JP6197538B2 - 光モジュール、光モジュール用レンズキャップ - Google Patents

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Description

本発明は、光モジュール、光モジュール用レンズキャップに関する。
従来、例えば、特開2007−93901号公報に開示されているように、鏡筒にレンズをプレス成形した光モジュールが知られている。鏡筒にレンズをプレス成形した光モジュールにおいては、鏡筒の材料の線膨張係数をレンズ用ガラスの線膨張係数よりも大きくするように材料選定を行うことが一般的である。これは、レンズのプレス成形を高温環境下で行い、その後の冷却過程において線膨張係数の差を利用した熱かしめ効果を利用するためである。これにより、レンズと鏡筒との間の気密性が確保されている。
しかしながら、鏡筒の材料の線膨張係数をレンズ用ガラスの線膨張係数よりも大きくすることができない場合もある。典型的には、鏡筒はレンズを直接に保持するので周囲温度の変化により鏡筒が熱膨張するとレンズの位置が変化してしまうという問題がある。線膨張係数が大きい材料を鏡筒に用いると、レンズキャップの温度変化により鏡筒底面からレンズまでの距離が大きく変動してしまう。レンズと半導体光素子の発光点との間の距離が変化すると、レンズによるレーザ集光位置が変動し、光出力が変動してしまうという問題がある。
このような問題を抑制するためには、小さな線膨張係数の材料で鏡筒を形成することが好ましい。比較的熱膨張係数の小さな金属材料としては例えば鉄、ニッケル、およびコバルトの合金であるKovar(登録商標)が知られている。上記公報にかかる光モジュールも、鏡筒にKovarを用いている。
特開2007−93901号公報 特開2002−313973号公報 特開2007−165551号公報 特開平5−55396号公報 特開2010−27650号公報 特開2005−191088号公報 特開2009−94179号公報
レンズ用ガラスの選定には、結合効率を高くするためにガラスの屈折率をある程度高くしなければならない。普及している高屈折率のレンズ用ガラスは線膨張係数が高めの値となる傾向があり、鏡筒の材料の線膨張係数を小さめにしようとすると、鏡筒の材料の線膨張係数がレンズ用ガラスの線膨張係数よりも小さくなることがある。そのような材料選定を行うと、線膨張係数の差を利用した熱かしめ効果が低下し、レンズと鏡筒との間の気密性が低下するという問題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、プレス成形されたレンズのほうが鏡筒より線膨張係数が大きい場合であっても気密性の低下を抑制できる光モジュール、光モジュール用レンズキャップを提供することを目的とする。
第1の発明にかかる光モジュールは、
筒部および前記筒部の一端に設けられレンズ取付穴を備えたフタ部を備え、前記筒部の他端が開口し、第1線膨張係数を有する材料から形成された鏡筒と、
前記第1線膨張係数よりも大きい第2線膨張係数を有するレンズ用ガラスが前記レンズ取付穴内にプレス成形されたレンズと、
前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に設けられて前記レンズと前記鏡筒との間を埋め、前記レンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低いガラス層と、
上面および前記上面に設けられた光素子を備え、前記光素子に前記鏡筒がかぶせられて前記他端が前記上面に接合したステムと、
を備えることを特徴とする。
第2の発明にかかる光モジュールは、
筒部および前記筒部の一端に設けられレンズ取付穴を備えたフタ部を備え、前記筒部の他端が開口し、第1線膨張係数を有する材料から形成された鏡筒と、
前記第1線膨張係数よりも大きい第2線膨張係数を有するレンズ用ガラスが前記レンズ取付穴内にプレス成形されたレンズと、
前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に設けられ、前記レンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低いガラス層で接続された、平板ガラスと、
上面および前記上面に設けられた光素子を備え、前記光素子に前記鏡筒がかぶせられて前記他端が前記上面に接合したステムと、
を備えることを特徴とする。
第3の発明にかかる光モジュール用レンズキャップは、
筒部および前記筒部の一端に設けられレンズ取付穴を備えたフタ部を備え、前記筒部の他端が開口し、第1線膨張係数を有する材料から形成された鏡筒と、
前記第1線膨張係数よりも大きい第2線膨張係数を有するレンズ用ガラスが前記レンズ取付穴内にプレス成形されたレンズと、
前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に設けられて前記レンズと前記鏡筒との間を埋め、前記レンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低いガラス層と、
を備えることを特徴とする。
第4の発明にかかる光モジュール用レンズキャップは、
筒部および前記筒部の一端に設けられレンズ取付穴を備えたフタ部を備え、前記筒部の他端が開口し、第1線膨張係数を有する材料から形成された鏡筒と、
前記第1線膨張係数よりも大きい第2線膨張係数を有するレンズ用ガラスが前記レンズ取付穴内にプレス成形されたレンズと、
前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に設けられ、前記レンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低いガラス層で接続された、平板ガラスと、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、気密性を低下させるリークパスを塞ぐようにしたので、プレス成形されたレンズのほうが鏡筒より線膨張係数が大きい場合であっても気密性の低下を抑制できる。
本発明の実施の形態1にかかる光モジュールを示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる光モジュール用レンズキャップを示す断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例にかかる光モジュール用レンズキャップを示す断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例にかかる光モジュールを示す断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる光モジュール用レンズキャップを示す断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例にかかる光モジュール用レンズキャップを示す断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる光モジュールを示す断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる光モジュール用レンズキャップを示す断面図である。 本発明の実施の形態3の変形例にかかる光モジュール用レンズキャップを示す断面図である。 本発明の実施の形態にかかる光モジュールの作用効果を説明するために用いるグラフである。
実施の形態1.
[実施の形態1の装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる光モジュール10を示す図である。光モジュール10は、ステム12と、このステム12にかぶせられる光モジュール用レンズキャップ20と、レンズキャップ20に固定されるレセプタクル用ホルダ18と、レセプタクル19とを備えている。以下、説明の便宜上、光モジュール用レンズキャップを、単に「レンズキャップ」とも称す。
レンズキャップ20は、鏡筒30に対してレンズ48がプレス成形されたものである。鏡筒30は全体として円筒状でその内部は空洞37である。鏡筒30の内面およびステム12の上面12aとで空洞が形成されている。
ステム12の上面12aには、ペルチエモジュール15が設けられている。ペルチエモジュール15の上には金属ブロック14が設けられている。金属ブロック14の側面にはサブマウント16が設けられており、このサブマウント16上に光素子であるレーザダイオード17が取り付けられている。図1では図示を省略するが、リードピン13に対してレーザダイオード17の電極が適宜に金属ワイヤで接続される。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる光モジュール用レンズキャップ20を示す断面図である。レンズキャップ20は、鏡筒30にレンズ48がプレス成形されたものである。鏡筒30は、フタ部31および筒部32を備えている。
フタ部31は、筒部32の一端に設けられている。フタ部31は、肉厚部33と、この肉厚部33の中央に設けられたレンズ取付穴31c、31dとを備えている。フタ部31は、互いに反対向きの上面31aおよび下面31bを備えており、下面31bは筒部32の内側を向いている。レンズ取付穴31dは一定の直径を有する円形の穴であり、レンズ取付穴31cはレンズ取付穴31dの一端からフタ部31の上面31aにかけて徐々に直径が増大するように設けられた穴である。
鏡筒30は、金属製であり、鉄、コバルトおよびニッケルの合金、具体的にはKovar(登録商標)で形成した鏡筒である。鏡筒30の材料としては、42Ni−Feなどを用いることもできる。Kovarの線膨張係数は4.9×10−6[1/K]〜5.5×10−6[1/K]であり、Fe−42Niの線膨張係数は4.5×10−6[1/K]〜6×10−6[1/K]である。
筒部32は円筒上の筒であり、その内部は空洞37である。筒部32の側壁34は薄く作られており、その内部に空洞37が設けられている。筒部32の他端は開口しており、その他端にはツバ部35が設けられている。ツバ部35の底面36が、ステム12の上面12aに固着されて、気密封止される。
レンズ取付穴31dには、レンズ48が設けられている。レンズ48は、レンズ用ガラスがレンズ取付穴31d内にプレス成形されることで設けられたものである。ここで用いる屈折率が高いレンズ用ガラスとしては、L−LAH85(線膨張係数が7.8×10−6[1/K])などがある。
低融点ガラス層40が、鏡筒30におけるレンズ取付穴31cの縁に設けられて、レンズと鏡筒30との間を埋めている。低融点ガラス層40は、レンズ48における上面31a側の表面と、フタ部31におけるレンズ取付穴31cの内面とにかけて連続的に設けられている。図示しないが、レンズ48とレンズ取付穴31dの縁との接触部に沿って、平面視でリング状に、低融点ガラス層40が設けられている。これにより、リークパスを覆うことができる。リークパスは、レンズの表面側から裏面側へと伸びるようにレンズと鏡筒の接合界面に発生する隙間やクラックのことである。
低融点ガラス層40は、レンズ48のプレス成形に用いるレンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低いガラスである。実施の形態1では、軟化点が600℃以下のガラスを低融点ガラスというものとする。
低融点ガラスは、鏡筒30やプレスレンズ用ガラスとの熱変形量のミスマッチによるクラックを低減するため、鏡筒30とプレスレンズ用ガラスの線膨張係数の間の値のものを選定することが好ましい。例えばKovarで鏡筒30を形成し、L−LAH85をプレス成形用のレンズ用ガラスとする組合せでは、低融点ガラスは線膨張係数が5.5×10−6[1/K]〜7.5×10−6[1/K]のものとすることが望ましい。例えば、線膨張係数が6.5×10−6[1/K]のLS−2010などである。
[実施の形態1の装置の作用効果]
図10は、本発明の実施の形態にかかる光モジュール10の作用効果を説明するために用いるグラフである。図10は、市販のプレスレンズ用ガラスの屈折率と線膨張係数の関係を調べたものである。高い結合効率を実現するためには、レンズ用ガラスに例えば1.8以上の高屈折率の材料を選定する必要がある。図10に示すように、高屈折率のプレスレンズ用ガラスの線膨張係数は6.5×10−6[1/K]以上のもので占められている。
図10には、Kovarの線膨張係数である4.9×10−6[1/K]〜5.5×10−6[1/K]と、Fe−42Niの線膨張係数である4.5×10−6[1/K]〜6×10−6[1/K]を、矢印で図示している。図10に示すように、屈折率1.8以上の高屈折率のレンズ用ガラスを採用するとともにKovarを鏡筒30に用いる場合、レンズ用ガラスの線膨張係数のほうが鏡筒30の線膨張係数よりも大きくなってしまう。
この場合、鏡筒30とレンズ48の間の熱かしめの力が減り、リークが発生する。実際にKovar製の鏡筒30に線膨張係数が約8×10−6/Kのプレスレンズ用ガラスを用いたレンズキャップ20では、1.0×10−5Pa・m/s以上のリークが発生してしまった。プレス成形性を高めるため、ガラス転移温度Tgを低くしたプレス成形用のレンズ用ガラスがある。例えば、オハラL−LAHシリーズである。この種のガラスでは、線膨張係数が7.0×10−6[1/K]以上と更に高くなり、さらに大きなリークが発生してしまう。
プレスレンズ用ガラスは、レンズ形状の成形性(成形温度)や屈折率といった光学的特性を優先する必要があるため、線膨張係数のみを優先した選択ができない。これに対し、低融点ガラス層40はレンズ48と鏡筒30の接合や気密性確保を目的としており屈折率を考慮する必要がないので、さまざまな線膨張係数の材料から自由に選択することができる。
従って、Kovar等の線膨張係数の小さな材料に線膨張係数を近づけたり、レンズ用ガラスと鏡筒30の中間の線膨張係数を選択することができる。また溶融温度もプレスレンズ成形温度よりも低いものを選択できるので、低融点ガラス溶融後の温度冷却に伴う熱ひずみも低減できる。レンズ48のプレス成形後に発生したレンズ48と鏡筒30の間のリークパスを低融点ガラス層40で埋めることは、気密性の確保という観点から優位性が高い。
リークパスを低融点ガラス層40が埋める(覆う)ことで、高屈折率かつ大きな線膨張係数のレンズ用ガラスに対して線膨張係数の小さな材料を鏡筒30に適用したとしても、プレスレンズ用ガラスの線膨張係数が金属鏡筒の線膨張係数よりも高い場合(例えば、その差が3.0×10−6[1/K]以上の場合)においても、レンズキャップの気密性を確保することができる。例えば、本実施形態によれば、1×10−9Pa・m/s以下という高い気密性を確保することができる。
またレンズは加圧プレスで成形するため、レンズ位置精度も高く、加圧プレス時に鏡筒に対するレンズ位置は固定されるため、低融点ガラス溶融時のレンズ位置を決める治工具等が不要となり、生産性も向上する。さらに低線膨張係数材料を鏡筒に使用しているため、熱変形によるレンズ位置変動も1.0〜3.0um(ΔT=70.0K)に低減することができる。
上記実施の形態では、線膨張係数が6.5×10−6[1/K]よりも小さい材料、具体的にはKovarやFe−42Niで鏡筒を形成するものとしたが、本発明はこれに限られない。線膨張係数が6.5×10−6[1/K]よりも大きい材料で鏡筒を形成してもよい。例えば、線膨張係数が高いプレスレンズ用ガラス(例えばオハラ製のL−BBH、線膨張係数が13.0×10−6[1/K]以上)に対して、SUS430(線膨張係数が10×10−6[1/K]〜11×10−6[1/K])等の材料を鏡筒に使うような場合にも、本発明を適用できる。
特に、実施の形態1では低融点ガラス層40を用いているので、下記のようにガラス特有の利点を得ることができる。
・はんだや接着剤では、耐熱温度が300℃以下である。一般的なSnAgCuはんだでは219℃、高融点はんだであるAuSnはんだで280℃である。これに対し、ガラスの耐熱温度は高いという利点がある。
・接着剤は水分を通すため、リークレート:1×10−9Pa・m/s以下の気密性が確保できない。これに対し、ガラスは水分/空気等を通さないため、気密性が確保できるという利点がある。
・はんだをつけるには、接合面にはんだが濡れる材料を使用する必要がある。レンズはガラスではんだが濡れないため、Auなどを蒸着又はめっきでつける必要がある。しかし、光が通る部分には蒸着およびめっきを行ってはいけないので、非常に手間がかかる。これに対し、低融点ガラスは、接合部にめっき等の表面処理は不要であるという利点がある。
・吸湿や腐食による劣化の懸念がないため、気密封止されていない部分(つまりレンズキャップ20の外側表面)に使用することができるという利点がある。
・レンズ中心を通らない光が低融点ガラス部にあたった場合も、反射される光の量が少ないという利点がある。これに対し、溶融したはんだは表面が滑らかであるため、反射光の影響がガラスよりも多い。
図3は、本発明の実施の形態1の変形例にかかる光モジュール用レンズキャップ60を示す図である。図4は、本発明の実施の形態1の変形例にかかる光モジュール110を示す断面図である。レンズキャップ60は、レンズキャップ20とは、低融点ガラス層を設けた位置が異なっている。低融点ガラス層80は、レンズ48における下面31b側の表面と、フタ部31におけるレンズ取付穴31dの内面とにかけて連続的に設けられている。筒部32の内部空間である空洞37は気密封止されるので、その気密封止空間に低融点ガラス層80を設けることができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2にかかる光モジュールは、レンズキャップ20をレンズキャップ120に置換した点を除き、光モジュール10と同じである。したがって、以下の説明では実施の形態1と同一または相当する構成については同一の符号を付して説明を行うとともに、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通事項は説明を簡略化ないしは省略する。
図5は、本発明の実施の形態2にかかる光モジュール用レンズキャップ120を示す断面図である。レンズキャップ120は、レンズキャップ20と同じ材料で形成されておりほぼ同様の形状を備えている。しかしレンズキャップ120は、その鏡筒130が溝132を備えている点がレンズキャップ20と異なっている。
鏡筒130は、実施の形態1にかかる鏡筒130と同じく筒部32を備え、この筒部32の一端にフタ部131が設けられている。フタ部131は、肉厚部133と、この肉厚部133の中央に設けられたレンズ取付穴131c、131dとを備えている。フタ部131は、互いに反対向きの上面131aおよび下面131bを備えており、下面131bは筒部32の内側を向いている。レンズ取付穴131dは一定の直径を有する円形の穴であり、レンズ取付穴131cはレンズ取付穴131dの一端からフタ部131の上面131aにかけて徐々に直径が増大するように設けられた穴である。
レンズ取付穴131dには、レンズ48が設けられている。鏡筒130におけるレンズ取付穴131dの縁に、溝132が設けられている。溝132は、側面132aおよび底面132bを備えている。溝132の深さは、0.1mmからレンズ48の厚さの半分の範囲で低融点ガラスペレットの厚みよりも深くすることが望ましい。溝132は、レンズ取付穴131dの縁に沿ってリング状に設けられている。低融点ガラス層140が、この溝132内に設けられている。この溝132に低融点ガラス層140が収まることで、低融点ガラス層140がレンズ48の有効径部分へ流れ出すことを防止することができる。
図6は、本発明の実施の形態2の変形例にかかる光モジュール用レンズキャップ160を示す断面図である。レンズキャップ160は、鏡筒170にレンズ48をプレス成形したものである。鏡筒170の材料は、鏡筒30と同じである。
鏡筒170は、実施の形態1にかかる鏡筒30と同じく筒部32を備え、この筒部32の一端にフタ部171が設けられている。フタ部171は、肉厚部173と、この肉厚部173の中央に設けられたレンズ取付穴171c、171dとを備えている。フタ部171は、互いに反対向きの上面171aおよび下面171bを備えており、下面171bは筒部32の内側を向いている。レンズ取付穴171dは一定の直径を有する円形の穴であり、レンズ取付穴171cはレンズ取付穴171dの一端からフタ部171の上面171aにかけて徐々に直径が増大するように設けられた穴である。
レンズキャップ120は溝132をフタ部131の上面131a側に開口するように設けたが、これに対し、レンズキャップ160は溝172をフタ部171の下面171b側に開口するように設けている。これがレンズキャップ120とレンズキャップ160の違いである。溝172は、側面172aおよび底面172bを備えている。溝172に低融点ガラス層140が収まることで、低融点ガラス層140がレンズ48の有効径部分へ流れ出すことを防止することができる。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3にかかる光モジュール210を示す断面図である。レンズキャップ20をレンズキャップ220に置換した点を除き、光モジュール210は光モジュール10と同じである。したがって、以下の説明では実施の形態1と同一または相当する構成については同一の符号を付して説明を行うとともに、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通事項は説明を簡略化ないしは省略する。
図8は、本発明の実施の形態3にかかる光モジュール用レンズキャップ220を示す断面図である。レンズキャップ220は、鏡筒230にレンズ48をプレス成形したものである。鏡筒230の材料は、鏡筒30と同じである。
鏡筒230は、実施の形態1にかかる鏡筒30と同じく筒部32を備え、この筒部32の一端にフタ部231が設けられている。フタ部231は、肉厚部233と、この肉厚部233の中央に設けられたレンズ取付穴231c、231dとを備えている。フタ部231は、互いに反対向きの上面231aおよび下面231bを備えており、下面231bは筒部32の内側を向いている。レンズ取付穴231dは一定の直径を有する円形の穴であり、レンズ取付穴231cはレンズ取付穴231dの一端からフタ部231の上面231aにかけて徐々に直径が増大するように設けられた穴である。
フタ部231の上面231aには、凹部240が設けられている。この凹部240の直径は、レンズ取付穴231c、231dの直径よりも大きい。凹部240は底面241および側面242を備えており、底面241の中央にはレンズ取付穴231cが接続している。
凹部240内には、平板ガラス250が取り付けられている。平板ガラス250は、ガラス本体252およびガラス本体252の表面に設けられた低融点ガラス層251からなる。平板ガラス250は、底面241すなわち鏡筒230におけるレンズ取付穴231cの縁に接続している。この接続は、レンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低い低融点ガラス層251で実現されている。
レンズ48と鏡筒230の間にリークパスが存在したとしても、平板ガラス250を低融点ガラス層251で接続することで気密性を確保できる。
図9は、本発明の実施の形態3の変形例にかかる光モジュール用レンズキャップ260を示す断面図である。レンズキャップ260は、鏡筒270にレンズ48をプレス成形したものである。鏡筒270の材料は、鏡筒30と同じである。
鏡筒270は、実施の形態1にかかる鏡筒30と同じく筒部32を備え、この筒部32の一端にフタ部271が設けられている。フタ部271は、肉厚部273と、この肉厚部273の中央に設けられたレンズ取付穴271c、271dとを備えている。フタ部271は、互いに反対向きの上面271aおよび下面271bを備えており、下面271bは筒部32の内側を向いている。レンズ取付穴271dは一定の直径を有する円形の穴であり、レンズ取付穴271cはレンズ取付穴271dの一端からフタ部271の上面271aにかけて徐々に直径が増大するように設けられた穴である。
レンズキャップ220は凹部240をフタ部231の上面231a側に開口するように設けたが、これに対し、レンズキャップ260は凹部280をフタ部271の下面271b側に開口するように設けている。これがレンズキャップ220とレンズキャップ260の違いである。
フタ部271の下面271bには、凹部280が設けられている。この凹部280の直径は、レンズ取付穴271c、271dの直径よりも大きい。凹部280は底面281および側面282を備えており、底面281の中央にはレンズ取付穴271dが接続している。
凹部280内には、平板ガラス250が取り付けられている。レンズ48と鏡筒270の間にリークパスが存在したとしても、平板ガラス250を低融点ガラス層251で接続することで気密性を確保できる。
10、110、210 光モジュール、12 ステム、12a 上面、13 リードピン、14 金属ブロック、15 ペルチエモジュール、16 サブマウント、17 レーザダイオード、18 レセプタクル用ホルダ、19 レセプタクル、20、60、120、160、220、260 レンズキャップ(光モジュール用レンズキャップ)、30、130、170、230、270 鏡筒、31、131、171、231、271 フタ部、31a、131a、171a、231a、271a 上面、31b、131b、171b、231b、271b 下面、31c、131c、171c、231c、271c、31d、131d、171d、231d、271d レンズ取付穴、32 筒部、33、133、173、233、273 肉厚部、34 側壁、35 ツバ部、36 底面、37 空洞、40、140、251 低融点ガラス層、48 レンズ、132、172 溝、132a 側面、132b 底面、240、280 凹部、241、281 底面、242、282 側面、250 平板ガラス、252 ガラス本体

Claims (9)

  1. 筒部および前記筒部の一端に設けられレンズ取付穴を備えたフタ部を備え、前記筒部の他端が開口し、第1線膨張係数を有する材料から形成された鏡筒と、
    前記第1線膨張係数よりも大きい第2線膨張係数を有するレンズ用ガラスが前記レンズ取付穴内にプレス成形されたレンズと、
    前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に設けられて前記レンズと前記鏡筒との間を埋め、前記レンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低いガラス層と、
    上面および前記上面に設けられた光素子を備え、前記光素子に前記鏡筒がかぶせられて前記他端が前記上面に接合したステムと、
    を備えることを特徴とする光モジュール。
  2. 前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に溝が設けられ、
    前記ガラス層は前記溝内に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  3. 筒部および前記筒部の一端に設けられレンズ取付穴を備えたフタ部を備え、前記筒部の他端が開口し、第1線膨張係数を有する材料から形成された鏡筒と、
    前記第1線膨張係数よりも大きい第2線膨張係数を有するレンズ用ガラスが前記レンズ取付穴内にプレス成形されたレンズと、
    前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に設けられ、前記レンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低いガラス層で接続された、平板ガラスと、
    上面および前記上面に設けられた光素子を備え、前記光素子に前記鏡筒がかぶせられて前記他端が前記上面に接合したステムと、
    を備えることを特徴とする光モジュール。
  4. 前記ガラス層は、低融点ガラスからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光モジュール。
  5. 前記第2線膨張係数が、6.5×10−6[1/K]以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光モジュール。
  6. 前記鏡筒の材料は、Kovar(登録商標)またはFe−42Niであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光モジュール。
  7. 筒部および前記筒部の一端に設けられレンズ取付穴を備えたフタ部を備え、前記筒部の他端が開口し、第1線膨張係数を有する材料から形成された鏡筒と、
    前記第1線膨張係数よりも大きい第2線膨張係数を有するレンズ用ガラスが前記レンズ取付穴内にプレス成形されたレンズと、
    前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に設けられて前記レンズと前記鏡筒との間を埋め、前記レンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低いガラス層と、
    を備えることを特徴とする光モジュール用レンズキャップ。
  8. 前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に溝が設けられ、
    前記ガラス層は前記溝内に設けられたことを特徴とする請求項7に記載の光モジュール用レンズキャップ。
  9. 筒部および前記筒部の一端に設けられレンズ取付穴を備えたフタ部を備え、前記筒部の他端が開口し、第1線膨張係数を有する材料から形成された鏡筒と、
    前記第1線膨張係数よりも大きい第2線膨張係数を有するレンズ用ガラスが前記レンズ取付穴内にプレス成形されたレンズと、
    前記鏡筒における前記レンズ取付穴の縁に設けられ、前記レンズ用ガラスよりもガラス転移温度の低いガラス層で接続された、平板ガラスと、
    を備えることを特徴とする光モジュール用レンズキャップ。
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