JP6196068B2 - クチナシ抽出物を含む眠気覚まし用組成物 - Google Patents

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本発明は、眠気を防止又は解消するための、クチナシ抽出物、トウガラシ抽出物及びショウガ抽出物を含む組成物を提供する。
従来、トウガラシ抽出物やショウガ抽出物を有効成分とする各種眠気防止剤が提案されている。例えば、特許文献1には水溶性高分子と、メントール等の冷感刺激剤およびトウガラシ、ジンジャー等の植物の抽出物であってよい温感刺激剤の1種または2種以上である刺激剤とを含む、眠気防止用口蓋貼付用フィルムが開示されている。また、特許文献2には生姜、山椒の実、唐辛子、芥子の各エキスの混合物にハッカ油及びワセリンの適量を混合した軟質の練状物にしたことを特徴とする眠気防止剤(塗布剤)が開示されている。
しかしながら、従来のトウガラシ抽出物やショウガ抽出物を有効成分とする各種眠気防止剤では、使用する際の利便性が低く、また満足できる眠気防止効果や覚醒効果を得ることは困難であった。
本発明者らはこれまでに、トウガラシ抽出物と、ショウガ抽出物と、アルギニンと、カフェインとを有効成分として含有する眠気防止剤(液剤)を開発し、当該眠気防止剤を摂取することにより高い眠気防止(覚醒)効果が得られることを報告している(特許文献3)。
しかしながら、当該分野においては依然として、さらに高い眠気防止(覚醒)効果を有する、トウガラシ抽出物やショウガ抽出物を有効成分とする組成物が望まれている。
一方、クロシン及びクロセチンはカロチノイドの一種であり黄色の色素である。これらの色素はアカネ科クチナシ属クチナシ(Gardenia jasminoides)の果実や、アヤメ科サフラン属サフラン(Crocus sativus LINNE)雌芯頭に含まれ、古くから食用色素として用いられている。また、今日では、これらの色素が脳機能改善、酸化防止剤、抗鬱剤、癌の予防、精神機能の向上、高コレステロールの低下、炎症予防、睡眠改善剤、鎮静剤、眼精疲労改善組成物等の効果を有することが知られている(特許文献4−8)。
特開2007-99689号公報 特開2001-2580号公報 特開2010-195761号公報 特許2704356号公報 特開2008-273939号公報 特開2010-195779号公報 特開2011-246357号公報 特開2007-215465号公報
上記のとおり、当該分野においては依然として、さらに高い眠気防止効果を有する、トウガラシ抽出物やショウガ抽出物を有効成分とする組成物が求められている。
また、従来眠気防止剤として提供されているカフェイン含有飲料には、活性成分を濃縮し比較的少量(50ml)の飲料としたものがあり、摂取容易性等の要因から人気を博している。本発明者らは、上記トウガラシ抽出物及びショウガ抽出物を有効成分として含有する眠気防止剤(液剤)を、活性成分を濃縮し、活性成分の配合量はそのままにして小容量化したところ、濃縮されたトウガラシ抽出物及びショウガ抽出物に起因する辛味が強くなり摂取が困難となることを見出した。一方、トウガラシ抽出物及びショウガ抽出物に起因する辛味を抑えるために、これら活性成分の配合量を減じて小容量化したところ、十分な眠気防止効果が得られないことを見出した。
そこで本発明は、高い眠気防止効果を有する、トウガラシ抽出物やショウガ抽出物を有効成分とする組成物を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記トウガラシ抽出物やショウガ抽出物を有効成分とする組成物であって、トウガラシ抽出物及びショウガ抽出物の含有量を減じながらも、十分な眠気防止効果を得ることが可能な小容量化された組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、クチナシ抽出物をトウガラシ抽出物及びショウガ抽出物と共に配合することによって、高い覚醒効果を有する組成物が得られることを見出した。また、クチナシ抽出物をトウガラシ抽出物及びショウガ抽出物と共に配合することによって、トウガラシ抽出物及びショウガ抽出物の配合量を減じながらも、高い覚醒効果を有する小容量化された組成物が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づく。
すなわち、本発明は以下の特徴を有する。
[1] クチナシ抽出物と、トウガラシ抽出物と、ショウガ抽出物とを含有する組成物。
[2] 液状である、[1]の組成物。
[3] トウガラシ抽出物を、カプサイシン類が5μg〜15μgとなるように含有し、
ショウガ抽出物を、ジンゲロールが0.5mg〜1.2mgとなるように含有する、[1]又は[2]の組成物。
[4] クチナシ抽出物と、トウガラシ抽出物と、ショウガ抽出物とを含有する眠気防止剤。
[5] 液状である、[4]の眠気防止剤。
[6] トウガラシ抽出物を、カプサイシン類が5μg〜15μgとなるように含有し、
ショウガ抽出物を、ジンゲロールが0.5mg〜1.2mgとなるように含有する、[4]又は[5]の眠気防止剤。
本発明によれば、高い覚醒効果を有するトウガラシ抽出物及びショウガ抽出物を含有する組成物を提供することができる。また、本発明によれば、トウガラシ抽出物及びショウガ抽出物を含有する組成物であって、トウガラシ抽出物及びショウガ抽出物の含有量を減じながらも、十分な覚醒効果を得ることが可能な小容量化された組成物を提供することができる。
図1は実施例1の試験プロトコルを示す。 図2は実施例1での「眠気の改善」に関するVAS法による評価結果を示す。*1:試験食品1が試験食品2に対し、P>0.05で有意差あり。*2:試験食品1が試験食品3に対し、P>0.05で有意差あり。 図3は実施例1での「頭がボーっとすることの改善」に関するVAS法による評価結果を示す。*2:試験食品1が試験食品3に対し、P>0.05で有意差あり。+1:試験食品1が試験食品2に対し、P>0.1で傾向あり。+2:試験食品1が試験食品3に対し、P>0.1で傾向あり。 図4は実施例2の試験プロトコルを示す。 図5は実施例2での「すっきり感」に関するVAS法による評価結果を示す。*4:試験食品4が試験食品6に対し、P>0.05で有意差あり。+5:試験食品5が試験食品6に対し、P>0.1で傾向あり。 図6は実施例2での「シャキッと感」に関するVAS法による評価結果を示す。+5:試験食品5が試験食品6に対し、P>0.1で傾向あり。 図7は実施例2での「倦怠感」に関するVAS法による評価結果を示す。*5:試験食品5が試験食品6に対し、P>0.05で有意差あり。 図8は実施例2での「頭がボーっとする」に関するVAS法による評価結果を示す。*4:試験食品4が試験食品6に対し、P>0.05で有意差あり。+5:試験食品5が試験食品6に対し、P>0.1で傾向あり。
1. クチナシ抽出物
クチナシ抽出物は、クチナシの果実部分を有機溶媒、水、超臨界流体または亜臨界流体である溶媒により抽出して得られる。クチナシ抽出物にはカロチイド系色素であるクロシン及び/又はクロセチンが含まれる。
クチナシ抽出物は、溶媒による抽出液をそのまま使用してもよいし、抽出液を濃縮又は希釈したものを使用してもよいし、あるいは抽出液からクロシン及び/又はクロセチンを精製又は粗精製したものを使用することもできる。
抽出溶媒としてはクロシン及び/又はクロセチンを抽出することができる溶媒であれば特に限定されないが、クロシンの抽出にはアルコールや水を抽出溶媒として利用することが好ましい。アルコールとしてはエタノールが好ましい。アルコールと水を混合して用いる場合の混合比は特に限定されないが、例えば重量比で10:90〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜50:50の範囲がより好ましい。クロシンの抽出には水を抽出溶媒として利用することが特に好ましい。クロシンは水溶性であるのに対して、クロセチンは水に不溶であることから、抽出溶媒として水を利用することにより、クロシンを効率的に抽出することができる。抽出溶媒として水を用いる場合、好ましくは熱水(90〜100℃程度)を利用する。一方、クロセチンの抽出にはアルコールを抽出溶媒として利用することが好ましい。クチナシの果実部分に含まれるクロセチン量は極わずかであるが、クロセチンはクロシンを加水分解することによって製造することができる。したがって、クロセチンの抽出に際しては、クロシンを含むクチナシ抽出物を加水分解処理に付し、次いでアルコールを用いて抽出することによってクロセチンを効率的に抽出することができる。加水分解処理は公知の手法により行うことができ、加水分解酵素(例えば、β−グルコシダーゼ等)、酸(例えば、塩酸、硫酸等)、又はアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等)を用いて行うことができる。
本発明の組成物又は眠気防止剤中には、好ましくは一回の経口摂取量当たり、クロシン又はクロセチンが3mg以上となる量、例えば、3.5mg以上、より好ましくは3.5mg〜30mgとなる量、さらに好ましくは3.5mgとなる量のクチナシ抽出物が配合される。組成物中のクロシン又はクロセチン濃度は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により測定することができる。
本発明において「一回の経口摂取量」とは、本発明の組成物又は眠気防止剤が一度に経口摂取される量、あるいは短い時間間隔(例えば10分以下、好ましくは5分以下の時間)をおいて連続的に複数回で経口摂取される総量を意味する。本発明の組成物また眠気防止剤が液状組成物の形態である場合には例えば50ml〜200ml(典型的には50ml、100ml、150ml、200ml)がその量であり、小容量の液状組成物の形態である場合には例えば20ml〜100ml(典型的には20ml、50ml、75ml、100ml)、より好ましくは20ml〜75ml(典型的には20ml、50ml、75ml)がその量であり、半固形状(ゼリー状等)、固形状等の他の形態である場合には例えば5g〜200g(典型的には5g、10g、20g、30g、40g、50g、100g、150g、200g)がその量である。以下でも「一回の経口摂取量」をこの意味で用いる。
2. トウガラシ抽出物
トウガラシ抽出物は、トウガラシの果実部分を有機溶媒、水、超臨界流体または亜臨界流体である溶媒により抽出して得られる。トウガラシ抽出物には、辛味受容体であるTRV1受容体に作用して辛味を感じさせるカプサイシン類が含まれる。トウガラシ抽出物としては、溶媒による抽出液をそのまま使用することもできるし、抽出液を濃縮または希釈したものを使用することもできるし、抽出液からカプサイシン類を精製または粗精製したものを使用することもできる。抽出溶媒としてはカプサイシン類を抽出することができる溶媒であれば特に限定されないが、エタノールが好ましい。トウガラシ抽出物中にはカプサイシン類が通常0.7〜0.9重量%含有される。カプサイシン類濃度はHPLC法により測定することができる。なお、カプサイシン類の量(カプサイシン量)はカプサイシンとジヒドロカプサイシンの総量である。本発明では、カプサイシンおよびジヒドロカプサイシンを総称して「カプサイシン類」又は単に「カプサイシン」と称することがある。
トウガラシ抽出物は、本発明の組成物又は眠気防止剤中に辛味を感じさせる量配合される。このような量としては、例えば最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、カプサイシン類が5μg以上となる量、より好ましくは5μg〜15μgとなる量、さらに好ましくは9μgとなる量のトウガラシ抽出物が配合される。
なお、上記トウガラシ抽出物は、ショウガ抽出物と組み合わせて配合することにより、
経口摂取に適した辛味パターンとなる。
3. ショウガ抽出物
ショウガ抽出物は、ショウガの地下茎部分を有機溶媒、水、超臨界流体または亜臨界流体である溶媒により抽出して得られる。ショウガ抽出物には、辛味受容体であるTRV1受容体に作用して辛味を感じさせるジンゲロールが含まれる。ショウガ抽出物としては、溶媒による抽出液をそのまま使用することもできるし、抽出液を濃縮または希釈したものを使用することもできるし、抽出液からジンゲロールを精製または粗精製したものを使用することもできるし、精製されたジンゲロールを乳化して可溶化した製剤を使用することもできる。抽出溶媒としては、ジンゲロールを抽出することができる溶媒であれば特に限定されないが、二酸化炭素等の超臨界流体が好ましい。ショウガ抽出物中にはジンゲロールが通常1.7〜2.1重量%含有される。ジンゲロール濃度はHPLC法により測定することができる。
ショウガ抽出物は、本発明の組成物又は眠気防止剤中に辛味を感じさせる量配合される。このような量としては、例えば最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、ジンゲロールが0.5mg以上となる量、より好ましくは0.5mg〜1.2mgとなる量、さらに好ましくは0.75 mgとなる量のショウガ抽出物が配合される。
4. カフェイン
本発明の組成物又は眠気防止剤は上記の活性成分に加えて、カフェインをさらに含めることができる。カフェインは市販のカフェインを使用することができる。例えば、コーヒー豆から抽出して製造される高濃度(例えば98.5重量%以上)のカフェインを使用することができる。
本発明の組成物又は眠気防止剤中においてカフェインは摂食により自発運動興奮作用を奏する有効量配合されればよく、例えば、最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、100mg以上、例えば100mg〜300mg、好ましくは100mgが配合される。
5. アルギニン
本発明の組成物又は眠気防止剤は上記の活性成分に加えて、アルギニンをさらに含めることができる。アルギニンとしてはL−アルギニンが好適に使用され、塩の形態であってもよい。アルギニンは市販のアルギニンを使用することができる。例えば、糖源から発酵法により製造された高濃度(例えば98.0重量%以上)のアルギニンを使用することができる。
本発明の組成物又は眠気防止剤中においてアルギニンは、併用されるカフェインの自発運動興奮作用を増強する量使用される。このような量は、例えば最終組成物中に、好ましくは一回の経口摂取量当たり、500mg以上、例えば500mg〜1500mg、好ましくは500mgが配合される。
6. その他の成分
本発明の組成物又は眠気防止剤は上記の活性成分に加えて、飲食品、医薬品などの最終的な形態において許容される成分であって、経口摂取可能な他の成分をさらに含めることができる。特に、本発明の組成物又は眠気防止剤が液状組成物又は半固形状組成物(ゼリー状等)の形態である場合には、水中に、上記成分に加えて、果汁、甘味料、酸味料、酸化防止剤、増粘剤、食塩、香料、ビタミン類、エキス類、環状オリゴ糖、炭酸、デンプン、寒天、その他の食品添加物を添加することができる。
果汁としてはリンゴ果汁、レモン果汁、またはオレンジ果汁、あるいはこれらの濃縮果汁等が挙げられる。
甘味料としては果糖、ブドウ糖、液糖、グラニュー糖等の糖類、はちみつ、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の高甘味度甘味料が挙げられる。
酸味料としてはクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
酸化防止剤としてはビタミンC、カテキン、酵素処理ルチン等が挙げられる。
増粘剤としてはジェランガム、キサンタンガム、ペクチン、グアーガム等の増粘多糖類が挙げられる。本発明の飲料組成物の粘度は増粘多糖類によって2.5 mPa・s程度に調整することができる。
香料またはエキス類としてはショウガ、シナモン、クローブ、ウコン、ナツメ、l-メントール、メントール類縁体等の香料またはエキス類等が挙げられる。
ビタミン類としてはビタミンB1、ビタミンB6、ナイアシン等が挙げられる。
7. 組成物及びその用途
本発明の組成物は、眠気防止作用を有する飲食品組成物又は医薬品組成物として使用することができる。
本発明の組成物の形態は特に限定されないが、経口摂取に適した液状、固形状または半固形状の組成物が好ましく、液状の組成物又は固形状の組成物であることが特に好ましい。
液状組成物は、液状食品(飲料)として提供されてもよいし、液状の経口投与用の医薬品として提供されてもよいが、好ましくは飲料である。液状組成物は、水を基調とする組成物であり、上記成分を水と混合して製造することができる。各成分の配合量は上記したとおりである。かかる液状組成物は、飲料用容器として使用される容器に収容することができる。飲料用容器としてはポリエチレンテレフタレート(PET)製容器、所謂PETボトルや、金属缶容器等が挙げられる。容器の形態は特に限定されない。また、容器の容量は特に限定されないが、例えば50ml〜500ml(典型的には50ml、100ml、150ml、200ml、250ml、300ml、350ml、400ml、450ml又は500ml)、好ましくは50ml〜200mlとすることができる。小容量タイプであれば、例えば20ml〜100ml(典型的には20ml、25ml、30ml、40ml、50ml、60ml、70ml、80ml、90ml、又は100ml)、より好ましくは20ml〜75ml(典型的には20ml、50ml、75ml)とすることができる。液状組成物を容器に収容する手段は任意である。
固形状組成物は、例えば、顆粒剤、カプセル剤、錠剤、細粒剤、カプレット、散剤、丸剤などの形態を有する医薬品や、健康食品、栄養補助剤(サプリメント)、チューイングガム等として提供される。固形状組成物は、上記有効成分(各成分の配合量は上記したとおりである)を賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の助剤や、ガムベースと混合し、常法に従って成形し製造することができる。
[実施例1]
1. 試験方法
試験は、20歳以上49歳以下の健常な男性10名を対象とした3群のクロスオーバー試験法(単回投与)により実施した。
試験は、遮光カーテンで外部の光を遮断し、60Wスタンドライトを設置した室内で行った。
室内の温度は25℃±1℃に設定した。
被験者を室内に設置したリクライニングシートに静座させ、試験中は検査時を除き特に作業を行わせなかった。
2. 検査試料
Figure 0006196068
なお、「カプサイシン」にはカプサイシンとジヒドロカプサイシンを包含した。
(i) 試験食品1
試験食品1は、水中に、クチナシ抽出物をクロシンが3.5mgとなる量、トウガラシ抽出物をカプサイシンが9μgとなる量、ショウガ抽出物をジンゲロールが0.75mgとなる量、カフェイン100mg、及びアルギニン500mgを含む内容重量50mlの非炭酸飲料とした。
(ii) 試験食品2
試験食品2は、水中に、トウガラシ抽出物をカプサイシンが18μgとなる量、ショウガ抽出物をジンゲロールが1.5mgとなる量、カフェイン100mg、及びアルギニン500mgを含み、クチナシ抽出物を含まない、内容重量100mlの炭酸飲料とした。
(iii) 試験食品3
試験食品3は、水中に、カフェインのみを120mg含む、内容重量50mlの非炭酸飲料とした。
上記試験食品に用いた各原料は以下の市販品を使用した。
クチナシ抽出物:クチナシの果実部分を含水エタノールで抽出して得られたものに賦形剤を加えて噴霧乾燥したもの。
トウガラシ抽出物:トウガラシの果実部分をエタノール抽出したもので、カプサイシン含量は0.7〜0.9重量%。
ショウガ抽出物:ショウガの地下茎部分を二酸化炭素を溶媒とした超臨界抽出により得られた抽出物を精製・乳化した香辛料抽出物製剤で、ジンゲロール含量は1.7〜2.1重量%。
カフェイン:コーヒー豆を原体とし、カフェイン含量は98.5重量%以上であるもの。
アルギニン:糖を発酵し単離精製したL−アルギニン。L−アルギニン含有量は98.0重量%以上。
(iv) 製造方法
各試験食品は、水に、上記原料を添加したものを、100℃前後で加熱殺菌し、その後冷却し、試験食品2については炭酸注入後に、容器に充填密封し、再び加熱殺菌・冷却して製造した。
3. 試験項目
(1) 自覚症状の評価
VAS(Visual Analog Scale)法とは、自覚的症状の程度を数値化して評価する検査である。直線状に、考えられうる最高の状態を右端、最低を左端としてその線分上に自分の状態の程度を示してもらう方法である。主観的な評価のために臨床医学でも広く用いられており、特に同被験者間の投与前後の状態の比較などに使われる。VAS法により「眠気の改善」、及び「頭がボーっとすることの改善」について評価した。
試験食品の摂取直前と摂取直後、及び摂取後60分に測定した。
(2) 統計解析
統計処理は摂取前後の比較として対応のあるt‐検定を用い、対照との群間比較には対応のあるt‐検定を用いて行った。いずれも両側検定で有意水準を危険率5%とし、10%以下の場合は傾向ありとして判断した。
4. 試験プロトコル
試験プロトコルを図1に示す。
5. 結果
(1) 自覚症状の評価
VAS法による「眠気の改善」、「頭がボーっとすることの改善」の評価結果を図2、図3に示す。
試験食摂後すぐに、試験食品1(本発明)は、試験食品2及び試験食品3と比較して、「眠気」及び「頭がボーっとする」において高い改善効果(覚醒効果)がみられた。
(2) 結論
試験食品1(本発明)の摂取により、「眠気」及び「頭がボーっとする」が低減され、高い覚醒効果を得られることが確認された。また、当該覚醒効果は試験食品1を摂取後60分においても認められたことから、持続性があることも確認された。
クロシンをカプサイシンやジンゲロールと共に加えた食品は高い覚醒効果を有し、また、クロシンを加えた食品においては、カプサイシンやジンゲロールの含有量を低減させたとしても、高い覚醒効果を発揮できることが確認された。
[実施例2]
次いで、クロシンとクロセチンの覚醒効果について評価した。
1. 試験方法
試験は上記実施例1と同様に、3群のクロスオーバー試験法(単回投与)により実施した。
2. 検査試料
Figure 0006196068
なお、「カプサイシン」にはカプサイシンとジヒドロカプサイシンを包含した。
(i) 試験食品4
試験食品4は、水中に、クチナシ抽出物をクロシンが3.5mgとなる量、トウガラシ抽出物をカプサイシンが18μgとなる量、ショウガ抽出物をジンゲロールが1.5mgとなる量、カフェイン100mg、アルギニン500mg及びビタミンB1 2.5mgを含む内容重量100mlの炭酸飲料とした。
(ii) 試験食品5
試験食品5は、水中に、クチナシ抽出物をクロセチンが3.5mgとなる量、トウガラシ抽出物をカプサイシンが18μgとなる量、ショウガ抽出物をジンゲロールが1.5mgとなる量、カフェイン100mg、アルギニン500mg及びビタミンB1 2.5mgを含む内容重量100mlの炭酸飲料とした。
(iii) 試験食品6
試験食品6は、水中に、ビタミンB1のみを2.5mg含む、内容重量100mlの非炭酸飲料とした。
なお、上記試験食品に用いたクロセチン及びビタミンB1は以下の市販品を使用した。
ビタミンB1:ビタミンB1硝酸塩。
クロセチン:クロシンを加水分解することにより得られたもの。
その他の各原料は上記実施例1に記載のものを使用した。
3. 試験項目
(1) 自覚症状の評価
VAS法により「すっきり感」、「シャキッと感」、「倦怠感」及び「頭がボーっとする」について評価した。
試験食品の摂取直前と摂取直後、及び摂取後15分、30分、60分に測定した。
(2) 統計解析
統計処理は上記実施例1と同様にt‐検定を用いて行い、有意水準を危険率5%とし、10%以下の場合は傾向ありとして判断した。
4. 試験プロトコル
試験プロトコルを図4に示す。なお、「PC作業」とはアルファベット(小文字及び大文字を含む)がランダムに列記された文字列をMicrosoft Word(登録商標)文書上にタイピング(入力)することにより行った。
5. 結果
(1) 自覚症状の評価
VAS法による「すっきり感」、「シャキッと感」、「倦怠感」及び「頭がボーっとする」の評価結果を図5、図6、図7、及び図8にそれぞれ示す。
試験食摂後すぐに、試験食品4及び試験食品5は、試験食品6と比較して、「すっきり感」、「シャキッと感」、「倦怠感」及び「頭がボーっとする」において改善効果(覚醒効果)がみられた。
(2) 結論
クロシンを加えた食品と同じく、クロセチンを加えた食品においても覚醒効果が確認された。

Claims (6)

  1. クロシンと、トウガラシ抽出物と、ショウガ抽出物とを含有する、眠気を防止するための組成物。
  2. 液状である、請求項1に記載の眠気を防止するための組成物。
  3. トウガラシ抽出物を、カプサイシン類が5μg〜15μgとなるように含有し、
    ショウガ抽出物を、ジンゲロールが0.5mg〜1.2mgとなるように含有する、請求項1又は2に記載の眠気を防止するための組成物。
  4. クチナシ抽出物と、トウガラシ抽出物と、ショウガ抽出物とを含有する眠気防止剤。
  5. 液状である、請求項4に記載の眠気防止剤。
  6. トウガラシ抽出物を、カプサイシン類が5μg〜15μgとなるように含有し、
    ショウガ抽出物を、ジンゲロールが0.5mg〜1.2mgとなるように含有する、請求項4又は5に記載の眠気防止剤。
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