前記配管設備が劣化する周期を伸ばすことができる。
その結果、加工設備100のメンテナンスにかかる経費を低減することができ、経済的である。
[小型コンプレッサー1の制御方法]
次に、小型コンプレッサー1の制御方法について、図1、および図2を用いて説明する。
先ず始めに、図1において、加工設備100の運転に関する実行プログラムがNC装置4の記憶部44に格納されている状態において、加工設備100のオペレータは、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力について閾値(P)を予め設定し、入力機器41aを介して、該閾値(P)に関する情報をNC装置4に入力する。
NC装置4に入力された閾値(P)に関する情報は、演算処理部43を介して記憶部44に保存される。
その後、オペレータの操作によって加工設備100の運転が開始されると、演算処理部43は記憶部44より前記実行プログラムを読み出して演算処理を開始する。
図2において、前記演算処理の結果、空圧機器2を動作する旨の演算結果を得ると、NC装置4は、サーボアンプ13に出力信号を送信する。
より具体的には、NC装置4は前記演算結果に基づいて、「空圧機器2を動作させるために、小型コンプレッサー1によって空圧機器2に圧縮空気の供給を開始する旨の出力信号(以下、「圧縮空気供給開始指令」と記す)」をサーボアンプ13に送信する。
つまり、NC装置4は、空圧機器2が動作するタイミングに合わせて、小型コンプレッサー1のコンプレッサーユニット11より前記空圧機器2に圧縮空気が供給されるように、サーボアンプ13を制御するのである。
一方、サーボアンプ13は、NC装置4からの出力信号に関する受信状態を常に監視しており、NC装置4より「圧縮空気供給開始指令」を受信したと判断すると(ステップS101)、サーボモータ12の運転を開始するための準備状態となる。
なお、前記「準備状態」とは、後にNC装置4によって送信される「駆動指令」に基づいて、サーボモータ13の具体的な運転条件を算出するための準備状態をいう。
また、サーボアンプ13は、NC装置4より「圧縮空気供給開始指令」を受信していないと判断すると(ステップS101)準備状態とはならず、小型コンプレッサー1が運転を開始することはない。
このように、前記ステップS101では、第一判断ステップとして、NC装置4がサーボアンプ13に「圧縮空気供給開始指令」を行っているかどうかが判断される。
前記「準備状態」が完了すると、サーボアンプ13はNC装置4に出力信号を送信する。
そして、該出力信号を受信すると、NC装置4は圧力検出器41bに対して、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力を検出する旨の出力信号を送信する。
NC装置4からの出力信号を受信した圧力検出器41bは、空圧機器2に供給される圧縮空気の、現時点における圧力値(P1)を検出する(ステップS102)。
そして、圧力検出器41bは、検出した圧力値(P1)を電気信号に変換してNC装置4の演算処理部43に送信する。
圧力値(P1)に関する電気信号を受信した演算処理部43は、受信した圧力値(P1)に基づいて演算処理を行う。
より具体的には、演算処理部43は、記憶部44に保存された閾値(P)を読み出し、これら圧力値(P1)と閾値(P)についての比較演算を行う。
そして、該比較演算の結果、圧力値(P1)が閾値(P)未満であれば(ステップS103)、NC装置4は、これら圧力値(P1)と閾値(P)との圧力差に関する情報とともに、サーボモータ12に関する「駆動指令」を、サーボアンプ13に送信する(ステップS104)。
一方、前記比較演算の結果、圧力値(P1)が閾値(P)以上であれば(ステップS103)、NC装置4より前記「駆動指令」がサーボアンプ13に送信されず、小型コンプレッサー1が運転を開始することはない。
つまり、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力値(P1)が閾値(P)以上である場合、NC装置(制御装置)4はサーボモータ12の駆動を停止するようにサーボアンプ13を制御するのである。
このように、NC装置4がサーボアンプ13に「圧縮空気供給開始指令」を行った場合、前記ステップS102・S103では、第二判断ステップとして、NC装置(制御装置)4によって空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力(P1)が閾値(P)以上であるかどうかが判断される。
NC装置4による前記「駆動指令」のサーボアンプ13への送信(ステップS104)後、サーボアンプ13は、前記「駆動指令」に関する電気信号を受信すると、サーボモータ12の駆動に関する具体的な運転条件を算出(演算処理)し、該演算処理によって得た演算結果に基づいて、サーボモータ12に出力信号を送信する(ステップS105)。
そして、該出力信号を受信したサーボモータ12は該出力信号に基づいて駆動され、小型コンプレッサー1が運転を開始する(ステップS106)
このように、前記ステップS102・S103において、圧縮空気の圧力(P1)が前記閾値(P)未満である場合、前記ステップS104・S105・S106では、駆動ステップとして、サーボモータ12が駆動される。
サーボモータ12の駆動開始後、一定時間が経過すると、NC装置4は再び圧力検出器41bに対して、空圧機器2に供給される圧縮空気を検出する旨の出力信号を送信する。
NC装置4からの出力信号を受信した圧力検出器41bは、空圧機器2に供給される圧縮空気の、現時点における圧力値(P2)を検出する(ステップS107)。
そして、圧力検出器41bは、検出した圧力値(P2)を電気信号に変換してNC装置4に送信する。
前記圧力値(P2)に関する電気信号を再び受信したNC装置4は、演算処理部43を介して演算処理を行う。
より具体的には、演算処理部43は、記憶部44に保存された閾値(P)を再び読み出し、これら圧力値(P2)と閾値(P)についての比較演算を行う。
そして、該比較演算の結果、圧力値(P2)が閾値(P)未満であれば(ステップS108)、NC装置4は、これら圧力値(P2)と閾値(P)との圧力差に関する情報とともに、前記「駆動指令」をサーボアンプ13に再び送信する(ステップS104)。
一方、圧力値(P2)が閾値(P)以上であれば(ステップS108)、NC装置4より、サーボモータ12に関する「駆動指令」がサーボアンプ13に送信されることはない。
このように、前記ステップS104・S105・S106の開始より一定時間の経過後、前記ステップS107・S108では、第三判断ステップとして、再びNC装置(制御装置)4によって空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力(P2)が閾値(P)以上であるかどうかが判断される。
以上のように、NC装置4は、実行プログラムの演算処理の結果、圧力値(P2)が閾値(P)未満であるといった空圧機器2の動作を継続する旨の演算結果を得ている間、サーボアンプ13を介してサーボモータ12の駆動を制御し、小型コンプレッサー1の運転を継続する。
そして、前記実行プログラムの演算処理の結果、圧力(P2)が閾値(P)以上であるといった空圧機器2の動作を停止する旨の演算結果を得ると、NC装置4は、サーボアンプ13に出力信号を送信する。
より具体的には、NC装置4は前記演算結果に基づいて、「空圧機器2を停止させるために、小型コンプレッサー1による空圧機器2への圧縮空気の供給を停止する旨の出力信号(以下、「圧縮空気供給停止指令」と記す)」をサーボアンプ13に送信する。
そして、サーボアンプ13は、NC装置4より「圧縮空気供給停止指令」を受信したと判断すると(ステップS109)、サーボモータ12に駆動を停止する旨の出力信号を送信し、該出力信号を受信したサーボモータ12が駆動を停止することで、小型コンプレッサー1の運転は停止する。
このように、前記ステップS107・S108において、圧縮空気の圧力(P2)が前記閾値(P)以上である場合、前記ステップS109では、第四判断ステップとして、NC装置4がサーボアンプ13に「圧縮空気供給停止指令」を行っているかどうかが判断される。
一方、サーボアンプ13が、NC装置4より「圧縮空気供給停止指令」を受信していないと判断すると(ステップS109)、小型コンプレッサー1の運転は継続される。
即ち、前記ステップS108において、圧力値(P2)が閾値(P)以上である場合、NC装置4は、前記実行プログラムの演算処理の結果、空圧機器2の動作を停止する旨の演算結果を得ているかどうかを判断する。
つまり、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力値(P2)が閾値(P)以上である場合、空圧機器2の動作を停止する旨の演算結果を得ていることを条件として、NC装置(制御装置)4はサーボモータ12の駆動を停止するようにサーボアンプ13を制御する。
そして、このような演算結果を得ていないと判断すれば、NC装置4は、一定時間の経過後、再び圧力検出器41bに出力信号を送信し、該圧力検出器41bを介して、空圧機器2に供給される圧縮空気の、現時点における圧力値(P2)を得るのである(ステップS107)。
[圧縮空気の供給タイミング]
次に、空圧機器2が圧縮空気を必要とするタイミングと、小型コンプレッサー1が圧縮空気を供給するタイミングとの対比について、図3を用いて説明する。
なお、図3の上段は空圧機器2が圧縮空気を必要とするタイミングおよび空圧機器2への圧縮空気の供給タイミングを示した線図であり、縦軸には空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力が表示され、横軸には空圧機器2が動作する時間(タイミング)が表示される。
また、図3の下段は小型コンプレッサー1が圧縮空気を供給するタイミングを示した線図であり、縦軸には小型コンプレッサー1が供給する圧縮空気の圧力が表示され、横軸には小型コンプレッサー1が動作する時間(タイミング)が表示される。
図3の上段に示す線図のとおり、空圧機器2は、時刻t2〜時刻t3、時刻t5〜時刻t6、時刻t8〜時刻t9の範囲の時間(タイミング)に圧縮空気を必要とする。
ここで、空圧機器2が必要とする圧縮空気の圧力(必要圧力)は圧力Q2であり、これら時刻t2〜時刻t3、時刻t5〜時刻t6、時刻t8〜時刻t9以外の時間においては、圧縮空気の圧力が大気圧と同等の圧力Q1となる。
このような場合、図3の下段に示す線図のとおり、小型コンプレサー1は、時刻t1〜時刻t3、時刻t4〜時刻t6、時刻t7〜時刻t9の範囲の時間(タイミング)に、圧縮空気を空圧機器2に供給する。
即ち、サーボモータ12の駆動開始後、小型コンプレッサー1より供給される圧縮空気の圧力(供給圧力)が、大気圧と同等の圧力Q1から空圧機器2の必要圧力である圧力Q2に高められるまでには、僅かではあるが一定の時間(図3における時間a)を必要とする。
なお、時間aは、従来の小型コンプレッサーにおいて、誘導電動機の起動後、圧縮空気の圧力が予め定められた圧力にまで高められるために必要とする時間に比べて、大幅に短縮されたおよそ数秒間の時間からなる。
このようなことから、小型コンプレッサー1は、空圧機器2が圧縮空気を必要とし始めるタイミング(時刻t2、時刻t5、時刻t8)に対して、予め時間aだけ早めたタイミング(時刻t1、時刻t4、時刻t7)に、NC装置4より供給信号(「圧縮空気供給信号」)を受け、空圧機器2に圧縮空気を供給するようになっている。
この結果、空圧機器2には、空圧機器2が圧縮空気を必要とし始めるタイミング(時刻t2、時刻t5、時刻t8)に圧縮空気の供給が開始されることとなる。
そして、空圧機器2が圧縮空気を不要とするタイミング(時間t3、時間t6、時間t9)となれば、小型コンプレッサー1は、NC装置4より停止信号(「圧縮空気供給停止信号」)を受けて、サーボモータ12の駆動を停止するとともに、圧縮空気を外部に開放し、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力を、即座に大気圧と同等の圧力Q1とするのである。
以上のように、本実施例における小型コンプレッサー1の制御方法は、NC装置(制御装置)4によって動作が制御される空圧機器2を備えた加工設備100ごとに備えられ、前記空圧機器2に圧縮空気を供給する小型コンプレッサー1の制御方法であって、該小型コンプレッサー1は、空気を圧縮するとともに、その圧縮空気を空圧機器2に対して吐出するコンプレッサーユニット11と、該コンプレッサーユニット11を駆動するサーボモータ12と、該サーボモータ12の駆動状態を制御するサーボアンプ13と、を有し、前記サーボアンプ13は、前記NC装置(制御装置)4によって前記サーボモータ12を駆動するタイミングが制御され、前記NC装置(制御装置)4は、前記空圧機器2が動作するタイミングに合わせて前記コンプレッサーユニット11より前記空圧機器2に圧縮空気が供給されるように、前記サーボアンプ13を制御することとしている。
このような構成によって小型コンプレッサー1を制御することで、加工設備100ごとに備えられ、該加工設備100の空圧機器2に圧縮空気を供給する小型コンプレッサー1において、消費エネルギーの低減化を図った該小型コンプレッサー1の制御方法を提供することができる。
即ち、本実施例における小型コンプレッサー1においては、応答性が高く、効率も高いサーボモータ12が動力部として設けられるとともに、該サーボモータ12の駆動状態は、NC装置4からの電気信号に基づいてサーボアンプ13が演算処理した演算結果によって制御することとしている。
このようなことから、サーボモータ12の起動後、小型コンプレサー1によって吐出される圧縮空気の圧力が、予め定められた圧力にまで高められるのに必要な時間は短縮化され、およそ0.1秒単位によって動作が制御される空圧機器2に対しても、該動作に追従してサーボモータ12の起動・停止を精確に制御し、小型コンプレッサー1によって空圧機器2に圧縮空気を供給することが可能となる。
よって、加工設備100の稼動状態において、たとえ他の機構部3が動作していても、空圧機器2が停止している間は、小型コンプレッサー1の運転を停止することが可能となり、加工設備100全体としての消費エネルギーの低減化を図ることができるのである。
また、本実施例における小型コンプレッサー1の制御方法において、前記NC装置(制御装置)4には予め定められた閾値(P)が与えられ、前記空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力値(P1・P2)が前記閾値(P)以上である場合、前記NC装置(制御装置)4は前記サーボモータ12の駆動を停止するように前記サーボアンプ13を制御することとしている。
このように、サーボモータ12の起動・停止を制御することで、小型コンプレッサー1は、より効率的に空圧機器2へ圧縮空気を供給することが可能となる。
即ち、空圧機器2の動作時において、該空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力が、既に予め定められた圧力値(閾値(P))にまで高められていれば、もはや、小型コンプレッサー1が運転されることもない。
よって、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力を過剰に高めるために、小型コンプレッサー1が運転されることもなく、加工設備100全体としての消費エネルギーの低減化を図ることができるのである。
また、本実施例における小型コンプレッサー1の制御方法において、前記小型コンプレッサー1の作動ステップとして、前記NC装置(制御装置)4が前記サーボアンプ13に「圧縮空気供給開始指令」を行っているかどうかを判断する第一判断ステップ(S101)と、前記第一判断ステップ(S101)において前記「圧縮空気供給開始指令」を行っている場合、前記NC装置(制御装置)4によって、前記空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力(P1)が前記閾値(P)以上であるかどうかを判断する第二判断ステップ(S102・S103)と、前記第二判断ステップ(S102・S103)において、前記圧縮空気の圧力(P1)が前記閾値(P)未満である場合、前記サーボモータ12を駆動する駆動ステップ(S104・S105・S106)と、前記駆動ステップ(S104・S105・S106)の開始より一定時間後に、再び前記NC装置(制御装置)4によって、前記空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力(P2)が前記閾値(P)以上であるかどうかを判断する第三判断ステップ(S107・S108)と、前記第三判断ステップ(S107・S108)において、前記圧縮空気の圧力(P2)が前記閾値(P)以上である場合、前記NC装置(制御装置)4が前記サーボアンプ13に「圧縮空気供給停止指令」を行っているかどうかを判断する第四判断ステップ(S109)と、を備えることとしている。
このように、サーボモータ12の起動・停止を制御することで、小型コンプレッサー1は、より効率的に空圧機器2へ圧縮空気を供給することが可能となる。
即ち、NC装置4は、実行プログラムの演算処理の結果、空圧機器2を動作する旨の演算結果を得ている間、前記ステップS101〜S109に基づいて、常に空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力を監視している。
よって、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力を過剰に高めるために、小型コンプレッサー1が運転されることを極力回避することが可能になり、加工設備100全体としての消費エネルギーの低減化を図ることができるのである。
また、本実施例における小型コンプレッサーの制御方法は、前記制御装置はNC装置4であることとしている。
このように、本実施例における小型コンプレッサー1においては、数値制御によって制御装置100の運転を制御するNC装置4をもって、サーボアンプ13に出力信号を送信し、動力部であるサーボモータ12の駆動を制御することとしている。
よって、サーボモータ12の駆動に関する制御を精確に行うことができ、小型コンプレッサー1は、より効率的に空圧機器2へ圧縮空気を供給することが可能となる。
従って、空圧機器2に供給される圧縮空気の圧力を過剰に高めるために、小型コンプレッサー1が運転されることを極力回避することが可能になり、加工設備100全体としての消費エネルギーの低減化を図ることができるのである。
また、NC装置4は、既に加工設備100に備えられる制御装置であるため、小型コンプレッサー1の運転を制御するための装置を新たに設ける必要がなく、設備費が嵩張ることもないのである。
1 小型コンプレッサー
2 空圧機器
3 機構部
4 NC装置(制御装置)
11 コンプレッサーユニット
12 サーボモータ
13 サーボアンプ
100 加工設備
P 閾値
P1 圧力値
P2 圧力値
S101 第一判断ステップ
S102 第二判断ステップ
S103 第二判断ステップ
S104 駆動ステップ
S105 駆動ステップ
S106 駆動ステップ
S107 第三判断ステップ
S108 第三判断ステップ
S109 第四判断ステップ

Claims (4)

  1. 制御装置によって動作が制御される空圧機器を備えた加工設備ごとに備えられ、前記空圧機器に圧縮空気を供給する小型コンプレッサーの制御方法であって、
    該小型コンプレッサーは、
    空気を圧縮するとともに、その圧縮空気を空圧機器に対して吐出するコンプレッサーユニットと、
    該コンプレッサーユニットを駆動するサーボモータと、
    該サーボモータの駆動状態を制御するサーボアンプと、
    を有し、
    前記サーボアンプは、前記制御装置によって前記サーボモータを駆動するタイミングが制御され、
    前記制御装置は、前記空圧機器が動作するタイミングに合わせて前記コンプレッサーユニットより前記空圧機器に圧縮空気が供給されるように、前記サーボアンプを制御する、
    ことを特徴とする小型コンプレッサーの制御方法。
  2. 前記制御装置には予め定められた閾値が与えられ、
    前記空圧機器に供給される圧縮空気の圧力が前記閾値以上である場合、
    前記制御装置は前記サーボモータの駆動を停止するように前記サーボアンプを制御する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の小型コンプレッサーの制御方法。
  3. 前記小型コンプレッサーの作動ステップとして、
    前記制御装置が前記サーボアンプに「圧縮空気供給開始指令」を行っているかどうかを判断する第一判断ステップと、
    前記第一判断ステップにおいて前記「圧縮空気供給開始指令」を行っている場合、前記制御装置によって、前記空圧機器に供給される圧縮空気の圧力が前記閾値以上であるかどうかを判断する第二判断ステップと、
    前記第二判断ステップにおいて、前記圧縮空気の圧力が前記閾値未満である場合、前記サーボモータを駆動する駆動ステップと、
    前記駆動ステップの開始より一定時間後に、再び前記制御装置によって、前記空圧機器に供給される圧縮空気の圧力が前記閾値以上であるかどうかを判断する第三判断ステップと、
    前記第三判断ステップにおいて、前記圧縮空気の圧力が前記閾値以上である場合、前記制御装置が前記サーボアンプに「圧縮空気供給停止指令」を行っているかどうかを判断する第四判断ステップと、
    を備える、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の小型コンプレッサーの制御方法。
  4. 前記制御装置はNC装置である、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のうちの何れか一項に記載の小型コンプレッサーの制御方法。
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