JP2007031426A - 眼精疲労改善剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、クロセチンまたはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分とする眼精疲労改善剤および飲食品に関する。
眼精疲労とは、目が疲れる、目が痛い、物が見えにくい、めまいがする、頭が痛いなどの種々の自覚症状が、休息によっても解消しない状態を指している。眼精疲労を起こす原因として、読書、注視作業、観察作業などによる目の酷使や精神的緊張が挙げられるが、近年VDT(Visual Display Terminal)作業に伴って起こる眼精疲労が非常に多くなっている。眼精疲労の発生機序については未だ不明な点が多いが、眼精疲労の多くは、調節異常などに起因する調節性眼精疲労である。調節性眼精疲労は、長時間の注視作業などにより毛様体筋が過度の緊張状態に陥り、目の調節機能が低下することが要因となって起こることが指摘されている。
従来、このような眼精疲労に対しては、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12などを含有した点眼剤が汎用されている。また、日常手軽に摂取でき、目の疲れに効果的な機能性飲食品としては、例えば桑実より抽出したアントシアニンを有効成分とする眼精疲労回復剤(特許文献1参照)、野菊花に含まれる新規化合物、それを含む野菊花抽出エキスを含む眼精疲労改善機能性食品(特許文献2参照)、カシスアントシアニンを含有する機能性飲食品(特許文献3参照)、アスタキサンチン及び/又はそのエステルからなる眼の調節機能障害に対する改善作用を有する飲食品(特許文献4参照)などが提案されている。
一方、クロセチンについては、ウサギの網膜の血流を増加させ、網膜の機能回復を手助けすること(非特許文献1参照)やPGE2により誘発されたウサギの目の炎症を濃度依存的に抑制すること(非特許文献2参照)などが報告されている。しかし、クロセチンの眼精疲労改善効果については明らかとなっていなかった。
特開2001−178408号公報、請求項3
特開平11−246455号公報、請求項7および9
国際公開第01/001798号明細書
国際公開第02/094253号明細書
Xuan B,外4名,「Effects of crocin analogs on ocular blood flow and retinal function」,Journal of Ocular Phamacology and Therapeutics,1999,vol.15,p.143−152
Nagaki Y,外5名,「Effects of oral administration of Gardeniae Fructus extract and intravenous injection of Crocetin on lipopolysaccharide and prostaglandin E2−induced elevation of aqueous flare in pigmented rabbits」,The American Journal of Chinese Medicine,2003,vol.31,p.729−738
本発明は、眼精疲労改善効果を有する化合物を有効成分として含有する眼精疲労改善剤および眼精疲労の予防または回復のために用いられる飲食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カロテノイド色素の一種であるクロセチンが眼精疲労改善効果を有することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明の眼精疲労改善剤および飲食品は眼精疲労の諸症状(例えば、1)眼が疲れている、2)眼が痛い、3)眼がかすむ、4)肩がこる、5)頭が痛いなど)の軽減に優れた効果がある。
本発明の眼精疲労改善剤または飲食品を、眼精疲労を誘発する原因となる作業の前、作業中または作業後に摂取することにより、眼精疲労を予防しまたは回復することができる。
本発明の眼精疲労改善剤または飲食品を、眼精疲労を誘発する原因となる作業の前、作業中または作業後に摂取することにより、眼精疲労を予防しまたは回復することができる。
本発明で用いられるクロセチンは、式
で表される化合物である。このクロセチンは、通常、カロテノイド系の黄色色素であるクロシン(クロセチンのジゲンチオビオースエステル)を加水分解することにより得られる。クロシンは、アカネ科クチナシ(Gardenia augusta MERRIL var. grandiflora HORT.,Gardenia jasminoides ELLIS)の果実、サフランの柱頭の乾燥物などに含まれるが、クロシンを得るための工業的原料としてはクチナシの果実が好ましく用いられる。
本発明において、上記植物基原からクロシンを抽出する方法に制限はなく、該抽出方法として、例えば、粉砕されたクチナシの乾燥果実から水またはアルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)、あるいはそれらの混合液を用いて抽出するなどの公知の方法が用いられる。このときの抽出条件は、例えば水とアルコールの混合液を用いる場合、室温(約0〜30℃)〜50℃で約1〜18時間が好ましく、約30〜40℃で約2〜4時間がより好ましい。抽出操作は通常複数回繰り返される。得られたクロシンを含む抽出液、該抽出液の濃縮液、または濃縮乾固物を適当な溶媒(例えば、水またはエタノールなど)に溶解した溶液は、次に加水分解工程に付される。
クロシンの加水分解は、定法に従って行われてよく、通常、酸、アルカリまたは適当な加水分解酵素の存在下で行われる。ここで酸としては、例えば塩酸、硫酸およびリン酸などが挙げられ、アルカリとしては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどが挙げられる。また加水分解酵素としては、β−グルコシダーゼなどが挙げられる。酸、アルカリまたは酵素は、適当な溶媒(例えば、水またはエタノールなど)に溶解または分散させてクロシンを含む溶液に添加されるのが好ましい。
工業的には、クロシンの加水分解は、アルカリの存在下で行われるのが好ましい。
上記加水分解の条件は特に限定されるものではないが、攪拌下、好ましくは約20〜70℃で約1〜24時間、特に好ましくは約40〜60℃で約3〜5時間が適当である。
上記加水分解の条件は特に限定されるものではないが、攪拌下、好ましくは約20〜70℃で約1〜24時間、特に好ましくは約40〜60℃で約3〜5時間が適当である。
クロシンの加水分解がアルカリによる加水分解である場合、通常、加水分解終了後、反応液に塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸、もしくはクエン酸などの有機酸の水溶液を適量加え、液性をpH約4.0以下、好ましくはpH約1.0〜3.0にするか、または反応液を塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸、もしくはクエン酸などの有機酸の水溶液に加え、液性をpH約4.0以下、好ましくはpH約1.0〜3.0にすることで、クロセチンを析出させることができる。その後、クロセチンを析出させた混合液を、遠心分離するかあるいはろ紙もしくはろ布に通してろ過することにより、クロセチンをペースト状の固形物として回収できる。
また、クロシンの加水分解が酸による加水分解である場合、生成するクロセチンは水に不溶の遊離型で析出するため、反応液は懸濁液として得られる。反応終了後、得られた懸濁液を、遠心分離するかあるいはろ紙もしくはろ布に通してろ過することにより、クロセチンをペースト状の固形物として回収できる。
上記のようにして得られたクロセチン(ペースト状の固形物)には、通常、酸、中和塩および原料由来の不純物が固形物表面に付着しているため、該不純物を除去する目的で、洗浄処理が行われる。該処理は、例えば、上記ペースト状の固形物を十分量の水を用いて水洗するなど、公知の方法を用いて行ってよい。次に、例えば棚式の通風乾燥機または真空乾燥機などを用いて、好ましくは窒素ガスの雰囲気下約50℃を越えない温度で、例えば水洗した固形物を乾燥し、固形物に残留する水を除去することが好ましい。
しかしながら、このようにして得られたクロセチンでさえも、クロセチン以外の物質、例えば脂質およびその分解物、クロロゲン酸などのポリフェノール類、および加水分解により生成し、洗浄で完全に除去されなかったグルコース、ゲンチオビオースなどの糖類を含んでいることがあるため、該クロセチンを更に精製するのが好ましい。ここで、該クロセチンを精製する方法に制限は無く、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶などの公知の方法が用いられる。
本発明で用いられるクロセチンは、純度約70質量%以上のクロセチンであるのが好ましく、純度約90質量%以上のクロセチンであるのがより好ましく、純度約95質量%以上のものであるのが最も好ましい。尚、ここでクロセチンの純度は、純品のクロセチンの色価を基準として算出される。色価は、後記実施例に記載の[色価測定方法]で測定される値である。
本発明において、クロセチンの薬理学的に許容しうる塩としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、ピリジン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミンなどの医薬的に許容される有機アミノ化合物の塩などが挙げられる。
本発明にかかるクロセチンは、眼精疲労改善効果を有するため、該クロセチンまたはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分とする眼精疲労改善剤として、あるいは眼精疲労予防または回復を目的とする飲食品として有用である。
本発明の眼精疲労改善剤および眼精疲労の予防または回復のために用いられる飲食品は、上記クロセチンもしくはその薬理学的に許容しうる塩をそのまま、あるいはそれに製薬学的に許容される添加物、食品素材、食品原料、さらに必要に応じて食品添加物などを適宜混合し、常法に従い例えば液剤、散剤、顆粒剤、錠剤、マイクロカプセル、ソフトカプセルまたはハードカプセルなどの製剤および飲食品として製造される。また、クロセチンもしくはその薬理学的に許容しうる塩を主成分とする油脂組成物、O/W型乳化液、W/O型乳化液または可溶化液などのクロセチン含有組成物を常法に従い製造し、このクロセチン含有組成物を飲食品に添加して本発明の飲食品を製造してもよい。
上記飲食品は、固形食品、クリーム状またはジャム様の半固形食品、ゲル状食品、飲料などあらゆる食品形態をとることが可能である。飲食品の例としては、清涼飲料、ドロップ、キャンディ、チューインガム、チョコレート、グミ、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ゼリー菓子、クッキー、マーガリン、ショートニング、マヨネーズおよびドレッシングなどが挙げられる。上記飲食品は、眼精疲労の予防または回復のために用いられるものである旨の表示を付した特定保健用食品、あるいは眼精疲労の蓄積およびそれに付随して発生する諸症状を予防しまたは回復することを目的とする健康食品として有用である。
上記製剤および飲食品の製造に用いられる添加物、食品素材、食品原料および食品添加物としては、例えば賦形剤(乳糖、デキストリン、コーンスターチ、結晶セルロースなど)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなど)、崩壊剤(カルボキシメチルセルロースカルシウム、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムなど)、結合剤(デンプン糊液、ヒドロキシプロピルセルロース液、アラビアガム液など)、溶解補助剤(アラビアガム、ポリソルベート80など)、甘味料(砂糖、果糖、ブドウ糖液糖、ハチミツ、アスパルテームなど)、着色料(β−カロテン、食用タール色素、リボフラビンなど)、保存料(ソルビン酸、パラオキシ安息香酸メチル、亜硫酸ナトリウムなど)、増粘剤(アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなど)、酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロオキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸、トコフェロールなど)、香料(ハッカ、ストロベリー香料など)、酸味料(クエン酸、乳糖、DL−リンゴ酸など)、調味料(DL−アラニン、5´−イノシン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウムなど)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなど)、pH調整剤(クエン酸、クエン酸三ナトリウムなど)、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類などが挙げられる。
上記製剤の場合、クロセチンもしくはその薬理学的に許容しうる塩の含有量は、眼精疲労の症状、その目的、用途などにより異なり一様ではないが、製剤の全質量に対して、純度100質量%のクロセチンに換算して、通常約0.0001〜50質量%、好ましくは約0.001〜20質量%、より好ましくは約0.01〜10質量%である。
また、上記飲食品の場合、クロセチンもしくはその薬理学的に許容しうる塩の含有量は、飲食品の全質量に対して、純度100質量%のクロセチンに換算して、通常約0.00003〜10質量%、好ましくは約0.01〜5質量%である。
上記製剤および飲食品を経口的に摂取する場合、クロセチンもしくはその薬理学的に許容しうる塩の成人(約60kgとして)1日当たりの用量は、純度100質量%のクロセチンに換算して、通常、約0.1〜500mg、好ましくは約1〜200mg、さらに好ましくは約2〜50mgの範囲である。この用量を、1回でまたは数回に分けて摂取するとよい。但し、実際の用量は、目的や摂取者の状況(眼精疲労の程度、性別、年齢、健康状態など)を考慮して決められるべきである。
また、注射剤または輸液剤などの非経口剤の場合は、成人(約60kgとして)1日あたり、純度100質量%のクロセチンに換算して、クロセチンもしくはその薬理学的に許容しうる塩を約0.01g〜100mg、好ましくは約0.1〜50mg、さらに好ましくは約0.1〜15mgの投与量となるように設定するのが望ましい。
また、本発明の眼精疲労改善剤は、他の眼精疲労回復を目的とする薬剤やサプリメントと併用することもできる。このような薬剤やサプリメントとしては、例えば、ビタミン類(例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、ニコチン酸アミド、パントテン酸など)、アミノ酸類(例えば、タウリン、アスパラギン酸またはその塩など)、アントシアニン類(例えば、イチゴ濃縮果汁、クランベリー濃縮果汁、ブラックチョークベリー濃縮果汁、ブルーベリー濃縮果汁、プラム濃縮果汁など)、カフェインなどが挙げられる。
以下に本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[クロセチンの調製]
(1)粉砕したクチナシの乾燥果実300gにメタノール・水混合液(1:1)(V/V)600mLを加え、室温で3時間攪拌した後吸引ろ過した。ろ過後、抽出残にメタノール・水混合液(1:1)(V/V)600mLを加え、室温で30分間攪拌した後吸引ろ過する操作を2回繰り返し、ろ液として計約1800mLの抽出液を得た。この抽出液を、ロータリーエバポレーターを用いて約60℃、約4kPaの条件で濃縮し、クロシンを含む濃縮物(色価=約573)約100gを得た。
(2)上記(1)で得られた濃縮物と40質量%水酸化ナトリウム水溶液34gとを混合し、撹拌下50℃で約3.5時間加水分解反応を行った。反応終了後、反応液を4質量%リン酸水溶液840mLに加えて酸性とした後、そのまま約3時間室温で放置した。
(3)上記(2)の操作によって該溶液から析出した沈殿を遠心分離(10,000×g、10分間)により回収し、更に水200mLで洗浄し、遠心分離する操作を2回繰り返し、得られたペースト状の固形物を50℃で約8時間真空乾燥した。
(4)上記(1)〜(3)の操作を5回繰り返して実施し、得られた結晶を集めて一つとし、粗クロセチン約12gを得た。このものの色価は約12,500であった。
(1)粉砕したクチナシの乾燥果実300gにメタノール・水混合液(1:1)(V/V)600mLを加え、室温で3時間攪拌した後吸引ろ過した。ろ過後、抽出残にメタノール・水混合液(1:1)(V/V)600mLを加え、室温で30分間攪拌した後吸引ろ過する操作を2回繰り返し、ろ液として計約1800mLの抽出液を得た。この抽出液を、ロータリーエバポレーターを用いて約60℃、約4kPaの条件で濃縮し、クロシンを含む濃縮物(色価=約573)約100gを得た。
(2)上記(1)で得られた濃縮物と40質量%水酸化ナトリウム水溶液34gとを混合し、撹拌下50℃で約3.5時間加水分解反応を行った。反応終了後、反応液を4質量%リン酸水溶液840mLに加えて酸性とした後、そのまま約3時間室温で放置した。
(3)上記(2)の操作によって該溶液から析出した沈殿を遠心分離(10,000×g、10分間)により回収し、更に水200mLで洗浄し、遠心分離する操作を2回繰り返し、得られたペースト状の固形物を50℃で約8時間真空乾燥した。
(4)上記(1)〜(3)の操作を5回繰り返して実施し、得られた結晶を集めて一つとし、粗クロセチン約12gを得た。このものの色価は約12,500であった。
[精製クロセチンの調製]
前記で得られた粗クロセチン約10gにジメチルホルムアミド180mLを加え、80℃で溶解した。不溶物を定量ろ紙(No.5C,アドバンテック東洋社製)でろ過し、ろ液を10℃で3日間放置した。次に生成したクロセチンの結晶を含む母液をガラスろ過器(商品名:3G3;柴田科学社製、ポアサイズ40−100μm)でろ過し、メタノール200mLで洗浄後、結晶を50℃で真空乾燥し、精製クロセチン(試作品)約1.6gを得た。このものの色価は34,200であった。
前記で得られた粗クロセチン約10gにジメチルホルムアミド180mLを加え、80℃で溶解した。不溶物を定量ろ紙(No.5C,アドバンテック東洋社製)でろ過し、ろ液を10℃で3日間放置した。次に生成したクロセチンの結晶を含む母液をガラスろ過器(商品名:3G3;柴田科学社製、ポアサイズ40−100μm)でろ過し、メタノール200mLで洗浄後、結晶を50℃で真空乾燥し、精製クロセチン(試作品)約1.6gを得た。このものの色価は34,200であった。
[クロセチンの純度]
精製クロセチン(試作品)約0.5gを更にジメチルホルムアミドで再結晶を行い、得られたクロセチンの結晶(色価35,700)を、「純品のクロセチン」とし、以下の式にて、クロセチンの純度を算出した。
精製クロセチン(試作品)約0.5gを更にジメチルホルムアミドで再結晶を行い、得られたクロセチンの結晶(色価35,700)を、「純品のクロセチン」とし、以下の式にて、クロセチンの純度を算出した。
上式に基づいて算出された精製クロセチン(試作品)の純度は95.8%であった。
尚、色価(E10% 1cm)は『化学的合成品以外の食品添加物 自主規格(第二版)』、日本食品添加物協会編、「クチナシ黄色素」を参考にして、以下の方法で測定した。
尚、色価(E10% 1cm)は『化学的合成品以外の食品添加物 自主規格(第二版)』、日本食品添加物協会編、「クチナシ黄色素」を参考にして、以下の方法で測定した。
[色価測定方法]
測定する吸光度が0.3〜0.7の範囲になるように、試料を精密に量り、Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)に溶かして正確に500mlとする。溶解しにくい場合は、超音波処理により溶解する。その10mlを正確に量り、Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)を加えて50mlとし、試験溶液とする。Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)を対照とし、液層の長さ1cmで420nm付近の極大吸収部における吸光度Aを測定し、次式により色価を求めた。
測定する吸光度が0.3〜0.7の範囲になるように、試料を精密に量り、Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)に溶かして正確に500mlとする。溶解しにくい場合は、超音波処理により溶解する。その10mlを正確に量り、Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)を加えて50mlとし、試験溶液とする。Kolthoff氏緩衝液(50mM Na2CO3−50mM Na2B4O7,pH10.0)を対照とし、液層の長さ1cmで420nm付近の極大吸収部における吸光度Aを測定し、次式により色価を求めた。
[試験例1]
眼精疲労に対するクロセチンの改善効果を評価するため、表1に示した配合からなる内容物を充填した二種類のカプセル(250mg/1カプセル)を作製し、VDT作業に従事しており、作業中および作業後に目の疲れなどの眼精疲労症状を自覚する健常な成人男性(30〜40歳)を対象にして、被験者を被検薬群(n=10)と対照薬(プラセボ)群(n=10)とに無作為に割り付ける二重盲検試験を行った。
眼精疲労に対するクロセチンの改善効果を評価するため、表1に示した配合からなる内容物を充填した二種類のカプセル(250mg/1カプセル)を作製し、VDT作業に従事しており、作業中および作業後に目の疲れなどの眼精疲労症状を自覚する健常な成人男性(30〜40歳)を対象にして、被験者を被検薬群(n=10)と対照薬(プラセボ)群(n=10)とに無作為に割り付ける二重盲検試験を行った。
<試験方法>
被験者20名に3時間継続的にVDT作業させた後、被験者の眼精疲労に伴う自覚症状の程度を、1)眼が疲れている、2)眼が痛い、3)眼がかすむ、4)肩がこる、5)頭が痛い、の5項目について、ビジュアルアナログスケール法を用いて、0(感じない)から10(極度に感じる)までを意味する10cmの線分上に線で記入させた。
次に、被験者に被検薬あるいは対照薬(プラセボ)を1カプセル服用させ、服用から1時間後に、被験者の眼精疲労に伴う自覚症状の程度を再び記入させた。
各被験者毎に、作業終了時の5項目の評価点の平均値と服用から1時間後の5項目の評価点の平均値を算出し、以下の式に基づいて症状の改善度を求めた。
被験者20名に3時間継続的にVDT作業させた後、被験者の眼精疲労に伴う自覚症状の程度を、1)眼が疲れている、2)眼が痛い、3)眼がかすむ、4)肩がこる、5)頭が痛い、の5項目について、ビジュアルアナログスケール法を用いて、0(感じない)から10(極度に感じる)までを意味する10cmの線分上に線で記入させた。
次に、被験者に被検薬あるいは対照薬(プラセボ)を1カプセル服用させ、服用から1時間後に、被験者の眼精疲労に伴う自覚症状の程度を再び記入させた。
各被験者毎に、作業終了時の5項目の評価点の平均値と服用から1時間後の5項目の評価点の平均値を算出し、以下の式に基づいて症状の改善度を求めた。
<結果>
被検薬群と対照薬(プラセボ)群毎に改善度の数値を集計し、各群の被験者10名の改善度の平均値を算出した。結果を表2に示した。集計結果について、Dunnet法により対照薬(プラセボ)群と被検薬群との母平均の差の検定を行った結果、その差は統計的に有意(危険率5%)であった。
本結果は、本発明の眼精疲労改善剤が眼精疲労の回復に有効であることを示すものである。
被検薬群と対照薬(プラセボ)群毎に改善度の数値を集計し、各群の被験者10名の改善度の平均値を算出した。結果を表2に示した。集計結果について、Dunnet法により対照薬(プラセボ)群と被検薬群との母平均の差の検定を行った結果、その差は統計的に有意(危険率5%)であった。
本結果は、本発明の眼精疲労改善剤が眼精疲労の回復に有効であることを示すものである。
[試験例2]
眼精疲労に対するクロセチンの改善効果を評価するため、表3に示した配合からなる内容物を充填した二種類のカプセル(180mg/1カプセル)を作製し、目の疲れなどの眼精疲労症状を自覚する健常な成人男性および女性(25〜40歳)を対象にして、二重盲検法によるクロスオーバー比較試験を行った。
眼精疲労に対するクロセチンの改善効果を評価するため、表3に示した配合からなる内容物を充填した二種類のカプセル(180mg/1カプセル)を作製し、目の疲れなどの眼精疲労症状を自覚する健常な成人男性および女性(25〜40歳)を対象にして、二重盲検法によるクロスオーバー比較試験を行った。
〈試験方法〉
被験者13名をA群(n=7)とB群(n=6)とに無作為に割り付け、A群を被検薬投与群、B群を対照薬投与群とした。各被験者を1時間継続的にVDT作業させた後、毛様体筋の調節緊張の程度を調節機能解析装置(AA−1;ニデック社製)を用いて測定し、得られた測定値から調節微動高周波成分の出現頻度(HFC)を算出した。20分間安静にして休息した後再度測定し、得られた測定値からHFCを算出し、休息前後のHFC値の差から各群の摂取前のHFC変化量を求めた。その後、A群には被検薬を、B群には対照薬を1日1カプセル、朝食後に服用させ、4週間後に上記試験を実施し、各群の摂取後のHFC変化量を求めた。
6週間ウオッシュアウト期間を取った後、A群を対照薬投与群、B群を被検薬投与群として同様の試験を実施し、各群の摂取前のHFC変化量と摂取後のHFC変化量を求めた。
被験者13名をA群(n=7)とB群(n=6)とに無作為に割り付け、A群を被検薬投与群、B群を対照薬投与群とした。各被験者を1時間継続的にVDT作業させた後、毛様体筋の調節緊張の程度を調節機能解析装置(AA−1;ニデック社製)を用いて測定し、得られた測定値から調節微動高周波成分の出現頻度(HFC)を算出した。20分間安静にして休息した後再度測定し、得られた測定値からHFCを算出し、休息前後のHFC値の差から各群の摂取前のHFC変化量を求めた。その後、A群には被検薬を、B群には対照薬を1日1カプセル、朝食後に服用させ、4週間後に上記試験を実施し、各群の摂取後のHFC変化量を求めた。
6週間ウオッシュアウト期間を取った後、A群を対照薬投与群、B群を被検薬投与群として同様の試験を実施し、各群の摂取前のHFC変化量と摂取後のHFC変化量を求めた。
〈結果〉
被検薬投与群と対照薬(プラセボ)投与群毎に摂取前のHFC変化量と摂取後のHFC変化量を集計し、各群の被験者13名のHFC変化量の平均値を算出した。結果を表4に示した。
集計された各群のデータに基づき、対応のあるt検定(paired t−test)を行った結果、以下の2群の対比に有意差が認められた。
被検薬投与群(摂取前)vs被検薬投与群(摂取後) : 危険率5%
被検薬投与群(摂取後)vs対照薬投与群(摂取後) : 危険率1%
この結果は、本発明の眼精疲労改善剤が眼精疲労の回復に有効であることを示すものである。
被検薬投与群と対照薬(プラセボ)投与群毎に摂取前のHFC変化量と摂取後のHFC変化量を集計し、各群の被験者13名のHFC変化量の平均値を算出した。結果を表4に示した。
集計された各群のデータに基づき、対応のあるt検定(paired t−test)を行った結果、以下の2群の対比に有意差が認められた。
被検薬投与群(摂取前)vs被検薬投与群(摂取後) : 危険率5%
被検薬投与群(摂取後)vs対照薬投与群(摂取後) : 危険率1%
この結果は、本発明の眼精疲労改善剤が眼精疲労の回復に有効であることを示すものである。
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008239528A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Lion Corp | 目及び脳機能改善剤 |
JP2014218483A (ja) * | 2013-05-10 | 2014-11-20 | ハウス食品グループ本社株式会社 | クチナシ抽出物を含む眠気覚まし用組成物 |
JP2017012059A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | 富士フイルム株式会社 | 食品組成物 |
US11813299B2 (en) * | 2017-05-15 | 2023-11-14 | Tsubota Laboratory, Inc. | Composition and functional food for preventing myopia |
-
2006
- 2006-06-02 JP JP2006154520A patent/JP2007031426A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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