JP6174845B2 - 着色硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、着色硬化性樹脂組成物に関する。
着色硬化性樹脂組成物は、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマディスプレイ等の表示装置に使用されるカラーフィルタの製造に用いられている。このような着色硬化性樹脂組成物としては、着色剤としてOrasol Red 3GL(C.I. Solvent Red 130)のみを含む着色硬化性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1(段落[0085]、[0095]等)参照)。
特開2009−163226号公報
従来から知られる上記の着色硬化性樹脂組成物は、得られるカラーフィルタの明度について、必ずしも十分に満足できない場合があった。
本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1] 着色剤、バインダー樹脂、重合性化合物及び重合開始剤を含み、前記着色剤が、キサンテン染料(A1)と金属錯塩染料(A2)とを含む着色剤である着色硬化性樹脂組成物。
[2] 金属錯塩染料(A2)が、式(3)で表される化合物、式(4)で表される化合物及び式(6)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である[1]記載の着色硬化性樹脂組成物。
[式(3)中、R31〜R48は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR51、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
49及びR50は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
51は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
1〜A4は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はMとの結合手を表す。
Mは、Cr又はCoを表す。
nは、1〜5の整数を表す。
+は、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
[式(4)中、R52〜R60は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR62、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
61は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
62は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
5及びA6は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。
*はM1との結合手を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
n1は、0〜2の整数を表す。
D1+は、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
[式(6)中、R81は、炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH、−OR88、−CO−OR88、−O−COR88、−CONR8889、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−及び−CO−の少なくとも1つで置き換わっていてもよい。
82は、水素原子、−CN、又は−CONH2を表す。
83は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。
84〜R87は、互いに独立に、−R88、−OR88、−CO−OR88、−COR88、−OCO−OR88、−O−COR88、−CN、−NO2、ハロゲン原子、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR8889又は−NR9192を表す。R84及びR85、R85及びR86、並びにR86及びR87は、互いに結合してベンゼン環の炭素を含んだ6〜7員環を形成してもよい。
88及びR89は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR90で置換されていてもよい。
90は、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。
91及びR92は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜8のアシル基又はテトラヒドロフルフリル基を表す。R91及びR92は、互いに結合して窒素原子を含んだ環を形成してもよい。
11〜A14は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はM2との結合手を表す。
2は、Cr又はCoを表す。
n2は、1〜5の整数を表す。
D2+は、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
[3] 前記金属錯塩染料(A2)が、極大吸収波長を490nm以上580nm以下の範囲に有する金属錯塩染料(A2−1)を含む染料である[1]又は[2]記載の着色硬化性樹脂組成物。
[4] 前記キサンテン染料(A1)の含有量と金属錯塩染料(A2)の含有量との比(A1:A2)が、質量基準で、1:99〜99:1である[1]〜[3]のいずれか記載の着色硬化性樹脂組成物。
[5] 前記重合開始剤が、オキシム化合物を含む重合開始剤である[1]〜[4]のいずれか記載の着色硬化性樹脂組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれか記載の着色硬化性樹脂組成物により形成されるカラーフィルタ。
[7] [6]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、高明度なカラーフィルタを形成できる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含み、前記着色剤(A)が、キサンテン染料(A1)と金属錯塩染料(A2)とを含む着色剤である。
前記キサンテン染料(A1)と金属錯塩染料(A2)とを含む着色剤(A)を使用することにより、明度が向上する。
前記着色剤(A)中の前記キサンテン染料(A1)の含有量と前記金属錯塩染料(A2)の含有量との比(A1:A2)は、質量基準で、1:99〜99:1が好ましく、1:99〜75:25がより好ましく、2:98〜60:40がさらに好ましい。前記比(A1:A2)が上記範囲内であると、一層高明度なカラーフィルタが得られる。
前記キサンテン染料(A1)は、分子内にキサンテン骨格を有する化合物を含む染料である。
前記キサンテン染料としては、例えば、C.I.アシッドレッド51、52(式(A1−2))、87、92、94(ローズベンガル)、289(式(A1−3))、388、C.I.アシッドバイオレット9、30、102、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6G)(式(A1−4))、8、C.I.ベーシックバイオレット10(ローダミンB)、C.I.ソルベントレッド218、C.I.モーダントレッド27、C.I.リアクティブレッド36(ローズベンガルB)、スルホローダミンG、特開2010−32999号公報に記載のキサンテン染料及び特許第4492760号公報に記載のキサンテン染料等が挙げられる。
これらの中でも、キサンテン染料(A1)としては、式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」という場合がある。)を含む染料が好ましい。前記化合物(1)を使用する場合、キサンテン染料(A1)中の化合物(1)の含有量は50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。特に、キサンテン染料として、化合物(1)のみを使用することが好ましい。
[式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、−R8又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。
5は、−OH、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -+、−CO2H、−CO2 -+、−CO28、−SO38又は−SO2NR910を表す。
6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR5は同一であるか相異なる。
aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
8は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−NH−又は−NR12−で置き換っていてもよい。
+は、+N(R114、Na+又はK+を表す。
9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、R9及びR10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−NH−又は−NR12−で置き換っていてもよい。
11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
12は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表す]
1〜R4で表される炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
1〜R4で表される炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基は、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子が、ハロゲン原子、−R8、−OH、−OR8、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -+、−CO2H、−CO28、−SO38又は−SO2NR910で置換されていてもよい。これらの置換基の中でも、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -+及び−SO2NR910からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、−SO3 -+及び−SO2NR910からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。この場合の−SO3 -+としては、−SO3 - +N(R114が好ましい。R1〜R4がこれらの基であると、化合物(1)を含む着色硬化性樹脂組成物からは、異物の発生が少なく、且つ耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。
8〜R12で表される炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、n−イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
6及びR7で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1〜6のものが挙げられる。
11で表される炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
+は、+N(R114、Na+又はK+であり、好ましくは+N(R114である。
前記+N(R114としては、4つのR11のうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR11の合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。化合物(1)が+N(R114を有する場合、R11がこれらの基であると、化合物(1)を含む着色硬化性樹脂組成物からは、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
mは、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
前記キサンテン染料(A1)としては、式(2)で表される化合物(以下「化合物(2)」という場合がある。)を含む染料がより好ましい。前記化合物(2)を使用する場合、キサンテン染料(A1)中の化合物(2)の含有量は50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。特に、キサンテン染料(A1)として、化合物(2)のみを使用することが好ましい。
[式(2)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、−R26又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。
25は、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -Z1+又は−SO2NHR26を表す。
m1は、0〜5の整数を表す。m1が2以上の整数である場合、複数のR25は同一であるか相異なる。
a1は、0又は1の整数を表す。
X1は、ハロゲン原子を表す。
26は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表す。
Z1+は、+N(R274、Na+又はK+を表す。
27は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又はベンジル基を表す。]
21〜R24で表される炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、前記R1〜R4で芳香族炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -Z1+、−SO326又は−SO2NHR26で置換されていてもよい。
21〜R24の組合せとしては、R21及びR23が水素原子であり、R22及びR24が炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基であって、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子が、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -Z1+、−SO326又は−SO2NHR26で置換されているものが好ましい。さらに好ましい組合せは、R21及びR23が水素原子であり、R22及びR24が炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基であって、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子が、−SO3 -Z1+又は−SO2NHR26で置換されているものである。R21〜R24がこれらの基であると、化合物(2)を含む着色硬化性樹脂組成物からは、耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。
26及びR27で表される炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、R8〜R11で飽和炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。
21〜R24における−R26は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。また、−SO326及び−SO2NHR26におけるR26としては、炭素数3〜20の分枝鎖状アルキル基が好ましく、炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基がより好ましく、2−エチルヘキシル基がさらに好ましい。化合物(2)が−SO326及び/又は−SO2NHR26を有する場合、R26がこれらの基であると、化合物(2)を含む着色硬化性樹脂組成物は、異物の発生が少ないカラーフィルタを形成できる。
Z1+は、+N(R274、Na+又はK+であり、好ましくは+N(R274である。
前記+N(R274としては、4つのR27のうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR27の合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。化合物(2)が+N(R274を有する場合、R27がこれらの基である化合物(2)を含む着色硬化性樹脂組成物は、異物の発生が少ないカラーフィルタを形成できる。
m1は、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
化合物(2)としては、例えば、式(1−1)〜式(1−23)で表される化合物が挙げられる。なお、式中、R26は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基、さらに好ましくは2−エチルヘキシル基である。これらの中でも、C.I.アシッドレッド289のスルホンアミド化物、C.I.アシッドレッド289の4級アンモニウム塩、C.I.アシッドバイオレット102のスルホンアミド化物又はC.I.アシッドバイオレット102の4級アンモニウム塩が好ましい。このような化合物としては、例えば、式(1−1)〜式(1−8)、式(1−11)及び式(1−12)で表される化合物等が挙げられる。
前記キサンテン染料(A1)は、極大吸収波長を490nm以上580nm以下の範囲に有することが好ましく、より好ましくは510nm以上560nm以下の範囲、さらに好ましくは520nm以上540nm以下の範囲である。なお、極大吸収波長は、染料を溶媒に溶解した溶液を、分光光度計を用いて測定した吸収スペクトルから求めることができ、詳細は後述する。
前記キサンテン染料(A1)は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R-H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010−32999号公報を参考に合成することもできる。
前記金属錯塩染料(A2)は、分子中に金属原子と錯塩化し得る基を含む染料分子と、金属原子とを錯塩化した染料である。
前記金属錯塩染料(A2)としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー13、19、21、25、25:1、62、79、81、82、83、83:1、88、89、90、151、161;C.I.ソルベントオレンジ5、11、20、40:1、41、45、54、56、58、62、70、81、99;C.I.ソルベントレッド8、35、83:1、84:1、90、90:1、91、92、118、119、122、124、125、127、130、132、160、208、212、214、225、233、234、243;C.I.ソルベントバイオレット2、21、21:1、46、49、58、61;C.I.ソルベントブルー137;C.I.ソルベントブラウン28、42、43、44、53、62、63;C.I.アシッドイエロー59、121;C.I.アシッドオレンジ74、162;C.I.アシッドレッド211、特開2010−170117号公報に記載の金属錯塩染料が挙げられる。これらの金属錯塩染料(A2)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記染料分子(配位子)としては、アゾ染料、メチン染料等が挙げられ、アゾ染料が好ましい。
前記金属原子としては、クロム、コバルト、ニッケル等が挙げられ、クロム、コバルトが好ましい。
前記金属錯塩染料(A2)としては、金属原子と染料分子との結合比が1:1である1:1形金属錯塩染料と、該比が1:2である1:2形金属錯塩染料とが挙げられ、1:2形金属錯塩染料が好ましい。
前記金属錯塩染料(A2)は、式(3)、式(4)又は式(6)で表される化合物が好ましい。
[式(3)中、R31〜R48は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR51、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
49及びR50は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
51は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
1〜A4は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はMとの結合手を表す。
Mは、Cr又はCoを表す。
nは、1〜5の整数を表し、2〜5の整数であってもよい。
+は、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
[式(4)中、R52〜R60は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR62、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
61は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
62は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
5及びA6は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。
*はM1との結合手を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
n1は、0〜2の整数を表す。
D1+は、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
31〜R48、R51、R52〜R60、R62で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基が挙げられる。
31〜R48のうち、少なくとも1つがニトロ基であることが好ましい。また、R52〜R60のうち、少なくとも1つがニトロ基であることが好ましい。ニトロ基を有することにより、化合物の分光濃度が高くなる傾向がある。
49及びR50は、メチル基が好ましい。
51、R62で表される炭素数2〜15のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、1−イソプロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、1−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、2−イソプロポキシ−1−メチルエチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられる。
上記式(3)及び式(4)において、D及びD1以外の各基の好ましい組合せは以下の通りである。
すなわち式(3)では、
31〜R39のうち1つが水素原子又はニトロ基であり、1つが水素原子、SO2NHR51、−SO3H、及び−SO2CH3から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、
40〜R48のうち1つが水素原子又はニトロ基であり、1つが水素原子、SO2NHR51、−SO3H、及び−SO2CH3から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、
49及びR50がメチル基であり、
51が水素原子、炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であり、
1〜A4のうち2つが*−O−、残りが同一に*−O−又は*−O−CO−であり、
MはCrであり、
nは1となる組合せが好ましい。
式(4)では、
52〜R60のうち1つがニトロ基であり、1つがSO2NHR62、−SO3H、及びSO2CH3から選ばれる1つであり、残りが水素原子であり、
61がメチル基であり、
62が水素原子、炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であり、
5〜A6のうち1つが*−O−、残りが*−O−又は*−O−CO−であり、
M1はCr又はCoであり、
n1は0又は1となる組合せが好ましい。
[式(6)中、
81は、炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH、−OR88、−CO−OR88、−O−COR88、−CONR8889、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
82は、水素原子、−CN、又は−CONHを表す。
83は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。
84〜R87は、互いに独立に、−R88、−OR88、−CO−OR88、−COR88、−OCO−OR88、−O−COR88、−CN、−NO2、ハロゲン原子、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR8889又は−NR9192を表す。R84及びR85、R85及びR86、並びにR86及びR87は、互いに結合してベンゼン環の炭素を含んだ6〜7員環を形成してもよい。
88及びR89は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR90で置換されていてもよい。
90は、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。
91及びR92は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜8のアシル基又はテトラヒドロフルフリル基を表す。R91及びR92は、互いに結合して窒素原子を含んだ環を形成してもよい。
11〜A14は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はM2との結合手を表す。
2は、Cr又はCoを表す。
n2は、1〜5の整数を表す。
D2+は、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
81で表される炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等の直鎖状飽和炭化水素基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、メチルペンチル基、エチルブチル基、メチルヘキシル基、エチルペンチル基、プロピルブチル基、(メチルエチル)ブチル基、(メチルエチル)(メチル)プロピル基、メチルヘプチル基、エチルヘキシル基、プロピルペンチル基、(メチルエチル)ペンチル基、ブチルブチル基、(ブチル)(メチル)ブチル基、(ジメチルエチル)(ブチル)ブチル基、ジメチルプロピル基、ジメチルブチル基、(エチル)(メチル)プロピル基、ジメチルペンチル基、(エチル)(メチル)ブチル基、ジメチルヘキシル基、(エチル)(メチル)ペンチル基、(プロピル)(メチル)ブチル基、(メチルエチル)(メチル)ブチル基、ジエチルブチル基等の分枝鎖状飽和炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
83で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、R81で例示した前記各基のうち炭素数が4以下の直鎖状飽和炭化水素基、炭素数が4以下の分枝鎖状飽和炭化水素基が例示できる。
88、R89、R91及びR92で表される炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、R81で例示した前記各基のうち炭素数が8以下のものが例示できる。さらには、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、2−メチルプロペニル基等も挙げられる。
88及びR89における炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
88、R89及びR90における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
90で表される炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基としては、R81で例示した前記各基のうち炭素数が8以下のものが例示できる。
91及びR92における炭素数2〜8のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基等が挙げられる。
81において、−CH2−が−O−又は−CO−で置き換えられた飽和炭化水素基としては、例えば、アセチル基、オキソブチル基、オキソペンチル基、オキソヘキシル基等のオキソ基を含有する飽和炭化水素基;
フェナシル基、オキソ(ナフチル)エチル基、オキソ(ヒドロキシフェニル)エチル基、オキソ(ヒドロキシナフチル)エチル基、オキソ(メトキシフェニル)エチル基、オキソ(フェニル)プロピル基、オキソ(ナフチル)プロピル基等の芳香族基で置換されたオキソ基含有飽和炭化水素基;等の1つの−CH2−が−CO−で置き換えられた飽和炭化水素基;並びに
2−[2−(アセチルオキシ)アセトキシ]エチル基、2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エチル基、2−[2−(メトキシカルボニル)エチルカルボニルオキシ]エチル基等のアルキル基、アルキレン基、及びエステル結合とで形成される基;
2−ベンゾイルオキシエチル基等のアルキレン基、芳香族環、及びエステル結合とで形成される基;等の1つの−CH2−が−CO−で置き換えられ、1つの−CH2−が−O−で置き換えられた飽和炭化水素基が挙げられる。
上記式(6)において、D2以外の各基の好ましい組合せは、
81が、炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;アルキル基とアルキレン基と2つのエステル結合とで形成される基、アルキレン基と芳香族環と1つのエステル結合とで形成される基のいずれかであり、
82が−CNであり、
83が炭素数1〜4のアルキル基であり、
84〜R87のうち3つが水素原子であるR88であり、残る一つが水素原子であるR88又は−NR9192であり、この−NR9192を構成するR91及びR92のうち一方は水素原子であり、他方は炭素数2〜4のアシル基であり、
11〜A14のうち2つが*−O−、残りが同一に*−O−又は*−O−CO−であり、
2はCrであり、
n2は1となる組合せである。
+、D1+、D2+で表される1価の金属カチオンとしては、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン等が挙げられる。D+、D1+、D2+で表されるキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンとしては、式(5)で表されるカチオンが挙げられる。着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタの明度を向上できることから、前記D+、D1+、D2+としてはキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンが好ましい。
[式(5)中、R63〜R66は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の1価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。
67は、水素原子、炭素数1〜6の1価の飽和炭化水素基、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基又は−(R70−O)w−R71を表す。
70は、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基又はプロパン−1,2−ジイル基を表す。
71は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
wは、1〜4の整数を表す。]
63〜R67で表される炭素数1〜6の1価の飽和炭化水素基としては、前記R31〜R48で飽和炭化水素基として挙げたもののうち、炭素数1〜6のものが挙げられる。
63〜R67で表される炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
63〜R66としては、それぞれ独立に、水素原子、エチル基が好ましい。
67は、水素原子、エチル基、又は−(R70−O)w−R71であるのが好ましい。
−(R70−O)w−R71としては、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基及び2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル基が好ましく、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル基がより好ましい。
式(3)で表される金属錯塩染料(A2)としては、C.I.ソルベントレッド130(式(3−1)で表される化合物)、C.I.ソルベントレッド125(式(3−2)で表される化合物)、C.I.ソルベントイエロー21(式(3−3)で表される化合物)、式(3−4)で表される化合物、式(3−5)で表わされる化合物、及び、特開2010−170116号公報又は特開2011−215572号公報記載の化合物等が挙げられる。

式(4)で表される金属錯塩染料(A2)としては、例えば、C.I.ソルベントオレンジ56(式(4−1)で表される化合物)等が挙げられる。
式(6)で表される金属錯塩染料(A2)としては、例えば、特開2011−148992号公報、特開2011−148993号公報、特開2011−148994号公報又は特開2011−148995号公報記載の化合物等が挙げられる。特に好ましい式(6)の金属錯塩染料は、式(6−1)〜(6−6)で表されるアニオン構造を含み、最も好ましい式(6)の金属錯塩染料は、式(6−7)で表される化合物である。
これらの中でも、金属錯塩染料(A2)としては、極大吸収波長を410nm以上580nm以下の範囲に有する金属錯塩染料(A2−0)が好ましく、極大吸収波長を490nm以上580nm以下の範囲に有する金属錯塩染料(A2−1)がより好ましい。該金属錯塩染料(A2−1)の極大吸収波長は、570nm以下が好ましく、560nm以下がより好ましい。このような極大吸収波長を有する染料を含むことにより、キサンテン染料(A1)の最大吸収波長以下に存在する透過領域(いわゆる透過スペクトルの浮き)の光を、有効に吸収する傾向があるため、一層明度及びコントラストが高いカラーフィルタが得られる。
前記金属錯塩染料(A2−1)の極大吸収波長と、前記キサンテン染料(A1)の極大吸収波長との差の絶対値は、1nm以上が好ましく、より好ましくは3nm以上、さらに好ましくは5nm以上であり、100nm以下が好ましく、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。金属錯塩染料(A2−1)及び/又はキサンテン染料(A1)を2種以上含む場合、そのいずれもが上記関係を満足することが好ましい。金属錯塩染料(A2−1)とキサンテン染料(A1)の極大吸収波長の差の絶対値が上記範囲内であれば、一層明度及びコントラストが高いカラーフィルタが得られる。
前記金属錯塩染料(A2−1)を使用する場合は、極大吸収波長を490nm以上535nm以下の範囲に有する金属錯塩染料(A2−1−1)と、極大吸収波長を535nm超580nm以下の範囲に有する金属錯塩染料(A2−1−2)とを併用することが好ましい。このような極大吸収波長を有する染料を含むことにより、さらに高い明度のカラーフィルタが得られる。
この場合、金属錯塩染料(A2−1−2)の含有量は、金属錯塩染料(A2−1)中、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。前記金属錯塩染料(A2−1−2)の含有量が上記範囲内であると、一層明度及びコントラストが高いカラーフィルタが得られる。
また、前記金属錯塩染料(A2−0)として、極大吸収波長を410nm以上490nm未満の範囲に有する金属錯塩染料(A2−2)を用いる場合、前記金属錯塩染料(A2−1)と併用することが好ましい。該金属錯塩染料(A2−2)の最大吸収波長は430nm以上が好ましく、また、470nm以下が好ましく、450nm以下がより好ましい。前記金属錯塩染料(A2−1)と金属錯塩染料(A2−2)とを併用することにより、キサンテン染料(A1)の最大吸収波長以下に存在する透過領域の光を、さらに有効に吸収することができるため、得られるカラーフィルタの明度及びコントラストが一層高くなる。
前記金属錯塩染料(A2−2)の極大吸収波長と、前記キサンテン染料(A1)の極大吸収波長との差の絶対値は、10nm以上が好ましく、より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは50nm以上であり、120nm以下が好ましく、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは90nm以下である。金属錯塩染料(A2−2)及び/又はキサンテン染料(A1)を2種以上含む場合、そのいずれもが上記関係を満足することが好ましい。金属錯塩染料(A2−2)とキサンテン染料(A1)の極大吸収波長の差の絶対値が上記範囲内であれば一層高明度なカラーフィルタが得られる。
前記金属錯塩染料(A2−1)の極大吸収波長と、前記金属錯塩染料(A2−2)の極大吸収波長との差の絶対値は、5nm以上が好ましく、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは30nm以上であり、150nm以下が好ましく、より好ましくは120nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。金属錯塩染料(A2−1)及び/又は金属錯体染料(A2−2)を2種以上含む場合、そのいずれもが上記関係を満足することが好ましい。金属錯塩染料(A2−1)と金属錯塩染料(A2−2)の極大吸収波長の差の絶対値が上記範囲内であれば、一層明度及びコントラストが高いカラーフィルタが得られる。
この場合、金属錯塩染料(A2−1)の含有量は、金属錯塩染料(A2)に対して、20質量%以上が好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上であり、100質量%以下が好ましい。前記金属錯塩染料(A2)の含有量が上記範囲内であると、高明度且つ高コントラストなカラーフィルタが得られる。
前記金属錯塩染料(A2)は、市販されている金属錯塩染料(例えば、BASF社製の「ORASOL Red G」、「ORASOL Red 3GL」、「Neozapon Yellow 157」)を用いることができる。また、特開2010−170117号公報を参考に合成することもできる。
前記着色剤(A)は、さらに顔料(A3)をキサンテン染料(A1)及び金属錯塩染料(A2)とともに含んでもよい。
前記顔料(A3)としては、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色の顔料;C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;C.I.ピグメントグリーン7、36、58等の緑色顔料;C.I.ピグメントブラウン23、25等のブラウン色顔料;C.I.ピグメントブラック1、7等の黒色顔料等が挙げられる。
これらの中でも前記顔料(A3)としては、C.I.ピグメントイエロー138、139、150;C.I.ピグメントレッド177、209、242、254;C.I.ピグメントバイオレット23が好ましい。これらの顔料を含むことで、透過スペクトルの最適化が容易であり、耐薬品性が良好になる。これらの顔料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記顔料(A3)は、粒径が均一であることが好ましい。また、前記顔料(A3)は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。
前記顔料(A3)を使用する場合、顔料分散液の態様で使用することが好ましい。この場合、溶液中に顔料分散剤を含有させて顔料の分散処理を行うことで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
前記の顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの顔料分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(登録商標)(ゼネカ(株)製)、EFKA(登録商標)(BASF社製)、アジスパー(登録商標)(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(登録商標)(ビックケミー社製)等が挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料(A3)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは5質量部以上50質量部以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、より均一な分散状態の顔料分散液が得られる。
顔料(A3)を含む場合、その含有量比率は着色剤(A)中、1質量%〜90質量%が好ましく、3質量%〜80質量%がより好ましい。このような比率とすることにより、透過スペクトルの最適化が容易となり、得られるカラーフィルタは、コントラスト、明度、耐熱性、耐薬品性に優れる傾向がある。
着色剤(A)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物中の固形分に対して、好ましくは5質量%〜60質量%であり、より好ましくは8質量%〜55質量%であり、さらに好ましくは10質量%〜50質量%である。ここで、固形分とは、着色硬化性樹脂組成物中の溶剤を除く成分の合計をいう。着色剤(A)の含有量が前記の範囲にあると、カラーフィルタとしたとき所望する分光や色濃度を得ることができ、且つ組成物中にバインダー樹脂や重合性化合物を必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なカラーフィルタを形成することができる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、バインダー樹脂(B)を含む。前記バインダー樹脂(B)としては、特に限定されるものではないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。バインダー樹脂(B)としては、例えば、以下の樹脂[K1]〜[K6]等が挙げられる。
[K1]不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)との共重合体。
[K2](a)と(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)との共重合体。
[K3](a)と(c)との共重合体。
[K4](a)と(c)との共重合体に(b)を反応させて得られる樹脂。
[K5](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させて得られる樹脂。
[K6](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させて得られる樹脂。
前記(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。これらの(a)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、共重合反応性の点や樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
前記(b)は、例えば、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物である。前記(b)としては、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
前記(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
前記(b1)としては、例えば、脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」という場合がある)、脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」という場合がある)等が挙げられる。
前記(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
前記(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド(登録商標)2000;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマー(登録商標)A400;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマー(登録商標)M100;ダイセル化学工業(株)製)、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物等が挙げられる。
[式(I)及び式(II)中、Rb1及びRb2は、互いに独立に、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
1及びL2は、互いに独立に、単結合、−Rb3−、*−Rb3−O−、*−Rb3−S−、*−Rb3−NH−を表す。Rb3は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。*は、Oとの結合手を表す。]
b1又はRb2で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
炭素数1〜4であり、水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
b1及びRb2としては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基である。
b3で示されるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
1及びL2としては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH2−O−(*はOとの結合手を表す)基、*−CH2CH2−O−基が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CH2CH2−O−基が挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、式(I−1)〜式(I−15)で表される化合物等が挙げられる。好ましくは式(I−1)、式(I−3)、式(I−5)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−11)〜式(I−15)が挙げられる。より好ましくは式(I−1)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−15)が挙げられる。
式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)で表される化合物等が挙げられる。好ましくは式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)
、式(II−9)、式(II−11)〜式(II−15)が挙げられる。より好ましくは式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)、式(II−15)が挙げられる。
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いることができる。また、それらは、任意の比率で併用することができる。式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物を併用する場合、その含有比率はモル比で、好ましくは式(I):式(II)で、5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは20:80〜80:20である。
オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。前記(b2)としては、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
前記(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
前記(b)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)であることが好ましい。さらに、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)がより好ましい。
前記(c)(前記(a)、(b)とは異なる重合性単量体)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、ジカルボニルイミド誘導体類、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
前記ジカルボン酸ジエステルとしては、例えば、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等が挙げられる。
前記ビシクロ不飽和化合物類としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が挙げられる。
前記ジカルボニルイミド誘導体類としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。
前記(c)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうち、前記(c)成分としては、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が好ましい。
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;2〜50モル%(より好ましくは10〜45モル%)
(b)に由来する構造単位;50〜98モル%(より好ましくは55〜90モル%)
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、得られるパターンの耐溶剤性に優れる傾向がある。
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に仕込んで、脱酸素雰囲気下で、攪拌、加熱、保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているもののいずれをも使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、着色硬化性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等を用いることができる。
なお、得られた共重合体を着色硬化性樹脂組成物の調製に使用する場合、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま着色硬化性樹脂組成物の調製に使用することができるため、着色硬化性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;4〜45モル%(より好ましくは10〜30モル%)
(b)に由来する構造単位;2〜95モル%(より好ましくは5〜80モル%)
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%(より好ましくは5〜60モル%)
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、パターン製造時の現像性、得られるカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
具体的には、(a)、(b)及び(c)の所定量、重合開始剤及び溶剤を反応容器中に仕込んで、脱酸素雰囲気下で、攪拌、加熱、保温する方法が挙げられる。得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;2〜55モル%、より好ましくは10〜50モル%
(c)に由来する構造単位;45〜98モル%、より好ましくは50〜90モル%
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、(a)と(c)との共重合体を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;5〜50モル%(より好ましくは10〜45モル%)
(c)に由来する構造単位;50〜95モル%(より好ましくは55〜90モル%)
次に、前記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、例えば、60〜130℃で、1〜10時間反応することにより、樹脂[K4]を得ることができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5〜80モルが好ましく、より好ましくは10〜75モルである。この範囲とすることにより、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
前記反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量に対して0.001〜5質量%が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量に対して0.001〜5質量%が好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ以下の範囲にあることが好ましい。
(b)に由来する構造単位;5〜95モル%(より好ましくは10〜90モル%)
(c)に由来する構造単位;5〜95モル%(より好ましくは10〜90モル%)
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5〜80モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。
環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等が挙げられる。
前記バインダー樹脂(B)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、バインダー樹脂(B)としては、樹脂[K1]及び樹脂[K2]が好ましく、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレートに由来する構造単位を含む樹脂[K1]及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレートに由来する構造単位を含む樹脂[K2]がより好ましい。
前記バインダー樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000である。平均分子量が前記の範囲にあると、未露光部の現像液に対する溶解性が高く、得られるパターンの残膜率や硬度も高い傾向がある。
前記バインダー樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
バインダー樹脂(B)の酸価は、好ましくは50〜180mg−KOH/gであり、より好ましくは60〜150mg−KOH/gである。ここで酸価は樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
前記バインダー樹脂(B)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。バインダー樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、パターン形成する際、未露光部の現像液に対する溶解性が高い傾向がある。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は重合性化合物(C)を含む。重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸等によって重合し得る化合物であって、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。
前記重合性化合物(C)としては、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。これらの重合性化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下、より好ましくは250以上1,500以下である。
重合性化合物(C)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。前記の重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲にあると、パターン形成における露光で硬化が十分におこり、現像での露光部の残膜率が向上し、パターンにアンダーカットが入りにくくなって密着性が良好になる傾向があることため好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は重合開始剤(D)を含む。重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカルを発生し、重合性化合物(C)の重合を開始しうるものであれば特に限定されることなく、公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)としては、光の作用により活性ラジカルを発生する化合物が好ましく、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物及びビイミダゾール化合物がより好ましく、オキシム化合物を含む重合開始剤がさらに好ましい。
前記アルキルフェノン化合物は、式(d2)で表される部分構造又は式(d3)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。以下、*は結合手を表す。
前記アルキルフェノン化合物としては、式(d2)で表される部分構造を有するα−アミノアルキルフェノン化合物と、式(d3)で表される部分構造を有するα−アルコキシアルキルフェノン化合物及びα−ヒドロキシアルキルフェノン化合物とが挙げられる。
α−アミノアルキルフェノン化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−メチルフェニルメチル)ブタン−1−オン等が挙げられる。市販品としては、イルガキュア(登録商標)369、379、907(以上、BASF社製)等が挙げられる。
α−アルコキシアルキルフェノン化合物としては、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
α−ヒドロキシアルキルフェノン化合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー等が挙げられる。
前記トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
前記オキシム化合物としては、O−アシルオキシム化合物が挙げられ、O−アシルオキシム化合物は、式(d1)で表される部分構造を有する化合物である。

前記オキシム化合物としては、例えば、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)OXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。中でも、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン及びN−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンが好ましい。これらのオキシム化合物であると、高明度なカラーフィルタが得られる傾向にある。
前記ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照。)等が挙げられる。好ましくは2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
重合開始剤(D)の含有量は、バインダー樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは5〜25質量部である。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲にあると、高感度でパターンを形成することができ、さらに高明度なカラーフィルタが得られる傾向がある。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、さらに重合開始助剤(D1)を含んでもよい。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物、カルボン酸化合物等が挙げられ、好ましくはチオキサントン化合物である。
前記チオキサントン化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
前記アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
前記アルコキシアントラセン化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
前記カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
これらの重合開始助剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、重合開始助剤(D1)を用いる場合、その使用量は、バインダー樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。また、重合開始剤(D)の含有量100質量部に対して、好ましくは20〜100質量部、より好ましくは30〜80質量部である。重合開始助剤(D1)の量がこの範囲にあると、高感度でパターンを形成することができ、さらに高明度なカラーフィルタが得られる傾向がある。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は溶剤(E)を含むことが好ましい。
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等の中から選択して用いることができる。
前記エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
前記エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソール等が挙げられる。
前記エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
前記ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
前記アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
前記アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atm(101.325kPa)における沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシプロピオン酸エチル等がより好ましい。
着色硬化性樹脂組成物における溶剤(E)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物に対して、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜25質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
本発明の着色硬化性樹脂組成物には、さらに、界面活性剤(F)を含んでいてもよい。
界面活性剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
前記のフッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(商品名)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
界面活性剤(F)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物に対し、好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.05質量%以下である。ただし、前記界面活性剤(F)の含有量に、前記顔料分散剤の含有量は含まれない。界面活性剤(F)の含有量が前記の範囲にあると、塗膜の平坦性を良好にすることができる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、連鎖移動剤等の種々の添加剤を含んでもよい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、例えば、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、並びに必要に応じて用いられる溶剤(E)、界面活性剤(F)、重合開始助剤(D1)及びその他成分を混合することにより調製できる。
顔料(A3)を含む場合、顔料(A3)は、予め溶剤(E)の一部又は全部と混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミルなどを用いて分散させることが好ましい。この際、必要に応じて前記顔料分散剤、バインダー樹脂(B)の一部又は全部を配合してもよい。このようにして得られた顔料分散液に、残りの成分を、所定の濃度となるように混合することにより、目的の着色硬化性樹脂組成物を調製できる。
キサンテン染料(A1)及び金属錯塩染料(A2)は、予め溶剤(E)の一部又は全部にそれぞれ溶解させて溶液を調製してもよい。該溶液を、孔径0.01〜1μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
混合後の着色硬化性樹脂組成物を、孔径0.01〜10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物を用いてカラーフィルタのパターンを形成する方法としては、例えば、フォトリソグラフ法、インクジェット法等が挙げられる。フォトリソグラフ法でパターンを形成するには、基板又は別の樹脂層(例えば、基板の上に先に形成された別の着色硬化性樹脂組成物層等)の上に塗布し、溶剤等揮発成分を除去(乾燥)して着色層を形成し、フォトマスクを介して該着色層を露光して、現像すればよい。上記のフォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、パターンを有さない塗膜を形成できる。
作製するパターン又は塗膜の膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができ、例えば、0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜6μmである。
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス等のガラス板;ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板;シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したもの;が用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット・アンド・スピンコート法等が挙げられる。
フォトリソグラフ法により各色画素を形成する方法としては、公知又は慣用の方法を用いることができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して、平滑な塗布膜を得る。
加熱乾燥を行う場合の温度は、30〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。
減圧乾燥を行う場合は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の温度範囲で行うことが好ましい。
乾燥後塗布膜の膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができ、例えば、0.1〜20μmであり、好ましくは0.5〜6μmである。
乾燥後塗布膜は、目的のパターンを形成するためのフォトマスクを介して、露光される。この際のフォトマスク上のパターン形状は特に限定されず、目的とする用途に応じたパターン形状が用いられる。
露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、マスクと基材との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ、ステッパ等の装置を使用することが好ましい。
露光後、現像液に接触させて所定部分、例えば、未露光部を現像液に溶解させて除去することにより、パターンを得ることができる。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のようなアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
さらに必要に応じて、ポストベークを行ってもよい。ポストベーク温度は、150〜250℃が好ましく、160〜235℃がより好ましい。ポストベーク時間は、1〜120分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、特に明度に優れた赤色カラーフィルタを作製することができる。該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置等)、電子ペーパー、固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタとして有用である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
合成例1
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A1−1a)で表される化合物及び式(A1−1b)で表される化合物の混合物(中外化成製、商品名Chugai Aminol Fast Pink R)を15部、クロロホルム150部及びN,N−ジメチルホルムアミド8.9部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル10.9部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン12.5部及びトリエチルアミン22.1部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、イオン交換水375部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、キサンテン染料A1−1(式(A1−1−1)〜式(A1−1−8)で表される化合物の混合物)11.3部を得た。
合成例2
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A1−2a)で示される色素(中外化成製)を15部、クロロホルム150部及びN,N−ジメチルホルムアミド7.1部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル8.7部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン10部及びトリエチルアミン17.7部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、イオン交換水375部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、キサンテン染料A1−2(式(A1−2−1)〜式(A1−2−7)で表される化合物の混合物)12.7部を得た。
合成例3
2−アミノ−4−ニトロフェノール10.5部に水80部を加えた後、氷冷下、35%塩酸16.3部を少しずつ加えて溶解させ、20%亜硝酸ナトリウム水溶液24.7部を加え、2時間撹拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。
別途、式(c−1)で表されるピラゾロン化合物19部に水65部と水酸化ナトリウム3部を加えた後、氷冷下、10%酢酸ナトリウム水溶液100部を加えて、ピラゾロン化合物(c−1)溶液を得た。
以下の操作は氷冷下で行った。前記ピラゾロン化合物(c−1)溶液を撹拌しながら、前記ジアゾニウム塩を含む懸濁液を15分かけて滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌することで暗色溶液を得た。精製塩(塩化ナトリウム)20部を反応溶液に加えて、1時間攪拌した。濾過して得た赤色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(c−1−1)で表されるアゾ化合物27.1部(収率95%)を得た。
得られた式(c−1−1)で表されるアゾ化合物18.2部に水150部とジメチルホルムアミド100部とを加え溶解した後、ギ酸クロム2.8部を加え、100℃で5時間加熱し、撹拌することで暗色溶液を得た。25℃に冷却後、20%水酸化ナトリウム水溶液12部を加え、30分間撹拌後、精製塩(塩化ナトリウム)60部を反応溶液に加えて、30分間撹拌した。濾過して得た暗色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(d−1)で表されるクロム錯塩13.0部(収率95%)を得た。
得られた式(d−1)で表されるクロム錯塩9.1部にメタノール200部とジメチルホルムアミド100部を加え溶解した後、式(e−1)で表される化合物(ローダミン6G,東京化成工業(株)製)4.8部を加え、30分間撹拌することで暗赤色溶液を得た。減圧下50℃で濃縮し、暗色固体を得た。
得られた暗色固体に水250部を加え、濾過して得た暗色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(f−1)で表される化合物(以下「金属錯塩染料A2−1−1a」という場合がある)を10.6部(収率76%)得た。
合成例4
特開2011−148995号公報の実施例2に従い、式(c−2−1)で表される化合物を得た。式(c−2−1)で表される化合物の構造を、1H−NMR(JMM−ECA−500;日本電子(株)製)で確認した。
1H−NMR(500MHz、δ値(ppm、TMS基準)、DMSO−d6);2.50(2H,2H,overlapped)2.55(3H,s),3.51(3H,s),4.11(2H,t),4.23(2H,t),7.37(1H,t),7.74(1H,t),8.02(1H,d),8.03(1H,d),15.6(1H,s).
次に、式(c−2−1)で表される化合物3.7部にN−メチルピロリドン93部を加えて80℃まで加熱して溶解させた後、ギ酸クロムn水和物1.8部を加えて120℃にて約7時間攪拌して暗橙色溶液を得た。この溶液を20%食塩水溶液210部中に注ぎこみ、得られた橙色固体を濾過して60℃にて真空乾燥することにより、式(d−2)で表される化合物を3.2部(収率82%)を得た。式(d−2)で表される化合物を質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
イオン化モード=ESI−:m/z=960.0[M−H]-
Exact Mass:961.2
式(d−2)で表される化合物3.1部に、N−メチルピロリドン31.5部を加えて溶液(s1)を調製した。また、式(e−1)で表される化合物(ローダミン6G,東京化成工業(株)製)1.6部に、メタノール15.4部を加えて溶液(t1)を調製した。その後室温にて溶液(s1)と溶液(t1)を混合し、約1時間攪拌した後、水430部へ注入した。濾過して得られた赤色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(f−2)で表される化合物(以下「金属錯塩染料A2−1−1b」という場合がある)3.4部(収率73%)を得た。式(f−2)で表される化合物の構造を元素分析(VARIO-EL;(エレメンタール(株)製))で確認した。
C64.7 H5.2 N10.8 Cr4.0
合成例5
2−アミノ−4−メチルスルホニル−6−ニトロフェノール(CAS No.101861−04−5)7.5部に水65部を加えた後、水酸化ナトリウム1.3部を加え、溶解させた。氷冷下、35%亜硝酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)水溶液6.1部を加え、ついで35%塩酸19.4部を少しずつ加えて溶解させ2時間撹拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。ついでアミド硫酸(和光純薬工業(株)製)5.6部を水26部に溶解させた水溶液をゆっくりと加え、過剰の亜硝酸ナトリウムをクエンチした。
ついで、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン(和光純薬工業(株)製)5.6部を水70部に懸濁させ、水酸化ナトリウムを用いて、pHを8.0に調製した。ここに、前記ジアゾニウム塩を含む懸濁液を15分かけて、pHが7から7.5の範囲におさまるように10%水酸化ナトリウム溶液を適宜追加しながら、滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌することで黄色の懸濁液を得た。1時間攪拌した。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(c−3)で表される化合物を11.7部(収率87%)得た。
式(c−3)の化合物10部をジメチルホルムアミド(東京化成工業(株)製)100部に入れて溶解し、硫酸アンモニウムクロム(III)12水(和光純薬工業(株)製)3.1部、酢酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)1.1部を加えた後、4時間半の間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応溶液を20%食塩水1500部へ注入し、ろ過後に得られた赤橙色固体を60℃で乾燥し、式(d−3)で表される化合物13.6部(63%)を得た。式(d−3)で表される化合物の構造を質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
イオン化モード=ESI−: m/z=882.1[M−Na+]-
Exact Mass: 905.1
ローダミンB(東京化成工業(株)製)18部に無水クロロホルム(関東化学(株)製)170部、カンファスルホン酸(アルドリッチ(株)製)1.0部、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(東京化成工業(株)製)1.4部、トリエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)18部を加えて約30分間攪拌した。その後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(和光純薬工業(株)製)10.5部に無水クロロホルム47部を加えて予め溶解させた溶液をゆっくりと加えた後、室温にて約2時間攪拌した。1N塩酸水溶液150部にて分液操作を2回行ったのち、10%食塩水150部で2回有機層を洗浄した。ついで無水硫酸マグネシウム43部を加えて約30分間攪拌後、乾燥剤を濾過し、溶媒留去することにより式(e−2)で表される化合物20.6部(収率90%)を得た。
式(e−2)で表される化合物の構造を質量分析(LC:Agilent製1200型、MASS:Agilent製LC/MSD型)で確認した。
イオン化モード=ESI+: m/z=575.3[M−Cl-]+
Exact Mass: 610.3
式(d−3)で表される化合物253部に、メタノール4030部を加えて溶液(s2)を調製した。また、式(e−2)で表される化合物153部に、メタノール1080部を加えて溶液(t2)を調製した。その後室温にて溶液(s2)と溶液(t2)を混合し、約1時間攪拌した。生じた赤色固体を減圧下60℃で乾燥し、水3500部で洗浄した後にろ過して60℃にて減圧乾燥し、式(f−3)で表される化合物(以下「金属錯塩染料A2−1−2a」という場合がある)263部(収率65%)を得た。
式(f−3)で表される化合物の構造を、ICP発光分析装置(ICPS−8100;(株)島津製作所製)を用いて元素分析することにより確認した。
C55.6 H5.1 N11.9 Cr3.71
合成例6
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、乳酸エチル220部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸84部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合)336部を、乳酸エチル140部に溶解して溶液を調製し、この溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部を乳酸エチル95部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、重量平均分子量(Mw)が8.0×103、分子量分布が2.5、固形分が48%、溶液酸価が50mg−KOH/gの樹脂B1溶液を得た。上記の固形分と溶液酸価とから固形分酸価を計算すると、104mg−KOH/gである。樹脂B1は、以下の構造単位を有する。
合成例7
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート333部を導入した。その後、ガス導入管を通じて窒素ガスをフラスコ内に導入し、フラスコ内雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、フラスコ内の溶液を100℃に昇温した後、N−ベンジルマレイミド18.7部、ベンジルメタクリレート70.5部、メタクリル酸51.7部、メチルメタクリレート90.0部、アゾビスイソブチロニトリル5.2部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182部からなる混合物を、滴下ロートを用いて2時間かけてフラスコに滴下し、滴下完了後さらに100℃で5時間撹拌を続けた。
攪拌終了後、ガス導入管を通じて空気がフラスコ内に導入され、フラスコ内雰囲気が空気に置換された後、グリシジルメタクリレート28.5部、トリスジメチルアミノメチルフェノール1.3部及びハイドロキノン0.165部をフラスコ内に投入し、反応を110℃で6時間続け、固形分が31%の樹脂B2溶液を得た。樹脂B2は、重量平均分子量(Mw)が1.6×104、酸価80mg−KOH/g(固形分換算)であった。
合成例で得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
実施例において、キサンテン染料としては表1に記載の染料を用い、金属錯塩染料としては表2に記載の染料を用いた。各染料の極大吸収波長(λmax)は、以下のようにして求めた。
極大吸収波長(λmax)の測定
染料0.35gを乳酸エチルに溶解して体積を250cm3とし、そのうちの2cm3を乳酸エチルで希釈して体積を100cm3として(濃度:0.028g/L)、紫外可視近赤外分光光度計(V−650;日本分光(株)製)(石英セル、光路長;1cm)を用いて、400〜700nmにおける吸収スペクトルを測定した。該吸収スペクトルから、吸光度が最大となる波長を求め、極大吸収波長λmaxとした。

〔着色硬化性樹脂組成物の調製〕
実施例1〜7、10〜19、参考例8、9
以下の成分を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。なお、溶剤(E)は、着色硬化性樹脂組成物の固形分が20%になるように混合し、界面活性剤(F)は、着色硬化性樹脂組成物中の含有量が0.01質量%になるように混合した。
染料(A):表3に記載の染料
樹脂(B):樹脂B1溶液(固形分換算) 50部
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 50部
重合開始剤(D):N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE01;BASF社製) 15部
溶剤(E):乳酸エチル
界面活性剤(F);ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製)
比較例1
以下の成分を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
染料:C.I.Solvent Red 130 9.500部
樹脂:樹脂B2溶液(固形分換算) 3.189部
重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 4.784部
重合開始剤:2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン 0.718部
重合開始剤:2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン 0.558部
重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
0.239部
界面活性剤;メガファック(登録商標)F475(DIC(株)製) 0.012部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 27.540部
溶剤:プロピレングリコールモノメチル 53.460部
比較例2
C.I.Solvent Red 130をC.I.Solvent Red 125に代えた以外は比較例1と同様にして、着色硬化性樹脂組成物を得た。
〔評価〕
<パターンの作製>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークした。放冷後、この着色硬化性樹脂組成物を塗布した基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を80μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、200mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。フォトマスクとしては、100μmラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用した。光照射後、上記塗膜を、現像液(非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液)に23℃で80秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、220℃で20分間ポストベークを行い、パターンを得た。
<膜厚測定>
得られたパターンの膜厚は、膜厚測定装置(DEKTAK(登録商標)3;日本真空技術(株)製)を用いて測定した。結果を表4及び表5に示す。
<色度、明度の評価>
得られたパターンについて、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と三刺激値Yを測定した。Yの値が大きいほど明度が高いことを表す。結果を表4及び表5に示した。
<塗膜の作製>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色硬化性樹脂組成物を、ポストベーク後の膜厚が上記パターンと同じ膜厚になるようにスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークした。放冷後、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。光照射後、オーブン中、220℃で20分間ポストベークを行い、塗膜を得た。
<コントラスト評価>
得られた塗膜について、コントラスト計(CT−1;壺坂電機(株)製、色彩色差計BM−5A;トプコン社製、光源;F−10、偏光フィルム;壺坂電機(株)製)を用いてコントラストを測定した。尚、測定時のブランク値は、実施例1〜17は10000、実施例18及び19は30000である。結果を表4及び表5に示す。
<耐熱性評価>
得られた塗膜をオーブン中、230℃で2時間加熱した。加熱前後でxy色度座標(x、y)及びYを測定し、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△Eab*を計算し、結果を表6に示した。△Eab*は小さいほど色変化が小さいことを意味し、△Eab*が10以下であれば、その塗膜はカラーフィルタとして実用上問題ないといえる。また、塗膜の耐熱性が良好であれば、同じ着色硬化性樹脂組成物から作製されたパターンも、耐熱性は良好であるといえる。
<耐光性評価>
得られた塗膜の上に紫外線カットフィルター(COLORED OPTICAL GLASS L38;ホヤ社製;380nm以下の光をカットする。)を配置し、耐光性試験機(サンテストCPS+:東洋精機社製)にて、キセノンランプ光を48時間照射した。
照射前後でxy色度座標(x、y)及びYを測定し、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△Eab*を計算し、結果を表6に示した。△Eab*は小さいほど色変化が小さいことを意味し、△Eab*が10以下であれば、その塗膜はカラーフィルタとして実用上問題ないといえる。また、塗膜の耐光性が良好であれば、同じ着色硬化性樹脂組成物から作製されたパターンも、耐光性は良好であるといえる。
上記の結果から、本発明の着色硬化性樹脂組成物から形成されたパターンは、明度に優れることが確認された。このことから、本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、色性能に優れるカラーフィルタを製造することが可能であることがわかる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、高明度なカラーフィルタを形成できる。

Claims (6)

  1. 着色剤、バインダー樹脂、重合性化合物及び重合開始剤を含み、
    前記着色剤が、キサンテン染料(A1)と、金属原子と染料分子との結合比が1:2である1:2形金属錯塩染料(A2)とを含む着色剤であり、
    前記金属錯塩染料(A2)が、極大吸収波長を490nm以上580nm以下の範囲に有する金属錯塩染料(A2−1)を含む染料である着色硬化性樹脂組成物。
  2. 金属錯塩染料(A2)が、式(3)で表される化合物、及び式(6)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の着色硬化性樹脂組成物。

    [式(3)中、R31〜R48は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、ニトロ基、−SO2NHR51、−SO3H又は−SO2CH3を表す。
    49及びR50は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
    51は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基、炭素数2〜15のアルコキシアルキル基を表す。
    1〜A4は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はMとの結合手を表す。
    Mは、Cr又はCoを表す。
    nは、1〜5の整数を表す。
    +は、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。
    [式(6)中、R81は、炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OH、−OR88、−CO−OR88、−O−COR88、−CONR8889、炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−及び−CO−の少なくとも1つで置き換わっていてもよい。
    82は、水素原子、−CN、又は−CONH2を表す。
    83は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    84〜R87は、互いに独立に、−R88、−OR88、−CO−OR88、−COR88、−OCO−OR88、−O−COR88、−CN、−NO2、ハロゲン原子、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR8889又は−NR9192を表す。R84及びR85、R85及びR86、並びにR86及びR87は、互いに結合してベンゼン環の炭素を含んだ6〜7員環を形成してもよい。
    88及びR89は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR90で置換されていてもよい。
    90は、水素原子、炭素数1〜8の1価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。
    91及びR92は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜8のアシル基又はテトラヒドロフルフリル基を表す。R91及びR92は、互いに結合して窒素原子を含んだ環を形成してもよい。
    11〜A14は、それぞれ独立に、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−を表す。*はM2との結合手を表す。
    2は、Cr又はCoを表す。
    n2は、1〜5の整数を表す。
    D2+は、ヒドロン、1価の金属カチオン又はキサンテン骨格を有する化合物に由来する1価のカチオンを表す。]
  3. 前記キサンテン染料(A1)の含有量と金属錯塩染料(A2)の含有量との比(A1:A2)が、質量基準で、1:99〜99:1である請求項1又は2記載の着色硬化性樹脂組成物。
  4. 前記重合開始剤が、オキシム化合物を含む重合開始剤である請求項1〜3のいずれか一項記載の着色硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の着色硬化性樹脂組成物により形成されたカラーフィルタ。
  6. 請求項5記載のカラーフィルタを含む表示装置。
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