以下に、添付図面を参照して、本発明に係る飛行制御システム及び飛行制御方法の好適な実施例を詳細に説明する。以下に示す実施例では、本発明に係る飛行制御システム及び飛行制御方法を、所定の領域を警備対象領域として警備対象領域への入場の権限の有無の認証を行う入場管理システムに適用した場合について説明する。
まず、本実施例に係る入場管理システムの概要を説明する。図1は、本実施例に係る入場管理システムの概要を示す概要図である。入場管理システムの警備対象領域には、飛行ユニット10と、警報制御装置20と、レーザセンサ23と、RFIDアンテナ26とが設置される。また、警備対象の領域とは離隔した監視センタには、センタサーバ40が設置され、センタサーバ40は、通信ネットワークを介して警報制御装置20と接続する。
RFIDアンテナ26は、所定の範囲のRFIDの読み取りを行うことが可能である。また、RFIDアンテナ26は読み取ったRFIDデータを警報制御装置20に通知し、これを受け付けた警報制御装置20がRFIDデータを使用して認証処理を行う。
レーザセンサ23は、所定の範囲に対して侵入されたこと及び侵入者若しくは侵入物の位置を検知することのできる装置である。レーザセンサ23は、所定の範囲に対する侵入者若しくは侵入物を検知すると、侵入されたこと及び侵入者若しくは侵入物の位置を警報制御装置20に通知する。
図1に示す入場管理システムの警備対象の領域に設置されるRFIDアンテナ26のRFIDの読取可能な領域は、レーザセンサ23の侵入検知可能な領域を含んでいる。つまり警備対象領域の外部から警備対象領域に接近すると、まずRFIDアンテナ26のRFIDの読取可能な領域に入り、さらに接近するとレーザセンサ23の侵入検知可能な領域に入ることとなる。
利用者Mが、RFIDアンテナ26の読取可能領域に侵入したならば(図1の(1))、利用者MがRFIDタグを携行していればRFIDアンテナ26はRFIDタグのRFIDデータを読み込んで警報制御装置20に通知する。RFIDデータを受け付けた警報制御装置20は受け付けたRFIDデータにより認証処理を行う。利用者MがRFIDタグを携行していない場合や携行していても環境条件によってはRFIDの読取ができないこともある(図1の(2))。
RFIDの読取が行われていない状態で利用者Mが、レーザセンサ23の侵入検知領域に侵入したならば(図1の(3))、レーザセンサ23は利用者Mの侵入位置を検知して警報制御装置20に通知する(図1の(4))。RFIDアンテナ26によるRFIDの読取が行われていない状況で侵入検知を受けると、警報制御装置20は、RFIDアンテナ17を搭載した飛行ユニット10に対して侵入者(利用者M)に接近してRFIDの読取を行う旨の出動指示を行う(図1の(5))。
出動の指示を受け付けた飛行ユニット10は、飛行動作を開始し、出動指示に含まれる侵入位置情報を参考に利用者Mに接近する(図1の(6))。飛行ユニット10は、搭載されたRFIDアンテナ17でRFIDタグのRFIDデータの読取が行われたならば、読み取れたRFIDデータを警報制御装置20に通知する。警報制御装置20は、飛行ユニット10から受け付けたRFIDデータにより認証処理を行い、認証されれば利用者Mの警備領域へ入ることの権限の確認が完了となる。しかし、侵入者(利用者M)に接近しても搭載されたRFIDアンテナ17でRFIDの読取ができない(図1の(7))ならば、警報制御装置20にRFIDが読めない旨を通知する(図1の(8))。
警報制御装置20は、飛行ユニット10からのRFIDが読めない旨の通知を受け付けたならば、警備対象の領域内への侵入検知と、侵入者のRFIDの携行を確認できない旨の情報とを含む侵入検知通報を、監視センタのセンタサーバ40に送信する(図1の(9))。
上述のように、所定の領域への入場の権限の有無をRFIDタグによる認証で実施する場合に、所定の範囲内に所在する人物及び/又は物体を検知して、人物及び/又は物体が所在する位置の近傍まで飛行ユニット10を飛行させて、飛行ユニット10に搭載する認証情報取得手段で人物及び/又は物体が所定の領域への入場の権限を有するか否かの認証に使用する認証情報を取得するようにしたことから、利便性を向上しつつ認証精度を確保可能なシステムを構築することができる。
次に、本実施例に係る入場管理システムのシステム構成を説明する。図2は、本実施例に係る入場管理システムのシステム構成図である。入場管理システムは、警備対象の領域に設置される装置と、監視センタに設置される装置と、顧客の入場管理システムへのコンタクトポイントであるパソコン50及びスマートフォン51を有している。
図2に示す入場管理システムは、警備対象の領域に設置される装置として、警報制御装置20、レーザセンサ23、RFIDアンテナ26及び飛行ユニット10を有している。レーザセンサ23は、警報制御装置20に接続され、所定の領域に対する侵入者若しくは侵入物を検知して、侵入されたこと及び侵入者若しくは侵入物の位置を検知して、警報制御装置20に通知する。RFIDアンテナ26は、警報制御装置20に接続され、所定の範囲のRFIDタグのRFIDデータを読み取ることができ、読み取ったRFIDデータを、警報制御装置20に通知する。
飛行ユニット10は、無線通信手段を有する。飛行ユニット10は、この無線通信手段を用い、警報制御装置20と通信を行うことで、警報制御装置20からの動作指示の受信と、飛行ユニット10で撮像した画像データや飛行履歴データ等のデータの警報制御装置20への送信とを行う。また、飛行ユニット10は、動作指示に含まれる飛行計画に係るデータと、内部に備える高度を感知する装置と、位置を感知する装置と、カメラ14で撮像した画像の認識処理結果を利用して、受けた動作指示の範囲で自律的に飛行動作を行う。
また、飛行ユニット10は、複数種類の動作を行うことが可能で、どの動作を行うのかは警報制御装置20からの指示内容で識別される。また、飛行ユニット10は、警報制御装置20からの動作指示によって動作中であっても、別の動作指示を受け付けることが可能であり、別の動作指示を受け付けたならば動作内容の変更を行うことが可能である。また、飛行ユニット10は、飛行ユニット10自身が動作するためのバッテリ11aの残量の監視を行い、バッテリ残量が所定の量以下になった場合には、自身で判断して所定の場所に帰投する。
また、飛行ユニット10は、飛行中にはカメラ14による画像の撮像と、時系列の位置情報である飛行履歴の採取とを実施し、撮像された画像と採取された飛行履歴データとを、所定の間隔で、警報制御装置20に送信する。
また、飛行ユニット10は、RFIDアンテナ17でRFIDタグのRFIDデータの読み取りが行われた場合には、読み込まれたRFIDデータを警報制御装置20に送信する。
また、警備対象の領域内に例えば重要調度品などがある場合には、飛行ユニット10の墜落などによってその重要調度品を破損する事態が生ずる場合がある。かかる事態を回避するため、本システムでは飛行禁止領域の設定が可能である。飛行禁止領域が設定されている場合には、飛行ユニット10は、飛行禁止領域を回避して飛行する。また、飛行ユニット10は、人などの動体との衝突を回避するために、人などの動体を認識したならば、人などの動体と所定の距離をとって飛行する。
警報制御装置20は、警備対象の領域に配置されたRFIDアンテナ26から読み込んだRFIDデータを受け付けると、受け付けたRFIDデータによる認証処理を行う。また、警報制御装置20は、レーザセンサ23から侵入を検知したことを示す侵入検知通知を受け付けたならば、まだ認証が行われていない場合には、認証が確認できていない侵入があった旨の侵入検知通報をセンタサーバ40に送信する。また、警報制御装置20は、センタサーバ40への侵入検知通報の送信後に、飛行ユニット10に対して、侵入検知通知に含まれる侵入者若しくは侵入物の位置情報と、侵入者若しくは侵入物の近傍に飛行してRFIDデータの読取を行う旨の指示含む出動指示を無線で送信する。
また、警報制御装置20は、飛行ユニット10から飛行ユニット10が内蔵するカメラ14で撮像した画像データ及び飛行ユニット10の飛行履歴データを入手したならば、画像データ及び飛行履歴データを、センタサーバ40に送信する。ただし、特定の領域の画像取得を禁止されている場合には、画像データと飛行履歴データの時系列を突き合わせて飛行履歴データの位置等の情報によって当該画像が画像取得を禁止された領域か否かの判定を行い、画像取得を禁止されている領域と判定された場合には、対応する画像データはセンタサーバ40への送信は行わない。
また、警報制御装置20は、センタサーバ40から飛行ユニット10への動作指示を受け付けた場合には、受け付けた動作指示を飛行ユニット10に送信する。
また、警報制御装置20は、設定されたスケジュールに従って飛行ユニット10に、定時巡回等の指示を行う。これを受けた飛行ユニット10は、指示に従って定時巡回を行う。図2で示すシステム構成ではカメラ14は飛行ユニット10に搭載することとしているが、警備対象の領域内に固定のカメラを設置して、重点的に警備する必要のある領域については固定のカメラで常時撮像し、固定のカメラの死角になる部分を飛行ユニット10の定時巡回時等に、飛行ユニット10に搭載されるカメラ14で撮像するものとしても良い。
センタサーバ40は、警報制御装置20からの侵入検知通報を受け付けると、受け付けた侵入検知通報をディスプレイ装置やプリンタ装置などの出力装置に出力するとともに顧客を一意に識別する顧客識別情報と対応付けて通報の記録を行う。監視センタのシステム運用者はこの出力内容を参照して、侵入検知通報の上がってきた現場へ出動させる警備員のアサインと出動の指示を行ことが可能である。また、センタサーバ40は、この通報の記録に対応付けて警備員への出動要請等の内容を対処内容として記録することができる。また、センタサーバ40は、警報制御装置20から飛行ユニット10で取得された画像データや飛行履歴データを受け付けた場合には、その内容を記録する。
また、センタサーバ40は、飛行ユニット10に対しての動作指示を行うことが可能である。この機能を利用して、監視センタのシステム運用者は、出動を要請した警備員の現地到着の連絡を受けたならば、飛行ユニット10に対して、例えば警備員が近づくことが困難な場所への巡回の指示を行ったり、警備員が現場を一時離脱する場合などに立哨警備の代行の指示を行ったりすることによって、警備員と連携した活動を行わせることが可能である。
また、センタサーバ40は、パソコン50若しくはスマートフォン51からの顧客からの飛行ユニット10への指示を受け付けた場合には、受け付けた飛行ユニット10への指示内容を警報制御装置20に送信する。さらに、顧客からの飛行ユニット10への指示を受けた警報制御装置20は、飛行ユニット10へ動作指示を行う。飛行ユニット10は、受け付けた指示内容に従って、飛行による巡回等の動作を行い画像データ及び飛行履歴データを警報制御装置20経由でセンタサーバ40に送付する。センタサーバ40は、顧客からの指定された飛行ユニット10の動作完了を待って、飛行ユニット10から送られてきた画像データを所定の方法で編集して顧客に通知する。
次に、図2に示したセンタサーバ40の本実施例に係る内部構成を説明する。図3は、センタサーバ40の本実施例に係る内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、センタサーバ40は、表示部41及び入力部42と接続される。表示部41は、液晶パネル等のディスプレイ装置であり、入力部42は、キーボードやマウス等である。
また、センタサーバ40は、通信部43と、記憶部44と、制御部45とを有する。通信部43は、インターネット等の通信網を介して警報制御装置20、顧客のパソコン50及び顧客のスマートフォン51とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部44は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部44は、警備対象一覧データ44a、通報データ44b、対処データ44c、画像蓄積データ44d及び飛行履歴データ44eを有している。
警備対象一覧データ44aは、警備対象領域を識別する警備対象領域識別情報をキーにして、顧客識別情報、警備対象の領域に関する情報等を有したデータである。
通報データ44bは、警備対象領域識別情報で特定されるいずれかの警備対象領域の、警報制御装置20からの侵入検知通報で通報された情報を蓄積したデータである。日付と時刻と警備対象領域識別情報に、侵入検知通報で通報された情報を対応付けて記録したデータである。
対処データ44cは、侵入検知通報後に該侵入検知通報の対処として実施した内容を記録したデータである。例えば、警備員の出動指示や警備員の現地到着及び現場の確認完了などの処置履歴のデータである。
画像蓄積データ44dは、飛行ユニット10がカメラ14で撮像して警報制御装置20を経由して送信してきた画像データを蓄積したデータである。また、飛行履歴データ44eは、飛行ユニット10が警報制御装置20を経由して送信してきた飛行中の位置、移動方向及びスピードなどの飛行履歴を蓄積したデータである。
制御部45は、センタサーバ40を全体制御する制御部であり、通報受付部45a、通報対処部45b、画像蓄積部45c、飛行履歴記録部45d、飛行ユニット指示部45e及び顧客指示処理部45fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
通報受付部45aは、警備対象の領域に設置された警報制御装置20から、警備対象の領域内に対する侵入検知の通報である侵入検知通報を受け付けて、侵入検知通報の内容を通報データ44bに登録し、侵入検知通報の内容を表示部41等の出力装置に出力する。
通報対処部45bは、通報受付部45aの出力結果を見て対処を行う監視センタのシステム運用者の対処内容を、対処データ44cに記録する。また、システム運用者により通報に対する対処の完了の操作が行われると、通報対処部45bは、通報に対する対処終了に係る内容を通報データ44b及び対処データ44cに記録し、通報の送信元の警報制御装置20に通報に対する対処完了の旨の通知を送信する。
画像蓄積部45cは、飛行ユニット10が警報制御装置20を経由して送信してきたカメラ14で撮像した画像データを画像蓄積データ44dに記録する。飛行履歴記録部45dは、飛行ユニット10が警報制御装置20を経由して送信してきた飛行中の位置データを飛行履歴データ44eに記録する。
飛行ユニット指示部45eは、警備対象領域の飛行ユニット10に対する遠隔指示を行うことができる。監視センタのシステム運用者の飛行ユニット10への動作指示に対応する操作が行われると、飛行ユニット指示部45eは、警報制御装置20を経由して飛行ユニット10に動作指示を送信する。また、顧客のパソコン50若しくはスマートフォン51からの飛行ユニット10への動作指示を受け付けると、飛行ユニット指示部45eは、警報制御装置20を経由して飛行ユニット10に動作指示を送信する。
顧客指示処理部45fは、顧客のパソコン50若しくはスマートフォン51からの操作による飛行ユニット10への動作指示を受け付けると、飛行ユニット指示部45eの機能を利用して飛行ユニット10へ動作指示を伝える。また、顧客指示処理部45fは、顧客指示の飛行ユニット10の一連の動作が完了すると、当該顧客へ飛行ユニット10の採取した画像情報を所定の編集を行って通知する。
次に、図2に示した飛行ユニット10の本実施例に係る内部構成を説明する。図4は、飛行ユニット10の本実施例に係る内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、飛行ユニット10は、駆動部11、バッテリ11a、バッテリ監視部11b、超音波センサ12a、位置情報取得部12b、内界センサ12c、無線通信部13、カメラ14、記憶部15、制御部16、RFIDアンテナ17及び音声出力部18を有する。
駆動部11は、1つ又は複数のプロペラ等を有し、飛行ユニット10を浮上させ、任意の方向に移動可能とするためのユニットである。この駆動部11は、制御部16からの指示に基づいて動作し、動力源としてバッテリ11aに蓄えられた電力を使用する。バッテリ11aの電力残量は、バッテリ監視部11bにより監視され、制御部16に出力される。
超音波センサ12aは、飛行ユニット10の下方に向けて超音波を発射し、該超音波の反射波を受信するまでに要する時間から、飛行ユニット10の高度を算出し、制御部16に出力する。なお、本実施例では、超音波センサ12aが下方に向けて超音波を発射することで、床面や地面を基準とした高度を算出する場合について説明するが、飛行ユニット10の移動範囲が屋内である場合には、超音波センサ12aが上方に向けて超音波を発射し、天井までの距離を算出することで、高度に対応する値を求めるように構成してもよい。本実施例では、高度を検知するセンサとして超音波センサ12aを搭載する例を説明するが、これに限定するものではなく超音波センサ12aとは原理の異なる高度センサを採用しても良い。例えば、超音波センサ12aの代わりに気圧の変化を検知することによって高度を測定する高度センサを採用しても良い。
位置情報取得部12bは、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて飛行ユニット10の位置情報を算出し、算出した位置情報を制御部16に出力する。
内界センサ12cは、飛行ユニット10自身の姿勢を含む飛行ユニット10の内部の状態を検知するセンサであり、検知した内容は制御部16に出力される。
無線通信部13は、警報制御装置20と無線通信を行なうための通信インタフェースである。カメラ14は、飛行ユニット10の周囲を撮像する撮像手段である。RFIDアンテナ17は、飛行ユニット10から所定の範囲のRFIDタグのRFIDデータの読取手段である。音声出力部18は、音声を出力する音声出力手段である。
記憶部15は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部15は、飛行計画データ15a、飛行禁止領域データ15b、画像データ15c、飛行履歴データ15d及び音声データ15eを有している。
飛行計画データ15aは、警報制御装置20から飛行ユニット10へ送信された動作指示に含まれる飛行ユニット10への動作指示内容を記憶している。本実施例では、警報制御装置20からの動作指示に具体的な動作の指示内容を含めて都度送信されるものとしたが、いくつかのパターンの飛行計画を飛行ユニット10が事前に記憶しておき、警報制御装置20からはいずれの飛行計画なのかを示す飛行計画の識別情報を含めた動作指示としても良い。
飛行禁止領域データ15bは、警備対象の領域内の一部の領域を指定した設定データであり、飛行ユニット10は、装置の突然の故障等の不測の事態であっても設定された飛行禁止領域データ15b内に落下する確率を所定の値以下となるよう、飛行範囲、飛行方向、飛行スピードを制御する。また、飛行禁止領域データ15bは、複数の領域を設定することが可能である。また、飛行禁止領域の設定に代わって、所定の認識可能な目印を置くことによって、この認識可能な目印から所定の範囲を飛行禁止領域としても良い。
画像データ15cは、カメラ14が撮像したデータを書き込んだデータである。飛行履歴データ15dは、超音波センサ12a及び位置情報取得部12bで取得した飛行高度、飛行位置の情報を時系列で書き込んだデータである。音声データ15eは、飛行ユニット10が音声出力時に使用する音声を保存したデータであり、複数の用途の音声データを有している。
制御部16は、飛行ユニット10を全体制御する制御部であり、指示受付部16a、飛行制御部16b、画像処理部16c、データ送信部16d、RFID認証確認部16e及び音声処理部16fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
指示受付部16aは、警報制御装置20からの動作指示を受け付けて、動作指示に含まれる飛行計画の情報を飛行計画データ15aに記憶して、飛行制御部16bを起動する。また、指示受付部16aは、警報制御装置20から先に受けた動作指示が未完了の状態に、別の動作指示を受け付けた場合には、飛行制御部16bに指示が変更となったことを通知して、受け付けた動作指示に含まれる飛行計画の情報を飛行計画データ15aに記憶して、飛行制御部16bに制御を移行する。
飛行制御部16bは、飛行ユニット10の飛行動作を制御する装置である。飛行制御部16bは、超音波センサ12aと位置情報取得部12bで取得された飛行ユニット10自身の3次元上の位置情報と、内界センサ12cで取得された飛行ユニット10の姿勢に係る情報と、カメラ14で撮像した画像の画像処理部16cの画像認識処理による人などの動体の検出結果等とを活用して、駆動部11を制御することによって、飛行計画データ15aに指定された動作を実行する。また、飛行制御部16bは、バッテリ監視部11bがバッテリ11aの電力残量が所定量以下になったことを検知したならば、実行中の動作を中断して所定の場所に帰投する。
また、飛行制御部16bは、装置の突然の故障等の不測の事態であっても飛行ユニット10は設定された飛行禁止領域データ15b内に落下する確率を所定の値以下となるよう、飛行範囲、飛行方向、飛行スピードを制御する。また、飛行制御部16bは、人などの動体との衝突を回避するために、画像処理部16cから人などの動体の位置の情報を入手したならば、人などの動体を検知した位置と所定の距離をとって飛行するように制御する。
また、飛行制御部16bは、飛行計画データ15aに侵入者の侵入位置情報と侵入者探索の指示が含まれていた場合には、侵入者の位置情報を参考にして侵入者の探索を行うように飛行制御する。
また、飛行制御部16bは、飛行計画データ15aに侵入者のRFIDタグの読取の指示が含まれていた場合には、画像処理部16cから侵入者の検出の情報を得たならば、該侵入者の近傍に接近し、RFID認証確認部16eを起動する。起動されたRFID認証確認部16eは、RFIDアンテナ17によるRFIDデータの読取処理を行う。
画像処理部16cは、カメラ14で撮像した画像を入力情報として、侵入者の検出や障害物の検知などを行い飛行制御部16bに通知を行う。データ送信部16dは、画像データ15c及び飛行履歴データ15dを所定の間隔で、警報制御装置20に送信する。
RFID認証確認部16eは、RFIDアンテナ17でRFIDタグのRFIDデータを読取が行われたならば、読み取ったRFIDデータを警報制御装置20に送信する。また、所定時間たってもRFIDデータが読み取れない場合には、警報制御装置20にRFIDデータが読み取れなかった旨の通知を行う。また、RFIDデータを警報制御装置20に送付すると、警報制御装置20は、認証処理を行って認証結果を飛行ユニット10に通知する。RFID認証確認部16eは、警報制御装置20から認証結果を受付けると、音声処理部16fを起動し、音声処理部16fは、認証結果に応じた音声出力を行う。
なお、図4に示した飛行ユニット10の内部構成では、カメラ14で撮像した画像データを記憶部15の画像データ15cに一旦記憶させて、その記憶された画像データ15cをデータ送信部16dが警報制御装置20に送信する構成で説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラ14で採取した画像データを記憶部15に一旦記憶させることなく、カメラ14から直接データ送信部16dに渡して、データ送信部16dは記憶部15を使用せずに警報制御装置20に送信しても良い。
次に、図2に示した警報制御装置20の本実施例に係る内部構成を説明する。図5は、警報制御装置20の本実施例に係る内部構成を示すブロック図である。図5に示すように、警報制御装置20は、レーザセンサ23及びRFIDアンテナ26と接続され、無線通信部21、有線通信部22、記憶部24及び制御部25を有する。
レーザセンサ23は、レーザセンサ23の設置位置からの相対的な所定の範囲に対して、侵入されたこと及び侵入者若しくは侵入物の位置を検知することのできる装置である。レーザセンサ23は、侵入を検知すると、制御部25に侵入者若しくは侵入物の位置を通知する。
RFIDアンテナ26は、RFIDアンテナ26の設置位置からの相対的な所定の範囲に所在するRFIDタグからRFIDデータを読み取ることのできる装置である。RFIDアンテナ26は、RFIDデータを読み取ったならば、読み取ったRFIDデータを制御部25に通知する。
無線通信部21は、飛行ユニット10と無線通信を行なうための通信インタフェースである。また、有線通信部22は、インターネット等の通信網を介して監視センタのセンタサーバ40と通信するための有線インタフェースである。
記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、監視状況データ24a、飛行計画マスタデータ24b、飛行禁止領域データ24c、プライバシ領域データ24d、画像一時保存データ24e及び飛行履歴データ24fを有する。
監視状況データ24aは、本警報制御装置20の設置されている警備対象の領域の監視状況を示すデータであり、設置されているセンサの異常検出状況、RFIDデータの認証処理結果、飛行ユニット10の稼働状態及びセンタサーバ40への通報の有無等の情報を含む。
飛行計画マスタデータ24bは、飛行ユニット10へ指示する詳細な動作内容の設定データであり、動作の種類数分のデータが登録されている。警報制御装置20から飛行ユニット10に動作指示を行う場合には、飛行計画マスタデータ24bに登録されたデータから、指示する動作の種類に対応する詳細な動作内容の設定データを飛行計画として送付する。
飛行禁止領域データ24cは、警備対象領域内の飛行ユニット10の飛行禁止領域を設定したデータであり、新たに設定されたり変更されると飛行ユニット10に配信される。プライバシ領域データ24dは、警備対象の領域の中で画像の採取を禁じている領域、すなわち撮像禁止領域を設定したデータであり、新たに設定されたり変更されると飛行ユニット10に配信される。
画像一時保存データ24eは、飛行ユニット10から送信されてきた画像データを一時保存したデータであり、センタサーバ40への送信が完了すると消去される。飛行履歴データ24fは、飛行ユニット10から送信されてきた飛行履歴のデータを一時保存したデータであり、センタサーバ40への送信が完了すると消去される。
制御部25は、警報制御装置20を全体制御する制御部であり、センサ制御部25a、RFID認証処理部25b、センタ通報部25c、センタ指示受付部25d、飛行ユニット指示部25e、画像データ送信部25f及び飛行履歴送信部25gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
センサ制御部25aは、レーザセンサ23から通知される侵入の検知及び侵入位置の情報を受け付けたならば、レーザセンサ23から通知された内容を監視状況データ24aに書き込むとともに、飛行ユニット指示部25eとセンタ通報部25cとを起動する。起動された飛行ユニット指示部25eは、監視状況データ24aの内容を確認して、まだRFIDの認証がされていない場合には、飛行ユニット10に侵入者に接近してRFIDの読取を行う旨の出動指示を行う。また、起動されたセンタ通報部25cは、監視状況データ24aの内容を確認して、まだRFIDの認証がされていない場合には、警備対象の領域への侵入が検知されたことと、固定設置のRFIDアンテナ26では侵入者のRFIDの携行を確認できていないので飛行ユニット10で接近してRFIDデータの読取処理中の旨の情報とを含む侵入検知通知を、監視センタのセンタサーバ40に送信する。
RFID認証処理部25bは、RFIDアンテナ26の読み込んだRFIDデータによる認証処理を行い、認証結果を監視状況データ24aに書き込む。また、RFID認証処理部25bは、飛行ユニット10からRFIDアンテナ17で読み込んだRFIDデータを受け付けたならば、受け付けたRFIDデータによる認証処理を行い、認証結果を監視状況データ24aに書き込む。また、飛行ユニット10から受け付けたRFIDデータで認証処理を行った場合には、認証結果を飛行ユニット10に通知する。
また、RFID認証処理部25bは、飛行ユニット10から通知されたRFIDデータで認証がされた場合には、センタ通報部25cを起動して、センタ通報部25cは、警備対象の領域への侵入が検知されたが、飛行ユニット10でRFIDデータの読取ができて認証された旨の認証確認通知を、監視センタのセンタサーバ40に送信する。また、RFID認証処理部25bは、飛行ユニット10からRFIDデータの読取ができなかった旨の通知を受け付けるか、飛行ユニット10から受け付けたRFIDデータで認証がされなかった場合にはセンタ通報部25cを起動して、センタ通報部25cは、警備対象の領域への侵入が検知されたことと、侵入者のRFIDの携行を確認できなかったことの情報とを含む侵入検知通報を、監視センタのセンタサーバ40に送信する。
センタ指示受付部25dは、センタサーバ40から飛行ユニット10に対する動作指示を受け付けたならば、飛行ユニット指示部25eを起動して、飛行ユニット指示部25eは、センタサーバ40からの飛行ユニット10への動作指示を、飛行ユニット10に送信する。また、センタ指示受付部25dは、センタサーバ40から、通報した侵入検知通報に対する対処の完了の通知を受け付けたならば、監視状況データ24aの内容をクリアして、飛行ユニット10がまだ帰投していないようであれば、飛行ユニット指示部25eを起動して所定の場所への帰投の指示を行う。
飛行ユニット指示部25eは、飛行計画マスタデータ24bに登録されている複数種類の動作に対する飛行計画から、いずれかの飛行計画の情報等を含む動作指示を飛行ユニット10に送信する。
画像データ送信部25fは、飛行ユニット10から受信した飛行ユニット10に搭載されるカメラ14で撮像したデータを受け付けて、画像一時保存データ24eに書き込む。飛行履歴送信部25gは、飛行ユニット10から受信した飛行ユニット10の飛行履歴を受信して、飛行履歴データ24fに書き込む。画像データ送信部25fは、画像一時保存データ24eに書き込まれた画像に関して、飛行履歴データ24fより得られる飛行ユニット10の位置情報等よりプライバシ領域データ24dに定義されている領域の画像なのか否かの判定を行い、プライバシ領域データ24dに定義されている領域の画像でない場合には、画像一時保存データ24eをセンタサーバ40に送信する。飛行履歴送信部25gは、飛行履歴データ24fをセンタサーバ40に送信する。また、画像データ送信部25fは、送信済の画像データ若しくはプライバシ領域に係る画像データであることからセンタサーバ40に送信しないと判定された画像データを削除する。
次に、図2に示した警報制御装置20の異常検知時の処理手順を説明する。図6は、警報制御装置20の異常検知時の処理手順を示すフローチャートである。
まず、RFIDアンテナ26によるRFIDデータの読取が行われたか否かを判定する(ステップS101)。RFIDアンテナ26によるRFIDデータの読取が行われた場合(ステップS101;Yes)には、RFID認証処理部25bは、読み取ったRFIDデータによる認証処理を行い、認証結果を監視状況データ24aに書き込んで(ステップS102)、ステップS101に移行する。
また、RFIDアンテナ26によるRFIDデータの読取の通知を受け付けていない場合(ステップS101;No)には、レーザセンサ23による侵入の検知の有無を判定する(ステップS103)。レーザセンサ23が警備対象の領域に対する侵入を検知していない場合(ステップS103;No)には、ステップS101に移行する。また、レーザセンサ23が警備対象の領域に対する侵入を検知した場合(ステップS103;Yes)には、センサ制御部25aは、レーザセンサ23からの通知内容を監視状況データ24aに登録する(ステップS104)。
次に、監視状況データ24aの内容を確認して、RFIDの認証が既に行われている場合(ステップS105;Yes)には、処理を終了する。また、監視状況データ24aの内容を確認して、まだRFIDの認証が行われていない場合(ステップS105;No)には、センタ通報部25cは、警備対象の領域への侵入が検知されたことと、固定設置のRFIDアンテナ26では侵入者のRFIDの携行を確認できていないので飛行ユニット10で接近してRFIDデータの読取処理中の旨の情報とを含む侵入検知通知を、監視センタのセンタサーバ40に送信する(ステップS106)。飛行ユニット指示部25eは、飛行ユニット10に侵入者に接近してRFIDの読取を行う旨の出動指示を行う(ステップS107)。
次に、センタサーバ40からの飛行ユニット10に対する動作指示を受け付けたならば(ステップS108;Yes)、飛行ユニット指示部25eは、受け付けた動作指示を飛行ユニット10に送信して(ステップS109)、ステップS108に移行する。
次に、飛行ユニット10から侵入者のRFIDが読み込めなかった旨の通知を受け付けたならば(ステップS108;No、ステップS110;Yes)、センタ通報部25cは、警備対象の領域内への侵入が検知されたことと、飛行ユニット10を出動させたが侵入者のRFIDの携行を確認できなかったことの情報とを含む侵入検知通報を、監視センタのセンタサーバ40に送信する(ステップS111)。
次に、飛行ユニット10から読み込んだRFIDデータが通知されたならば(ステップS110;No、ステップS112;Yes)、RFID認証処理部25bは、受け付けたRFIDデータで認証処理を実施する(ステップS113)。飛行ユニット10から受け付けたRFIDデータによる認証処理の結果、認証された場合(ステップS114;Yes)には、センタ通報部25cは、警備対象の領域への侵入が検知されたが、飛行ユニット10でRFIDデータの読取ができて認証された旨の認証確認通知を、監視センタのセンタサーバ40に送信して(ステップS115)、処理を終了する。また、飛行ユニット10から受け付けたRFIDデータによる認証処理の結果、認証されなかった場合(ステップS114;No)には、センタ通報部25cは、警備対象の領域内への侵入が検知されたことと、飛行ユニット10を出動させたがRFIDによる認証ができなかったことの情報とを含む侵入検知通報を、監視センタのセンタサーバ40に送信して(ステップS116)、ステップS108に移行する。
次に、センタサーバ40から侵入検知通報に対する対処の完了の通知を受け付けたならば(ステップS112;No、ステップS117;Yes)、センタ指示受付部25dは、飛行ユニット10がまだ帰投していないようであれば帰投の指示を行い、監視状況データ24aの侵入検知通報に係る情報をクリアして(ステップS118)、処理を終了する。
次に、飛行ユニット10から画像データを受信したならば(ステップ117;No、ステップS119;Yes)、受信した画像データがプライバシ領域データ24dに設定された領域の画像であるか否かを判定して(ステップS120)、受信した画像データがプライバシ領域の画像ではない場合(ステップS120;No)には、画像データ送信部25fは、受信した画像をセンタサーバ40に送信して(ステップS121)、ステップS122に移行する。受信した画像データがプライバシ領域の画像の場合(ステップS120:Yes)には、受信した画像の送信は行わずにステップS122に移行する。また、飛行ユニット10から画像データを受信していなければ(ステップS119;No)、そのままステップS122に移行する。
ステップS122では、飛行ユニット10からの飛行履歴を受信したか否かを判定し、飛行ユニット10からの飛行履歴を受信したならば(ステップS122;Yes)、飛行履歴送信部25gは、受信した飛行履歴をセンタサーバ40に送信して(ステップS123)、ステップS108に移行する。飛行ユニット10からの飛行履歴を受信していない場合(ステップS122;No)も、ステップS108に移行する。
次に、警報制御装置20が侵入を検知した以降の処理の処理手順を説明する。図7は、警報制御装置20が侵入を検知した以降の処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、レーザセンサ23が警備対象の領域に対する侵入を検知していない場合(ステップS201;No)には、ステップS201に戻り、レーザセンサ23の警備対象の領域に対する侵入の検知を待ち合わせる。また、警備対象の領域に設置されたレーザセンサ23が警備対象の領域に対する侵入を検知した場合(ステップS201;Yes)には、RFIDの認証が既に行われているか否かの判定を行う(ステップS202)。RFIDの認証が既にされている場合(ステップS202;Yes)には、ステップS201に移行する。また、RFIDの認証がまだされていない場合(ステップS202;No)には、センタ通報部25cは、警備対象の領域への侵入が検知されたことと、固定設置のRFIDアンテナ26では侵入者のRFIDの携行を確認できていないので飛行ユニット10で接近してRFIDデータの読取処理中の旨の情報とを含む侵入検知通知を、監視センタのセンタサーバ40に送信する(ステップS203)。次に、飛行ユニット指示部25eは、飛行ユニット10に侵入者に接近してRFIDの読取を行う旨の出動指示を行う(ステップ204)。
ステップS204の処理で送信された動作指示を受け付けた飛行ユニット10は、指示された内容に従って飛行動作の制御(飛行制御1)を開始する(ステップS401)。飛行ユニット10は、侵入者を探索して搭載しているRFIDアンテナ17でRFIDデータの読取を行い、その結果を警報制御装置20にRFID読取通知として送信する。
飛行ユニット10からのRFID読取通知を受け付けると、警報制御装置20のRFID認証処理部25bは、認証処理を実施する(ステップS205)。ステップS205の認証処理で認証がされたならば(ステップS206;Yes)、センタ通報部25cは、警備対象の領域への侵入が検知されたが、飛行ユニット10でRFIDデータの読取ができて認証された旨の認証確認通知を、監視センタのセンタサーバ40に送信して(ステップS207)、処理を終了する。また、ステップS205の認証処理で認証がされなかったならば(ステップS206;No)、センタ通報部25cは、警備対象の領域への侵入が検知されたことと、侵入者のRFIDの確認ができなかったことの情報とを含む侵入検知通報を、監視センタのセンタサーバ40に送信する(ステップS208)。
ステップ208の処理で送信された侵入検知通報を受け付けたならば、センタサーバ40の通報受付部45aは、受け付けた通報内容を表示部41等の出力装置への出力処理を行う(ステップS301)。監視センタのシステム運用者は、出力された侵入検知通知の内容を参照して、警備員出動指示を行い、通報対処部45bを使用してシステム運用者の対処の記録を行う(ステップS302)。システム運用者の出動指示により警備員は現場に出動し、現場に到着したならば電話等の連絡手段で監視センタのシステム運用者に到着の報告を行う。
警備員が現地に到着するまでは現場での活動は飛行ユニット10が行っていたが、警備員の現場到着以降は警備員と飛行ユニット10は連携することが望ましい。センタサーバ40の飛行ユニット指示部45eの機能を使用することにより、飛行ユニット10に対して警備員と連携した動作(例えば、警備員が近づくことが困難な場所への巡回)の指示を行うことが可能で、図7に示すフローチャートでは警備員の現場到着報告後に、システム運用者がセンタサーバ40の飛行ユニット指示部45eの機能を使用して飛行ユニット10へ遠隔で動作指示を行った(ステップS303)ケースのフローを示している。
センタサーバ40からの飛行ユニット10に対する動作指示を受け付けたならば、警報制御装置20の飛行ユニット指示部25eは、受け付けた動作指示を飛行ユニット10に送信する(ステップS209)。さらに、ステップS209の処理によって送信された動作指示を受け付けた飛行ユニット10は、指示された内容に従って飛行動作の制御(飛行制御2)を開始する(ステップS402)。
次に、図7に示した飛行ユニット10の飛行制御1の詳細を説明する。図8は、図7に示した飛行ユニット10の飛行制御1の詳細を説明するためのフローチャートである。
まず、警報制御装置20からの動作指示を受け付けているか否かの判定を行う(ステップS501)。警報制御装置20からの動作指示を受け付けていない場合(ステップS501;No)には、ステップS501に戻り、警報制御装置20からの動作指示を受け付けるまで待ち合わせる。警報制御装置20からの動作指示を受け付けた場合(ステップS501;Yes)には、飛行制御部16bは、バッテリ監視部11bの管理するバッテリ11aの残量のチェックを行い(ステップS502)、バッテリ11aの残量が所定量以下で出動不可と判定した場合(ステップS502;No)には、飛行動作は行わず処理を終了する。
バッテリ11aの残量が所定量を超えていて出動可能と判定した場合(ステップS502;Yes)には、指示受付部16aは、警報制御装置20の動作指示に含まれる飛行動作に関する指示内容である飛行計画を飛行計画データ15aに保存する(ステップS503)。飛行制御部16bは、駆動部11を動作開始させ、カメラ14の撮像を開始させ、超音波センサ12a及び位置情報取得部12bの機能を開始させ(ステップS504)、飛行計画データ15aに沿った飛行制御を開始する(ステップS505)。具体的には、飛行計画データ15aに含まれる侵入者の侵入位置情報近辺に飛行して移動して侵入者の探索を行う。
飛行制御部16bは、飛行計画データ15aに沿った飛行制御実施中に、バッテリ監視部11bからバッテリ11aの残量が所定量以下になったことを示す通知を受け付けたならば(ステップS506;Yes)、飛行ユニット10を所定の場所に帰投する(ステップS507)。飛行ユニット10が所定の場所への帰投が完了したら、飛行制御部16bは、駆動部11を動作停止させ、カメラ14の撮像を終了させ、超音波センサ12a及び位置情報取得部12bの機能を停止させて(ステップS508)、処理を終了する。
また、飛行制御部16bは、自身の位置、移動方向及び移動スピードと、飛行禁止領域データ15bから判定して、飛行ユニット10の進行方向に飛行禁止領域データ15bに設定されている飛行禁止領域を検知した場合(ステップS506;No、ステップS509;Yes)、飛行禁止領域に入らないように飛行経路の補正をして(ステップS510)、飛行制御を継続しステップS506に移行する。
また、指示受付部16aは、警報制御装置20から新たな動作指示を受け付けたならば(ステップS509;No、ステップS511;Yes)、飛行制御部16bに指示が変更となったことを通知して、受け付けた動作指示内容を飛行計画データ15aに書き込んで(ステップS512)、ステップS505に移行する。
また、警報制御装置20の動作指示で指示された侵入者を発見したならば(ステップS511;No、ステップS513;Yes)、RFIDの認証確認処理を実施する(ステップS514)。具体的には、RFIDアンテナ17でRFIDデータの読取を行い、読み取ったRFIDデータを警報制御装置20に送付し、警報制御装置20で行った認証処理の結果を警報制御装置20より入手する。
警報制御装置20より受け取った認証処理の結果が正常に認証された場合(ステップS515;Yes)には、音声処理部16fは、認証が確認された旨の音声メッセージの出力を行って(ステップS516)、飛行制御部16bは飛行ユニット10を所定の場所に帰投させて(ステップS517)、処理を終了する。
警報制御装置20より受け取った認証処理の結果が正常に認証されなかった場合もしくはRFIDデータの読取ができなかった場合(ステップS515;No)には、音声処理部16fは、警戒中であることを示す音声出力を行って(ステップS518)、発見した侵入者の移動に伴って一定の距離を保って追尾する追尾動作を開始して(ステップS519)、ステップS506に移行する。また、侵入者を発見していない場合(ステップS513;No)には、ステップS506に移行する。
上述してきたように、所定の範囲内に所在する人物及び/又は物体を検知して、人物及び/又は物体が所在する位置の近傍まで飛行ユニット10を飛行させて、飛行ユニット10に搭載する認証情報取得手段で人物及び/又は物体が所定の権限を有するか否かの認証に使用する認証情報を取得するよう構成したので、利便性を向上しつつ認証精度を確保可能なシステムを構築することができる。
また、飛行ユニット10に搭載された撮像手段と、警備対象領域内の所定範囲を撮像する固定撮像手段とを有して、飛行ユニット10が固定撮像手段の撮像範囲外を撮像可能な位置に飛行して、飛行ユニット10の撮像手段で画像を撮像するよう構成したので、設備に係るコストを抑制しつつ警備対象領域内に画像撮像に係る死角をなくすことができる。
また、所定の警戒領域を警備する警備員の警備行動を識別して、その識別結果に応じて飛行ユニット10に対する指示を行うことによって、飛行ユニット10が警備の補助及び/又は侵入物に対する対処を行うように構成したので、警備員の警備活動の効率化を実現することができる。
また、上述の本実施例では、所定の領域に対する侵入位置をレーザセンサ23で検知することで説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザセンサ23の代わりに、レーザセンサ23以外の侵入位置を検出可能な他のセンサを用いても良い。
また、上述の本実施例では、飛行ユニット10はカメラ14で撮像した画像データをセンタサーバ40に送信するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、飛行ユニット10で音声データも採取して、採取した音声データをセンタサーバ40に送信するようにしても良い。
また、飛行ユニット10の落下位置を予測して、予測された落下位置が設定された落下禁止領域外となるように飛行ユニット10の飛行経路を設定するよう構成したので、不測の事態の発生によって飛行ユニット10が落下してもこの落下による損害を抑制することができる。
また、撮像を禁止する撮像禁止領域の設定が可能で、撮像禁止領域に対する飛行ユニット10に搭載された撮像手段による撮像に関して、撮像の制限若しくは撮像禁止領域を撮像した撮像データの使用を制限するよう構成したので、設定された画像採取の制限を遵守しつつ許可された画像のみを有効に活用することができる。
なお、上述の本実施例では飛行ユニット10で認証に使用するRFIDデータを取得して警報制御装置20で認証処理を実施する構成を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、飛行ユニット10自身で取得したRFIDデータを使用して認証処理を実施するものとしてもよい。
しても良い。
また、上述の本実施例では、レーザセンサ23で利用者を検知した時点で、RFIDアンテナ26で利用者のRFIDタグを読み込んで認証済みとなっていなければ飛行ユニット10を出動させる構成を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。レーザセンサ23で利用者を検知時点で利用者のRFIDタグの読取が行われていなくとも所定時間の待ち合わせを行い、該所定時間内に利用者のRFIDタグを読み取って認証済みとならなければ飛行ユニット10を出動させるようにしても良い。
また、上述の本実施例では、画像の撮像を禁止された領域の対処に関して、撮像を制限する領域の設定情報を保有して、飛行ユニット10は領域を意識せずに画像の撮像は実施し、警報制御装置20は飛行ユニット10から送信されてくる画像データと飛行ユニット10の位置、移動方向、速度等を含む時系列の飛行履歴データとで、当該画像が画像の撮像を禁止された領域に対応するか否かの判定を行って、撮像を禁止された領域に対応する画像と判定された場合にはセンタサーバ40に対応する部分の画像を送信しないこととした。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、異なる方法で実現しても良い。例えば、警報制御装置20で、受け付けた画像に対するモザイク処理を加える等のマスキング処理を行ったうえで送信してもよい。また、飛行ユニット10が、画像の撮像を禁止されている領域を判定してカメラ14の撮像を停止しても良い。
また、上述の本実施例では、顧客のパソコン50及びスマートフォン51の操作によって、飛行ユニット10に動作指示をすることができ、これを実現する構成としてパソコン50及びスマートフォン51の操作内容をセンタサーバ40で受け付けて警報制御装置20に転送する構成を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、顧客のパソコン50及びスマートフォン51の操作内容を、直接警報制御装置20が受け付けても良い。
また、上述の実施例では、RFIDの読み取り後に侵入者検知を行ったが、侵入者検知後にRFIDのタグ所持を探索する構成としても良い。
また、上述の実施例では、RFIDを認証媒体としているが虹彩等の生体認証、音声認識その他の手段を認証媒体としてシステムを構成しても良い。
また、上述の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。