JP6212824B2 - アウトドアハンドル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アウトドアハンドル装置に関するものである。
従来、車両用ドアに配置されたアウトドアハンドルには、ユーザーが所持する携帯キーと、アウトドアハンドル内に設けられたアンテナとが、無線通信により認証を行い、ドアの施解錠を行うスマートエントリシステムが使用されている。
例えば、特許文献1に記載のアウトドアハンドルは、車外側の側面に施解錠用のスイッチを備え、ユーザーがドアハンドルに接近した状態でスイッチを押すことでドアが施解錠される。
また、特許文献2に記載のアウトドアハンドルは、把持部の車体側に2個のセンサを備え、携帯キーを所持するユーザーがそれらのセンサに所定の順で接触したことを検知してドアの施解錠を行う。
特開2010−101054号公報 特開2004−300843号公報
しかしながら、特許文献1に記載のアウトドアハンドルは、車外側の側面に施解錠用のスイッチを備えるため、外観品質が低下する。
また、特許文献2に記載のアウトドアハンドルは、施解錠を行う際には2個のセンサ電極に対して所定の順で接触しなければならないため、操作が煩わしい。
そこで本発明は、ドアの施解錠を的確かつ簡単に行える、美観性に優れたアウトドアハンドル装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明のアウトドアハンドル装置は、車両用ドアが備えるアウタパネルの車外側の表面に配置され、把持部を有するアウトドアハンドル装置であって、前記把持部の内部に設けられ、前記把持部の前記アウタパネル側の表面に対するユーザーの手の接近を検知するセンサと、前記センサによりユーザーの手の接近が検知された場合に、動作信号を出力する制御手段と、前記センサが設けられた基板と、を備え、前記センサは、ドアを解錠するためのユーザーの手の接近を検知するアンロック用センサと、ドアを施錠するためのユーザーの手の接近を検知するロック用センサと、を有し、前記アンロック用センサおよび前記ロック用センサは、前記基板の車内側に設けられ、前記制御手段は、前記アンロック用センサによりユーザーの手の接近が検知された場合にアンロック信号を出力し、また、前記ロック用センサによりユーザーの手の接近が検知された場合にロック信号を出力し、前記制御手段は、前記アンロック用センサによりユーザーの手の接近が検知され、かつ、前記ロック用センサによりユーザーの手の接近が検知された場合に、前記アンロック信号および前記ロック信号のうち一方のみを出力する、ことを特徴とする。
本発明によれば、アンロック用センサによりユーザーの手の接近が検知され、かつ、ロック用センサによりユーザーの手の接近が検知された場合に、制御手段がアンロック信号およびロック信号のうち一方のみを出力する。そのためユーザーは、アンロック信号およびロック信号のうち他方に対応する動作を行うときのみ、その動作用センサの位置に相当する把持部に手を接近させればよい。これにより、ドアの施解錠を的確かつ簡単に行うことができる。さらに、アンロック用センサおよびロック用センサは把持部の内部に設けられるため、アウトドアハンドル装置の美観性を維持することができる。したがって、ドアの施解錠を的確かつ簡単に行える、美観性に優れたアウトドアハンドル装置を得ることができる。
上記のアウトドアハンドル装置において、前記アンロック用センサおよび前記ロック用センサのうち少なくとも一方は、複数の検知電極を備えている、ことが望ましい。
この構成によれば、センサが複数の検知電極を有することで、ロック検知パターンやアンロック検知パターンなど、動作信号出力パターンを細かく設定することが可能となる。したがって、ドアロックの施解錠をより的確に行える車両用ドアのアウトドアハンドル装置を得ることができる。
上記のアウトドアハンドル装置において、前記制御手段は、前記複数の検知電極のうち隣接する2個以上の前記検知電極によりユーザーの手の接近が検知された場合に、前記動作信号を出力する、ことが望ましい。
この構成によれば、雨滴やノイズなどユーザーの操作以外の要因により、1個の検知電極がユーザーの手の接近を誤検知した場合に誤作動することを防止できる。したがって、誤作動を防止できる車両用ドアのアウトドアハンドル装置を得ることができる。
上記のアウトドアハンドル装置において、前記把持部は、車両前後方向に延設されるとともに、車両前後方向の一方側に配置された回動軸の周りを回動可能に形成され、前記センサは、車両前後方向の前記一方側に前記ロック用センサを備え、車両前後方向の他方側に前記アンロック用センサを備える、ことが望ましい。
この構成によれば、回動可能に形成された把持部の回動軸に近い領域にロック用センサが設けられ、回動軸から遠い領域にアンロック用センサが設けられる。一般的にユーザーはドアを開ける際に把持部の回動軸から遠い領域を握ることが多いため、その領域にアンロック用センサを設けることで、ユーザーが解錠動作を意識的に行わなくても、ドアを解錠することができる。また、一般的にユーザーが握ることが少ない把持部の回動軸に近い領域にロック用センサが設けられるため、ユーザーが施錠動作を意識的に行った場合に、ドアを施錠することができる。したがって、ドアの施解錠をより的確に行えるアウトドアハンドル装置を得ることができる。
上記のアウトドアハンドル装置において、前記把持部は、前記アウタパネル側に突出した突起を有し、前記突起は、前記アンロック用センサと前記ロック用センサとの間に相当する領域に配置されている、ことが望ましい。
この構成によれば、ユーザーがアンロック用センサおよびロック用センサの位置を突起により明確に認識することが可能となる。したがって、ドアの施解錠をより的確に行えるアウトドアハンドル装置を得ることができる。
本発明のアウトドアハンドル装置によれば、アンロック用センサによりユーザーの手の接近が検知され、かつ、ロック用センサによりユーザーの手の接近が検知された場合に、制御手段がアンロック信号およびロック信号のうち一方のみを出力する。そのためユーザーは、アンロック信号およびロック信号のうち他方に対応する動作を行うときのみ、その動作用センサの位置に相当する把持部に手を接近させればよい。これにより、ドアの施解錠を的確かつ簡単に行うことができる。さらに、アンロック用センサおよびロック用センサは把持部の内部に設けられるため、アウトドアハンドル装置の美観性を維持することができる。したがって、ドアの施解錠を的確かつ簡単に行える、美観性に優れたアウトドアハンドル装置を得ることができる。
アウトドアハンドル装置の説明図であり、図3のI−I線における断面図である。 車内側から見たプリント回路基板の背面図である。 車両右側に配置されるアウトドアハンドル装置の正面図である。 解錠判定処理の動作を示したフローチャートである。 施錠判定処理の動作を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における前後上下左右の向きは、特に記載が無ければ車両における前後上下左右の向きと同一とし、図中矢印UPは上方、矢印FRは前方をそれぞれ示している。また、車両内外方向における外側を車外側、車両内外方向における内側を車内側として説明する。
図3は、車両右側に配置されるアウトドアハンドル装置の正面図である。
図3に示すように、本実施形態のアウトドアハンドル装置1は、車両用ドア(以下、単にドアという。)が備えるアウタパネル2の車外側の表面に配置される。アウトドアハンドル装置1の車外露出部は、正面視において前後方向に長い長円形状に形成されている。またアウトドアハンドル装置1は、後方に設けられアウタパネル2に固定されるベース部20と、前方に設けられアウタパネル2に対して回動する把持部10と、を有する。ベース部20および把持部10は、アウトドアハンドル装置1の正面形状における中心から後方側の所定位置において、前後方向に垂直な面にて分断されて形成され、その後方側がベース部20、前方側が把持部10となっている。アウタパネル2には、把持部10と対向する領域に窪み2aが設けられている。この窪み2aにより、ユーザーは把持部10を握る際に手を挿入しやすくなる。
図1は、アウトドアハンドル装置の説明図であり、図3のI−I線における断面図である。
図1に示すように、把持部10は、前後方向に延びるとともに車内側に配置されるハンドル11と、ハンドル11の車外側を覆うハンドルカバー19と、を有する。
把持部10は、硬質の合成樹脂により形成される。
ハンドル11は、前後方向の中央に配置されるグリップ部11aと、グリップ部の前方に配置される前端部11bと、グリップ部の後方に配置される後端部11cと、を有する。
グリップ部11aは、車外方向へ凸となるように湾曲し、車内側が開口した略U字形状に形成される。グリップ部11aの前後方向の長さは、アウタパネル2の窪み2aの前後方向の寸法に略一致する。このハンドル11のグリップ部11aおよびアウタパネル2の窪み2aにより、ユーザーの手が挿入される空間5が形成される。またハンドル11には、車外側が開口し、グリップ部11aを底部とする凹状の断面形状を有する収容部12が形成される。この収容部12には、後述するプリント回路基板30が収容される。
またグリップ部11aには、後述するアンロック用センサ33fとロック用センサ33gとの間に相当する領域に、車内側に突出した突起13が形成されている。突起13は、硬質の合成樹脂によりハンドル11と一体に形成されている。突起13は、連続的な曲面で形成された凸状形状を有し、グリップ部11aの表面に滑らかに接続されている。なお、後述するようにユーザーが手の触覚により突起13の位置を認識できるようにする必要があるため、突起13の高さは、数ミリメートルであることが好ましい。さらに明確に突起13の位置を明確に認識できるようにするために、空間5を前後方向に略分断するように、突起13を高さ数十ミリメートルに形成してもよい。
前端部11bは、アウタパネル2の車外側の表面に沿って配置され、アウタパネル2の車内側に延びる支持腕部15を備えている。
支持腕部15は、前端部11bの車内側からアウタパネル2の車内側に延び、さらに前方側に延びている。支持腕部15の前方側端部には、回動軸(不図示)が挿入される凹部15aが形成されている。回動軸は、ドアの内部に設けられ、上下方向に延びている。この回動軸および支持腕部15により、ハンドル11はその回動軸を回動中心として車両内外方向に回動可能となる。
後端部11cは、アウタパネル2の車外側の表面に沿って配置され、アウタパネル2の車内側に延びる操作腕部17を備えている。
操作腕部17は、後端部11cの車内側からアウタパネル2の車内側に延び、さらにその車内側端部において前方に突出した連結部17aを有する。この連結部17aは、図示しないドアロック機構に連結される。ドアが閉状態において、ユーザーは把持部10とともに連結部17aを車外方向へ回動させることでドアロック機構を動作させ、ドアの閉状態を解除することになる。
ハンドルカバー19は、把持部10の前方端から後方端に亘って把持部10の外形を形成する曲面状の車外面19bと、把持部10の後方端に配置される後端面19aと、を有する。ハンドルカバー19の後端面19aは、ベース部20の前端面20aに対向配置されている。このハンドルカバー19を、ハンドル11を覆うようにハンドル11に被せて固定する。このようにハンドルカバー19でハンドル11の車外側を覆うことで、ベース部20とともにアウトドアハンドル装置1の外側意匠面を構成すると同時に、ハンドル11の収容部12を密閉し、収容されるプリント回路基板30を雨滴などから保護する。また、プリント回路基板30が把持部10の内部に設けられることで、アウトドアハンドル装置1の美観性を維持することができる。
図1に示すように、アウトドアハンドル装置1は、把持部10の内部に設けられ把持部10のアウタパネル2側の表面へのユーザーの手の接近を検知するセンサ33と、センサ33によりユーザーの手の接近が検知された場合に動作信号を出力する制御手段37と、を備える。なお、本実施形態では、ユーザーの手の接近に応じて検知信号を出力するセンサとして、静電容量センサを例に挙げて説明する。
図2は、車内側から見たプリント回路基板の背面図である。図1および図2に示すように、把持部10の内部には、プリント回路基板30が設けられる。プリント回路基板30は、基板31と、基板31の車外側後方に設けられる送信アンテナ39と、基板31の車内側に設けられるセンサ33と、基板31の車外側前方に設けられる制御手段37と、を備える。
送信アンテナ39は、ユーザーが所有する携帯キーとの間で通信を行う。
センサ33は、ハンドル11のグリップ部11aにユーザーの手が接近したことを検知するために、グリップ部11aに近接して配置される。センサ33は、ドアを解錠するためのユーザーの手の接近を検知する6個のアンロック用センサ33a〜33fと、ドアを施錠するためのユーザーの手の接近を検知する2個のロック用センサ33g,33hと、を有する。これらアンロック用センサおよびロック用センサを構成する検知電極33a〜33hは、上下方向を長辺とし前後方向を短辺とする長方形状に形成される。各検知電極33a〜33hは、基板31の車内側に、前後方向に等間隔に配置されている。なお、アンロック用センサ33fとロック用センサ33gとの間に間隔を広く設けてもよい。これにより、意図しないセンサでの誤検知を防止することができる。本実施形態では、把持部10の回動軸が把持部10の前方に配置されているため、ロック用センサ33g,33hは基板31上の前方側に配置されている。アンロック用センサ33a〜33fは、基板31上のロック用センサ33g,33hより後方側に配置されている。アンロック用センサおよびロック用センサを複数の検知電極33a〜33hで形成することで、後述するアンロック検知パターンやロック検知パターンなど、動作信号出力パターンを細かく設定することが可能となる。さらに、各電極の検知感度や電極面積を個別に設定することができるため、把持部10の形状やアプリケーションなどに応じてセンサを調整することが可能となる。
なお本実施形態では、センサ33を8個の検知電極で構成しているが、この限りではない。例えばアンロック用センサおよびロック用センサをそれぞれ1個ずつの検知電極で構成してもよい。これによれば、各電極の電極面積を大きく形成できるため、両センサの検知感度を向上させることができる。また、アンロック用センサおよびロック用センサを合計で20個以下の検知電極で構成することが好ましい。これによれば、各電極における検知感度の低下を抑制できる。
制御手段37は、電子回路により構成される。制御手段37は、アンロック用センサ33a〜33fによりユーザーの手のグリップ部11aへの接触又は接近が検知された場合にアンロック信号を出力する。また、制御手段37は、ロック用センサ33g,33hによりユーザーの手のグリップ部11aへの接触又は接近が検知された場合にロック信号を出力する。
(制御内容)
次に、ユーザーがアウトドアハンドル装置1を操作する際の制御手段37の制御内容について説明する。
図4は、解錠判定処理の動作を示したフローチャートである。まずユーザーが解錠を行う際の制御内容について図4を用いて説明する。施錠状態のアウトドアハンドル装置1のアンロック用センサまたはロック用センサが、ユーザーの手の接近を検知した際に、アウトドアハンドル装置1は以下の解錠判定処理を繰り返し実施する。
施錠状態のドアにおいてユーザーが解錠を行うために、把持部10とアウタパネル2との間の空間5のうち、アンロック用センサ33a〜33fが配置された後方領域に手を挿入し、把持部10に指を接近または接触させる。そこで、所定のアンロック用センサがONになり、アンロック用センサ33a〜33fによりユーザーの手の接近が検知されたか判定する(S10)。具体的には、ユーザーの手の接近により、アンロック用センサ33a〜33fのそれぞれが静電容量の変化を検知し、制御手段37に検知信号を出力する。制御手段37は、6個のアンロック用センサ33a〜33fのうち隣接する3個以上のアンロック用センサからの検知信号が所定の閾値を超え、これらのアンロック用センサがONになっている場合、ユーザーの手の接近が検知されたと判定する。S10の判定がNOの場合には解錠判定処理を終了する。S10の判定がYESの場合、制御手段37は、ドアロック機構に対して解錠指令であるアンロック信号を出力し(S12)、解錠判定処理を終了する。
アンロック信号を受信したドアロック機構は、ユーザーが携帯している携帯キーと送信アンテナ39を介して通信し、ドアロック機構に記憶されたIDと携帯キーに記憶されたIDとの照合を行う。そして携帯キーのIDが認証されると、ドアが解錠される。
なお、上述したS10では、アンロック用センサ33a〜33fのうち少なくとも隣接する3個による検知を以て、アンロック用センサへの手の接近を判定しているが、これに限らず隣接する複数個のアンロック用センサによる検知を以て判定してもよい。これにより、雨滴やノイズなど、ユーザーの操作以外の要因によって1個のアンロック用センサがONになった場合の誤作動を防止することができる。なお、1個のアンロック用センサによる検知を以て判定してもよい。これにより、ユーザーは解錠動作を行う際に、指一本をアンロック用センサに接近させればよいため、ドアの解錠をより簡単に行うことができる。
上述のように解錠動作を行う際は、ロック用センサ33g,33hによる検知の有無を考慮しない。すなわち、アンロック用センサ33a〜33fによりユーザーの手の接近が検知され、かつ、ロック用センサ33g,33hによりユーザーの手の接近が検知された場合でも、アンロック信号のみを出力する。そのため、ユーザーが解錠動作を行うときは、アンロック用センサ33a〜33fの正確な検知位置を意識することなく空間5に手を挿入すればよく、ドアの解錠を簡単に行うことができる。
図5は、施錠判定処理の動作を示したフローチャートである。次にユーザーが施錠を行う際の制御内容について図5を用いて説明する。解錠状態のアウトドアハンドル装置1のアンロック用センサまたはロック用センサが、ユーザーの手の接近を検知した際には、アウトドアハンドル装置1は以下の施錠判定処理を繰り返し実施する。
解錠状態のドアにおいてユーザーが施錠を行うために、把持部10とアウタパネル2との間の空間5のうち、ロック用センサ33g,33hが配置された前方領域に手を挿入し、把持部10に指を接近または接触させる。そこで、所定のロック用センサがONになり、ロック用センサ33g,33hによりユーザーの手の接近が検知されたか判定する(S20)。具体的には、ユーザーの手の接近により、ロック用センサ33g,33hのそれぞれが静電容量の変化を検知し、制御手段37に検知信号を出力する。制御手段37は、2個のロック用センサ33g,33hの両方からの検知信号が所定の閾値を超え、これらのロック用センサがONになっている場合、ユーザーの手の接近が検知されたと判定する。S20の判定がNOの場合には施錠判定処理を終了する。
なお、上述したS20では、2個のロック用センサ33g,33hの両方による検知を以て、ロック用センサへの手の接近を判定している。これにより、雨滴やノイズなど、ユーザーの操作以外の要因によって1個のロック用センサがONになった場合の誤作動を防止することができる。なお、これに限らずロック用センサ33g,33hのうち一方のみによる検知を以て判定してもよい。これにより、ユーザーは施錠動作を行う際に、指一本をロック用センサに接近させればよいため、ドアの施錠をより簡単に行うことができる。
S20の判定がYESの場合、次に制御手段37は、所定のアンロック用センサがONになり、アンロック用センサ33a〜33fによりユーザーの手の接近が検知されたか判定する(S22)。具体的には、制御手段37は、6個のアンロック用センサ33a〜33fのうち隣接する3個以上のアンロック用センサからの検知信号が所定の閾値を超え、これらのアンロック用センサがONになっている場合、ユーザーの手の接近が検知されたと判定する。なおS22においては、S10とは異なる個数のアンロック用センサでユーザーの手の接近を判定してもよい。ロック用センサとともにアンロック用センサがユーザーの手の接近を検知した場合(S22の判定がYES)、ユーザーが施錠動作を意図していない可能性があるため、ドアロック機構に対して施錠指令であるロック信号を出力せずに、施錠判定処理を終了する。これにより、ユーザーが意図しない操作によってドアが施錠されるのを防止できる。S22の判定がNOの場合、ユーザーが施錠動作を意図していることが明らかであるため、制御手段37は、ロック信号を出力し(S24)、施錠判定処理を終了する。
ロック信号を受信したドアロック機構は、ユーザーが携帯している携帯キーと送信アンテナ39を介して通信し、ドアロック機構に記憶されたIDと携帯キーに記憶されたIDとの照合を行う。そして携帯キーのIDが認証されると、ドアが施錠される。
前述のように解錠動作を行う際には、アンロック用センサ33a〜33fの判定のみ行ってロック用センサ33g,33hの判定は行わない。これに対して施錠動作を行う際には、ロック用センサ33g,33hの判定とともにアンロック用センサ33a〜33fの判定を行う。すなわちロック用センサがユーザーの手の接近を検知した状態であって、アンロック用センサがユーザーの手の接近を検知していない状態であるときのみ施錠動作を行う。そのため、ユーザーが施錠動作を行うときは、ロック用センサ33g,33hおよびアンロック用センサ33a〜33fの位置を意識して空間5に手を挿入する必要が生じる。その結果、ユーザーの意思を的確に反映してドアの施錠を行うことができる。
また、アンロック用センサ33a〜33fは、ロック用センサ33g,33hに対して把持部10の回動軸から遠い領域に配置されている。一般的にユーザーはドアを開ける際に把持部の回動軸から遠い領域を握ることが多いため、その領域にアンロック用センサを設けることで、ユーザーが解錠動作を意識的に行わなくてもドアを解錠することができる。また、一般的にユーザーが握ることが少ない把持部の回動中心に近い領域にロック用センサを設けることで、ユーザーが施錠動作を意識的に行った場合にドアを施錠することができる。
また、把持部10のグリップ部11aには、アンロック用センサ33fとロック用センサ33gとの間に相当する領域に車内側に突出した突起13が形成されている。この突起13により、ユーザーはアンロック用センサ33a〜33fが配置されている領域、およびロック用センサ33g,33hが配置されている領域を触覚により明確に認識することが可能になる。その他、グリップ部11aの車内側の表面のうち、アンロック用センサ33a〜33fが配置されている領域およびロック用センサ33g,33hが配置されている領域のうち少なくとも一方に細かい凹凸形状を形成してもよい。これによりユーザーは、アンロック用センサ33a〜33fが配置されている領域およびロック用センサ33g,33hが配置されている領域を、より一層明確に触覚により認識することが可能になる。
また、本実施形態では、アンロック用センサ33a〜33fおよびロック用センサ33g,33hの両方で同時に手の挿入を検知した場合に、制御手段37がアンロック信号を出力するように構成したが、制御手段37がロック信号を出力するように構成してもよい。これによれば、ユーザーが施錠動作を行うときは、ロック用センサ33g,33hの正確な検知位置を意識することなく空間5に手を挿入すればよいため、ドアの施錠を簡単に行うことができる。したがって、施錠ミスによるドアの施錠忘れを容易に防止できる。
このように、本実施形態のアウトドアハンドル装置1は、車両用ドアが備えるアウタパネル2の車外側の表面に配置され、把持部10を有するアウトドアハンドル装置1であって、把持部10の内部に設けられ、把持部10のアウタパネル2側の表面に対するユーザーの手の接近を検知するセンサ33と、センサ33によりユーザーの手の接近が検知された場合に、動作信号を出力する制御手段37と、を備える。センサ33は、ドアを解錠するためのユーザーの手の接近を検知するアンロック用センサ33a〜33fと、ドアを施錠するためのユーザーの手の接近を検知するロック用センサ33g,33hと、を有する。制御手段37は、アンロック用センサ33a〜33fによりユーザーの手の接近が検知された場合にアンロック信号を出力し、また、ロック用センサ33g,33hによりユーザーの手の接近が検知された場合にロック信号を出力する。そして制御手段37は、アンロック用センサ33a〜33fによりユーザーの手の接近が検知され、かつ、ロック用センサ33g,33hによりユーザーの手の接近が検知された場合に、アンロック信号およびロック信号のうち一方のみを出力する、ことを特徴とする。
本実施形態によれば、アンロック用センサ33a〜33fによりユーザーの手の接近が検知され、かつ、ロック用センサ33g,33hによりユーザーの手の接近が検知された場合に、制御手段37がアンロック信号およびロック信号のうち一方のみを出力する。そのためユーザーは、アンロック信号およびロック信号のうち他方に対応する動作を行うときのみ、その動作用センサの位置に相当する把持部10に手を接近させればよい。これにより、ドアの施解錠を的確かつ簡単に行うことができる。さらに、アンロック用センサ33a〜33fおよびロック用センサ33g,33hは把持部10の内部に設けられるため、アウトドアハンドル装置1の美観性を維持することができる。したがって、ドアの施解錠を的確かつ簡単に行える、美観性に優れたアウトドアハンドル装置を得ることができる。
なお、この発明は上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態のアウトドアハンドル装置1において、アンロック用センサ33a〜33fおよびロック用センサ33g,33hの両方で同時に手の挿入を検知した場合に、施解錠動作以外の動作を行うように構成してもよい。その一例として、アンロック用センサ33a〜33fおよびロック用センサ33g,33hの両方で同時に手の挿入を所定時間以上検知した場合に、制御手段37は窓を閉めるための動作信号を出力してもよい。この構成によれば、窓を閉め忘れたときに車外から窓を閉めることができる。
1…アウトドアハンドル装置 2…アウタパネル 5…空間 10…把持部 13…突起 33…センサ 33a、33b、33c、33d、33e、33f…アンロック用センサ(検知電極) 33g、33h…ロック用センサ(検知電極)

Claims (5)

  1. 車両用ドアが備えるアウタパネルの車外側の表面に配置され、把持部を有するアウトドアハンドル装置であって、
    前記把持部の内部に設けられ、前記把持部の前記アウタパネル側の表面に対するユーザーの手の接近を検知するセンサと、
    前記センサによりユーザーの手の接近が検知された場合に、動作信号を出力する制御手段と、
    前記センサが設けられた基板と、を備え、
    前記センサは、
    ドアを解錠するためのユーザーの手の接近を検知するアンロック用センサと、
    ドアを施錠するためのユーザーの手の接近を検知するロック用センサと、
    を有し、
    前記アンロック用センサおよび前記ロック用センサは、前記基板の車内側に設けられ、
    前記制御手段は、前記アンロック用センサによりユーザーの手の接近が検知された場合にアンロック信号を出力し、また、前記ロック用センサによりユーザーの手の接近が検知された場合にロック信号を出力し、
    前記制御手段は、前記アンロック用センサによりユーザーの手の接近が検知され、かつ、前記ロック用センサによりユーザーの手の接近が検知された場合に、前記アンロック信号および前記ロック信号のうち一方のみを出力する、
    ことを特徴とするアウトドアハンドル装置。
  2. 請求項1に記載のアウトドアハンドル装置において、
    前記アンロック用センサおよび前記ロック用センサのうち少なくとも一方は、複数の検知電極を備えている、
    ことを特徴とするアウトドアハンドル装置。
  3. 請求項2に記載のアウトドアハンドル装置において、
    前記制御手段は、前記複数の検知電極のうち隣接する2個以上の前記検知電極によりユーザーの手の接近が検知された場合に、前記動作信号を出力する、
    ことを特徴とするアウトドアハンドル装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアウトドアハンドル装置において、
    前記把持部は、車両前後方向に延設されるとともに、車両前後方向の一方側に配置された回動軸の周りを回動可能に形成され、
    前記センサは、車両前後方向の前記一方側に前記ロック用センサを備え、車両前後方向の他方側に前記アンロック用センサを備える、
    ことを特徴とするアウトドアハンドル装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアウトドアハンドル装置において、
    前記把持部は、前記アウタパネル側に突出した突起を有し、
    前記突起は、前記アンロック用センサと前記ロック用センサとの間に相当する領域に配置されている、
    ことを特徴とするアウトドアハンドル装置。
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