JP6251939B2 - 検出装置、及びドアハンドル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検出装置、及びドアハンドル装置に関する。
無線通信を利用して、車両用ドアの施錠及び解錠を行う電子キーシステムがある。このような電子キーシステムでは、例えば、車両用ドアのハンドルのハンドルケース内に、送信波を送信するアンテナと、ユーザの手の接触を検知するアンロックセンサ及びロックセンサと、が設けられている。ユーザの手がロックセンサ或いはアンロックセンサに接近(又は接触)すると、アンテナから送信波が送信される。ユーザが所持する携帯機(電子キー)は、その送信波を受信すると、携帯機のID等を含むコードを付して返信し、車両側の受信機がその返信を受信して認証OKであれば、車両ドアが施錠又は解錠される。
ロックセンサやアンロックセンサとしては、ユーザの手が接近(又は接触)することに応じて静電容量が変化するセンサ電極を備えた静電容量方式のセンサがある。静電容量方式のセンサでは、センサ電極にユーザの手が接近(又は接触)することによって変化する静電容量の変化を検知することにより、ユーザの手の接近(又は接触)を検出する。なお、この静電容量方式のセンサでは、ユーザの手の接近(又は接触)以外の外乱によっても静電容量の変化を検知することがあるため、外乱による誤検出又は誤検出による誤作動が生じることがある。例えば、アンテナから送信される送信波がノイズとなって静電容量に変化が生じることがある。そこで、外乱による静電容量の変化を小さくするために、シールド電極(補助電極)をハンドルケース内に設けたものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2008−83025号公報 特開2009−30360号公報
しかしながら、シールド電極を設けて外乱による影響を防止するには、センサ電極と同等以上のサイズのシールド電極が必要となる。例えば、特許文献1では、センサ電極を囲む様にシールド電極が配置されている。このようにシールド電極を大きく形成した場合には、同じハンドルケース内にあるアンテナから送信される送信波の特性に悪影響を及ぼしてアンテナの送信性能を低下させてしまうことがある。また、サイズの大きいシールド電極を配置することによって、ロックセンサやアンロックセンサの感度低下に繋がる懸念もある。
本発明は、アンテナの送信性能の低下及びセンサ感度の低下を抑制しつつ、センサへのユーザの手の接近(又は接触)を的確に検出する検出装置、及びドアハンドル装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の検出装置は以下の構成を採用した。
(1)検出装置は、人体の接近に応じて静電容量が変化するセンサ電極を備え、当該静電容量の変化に応じて検知信号を出力する第1センサと、アンテナから送信される送信波に応じて検知信号を出力する第2センサと、前記第1センサ及び前記第2センサが出力する検知信号を監視するとともに、前記第2センサが出力する検知信号に応じて前記第1センサからの出力を規定の時間禁止する監視部と、を備えるようにした。
係る構成によれば、検出装置は、第2センサがアンテナからの送信波(ノイズ)を検出した場合に第1センサからの出力を規定の時間禁止するため、アンテナからの送信波(ノイズ)によって第1センサへのユーザの手の接近(又は接触)を誤検出してしまうことを抑制することができる。また、検出装置は、第1センサを囲む様なシールド電極を必要としないため、アンテナの送信性能の低下及びセンサ感度の低下を抑制することができる。従って、検出装置は、アンテナの送信性能の低下及びセンサ感度の低下を抑制しつつ、第1センサへのユーザの手の接近(又は接触)を的確に検出することができる。
(2)前記第2センサは、前記アンテナから送信される送信波を検知するためのセンサ電極を備え、前記第1センサよりも前記アンテナの近傍に設けられてもよい。
係る構成によれば、第2センサは、アンテナから送信される送信波の影響が第1センサよりも大きいため、第1センサへ影響するような送信波がアンテナから送信される場合には、確実に第1センサからの出力を禁止することができる。
(3)前記第1センサは、ドアに取り付けられる把持部に設けられ、ドアロックを施錠するためのロックセンサ、及びドアロックを解錠するためのアンロックセンサの一方又は両方を備えてもよい。
係る構成によれば、検出装置は、ドアのロックセンサ又はアンロックセンサへのユーザの手の接近(又は接触)を検出することができる。また、検出装置は、第2センサがアンテナからの送信波(ノイズ)を検出した場合にはロックセンサ又はアンロックセンサからの出力を規定の時間禁止するため、アンテナからの送信波(ノイズ)により、ロックセンサ又はアンロックセンサへのユーザの手の接近(又は接触)を誤検出してしまうことを抑制することができる。従って、検出装置は、誤検出により、ドアの施錠又は解錠が誤作動してしまうことを抑制することができる。
(4)前記監視部は、前記第2センサが出力する検知信号の監視と、前記ロックセンサが出力する検知信号の監視と、前記アンロックセンサが出力する検知信号の監視と、を周期的に実行してもよい。
係る構成によれば、監視部は、ロックセンサ及びアンロックセンサへのユーザの手の接近(又は接触)と、第2センサへの送信波の影響とを常時監視することができる。そのため、検出装置は、ユーザの手の接近(又は接触)及びアンテナからの送信波によって常に変化する状況のなかで、ロックセンサ及びアンロックセンサへのユーザの手の接近(又は接触)の誤検出、及びドアの施錠又は解錠の誤作動を抑制することができる。
(5)前記規定の時間は、前記アンテナが送信波を送信している期間に対応する時間であってもよい。
係る構成によれば、検出装置は、アンテナが送信波を送信している期間は第1センサからの出力を禁止するため、アンテナからの送信波(ノイズ)によって第1センサへのユーザの手の接近(又は接触)を誤検出してしまうことを抑制することができる。
(6)前記監視部は、前記第1センサが出力する検知信号を規定の時間監視するとともに、当該規定の時間に亘って出力された検知信号に基づいて、前記第1センサへの人体の接近を検出してもよい。
係る構成によれば、監視部は、規定の時間に亘って第1センサから出力される検知信号を監視するため、ユーザの手の接近(又は接触)によるものと、外来ノイズによるものとを判別することができる。従って、検出装置は、第1センサへのユーザの手の接近(又は接触)を的確に検出することができる。
また、本発明のドアハンドル装置は以下の構成を採用した。
(7)ドアハンドル装置は、ドアに取り付けられる把持部と、前記把持部内に設けられ、送信波を送信するアンテナと、前記把持部内に設けられた上記記載の検出装置と、を備えるようにした。
係る構成によれば、ドアハンドル装置は、第2センサがアンテナからの送信波(ノイズ)を検出した場合には第1センサからの出力を規定の時間禁止する。そのため、ドアハンドル装置は、アンテナからの送信波(ノイズ)によって第1センサへのユーザの手の接近(又は接触)を誤検出してしまうことを抑制することができ、誤検出によるドアの施錠または解錠の誤作動を抑制することができる。
本発明によれば、アンテナの送信性能の低下及びセンサ感度の低下を抑制しつつ、センサへのユーザの手の接近(又は接触)を的確に検出することができる。
車両用ドアのドアハンドル装置の正面図である。 把持部の概略構成の一例を示す分解斜視図である。 プリント回路基板の正面図である。 図3の4−4線における断面図である。 本実施形態によるドアハンドル装置の機能構成の一例を示す構成図である。 監視部における判定方法の一例を説明する説明図である。 検出装置における処理の遷移を示す遷移図である。 アイドルモード処理の一例を示すフローチャートである。 アンロックセンサ監視モード処理の一例を示すフローチャートである。 アンロックON処理の一例を示すフローチャートである。 ロックセンサ監視モード処理の一例を示すフローチャートである。 ロックON処理の一例を示すフローチャートである。 動作禁止モードの処理の一例を示すフローチャートである。 ダミーセンサのセンサ電極の一例を説明する説明図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明における前後上下左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とし、図中の矢印UPは車両の上方、矢印FRは車両の前方をそれぞれ示している。また、車両内外方向における外側を車外側、車両内外方向における内側を車内側として説明する。
図1は、車両用ドアのドアハンドル装置の正面図である。
図1に示すように、本実施形態の車両用ドアのドアハンドル装置1(以下、単にドアハンドル装置1という)は、車両用ドアが備えるアウタパネル2の車外側面に配置される。ドアハンドル装置1の車外露出部は、正面視において前後方向に長い長円形状に形成されている。また、ドアハンドル装置1は、後方に設けられると共にアウタパネル2に固定されるベース部20と、ベース部20の前方に設けられる把持部10と、を有する。ベース部20および把持部10は、ドアハンドル装置1の正面形状における中心から後方側の所定位置において、前後方向に垂直な面にて分断されて形成され、その後方側がベース部20、前方側が把持部10となっている。アウタパネル2には、把持部10を握るユーザの手を挿入することを可能とするための窪みを形成する窪み2aが設けられている。
<把持部10の構成>
図2は、把持部10の概略構成の一例を示す分解斜視図である。
把持部10は、硬質の合成樹脂により形成される。把持部10は、前後方向に延びると共にアウタパネル2の側に配置されるハンドル11と、ハンドル11の外側を覆うハンドルカバー19と、を有する。
ハンドル11は、前後方向の中央の車内側に配置されるグリップ部11aと、グリップ部11aの上辺及び下辺のそれぞれに接続され相互に対向する上壁部11b及び下壁部11cと、上壁部11b及び下壁部11cの前方を接続する前壁部11dと、上壁部11b及び下壁部11cの後方を接続する後壁部11eと、を有する。
グリップ部11aは、車外方向へ凸となるように湾曲し、車内側が開口した略U字形状に形成される。グリップ部11aの前後方向の長さは、図1に示すアウタパネル2の窪み2aの前後方向の長さに略一致する。このハンドル11のグリップ部11aおよびアウタパネル2の窪み2aにより、ユーザの手が挿入される空間が形成される。
また、ハンドル11は、前方端から車内側に延びる支持腕部15と、後方端から車内側に延びる操作腕部17と、を備えている。支持腕部15は、前方端から車内側に延び、さらに前方側に伸びている。支持腕部15の前方側端部には、回動軸(不図示)が挿入される凹部15aが形成されている。この回動軸および支持腕部15により、ハンドル11はその回動軸を回動中心として車両内外方向に回動可能となる。操作腕部17は、ハンドル11の後方端から車内側に延び、さらにその車内側端部において前方に突出した連結部17aを有する。この連結部17aは、ロック機構を有するドア開閉機構(不図示)に連結される。ロック機構は、車両ドアが閉状態のときにドア開閉機構によりドアが開状態にならないように施錠可能な機構であり、施錠(ロック)状態と解錠(アンロック)状態とを切り替える。車両用ドアが閉状態且つロック機構が解錠状態においては、ユーザが把持部10を車外方向へ回動させると、連結部17aも車外方向へ回動されてドア開閉機構が稼働し、車両用ドアが開状態になる。一方、車両用ドアが閉状態且つロック機構が施錠状態においては、ユーザが把持部10を車外方向へ回動させても、ドア開閉機構は稼働せず、車両用ドアの閉状態が保たれる。
ハンドル11のグリップ部11a、上壁部11b、下壁部11c、前壁部11d、および後壁部11eによって囲まれる、車外側に開口された凹形状を有する空間には、プリント回路基板31が収容される。
プリント回路基板31の後方端には、車両用ドアのロック機構(ドアロック)を施錠するためのロックセンサ33(第1センサの一例)が配置されている。ロックセンサ33は、ユーザの手(人体)の接近(又は接触)に応じて検知信号を出力するセンサ電極を有する。このロックセンサ33は、プリント回路基板31がハンドル11に収容された際に、ハンドル11の後方側上面11fの上面に重なるように配置される。なお、ロックセンサ33のセンサ電極の下面は、後方側上面11fに固着される。
また、プリント回路基板31の車内側の基板面には、車両用ドアのロック機構(ドアロック)を解錠するためのアンロックセンサ34(第1センサの一例)が配置されている。アンロックセンサ34は、ロックセンサ33と同様に、ユーザの手(人体)の接近(又は接触)に応じて検知信号を出力するセンサ電極を有する。このアンロックセンサ34は、プリント回路基板31がハンドル11に収容された際に、グリップ部11aの内側の面と対向するように配置される。
例えば、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34は、ユーザの手の接近(又は接触)に応じて静電容量が変化するセンサ電極を備えた静電容量方式のセンサである。ユーザの手がハンドル11の後方側上面11fの部分に接近(又は接触)すると、ロックセンサ33は、静電容量の変化に応じた検出信号を出力する。また、ユーザの手が把持部10を握るために、ハンドル11のグリップ部11aに接近(又は接触)すると、アンロックセンサ34は、静電容量の変化に応じた検出信号を出力する。
また、プリント回路基板31の車外側の面には、アンテナ39と、制御回路37と、が配置されている。アンテナ39は、ユーザが所持する携帯機(送受信機)と車両ドアとの間でユーザ認証を行うために必要な情報の送信を行う。制御回路37は、ドアハンドル装置1を制御する電子回路を含んで構成される。なお、制御回路37の制御によるドアハンドル装置1の機能構成について詳しくは、後述する。
プリント回路基板31の前方端にはコネクタ43が配置され、このコネクタ43には、ケーブル45が接続される。ケーブル45の一端には、プリント回路基板31のコネクタ43に嵌合して電気的に接続されるコネクタ44が設けられている。また、ケーブル45のコネクタ44が設けられている端の反対側の端には、車両用ドアの内部に配置されているコネクタ(不図示)に対して嵌合して電気的に接続されるコネクタ46が設けられている。このケーブル45を介して、車両本体からプリント回路基板31への電力の給電、車両本体とプリント回路基板31との間の電気信号の授受が行われる。
ハンドルカバー19は、把持部10の前方端から後方端に亘って把持部10の外形を形成する曲面状の外形を有している。このハンドルカバー19が、ハンドル11の上壁部11b、下壁部11c、前端部11g、及び後端部11hを含む外周と、ハンドル11の車外側を覆うように被せて装着される。このようにハンドルカバー19でハンドル11の車外側を覆うことで、ベース部20と共にドアハンドル装置1の外側意匠面を構成すると共に、ハンドル11の内部に収容されるプリント回路基板31等を砂塵及び雨滴等から保護する。
<プリント回路基板31の構成>
プリント回路基板31には、アンテナ39から送信される送信波に応じて検知信号を出力するダミーセンサ35(第2センサの一例)が配置されている。
図3は、プリント回路基板31を車外側から見たときのプリント回路基板31の正面図である。ダミーセンサ35は、プリント回路基板31の基板面において、アンテナ39の下側(基板面側)の基板面に配置されている。図4は、図3の4−4線における断面図である。図示するように、車外側から車内側に向かって、アンテナ39、ダミーセンサ35、プリント回路基板31、アンロックセンサ34の順に配置されている。なお、プリント回路基板31は、絶縁層31a、電源パターン層31b、及びGNDパターン層31cを含む層構成を成している。なお、プリント回路基板31の表面と裏面とのそれぞれには、電源線、GND線、信号線等が配線され、部品が実装される。
このように、本実施形態によるドアハンドル装置1では、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34に加えて、ダミーセンサ35を備えている。ロックセンサ33及びアンロックセンサ34は、把持部10の外装面(グリップ部11a又はハンドルカバー19)の内側の浅い場所(外装面に近い場所)に配置されている。そして、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34は、それぞれが配置されている部分へのユーザの手の接近(又は接触)に応じて検知信号を出力する。一方、ダミーセンサ35は、アンテナ39の近傍に配置されており、アンテナ39から送信される送信波に応じて検知信号を出力する。ここで、ダミーセンサ35は、アンテナ39の下側の基板面に配置されている。即ち、ダミーセンサ35は、把持部10の外装面の内側の深い場所(外装面から離れた場所)に配置されている。これは、把持部10へのユーザの手の接近(又は接触)によりダミーセンサ35が検出信号を出力しないようにするためである。
<ドアハンドル装置1の機能構成>
次に、図5を参照して、ドアハンドル装置1の機能構成について説明する。
図5は、本実施形態によるドアハンドル装置1の機能構成の一例を示す構成図である。なお、図5において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付している。
ドアハンドル装置1は、アンテナ39と、検出装置100と、を備えている。アンテナ39及び検出装置100と接続される構成として、車両側には、ドア制御部110と、車両ドアのロック機構101と、ロック機構駆動部102とが設けられる。ロック機構101は、車両ドアの施錠(ロック)と解錠(アンロック)とを行う機構である。ロック機構駆動部102は、ドア制御部110の制御によりロック機構101を駆動する。アンテナ39は、送信波(例えば、LF:Low Frequency)を送信する。
ドア制御部110は、通信部111と、認証部112と、ドアロック制御部113と、を備え、ユーザ認証の結果に基づいて車両ドアのロック機構101を制御する。
通信部111は、車両のユーザが所持する携帯機(送受信機)と通信する。例えば、通信部111は、ユーザの認証コードを要求するリクエスト信号を、アンテナ39を介して送信する。また、通信部111は、車両のユーザが所持する携帯機(送受信機)から送信されたユーザの認証コードを、車内にある受信機(不図示)を介して受信する。
認証部112は、ロックセンサ33又はアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)が検出された場合、ユーザの認証コードを要求するリクエスト信号を通信部111に送信させる。また、認証部112は、通信部111が受信した認証コード、即ち、車両のユーザが所持する携帯機(送受信機)から送信された認証コードに基づいてユーザ認証をする。例えば、認証部112は、通信部111が受信した認証コードが、車両を所有する正規ユーザの認証コードであるか否かを判定し、正規ユーザの認証コードであると判定した場合には、正規ユーザであることを示す情報をドアロック制御部113に供給する。一方、認証部112は、通信部111が受信した認証コードが、正規ユーザの認証コードではないと判定した場合、正規ユーザであることをドアロック制御部113に供給しない、又は、正規ユーザの認証コードではないことを示す情報をドアロック制御部113に供給する。
ドアロック制御部113は、ロックセンサ33又はアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)が検出された場合、認証部112の認証結果に基づいて、ロック機構駆動部102を制御する。例えば、ドアロック制御部113は、認証部112の認証結果に基づいて、通信部111が取得した認証コードが正規ユーザの認証コードである場合のみ、車両ドアのロック機構101が施錠又は解錠されるようにロック機構駆動部102を制御する。
例えば、車両ドアが施錠されている状態において、アンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)が検出され、当該ユーザが所有する携帯機(送受信機)から送信された認証コードを通信部111が取得したとする。ドアロック制御部113は、正規ユーザであることを示す情報を認証部112から取得した場合には、車両ドアのロック機構101が解錠されるようにロック機構駆動部102を制御する。一方、ドアロック制御部113は、正規ユーザであることを示す情報を取得しない、又は、正規ユーザの認証コードではないことを示す情報を認証部112から取得した場合には、車両ドアのロック機構101を解錠する制御を行わない。したがって、車両ドアのロック機構101は、施錠されている状態のままとなる。
また、車両ドアが解錠されている状態(且つ、車両ドアが閉じている状態)において、ロックセンサ33へのユーザの手の接近(又は接触)が検出され、当該ユーザが所有する携帯機(送受信機)から送信された認証コードを通信部111が取得したとする。ドアロック制御部113は、正規ユーザであることを示す情報を認証部112から取得した場合には、車両ドアのロック機構101が施錠されるようにロック機構駆動部102を制御する。一方、ドアロック制御部113は、正規ユーザであることを示す情報を取得しない、又は、正規ユーザの認証コードではないことを示す情報を認証部112から取得した場合には、車両ドアのロック機構101を施錠する制御を行わない。したがって、車両ドアのロック機構101は、解錠されている状態のままとなる。
検出装置100は、ロックセンサ33又はアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を検出し、検出結果をドア制御部110に供給する。図示する検出装置100は、図2を参照して説明したロックセンサ33、アンロックセンサ34、及びダミーセンサ35と、監視部120と、を備えている。
ロックセンサ33は、ロックセンサ33に対するユーザの手の接近(又は接触)に応じて静電容量が変化するセンサ電極を備え、当該静電容量の変化に応じて検知信号を出力する。アンロックセンサ34は、ロックセンサ33に対するユーザの手の接近(又は接触)に応じて静電容量が変化するセンサ電極を備え、当該静電容量の変化に応じて検知信号を出力する。
例えば、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34は、静電容量の変化の大きさに応じて出力する検知信号の出力レベルを判定するためのしきい値(以下、「検出しきい値」という)を有している。この検出しきい値は、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34に対してユーザの手の接近(又は接触)があった場合の静電容量の変化の大きさに基づいて設定される。例えば、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34は、静電容量の変化の大きさが検出しきい値を超えた場合、検知信号をL(ロウ)レベルからH(ハイ)レベルにする。一方、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34は、静電容量の変化の大きさが検出しきい値以下の場合、検知信号をL(ロウ)レベルのままとする。なお、静電容量の変化の大きさが検出しきい値を超えたことを、以下の記載において「ON検出」という。
ここで、アンテナ39から送信される送信波は、ユーザの手の接近(又は接触)を検知するロックセンサ33及びアンロックセンサ34にとっては、誤検出の要因となる外来ノイズの一つである。例えば、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34が出力する検知信号は、アンテナ39から送信される送信波の影響を受けることによりH(ハイ)レベルになることがある。この場合、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34にユーザが接近(又は接触)していないのにON検出となり、誤検出となる。そこで、ダミーセンサ35が、アンテナ39から送信される送信波、すなわち、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34にとっての外来ノイズを検出するためのノイズ検出用のセンサとして備えられている。
ダミーセンサ35は、図3を参照して説明した構成例のようにアンテナ39の近傍に設けられ、アンテナ39から送信される送信波を検知するためのセンサ電極を備えている。そして、ダミーセンサ35は、アンテナ39から送信される送信波に応じて検知信号を出力する。ダミーセンサ35は、静電容量の変化の大きさがノイズ検出用の検出しきい値を超えた場合(ON検出)、検知信号をL(ロウ)レベルからH(ハイ)レベルにする。一方、ダミーセンサ35は、静電容量の変化の大きさがノイズ検出用の検出しきい値以下の場合、検知信号をL(ロウ)レベルのままとする。
監視部120は、ロックセンサ33、アンロックセンサ34、及びダミーセンサ35から出力される検知信号を監視する。例えば、監視部120は、ロックセンサ33、アンロックセンサ34、及びダミーセンサ35から出力される検知信号を取得し、取得した検知信号に基づいて、各センサに対する監視状態を制御する。また、監視部120は、取得した検知信号に基づいて、ロックセンサ33又はアンロックセンサ34に対してユーザが接近(又は接触)したか否かを判定して、判定結果を示す判定結果信号をドア制御部110に供給する。
具体的には、監視部120は、ロックセンサ33がON検出した場合(ロックセンサ33からH(ハイ)レベルの検知信号を取得した場合)、ロックセンサ33の出力を規定の時間監視するとともに、当該規定の時間に亘って出力された検知信号に基づいて、ロックセンサ33に対してユーザが接近(又は接触)したか否かを判定する。そして、監視部120は、ロックセンサ33に対してユーザが接近(又は接触)したと判定した場合、判定結果信号をL(ロウ)レベルから所定の期間だけH(ハイ)レベルにする。一方、監視部120は、ロックセンサ33に対してユーザが接近(又は接触)していないと判定した場合、判定結果信号をL(ロウ)レベルのままとする。
このように、監視部120は、ロックセンサ33から出力された検知信号に基づいてロックセンサ33に対してユーザが接近(又は接触)したか否かを判定することにより、ロックセンサ33へのユーザの手の接近(又は接触)を検出する。
また同様に、監視部120は、アンロックセンサ34がON検出した場合(アンロックセンサ34からH(ハイ)レベルの検知信号を取得した場合)、アンロックセンサ34の出力を規定の時間監視するとともに、当該規定の時間に亘って出力された検知信号に基づいて、アンロックセンサ34に対してユーザが接近(又は接触)したか否かを判定する。そして、監視部120は、アンロックセンサ34に対してユーザが接近(又は接触)したと判定した場合、判定結果信号をL(ロウ)レベルから所定の期間だけH(ハイ)レベルにする。一方、監視部120は、アンロックセンサ34に対してユーザが接近(又は接触)していないと判定した場合、判定結果信号をL(ロウ)レベルのままとする。
このように、監視部120は、アンロックセンサ34から出力された検知信号に基づいてアンロックセンサ34に対してユーザが接近(又は接触)したか否かを判定することにより、アンロックセンサ34へのユーザの手の接近を検出する。
ここで、ロックセンサ33又はアンロックセンサ34がON検出した場合に、監視部120が、センサの出力を規定の時間(以下、「ON検出監視期間」という)監視してからユーザの手の接近(又は接触)を判定するのは、外来ノイズによる誤検出を抑制するためである。例えば、人の指がロックセンサ33又はアンロックセンサ34に接近(又は接触)した場合と、外来ノイズ(ノイズや水の付着等の外乱)の影響による場合とでは、ON検出の発生の頻度が異なる。例えば、人の指の場合には通常1回のみのON検出となるが、外来ノイズの場合には短時間で2回以上のON検出となる。そこで、監視部120は、ON検出が発生しても、ON検出の発生の頻度を確認したうえでユーザの手の接近(又は接触)を判定するようにしている。例えば、監視部120は、ON検出監視期間においてON検出の頻度を監視し、1回のON検出の場合のみユーザの手が接近(又は接触)したと判定する。
図6を参照して、監視部120がユーザの手の接近(又は接触)を判定する判定方法について具体的に説明する。
図6は、監視部120における判定方法の一例を説明する説明図である。この図は、(A)人の指がセンサ(ロックセンサ33又はアンロックセンサ34)に接近(又は接触)した場合のセンサ出力及び監視部120の判定結果と、(B)外来ノイズによるセンサ出力及び監視部120の判定結果と、を示している。なお、この図において、横軸は時間(t)である。
(A)人の指の場合
人の指がセンサ(ロックセンサ33又はアンロックセンサ34)に接近(又は接触)すると、静電容量に変化(符号a参照)が生じる。センサ(ロックセンサ33又はアンロックセンサ34)は、静電容量の変化の大きさが検出しきい値を超えることによりON検出すると、検知信号をL(ロウ)レベルからH(ハイ)レベルにする(符号b参照)。監視部120は、この最初のON検出をトリガとして、ON検出の監視を行う監視モードを開始する(時刻t11)。監視部120は、ON検出監視期間(時刻t11から時刻t12まで)の間で、センサ(ロックセンサ33又はアンロックセンサ34)が2回目以降のON検出をしなかった場合、センサ(ロックセンサ33又はアンロックセンサ34)にユーザの手が接近(又は接触)したと判定する。そして、監視部120は、ON検出監視期間が終了する監視モード終了時に判定結果信号をL(ロウ)レベルから所定の期間(時刻t12から時刻t13まで)Hレベル(出力ON)にする(符号c参照)。
(B)外来ノイズによる場合
外来ノイズにより静電容量に変化が生じる(符号d参照)。センサ(ロックセンサ33又はアンロックセンサ34)は、静電容量の変化の大きさが検出しきい値を超えることによりON検出すると、検知信号をL(ロウ)レベルからH(ハイ)レベルにする(符号e参照)。監視部120は、この最初のON検出をトリガとして、ON検出の監視を行う監視モードを開始する(時刻t21)。監視部120は、ON検出監視期間(時刻t21から時刻t22まで)の間で、センサ(ロックセンサ33又はアンロックセンサ34)が2回目以降のON検出をした場合(符号f、g参照)、外来ノイズによるものであると判定する。そして、監視部120は、ON検出監視期間が終了する監視モード終了時(時刻t22)以降も判定結果信号をLレベル(出力OFF)のままとする(符号h参照)。
このように、監視部120は、ロックセンサ33又はアンロックセンサ34がON検出した場合に、センサの出力を規定の期間監視してからユーザの手の接近(又は接触)を判定する。これにより、検出装置100は、外来ノイズをユーザの手の接近(又は接触)として誤検出しないようにすることができる。
また、監視部120は、ダミーセンサ35が出力する検知信号に応じて、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を規定の時間禁止する。例えば、アンテナ39から送信波が送信されている期間は、その送信波がロックセンサ33及びアンロックセンサ34に対して外来ノイズとなるため、監視部120は、その期間はロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を禁止する。
例えば、監視部120は、ダミーセンサ35がON検出した場合、(ダミーセンサ35からH(ハイ)レベルの検知信号を取得した場合)、ON検出している期間はロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を禁止する。例えば、監視部120は、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を禁止することにより、ダミーセンサ35がON検出している期間はロックセンサ33又はアンロックセンサ34が常にL(ロウ)レベルの検知信号を出力するように制御してもよい。なお、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を禁止する処理に代えて、監視部120は、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34から検知信号を取得したうえで、その検知信号を無効とするようにしてもよい。例えば、監視部120は、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34から検知信号を取得したうえで、その検知信号のレベルによらず、ダミーセンサ35がON検出している期間はロックセンサ33又はアンロックセンサ34がL(ロウ)レベルの検知信号を出力しているときと同様の処理を行ってもよい。
なお、監視部120がロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を規定の時間禁止する場合、当該規定の時間は、ダミーセンサ35がアンテナ39からの送信波を検知している期間としてもよい。また、当該規定の時間は、アンテナ39から送信する送信波の1回分の送信時間と同等の時間としてもよいし、1回分の送信時間に所定の時間を加算した時間としてもよい。
このように、検出装置100は、車両ドアのドアハンドル装置1において、ロックセンサ33又はアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を検出する検出処理を行う。例えば、検出装置100は、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34のON検出を規定の時間(ON検出監視期間)監視することにより、外来ノイズによる誤検出を抑制することができる。また、検出装置100は、ダミーセンサ35がON検出した場合、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34の出力を禁止することにより、アンテナ39から送信される送信波の影響で誤検出することを抑制できる。なお、ドアロック制御部113は、検出装置100の検出結果(具体的には、監視部120から供給される判定結果信号)に基づいて、車両ドアのロック機構101が施錠又は解錠されるようにロック機構駆動部102を制御する。
<検出処理の動作>
次に、検出装置100が、ロックセンサ33又はアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を検出する検出処理の動作について説明する。
検出装置100の監視部120は、ロックセンサ33が出力する検知信号の監視と、アンロックセンサ34が出力する検知信号の監視と、ダミーセンサ35が出力する検知信号の監視と、を周期的に実行する。
具体的には、監視部120は、各センサの出力を確認する「アイドルモード」と、ロックセンサ33のON検出の監視を行う「ロックセンサ監視モード」と、アンロックセンサ34のON検出の監視を行う「アンロックセンサ監視モード」と、ダミーセンサ35のON検出に基づいてロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を禁止する「動作禁止モード」と、のそれぞれの処理を周期的に実行する。
例えば、監視部120は、「アイドルモード」、「アンロックセンサ監視モード」、「アイドルモード」、「ロックセンサ監視モード」、「アイドルモード」、「動作禁止モード」(以後繰り返し)の順に周期的に処理を実行する。なお、監視部120は、ダミーセンサ35がON検出した場合には、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を禁止にする。
なお、各監視モードにおける監視時間は、例えば1〜2msecである。また、1周期の時間は、例えば4〜6msecである。
次に、図7から図13を参照して、検出処理の動作について詳しく説明する。
図7は、検出装置100における処理の遷移を示す遷移図である。また、図8から図13は、各処理の一例を示すフローチャートである。
(アイドルモード)
監視部120は、アイドルモードの処理を実行する(図7のステップS200)。具体的には、監視部120は、ロックセンサ33、アンロックセンサ34、及びダミーセンサ35のそれぞれから検知信号を取得して、各センサの状態を確認する。そして、監視部120は、各センサの状態に応じて、「アンロックセンサ監視モード」(図7のステップS300)、「ロックセンサ監視モード」(図7のステップS500)、又は「動作禁止モード」(図7のステップS700)に遷移させる。
図8は、アイドルモード処理の一例を示すフローチャートである。監視部120は、各センサから取得した検知信号に基づいて、ロックセンサ33、アンロックセンサ34、及びダミーセンサ35のそれぞれがON検出をしたか否かを判定する(図8のステップS210)。監視部120は、ロックセンサ33、アンロックセンサ34、及びダミーセンサ35のいずれもON検出をしていないと判定した場合(図8のステップS210:No)、ステップS210の処理を繰り返す。一方、監視部120は、ロックセンサ33、アンロックセンサ34、及びダミーセンサ35のいずれかがON検出をしたと判定した場合(図8のステップS210:Yes)、アンロックセンサ34がON検出したか否かを判定する(図8のステップS220)。監視部120は、アンロックセンサ34がON検出をしたと判定した場合(図8のステップS220:Yes)、「アイドルモード」から「アンロックセンサ監視モード」(図7のステップS300)に遷移させる。
一方、監視部120は、アンロックセンサ34がON検出をしていないと判定した場合(図8のステップS220:No)、ロックセンサ33がON検出をしたか否かを判定する(図8のステップS230)。監視部120は、ロックセンサ33がON検出をしたと判定した場合(図8のステップS230:Yes)、「アイドルモード」から「ロックセンサ監視モード」(図7のステップS500)に遷移させる。
また、監視部120は、ロックセンサ33がON検出をしていないと判定した場合(図8のステップS230:No)、ダミーセンサ35がON検出を検出したか否かを判定する(図8のステップS240)。監視部120は、ダミーセンサ35がON検出を検出したと判定した場合(図8のステップS240:Yes)、「アイドルモード」から「動作禁止モード」(図7のステップS700)に遷移させる。一方、監視部120は、ダミーセンサ35がON検出を検出していないと判定した場合(図8のステップS240:No)、ステップS210におけるON検出が誤検出であるとしてステップS210の処理に戻す。
(アンロックセンサ監視モード)
監視部120は、アイドルモードにおいてアンロックセンサ34がON検出をしたと判定した場合、アンロックセンサ監視モードの処理を実行する(図7のステップS300)。図9は、アンロックセンサ監視モード処理の一例を示すフローチャートである。なお、監視部120は、アンロックセンサ34のON検出の回数を計数するアンロックセンサON回数カウンタと、アンロックセンサ監視モードを開始してからの経過時間を計数するアンロックセンサ監視カウンタと、を有しているものとする。
監視部120は、アンロックセンサ監視モードの処理を開始すると、まず、アンロックセンサON回数カウンタをインクリメントする(図9のステップS310)。これにより、アンロックセンサON回数カウンタの値が「1」になる(ON検出回数:1)。次に、監視部120は、アンロックセンサ34から検知信号を取得し、取得した検知信号に基づいて、アンロックセンサ34の状態を確認する(図9のステップS320)。そして、監視部120は、取得した検知信号に基づいてアンロックセンサ34がON検出しているか否かを判定する(図9のステップS330)。監視部120は、取得した検知信号がHレベルの場合、アンロックセンサ34がON検出していると判定し(図9のステップS330:Yes)、ステップS310の処理に戻す。これにより、アンロックセンサON回数カウンタの値が「2」になる(ON検出回数:2)。
一方、監視部120は、取得した検知信号がLレベルの場合、アンロックセンサ34がON検出していないと判定し(図9のステップS330:No)、アンロックセンサ監視カウンタを更新する(図9のステップS340)。そして、監視部120は、アンロックセンサ監視カウンタの計数値(即ち、経過時間)が規定値(ON検出監視期間、例えば、1〜2msec)以上であるか否かを判定する(図9のステップS350)。アンロックセンサ監視カウンタの計数値が規定値未満であると判定された場合(図9のステップS350:No)、監視部120は、ステップS320に処理を戻す。
一方、アンロックセンサ監視カウンタの計数値が規定値以上であると判定された場合(図9のステップS350:Yes)、監視部120は、アンロックセンサ34のON検出回数が1回(即ち、アンロックセンサON回数カウンタの値が「1」)であるか否かを判定する(図9のステップS360)。アンロックセンサ34のON検出回数が1回でない(即ち、2回以上)と判定された場合(図9のステップS360:No)、監視部120は、外来ノイズによるON検出であると判定する。この場合、監視部120は、アンロックセンサON回数カウンタ及びアンロックセンサ監視カウンタをクリアして(図9のステップS370)アンロックセンサ監視モードの処理を終了し、「アイドルモード」(図7のステップS200)に戻す。
一方、アンロックセンサ34のON検出回数が1回であると判定された場合(図9のステップS360:Yes)、監視部120は、アンロックセンサ34にユーザが接近(又は接触)したと判定する。この場合、監視部120は、アンロックセンサON回数カウンタ及びアンロックセンサ監視カウンタをクリアして(図9のステップS380)、「アンロックON処理」(図7のステップS400)に遷移させる。
(アンロックON処理)
監視部120は、アンロックセンサ34にユーザが接近(又は接触)したと判定した場合、判定結果信号をLレベルから所定の期間HレベルにするアンロックON処理を実行する(図7のステップS400)。
図10は、アンロックON処理の一例を示すフローチャートである。なお、監視部120は、判定結果信号をHレベルにする期間を計数するアンロックONカウンタを有しているものとする。
監視部120は、アンロックセンサ34にユーザが接近(又は接触)したこと(即ち、ユーザがアンロックしようとしたこと)を、ドア制御部110に通知するため、判定結果信号をLレベルからHレベル(アンロック出力ON)にする(図10のステップS410)。そして、監視部120は、ダミーセンサ35から検知信号を取得してセンサ状態を確認する(図10のステップS420)。
次に、監視部120は、ステップS420において確認したセンサ状態に基づいて、ダミーセンサ35がON検出をしたか否かを判定する(図10のステップS430)。監視部120は、ステップS420において取得した検知信号がLレベルの場合、ダミーセンサ35がON検出をしていないと判定し(図10のステップS430:No)、次にアンロックONカウンタの計数値が規定値(Hレベルにする所定の期間)以上であるか否かを判定する(図10のステップS440)。アンロックONカウンタの計数値が規定値未満である場合(図10のステップS440:No)、監視部120は、アンロックONカウンタを更新する(図10のステップS445)。そして、監視部120は、ステップS410に処理を戻し、判定結果信号をHレベルのままとする。
一方、アンロックONカウンタの計数値が規定値以上となった場合(図10のステップS440:Yes)、監視部120は、判定結果信号をHレベルからLレベル(アンロック出力OFF)にする(図10のステップS450)。そして、監視部120は、アンロックONカウンタをクリアし(図10のステップS460)、アンロックON処理を終了して「アイドルモード」(図7のステップS200)に戻す。
一方、監視部120は、ステップS420において取得した検知信号がHレベルの場合、ダミーセンサ35がON検出をしたと判定する(図10のステップS430:Yes)。この場合、監視部120は、アンロックONカウンタをクリアし(図10のステップS470)、判定結果信号をHレベルからLレベル(アンロック出力OFF)にする(図10のステップS480)。そして、監視部120は、アンロックON処理を終了して「動作禁止モード」(図7のステップS700)に遷移させる。
(ロックセンサ監視モード)
監視部120は、アイドルモードにおいてロックセンサ33がON検出をしたと判定した場合、ロックセンサ監視モードの処理を実行する(図7のステップS400)。
図11は、ロックセンサ監視モード処理の一例を示すフローチャートである。なお、監視部120は、ロックセンサ33のON検出の回数を計数するロックセンサON回数カウンタと、ロックセンサ監視モードを開始してからの経過時間を計数するロックセンサ監視カウンタと、を有しているものとする。
監視部120は、ロックセンサ監視モードの処理を開始すると、まず、ロックセンサON回数カウンタをインクリメントする(図11のステップS510)。これにより、ロックセンサON回数カウンタの値が「1」になる(ON検出回数:1)。次に、監視部120は、ロックセンサ33から検知信号を取得し、取得した検知信号に基づいて、ロックセンサ33の状態を確認する(図11のステップS520)。そして、監視部120は、取得した検知信号に基づいてロックセンサ33がON検出しているか否かを判定する(図11のステップS530)。監視部120は、取得した検知信号がHレベルの場合、ロックセンサ33がON検出していると判定し(図11のステップS530:Yes)、ステップS510の処理に戻す。これにより、ロックセンサON回数カウンタの値が「2」になる(ON検出回数:2)。
一方、監視部120は、取得した検知信号がLレベルの場合、ロックセンサ33がON検出していないと判定し(図11のステップS530:No)、ロックセンサ監視カウンタを更新する(図11のステップS540)。そして、監視部120は、ロックセンサ監視カウンタの計数値(即ち、経過時間)が規定値(ON検出監視期間、例えば、1〜2msec)以上であるか否かを判定する(図11のステップS550)。ロックセンサ監視カウンタの計数値が規定値未満であると判定された場合(図11のステップS550:No)、監視部120は、ステップS520に処理を戻す。
一方、ロックセンサ監視カウンタの計数値が規定値以上であると判定された場合(図11のステップS550:Yes)、監視部120は、ロックセンサ33のON検出回数が1回(即ち、ロックセンサON回数カウンタの値が「1」)であるか否かを判定する(図11のステップS560)。ロックセンサ33のON検出回数が1回でない(即ち、2回以上)と判定された場合(図11のステップS560:No)、監視部120は、外来ノイズによるON検出であると判定する。この場合、監視部120は、ロックセンサON回数カウンタ及びロックセンサ監視カウンタをクリアして(図11のステップS570)ロックセンサ監視モードの処理を終了し、「アイドルモード」(図7のステップS200)に戻す。
一方、ロックセンサ33のON検出回数が1回であると判定された場合(図11のステップS560:Yes)、監視部120は、ロックセンサ33にユーザが接近(又は接触)したと判定する。この場合、監視部120は、ロックセンサON回数カウンタ及びロックセンサ監視カウンタをクリアして(図11のステップS580)、「ロックON処理」(図7のステップS600)に遷移させる。
(ロックON処理)
監視部120は、ロックセンサ33にユーザが接近(又は接触)したと判定した場合、判定結果信号をLレベルから所定の期間HレベルにするロックON処理を実行する(図7のステップS600)。
図12は、ロックON処理の一例を示すフローチャートである。なお、監視部120は、判定結果信号をHレベルにする期間を計数するロックONカウンタを有しているものとする。
監視部120は、ロックセンサ33にユーザが接近(又は接触)したこと(即ち、ユーザがロックしようとしたこと)を、ドア制御部110に通知するため、判定結果信号をLレベルからHレベル(ロック出力ON)にする(図12のステップS610)。そして、監視部120は、ダミーセンサ35から検知信号を取得してセンサ状態を確認する(図12のステップS620)。
次に、監視部120は、ステップS620において確認したセンサ状態に基づいて、ダミーセンサ35がON検出をしたか否かを判定する(図12のステップS630)。監視部120は、ステップS620において取得した検知信号がLレベルの場合、ダミーセンサ35がON検出をしていないと判定し(図12のステップS630:No)、次にロックONカウンタの計数値が規定値(Hレベルにする所定の期間)以上であるか否かを判定する(図12のステップS640)。ロックONカウンタの計数値が規定値未満である場合(図12のステップS640:No)、監視部120は、ロックONカウンタを更新する(図12のステップS645)。そして、監視部120は、ステップS610に処理を戻し、判定結果信号をHレベルのままとする。
一方、ロックONカウンタの計数値が規定値以上となった場合(図12のステップS640:Yes)、監視部120は、判定結果信号をHレベルからLレベル(ロック出力OFF)にする(図12のステップS650)。そして、監視部120は、ロックONカウンタをクリアし(図12のステップS660)、ロックON処理を終了して「アイドルモード」(図7のステップS200)に戻す。
一方、監視部120は、ステップS620において取得した検知信号がHレベルの場合、ダミーセンサ35がON検出をしたと判定する(図12のステップS630:Yes)。この場合、監視部120は、ロックONカウンタをクリアし(図12のステップS670)、判定結果信号をHレベルからLレベル(ロック出力OFF)にする(図12のステップS680)。そして、監視部120は、ロックON処理を終了して「動作禁止モード」(図7のステップS700)に遷移させる。
(動作禁止モード)
監視部120は、アイドルモードにおいてダミーセンサ35がON検出をしたと判定した場合、動作禁止モードの処理を実行する(図7のステップS700)。また、監視部120は、アンロックON処理及びロックオン処理においてダミーセンサ35がON検出をしたと判定した場合も同様に、動作禁止モードの処理を実行する。
図13は、動作禁止モードの処理の一例を示すフローチャートである。なお、監視部120は、動作禁止モードを開始してからの経過時間を計数する動作禁止カウンタを有しているものとする。
監視部120は、動作禁止モードを開始すると、動作禁止カウンタを更新する(図13のステップS710)。
次に、監視部120は、動作禁止カウンタの計数値(即ち、経過時間)が規定値以上であるか否かを判定する(図13のステップS720)。ここでの規定値は、動作禁止モードを継続する時間として設定される。例えば、アンテナ39から送信する送信波の1回分の送信時間と同等の時間、又は1回分の送信時間に所定の時間を加算した時間が、動作禁止モードを継続する時間を判定する規定値として設定される。
動作禁止カウンタの計数値が規定値未満であると判定された場合(図13のステップS720:No)、監視部120は、ステップS710に処理を戻す。一方、動作禁止カウンタの計数値が規定値以上であると判定された場合(図13のステップS720:Yes)、監視部120は、動作禁止カウンタをクリアして(図13のステップS730)動作禁止モードの処理を終了し、「アイドルモード」(図7のステップS200)に戻す。
なお、ここでは、監視部120が動作禁止カウンタの計数値が規定値以上となった場合にアイドルモードに戻す処理を説明したが、これに限られるものではない。例えば、監視部120は、ダミーセンサ35がON検出をしている期間(アンテナ39からの送信波を検知している期間)は動作禁止モードを継続し、ダミーセンサ35がON検出をしなくなったときにアイドルモードに戻してもよい。
以上説明したように、本実施形態による検出装置100は、人体の接近に応じて検知信号を出力するロックセンサ33及びアンロックセンサ34(第1センサ)と、アンテナ39から送信される送信波に応じて検知信号を出力するダミーセンサ35(第2センサ)と、監視部120と、を備える。監視部120は、ロックセンサ33、アンロックセンサ34、及びダミーセンサ35が出力する検知信号を監視するとともに、ダミーセンサ35が出力する検知信号に応じてロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を規定の時間禁止する。
この構成によれば、検出装置100は、ダミーセンサ35がアンテナ39からの送信波(ノイズ)を検出した場合にロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を規定の時間禁止するため、アンテナ39からの送信波(ノイズ)によってロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を誤検出してしまうことを抑制することができる。また、検出装置100は、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34を囲む様なシールド電極を必要としないため、アンテナ39の送信性能の低下及びセンサ感度の低下を抑制することができる。従って、検出装置100は、アンテナ39の送信性能の低下及びセンサ感度の低下を抑制しつつ、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を的確に検出することができる。
ここで、ダミーセンサ35は、アンテナ39から送信される送信波を検知するためのセンサ電極を備え、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34よりもアンテナ39の近傍に設けられている。
この構成によれば、ダミーセンサ35は、アンテナ39から送信される送信波の影響がロックセンサ33及びアンロックセンサ34よりも大きいため、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34へ影響するような送信波がアンテナ39から送信される場合には、確実にロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を禁止することができる。
また、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34は、ユーザの手(人体)の接近に応じて静電容量が変化するセンサ電極を備え、当該静電容量の変化に応じて検知信号を出力する。
この構成によれば、検出装置100は、静電容量方式のロックセンサ33及びアンロックセンサ34を用いて、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を検出することができる。また、検出装置100は、ダミーセンサ35がアンテナ39からの送信波(ノイズ)を検出した場合にはロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を規定の時間禁止するため、アンテナ39からの送信波(ノイズ)によってロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を誤検出してしまうことを抑制することができる。
また、監視部120は、ダミーセンサ35が出力する検知信号の監視と、ロックセンサ33が出力する検知信号の監視と、アンロックセンサ34が出力する検知信号の監視と、を周期的に実行してもよい。
この構成によれば、監視部120は、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)と、ダミーセンサ35への送信波の影響とを常時監視することができる。そのため、検出装置100は、ユーザの手の接近(又は接触)及びアンテナ39からの送信波によって常に変化する状況のなかで、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)の誤検出、及びドアの施錠又は解錠の誤作動を抑制することができる。
また、監視部120は、ダミーセンサ35が出力する検知信号に応じて、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を規定の時間無効としてもよい。
この構成によれば、検出装置100は、ダミーセンサ35がアンテナ39からの送信波(ノイズ)を検出した場合にはロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を規定の時間無効とするため、アンテナ39からの送信波(ノイズ)によってロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を誤検出してしまうことを抑制することができる。
ここで、上記の規定の時間は、アンテナ39が送信波を送信している期間に対応する時間であってもよい。
この構成によれば、検出装置100は、アンテナ39が送信波を送信している期間はロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を禁止又は無効とするため、アンテナ39からの送信波(ノイズ)によってロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を誤検出してしまうことを抑制することができる。
また、監視部120は、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34が出力する検知信号を規定の時間監視するとともに、当該規定の時間に亘って出力された検知信号に基づいて、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34への人体の接近を検出してもよい。
この構成によれば、監視部120は、規定の時間に亘ってロックセンサ33及びアンロックセンサ34から出力される検知信号を監視するため、ユーザの手の接近(又は接触)によるものと、外来ノイズによるものとを判別することができる。従って、検出装置100は、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を的確に検出することができる。
また、本実施形態によるドアハンドル装置1は、車両ドアに取り付けられる把持部10と、送信波を送信するアンテナ39と、検出装置100と、を備る。アンテナ39及び検出装置100は、把持部10内に設けられている。なお、検出装置100は、上述したように、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34(第1センサ)と、ダミーセンサ35と、監視部120と、を備える。ロックセンサ33及びアンロックセンサ34は、ユーザの手(人体)の接近に応じて静電容量が変化するセンサ電極を備え、当該静電容量の変化に応じて検知信号を出力する。ダミーセンサ35は、アンテナ39から送信される送信波に応じて検知信号を出力する。監視部120は、ロックセンサ33、アンロックセンサ34、及びダミーセンサ35が出力する検知信号を監視するとともに、ダミーセンサ35が出力する検知信号に応じて、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を規定の時間禁止する。
この構成によれば、ドアハンドル装置1は、ダミーセンサ35がアンテナ39からの送信波(ノイズ)を検出した場合にはロックセンサ33及びアンロックセンサ34からの出力を規定の時間禁止する。そのため、ドアハンドル装置1は、アンテナ39からの送信波(ノイズ)によってロックセンサ33及びアンロックセンサ34へのユーザの手の接近(又は接触)を誤検出してしまうことを抑制することができ、誤検出によるドアの施錠または解錠の誤作動を抑制することができる。
また、ドアは、車両用のドアであってもよい。また、把持部10は、車両用のドアが備えるアウタパネル2の車外側面に配置されてもよい。
この構成によれば、ドアハンドル装置1は、車両ドアへのユーザの手の接近(又は接触)の誤検出を抑制することができ、車両ドアの施錠または解錠の誤作動を抑制することができる。
(ダミーセンサ35のセンサ電極の形状)
ダミーセンサ35のセンサ電極は、面積や形状、配置位置によってノイズ検出感度(送信波の検出感度)及びアンテナ送信波特性へ及ぼす影響が異なる。
例えば、センサ電極の面積が大きい程、ノイズ検出感度は高くなるがアンテナ送信波特性への影響も大きくなってしまう。
また、センサ電極の形状については、ベタ(スリット無し)電極の方がノイズ検出感度を高くすることができるが、アンテナ送信波特性への影響が大きい。そこで、ダミーセンサ35のセンサ電極は、スリット状に形成されてもよい。
図13は、スリット状に形成されたダミーセンサ35のセンサ電極の一例を説明する説明図である。この図では、図3と同様のプリント回路基板31の正面図と、プリント回路基板31に配置されているダミーセンサ35の具体例とを示している。図示するように、ダミーセンサ35aは、センサ電極にスリットが設けられている例である。このダミーセンサ35aは、スリットの長手方向がアンテナ39の磁界軸方向と略垂直な方向となる向きに配置されている。この図に示すダミーセンサ35aの向きのように、スリットの長手方向がアンテナ39の磁界軸方向と平行な方向とならない向きの方が、磁界軸方向と平行となる向き(図示するダミーセンサ35bの向き)に比べて、ノイズ検出感度が高く、アンテナ送信波特性への影響が小さい。
このように、本実施形態に係る検出装置100において、ダミーセンサ35のセンサ電極をスリット状に形成することでセンサ電極の面積がベタ電極の場合に比較して小さくなるため、アンテナ39からの送信波への影響を少なくすることができる。また、検出装置100において、スリットの長手方向がアンテナ39の磁界軸方向と平行な方向とならない向き(好ましくは、垂直な方向となる向き)にダミーセンサ35を配置することで、磁界軸方向と平行な方向となる向きに配置するよりも、送信波(ノイズ)の検出感度を大きくすることができる。
また、センサ電極の配置位置については、センサ電極とアンテナ39との距離が近い方がノイズ検出感度を高くすることができるが、アンテナ送信波特性への影響が大きい。本実施形態によるダミーセンサ35のセンサ電極は、正面から見て(図13の紙面垂直方向から見て)アンテナ39と重なる位置に配置されているが、センサ電極をアンテナ39と重ならないように配置してもよい。この場合、ノイズ検出感度が低くなるが、アンテナ送信波特性への影響が小さくなる。
例えば、ダミーセンサ35は、図示するダミーセンサ35cのように、アンテナ39の外形長辺の外側の一方又は両方に配置されてもよい。また、ダミーセンサ35は、図示するダミーセンサ35dのように、センサ電極がコ字状に形成され、アンテナ39の外形短辺を含む端部の外側を囲むように配置されてもよい。
従って、把持部10の形状や、アンテナ39、プリント回路基板31等のレイアウトや、設定されるロックセンサ33及びアンロックセンサ34の検出感度等に応じて、必要とされるノイズ検出感度及びアンテナ送信波特性が満たされるように、ダミーセンサ35のセンサ電極の面積、形状、配置位置が適宜設定される。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、ユーザの手の接近(又は接触)を検知するセンサ(第1センサ)として、ロックセンサ33及びアンロックセンサ34の両方を備える構成を例に説明したが、いずれか一方のみを備える構成としてもよい。また、第1センサとして、ドアの施解錠用のセンサに代えて、ドア(ヒンジ型ドア、スライドドア等、ハッチ型ドア等)開閉用センサとしてもよい。
また、上記実施形態では、車両ドアのドアハンドル装置1を例として説明したが、ドアハンドル装置1、及びドアハンドル装置1が備える検出装置100は、車両以外(例えば、住宅等の建造物)のドアにも適用することができる。
また、本実施形態による検出装置100は、把持部10を備えていないドア(例えば、自動開閉するドアや、把持部10を備えていない車両のドアの施解錠ユニット等)に適用してもよい。また、本実施形態による検出装置100は、ドアに限らず、ロック機構を有する箱の蓋、窓等に適用してもよい。
1 ドアハンドル装置、2 アウタパネル、10 把持部、33 ロックセンサ、34 アンロックセンサ、35 ダミーセンサ、39 アンテナ、100 検出装置、101 ロック機構、102 ロック機構駆動部、110 ドア制御部、111 通信部、112 認証部、113 ドアロック制御部、120 監視部

Claims (5)

  1. 人体の接近に応じて静電容量が変化するセンサ電極を備え、当該静電容量の変化に応じて検知信号を出力する第1センサと、
    アンテナから送信される送信波に応じて検知信号を出力する第2センサと、
    前記第1センサ及び前記第2センサが出力する検知信号を監視するとともに、前記第2センサが出力する検知信号に応じて前記第1センサからの出力を規定の時間禁止する監視部と、
    を備え
    前記第1センサは、
    ドアに取り付けられる把持部に設けられ、ドアロックを施錠するためのロックセンサ、及びドアロックを解錠するためのアンロックセンサの一方又は両方を備え、
    前記監視部は、
    前記第2センサが出力する検知信号の監視と、前記ロックセンサが出力する検知信号の監視と、前記アンロックセンサが出力する検知信号の監視と、を周期的に実行する、
    出装置。
  2. 前記第2センサは、
    前記アンテナから送信される送信波を検知するためのセンサ電極を備え、
    前記第1センサよりも前記アンテナの近傍に設けられている、
    請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記規定の時間は、
    前記アンテナが送信波を送信している期間に対応する時間である、
    請求項1または2に記載の検出装置。
  4. 前記監視部は、
    前記第1センサが出力する検知信号を規定の時間監視するとともに、当該規定の時間に亘って出力された検知信号に基づいて、前記第1センサへの人体の接近を検出する
    請求項1からの何れか一項に記載の検出装置。
  5. ドアに取り付けられる把持部と、
    前記把持部内に設けられ、送信波を送信するアンテナと、
    前記把持部内に設けられた、請求項1からの何れか一項に記載の検出装置と、
    を備えるドアハンドル装置。
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