JP2019046826A - シリカ部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】他部材に対してめっきにより良好に接着することができるシリカ部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】LED用レンズ10は、シリカガラスからなる本体部11を備えている。本体部11は、例えば、半球体状のレンズ部11Aと、レンズ部11Aの平面側周縁部に設けられたフランジ部11Bとを有している。フランジ部11Bの底面(接合部11C)には、厚さ0.3μm以上のAu層12が設けられている。Au層12と接合部11Cとの間には、Cu層を含む下地層13が設けられることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】LED用レンズ10は、シリカガラスからなる本体部11を備えている。本体部11は、例えば、半球体状のレンズ部11Aと、レンズ部11Aの平面側周縁部に設けられたフランジ部11Bとを有している。フランジ部11Bの底面(接合部11C)には、厚さ0.3μm以上のAu層12が設けられている。Au層12と接合部11Cとの間には、Cu層を含む下地層13が設けられることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、シリカ部材に関し、特に発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)のキャップやレンズなどに適したシリカ部材及びその製造方法に関する。
シリカガラスは、高温でも安定しており、紫外線などの光の透過性に優れ、また、自身が紫外線などで劣化しないため、LEDのキャップやレンズなどの材料としてとても好ましい。紫外線用LEDでは、例えば、キャップやレンズを筐体に固定し、封止する封止材としてフリットガラスやはんだなどが用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような封止材では、シリカガラスよりなるキャップやレンズと、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどからなるセラミックスの筐体とを接着することが難しく、素子を密閉することが困難であった。そこで、従来は、あえてシリカガラスではない紫外線透過ガラスのキャップ又はレンズを用いたり、紫外線に強くない樹脂で接着(固定)することが多かった(例えば、特許文献2参照)。そのため、光の透過性が不十分であったり、劣化により密閉性が破壊されてしまう場合があった。
また、シリカガラス製のキャップやレンズと、セラミックス製の筐体とをはんだにより接着する方法としては、シリカガラス製のキャップやレンズの接着面をメタライズすることが考えられる。しかし、単にメタライズしただけでは、加熱冷却が繰り返される部位のため、シリカガラスとメタライズ膜の熱膨張に起因する応力が発生し、早期の破壊につながってしまう。一般的なメタライズ膜の材料であるCr(クロム)は、蒸着による成膜をした場合、密着性を高めるためには成膜温度を高くする必要があるので、使用温度である常温付近ではシリカガラスとの間に応力が高くなり、あまり好ましくない。つまり、膜の剥離や、シリカガラス製のキャップやレンズにクラックが入るなどの現象が発生し、LED素子側に影響を及ぼすなど、信頼性に問題があった。
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、他部材に対してめっきにより良好に接着することができるシリカ部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のシリカ部材は、シリカガラスからなる本体部を備え、この本体部の他部材に対する接合部に、厚さ0.3μm以上のAu(金)層が設けられたものである。
本発明のシリカ部材の製造方法は、シリカガラスからなる本体部を備え、この本体部の他部材に対する接合部に、厚さ0.3μm以上のAu層が設けられたシリカ部材を製造するものであって、Au層は、湿式めっきにより形成するものである。
本発明のシリカ部材によれば、シリカガラスからなる本体部の接合部にAu層を設けるようにしたので、はんだとの相性を向上させることができ、接合部と他部材とを良好に接着することができる。また、Au層の厚さを0.3μm以上とするようにしたので、接合部と他部材とを強固に接着することができ、剥離を抑制することができる。
更に、Au層をめっきにより形成し、Au層と接合部との間に、Cu(銅)層、又は、Cu層とその表面に設けたNi(ニッケル)層とを含む下地層をめっきにより形成するようにすれば、接合部の濡れ性を改善し、良好なAu層を形成することができると共に、応力を低く抑えることができる。よって、剥離をより抑制することができる。
加えて、Au層と下地層との合計厚さを0.5μm以上10μm以下とするようにすれば、応力を緩和しつつ、Au層及び下地層の強度を保持することができる。よって、剥離をより抑制することができる。
更にまた、接合部にめっきをするための足を設けるようにすれば、容易に製造でき、より強固に接着することができる。
本発明のシリカ部材の製造方法によれば、湿式めっきによりAu層を形成するようにしたので、厚さ0.3μm以上のAu層を容易に形成することができる。また、接合部のみをめっき液に浸けるようにすれば、マスクレスでめっきすることができ、コストや製造時間の低減を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係るシリカ部材であるLED用レンズ10の構成を表すものであり、(A)は断面構成を表し、(B)は下側から見た構成を表している。図2は、LED用レンズ10を用いたLED装置20の断面構造を表すものであり、(A)は全体構成を表し、(B)は(A)に示した破線の部分を拡大して表している。
図1は、第1の実施の形態に係るシリカ部材であるLED用レンズ10の構成を表すものであり、(A)は断面構成を表し、(B)は下側から見た構成を表している。図2は、LED用レンズ10を用いたLED装置20の断面構造を表すものであり、(A)は全体構成を表し、(B)は(A)に示した破線の部分を拡大して表している。
このLED用レンズ10は、シリカガラスからなる本体部11を備えている。本体部11は、例えば、半球体状のレンズ部11Aと、レンズ部11Aの平面側周縁部に設けられたフランジ部11Bとを有している。このLED用レンズ10は、例えば、図2に示したように、LED21が配設された筐体22に対して配設される。
筐体22には、例えば、LED21を配設する凹部23が設けられており、凹部23の上部には、例えば、LED用レンズ10を配設するための段差部24が設けられている。LED用レンズ10は、例えば、フランジ部11Bを段差部24に当接させて配設され、フランジ部11Bの底面と段差部24の上面とが接合される。すなわち、このLED用レンズ10では、フランジ部11Bの底面が、他部材である筐体22に対する接合部11Cとなっている。フランジ部11Bの底面と段差部24の上面とは、例えば、はんだ25により接合される。気密性高く封止するためである。はんだ25の材料としては、例えば、AuSn(金錫)はんだが用いられる。また、段差部24の上面には、はんだ25の濡れ性を向上させるために筐体メタライズ層26が形成されていることが好ましい。筐体メタライズ層26としては、例えば筐体表面にNi層を形成し、その上にAu層を形成したものが挙げられる。
LED用レンズ10のフランジ部11Bの底面、すなわち、他部材に対する接合部11Cには、厚さ0.3μm以上のAu層12が設けられている。シリカガラスははんだ25に濡れにくいので、表面をメタライズし、はんだ25との相性を良くするためである。特に、AuはAuSnはんだと反応して合金化し、Au5Sn、AuSn、AuSn2、AuSn4などの金属間化合物を形成するので、相性が良く好ましい。なお、図1(B)において、Au層12が設けられている領域には梨地を付して示している。
Au層12の厚さを0.3μm以上とするのは、AuとAuSnはんだが反応して形成される金属間化合物は強度が弱いので、Au層12の厚みが0.3μm未満であると、Au層12の多くがAuSnはんだと反応して金属間化合物となるために強度が低下し、剥離しやすくなるからである。また、AuとAuSnはんだが反応して形成される金属間化合物は、はんだ付けの際に凝集する挙動が見られることがあり、Au層12の厚みが0.3μm未満であると、凝集により接着面積が狭くなり、剥離しやすくなるからである。
Au層12はめっきによるものであることが好ましく、Au層12と接合部11Cとの間には、めっきによる下地層13が設けられることが好ましい。接合部11Cの濡れ性を改善し、良好なAu層12を形成することができるようにするためである。下地層13は、Cu層を含むことが好ましい。CuはCrと比較してヤング率が低く、Crの場合と同じ温度で成膜したとしても、応力を低く抑えることができるからである。下地層13は、また、Cu層とその表面に設けたNi層とを含むようにしてもよい。Ni層は酸化を防止するためのものである。下地層13は、Cu層以外の層を含んでいてもよいが、Cu層を接合部11Cに接触させて設けることが好ましい。
Au層12と下地層13との合計厚さは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。応力を緩和しつつ、Au層12及び下地層13の強度を保持することができるからである。また、Au層12の表面は、同一平面上にあることが好ましい。はんだ25により筐体22に対して気密性良く容易に接着できるようにするためである。
なお、接合部11Cには、めっきをするための足27が設けられていることが好ましい。足27というのは、先端部が1平面上に位置する突出部であり、例えば、他の部分よりも一方向に突出して設けられている。めっきが容易となり、より強固に接着することができるからである。接合部11C(すなわち1平面上にある足27の先端部)の表面性状は、表面粗さが1μm以下であることが好ましい。表面粗さが大きすぎると、めっき層の厚さにばらつきがでて好ましくないからである。
このLED用レンズ10は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、シリカガラスにより本体部11を形成する。本体部11の接合部11Cの底面には足27が設けられている。足27の端面に湿式めっきにより下地層13を形成し、その表面に湿式めっきによりAu層12を形成することが好ましい。乾式めっきでは厚さ0.3μm以上のAu層を形成することが難しいが、湿式めっきによれば容易に形成することができるからである。また、下地層13及びAu層12を形成する際には、接合部11Cのみをめっき液に浸けてめっきすることが好ましい。例えば、接合部11Cに他の部分に比べて一方向に突出させた足27を設けるようにすれば、マスクレスで接合部11Cのみをめっき液に浸けることができ、コストの低減を図ることができるので好ましい。
また、このLED用レンズ10は、例えば、図2に示したように、はんだ25により筐体22に対して接合される。例えば、筐体22の筐体メタライズ層26が形成された段差部24の上にテープ状のはんだ25を配置し、その上に、フランジ部11Bの下地層13及びAu層12が形成された接合部11Cを当接させてLED用レンズ10を配設し、無酸素雰囲気下で加熱溶融させて溶着させる。
このように本実施の形態によれば、シリカガラスからなる本体部11の接合部11CにAu層12を設けるようにしたので、はんだ25との相性を向上させることができ、接合部11Cと他部材である筐体22とを良好に接着することができる。また、Au層12の厚さを0.3μm以上とするようにしたので、接合部11Cと筐体22とを強固に接着することができ、剥離を抑制することができる。
更に、Au層12をめっきにより形成し、Au層12と接合部11Cとの間に、Cu層、又は、Cu層とその表面に設けたNi層とを含む下地層13をめっきにより形成するようにすれば、接合部11Cの濡れ性を改善し、良好なAu層12を形成することができると共に、応力を低く抑えることができる。よって、剥離をより抑制することができる。
加えて、Au層12と下地層13との合計厚さを0.5μm以上10μm以下とするようにすれば、応力を緩和しつつ、Au層12及び下地層13の強度を保持することができる。よって、剥離をより抑制することができる。
更にまた、接合部11Cにめっきをするための足27を設けるようにすれば、めっきが容易になるとともに、より強固に接着することができる。
加えてまた、湿式めっきによりAu層12を形成するようにすれば、厚さ0.3μm以上のAu層12を容易に形成することができる。また、接合部11Cのみ(すなわち足27の先端面のみ)をめっき液に浸けるようにすれば、マスクレスでめっきすることができ、コストや製造時間の低減を図ることができる。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態に係る光源用部材であるLED用キャップ30の構成を表すものであり、(A)は断面構成を表し、(B)は下側から見た構成を表している。このLED用キャップ30は、第1の実施の形態において説明したLED用レンズ10とは本体部31の形状が異なることを除き、他は同一の構成を有している。よって、同一の構成要素には同一の符号を付すと共に、対応する構成要素には十の位を“3”に変えた符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図3は、第2の実施の形態に係る光源用部材であるLED用キャップ30の構成を表すものであり、(A)は断面構成を表し、(B)は下側から見た構成を表している。このLED用キャップ30は、第1の実施の形態において説明したLED用レンズ10とは本体部31の形状が異なることを除き、他は同一の構成を有している。よって、同一の構成要素には同一の符号を付すと共に、対応する構成要素には十の位を“3”に変えた符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本体部31は、シリカガラスからなり、例えば、一端封止円筒状のキャップ部31Aと、キャップ部31Aの開口端部に設けられたフランジ部31Bとを有している。このフランジ部31Bは、第1の実施の形態におけるフランジ部11Bに対応するものであり、第1の実施の形態と同様に、筐体22の段差部24に配設され、フランジ部31Bの底面と段差部24の上面とが接合される(図2参照)。すなわち、このLED用キャップ30では、フランジ部31Bの底面が、他部材である筐体22に対する接合部31Cとなっている。LED用キャップ30のフランジ部31Bの底面、すなわち、他部材に対する接合部31Cには、第1の実施の形態と同様に、Au層12が設けられており、Au層12と接合部31Cとの間には下地層13が設けられることが好ましい。図3(B)において、Au層12が設けられている領域には梨地を付して示している。
このLED用キャップ30は、第1の実施の形態において説明したLED用レンズ10と同様にして製造することができ、同様にして用いられる。また、同様の効果を得ることができる。
(実施例1)
図1に示したようなLED用レンズ10を作製した。まず、直径φ3.5mmの半球体状のレンズ部11Aと、外周形状が4×4mmの四角形のフランジ部11Bとを有するシリカガラス製の本体部11を作製した。この時、フランジ部11Bの底面には足27が形成されており、接合部11Cをレンズ部11Aの底面よりも一方向に突出させている。次いで、フランジ部11Bの底面、すなわち接合部11Cである足27の端面に、下地層13としてCu層を0.5μmの厚さに湿式めっきした。次に、下地層13の表面に、Au層12を0.5μmの厚さに湿式めっきした。めっき後、下地層13とAu層12との合計厚さをレーザーマイクロスコープにて測定を行ったところ、1μmであった。
図1に示したようなLED用レンズ10を作製した。まず、直径φ3.5mmの半球体状のレンズ部11Aと、外周形状が4×4mmの四角形のフランジ部11Bとを有するシリカガラス製の本体部11を作製した。この時、フランジ部11Bの底面には足27が形成されており、接合部11Cをレンズ部11Aの底面よりも一方向に突出させている。次いで、フランジ部11Bの底面、すなわち接合部11Cである足27の端面に、下地層13としてCu層を0.5μmの厚さに湿式めっきした。次に、下地層13の表面に、Au層12を0.5μmの厚さに湿式めっきした。めっき後、下地層13とAu層12との合計厚さをレーザーマイクロスコープにて測定を行ったところ、1μmであった。
また、図2に示したような窒化アルミニウム製の筐体22を用意し、段差部24の上面にNi層及びAu層をこの順に成膜した筐体メタライズ層26を形成した。次いで、厚み0.1μmのテープ状のはんだ25(AuSnはんだ)を外周形状が4×4mmの四角形に打ち抜き、更にその中心に直径φ3.5mmの穴を打ち抜いて、段差部24の上に設置した。続いて、段差部24の上に、はんだ25を介して、作製したLED用レンズ10の接合部11Cを配置し、はんだ25を無酸素雰囲気下において約300℃で加熱溶融させて、溶着させた。溶着後、LED用レンズ10と窒化アルミニウム製の筐体22が接合されていることが確認された。
(比較例1−1)
実施例1と同様に、レンズ部11Aとフランジ部11Bとを有するシリカガラス製の本体部11を作製し、フランジ部11Bの底面(すなわち足27の端面)に、下地層13としてCr層を0.1μmの厚さで真空蒸着めっきし、下地層13の表面に、Au層12を0.1μmの厚さで真空蒸着めっきした。このLED用レンズについても、実施例1と同様にして、はんだ25により筐体メタライズ層26を形成した筐体22と溶着させた。その結果、冷却後に、LED用レンズと筐体22との接合界面に剥離やクラックが生じた。
実施例1と同様に、レンズ部11Aとフランジ部11Bとを有するシリカガラス製の本体部11を作製し、フランジ部11Bの底面(すなわち足27の端面)に、下地層13としてCr層を0.1μmの厚さで真空蒸着めっきし、下地層13の表面に、Au層12を0.1μmの厚さで真空蒸着めっきした。このLED用レンズについても、実施例1と同様にして、はんだ25により筐体メタライズ層26を形成した筐体22と溶着させた。その結果、冷却後に、LED用レンズと筐体22との接合界面に剥離やクラックが生じた。
(比較例1−2)
実施例1と同様に、レンズ部11Aとフランジ部11Bとを有するシリカガラス製の本体部11を作製し、フランジ部11Bの底面(すなわち足27の端面)に、下地層13としてCu層を0.1μmの厚さでめっきし、下地層13の表面に、Au層12を0.1μmの厚さでめっきした。このLED用レンズについても、実施例1と同様にして、はんだ25により筐体メタライズ層26を形成した筐体22と溶着させた。その結果、溶着後、LED用レンズと筐体22との接合界面に剥離が生じた。
実施例1と同様に、レンズ部11Aとフランジ部11Bとを有するシリカガラス製の本体部11を作製し、フランジ部11Bの底面(すなわち足27の端面)に、下地層13としてCu層を0.1μmの厚さでめっきし、下地層13の表面に、Au層12を0.1μmの厚さでめっきした。このLED用レンズについても、実施例1と同様にして、はんだ25により筐体メタライズ層26を形成した筐体22と溶着させた。その結果、溶着後、LED用レンズと筐体22との接合界面に剥離が生じた。
(実施例2)
シリカガラスと窒化アルミニウムの接合試験を行った。φ5.2mmのシリカガラス板に、実施例1と同様にして、下地層13としてCu層を0.5μmの厚さに湿式めっきし、下地層13の上に、Au層12を0.5μmの厚さに湿式めっきした。また、10×10mmの窒化アルミニウム板に、実施例1と同様にして、Ni層及びAu層をこの順に成膜した筐体メタライズ層26を形成した。次いで、シリカガラス板のAu層12を形成した側と、窒化アルミニウム板の筐体メタライズ層26を形成した側とを対向させ、厚み0.1μmのテープ状のはんだ25(AuSnはんだ)を間に挟んで、実施例1と同様にして溶着させた。得られたサンプルについて、シリカガラス板の表面にスタッドピンを接着し、スタットピン型垂直引張試験機にて密着力を測定した。その結果、50MPaでシリカガラス板の表面が割れたが、接合界面に剥離は見られなかった。
シリカガラスと窒化アルミニウムの接合試験を行った。φ5.2mmのシリカガラス板に、実施例1と同様にして、下地層13としてCu層を0.5μmの厚さに湿式めっきし、下地層13の上に、Au層12を0.5μmの厚さに湿式めっきした。また、10×10mmの窒化アルミニウム板に、実施例1と同様にして、Ni層及びAu層をこの順に成膜した筐体メタライズ層26を形成した。次いで、シリカガラス板のAu層12を形成した側と、窒化アルミニウム板の筐体メタライズ層26を形成した側とを対向させ、厚み0.1μmのテープ状のはんだ25(AuSnはんだ)を間に挟んで、実施例1と同様にして溶着させた。得られたサンプルについて、シリカガラス板の表面にスタッドピンを接着し、スタットピン型垂直引張試験機にて密着力を測定した。その結果、50MPaでシリカガラス板の表面が割れたが、接合界面に剥離は見られなかった。
(比較例2)
シリカガラス板に形成する下地層13及びAu層12の厚さを、比較例1−2と同様に、それぞれ0.1μmとしたことを除き、他は実施例2と同様にして、シリカガラスと窒化アルミニウムの接合試験を行った。その結果、比較例2では、1MPaでシリカガラス板と窒化アルミニウム板との接合界面が剥離した。
シリカガラス板に形成する下地層13及びAu層12の厚さを、比較例1−2と同様に、それぞれ0.1μmとしたことを除き、他は実施例2と同様にして、シリカガラスと窒化アルミニウムの接合試験を行った。その結果、比較例2では、1MPaでシリカガラス板と窒化アルミニウム板との接合界面が剥離した。
(実施例及び比較例のまとめ)
実施例1では良好な接合状態が得られたのに対して、比較例1−1,1−2では良好に接合することができなかった。これは、Au層12の厚さが薄いために十分な接着強度を得ることができなかったためと考えられる。更に、比較例1−1では、下地層13をCr層としたので、大きな応力が発生してしまったためと考えられる。また、実施例2では十分な接着強度が得られたのに対して、比較例2では接着強度が非常に小さかった。すなわち、接合部11Cに、厚さ0.3μm以上のAu層を設けるようにすれば、高い接着強度を得られることが分かった。
実施例1では良好な接合状態が得られたのに対して、比較例1−1,1−2では良好に接合することができなかった。これは、Au層12の厚さが薄いために十分な接着強度を得ることができなかったためと考えられる。更に、比較例1−1では、下地層13をCr層としたので、大きな応力が発生してしまったためと考えられる。また、実施例2では十分な接着強度が得られたのに対して、比較例2では接着強度が非常に小さかった。すなわち、接合部11Cに、厚さ0.3μm以上のAu層を設けるようにすれば、高い接着強度を得られることが分かった。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、シリカ部材として、光源用部材であるLED用レンズ10及びLED用キャップ30を挙げて説明したが、他の光源用部材についても適用することができる。また、光源用部材に限らず、光学機器用の光学窓や水晶振動子のリッドなどの他のシリカ部材についても適用することができる。
更に、上記実施の形態では、LED用レンズ10及びLED用キャップ30の構成について具体的に説明したが、他の構成を有していてもよい。例えば、上記実施の形態及び実施例では、フランジ部11B,31Bの外周形状が正方形の場合について説明したが、円形でもよく、正方形以外の多角形でもよい。また、フランジ部11B,21Bは設けられていなくてもよい。その場合には、例えば、レンズ部11Aの平面部の周縁部や、キャップ部31Aの開口端部を他部材である筐体22に対する接合部11C,31Cとすることができる。
本発明のシリカ部材は、特に光源用部材などに用いることができる。
10…LED用レンズ、11…本体部、11A…レンズ部、11B…フランジ部、11C…接合部、12…Au層、13…下地層、21…LED、22…筐体、23…凹部、24…段差部、25…はんだ、26…筐体メタライズ層、27…足、30…LED用キャップ、31…本体部、31A…キャップ部、31B…フランジ部、31C…接合部
Claims (10)
- シリカガラスからなる本体部を備え、
この本体部の他部材に対する接合部に、厚さ0.3μm以上のAu層が設けられた
ことを特徴とするシリカ部材。 - LED用レンズであることを特徴とする請求項1記載のシリカ部材。
- LED用キャップであることを特徴とする請求項1記載のシリカ部材。
- 前記Au層はめっきによるものであり、
前記Au層と前記接合部との間にはめっきによる下地層が設けられ、
前記下地層は、Cu層、又は、Cu層とその表面に形成されたNi層とを含む
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載のシリカ部材。 - 前記Au層と前記下地層との合計厚さは、0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項4記載のシリカ部材。
- 前記接合部には、めっきをするための足が設けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のシリカ部材。
- 前記Au層の表面は、同一平面上にあることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1に記載のシリカ部材。
- シリカガラスからなる本体部を備え、この本体部の他部材に対する接合部に、厚さ0.3μm以上のAu層が設けられたシリカ部材の製造方法であって、
前記Au層は、湿式めっきにより形成することを特徴とするシリカ部材の製造方法。 - 前記Au層は、接合部のみをめっき液に浸けることにより形成することを特徴とする請求項8記載のシリカ部材の製造方法。
- 前記Au層を形成する前に、前記接合部のみをめっき液に浸けることにより、前記接合部に、Cu層、又は、Cu層とその表面に設けたNi層とを含む下地層を形成することを特徴とする請求項8又は請求項9記載のシリカ部材の製造方法。
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JP2022007642A (ja) * | 2020-06-26 | 2022-01-13 | クアーズテック株式会社 | シリカガラスキャップの製造方法及びシリカガラスキャップ |
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WO2022138844A1 (ja) | 2020-12-25 | 2022-06-30 | クアーズテック株式会社 | シリカ部材及びled装置 |
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2017
- 2017-08-29 JP JP2017164573A patent/JP2019046826A/ja active Pending
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