JP6166309B2 - ポリカーボネート共重合体 - Google Patents
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Description
高透明性、高屈折率、低複屈折であって且つ高成形流動性の全ての特性をバランス良く満足する光学レンズ用ポリカーボネート共重合体は、いまだ達成されていない。
1.50〜2モル%の下記式(I)で表される構成単位及び50〜98モル%で表される下記式(II)で表される構成単位を含有し、比粘度0.12〜0.40であり、下記式(III)で表されるジオール成分の含有量が5〜100ppmであり、且つフェノール含有量が1〜60ppmであるポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
2.式(II)中のYは、エチレン基であり、R9、R10が水素原子である前記1に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
3.式(I)中のR1〜R8が、水素原子である前記1に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
4.式(I)中のnが1である前記1に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
5.式(I)に記載の構成単位が、1,1−ビ(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ナフチル)構造である前記1に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
6.屈折率が1.640〜1.665である前記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
7.配向複屈折が0〜6×10−3である前記1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
8.50〜20モル%の上記式(I)で表される構成単位及び50〜80モル%で表される上記式(II)で表される構成単位を含有し、比粘度0.12〜0.40である前記1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
9.前記1〜8のいずれかに記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物からなる光学部材。
10.前記1〜9のいずれかに記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物からなる光学レンズ。
11.中心部の厚みが0.05〜3.0mm、レンズ部の直径が1.0〜20.0mmである前記10に記載の光学レンズ。
以下、本発明の光学レンズ用ポリカーボネート共重体を構成する各成分、それらの配合割合、調整方法等について、順次具体的に説明する。
本発明のポリカーボネート共重合体における一般式(I)で表される構造において、好ましくはnが0もしくは、1であり、さらに好ましくはnが0である。
本発明のポリカーボネート共重合体における一般式(I)で表される構造において、酸素原子の結合位置は、特に限定されず、対称形でも非対称形でも良いが、対称形の方が構造制御、複屈折低減の面で好ましい。特に好ましくは、1,1−ビ−2−ナフチル構造または、1,1−ビ(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ナフチル構造である。ナフチル構造は、一つの結合の両側の環構造がお互いに立体障害をなり、同一平面内に存在せず、複屈折が低くなる。
本発明におけるR9、R10が水素原子もしくは、メチル基である事が好ましい。
本発明のポリカーボネート共重合体の比粘度は、0.12〜0.40、好ましくは0.15〜0.35、さらに好ましくは0.18〜0.35の範囲である。比粘度は、0.7gのポリカーボネート共重合体を100mlの塩化メチレンに溶解し20℃で測定する。比粘度が0.12未満では成形体が脆くなり、0.40より高くなると溶融粘度および溶液粘度が高くなり、流動性が低下し、充填不足等の射出成形不良になる。また、湿式成形時の溶剤への溶解性、安定性が低下し、溶剤から析出するなど湿式成形が出来なくなる。
ν=(nD−1)/(nF−nC)
nD:波長589nmでの屈折率
nF:波長656nmでの屈折率
nC:波長486nmでの屈折率
本発明のポリカーボネート共重合体の分光透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは81%以上、さらに好ましくは82%以上である。透過率は、厚さ0.1mmの成形板を波長395nmにおいて測定する。分光透過率が、80%以上出なければ、光学部材として好ましくない。
本発明のポリカーボネート共重合体の280℃、せん断速度1000/secにおける溶融粘度は、好ましくは30〜300Pa・s、より好ましくは30〜250Pa・s、さらに好ましくは50〜200Pa・sである。
フェノールの含有量は、高真空化つまり1.3kPa以下での反応時間により調整できる。1.3kPa以下の真空度での反応を行わない場合は、フェノールの含有量が多くなる。又、反応時間が長すぎると、樹脂中より留去しすぎてしまう。
本発明のポリカーボネート共重合体中の下記式(III)で表されるジオール成分の含有量は、好ましくは5〜500ppm、より好ましくは5〜400ppm、さらに好ましくは5〜300ppmである。
本発明のポリカーボネート共重合体は、ジオール成分とカーボネート前駆体を反応させることにより製造することができる。
本発明のポリカーボネート共重合体における一般式(IV)で表されるジオールは、R13〜R20が水素原子である事が好ましい。
本発明のポリカーボネート共重合における一般式(IV)で表されるジオールはpが0〜1である事が好ましい。
本発明のポリカーボネート共重合体における一般式(IV)で表されるジオールは、酸素原子の結合位置は、特に限定されず、対称形でも非対称形でも良いが、対称形の方が構造制御、複屈折低減の面で好ましい。特に好ましくは、1,1−ビ−2−ナフトールもし
くは、1,1−ビ(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ナフチルである。ナフチル構造は、一つの結合の両側の環構造がお互いに立体障害をなり、同一平面内に存在せず、複屈折が低くなる。
また、1,1−ビ−2−ナフトールは、R体、S体、ラセミ体のいずれでも良い。
本発明のポリカーボネート共重合体における一般式(III)で表されるジオールは、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンである事が好ましい。
該ジオールの含有量は、好ましくは98〜50モル%以上、より好ましくは90〜50モル%、さらに好ましくは85〜55モル%以上である。
カーボネート前駆体として、ホスゲンや、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンのビスクロロホーメートや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等の炭酸ジエステルが挙げられる。なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
ジオールとホスゲンとの反応では、非水系で酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、第三級アミン等が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレンやクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間が好ましい。
重合触媒としてはアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を主成分として用い、必要に応じて含窒素塩基性化合物を従成分として用いても良い。
これらの触媒は単独で用いても、二種以上併用してもよく、これらの重合触媒の使用量はジオール成分の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で用いられる。また、色相改善のために酸化防止剤や熱安定剤等を加えてもよい。
触媒失活後、樹脂中の低沸点化合物を133〜13.3Paの圧力、200〜320℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良い。
本発明の光学レンズは、本発明のポリカーボネート重合体を例えば、射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、キャスティングして成形することができる。
本発明の光学レンズには、本発明の目的を損なわない範囲で各種特性を付与するために、各種添加剤を含有してもよい。添加剤として、離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、帯電防止剤、難燃剤、熱線遮蔽剤、蛍光染料(蛍光増白剤含む)、顔料、光拡散剤、強化充填剤、他の樹脂やエラストマー等を配合することができる。
具体的に一価アルコールと飽和脂肪酸とエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等が挙げられる。ステアリルステアレートが好ましい。
離型剤中の前記エステルの量は、離型剤を100重量%とした時、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましい。
熱安定剤としては、リン系熱安定剤、硫黄系熱安定剤およびヒンダードフェノール系熱安定剤が挙げられる。
ポリカーボネート共重合体中のリン系熱安定剤の含有量は、ポリカーボネート共重合体100重量部に対して0.001〜0.2重量部が好ましい。
ポリカーボネート共重合体中の硫黄系熱安定剤の含有量は、ポリカーボネート共重合体100重量部に対して0.001〜0.2重量部が好ましい。
ポリカーボネート共重合体中のヒンダードフェノール系熱安定剤の含有量は、共重合体100重量部に対して0.001〜0.3重量部であることが好ましい。
リン系安定剤とヒンダードフェノール系熱安定剤は、併用することもできる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、環状イミノエステル系紫外線吸収剤およびシアノアクリレート系からなる群より選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤が好ましい。
紫外線吸収剤の含有量は、ポリカーボネート共重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜3.0重量部であり、より好ましくは0.02〜1.0重量部であり、さらに好ましくは0.05〜0.8重量部である。かかる配合量の範囲であれば、用途に応じ、ポリカーボネート共重合体成形体に十分な耐候性を付与することが可能である。
ブルーイング剤の配合量は、ポリカーボネート共重合体に対して好ましくは0.05〜1.5ppmであり、より好ましくは0.1〜1.2ppmである。
各成分を均一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混練装置にそれぞれ別個
に定量供給する方法も用いることができる。
また、本発明の光学レンズは、光学歪みが小さいことを特徴とする。一般的なビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂からなる光学レンズは光学歪みが大きい。成形条件によりその値を低減することも不可能ではないが、その条件幅は非常に小さく成形が非常に困難となる。本発明のポリカーボネート共重合体は、樹脂の配向により生じる光学歪みが極めて小さく、また成形歪みも小さいため、成形条件を厳密に設定しなくても良好な光学素子を得ることができる。
本発明の光学レンズは、必要に応じて非球面レンズの形で用いることが好適に実施される。非球面レンズは、1枚のレンズで球面収差を実質的にゼロとすることが可能であるため、複数の球面レンズの組み合わせで球面収差を取り除く必要がなく、軽量化および生産コストの低減化が可能になる。従って、非球面レンズは、光学レンズの中でも特にカメラレンズとして有用である。
また、本発明の光学レンズは、金型成形、切削、研磨、レーザー加工、放電加工、エッジングなど任意の方法により成形されてもよい。さらには、金型成形がより好ましい。
参考例1〜4、実施例5〜7、比較例1〜6
評価用サンプルは以下の方法で調製した。
(a)キャストフィルム:
得られたポリカーボネート共重合体5gを塩化メチレン50mlに溶解させ、ガラスシャーレ上にキャストする。室温にて十分に乾燥させた後、該ポリカーボネート共重合体のTgから20℃以下の温度にて8時間乾燥して。キャストフィルムを作成した。
(b)非球面レンズ:
得られたポリカーボネート共重合体を120℃で8時間真空乾燥した後、成形温度Tg+110℃、金型温度Tg−10℃にて、住友重機械(株)製SE30DU射出成形機を用いて厚さ0.3mm、凸面曲率半径5mm、凹面曲率半径4mm、Φ5mmのレンズを射出成形した。
(c)成形片
上記(b)と同様に、幅2.5cm、長さ5cm、厚みがそれぞれ1、2、3mmの成形片を射出成形した。
(1)比粘度:重合終了後に得られたポリカーボネート共重合体ペレットを十分に乾燥し、該ペレット0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、その溶液の20℃における比粘度(ηsp)を測定した。
395nmにおける透過率が80%以上:○
395nmにおける透過率が80%より低い:×
Δn=Re/d
Δn:配向複屈折
Re:位相差
d:厚さ
◎:殆ど光漏れがない。
○:僅かに光漏れが認められる。
×:光漏れが顕著である。
重合後得られたポリカーボネート共重合体中のジオール含有量を野村化学製Develosil ODS−7のカラムにて溶離液アセトニトリル/0.2%酢酸水とアセトニトリルとの混合液を用いて、カラム温度30℃、検出器277nmでグラジエントプログラムにてHPLC分析した。ジオールおよび、フェノールは標品を用い、検量線を作成し定量した。測定は、概ポリカーボネート共重合体1.5gを塩化メチレン15mlに溶解させた後、アセトニトリル135mlを加え攪拌し、エバポレーターで濃縮した後、0.2μmフィルターでろ過し、この測定溶液10μlを注入して行った。
Δηsp=(ηsp1/ηsp0)×100
※Δηsp:比粘度保持率、ηsp0:試験前の比粘度、ηsp1:試験後の比粘度
Δηsp=(ηsp1/ηsp0)×100
※Δηsp:比粘度保持率、ηsp0:試験前の比粘度、ηsp1:試験後の比粘度
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下“BPE
F”と省略する)157.86重量部、1,1’−ビ−2−ナフトール(以下“BN”と
省略することがある)11.45重量部、DPC89.97重量部、及びテトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド1.82×10−2重量部を攪拌機および留出装置付きの反応
釜に入れ、窒素雰囲気常圧下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分か
けて減圧度を20〜30kPaに調整し、60℃/hrの速度で260℃まで昇温し、エ
ステル交換反応を行った。その後、260℃に保持したまま、120分かけて0.13k
Pa以下まで減圧し、260℃、0.13kPa以下の条件下で1時間攪拌下重合反応を
行った。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBNとのモル比が90:10であり
、比粘度は0.224、Tgは149℃、未反応BPEF300ppm、残存PhOH2
50ppmであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基
準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.0
50%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ3
0mm単軸押出機を用いてペレット化した。耐湿熱性は、良好で湿熱試験後の比粘度保持
率は、90%であった。また、耐熱性も良好で耐熱性試験後の比粘度保持率は、80%で
あった。
BPEF140.32重量部、BNと22.91重量部とする以外は、参考例1と同様
に重合した。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBNとのモル比が80:20であり、比粘度
は0.220、Tgは152℃、未反応BPEF200ppm、残存PhOH200pp
mであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基
準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.0
50%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ3
0mm単軸押出機を用いてペレット化した。耐湿熱性は、良好で湿熱試験後の比粘度保持
率は、90%であった。また、耐熱性も良好で耐熱性試験後の比粘度保持率は、85%で
あった。
BPEF122.78重量部、BNと34.36重量部とする以外は、参考例1と同様
に重合した。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBNとのモル比が70:30であり、比粘度
は0.215、Tgは154℃、未反応BPEF150ppm、残存PhOH100pp
mであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基
準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.0
50%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ3
0mm単軸押出機を用いてペレット化した。耐湿熱性は、良好で湿熱試験後の比粘度保持
率は、93%であった。また、耐熱性も良好で耐熱性試験後の比粘度保持率は、85%で
あった。
BPEF87.70重量部、BNと57.26重量部とする以外は、参考例1と同様に
重合した。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBNとのモル比が50:50であり、比粘度
は0.198、Tgは159℃、未反応BPEF90ppm、残存PhOH50ppmで
あった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基
準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.0
50%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ3
0mm単軸押出機を用いてペレット化した。耐湿熱性は、良好で湿熱試験後の比粘度保持
率は、94%であった。また、耐熱性も良好で耐熱性試験後の比粘度保持率は、90%で
あった。
BPEF140.32重量部、1,1−ビ(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン)(以下“BL−2EO”と省略することがある)29.96重量部、DPC89.97重量部、及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド1.82×10−2 重量部を撹拌機および留出装置付きの反応釜に入れ、窒素雰囲気常圧下、180℃に加熱し、20分間撹拌した。その後、20分かけて減圧度を20〜30kPaに調製し、60℃/hrの速度で260℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。その後、260℃に保持したまま、120分かけて0.13kPa以下まで減圧し、260℃、0.13kPa以下の条件下で1時間撹拌下重合反応を行った。該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBL−2EOとのモル比が80:20であり、比粘度は、0.218、Tgは140℃、未反応BPEF150ppm、残存PhOH300ppmであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基
準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。耐湿熱性は、良好で湿熱試験後の比粘度保持率は、95%であった。また、耐熱性も良好で耐熱試験後の比粘度保持率は、85%であった。
BPEF87.70重量部、BL−2EOと74.89重量部とする以外は、実施例5と同様に重合した。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBL−2EOとのモル比が50:50であり、比粘度は0.202、Tgは134℃、未反応BPEF100ppm、残存PhOH60ppmであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。耐湿熱性は、良好で湿熱試験後の比粘度保持率は、95%であった。また、耐熱性も良好で耐熱性試験後の比粘度保持率は、90%であった。
ビスフェノールフルオレン(以下“BPFL”と省略することがある)70.08重量部、BL−2EOと74.89重量部とする以外は、実施例5と同様に重合した。
該ポリカーボネート共重合体はBPFLとBL−2EOとのモル比が50:50であり、比粘度は0.230、Tgは159℃、未反応BPFL200ppm、残存PhOH250ppmであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。耐湿熱性は、良好で湿熱試験後の比粘度保持率は、90%であった。また、耐熱性も良好で耐熱性試験後の比粘度保持率は、80%であった。
BPEF175.40重量部、BN00.0重量部、DPC94.26g、260℃、0.13kPa以下の条件下での反応時間を0.5時間とするとする以外は、実施例1と同様に重合した。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBNとのモル比が100:0であり、比粘度は0.223、Tgは147℃、未反応BPEF550ppm、残存PhOH600ppmであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。耐湿熱性は、湿熱試験後の比粘度保持率は、65%であった。また、耐熱性試験後の比粘度保持率は、60%であった。
BPEF70.16重量部、BNと68.72重量部、260℃、0.13kPa以下の条件下での反応時間を3時間とする以外は、実施例1と同様に重合した。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBNとのモル比が40:60であり、比粘度は0.250、Tgは163℃、未反応BPEF900ppm、残存PhOH800ppmであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。
BPEF87.70重量部、BNと57.16重量部、260℃、0.13kPa以下の条件下での反応時間を3時間とする以外は、実施例1と同様に重合した。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBNとのモル比が40:60であり、比粘度は0.450、Tgは170℃、未反応BPEF50ppm、残存PhOH30ppmであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下“BPA”と省略する)114重量部(50モル%相当)、BPEF219重量部(50モル%相当)とジフェニルカーボネート218重量部およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド9.1×10−3重量部、水酸化ナトリウム4.0×10−4重量部を、攪拌装置、蒸留器および減圧装置を備えた反応層に仕込み、窒素置換をした後140℃で溶融した。30分攪拌後、内温を180℃に上昇しつつ徐々に減圧し100mmHgで30分間反応させ生成するフェノールを留去した。
次に200℃に昇温しつつ徐々に減圧し、50mmHgで30分間フェノールを留出せしめ反応させた。さらに220℃/30mmHgまで除々に昇温、減圧し、同温、同圧で30分、さらに240℃/10mmHg、260℃/1mmHgまで上記と同じ手順で昇温、減圧を繰り返して反応を続行し、最終的に260℃/1mmHg以下で1時間反応せしめた。
その後装置内を窒素置換し、末端封止剤としてビス(2―メトキシカルボニルフェニル)カーボネート10.3重量部を添加して5分間攪拌したのち徐々に減圧し、最終的に260℃/1mmHgで30分間攪拌した。その後装置内を窒素置換し、中和剤としてドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩1.2×10−2重量部を添加し攪拌した。以上の要領で重合を行ったところ、反応物の溶融粘度は低く、重合は順調に進行した。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBPAとのモル比が50:50であり、比粘度は0.47、Tgは、147℃、未反応BPEF500ppm、残存PhOH300ppmであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。
BPA57重量部(25モル%相当)、BPEF329重量部(75モル%相当)を用いた以外は、比較例4と同様に重合した。
該ポリカーボネート共重合体はBPEFとBPAとのモル比が75:25であり、比粘度は0.500、Tgは146℃、未反応BPEF450ppm、残存PhOH350ppmであった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。
8.8%(w/v)の水酸化ナトリウム水溶液580Lに、1,1’−ビ−2−ナフトール2.86kg(以下BN1、10mol)と2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下BPA、30mol)68.4g及びハイドロサルファイト10gを加え溶解した。これにメチレンクロライド36Lを加え、15℃に保ちながら撹拌しつつ、p−ターシャルブチルフェノール375gを加え、ついでホスゲン5kgを50分かけて吹き込んだ。
吹き込み終了後、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム5gを加え激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後20mlのトリエチルアミンを加え、約1時間撹拌し重合させた。重合液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液の導電率が10μS以下になるまで水洗を繰り返した後、精製樹脂液を得た。得られた精製樹脂液を、強攪拌されている45℃の温水に樹脂液をゆっくり滴下し、溶媒を除去しつつ重合物を固形化した。固形物を濾過後、乾燥して白色粉末状重合体を得た。
該ポリカーボネート共重合体はBNとBPAとのモル比が25:75であり、比粘度は0.710、Tgは173℃であった。
作成したポリマーを120℃で4時間真空乾燥した後、得られる樹脂組成物の重量を基準としてビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.050%、ペンタエリスリトールテトラステアレートを0.10%加えて、ベント付きφ30mm単軸押出機を用いてペレット化した。
Claims (11)
- 50〜2モル%の下記式(I)で表される構成単位及び50〜98モル%で表される下記式(II)で表される構成単位を含有し、比粘度0.12〜0.40であり、下記式(III)で表されるジオール成分の含有量が5〜100ppmであり、且つフェノール含有量が1〜60ppmであるポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
- 式(II)中のYは、エチレン基であり、R9、R10が水素原子である請求項1に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
- 式(I)中のR1〜R8が、水素原子である請求項1に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
- 式(I)中のnが1である請求項1に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
- 式(I)に記載の構成単位が、1,1−ビ(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ナフチル)構造である請求項1に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
- 屈折率が1.640〜1.665である請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
- 配向複屈折が0〜6×10−3である請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
- 50〜20モル%の上記式(I)で表される構成単位及び50〜80モル%で表される上記式(II)で表される構成単位を含有し、比粘度0.12〜0.40である請求項1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物からなる光学部材。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリカーボネート共重合体樹脂組成物からなる光学レンズ。
- 中心部の厚みが0.05〜3.0mm、レンズ部の直径が1.0〜20.0mmである請求項10に記載の光学レンズ。
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