JP6713517B2 - 赤色着色硬化性樹脂組成物 - Google Patents

赤色着色硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、赤色着色硬化性樹脂組成物に関する。
着色硬化性樹脂組成物は、液晶表示パネル、エレクトロルミネッセンスパネル、プラズ
マディスプレイパネルなどのディスプレイ装置に使用されるカラーフィルタの製造用に用
いられている。この着色硬化性樹脂組成物には、着色剤として、顔料又は染料を用いるこ
とが知られている(非特許文献1)。
鈴木八十二著、「よくわかる液晶ディスプレイのできるまで」、初版、日刊工業新聞社、2005年3月、112頁
赤色着色硬化性樹脂組成物には、高明度な赤色カラーフィルタを製造しうることが求め
られている。
本発明は、以下の発明を含む。
[1] 着色剤、樹脂、重合性化合物及び重合開始剤を含み、
着色剤が、式(1a)で表される化合物と、黄色顔料、オレンジ色顔料及び赤色顔料か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料とを含む着色剤である赤色着色硬化性樹脂組
成物。
[式(1a)中、R1〜R4は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭
化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し
、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロ
ゲン原子で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1
〜3のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記飽和炭化水素基に含まれる−CH
は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。R1及びRは互い
に結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよ
く、R及びRは互いに結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって窒素原子
を含む環を形成してもよい。
5は、−OH、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -+、−CO2H、−CO2 -+、−C
28、−SO38又は−SO2NR910を表す。
6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR5は同一でも異なってもよい

aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
+は、+N(R114、Na+又はK+を表す。
8は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる
水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
9及びR10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜2
0の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−は、−
O−、−CO−、−NH−又は−NR−で置き換っていてもよく、R9及びR10は互い
に結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって3〜10員窒素含有複素環を形成
していてもよい。
11は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数
7〜10のアラルキル基を表す。]
[2] 顔料が、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー13
9、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピ
グメントレッド242及びC.I.ピグメントレッド254からなる群から選ばれる少な
くとも1種である[1]記載の赤色着色硬化性樹脂組成物。
[3] [1]又は[2]記載の赤色着色硬化性樹脂組成物により形成される赤色カラー
フィルタ。
[4] [3]記載の赤色カラーフィルタを含む表示装置。
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物によれば、高明度な赤色カラーフィルタを製造する
ことができる。
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C
)及び重合開始剤(D)を含む。
着色剤(A)は、式(1a)で表される化合物(以下「化合物(1a)」)と顔料(A
2)とを含む。さらに、着色剤(A)は、染料(ただし、化合物(1a)とは異なる)(
以下「染料(A3)」という場合がある)を含んでもよい。
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物は、さらに、溶剤(E)を含むことが好ましい。
また、本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、重合開始助剤(D1)及
び界面活性剤(F)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。
尚、本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で
又は複数種を組合せて使用することができる。
<着色剤(A)>
化合物(1a)は、式(1a)で表される。
[式(1a)中、R1〜R4は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭
化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し
、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロ
ゲン原子で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1
〜3のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記飽和炭化水素基に含まれる−CH
は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。R1及びRは互い
に結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよ
く、R及びRは互いに結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって窒素原子
を含む環を形成してもよい。
5は、−OH、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -+、−CO2H、−CO2 -+、−C
28、−SO38又は−SO2NR910を表す。
6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR5は同一でも異なってもよい

aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
+は、+N(R114、Na+又はK+を表す。
8は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる
水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
9及びR10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜2
0の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−は、−
O−、−CO−、−NH−又は−NR−で置き換っていてもよく、R9及びR10は、互
いに結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって3〜10員窒素含有複素環を形
成していてもよい。
11は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数
7〜10のアラルキル基を表す。]
1〜R4における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ト
ルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基が挙げら
れる。
該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、−R8、−O
H、−OR8、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -+、−CO2H、−CO28、−SR8
−SO28、−SO38及び−SO2NR910が挙げられる。これらの中でも、置換基と
しては、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -+及び−SO2NR910が好ましく、−SO3 -
+及び−SO2NR910がより好ましい。この場合の−SO3 -+としては、−SO3 - +
N(R114が好ましい。R1〜R4がこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明
の赤色着色硬化性樹脂組成物からは、異物の発生が少なく、且つ耐熱性に優れるカラーフ
ィルタを形成できる。
1及びRが互いに結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって形成する環
、並びにR及びRが互いに結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって形成
する環としては、以下のものが挙げられる。
8〜R11における炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソ
プロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等
の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和
炭化水素基が挙げられる。
−OR8としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオ
キシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシル
オキシ基及びイコシルオキシ基が挙げられる。
−CO28としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカル
ボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシル
オキシカルボニル基が挙げられる。
−SR8としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニ
ル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基が挙
げられる。
−SO28としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基
、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基が挙げられる。
−SO38としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスル
ホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシル
オキシスルホニル基が挙げられる。
−SO2NR910としては、スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイ
ル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチ
ルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスル
ファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモ
イル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチル
プロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N
−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基
、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、
N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N
−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−
(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファ
モイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル
基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N−(1,1,2,2−テト
ラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−
ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプ
ロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N
,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモ
イル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基
が挙げられる。
9及びR10における炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基は、置換基を有していて
もよい。該置換基としては、ヒドロキシ基及びハロゲン原子が挙げられる。
9及びR10は、互いに結合して窒素原子と一緒になって3〜10員窒素含有複素環(
窒素原子を環内に1個以上含む複素環)を形成していてもよい。該複素環としては、例え
ば、以下のものが挙げられる。
としては、−COH、−CO2 -+、−CO、−SO 、−SO
、−SOH及び−SONHRが好ましく、−SO 、−SO 、−SO
H及び−SONHRがより好ましい。
mとしては、1〜4の整数が好ましく、1及び2がより好ましい。
6及びR7における炭素数1〜6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のう
ち、炭素数1〜6のものが挙げられる。
8及びR11における炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニル
エチル基及びフェニルブチル基が挙げられる。
+は、+N(R114、Na+又はK+であり、好ましくは+N(R114である。
前記+N(R114としては、4つのR11のうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1
価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR11の合計炭素数は20〜80
であることが好ましく、20〜60であることがより好ましい。化合物(1a)中に
(R11が存在する場合、R11がこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明
の赤色着色硬化性樹脂組成物から、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
化合物(1a)としては、式(2a)で表される化合物(以下「化合物(2a)」とい
う場合がある)がより好ましい。化合物(2a)は、その互変異性体であってもよい。
[式(2a)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、−R26又は置換基を有して
いてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表す。R21及びR22は互いに結合
して、それらが結合する窒素原子と一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R
23及びR24は互いに結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって窒素原子を含む
環を形成してもよい。
25は、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -Z1+又は−SO2NHR26を表す。
m1は、0〜5の整数を表す。m1が2以上のとき、複数のR25は同一でも異なっても
よい。
a1は、0又は1の整数を表す。
X1は、ハロゲン原子を表す。
26は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表す。
Z1+は、+N(R274、Na+又はK+を表す。
27は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又はベンジル基を表
す。]
21〜R24における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、前記R1〜R4
で芳香族炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。該芳香族炭化水素基に含
まれる水素原子は、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -Z1+、−SO326又は−SO2NH
26で置換されていてもよい。
21〜R24の組合せとしては、R21及びR23が水素原子であり、R22及びR24が炭素数
6〜10の1価の芳香族炭化水素基であって、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子が
、−SO3 -、−SO3H、−SO3 -Z1+、−SO326又は−SO2NHR26で置換されて
いるものが好ましい。さらに好ましい組合せは、R21及びR23が水素原子であり、R22
びR24が炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基であって、該芳香族炭化水素基に含ま
れる水素原子が、−SO3 -Z1+又は−SO2NHR26で置換されていているものである。
21〜R24がこれらの基であると、化合物(2a)を含む本発明の赤色着色硬化性樹脂
組成物から、耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。
21及びR22が互いに結合して、それらが結合する窒素原子と一緒になって形成する窒
素原子を含む環、並びに、R23及びR24が互いに結合して、それらが結合する窒素原子と
一緒になって形成する窒素原子を含む環としては、R1及びRが互いに結合して、それ
らが結合する窒素原子と一緒になって形成する環と同様のものが挙げられる。中でも、脂
肪族複素環が好ましい。該脂肪族複素環としては、例えば、下記のものが挙げられる。
26及びR27における炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、R8〜R11
飽和炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。
21〜R24が−R26である場合、−R26は、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基
であることが好ましい。また、−SO326及び−SO2NHR26におけるR26としては、
炭素数3〜20の分枝鎖状アルキル基が好ましく、炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基
がより好ましく、2−エチルヘキシル基がさらに好ましい。R26がこれらの基であると、
化合物(2a)を含む本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物から、異物の発生が少ないカラ
ーフィルタを形成できる。
Z1+は、+N(R274、Na+又はK+であり、好ましくは+N(R274である。
前記+N(R274としては、4つのR27のうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1
価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR27の合計炭素数は20〜80
であることが好ましく、20〜60であることがより好ましい。化合物(2a)中に
(R27が存在する場合、R27がこれらの基である化合物(2a)を含む赤色着色硬
化性樹脂組成物は、異物の発生が少ないカラーフィルタを形成できる。
m1としては、1〜4の整数が好ましく、1及び2がより好ましい。
化合物(1a)としては、式(3a)で表される化合物(以下「化合物(3a)」とい
う場合がある。)がより好ましい。化合物(3a)は、その互変異性体であってもよい。
[式(3a)中、R31及びR32は、互いに独立に、炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素
基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基
又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、
炭素数1〜3のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記飽和炭化水素基に含まれる−
CH−は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。
33及びR34は、互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル
スルファニル基又は炭素数1〜4のアルキルスルホニル基を表す。
31及びR33は互いに結合して、窒素原子と一緒になって窒素原子を含む環を形成して
もよく、R32及びR34は互いに結合して、窒素原子と一緒になって窒素原子を含む環を形
成してもよい。
p及びqは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のR33は同
一でも異なってもよく、qが2以上のとき、複数のR34は同一でも異なってもよい。
11は、上記と同じ意味を表す。]
31及びR32における炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基としては、R8における
もののうち炭素数1〜10の基が挙げられる。
置換基として有していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、Rにお
けるものと同じ基が挙げられる。
炭素数1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基が挙
げられる。
31及びR32は、互いに独立に、炭素数1〜3の1価の飽和炭化水素基であることが好
ましい。
33及びR34における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブ
チル基が挙げられる。
33及びR34における炭素数1〜4のアルキルスルファニル基としては、メチルスルフ
ァニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及び
イソプロピルスルファニル基が挙げられる。
33及びR34における炭素数1〜4のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニ
ル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピ
ルスルホニル基が挙げられる。
33及びR34は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であるこ
とがより好ましい。
p及びqとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましい。
化合物(1a)としては、例えば、式(1−1)〜式(1−42)で表される化合物が
挙げられる。なお、式中、R40は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ま
しくは炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基、さらに好ましくは2−エチルヘキシル基で
ある。
化合物(1a)は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Ch
ugai Aminol Fast Pink R-H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いるこ
とができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010−3
2999号公報を参考に合成することもできる。
顔料(A2)は、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)
でピグメントに分類されている、黄色顔料、オレンジ色顔料及び赤色顔料からなる群から
選ばれる少なくとも1種の顔料である。
例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、
20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、
128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、
173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、
59、61、64、65、71、73などのオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166
、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242
、254、255、264、265などの赤色顔料が挙げられる。その他、C.I.ピグ
メントブルー15、15:3、15:4、15:6、60などの青色顔料;C.I.ピグ
メントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料

C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7などの黒色顔料等を含むこともできる。
顔料は、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C
.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメン
トレッド242及びC.I.ピグメントレッド254からなる群から選ばれる少なくとも
1種が好ましく、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242及
びC.I.ピグメントレッド254からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好まし
い。前記の顔料を含むことで、赤色カラーフィルタとしての透過スペクトルの最適化が容
易であり、カラーフィルタの耐光性及び耐薬品性が良好になる。
顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を
用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等によ
る微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不
純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。
顔料は、粒径が均一であることが好ましい。顔料分散剤を含有させて分散処理を行うこ
とで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
前記の顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポ
リエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の顔料分散剤等が挙げられる。これらの顔料
分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名
でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(
ゼネカ(株)製)、EFKA(CIBA社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株
)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)などが挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料(A2)の総量に対して、好ましくは1
質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上50質量%以下である
。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾
向がある。
染料(A1)は、特に限定されず、公知の染料を使用することができ、例えば、溶剤染
料、酸性染料、直接染料、媒染染料等が挙げられ、有機溶剤に溶解可な染料が好ましい。
染料(A1)としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Col
ourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されてい
る公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン染料、トリフ
ェニルメタン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノ
ンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクワリリウム染料、アクリジン染料、ス
チリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。これらのうち
、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4、14、15、23、24、38、62、
63、68、82、94、98、99、117、162、163、167、189;
C.I.ソルベントレッド45、49、111、125、130、143、145、1
46、150、151、155、168、169、172、175、181、207、2
22、227、230、245、247;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56、77、86;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、
45、47、48、51、59、60等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、3
6、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、1
12、113、114、116、119、123、128、134、135、138、1
39、140、144、150、155、157、160、161、163、168、1
69、172、177、178、179、184、190、193、196、197、1
99、202、203、204、205、207、212、214、220、221、2
28、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、3
3、34、35、37、40、42、44、57、66、73、76、80、88、97
、103、106、111、114、129、133、134、138、143、145
、150、151、155、158、160、172、176、182、183、195
、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252
、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280
、281、308、312、315、316、339、341、345、346、349
、382、383、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、
62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、17、19、34等のC.I.アシッド染料
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、
54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108
、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、
99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、1
82、184、204、207、211、213、218、220、221、222、2
32、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57
、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、
80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104等のC.I.
ダイレクト染料、
C.I.ディスパースイエロー51、54,76;
C.I.ディスパースバイオレット26、27等のC.I.ディスパース染料、
C.I.リアクティブイエロー2,76,116;
C.I.リアクティブオレンジ16;等のC.I.リアクティブ染料
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、4
2、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19
、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、
43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、9
4、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、
24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31
、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58
等が挙げられる。
これらの染料は、所望するカラーフィルタの分光スペクトルに合わせて適宜選択すれば
よい。
着色剤(A)が染料(A3)を含む場合、染料(A3)の含有量は、着色剤(A)の総
量に対して、1〜90質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。
化合物(1a)と顔料(A2)との含有比率は質量基準で、1:99〜99:1が好ま
しく、2:98〜50:50がより好ましく、5:95〜30:70がさらに好ましい。
このような比率とすることにより、透過スペクトルの最適化が容易となり、得られるカラ
ーフィルタは、コントラスト、明度、耐熱性及び耐薬品性に優れる傾向がある。
着色剤(A)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは5〜60質量%であり、
より好ましくは8〜50質量%であり、さらに好ましくは10〜40質量%である。着色
剤(A)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分で
あり、かつ組成物中に樹脂(B)や重合性化合物(C)を必要量含有させることができる
ので、機械的強度が十分なカラーフィルタを形成することができる。
ここで、本明細書における「固形分の総量」とは、赤色着色硬化性樹脂組成物の総量か
ら溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量
は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段
で測定することができる。
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。樹脂
(B)としては、例えば、以下の樹脂[K1]〜[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1]不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少
なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)と、炭素数2〜4の環状エーテ
ル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合があ
る)との共重合体;
樹脂[K2](a)と(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)
及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)との共重合体;
樹脂[K3](a)と(c)との共重合体;
樹脂[K4](a)と(c)との共重合体に(b)を反応させた樹脂;
樹脂[K5](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させた樹脂;
樹脂[K6](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水
物を反応させた樹脂。
(a)としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、
p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸
、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テト
ラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン
酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2
.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボ
キシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2
.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、
4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3
,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジ
カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無
水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)
アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アク
リロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキ
シ基を含有する不飽和アクリル酸類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から
、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びメタクリロ
イルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリル酸」及び「(メ
タ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(b)は、例えば、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセ
タン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性
不飽和結合とを有する重合性化合物である。(b)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造
と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(
b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合
とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル
基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合があ
る)等が挙げられる。
(b1)としては、直鎖状又は分枝鎖状の不飽和脂肪族炭化水素がエポキシ化された構
造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」という場合がある)及び不飽和脂
環式炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)
」という場合がある)が挙げられる。
(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メ
タ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエー
テル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル
、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジル
エーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニ
ルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2
,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチ
ル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス
(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)
スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリ
ス(グリシジルオキシメチル)スチレン及び2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチ
ル)スチレンが挙げられる。
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4
−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;(株)ダイセル製)、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400
;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(
例えば、サイクロマーM100;(株)ダイセル製)、式(I)で表される化合物及び式
(II)で表される化合物が挙げられる。
[式(I)及び式(II)中、Rb1及びRb2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
b1及びXb2は、単結合、−Rb3−、*−Rb3−O−、*−Rb3−S−又は*−Rb3
NH−を表す。
b3は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒ
ドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキ
シプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−
ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、
3−ヒドロキシブチル基及び4−ヒドロキシブチル基が挙げられる。
b1及びRb2は、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキ
シエチル基又は2−ヒドロキシエチル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基で
ある。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、
プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基
及びヘキサン−1,6−ジイル基が挙げられる。
b1及びXb2としては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH−O
−又は*−CHCH−O−であり、より好ましくは単結合又は*−CHCH−O
−である(*はOとの結合手を表す)。
式(I)で表される化合物としては、式(I−1)〜式(I−15)のいずれかで表さ
れる化合物が挙げられる。中でも、式(I−1)、式(I−3)、式(I−5)、式(I
−7)、式(I−9)又は式(I−11)〜式(I−15)で表される化合物が好ましく
、式(I−1)、式(I−7)、式(I−9)又は式(I−15)で表される化合物がよ
り好ましい。
式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)のいずれか
で表される化合物等が挙げられる。中でも、式(II−1)、式(II−3)、式(II
−5)、式(II−7)、式(II−9)又は式(II−11)〜式(II−15)で表
される化合物が好ましく、式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)又は式(I
I−15)で表される化合物がより好ましい。
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いて
も、任意の比率で混合して用いてもよい。混合して用いる場合、式(I)で表される化合
物及び式(II)で表される化合物の含有比率はモル基準で、好ましくは5:95〜95
:5、より好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは20:80〜80:2
0である。
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体
がより好ましい。(b2)としては、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオ
キセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メ
タクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキ
セタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−ア
クリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキ
セタン及び3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタンが挙げられる。
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する
単量体がより好ましい。(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリ
レート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)及びテトラヒドロ
フルフリルメタクリレートが挙げられる。
得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点
で、(b)は、(b1)であることが好ましい。さらに、赤色着色硬化性樹脂組成物の保
存安定性が優れるという点で、(b1−2)がより好ましい。
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート
、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチ
ルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8
−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(
メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート
」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン−8−イル(メタ)
アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ
ート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)
アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナ
フチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステ
ル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2
.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5
,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6
−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[
2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−t
ert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキ
シルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボ
ニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカル
ボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキ
シカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N
−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイ
ミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイ
ミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカ
ルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトル
エン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、
イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド及びN−ベンジルマレイミドが好まし
い。
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成す
る全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜60モル%
(b)に由来する構造単位;40〜98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10〜50モル%
(b)に由来する構造単位;50〜90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、赤色着色硬化性樹脂組成物の
保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、及び得られる着色パターンの耐溶剤性
に優れる傾向がある。
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化
学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載
された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて
、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加
熱及び保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特
に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重
合開始剤としては、アゾ化合物(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシ
ド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の赤
色着色硬化性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等が挙げられる。
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは
希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したもの
を使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の赤色着色硬化性樹脂組成
物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の赤色着色硬化
性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物の
製造工程を簡略化することができる。
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成す
る全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜45モル%
(b)に由来する構造単位;2〜95モル%
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;5〜40モル%
(b)に由来する構造単位;5〜80モル%
(c)に由来する構造単位;5〜60モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、赤色着色硬化性樹脂組成物の
保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、並びに、得られる着色パターンの耐溶
剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造す
ることができる。
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成す
る全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜60モル%
(c)に由来する構造単位;40〜98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10〜50モル%
(c)に由来する構造単位;50〜90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造す
ることができる。
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2〜4の
環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させること
により製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同
様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]で挙げた
もの同様の比率であることが好ましい。
次に、前記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一
部に、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置
換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等
)等をフラスコ内に入れて、例えば、60〜130℃で、1〜10時間反応することによ
り、樹脂[K4]を製造することができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5〜80モルが好ましく、より好まし
くは10〜75モルである。この範囲にすることにより、赤色着色硬化性樹脂組成物の保
存安定性、パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱
性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテルの反応性が高く
、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1
)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
前記反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0
.001〜5質量部が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)
の合計量100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮し
て適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等
を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(
b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液を
そのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の
方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位
の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(b)に由来する構造単位;5〜95モル%
(c)に由来する構造単位;5〜95モル%
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10〜90モル%
(c)に由来する構造単位;10〜90モル%
であることがより好ましい。
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有す
る(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を
反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5〜80
モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから
、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ま
しい。
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。
環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に
、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物
、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒド
ロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒド
ロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水
物(ハイミック酸無水物)等が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用
量1モルに対して、0.5〜1モルが好ましい。
樹脂(B)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アク
リレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジ
ル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体
、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−
エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸
/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.
2.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/ビニルトルエン/ジシクロペンテ
ニル(メタ)アクリレート共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメ
チルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(
メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重
合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体に
グリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレ
ート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加
させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/
(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹
脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレート
の共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレ
ート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応
させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メ
タ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒド
ロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
中でも、樹脂(B)としては、樹脂[K1]、樹脂[K2]及び樹脂[K3]が好まし
い。
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,
000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,
000〜30,000である。分子量が前記の範囲内にあると、塗膜硬度が向上し、残膜
率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、解像度が向上する傾向がある。
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ま
しくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
樹脂(B)の酸価は、好ましくは50〜170mg−KOH/gであり、より好ましく
は60〜150−KOH/g、さらに好ましくは70〜135mg−KOH/gである。
ここで酸価は樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される
値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる
樹脂(B)の含有量は、赤色着色硬化性樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは7〜
65質量%であり、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜5
5質量%である。樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、未露光部の現像液に対す
る溶解性が高い傾向がある。
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、光や熱の作用により重合開始剤(D)から発生した活性ラジカ
ル及び/又は酸等によって重合し得る化合物であって、例えば、重合性のエチレン性不飽
和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙
げられる。
前記重合性化合物(C)としては、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合
物が好ましい。このような重合性化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘ
プタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テ
トラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ
)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びカプロラク
トン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも、ジ
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(
メタ)アクリレートが好ましい。
重合性化合物(C)の含有量は、固形分の総量に対して、7〜65質量%であることが
好ましく、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%
である。重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲にあると、着色パターンの残膜率及
び耐薬品性が向上する傾向がある。
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始し
うる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)としては、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホス
フィンオキサイド化合物、O−アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物が挙げら
れる。
O−アシルオキシム化合物は、式(d1)で表される部分構造を有する化合物である。
以下、*は結合手を表す。
O−アシルオキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスル
ファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−
フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキ
シ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オ
ン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−
9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチ
ル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメ
チルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−
アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−
3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン及びN−ベンゾイルオキシ−1−
[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−
シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンが挙げられる。イルガキュア(登録商標
)OXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等
の市販品を用いてもよい。
アルキルフェノン化合物は、式(d2)で表される部分構造又は式(d3)で表される
部分構造を有する化合物である。これらの部分構造におけるベンゼン環は置換基を有して
いてもよい。
式(d2)で表される部分構造を有する化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ
−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−
1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン及び2−(ジメチルア
ミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェ
ニル]ブタン−1−オンが挙げられる。イルガキュア(登録商標)369、907及び3
79(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
式(d3)で表される部分構造を有する化合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパ
ン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノン及びベンジルジメチルケ
タールが挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d2)で表される部分構造を有す
る化合物が好ましい。
トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシ
フェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−
メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6
−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4
−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−
6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,
4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,
5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ
−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(トリク
ロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−ト
リアジンが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF
社製)等の市販品を用いてもよい。
ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,
5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル
)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−7537
2号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロ
ロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2
,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェ
ニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−
テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号
公報、特開昭62−174204号公報等参照。)及び4,4’5,5’−位のフェニル
基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−
10913号公報等参照)が挙げられる。
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等
のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベ
ンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,
4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−
トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン
、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−
クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル及びチタノセン化合物が挙
げられる。これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組み合わせて用い
ることが好ましい。
酸発生剤としては、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホ
ナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキ
シフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニ
ルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロア
ンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニ
ウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類及
びベンゾイントシレート類が挙げられる。
重合開始剤(D)としては、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホス
フィンオキサイド化合物、O−アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる
群から選ばれる少なくとも1種を含む重合開始剤が好ましく、O−アシルオキシム化合物
を含む重合開始剤がより好ましく、O−アシルオキシム化合物及びアルキルフェノン化合
物を含む重合開始剤がさらに好ましい。
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量
部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは1〜20質量部であ
る。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲にあると、高感度化して露光時間が短縮さ
れる傾向があるため生産性が向上する。
<重合開始助剤(D1)>
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合
を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含
む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオ
キサントン化合物及びカルボン酸化合物が挙げられる。
アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソ
プロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸
エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、
4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4
,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベン
ゾフェノンが挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ま
しい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
アルコキシアントラセン化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エ
チル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エ
チル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン及び2−
エチル−9,10−ジブトキシアントラセンが挙げられる。
チオキサントン化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピル
チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン及
び1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンが挙げられる。
カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル
酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメ
チルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニ
ルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル
酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシ
ン及びナフトキシ酢酸が挙げられる。
重合開始助剤(D1)としては、チオキサントン化合物が好ましい。
また、重合開始助剤(D1)を用いる場合、その使用量は、樹脂(B)及び重合性化合
物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましく
は1〜20質量部である。また、重合開始剤(D)の含有量100質量部に対して、好ま
しくは20〜100質量部、より好ましくは30〜80質量部である。重合開始助剤(D
1)の量がこの範囲にあると、高感度でパターンを形成することができ、さらに高明度な
カラーフィルタが得られる傾向がある。
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる
。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテ
ル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(
分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−
COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及
び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤及びジメチルスルホキ
シドが挙げられる。
前記エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイ
ソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸
イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピル
ビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸
エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ−ブチロラクトンが挙げられる。
前記エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1
−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒド
ロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレング
リコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フ
ェネトール及びメチルアニソールが挙げられる。
前記エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メト
キシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸
メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エト
キシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸
エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エ
トキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキ
シ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−
メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが挙げられる。
前記ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、
2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペ
ンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロンが挙げられる。
前記アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグ
リセリンが挙げられる。
前記芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレンが挙
げられる。
前記アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド及びN−メチルピロリドンが挙げられる。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atm(101.325kPa)にお
ける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。中でも、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−
メチル−2−ペンタノン及びN,N−ジメチルホルムアミドが好ましく、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテ
ート、3−メトキシ−1−ブタノール及び3−エトキシプロピオン酸エチルがより好まし
い。
赤色着色硬化性樹脂組成物における溶剤(E)の含有量は、赤色着色硬化性樹脂組成物
に対して、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である
。言い換えると、赤色着色硬化性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5〜30質量%、よ
り好ましくは8〜25質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時
の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表
示特性が良好となる傾向がある。
<界面活性剤(F)>
界面活性剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素
原子を有するシリコーン系界面活性剤が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有して
いてもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられ
る。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH
21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(東レ・
ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP3
26、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401
、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446
、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジ
ャパン合同会社製)等が挙げられる。
前記のフッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げら
れる。具体的には、フロラード(商品名)FC430、同FC431(住友スリーエム(
株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173
、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)
製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352
(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、
同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファイン
ケミカル研究所製)等が挙げられる。
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合及びフル
オロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標
)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(DIC(株)製)等が挙
げられる。
界面活性剤(F)の含有量は、赤色着色硬化性樹脂組成物に対し、好ましくは0.00
1質量%以上0.2質量%以下であり、より好ましくは0.002質量%以上0.1質量%
以下、さらに好ましくは0.01質量%以上0.05質量%以下である。ただし、前記界
面活性剤(F)の含有量に、前記顔料分散剤の含有量は含まれない。界面活性剤(F)の
含有量が前記の範囲にあると、塗膜の平坦性を良好にすることができる。
<その他の成分>
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密
着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の
添加剤を含んでもよい。
<赤色着色硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物は、例えば、化合物(1a)、顔料(A2)、樹脂
(B)、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)、並びに必要に応じて用いられる染料
(A3)、重合開始助剤(D1)、溶剤(E)、界面活性剤(F)及びその他成分を混合
することにより調製できる。
顔料(A2)は、予め溶剤(E)の一部又は全部と混合し、顔料の平均粒子径が0.2
μm以下程度となるまで、ビーズミル等を用いて分散させることが好ましい。この際、必
要に応じて前記顔料分散剤、樹脂(B)の一部又は全部を配合してもよい。得られた顔料
分散液に、化合物(1a)、樹脂(B)の残り、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D
)、溶剤(E)の残り、並びに、必要に応じて使用される染料(A3)、重合開始剤(D
)、重合開始助剤(D1)、界面活性剤(F)及びその他の成分等を、所定の濃度となる
ように混合することにより、目的の赤色着色硬化性樹脂組成物を調製できる。
染料(A3)を含む場合の染料(A3)及び化合物(1a)は、予め溶剤(E)の一部
又は全部にそれぞれ溶解させて溶液を調製してもよい。該溶液を、孔径0.01〜1μm
程度のフィルタでろ過することが好ましい。
上記のとおり混合して調製された赤色着色硬化性樹脂組成物を、孔径0.1〜10μm
程度のフィルタでろ過することが好ましい。
<赤色カラーフィルタの製造方法>
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物から赤色カラーフィルタの着色パターンを製造する
方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも
、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、前記赤色着色硬化性樹脂組成
物を基板に塗布し、乾燥させて組成物層を形成し、フォトマスクを介して該組成物層を露
光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを
用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記組成物層の硬化物である着色塗膜
を形成することができる。
作製する赤色カラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調
整することができ、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μm、さらに好
ましくは0.5〜6μmである。
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリ
カコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル
酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニ
ウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板
上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことが
できる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、赤色着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又
は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な組成物層を得る

塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコ
ート法等が挙げられる。
加熱乾燥を行う場合の温度は、30〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ま
しい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜3
0分間であることがより好ましい。
減圧乾燥を行う場合は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の温度範囲で行うこ
とが好ましい。
組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とする赤色カラーフィルタの膜厚に応じて適
宜選択すればよい。
次に、組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光さ
れる。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターン
が用いられる。
露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ま
しい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカット
したり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取
り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀
灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと基材との正確な位置合わせ
を行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好
ましい。
露光後の組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが
形成される。現像により、組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液と
しては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラ
メチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。これらのアルカリ性化合
物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.0
3〜5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現
像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
さらに、得られた着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク
温度は、150〜250℃が好ましく、160〜235℃がより好ましい。ポストベーク
時間は、1〜120分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
かくして得られた着色パターン及び着色塗膜は、赤色カラーフィルタとして有用である
。本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物によれば、特に高明度な赤色カラーフィルタを作製
することができるため、該赤色カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有
機EL装置等)、電子ペーパー、固体撮像素子等に用いられる赤色カラーフィルタとして
有用である。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を
表す%及び部は、特記ない限り、質量基準である。
以下において、化合物の構造は質量分析(LC;Agilent製1200型、MAS
S;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
〔合成例1〕
式(1x)で表される化合物12部とN−メチル−2−ピロリドン60部とピペリジン
(東京化成工業(株)製)12.6部とを混合し、得られた混合物を60℃で5時間攪拌
した。上記の反応液を室温まで冷却後、水600部、35%塩酸100部の混合液中に添
加し室温で1時間攪拌した。析出した結晶を吸引濾過の残渣として取得後乾燥し、式(1
−47)で表される化合物12.4部を得た。収率は83%であった。
式(1−47)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= [M+H] 503.4
Exact Mass: 502.2
〔合成例2〕
式(1x)で表される化合物15部とN−メチル−2−ピロリドン75部とデカヒドロ
キノリン(東京化成工業(株)製)25.8部とを混合し、得られた混合物を110℃で
24時間攪拌した。上記の反応液を室温まで冷却後、水600部、35%塩酸100部の
混合液中に添加し室温で1時間攪拌した。析出した結晶を吸引濾過の残渣として取得後乾
燥し、式(1−49)で表される化合物19.5部を得た。収率は86%であった。
式(1−49)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= [M+H] 611.4
Exact Mass: 610.3
〔合成例3〕
式(1x)で表される化合物20部とN−エチル−o−トルイジン(和光純薬工業(株
)製)200部とを遮光条件下混合し、得られた溶液を110℃で6時間攪拌した。得ら
れた反応液を室温まで冷却後、水800部、35%塩酸50部の混合液中に添加し室温で
1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を吸引濾過の残渣として取得後乾
燥し、式(1−50)で表される化合物24部を得た。収率は80%であった。
式(1−50)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]603.4
Exact Mass:602.2
〔合成例4〕
式(1x)で表される化合物12部とN−メチル−2−ピロリドン60部と1−メチル
ピペリジン(東京化成工業(株)製)14.7部とを混合し、得られた混合物を60℃で
5時間攪拌した。上記の反応液を室温まで冷却後、水600部、35%塩酸100部の混
合液中に添加し室温で1時間攪拌した。析出した結晶を吸引濾過の残渣として取得後乾燥
し、式(1−48)で表される化合物13.8部を得た。収率は88%であった。
式(1−48)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= [M+H]531.2
Exact Mass: 530.2
〔合成例5〕
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A1−1a)で表される化合物及び式(
A1−1b)表される化合物の混合物(商品名Chugai Aminol Fast Pink R;中外化成製
)を15部、クロロホルム150部及びN,N−ジメチルホルムアミド8.9部を投入し
、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル10.9部を滴下して加えた。滴下終
了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷
却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン12.
5部及びトリエチルアミン22.1部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時
間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留
去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、イオン交換水375
部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン
交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、染料(ア)(式(A1−1−1)〜式(A
1−1−8)で表される化合物の混合物)11.3部を得た。
〔合成例6〕
撹拌機、温度計、還流冷却器及び、滴下ロートを備えたフラスコ内に窒素を0.02L
/分で流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30
5部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、アクリル酸60部、3,4−エ
ポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表され
る化合物及び式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合。)44
0部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート140部に溶解して溶液を
調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に
滴下した。
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部をプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート225部に溶解した溶液を、別の滴下ロ
ートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後
、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、重量平均分子量(Mw)は、9.
1×10、分子量分布が2.16、固形分34.8%、固形分換算の酸価は81mgK
OH/gの樹脂B1溶液を得た。樹脂B1は下記に示す構造単位を有する。
合成例で得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、
GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、
F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn
)を分子量分布とした。
実施例1〜12
表1及び表2に示す組成となるように各成分を混合して赤色着色硬化性樹脂組成物を得
た。
1) 顔料は、顔料分散剤及びE-12)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテートと混合し、予め分散させた。
2) E-12)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート含有量の合計を表
す。
1) 顔料は、顔料分散剤及びE-12)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテートと混合し、予め分散させた。
2) E-12)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート含有量の合計を表
す。
なお、表1及び表2中、各成分は以下のものを表す。また、樹脂(B)は、固形分換算
の質量部を示した。
化合物(1a):A1−1:式(1−47)で表される化合物
化合物(1a):A1−2:式(1−49)で表される化合物
化合物(1a):A1−3:式(1−50)で表される化合物
化合物(1a):A1−4:式(1−48)で表される化合物
化合物(1a):A1−5:式(1−41)で表される化合物
化合物(1a):A1−6:式(1−37)で表される化合物
顔料(A2):A2−1:C.I.ピグメントレッド254
顔料(A2):A2−2:C.I.ピグメントレッド242
顔料(A2):A2−3:C.I.ピグメントレッド177
樹脂(B):樹脂B1
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(
登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D):N−1919(ADEKA社製;O−アシルオキシム化合物)
重合開始助剤(D1):2,4−ジエチルチオキサントン(KAYACURE(登録商
標) DETX−S;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D2): OXE01(チバスペシャリティケミカルズ)
溶剤(E):E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E):E−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
溶剤(E):E−3:ダイアセトンアルコール
界面活性剤(F):フッ素系界面活性剤(メガファック(登録商標)F554;DIC
(株)製)
〔着色パターンの作製〕
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、赤色着色硬化性樹脂
組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして組成物層を形
成した。放冷後、基板上の組成物層とパターンを有する石英ガラス製フォトマスクとの間
隔を100μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、
大気雰囲気下、150mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射した。尚、フォ
トマスクとしては、100μmラインアンドスペースパターンが形成されたマスクを使用
した。光照射後、上記塗膜を、非イオン系界面活性剤0.12%と炭酸ナトリウム2%を
含む水系現像液に23℃で80秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、230℃で20分
間ポストベークを行い、着色パターンを得た。
〔膜厚測定〕
得られた着色パターンについて、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)
製))を用いて膜厚を測定した。結果を表3に示す。
〔色度評価〕
得られたガラス基板上の着色パターンについて、測色機(OSP−SP−200;オリ
ンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の等色関数を用いてCIEのXYZ表色
系におけるxy色度座標(x、y)及び三刺激値Yを測定した。Yの値が大きいほど明度
が高いことを表す。結果を表3に示す。
〔コントラスト評価〕
フォトマスクを使用せずに露光し、現像を行わない以外は着色パターンの形成と同様の
操作を行い、ガラス基板上の着色塗膜を作製した。該得られたガラス基板上の着色塗膜に
ついて、コントラスト測色機(CT−1;壺坂電機社製、検出器;BM−5A、光源;F
−10)を用いて、ブランク値を30000としてコントラストを測定した。ガラス基板
上の着色塗膜を、偏光フィルム(POLAX−38S;ルケオ社製)ではさんだものを測
定サンプルとした。結果を表3に示す。
実施例13
式(1−47)で表される化合物を染料(ア)に代える以外は実施例1の同様にして赤
色着色硬化性樹脂組成物を調製する。該赤色着色硬化性樹脂組成物について、実施例1と
同様の操作を行い、高明度な着色パターンを得る。
実施例14
式(1−47)で表される化合物をC.I.アシッドレッド52に代える以外は実施例
1の同様にして赤色着色硬化性樹脂組成物を調製する。該赤色着色硬化性樹脂組成物につ
いて、実施例1と同様の操作を行い、高明度な着色パターンを得る。
本発明の赤色着色硬化性樹脂組成物によれば、高明度な赤色カラーフィルタを製造する
ことができる。

Claims (4)

  1. 着色剤、樹脂、重合性化合物及び重合開始剤を含み、
    着色剤が、式(1a)で表される化合物と、黄色顔料、オレンジ色顔料及び赤色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料とを含む着色剤である赤色着色硬化性樹脂組成物。

    [式(1a)中、R1 、R 2 は、互いに独立に炭素数3〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、R 3 、R 4 は、互いに独立に炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、これらの飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜3のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい
    5 、−SO3 -、−SO3H、又は−SO3 - + 表す。
    6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR5は同一でも異なってもよい。
    aは、0又は1の整数を表す。
    Xは、ハロゲン原子を表す。
    +は、+N(R114、Na+又はK+を表す
    11 は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
  2. 顔料が、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242及びC.I.ピグメントレッド254からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の赤色着色硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の赤色着色硬化性樹脂組成物により形成される赤色カラーフィルタ。
  4. 請求項3記載の赤色カラーフィルタを含む表示装置。
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