JP6180206B2 - 樹脂封止方法および圧縮成形装置 - Google Patents

樹脂封止方法および圧縮成形装置 Download PDF

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本発明は、樹脂封止方法および圧縮成形装置に適用して有効な技術に関する。
特開2002−160267号公報(特許文献1)には、それぞれに樹脂封止部成形用キャビティが設けられた上下金型を用いて、トランスファ成形方法によって基板の両面を樹脂封止する技術が記載されている(特に、その図1参照)。
特開2002−160267号公報
樹脂封止製品(以下、成形品ともいう。)によっては、一方の面にチップ部品が実装された基板の他方の面どうしを背中合わせに貼り合わせることで両面にチップ部品が実装されたワーク(板状のワークとなる。)に対して樹脂封止を行う場合がある。この場合、特許文献1記載のトランスファ成形方法のように、型閉じした後でワークの側方から樹脂を注入してワークの両面を封止する方法を用いることが考えられる。
しかしながら、このようなトランスファ成形方法では側方から注入された樹脂がワーク上を流れることとなり、部位によっては樹脂の状態が異なったり、ワークの大型化(換言すれば、生産性の効率化)が困難となったりする場合がある。
なお、従来の圧縮成形方法では、チップボンドの都合により基板の一方の面にチップが実装されたワークを封止する方法であるため、両面にチップ部品が実装されたワークに対して樹脂封止することが困難であると考えられていた。
本発明の目的は、第1部品が設けられ、該第1部品を封止する第1樹脂封止部が形成される一方の面と、第2部品が設けられ、該第2部品を封止する第2樹脂封止部が形成される他方の面とを有するワークを圧縮成形方法で樹脂封止することのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明に係る実施形態の樹脂封止方法は、半導体チップ、MEMSチップ、チップコンデンサを含むチップ部品、又は、ボール状のバンプを含む配線部品である第1部品が一方の面に設けられるとともに、半導体チップ、MEMSチップ、チップコンデンサを含むチップ部品、又は、ボール状のバンプを含む配線部品である第2部品が他方の面に設けられた板状の部材で構成され、一つのチップ相当のエリア毎に個片化されることで、複数のパッケージが形成されるワークを、上型と下型とで構成される封止金型を用い第1フィルムと第2フィルムとを介してクランプして圧縮成形により樹脂封止る樹脂封止方法であって、前記型は、第1キャビティの底部を構成する第1インサートと、前記第1キャビティの側部を構成する第1クランパとを備え、前記第1クランパに対して前記第1インサートが相対的に移動可能に構成され、前記型は、第2キャビティの底部を構成する第2インサートと、前記第2キャビティの側部を構成する第2クランパとを備え、前記第2クランパに対して前記第2インサートが相対的に移動可能に構成され、前記第1フィルムは、長尺状のフィルム材が用いられ、ロール状に巻き取られた繰出しロールから引き出されて前記上型の金型面を通過して巻取りロールへ巻き取られるように設けられ、前記第2フィルムは、ロール状の状態から一回の成形分のフィルム幅に切断された所定の形状を有し、(a)一方の面に第1樹脂封止部によって封止される前記第1部品が設けられ、他方の面に第2樹脂封止部によって封止される前記第2部品が設けられた前記ワークを準備する工程と、(b)前記ワークの一方の面に前記第1樹脂封止部用の樹脂を搭載する工程と、(c)前記型の金型面に第1フィルムを吸着保持する工程と、(d)前記封止金型が型開きした状態において、前記第2樹脂封止部用の樹脂を搭載した前記第2フィルムを搬入し、)前記第2インサートの端面と前記第2クランパの端面とに第2フィルムを吸着保持すると共に、前記第2樹脂封止部用の樹脂を前記第2キャビティに供給する工程と、()前記第2部品を前記第2キャビティに収めるようにして、前記型の金型面に前記ワークを配置する工程と、()前記第1部品および前記第1樹脂封止部用の樹脂を前記第1キャビティに収めて、前記型と前記型とで前記ワークをクランプしながら、前記第1および第2インサートを成形位置移動させて、前記第1樹脂封止部用の樹脂および前記第2樹脂封止部用の樹脂を同時に加熱硬化する工程と、を含むことを特徴とする
本発明によれば、ワークの両面を圧縮成形方法で樹脂封止することができる。また、大型のワークであっても効率よく成形することができる。また、板状のワークの両面を同時に圧縮成形した場合には、さらに、生産性を向上することができる。
本発明に係る実施形態の圧縮成形装置は、半導体チップ、MEMSチップ、チップコンデンサを含むチップ部品、又は、ボール状のバンプを含む配線部品である第1部品が一方の面に設けられるとともに、半導体チップ、MEMSチップ、チップコンデンサを含むチップ部品、又は、ボール状のバンプを含む配線部品である第2部品が他方の面に設けられた板状の部材で構成され、一つのチップ相当のエリア毎に個片化されることで、複数のパッケージが形成されるワークを、第1フィルムと第2フィルムとを介してクランプして、前記ワークの両面に対して同時に圧縮成形により樹脂封止を行う圧縮成形装置であって、上型と下型とで構成される封止金型を備え、前記上型は、上型キャビティの底部を構成する上型インサートと、前記上型キャビティの側部を構成する上型クランパとを備え、前記上型クランパに対して前記上型インサートが相対的に移動可能に構成され、前記下型は、下型キャビティの底部を構成する下型インサートと、前記下型キャビティの側部を構成する下型クランパとを備え、前記下型クランパに対して前記下型インサートが相対的に移動可能に構成され、前記第1フィルムは、長尺状のフィルム材が用いられ、ロール状に巻き取られた繰出しロールから引き出されて前記上型の金型面を通過して巻取りロールへ巻き取られるように設けられ、前記第2フィルムは、ロール状の状態から一回の成形分のフィルム幅に切断された所定の形状を有し、前記第1部品を封止する第1樹脂封止部用の樹脂を前記ワークの一方の面に搭載し、前記第2部品を封止する第2樹脂封止部用の樹脂を前記第2フィルム上に搭載する樹脂供給部と、前記上型の金型面に前記第1フィルムを吸着保持させる第1吸着部と、前記下型インサートの端面と前記下型クランパの端面とに前記第2フィルムを吸着保持させる第2吸着部と、前記第2樹脂封止部用の樹脂を搭載した前記第2フィルムを搬入し、前記第2フィルムに搭載された前記第2樹脂封止部用の樹脂を前記下型キャビティに供給するフィルムローダと、前記第2部品を前記下型キャビティに収めるように前記下型の金型面に前記ワークを配置するワークローダと、をさらに備え、前記封止金型は、型閉じすることで前記第1部品および前記第1樹脂封止部用の樹脂を前記上型キャビティに収めて前記第1フィルムおよび前記第2フィルムを介して前記ワークをクランプしながら、前記上型インサートおよび前記下型インサートを成形位置移動させた状態で前記第1樹脂封止部用の樹脂および前記第2樹脂封止部用の樹脂を同時に加熱硬化させる構成であることを特徴とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、ワークの両面を圧縮成形方法で樹脂封止することができる。
本発明の第1実施形態における樹脂封止装置を平面レイアウトで示す全体構成図である。 顆粒タイプの樹脂を供給する樹脂供給部の動作を説明するための図である。 本発明の第1実施形態における樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図3に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図4に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図5に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図6に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図7に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図8に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図9に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図10に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図11に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図12に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図13に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図14に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 本発明の第2実施形態における樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図16に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図17に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図18に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図19に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図20に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 図21に続く樹脂封止工程中のプレス部の模式的断面図である。 ワーク保持部を説明するための図である。
以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、同様の構成から得られる同様の効果についてはその繰り返しの説明は省略する場合がある。
また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
(第1実施形態)
まず、本実施形態における圧縮成形装置100(樹脂封止装置)について図1を参照して説明する。図1は、圧縮成形装置100を平面レイアウトで示す全体構成図である。この圧縮成形装置100は、圧縮成形で樹脂封止を行う構成であることはもちろん、成形品を検査してから、良品を加熱硬化(ポストキュア)させて収納する構成も含むものとなっている。
圧縮成形装置100は、種々の処理工程を行う処理部(ユニット)として、ワーク供給部110、樹脂供給部120、プレス部130、ワーク検査部・冷却部140、キュア部150(キュア炉)、ワーク収納部160を備えている。また、圧縮成形装置100は、各処理工程を制御する制御部170を備えている。各処理部としては、少なくとも単数で構成されていればよいが、本実施形態では、樹脂供給部120、プレス部130がそれぞれ2機(複数)で構成されている場合を示す。例えばプレス部130といった他の処理部より処理時間の掛かるものを複数で構成することで、圧縮成形装置100全体の稼働率を向上することができる。
また、圧縮成形装置100は、処理部間にワークを搬送する搬送ロボットを備えたロボット機構部180を備えている。搬送ロボットは、例えば、各処理部間を回転および直線移動可能で、多関節の先にハンドを有するロボットである。圧縮成形装置100では、ロボット機構部180(搬送ロボット)を囲んで各処理部を配置している。このため、各処理部間でのワークや樹脂の移動距離(図1では破線や一点鎖線でワークや樹脂の移動経路を示す。)が短縮され、効率のよくワークなどの搬送をすることができる。なお、処理部間にワークを搬送する別の構成例として、ベルトコンベアやエアシリンダなどを利用した搬送機構を備えていてもよい。
ワーク供給部110(図1参照)は、樹脂封止が行われるプレス部130へワークを供給するための処理部である。ワーク供給部110は、成形前のワーク(被成形品)を複数収納することができるマガジン(図示せず)を備えている。このマガジンから供給されたワークは、ロボット機構部180の搬送ロボットによってロボット機構部180が備えるワーク載置部(図示せず)に一時的に載置され、プレス部130が備えるローダ190(搬送部)によってプレス部130へ搬送される。本実施形態においては、このワークWは、図3に示すように樹脂封止されておらず、両面の部品(バンプ11)が露出したものと、図11に示すように、一面のみが樹脂封止されて他面の部品(バンプ11)のみが露出したものとがロボット機構部180に別個に供給される。
樹脂供給部120(図1参照)は、樹脂封止が行われるプレス部130へ樹脂を供給するための処理部である。ここで、樹脂供給部120について図2を参照して説明する。図2は、顆粒タイプの樹脂(以下、顆粒樹脂ともいう。)Rを供給する樹脂供給部120の動作を説明するための図である。
図2に示すように、樹脂供給部120は、樹脂Rを貯留することができる樹脂貯留部121、複数の小型の樹脂貯留部122と、樹脂供給領域(供給対象)へ樹脂Rを供給する複数のトラフ123とを備えている。対をなす樹脂貯留部122とトラフ123とは連通されており、これらはXY駆動機構(図示しない)によって移動可能に設けられている。樹脂貯留部121は、固定して設けられて樹脂Rを大量に貯留することができ、これよりも小型の樹脂貯留部122へ小分けにして樹脂Rを供給する。そして、電磁フィーダ(図示しない)によって樹脂貯留部122からトラフ123へ樹脂Rが送り出されて、樹脂供給領域に所定の形状(例えば、平坦状)に投下される。
樹脂貯留部122およびトラフ123の対は、少なくとも一対設けられていればよいが、複数対(図2では、三対)設けることで樹脂供給領域への樹脂Rの投下時間を短縮することができる。三対の樹脂貯留部122およびトラフ123は、連結部材124によって連結されている。この連結により、各対に電磁フィーダを設けなくとも一つの電磁フィーダで同時に同程度の量の樹脂Rを所望の形状となるように樹脂供給領域に供給することができる。このように、複数の樹脂供給用構造を設けることで、大型のワークであっても正確な分量の樹脂を素早く供給することができる。同様に、液状樹脂を供給するディスペンサを複数備えてもよい。この場合にも、大型のワークであっても正確な分量の液状樹脂を素早く供給することができる。
本実施形態における樹脂供給部120での供給対象は、リリースフィルムFである。リリースフィルムFとしては、封止金型30の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、金型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。そして、樹脂供給対象となるリリースフィルムFは、ロール状の状態から支持台125上において一方の把持部材126により引き出され、所定幅となる位置において把持部材126、126で把持された状態で、一回の成形分のフィルム幅に切断部材127(例えば、カッタ)で切断されて、所定の形状の状態となる。
リリースフィルムF(樹脂供給領域)への樹脂供給は、まず、各トラフ123が1列目の供給領域の延在方向(X方向、紙面垂直方向)に移動しながら樹脂Rを供給していき、一列分の矩形状供給領域に樹脂供給が終了した後、隣の2列目へと移る方向(Y方向、紙面横方向)に向けて移動する。次いで、各トラフ123が2列目の供給領域の延在方向(X方向)に移動しながら樹脂Rを供給していき、一列分の樹脂供給が終了した後、隣の3列目へと移る方向(Y方向)に移動する。次いで、各トラフ123が3列目の供給領域の延在方向(X方向)に移動しながら樹脂Rを供給していき、一列分の樹脂供給が終了して、樹脂供給領域全体への樹脂供給が終了する。
このような樹脂供給部120によれば、リリースフィルムF上に、所定の領域(面積)、所定の厚み(高さ)で樹脂Rを所定の時間で供給(搭載)することができる。そして、リリースフィルムF上に供給された樹脂Rは、リリースフィルムFとともに、ロボット機構部180によってローダ190へ搬送された後、ローダ190によりプレス部130の内部へ搬入される。このため、リリースフィルムFは、樹脂Rを搬送するキャリアとなる。なお、後述する実施形態のように、リリースフィルムFに樹脂Rを供給せずに、ワーク(樹脂Rのキャリアとなる。)に樹脂Rを供給してもよい。この場合にはワークを支持台125上に配置してから樹脂Rを供給することができる。このため、このような構成では、把持部材126、切断部材127の構成は必須ではなくなる。
プレス部130(図1参照)は、樹脂を加熱硬化(キュア)してワークへ樹脂封止を行い、樹脂封止部(成形部)を成形するための処理部である。この処理工程については、後に詳細に説明する。成形後のワークは、ローダ190によってロボット機構部180が備えるワーク載置部(図示せず)に一時的に載置され、ロボット機構部180の搬送ロボットに渡される。
ワーク検査部・冷却部140(図1参照)は、成形後のワーク(成形品)の状態を検査するための処理部であり、また、加熱されているワークを冷却するための処理部である。冷却部は、ワーク検査部とは別個に設けることもできるが、ワーク検査部の空き領域に配置することで、構成をコンパクトにすることができる。
ワーク検査部の検査項目としては、例えば、ワークの厚み計測、ワークの外観検査などがある。これらの検査結果は、制御部170へ送信されて処理される。例えば、成形品を一括あるいは分割して撮像して外観観察によって未充填などの成形不良がないか否かが検査される。成形の良否と不良がある場合には不良の種類や撮像画像を稼働情報として制御部170の記憶部に記憶する。異常(想定を上回る未充填など)が検出されたときには装置全体の動作を止めてメンテナンスすることで、不良品が連続生産されるのを防止することができる。検査が終了すると、ワーク検査部・冷却部140のワーク受け渡し位置から搬送ロボットによってワークがキュア部150へ搬送される。
キュア部150(図1参照)は、ワークの樹脂封止部を加熱硬化(ポストキュア)するための処理部である。キュア部150は、外部に対して開閉扉(図示せず)によって閉塞され、内部が所定温度に加熱されている。搬送ロボットに保持されているワークがキュア部150に近づくと開閉扉が開放され、ワークが内部に配置されて搬送ロボットが退避すると開閉扉が閉塞し、所定時間加熱硬化される。その後、キュア部150から搬送ロボットによって搬出されたワークは、ワーク検査部・冷却部140で冷却された後、ワーク収納部160へ搬送される。
ワーク収納部160(図1参照)は、圧縮成形装置100の最終工程としてワークを収納するための処理部である。ワーク収納部160は、ワーク供給部110と同様のマガジンを備えており、このマガジンにロボット機構部180の搬送ロボットによってワーク(成形品)が収納されていく。
次に、本実施形態における圧縮成形装置100のプレス部130について主に図3を参照して説明する。図3は、本実施形態におけるプレス部130の模式的断面図である。この図3では、被成形品の状態のワークWも示している。
ここでのワークWは、一方の面10aとその反対の他方の面10bとを有する基板10と、両面10a、10bのそれぞれに設けられる複数のボール状のバンプ11、11(第1部品、第2部品)とを備え、例えばウェハ状(板状)に構成されている。両面10a、10bのそれぞれのバンプ11、11が樹脂封止されて、両面10a、10bのそれぞれに樹脂封止部14、15が形成され(図15参照)、ワークWは樹脂封止製品(成形品)として略完成したものとなる。このようなウェハ状のワークWの樹脂封止は、WLP(Wafer Level Package)と呼ばれている。なお、ワークWに設けられる部品としては、配線部品であるバンプ11に限らず、チップ部品(例えば、半導体チップ、MEMSチップ、チップコンデンサなど)でもよく、また、配線部品およびチップ部品の両方でもよい。基板10としては、一般的な基板だけでなく板状の部材を含み、部品が一時的に搭載されるキャリアや半導体ウェハであってもよい。
プレス部130は、封止金型30(対をなす上型31および下型32)を備えている。本実施形態では、下型32を可動型とし上型31を固定型として説明するが、上型31を可動型、下型32を固定型としたり、上型31および下型32を可動型としたりする場合でもよい。
また、プレス部130は、板状の第1治具12(図4参照)および第2治具13(図12参照)を備えている。治具12、13は、上型31と下型32とでワークWをクランプする際に、上型インサート37の下面にそれぞれが取り替えられて設けられる。治具12は、面10aにおいて製品として製造される半導体チップに対して搭載されるバンプ11の搭載領域よりも大きい第1開孔12a(図4では複数を示す。)を有している。換言すれば、第1開孔12aは、バンプ11として設けられた部品を避けながらワークWと治具12とを重ね合わせられるように形成されている。また、治具13は、開孔12aよりも大きい第2開孔13a(図12では一つを示す。)を有している。
治具12を用いる際には、バンプ11が開孔12aに収まるようにして(すなわち、開孔12aによってバンプ11に対しては逃がしが確保されている。)、ワークWの面10aに搭載される(図3参照)。また、治具13を用いる際には、樹脂封止部15が開孔13aに収まるようにして(すなわち、開孔13aによって樹脂封止部15に対しては逃がしが確保されている。)、ワークWの面10bに搭載される(図11参照)。本実施形態では、治具12、13を用いることで、バンプ11や樹脂封止部15を逃がして(避けて)ワークWをクランプすることができる(図10、図15参照)。なお、治具12、13が取り替え可能であるため、別の製品を成形する際には封止金型30を共用し、別の治具を用いることができる。なお、治具12、13は、上型31に固定しても用いてもよい。
上型31(一方の金型)の構成について具体的に説明する。上型31は、上型ベース36と、上型インサート37と、上型クランパ40とを備えている。上型ベース36の下面に、図示しないヒータを備えてワークWを加熱可能に構成された上型インサート37が固定して組み付けられ、また、上型クランパ40が上下方向に移動可能に組み付けられている。上型クランパ40は、一枚の板状金型から構成され、これに形成された貫通孔41を有している。この上型クランパ40の貫通孔41に、上型インサート37が挿入して配置されている。すなわち、上型インサート37は、上型クランパ40に囲まれている。
上型クランパ40は、上型ベース36に可動部を構成する弾性部材42(例えば、スプリング)を介して上下方向に移動可能に組み付けられ、吊下げ支持(フローティング支持)されている。このため、上型ベース36に対して、固定の上型インサート37と、可動する上型クランパ40との関係は、上型インサート37が弾性部材42の伸縮によって上型クランパ40に対して貫通孔41の軸方向に相対的に移動することとなる。
型開きしている場合のような弾性部材42が付勢されていない状態(外部からの影響を受けていない状態)では、上型インサート37の下面(下側の端面)は、上型クランパ40の下面(下側の端面)よりも高い位置(上方の位置)にある。換言すると、上型クランパ40の下面は、上型インサート37の下面よりも低い位置(下方の位置)にある。このような高低差をつけて、型閉じするときに上型クランパ40と下型クランパ35とで密閉空間(チャンバー)を構成することで、減圧しながら樹脂モールドすることができる。また、上型クランパ40に対して上型インサート37を貫通孔41の軸方向に相対的に移動可能に設けることで、ワークWの板厚に拘わらず均一な高さ位置でワークWをクランプすることができる。
また、上型31は、上型インサート37の外周面と上型クランパ40の貫通孔41の内周面との間に設けられたシール部材43(例えば、Oリング)を備えている。このシール部材43は、ワーククランプ時に形成される下型キャビティC内を減圧にするために、上型インサート37の外周面と上型クランパ40の貫通孔41の内周面との間の隙間がエア路48となるようにシールしている(図8参照)。
エア路48と連通するように、上型クランパ40には、貫通孔41の内周面から金型外部へ通じるエア路44が形成されている。このエア路44は、金型外部の減圧部45(例えば、ポンプ)と連通されている。隙間のエア路48およびエア路44を介して減圧部45によって、下型キャビティCが減圧される(図8参照)。
なお、上型31には、ワークWを保持するワーク保持部が設けられている。図23にワーク保持部の一例を示す。この図23は図3に示すプレス部の要部を拡大した模式図である。このワーク保持部は、上型インサート37の下面に連通するエア路38およびこれに通じる減圧部によって、上型インサート37の下面に治具12または治具13と共にワークWを吸着させ、ワークWを保持する。このとき、治具12においてエア路38に接続される位置に開口された吸着孔12bまたは治具13の吸着孔を介して、治具12または治具13ごと基板10(ワークW)を吸着保持することができる。さらに、ワーク保持部として、上型インサート37の下面に設けられた爪部39を含み、ワークWの吸着保持を補助可能に構成されている。なお、吸着または爪部のいずれかにより治具12または治具13と共にワークWを保持してもよく、静電チャックによって治具12または治具13と共にワークWを保持することもできる。
下型32(他方の金型)の構成について具体的に説明する。可動型である下型32は、駆動源(電動モータ)により駆動する駆動伝達機構(トグルリンク等のリンク機構若しくはねじ軸等)を介して下型可動プラテンを昇降させる公知の型クランプ機構によって型開閉が行われるようになっている。これにより、下型32の昇降動作は移動速度や加圧力等を任意に設定することができる。
下型32は、下型ベース46と、下型インサート(下型キャビティ駒ともいう。)34と、下型クランパ35とを備えている。下型ベース46の上面に、下型インサート34が固定して組み付けられ、また、下型クランパ35が上下方向に移動可能に組み付けられている。下型クランパ35は、一枚の板状金型から構成され、これに形成された貫通孔47を有している。この下型クランパ35の貫通孔47に、下型インサート34が挿入して配置されている。すなわち、下型インサート34は、下型クランパ35に囲まれている。下型キャビティCおよび下型キャビティ凹部33は、下型インサート34の上面(上側の端面)および下型クランパ35の貫通孔47の内周面を含んで形成される。また、下型キャビティインサート34は、図示しないヒータを備えることで後述するように樹脂Rを加熱可能に構成されている。
下型クランパ35は、下型ベース46に可動部を構成する弾性部材50(例えば、スプリング)を介して上下方向に移動可能に組み付けられ、フローティング支持されている。このため、下型ベース46に対して固定の下型インサート34と、可動する下型クランパ35との関係は、下型インサート34が弾性部材50の伸縮によって下型クランパ35に対して貫通孔47の軸方向に相対的に移動することとなる。
型開きしている場合のような弾性部材50が付勢されていない状態(外部からの影響を受けていない状態)では、下型インサート34の上面(上側の端面)は、下型クランパ35の上面(上側の端面)よりも低い位置(下方の位置)にある。換言すると、下型クランパ35の上面は、下型インサート34の上面よりも高い位置(上方の位置)にある。このような高低差をつけて、下型クランパ35に対して下型インサート34を貫通孔47の軸方向に相対的に移動可能に設けることで、下型キャビティ凹部33の深さ(下型キャビティCの容積)を変化させて、下型キャビティ凹部33(下型キャビティC)の形状を変形することができる。
また、下型32は、下型インサート34の外周面と下型クランパ35の貫通孔47の内周面との間に設けられたシール部材51(例えば、Oリング)を備えている。このシール部材51は、下型32の金型面に配置されるリリースフィルムFを吸引するために、下型インサート34の外周面と下型クランパ35の貫通孔47の内周面との間の隙間がエア路49となるようにシールしている(図5、図12参照)。下型インサート34の上面と、下型クランパ35の貫通孔47の内周面とが下型キャビティ凹部33を構成するので、エア路49は、下型キャビティ凹部33の底部と側部との角部に連通することとなる。
このエア路49と連通するように、下型クランパ35には、貫通孔47の内周面から金型外部へ通じるエア路52が形成されている。このエア路52は、金型外部の吸着部53(例えば、ポンプ)と連通されている。隙間のエア路49およびエア路52を介して吸着部53によって、リリースフィルムFの中央部が下型キャビティ凹部33の形状に追従して吸着保持される(図5、図6参照)。
また、下型クランパ35には、下型クランパ35の上面から金型外部へ通じるエア路54が形成されている。このエア路54は、金型外部の吸着部55(例えば、ポンプ)と連通されている。エア路54を介して吸着部55によって、リリースフィルムFの外周部が下型クランパ35の上面に吸着保持される(図5、図6参照)。
また、各プレス部130に隣接して、ワークWを上型31へ搬送可能なワークローダ56と、樹脂RおよびリリースフィルムFを下型32へ搬送可能なフィルムローダ57とを有するローダ190(図1参照)が備えられている。ローダ190では、ワークローダ56およびフィルムローダ57は、ロボット機構部180からプレス部130内部へワークWやリリースフィルムFを受渡し可能に構成され、図示しない駆動機構によってそれぞれ別系統で駆動されてプレス部130へワークWやリリースフィルムFの搬出入が可能となっている。なお、フィルムローダ57は、樹脂RおよびリリースフィルムFをローダ190内でロボット機構部180から受け取る構成としてもよいし、ロボット機構部180により樹脂供給部120に搬送されて樹脂RおよびリリースフィルムFを供給されてもよい。
また、本実施形態において、ローダ190は、ロボット機構部180から引き渡されたワークWの上に治具12または治具13を重ね合わせてからプレス部130に搬入可能に構成される。また、ローダ190は、プレス部130から引き渡された樹脂封止済みのワークWの上から治具12または治具13を取り外してロボット機構部180に搬出可能に構成される。このように、ローダ190に治具12または治具13が準備されることで、ワークローダ56によって治具12または治具13と共にワークWをプレス部130内部へ受渡しされる。
また、ワークローダ56は、図3に示すように、支持板60と、支持部61と、位置決め部62とを備えている。支持板60は、その平面領域の大きさが、例えば上型クランパ40の貫通孔41の平面領域よりも大きく構成されている。この支持板60の上面に、所定の高さで平面視リング状の支持部61が設けられている。また、支持板60の上面であって支持部61よりも外側に、所定の高さで複数の位置決め部62(例えば、ピン)が設けられている。
支持部61は、その平面領域がワークWの基板10の外縁内側に沿って設けられて、基板10の平面領域とできるだけ同程度となるように設けられている。また、支持部61は、その高さがワークWの基板10に搭載された部材の高さ(例えばバンプ11の高さ)よりも高くなるように設けられている。これにより、ワークWは、バンプ11に対して支持板60が接触(干渉)しないように、基板10の表面外周部で支持部61によって支持される(図3、図11参照)。
位置決め部62は、上型クランパ40の貫通孔41の内周面に接触することで、ワークローダ56を上型インサート37に対して位置決め可能に構成され、一例としてその平面配置が上型クランパ40の平面視矩形状の貫通孔41の角部それぞれに設けられている。また、位置決め部62の高さは、ワークWが上型インサート37に渡される前に貫通孔41の内周面と接するように設けられている。これにより、ワークWは、上型インサート37の下面の所定領域に配置されるように、位置決め部62によって位置決めされる。
このような構成のワークローダ56によって、ワークWの面10aに搭載された治具12またはワークWの面10bに搭載された治具13を上型インサート37の下面に接触させて、治具12または治具13ごとワークWが上型31へ引き渡される(図4、図12参照)。このとき、支持部61によって基板10が支持されて、ワークWが上型31の保持部によって吸着保持されることとなる。
フィルムローダ57は、樹脂Rが搭載されたリリースフィルムFを吸着して保持するハンド部63を備えている。ハンド部63は、リリースフィルムFを保持する保持面64(吸着面)と、保持面64に通じるエア路65と、保持面64から凹んだ凹部66とを有する。
保持面64は、その大きさ(ハンド部63の平面領域の大きさ)が、リリースフィルムFの平面領域の外周に沿って吸着可能な大きさとなっている。エア路65は、凹部66と干渉せずに保持面64(例えば、保持面64の外周部)からハンド部63の外部へ通じるようにハンド部63に形成されている。保持面64へ通じるエア路65は、凹部66の周囲に設けられている。エア路65は、ハンド部63の外部の吸着部67(例えば、ポンプ)と連通されている。
このような構成のフィルムローダ57は、樹脂Rが搭載されたリリースフィルムFを、樹脂Rを囲んで吸着することができ、樹脂Rの重みによってリリースフィルムFが撓まないようにフラットに吸着保持することができる。ここで、凹部66でリリースフィルムFに搭載された樹脂Rに対しては逃がしを確保しながら、凹部66の周囲のエア路65からリリースフィルムFを吸引している。これにより、保持面64にリリースフィルムFがフラットに保持された状態(変形のない状態)で、樹脂RおよびリリースフィルムFが下型32へ渡される。また、凹部66によって樹脂Rに対する逃がしを確保することができるので、リリースフィルムFに搭載された樹脂Rの状態(形状、量)を保持することができる。
次に、本実施形態における圧縮成形装置100を用いた成形品(樹脂封止製品)の製造方法(樹脂封止方法)について図3〜図15を主に参照して説明する。図3〜図15は、本実施形態における樹脂封止工程中のプレス部130の模式的断面図である。
本実施形態では、圧縮成形装置100が、下型32の金型面に配置されるリリースフィルムFを備えるものとして説明する。リリースフィルムFを用いることで、下型キャビティCを構成する下型インサート34と下型クランパ35との隙間からの樹脂漏れを防止することができる。また、下型インサート34と下型クランパ35との間の樹脂詰まりを防止して下型クランパ35に対する下型インサート34の相対的移動を確保することができる。なお、このような樹脂漏れの影響がなく樹脂Rをそのまま搬送できる場合には、リリースフィルムFを用いなくともよい。
成形品としてワークWの両面(面10a、10b)のそれぞれに樹脂封止部(樹脂封止部14、15)を形成するにあたり、片面ずつ成形する方法(一次成形、二次成形の二段階封止方法)について説明する。まず、図3に示すように、封止金型30が型開きした状態において、金型外部から、ワークローダ56によってワークWおよび治具12を搬入する。これに先立ち、ロボット機構部180によって搬送されたワークWをローダ190においてバンプ11が開孔12aに収まるようにしてワークWの一方の面10aに治具12を搭載する。この場合、ローダ190において治具12を搭載するため、ロボット機構部180はワークWのみを搬送すればよく、可搬重量の小さいロボット機構部180を用いることができ、装置の製造コストを削減することができる。
また、図3に示すように、封止金型30が型開きした状態において、フィルムローダ57によって樹脂RおよびリリースフィルムFを搬入する。これに先立ち、樹脂供給部120において、ロール状のリリースフィルムF上に樹脂Rが搭載(供給)され、所定の形状にリリースフィルムFが切断されている(図2参照)。このリリースフィルムFは、吸着部67によって吸引して保持面64に吸着されてフラットな状態で搬入される。なお、吸着部67などの吸引動作は、矢印で示されている(図3等参照)。
続いて、図4に示すように、ワークローダ56を上昇させ、上型31に治具12ごとワークWを引き渡す。具体的には、ワークローダ56の上昇によって、位置決め部62を上型クランパ40の貫通孔41の内周面に当接させた後、治具12を上型インサート37の下面に当接する。次いで、ワークWの面10bを下型32に向けた状態で、ワーク保持部(図示せず)によって、上型31(上型インサート37)の金型面で治具12を介してワークW(基板10)を吸着保持する。治具12にはワークW(基板10)の面10a上に搭載されているバンプ11を逃がす開孔12aが設けられているので、例えば、バンプ11を保護することができる。なお、治具12を用いずに、上型インサート37の下面に凹部を彫り込んで、バンプ11を逃がすようにしてもよい。
また、図4に示すように、フィルムローダ57を下降させ、リリースフィルムFを介して保持面64を下型クランパ35の上面に当接する。
続いて、図5に示すように、ワークローダ56を下降させる。これにより、ワークローダ56がワークWから離隔する。そして、ワークWは、上型31の金型面で保持される。
また、図5に示すように、フィルムローダ57をさらに下降させ、下型32に樹脂Rが搭載されたリリースフィルムFを引き渡す。
具体的には、フィルムローダ57の下降によって、弾性部材50を押し縮めて、下型クランパ35を押し下げる。次いで、下型インサート34の上面と下型クランパ35の上面とが水平の状態となるまで、フィルムローダ57を下降させる。なお、フィルムローダ57を下降させる動作に替えて、下型32を上昇させる動作により下型32にリリースフィルムFを引き渡してもよい。
このとき、フィルムローダ57は、保持面64でフラットなリリースフィルムFを保持している。すなわち、下型インサート34の上面と下型クランパ35の上面とが水平に保持された下型32に、フィルムローダ57によって樹脂Rが下型インサート34上に位置するようにフラットなリリースフィルムFが配置される。また、リリースフィルムF上の樹脂Rは、下型インサート34内のヒータ(図示せず)により加熱されることで溶融が開始する。
なお、リリースフィルムFは、下型32に配置(供給)されたときにフラットであればよい。フィルムローダ57の保持面64がリリースフィルムFを介してキャビティ凹部33に押し付けられるような形状(または大きさ)である場合には、図5に示すように、フィルムローダ57が下型インサート34の上面に当接するまで押し下げる動作を行うだけで、水平状態の下型32にリリースフィルムFを供給することができ、シワなど発生させずに簡単に供給することができる。
次いで、下型インサート34の上面と下型クランパ35の上面とが水平な状態で、下型インサート34の上面および下型クランパ35の上面を覆うように配置されたフラットな状態のリリースフィルムFを、吸着部53、55によって吸着、保持する。これによって、フィルムローダ57から下型32へ樹脂RおよびリリースフィルムFが引き渡される。なお、吸着部53、55は、別系統であってもよいし、同一系統であってもよい。
続いて、吸着部53、55によってフラットなリリースフィルムFをエア路49、52、54から吸引しながら、図6に示すように、フィルムローダ57を上昇させて、弾性部材50を伸長させる。そして、この弾性部材50によって下型クランパ35に対して下型インサート34を貫通孔47の軸方向に相対的に移動させて下型キャビティ凹部33を形成する。このとき、吸着部55によってリリースフィルムFの外周部が吸着され、吸着部53によってリリースフィルムFの下型キャビティ凹部33の角部に対応する箇所が吸着されているので、下型キャビティ凹部33の内面に追従させながらリリースフィルムFが変形する。
また、下型キャビティ凹部33の内面に追従させながらリリースフィルムFを吸着保持すると共に、樹脂Rをそのまま下型キャビティ凹部33(下型キャビティC)に供給する。フィルムローダ57によって樹脂RがリリースフィルムFを介して下型インサート34上に配置されているので、下型クランパ35に対して下型インサート34が貫通孔47の軸方向に相対的に移動して下型キャビティ凹部33が形成された際に、そのまま樹脂Rが下型キャビティ凹部33に供給される。したがって、樹脂Rの形状が崩れず、また位置が変わらずに下型キャビティ凹部33の底部に樹脂Rを供給することができる。
このように、フラットな状態でリリースフィルムFを配置してから下型キャビティ凹部33の形状に追従してリリースフィルムFを変形することで、例えば、リリースフィルムFのシワ発生を防止したり、リリースフィルムFの重なりを防止したりすることができる。したがって、成形品の外観に外観不良が形成されるのを防止したり、重なった箇所からの樹脂漏れを防止したりして、成形品の品質性を向上することができる。
なお、キャビティ凹部33の形状に倣って凹状に成形し樹脂Rを所要量搭載したリリースフィルムFをキャビティ凹部33内に配置することで樹脂Rの供給を行ってもよい。
続いて、図7に示すように、ワークローダ56およびフィルムローダ57を封止金型30内部から退避させる。
続いて、図8に示すように、可動型である下型32を上昇させて、封止金型30を型閉じ(型締め)する。具体的には、下型クランパ35と上型クランパ40とでリリースフィルムFをクランプする位置まで下型32を上昇させる。これにより、下型キャビティ凹部33を含む封止金型30内部が気密される。このとき、減圧部45を駆動しておくことで、エア路48およびエア路44を介して下型キャビティ凹部33を含む封止金型30内部が減圧(脱気)される。封止金型30内部を減圧することにより、その後の樹脂封止において溶融した樹脂Rに混入するエアが除去され、成形品にボイドの発生を防ぐことができる。
続いて、図9に示すように、可動型である下型32を更に上昇させて、基板10の外周部にリリースフィルムFを介して下型クランパ35の上面を当接させる。このとき、弾性部材42が弾性部材50より弱いので、下型32(下型クランパ35)の上昇によって、上型クランパ40を介して弾性部材42が押し縮められる。これにより、上型インサート37(上型31)と下型クランパ35(下型32)とでワークWが治具12を介してクランプされ、ワークWの面10bと上型クランパ40の下面とは水平な状態となる。このように、上型クランパ40に対して上型インサート37を貫通孔41の軸方向に相対的に移動させることで、ワークWの板厚に拘わらず均一な高さ位置でワークWをクランプすることができる。このとき、ワークWの面10bに設けられたバンプ11は、キャビティCに収められる。
続いて、図10に示すように、可動型である下型32を更に上昇させて、金型温度で溶融した樹脂Rに面10bに設けられたバンプ11をすべて浸漬させた後、上型31と下型32とでワークWをクランプしながら、下型インサート34を成形位置にまで移動させる。そして、下型キャビティCに充填された樹脂Rを加熱硬化して、ワークWに樹脂封止を行う。これにより、ワークWの面10bに樹脂封止部15が形成される。
ここで、下型32(下型ベース46)の上昇の際、下型クランパ35が基板10を介して上型31に当接して移動が妨げられているので弾性部材50が押し縮められる。下型32の上昇停止位置(換言すれば、この弾性部材50の縮み量)を調整することで所望の成形厚み(成形位置)にまで下型インサート34が移動される。
その後、ワーク保持部によってワークW(成形品)が上型31で保持され、また、吸着部53、55によってリリースフィルムFが下型32で保持された状態で型開きする。このとき、リリースフィルムFを用いていることで、ワークWを容易に離型させることができる。そして、前述したように、検査部・冷却部140、キュア部150を経てワーク収納部160にワークWを収納する。
次いで、ワーク収納部160では、面10bに形成された樹脂封止部15を備えたワークWがマガジンに収納されているので、このマガジンをワーク供給部110へと移動させる。このとき、ワークWの面10aに樹脂封止部14を形成することができるように、ワークWを反転させておくことで、二次成形の準備が整うことになる。なお、樹脂封止部14を形成するには、治具12と治具13を取り替えて樹脂封止部15を形成した工程と同様の工程が行われる。
続いて、図11に示すように、封止金型30が型開きした状態において、金型外部から、ワークローダ56によってワークWおよび治具13を搬入する。これに先立ち、ロボット機構部180によりローダ190に搬入されたワークWの樹脂封止部15が開孔13aに収まるようにしてワークWの一方の面10bに治具13を搭載する。ここで、治具13の開孔13aは、樹脂封止部15の平面領域よりも大きく、言い換えると、樹脂封止部15を形成する下型キャビティC(図10参照)を構成する下型インサート34の上面よりも大きい。
また、図11に示すように、封止金型30が型開きした状態において、フィルムローダ57によって樹脂RおよびリリースフィルムFを搬入する。これに先立ち、ロール状のリリースフィルムF上に樹脂Rが搭載(供給)され、所定の形状にリリースフィルムFが切断されている(図2参照)。この樹脂Rは、樹脂封止部14を形成するものであり、先に形成した樹脂封止部15と同量、同質のものとすることで、バンプ11を同一な形状に封止することができる。ただし、本実施例ではバンプ11として示される基板10に搭載された部品の高さが異なる場合には、それぞれに適した分量の樹脂Rを用いることもできる。この場合、樹脂封止する厚みの差による反り防止の目的や、搭載された部品の機能に応じて性質の異なる樹脂Rを用いることもできる。また、リリースフィルムFは、吸着部67によって吸引して保持面64に吸着されてフラットな状態で搬入される。
続いて、図12に示すように、ワークローダ56を上昇させ、上型31に治具13ごとワークWを引き渡す。具体的には、ワークローダ56の上昇によって、位置決め部62を上型クランパ40の貫通孔41の内周面に当接させた後、治具13を上型インサート37の下面に当接する。次いで、ワークWの面10aを下型32に向けた状態で、ワーク保持部(図示せず)によって、上型31(上型インサート37)の金型面で治具13を介してワークW(基板10)を吸着保持する。治具13にはワークW(基板10)の面10b上に搭載されている樹脂封止部15を逃がす開孔13aが設けられているので、例えば、樹脂封止部15を保護することができる。なお、治具13を用いずに、上型インサート37の下面に凹部を彫り込んで、樹脂封止部15を逃がすようにしてもよい。また、先の工程において使用した治具12の吸着孔12b(図23参照)と同様の吸着孔が形成された治具13を用いることで、基板10(ワークW)を治具13ごと吸着保持することができる。
また、図12に示すように、フィルムローダ57を下降させ、リリースフィルムFを介して保持面64を下型クランパ35の上面に当接する。
次いで、下型インサート34の上面と下型クランパ35の上面とを水平にした状態で、樹脂Rが下型インサート34に位置するように樹脂Rが搭載されたリリースフィルムFをフラットにして下型32の金型面に配置する(図5参照)。次いで、リリースフィルムFの形状をフラットから下型キャビティ凹部33の変形に追従させて、下型キャビティ凹部33を含む下型32の金型面にリリースフィルムFを吸着保持すると共に、樹脂Rをそのまま下型キャビティ凹部33に供給する(図6参照)。
続いて、図13に示すように、ワークローダ56およびフィルムローダ57を封止金型30内部から退避させる。
次いで、下型32を上昇させて、封止金型30を型閉じし、下型キャビティ凹部33を含む封止金型30内部を気密する(図8参照)。
続いて、図14に示すように、可動型である下型32を更に上昇させて、基板10の外周部にリリースフィルムFを介して下型クランパ35の上面を当接させる。これにより、上型インサート37(上型31)と下型クランパ35(下型32)とでワークWが治具13を介してクランプされる。
続いて、図15に示すように、下型32を更に上昇させて、金型温度で溶融した樹脂Rに面10aに設けられたバンプ11をすべて浸漬させた後、上型31と下型32とでワークWをクランプしながら、下型インサート34を成形位置にまで移動させる。そして、下型キャビティCに充填された樹脂Rを加熱硬化して、ワークWに樹脂封止を行う。これにより、ワークWの面10aに樹脂封止部14が形成される。
その後、ワーク保持部によってワークW(成形品)が上型31で保持され、また、吸着部53、55によってリリースフィルムFが下型32で保持された状態で型開きする。このとき、リリースフィルムFを用いていることで、ワークWを容易に離型させることができる。そして、前述したように、検査部・冷却部140、キュア部150を経てワーク収納部160にワークWを収納する。
その後のワークWについて、樹脂封止部14、15の端面を研削することでバンプ11を露出させると共に、1つのチップ相当のエリア(例えば、図3においてバンプ11が近接して載置された領域)毎に個片化することで、両面に接続端子面が形成された1つのパッケージが形成される。なお、バンプ11が片面に配置された基板10の一面同士を貼り付けることでワークWとして用いる場合には、基板10同士を剥離させてから1つのチップ相当のエリアに個片化することで、片面に接続端子面が形成されたパッケージを効率よく成形することができる。
本実施形態によれば、板状のワークWの両面10a、10bをそれぞれ圧縮成形方法によって樹脂封止することができる。また、下型キャビティ凹部33(下型キャビティC)へ樹脂Rを供給して樹脂封止することができるので、大型のワークWであっても効率よく成形することができる。
また、ワークWの片面に樹脂封止部15を形成した後に、ワーク収納部160にワークWを収納せずにプレス部130に搬入して樹脂封止部14を形成することで、樹脂封止部14、15を連続的に成形することもできる。
(第2実施形態)
前記第1実施形態では、成形品として、ワークWの両面(面10a、10b)に樹脂封止部14、15を形成するにあたり、片面ずつ成形する方法(二段階封止方法)について説明した。本実施形態では、ワークWの両面に一度に樹脂封止部14、15を形成する方法(一段階封止方法)について図16〜図22を参照して説明する。図16〜図22は、本実施形態における樹脂封止工程中のプレス部130の模式的断面図である。なお、本実施形態の圧縮成形装置100の構成について、前記第1実施形態で説明したものは説明を省略する場合がある。
本実施形態におけるプレス部130は、封止金型30(対をなす上型31’および下型32)を備えている。下型32は、前記第1実施形態と同じ構成であるが、上型31’は、前記第1実施形態と異なっており、基本的には下型32と同じ構成を有している。そして、同じ構成の上型31’と下型32とは、上下対称に配置されている。このため、図16〜図22では、上型31’が備える構成部材には、下型32で対応する構成部材の符号に「’」を付している(例えば、下型インサート34に対して上型インサート34’)。
また、本実施形態におけるローダ190は、ワークローダ56’とフィルムローダ57とを備えている。フィルムローダ57は、前記第1実施形態と同じ構成であるが、ワークローダ56’は、前記第1実施形態と異なっており、フィルムローダ57と同様にワークWの外周部分を吸着して保持可能な構成となっている。このため、図16〜図22では、ワークローダ56’が備える構成部材には、フィルムローダ57で対応する構成部材の符号に「’」を付している。
まず、封止金型30が型開きした状態において、キャビティ凹部33’の内面を含む上型31’の金型面にリリースフィルムF’を吸着保持する。具体的には、リリースフィルムF’は、例えば長尺状のフィルム材が用いられ、ロール状に巻き取られた繰出しロールから引き出されて上型31’の金型面を通過して巻取りロールへ巻き取られるように設けられる。そして、吸着部55’によって、エア路54’を通じてリリースフィルムF’の外周部が上型クランパ35’の下面に吸着保持されるとともに、吸着部53’によって、エア路49’およびエア路52’を通じてリリースフィルムF’の中央部が上型キャビティ凹部33’の形状に追従して吸着保持される。
また、図16に示すように、封止金型30が型開きした状態において、金型外部から、ワークローダ56’によってワークWおよび樹脂封止部14用の樹脂Rを搬入する。具体的には、ワークWを準備し、ワークWの面10a上に樹脂Rを搭載(供給)した後(図2参照)、ワークローダ56’は、凹部66’でその樹脂Rを逃がし(避け)ながら、凹部66’の周囲のエア路65’からワークWを吸引・保持しながらワークWおよび樹脂封止部14用の樹脂Rを搬入する。なお、樹脂Rが搭載されるまでのワークWの移動経路は、図1中の一点鎖線で示している。
また、図16に示すように、封止金型30が型開きした状態において、フィルムローダ57によって樹脂封止部15用の樹脂RおよびリリースフィルムFを搬入する。具体的には、ロール状のリリースフィルムF上に樹脂Rが搭載(供給)された後(図2参照)、フィルムローダ57によってその樹脂Rを逃がし(避け)ながら、凹部66の周囲のエア路65からリリースフィルムFを吸引・保持しながらリリースフィルムFおよび樹脂封止部15用の樹脂Rを搬入する。この樹脂封止部15用の樹脂Rは、ワークWの面10a上に搭載された樹脂封止部14用の樹脂Rと同量、同質のものを用いることができる。
次いで、フィルムローダ57を下降させ、図17に示すように、上述の実施形態と同様にして樹脂Rをそのまま下型キャビティ凹部33に供給する。続いて、図18に示すように、フィルムローダ57を封止金型30内部から退避させる。続いて、図19に示すように、ワークローダ56’を下降させ、ワークWの面10bのバンプ11を下型キャビティ凹部33に収めるようにして、リリースフィルムFを介して下型32の金型面にワークWを配置する。続いて、図20に示すように、ワークローダ56’を封止金型30内部から退避させる。
続いて、図21に示すように、可動型である下型32を上昇させて、封止金型30を型閉じ(型締め)する。このとき、ワークWの面10aのバンプ11および樹脂封止部14用の樹脂Rを上型キャビティ凹部33’に収めて、上型31’と下型32とでワークWをクランプする。すなわち、下型クランパ35の上面と上型クランパ35’の下面とでリリースフィルムF、F’を介してワークWの基板10をクランプする。
続いて、図22に示すように、上型31’と下型32とでワークWをクランプしながら、上型インサート34’および下型インサート34を成形位置にまで移動させて、樹脂封止部14用の樹脂Rおよび樹脂封止部用15の樹脂Rを加熱硬化して、ワークWに樹脂封止を行う。これにより、ワークWの両面10a、10bに一度に樹脂封止部14、15が形成される。
なお、上型31’と下型32とに、キャビティ凹部33及びキャビティ凹部33’の深さを任意に設定するためのストッパ部材をそれぞれ設けてもよい。例えば、下型32であれば下型ベース46と下型クランパ35との間において、所定の厚みのブロック状またはピン状のストッパ部材を下型ベース46に配置すればよい。これにより、型締めした際に下型クランパ35がストッパ部材に押し付けられることで弾性部材50がそれ以上押縮められることはなく、キャビティ凹部33を任意の深さに設定することができる。なお、このストッパ部材は、キャビティ凹部33及びキャビティ凹部33’の深さが同一となるように厚みを設定してもよいし、深さが異なるように厚みを設定してもよい。さらに、ストッパ部材は、サーボモータなどの駆動源を用いて機械的に厚みを可変とするような構成としてもよい。この場合、封止金型30に対して作業者が交換作業を行なうことなく任意の深さのキャビティ凹部33及びキャビティ凹部33’に切り替えて圧縮成形することができる。
また、ストッパ部材を用いない場合であっても、下型32の弾性部材50と上型31’の弾性部材50’とを同じものを用いることで、上型インサート34’を型締めしていくことにより、上型キャビティ凹部33’と下型キャビティ凹部33の深さとを同じように変化させることができる。したがって、上型キャビティC’及び下型キャビティCにおける樹脂R、Rを均一に流動させることもできる。
その後、吸着部53’、55’によってリリースフィルムF’が上型31’で保持され、吸着部53、55によってリリースフィルムFが下型32で保持された状態で型開きする。このとき、リリースフィルムF’、Fを用いていることで、ワークWを容易に離型させることができる。そして、前述したように、検査部・冷却部140、キュア部150を経てワーク収納部160にワークWを収納する。その後のワークWについて、バンプ11の露出や個片化を適宜実施することでパッケージが形成される。
本実施形態によれば、板状のワークWの両面10a、10bをそれぞれ圧縮成形方法によって樹脂封止することができる。また、上型キャビティ凹部33’(上型キャビティC’)や下型キャビティ凹部33(下型キャビティC)へ樹脂Rを供給して樹脂封止することができるので、大型のワークWであっても効率よく成形することができる。また、樹脂封止部14、15を同時に圧縮成形することができるので、生産性を向上することができる。
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施形態では、樹脂Rとして顆粒樹脂を用いた場合について説明した。これに限らず、樹脂Rとして、板状、シート状またはフィルム状の樹脂を用いてもよく、また、大きさの異なる板状、シート状またはフィルム状の樹脂を山状となるように積層させたものを用いてもよい。さらに、断面形状が凸状となるように部分によって厚みの異なる樹脂を用いてもよい。
前記実施形態では、樹脂供給部120において、複数のトラフ123を用いて、同時に同程度の量の樹脂Rを樹脂供給領域であるリリースフィルムF上に供給(搭載)する場合について説明した。これに限らず、複数のトラフ123の代わりに、顆粒樹脂や液状樹脂のような流動性のある樹脂を供給可能な多連ノズルを有するディスペンサを用いてもよい。これによれば、樹脂供給量の増大(樹脂供給領域の大型化)に起因する供給時間の長時間化を防止することができる。また、樹脂供給領域に対して、各ノズルを分布して配置して樹脂供給にムラのないようにすることで、均一に供給することもできる。
前記実施形態では、型クランプ機構の型開閉に伴って、弾性部材50を伸縮させて下型クランパ35に対して下型インサート34を貫通孔47の軸方向に相対的に移動させる場合について説明した。これに限らず、型クランプ機構とは別に駆動させる、下型クランパ35の高さを可変する機構を用いてもよい。
キャビティ高さの可変機構としては、例えば、下型インサート34が駆動源と接続されて封止金型30の下型ベース46に移動可能に組み付けられ、下型クランパ35が下型ベース46に固定して組み付けられる構成であってもよい。
また、キャビティ高さの可変機構としては、下型インサート34と下型ベース46との間に、界面がテーパ面(傾斜面)に形成された板厚調整ブロック(テーパーブロック)を重ね合わせてくさび部を設け、板厚調整ブロックのうちの一方がエアシリンダ、モータなどの駆動源によりスライド可能とした構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、樹脂封止部14、15の端面を研削することによりバンプ11を露出させる例について説明した。しかしながら、バンプ11をリリースフィルムFに押し付けることで樹脂R(樹脂封止部14、15)からバンプ11を露出させることができ、研削工程を省くこともできる。また、上述した実施形態では、バンプ11を樹脂Rで封止するウェハレベルパッケージ工程について説明したが、半導体チップのようなチップ部品を樹脂Rで封止してもよい。この場合、基本的には樹脂封止部14、15の端面を研削することによりチップ部品を露出させる必要はないが、放熱や電気的接続のためにチップ部品を露出させてもよい。
12 治具
31 上型
32 下型
33 キャビティ凹部
R 樹脂
W ワーク

Claims (4)

  1. 半導体チップ、MEMSチップ、チップコンデンサを含むチップ部品、又は、ボール状のバンプを含む配線部品である第1部品が一方の面に設けられるとともに、半導体チップ、MEMSチップ、チップコンデンサを含むチップ部品、又は、ボール状のバンプを含む配線部品である第2部品が他方の面に設けられた板状の部材で構成され、一つのチップ相当のエリア毎に個片化されることで、複数のパッケージが形成されるワークを、上型と下型とで構成される封止金型を用い第1フィルムと第2フィルムとを介してクランプして圧縮成形により樹脂封止る樹脂封止方法であって、
    前記型は、第1キャビティの底部を構成する第1インサートと、前記第1キャビティの側部を構成する第1クランパとを備え、前記第1クランパに対して前記第1インサートが相対的に移動可能に構成され、
    前記型は、第2キャビティの底部を構成する第2インサートと、前記第2キャビティの側部を構成する第2クランパとを備え、前記第2クランパに対して前記第2インサートが相対的に移動可能に構成され、
    前記第1フィルムは、長尺状のフィルム材が用いられ、ロール状に巻き取られた繰出しロールから引き出されて前記上型の金型面を通過して巻取りロールへ巻き取られるように設けられ、
    前記第2フィルムは、ロール状の状態から一回の成形分のフィルム幅に切断された所定の形状を有し、
    (a)一方の面に第1樹脂封止部によって封止される前記第1部品が設けられ、他方の面に第2樹脂封止部によって封止される前記第2部品が設けられた前記ワークを準備する工程と、
    (b)前記ワークの一方の面に前記第1樹脂封止部用の樹脂を搭載する工程と、
    (c)前記型の金型面に第1フィルムを吸着保持する工程と、
    (d)前記封止金型が型開きした状態において、前記第2樹脂封止部用の樹脂を搭載した前記第2フィルムを搬入し、
    )前記第2インサートの端面と前記第2クランパの端面とに第2フィルムを吸着保持すると共に、前記第2樹脂封止部用の樹脂を前記第2キャビティに供給する工程と、
    )前記第2部品を前記第2キャビティに収めるようにして、前記型の金型面に前記ワークを配置する工程と、
    )前記第1部品および前記第1樹脂封止部用の樹脂を前記第1キャビティに収めて、前記型と前記型とで前記ワークをクランプしながら、前記第1および第2インサートを成形位置移動させて、前記第1樹脂封止部用の樹脂および前記第2樹脂封止部用の樹脂を同時に加熱硬化する工程と、
    を含むことを特徴とする樹脂封止方法。
  2. 前記板状の部材は、基板、キャリア、半導体ウェハであることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止方法。
  3. 半導体チップ、MEMSチップ、チップコンデンサを含むチップ部品、又は、ボール状のバンプを含む配線部品である第1部品が一方の面に設けられるとともに、半導体チップ、MEMSチップ、チップコンデンサを含むチップ部品、又は、ボール状のバンプを含む配線部品である第2部品が他方の面に設けられた板状の部材で構成され、一つのチップ相当のエリア毎に個片化されることで、複数のパッケージが形成されるワークを、第1フィルムと第2フィルムとを介してクランプして、前記ワークの両面に対して同時に圧縮成形により樹脂封止を行う圧縮成形装置であって、
    上型と下型とで構成される封止金型を備え、
    前記上型は、上型キャビティの底部を構成する上型インサートと、前記上型キャビティの側部を構成する上型クランパとを備え、前記上型クランパに対して前記上型インサートが相対的に移動可能に構成され、
    前記下型は、下型キャビティの底部を構成する下型インサートと、前記下型キャビティの側部を構成する下型クランパとを備え、前記下型クランパに対して前記下型インサートが相対的に移動可能に構成され、
    前記第1フィルムは、長尺状のフィルム材が用いられ、ロール状に巻き取られた繰出しロールから引き出されて前記上型の金型面を通過して巻取りロールへ巻き取られるように設けられ、
    前記第2フィルムは、ロール状の状態から一回の成形分のフィルム幅に切断された所定の形状を有し、
    前記第1部品を封止する第1樹脂封止部用の樹脂を前記ワークの一方の面に搭載し、前記第2部品を封止する第2樹脂封止部用の樹脂を前記第2フィルム上に搭載する樹脂供給部と、
    前記上型の金型面に前記第1フィルムを吸着保持させる第1吸着部と、
    前記下型インサートの端面と前記下型クランパの端面とに前記第2フィルムを吸着保持させる第2吸着部と、
    前記第2樹脂封止部用の樹脂を搭載した前記第2フィルムを搬入し、前記第2フィルムに搭載された前記第2樹脂封止部用の樹脂を前記下型キャビティに供給するフィルムローダと、
    前記第2部品を前記下型キャビティに収めるように前記下型の金型面に前記ワークを配置するワークローダと、
    をさらに備え、
    前記封止金型は、型閉じすることで前記第1部品および前記第1樹脂封止部用の樹脂を前記上型キャビティに収めて前記第1フィルムおよび前記第2フィルムを介して前記ワークをクランプしながら、前記上型インサートおよび前記下型インサートを成形位置移動させた状態で前記第1樹脂封止部用の樹脂および前記第2樹脂封止部用の樹脂を同時に加熱硬化させる構成であることを特徴とする圧縮成形装置。
  4. 前記板状の部材は、基板、キャリア、半導体ウェハであることを特徴とする請求項3記載の圧縮成形装置。
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