JP6165640B2 - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、配線基板およびその製造方法に関する。
近年、高密度実装技術としてSoC(System on Chip)、およびSiP(System in Package)が提案され、小型化、高集積化、多機能化、低コスト、等の観点から開発競争が活発化している。これらの技術においては、機能の異なる複数の半導体チップが一個のパッケージやモジュールとして構成される。それらのチップの接合技術としてワイヤボンディング以外に貫通ビア、バンプ電極、基板の直接接合といった層間移動配線技術が使われている。
また、それらの層間移動配線技術を用いた実装技術として、半導体チップを封止した配線基板上に他の配線基板を搭載するPoP(Package on Package)と呼ばれる3次元実装技術が提案されている。例えばPoPにおける形態のひとつは、基板の一方の主表面に半導体チップを搭載した配線基板に、連結基板によって連結された多数の内部接続用電極を接続して電極配線を形成し、さらに他の配線基板を搭載したものである。
PoPにおいて、内部接続用電極としてモールド貫通ビアが広く使われている。モールド貫通ビアの形態のひとつは、フィラー含有樹脂の貫通穴内部に導電体が充填された構造である。フィラー含有樹脂は、Siなどの電子部品との熱膨張率を近づけるため、無機フィラーを80%以上含むことが多い。また、無機フィラーはモールド樹脂とは誘電率が大きく異なることが一般的である。
フィラー含有樹脂に形成されたモールド貫通ビアは電子部品と接続されており、そのモールド貫通ビアを通過する信号の周波数帯域は1GHz以上の高周波帯域である。該周波帯域の信号の挿入損失は貫通ビア周囲の誘電率に大きく影響を受ける。無機フィラーの誘電率は例えば4程度、モールド樹脂の誘電率は例えば3程度であるが、この場合誘電率に差がある物質同士が該樹脂内に不均一に存在することになり、挿入損失が大幅に増大する。
特開2010−67623号公報
本発明が解決しようとする課題は、電力損失の小さい貫通ビアを備えた配線基板、およびその製造方法の提供にある。
実施形態の配線基板は、貫通ビアと、貫通ビアの周囲に配置された第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜の周囲に配置され第1の絶縁膜の比誘電率より低い比誘電率を有する第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜の周囲に配置され第2の絶縁膜の比誘電率より高い比誘電率を有する第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜の周囲に配置されたフィラー含有樹脂と、を備える。
第1の実施形態の配線基板の模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の模式上面図。 第1の実施形態の配線基板のA−A’線における模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第1の実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図。 第2の実施形態の配線基板の模式断面図。 第2の実施形態の配線基板の模式上面図。 第2の実施形態の配線基板のA−A’線における模式断面図。 第3の実施形態の配線基板の模式断面図。 第3の実施形態の配線基板の模式上面図。 第4の実施形態の配線基板の模式断面図。 第4の実施形態の配線基板の模式上面図。 第5の実施形態の配線基板の模式断面図。 第6の実施形態の配線基板の模式断面図。 第6の実施形態の配線基板の模式上面図。 第7の実施形態の配線基板の模式断面図。 第7の実施形態の配線基板の模式上面図。 第8の実施形態の配線基板の模式断面図。 第8の実施形態の配線基板の模式上面図。 第9の実施形態に用いられる配線基板200の模式断面図。 第9の実施形態の半導体装置300の模式断面図。 比較例1の配線基板の模式断面図。 比較例1の配線基板のA−A’線における模式断面図。 比較例2の配線基板の模式断面図。 比較例2の配線基板のA−A’線における模式断面図。 比較例3の配線基板の模式断面図。 比較例3の配線基板のA−A’線における模式断面図。 実施例1、比較例1、比較例2および比較例3の配線基板における貫通ビアのS21の周波数依存性を示す図。 貫通ビアの周囲の絶縁膜の膜厚と損失との関係を示す図。 貫通ビアの表面と第2の絶縁膜の中央との距離と、損失の関係を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態の配線基板は、貫通ビアと、貫通ビアの周囲に配置された第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜の周囲に配置され第1の絶縁膜の比誘電率より低い比誘電率を有する第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜の周囲に配置され第2の絶縁膜の比誘電率より高い比誘電率を有する第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜の周囲に配置されたフィラー含有樹脂と、を備える。
図1は、本実施形態の配線基板100の模式断面図である。図2は本実施形態の配線基板100の模式上面図であり、図3は本実施形態の配線基板100のA−A’線における模式断面図である。
貫通ビア10は、たとえば配線基板上に配置された半導体チップ等に送られる、または半導体チップ等から送られた、電気信号が通過するものである。貫通ビア10の材料は、高導電性を得るため、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)、Sn(スズ)および導電性有機物質からなる群から選択される少なくとも一種類の導電体を備えることが好ましい。特に好ましい貫通ビア10の材料は、一般的に電気配線に用いられるAu、AgおよびCuといった金属である。
なお、他の金属、たとえばLi、Be、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Cd、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Pm、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luといった金属、および上記記載の金属の合金も好ましく用いることができる。
貫通ビア10に用いられる導電性有機物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ(p-フェニレン)、ポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセン、グラフェンといった有機物質が好ましく用いられる。
第1の絶縁膜12は貫通ビア10の周囲に、第1の絶縁膜の比誘電率より低い比誘電率を有する第2の絶縁膜14は第1の絶縁膜12の周囲に、そして第2の絶縁膜の比誘電率より高い比誘電率を有する第3の絶縁膜16は第2の絶縁膜14の周囲に、それぞれ配置される。
第1の絶縁膜12と、第2の絶縁膜14と、第3の絶縁膜16との材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリカーボネート(PC)、ポリテレフタル酸エチレン(PET)、パリレン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(PI)、ベンゾシクロブテン(BCB)、シクロペンテン(CyPe)、ポリシルセスキオキサン(PSQ)およびSOG(スピンオングラス)が好ましく用いられる。この中でも特にポリイミド(PI)やSOG(スピンオングラス)は好ましく用いられる。
第1の絶縁膜12と、第2の絶縁膜14と、第3の絶縁膜16との誘電率は、たとえば、公知の技術を用いて適宜上記の物質群から複数の物質を混合したり、公知の技術を用いて適宜合成条件を変更する等のことにより、制御することができる。
第3の絶縁膜16の周囲にはフィラー含有樹脂20が配置される。ここでフィラー含有樹脂20はフィラー22と樹脂24とを備える。
フィラー22は、一般に熱膨張の制御等に用いるものであり、たとえば、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの無機酸化物粒子や、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸ビスマスなどの誘電体粒子を好ましく用いることができる。この中で、特に、シリカは好ましく用いられる。
樹脂24としては、たとえば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などを好ましく用いることができる。この中で、特に、エポキシ樹脂は好ましく用いられる。さらに、配線基板の芯となる基材を用いる場合には、たとえば、紙やガラス布を好ましく用いることができる。
本実施形態の配線基板は、さらに電極配線を備えていてもよい。電極配線は、信号伝達等に用いられるものである。かかる電極配線は、たとえば電極配線30のように貫通ビア10表面に接して配置されるか、または電極配線32のようにフィラー含有樹脂20の表面に配置される。また、電極配線は、たとえば、フィラー含有樹脂20の内部に配置されていても良い。
以下に、本実施形態の配線基板の製造方法を示す。図4ないし図12の各図は、本実施形態の配線基板の製造方法を示す模式断面図である。まず、図4に示されるように、支持基板40の上に粘着層42を形成する。次に、図5に示されるように、粘着層42の上にシード層44を形成する。ここでシード層の材料には、公知の材料を好ましく用いることができるが、特に、Ti、Cu、Sn、Ni、TaおよびAgを好ましく用いることができる。シード層の膜厚は1μm以上であることが好ましい。また、シード層の形成にはスパッタリング、真空蒸着法、無電解めっき法などの公知の方法を好ましく用いることができるが、特にスパッタリングを好ましく用いることができる。
次に、図6に示されるように、シード層44の表面にレジスト46を塗布し、露光によりパターニングして開口部48を形成する。その後、図7に示されるように、開口部48に貫通ビア10を形成する。貫通ビアの形成は、たとえば電気めっき法による方法でおこなうことが好ましい。
次に、図8に示されるように、レジスト46を有機洗浄などにより剥離する。なおこのとき、シード層44を利用してウェットエッチングなどにより電極配線30と電極配線32を形成してもよい。
次に、図9に示されるように、貫通ビア10の周囲に第1の絶縁膜12を形成する。その次に、図10に示されるように、第1の絶縁膜12の周囲に第2の絶縁膜14を形成する。その次に、図11に示されるように、第2の絶縁膜14の周囲に第3の絶縁膜16を形成する。ここで、第1の絶縁膜12、第2の絶縁膜14および第3の絶縁膜16の作成は、たとえば、スピンコーティングによる塗布でおこなうことが好ましい。
次に、図12に示されるように、周囲をフィラー含有樹脂20で埋め込む。この埋め込みは、たとえば、樹脂印刷装置でおこなうことが好ましい。
次に、図13に示されるように、埋め込まれたフィラー含有樹脂20を、樹脂研磨により平坦化する。次に、図14に示されるように、平坦化された表面に電極配線30を形成する。最後に、図15に示されるように、粘着層42を除去することで、本実施形態の配線基板100が製造される。
たとえば、1GHzから30GHz程度の周波数帯域の信号を貫通ビア10に通過させると、電波の表皮効果により貫通ビア10に電気が流れつつ、貫通ビア10の表面に電場が広がる。ここで、フィラーの誘電率と樹脂の誘電率は、一般に異なっている。そのため、貫通ビア10の周囲にフィラー含有樹脂20が直接接している場合、電波の広がる領域内に誘電率の異なる物質が分布するため、電波が散乱されて挿入損失が増大するという問題がある。
たとえば、配置される絶縁膜の種類が第1の絶縁膜12の1種類のみである場合には、通過する電力の増大等に伴う電波の広がりに対応して、貫通ビア周囲の絶縁膜の膜厚を厚くする必要がある。ここで、その効果は、たとえ膜厚を厚くしても、フィラーが樹脂に含有されることによる散乱の増加の効果を含まない場合と同程度である問題がある。
たとえば、配置される絶縁膜の種類が第1の絶縁膜12と第2の絶縁膜14の2種類である場合には、電波を第1の絶縁膜の内部に閉じ込めることが可能となる。そのため、配置される絶縁膜の種類が第1の絶縁膜12の1種類のみである場合と比較して、絶縁膜全体の膜厚を薄くしても高い効果が得られる。しかし、この場合でも、かかる効果は、たとえ膜厚を厚くしても、フィラーを含まない場合と同程度であるという問題がある。
本実施形態の配線基板は、貫通ビアと、貫通ビアの周囲に配置された第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜の周囲に配置され第1の絶縁膜の比誘電率より低い比誘電率を有する第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜の周囲に配置され第2の絶縁膜の比誘電率より高い比誘電率を有する第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜の周囲に配置されたフィラー含有樹脂と、を備えるものとする。これにより、貫通ビア10に電気信号を送信したときに貫通ビア10の周囲に広がる電波を、第2の絶縁膜に閉じ込め、挿入損失の増大を抑制することができる。
ここで、挿入損失増大を抑制する効果は、フィラーを含まないモールド貫通ビアと比較しても、さらに大きなものである。なお、絶縁膜の比誘電率の評価は、たとえば、分光エリプソメトリーやネットワークアナライザにより行うことができる。
また、第1の絶縁膜12の誘電率と第3の絶縁膜16の誘電率は、電波の閉じ込められ方を第2の絶縁膜14の両側で同様とする観点から、同じであることが好ましい。しかし、第1の絶縁膜12の誘電率と第3の絶縁膜16の誘電率が異なる構成とすることも可能である。
第1の絶縁膜12、第2の絶縁膜14および第3の絶縁膜16の形状は、いずれも配線基板の主面に対して垂直な方向にその中心軸を有するリング構造であることが好ましい。言いかえると、第1の絶縁膜12、第2の絶縁膜14、第3の絶縁膜16の形状は、円柱状で、その底面に垂直な方向に貫通している貫通穴を有するものであることが好ましい。これにより、貫通ビアを通過する電波の閉じ込められ方を、その底面に垂直な方向で一定にすることができる。
第1の絶縁膜の比誘電率および第3の絶縁膜の比誘電率は、2.4以上9以下であることが望ましい。2.4より低い比誘電率の絶縁膜を第1の絶縁膜と第3の絶縁膜に用いると、第2の絶縁膜の比誘電率との差が小さくなりすぎてしまい、うまく第2の絶縁膜内に電波を閉じ込めることができなくなる。一方、比誘電率と絶縁膜のバンドギャップには一般に負の相関があるため、あまりにも比誘電率が大きな材料はバンドギャップが小さくなることから絶縁膜の絶縁性が劣化してしまう。そのため、挿入損失が増加しうる。
第2の絶縁膜の膜厚は、第1の絶縁膜の膜厚と第3の絶縁膜の膜厚との和の2.7%以上20%以下であることが好ましい。あまりに薄すぎると、電波を良好に閉じ込めることができず、第1の絶縁膜と第3の絶縁膜とに電波が漏れてしまう。一方第2の絶縁膜があまりに厚すぎると、電波が第2の絶縁膜内部に広がりすぎることから、挿入損失が逆に増加し得る。
第1の絶縁膜の内側の面から第2の絶縁膜の膜厚の中心までの距離と第1の絶縁膜の内側の面から第3の絶縁膜の外側の面までの距離の2分の1との差と、第1の絶縁膜の内側の面から第3の絶縁膜の外側の面までの距離との比は0.2以下であることが好ましい。これにより、第2の絶縁膜が、第1の絶縁膜、第2の絶縁膜および第3の絶縁膜を備える絶縁膜全体の中央付近に配置され、フィラーによる挿入損失の増加をより有効に防ぐことができる。
第1の絶縁膜の膜厚と第3の絶縁膜の膜厚との和は、第1の絶縁膜の膜厚と第2の絶縁膜の膜厚と第3の絶縁膜の膜厚との和の89%以上であることが好ましい。フィラーによる電波の散乱を防ぐためには、ある程度の第1の絶縁膜の膜厚と第3の絶縁膜の膜厚があることが好ましい。
なお、本明細書において、絶縁膜の膜厚という場合には、配線基板の主面に平行な断面における膜厚を意味するものとする。たとえば図1の配線基板においては、第1の絶縁膜12の膜厚はdで示されるものである。次に、第2の絶縁膜の膜厚はdで示されるものである。また、第3の絶縁膜の膜厚はdで示されるものである。
本実施形態の配線基板100によれば、上記構成を備えることにより、貫通ビアの低損失化、および低損失な貫通ビアを備えた配線基板の提供が可能となる。また、本実施形態の製造方法によれば、かかる低損失な貫通ビアを備えた配線基板の製造が可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態の配線基板は、電極配線をさらに備える第1の実施形態の配線基板であり、電極配線がストリップラインを備える。ここで、第1の実施形態と重複する点については、記載を省略する。
図16は、本実施形態の配線基板100の模式断面図である。図17は、本実施形態の配線基板100の模式上面図であり、図18は本実施形態の配線基板100のA−A’線における模式断面図である。
ストリップライン60は、たとえば、配線基板100の表面に配置された2つの電極配線36と、配線基板100の内部に配置された電極配線34とを備える。2つの電極配線36はグランド線として、また電極配線34は信号線として用いられる。
電極配線34にはスタブ38が配置されていてもよい。スタブ38はその大きさに依存してキャパシタまたはインダクタとして機能する。
なお、本実施形態において好ましく用いられるストリップライン60の形態はこれに限定されるものではなく、公知のストリップラインをいずれも好ましく用いることができる。
本実施形態の配線基板100によれば、上記構成を備えることにより、低損失な貫通ビア10とストリップライン60とを備えた配線基板の提供が可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態の配線基板は、電極配線をさらに備える第1の実施形態の配線基板であり、電極配線がマイクロストリップラインを備える。ここで、第1の実施形態と重複する点については、記載を省略する。
図19は、本実施形態の配線基板100の模式断面図である。図20は、本実施形態の配線基板100の模式上面図である。
マイクロストリップライン62は、たとえば配線基板100の一方の表面に配置された電極配線36と、配線基板100の他方の表面に配置された電極配線34とを備える。電極配線36はグランド線として、また電極配線34は信号線として用いられる。
また、電極配線34はスタブ38を備えていてもよい。スタブ38はその大きさに依存してキャパシタまたはインダクタとして機能する。
なお、本実施形態において好ましく用いられるマイクロストリップライン60の形態はこれに限定されるものではなく、公知のマイクロストリップラインをいずれも好ましく用いることができる。
本実施形態の配線基板100によれば、上記構成を備えることにより、低損失な貫通ビア10とマイクロストリップライン62とを備える配線基板100の提供が可能となる。
(第4の実施形態)
本実施形態の配線基板は、電極配線をさらに備える第1の実施形態の配線基板であり、電極配線がコプレーナーラインを備える。ここで、第1の実施形態と重複する点については、記載を省略する。
図21は、本実施形態の配線基板100の模式断面図である。図22は、本実施形態の配線基板100の模式上面図である。
コプレーナーライン64は、たとえば、配線基板100の表面に配置された2つの平行な電極配線36と、2つの平行な電極配線36の間に配置された電極配線34とを備える。2つの平行な電極配線36はグランド線として、また電極配線34は信号線として用いられる。
電極配線34には、スタブ38が配置されていても良い。スタブ38はその大きさに依存してキャパシタまたはインダクタとして機能する。
なお、本実施形態において好ましく用いられるマイクロストリップライン60の形態はこれに限定されるものではなく、公知のマイクロストリップラインをいずれも好ましく用いることができる。
本実施形態の配線基板100によれば、上記構成を備えることにより、低損失な貫通ビア10とコプレーナーライン64とを備える配線基板100の提供が可能となる。
(第5の実施形態)
本実施形態の配線基板は、電極配線をさらに備える第1の実施形態の配線基板であり、電極配線が同軸ラインを備える。ここで、第1の実施形態と重複する点については、記載を省略する。
図23は、本実施形態の配線基板100の模式断面図である。
同軸ライン65は、少なくとも、同軸ライン信号線69を備える。同軸ライン信号線69は、貫通ビア10を通過した信号を他の半導体チップなどのデバイスに伝達する。
さらに、同軸ライン65は、たとえば、同軸ライン信号線69の周囲に配置された同軸ライン絶縁膜68と、同軸ライン絶縁膜68の周囲に配置された同軸ライングランド線67と、同軸ライングランド線67の周囲に配置された被覆66と、を備えていてもよい。
同軸ライングランド線67は、同軸ライン信号線69を通過する信号のグランドとして機能する。同軸ライン絶縁膜68は、同軸ライン信号線69と同軸ライングランド線67とを電気的に絶縁する。被覆66は、同軸ライングランド線67と他の電気部品などとの電気的接触を防ぐ観点から、配置されることが好ましい。
さらに、たとえば、モジュール基板100に、グランドとして機能し同軸ライングランド線67と電気的に接続される電極配線36が配置されていてもよい。
本実施形態の配線基板100によれば、上記構成を備えることにより、低損失な貫通ビア10と同軸ライン65とを備える配線基板100の提供が可能となる。
(第6の実施形態)
本実施形態の配線基板は、電極配線をさらに備える第1の実施形態の配線基板であり、電極配線、第1の絶縁膜、第2の絶縁膜および第3の絶縁膜から選択される少なくとも一つがキャパシタを備える。ここで第1の実施形態と重複する部分については、記載を省略する。
図24は、本実施形態の配線基板100の模式断面図である。図25は、本実施形態の配線基板100の模式上面図である。
キャパシタ50は、たとえば、複数の電極配線30と、その間に配置された誘電体膜58とを備える。なお、本実施形態において好ましく用いられるキャパシタ50の形態はこれに限定されるものではなく、公知のキャパシタをいずれも好ましく用いることができる。
本実施形態の配線基板100によれば、上記構成を備えることにより、挿入損失の小さな貫通ビア10とキャパシタ50とを備える配線基板100の提供が可能となる。
(第7の実施形態)
本実施形態の配線基板は、電極配線をさらに備える第1の実施形態の配線基板であり、電極配線、第1の絶縁膜、第2の絶縁膜および第3の絶縁膜から選択される少なくとも一つがレジスタを備える。ここで第1の実施形態と重複する部分については、記載を省略する。
図26は、本実施形態の配線基板100の模式断面図である。図27は、本実施形態の配線基板100の模式上面図である。
レジスタ52は、たとえば、複数回の折れ曲がりを含む電極配線30を備える。なお、本実施形態において好ましく用いられるレジスタ50の形態はこれに限定されるものではなく、公知のレジスタをいずれも好ましく用いることができる。
本実施形態の配線基板100によれば、上記構成を備えることにより、挿入損失の小さな貫通ビア10とレジスタ52とを備える配線基板100の提供が可能となる。
(第8の実施形態)
本実施形態の配線基板は、電極配線をさらに備える第1の実施形態の配線基板であり、電極配線、第1の絶縁膜、第2の絶縁膜および第3の絶縁膜から選択される少なくとも一つがインダクタを備える。ここで第1の実施形態と重複する部分については、記載を省略する。
図28は、本実施形態の配線基板100の模式断面図である。図29は、本実施形態の配線基板100の模式上面図である。
インダクタ54は、たとえば、図29に示されるような、配線基板表面に配置された複数回の折れ曲がりを含む電極配線と、電極配線の内側の部分から電気を取り出すための配線基板内部に配置された電極配線とを備える。なお、本実施形態において好ましく用いられるレジスタ50の形態はこれに限定されるものではなく、公知のレジスタをいずれも好ましく用いることができる。
本実施形態の配線基板100によれば、上記構成を備えることにより、挿入損失の小さな貫通ビア10とインダクタ54とを備える配線基板100の提供が可能となる。
(第9の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1ないし第8の実施形態の配線基板と、半導体チップと、を備えるチップスケールパッケージと、パッケージ基板と、チップスケールパッケージとパッケージ基板との間に配置されたはんだボールと、を備える。ここで、第1ないし第8の実施形態と重複する部分については、記載を省略する。
図30は、本実施形態に用いられる配線基板200の模式断面図である。図31は、本実施形態の半導体装置300の模式断面図である。
チップスケールパッケージとはチップサイズパッケージとも呼ばれ、一般に半導体チップなどのチップを備えるパッケージをいう。なお、半導体基板の一部が露出したままのチップスケールパッケージは、ウェハレベルチップスケールパッケージまたは単にウェハレベルパッケージと呼ばれることがある。
半導体装置300は、図31のように、再配線層78を備えていてもよい。
本実施形態の半導体装置300の製造方法を以下に示す。半導体チップ70は、図示しない粘着層の上にフリップチップボンダなどを用いて搭載する。
再配線層78はポリイミドの塗布、露光によるパターニング、キュアによる硬化、アッシングによる表面洗浄、配線層の形成を順次行うことで形成する。配線の材料としては、Ti(チタン)、Ni(ニッケル)、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)等が好ましく用いられる。部品80は、再配線層78形成後、フリップ−ボンダなどを用いて搭載する。
次にパッケージ基板72とチップスケールパッケージ250とを対向させ、パッケージ基板72と対向するチップスケールパッケージ250の面に第1の導電性接合構造を形成する。また、チップスケールパッケージ250と対向するパッケージ基板72の面に第2の導電性接合構造を接合する。
たとえば、第1の導電性接合構造ははんだボール74を備え、第2の導電性接合構造はパッド電極76を備えるものとする。もちろん逆に、たとえば第1の導電性接合構造がパッド電極76を備え、第2の導電性接合構造がはんだボール74を備えるものとしてもよい。
はんだボール74に用いるはんだとしては、Pb系、Sn系などの公知のはんだを用いることができる。Sn−Ag−Cu系のはんだは、使いやすく安価であるため、特に好ましく用いることができる。
最後に、パッケージ基板72と対向するチップスケールパッケージ250の面と、チップスケールパッケージ250と対向するパッケージ基板72の面とを接合する。この接合は、はんだボール74などを用いてフリップチップボンダなどによりおこなう。
ここで、パッケージ基板72とチップスケールパッケージ250との積層搭載の総数は3層が好ましい。また、製造方法の順番は、これに限るものではない。たとえば、本実施形態では、チップスケールパッケージ250への実装工程として部品80をパッケージ基板72より先に搭載したが、この順序はこれに限るものではない。
以下に、実施例を比較例と対比しながら詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示す配線基板100を製造した。貫通ビア10と電極配線30と電極配線32はCu、第1の絶縁膜12と第2の絶縁膜14と第3の絶縁膜16とはSOGを用いて形成した。フィラー22にはシリカ、樹脂24にはエポキシ樹脂を用いた。基板の膜厚は400μmであった。
(比較例1)
実施例1の配線基板100と同様の方法で、配線基板100を製造した。図32は、本比較例の配線基板100の模式断面図である。図33は、本比較例の配線基板100のA−A’線における模式断面図である。本配線基板100においては、貫通ビア10の周囲に直接フィラー含有樹脂20が接している。基板の膜厚は400μmであった。
(比較例2)
実施例1の配線基板100と同様の方法で、配線基板100を製造した。図34は、本比較例の配線基板100の模式断面図である。図35は、本比較例の配線基板のA−A’線における模式断面図である。本配線基板100においては、貫通ビア10の周囲に第1の絶縁膜12が配置され、その周囲にフィラー含有樹脂20が配置されている。基板の膜厚は400μmであった。
(比較例3)
実施例1の配線基板100と同様の方法で、配線基板100を製造した。図36は、本比較例の配線基板100の模式断面図である。図37は、本比較例の配線基板のA−A’線における模式断面図である。本配線基板100においては、貫通ビア10の周囲に第1の絶縁膜12が配置され、その周囲に第2の絶縁膜14が配置され、その周囲にフィラー含有樹脂20が配置されている。基板の膜厚は400μmであった。
図38は、実施例1、比較例1、比較例2および比較例3の配線基板における貫通ビアのS21の周波数依存性を示す図である。比較例1、比較例2および比較例3の効果を最大限に発揮した場合を想定した結果を、図中に“Coaxial TMV(ε=2.0)”および”Coaxial TMV(ε=3.6)”として示す。ここで、貫通ビアの直径はいずれも20μmであった。また、比較例1における第1の絶縁膜の膜厚は8μmであった。比較例2における第1の絶縁膜の膜厚は8μm、第2の絶縁膜の膜厚は1.5μmであった。比較例3における第1の絶縁膜の膜厚は10μm、第2の絶縁膜の膜厚は2μm、第3の絶縁膜の膜厚は10μmであった。さらに、第1の絶縁膜の比誘電率と第3の絶縁膜の比誘電率はいずれも3.5であり、第2の絶縁膜の比誘電率は2.4であった。実施例1の貫通ビアにおいては、特に10GHzから30GHzの信号周波数帯域において、最も挿入損失が小さい。
比較例1の配線基板においては、電波の表皮効果により貫通ビアに電気が流れつつ、貫通ビア表面に電場が広がる。そのため、電波の広がる領域に、フィラー22と樹脂24という誘電率の異なる2種類の物質が分布することから、電波が散乱されるため挿入損失が大きくなる。
比較例2の配線基板においては、比較例1の配線基板の貫通ビアの場合と同様、貫通ビアの周囲に電波が広がる。しかし、貫通ビアの周囲に誘電率の均一な第1の絶縁膜を配置することで、フィラーによる散乱損失を低減することができる。しかし、十分な効果を得るためには、電波の広がりの程度に応じて絶縁膜の膜厚を厚くすることが好ましい。また、その効果は、たとえ膜厚を厚くしても、フィラーが樹脂に含有されることによる散乱の増加の効果を含まない場合と同程度しか得られないという問題がある。
比較例3の配線基板においては、電波を第2の絶縁膜の内部に閉じ込めることが可能となる。そのため、比較例2の配線基板と比較して、絶縁膜の膜厚を薄くしても十分な効果を得ることができる。しかし、比較例3の場合においても、かかる効果は、たとえ膜厚を厚くしても、フィラーを含まない場合と同程度であるという問題がある。
実施例1の配線基板においては、貫通ビアに電気信号を送信した際に発生する電波を、誘電率の低い絶縁性リングの内部に閉じ込めることが可能となる。結果として、フィラーによる散乱を防ぎ、挿入損失を低損失化させることが可能となる。また、その効果は、フィラーを含まないモールド貫通ビアと比べても、さらに低損失であるといえる。
図39は、貫通ビアの周囲を覆う絶縁膜の膜厚と損失との関係を示す図である。周波数は10GHzである。ここで、比較例2と比較例3においては、第1の絶縁膜の膜厚に対する損失(S21)を示している。また、実施例1においては第1の絶縁膜の膜厚と第3の絶縁膜の膜厚との和に対する損失(S21)を示している。
実施例1において、第1の絶縁膜の膜厚と第3の絶縁膜の膜厚は互いに等しいことから、第2の絶縁膜は第1の絶縁膜と第3の絶縁膜との中央に配置されていることになる。さらに、比較例3と実施例1における第2の絶縁膜の膜厚は2μmである。
比較例2においては、第1の絶縁膜の厚さの増加に伴い損失が減少する傾向が見られる。またその効果は約30μmで飽和する。比較例3においても、第1の絶縁膜の厚さの増加に伴い損失が減少する。比較例3は比較例2よりも絶縁膜の膜厚が薄い場合でも効果がある。
実施例1においては、第1の絶縁膜と第3の絶縁膜の膜厚の和が5μm以下の場合は比較例2および比較例3と比べて効果が弱いが、10μmを超えると前者2つの構造よりも損失が小さくなり、厚さが16μm以上になると飽和する。よって、このとき第1の絶縁膜の膜厚と第2の絶縁膜の膜厚と第3の絶縁膜の膜厚の和は18μm以上となることから、第1の絶縁膜の膜厚と第3の絶縁膜の膜厚との和は、第1の絶縁膜の膜厚と第2の絶縁膜の膜厚と第3の絶縁膜の膜厚との和の89%以上であることが好ましい。また、この効果は第2の絶縁膜を絶縁膜全体の中央に配置した場合において得られる。
図40に、貫通ビアの表面と第2の絶縁膜の中央との距離と、損失の関係を示す。周波数は10GHzである。絶縁膜全体の膜厚は30μmとしたため、15μmが中央である。この結果から、第2の絶縁膜は絶縁膜全体の中央付近に位置していたほうが、効果が大きいことがわかる。
そのため、第2の絶縁膜の膜厚の中心は、絶縁膜全体の膜厚(30μm)の中央付近から±5μm以内にあることがよいということから、第1の絶縁膜の内側の面から第2の絶縁膜の膜厚の中心までの距離と第1の絶縁膜の内側の面から第3の絶縁膜の外側の面までの距離の2分の1との差と、第1の絶縁膜の内側の面から第3の絶縁膜の外側の面までの距離との比は0.2以下であるものとした。
以上述べた少なくとも一つの実施形態の配線基板によれば、貫通ビアと、貫通ビアの周囲に配置された第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜の周囲に配置され第1の絶縁膜の比誘電率より低い比誘電率を有する第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜の周囲に配置され第2の絶縁膜の比誘電率より高い比誘電率を有する第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜の周囲に配置されたフィラー含有樹脂と、を備えることにより、貫通ビアの低損失化、および低損失な貫通ビアを備えた配線基板の提供が可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え、または変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 貫通ビア
12 第1の絶縁膜
14 第2の絶縁膜
16 第3の絶縁膜
20 フィラー含有樹脂
30 電極配線
32 電極配線
34 電極配線
36 電極配線
50 キャパシタ
52 抵抗
54 インダクタ
60 ストリップライン
62 マイクロストリップライン
64 コプレーナーライン
65 同軸ライン
100 配線基板
200 配線基板
250 チップスケールパッケージ
300 半導体装置

Claims (10)

  1. 貫通ビアと、
    前記貫通ビアの周囲に配置された第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜の周囲に配置され前記第1の絶縁膜の比誘電率より低い比誘電率を有する第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜の周囲に配置され前記第2の絶縁膜の比誘電率より高い比誘電率を有する第3の絶縁膜と、
    前記第3の絶縁膜の周囲に配置されたフィラー含有樹脂と、
    を備えることを特徴とする配線基板。
  2. 前記第1の絶縁膜の比誘電率および前記第3の絶縁膜の比誘電率は2.4以上9以下であることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記第2の絶縁膜の膜厚は、前記第1の絶縁膜の膜厚と前記第3の絶縁膜の膜厚との和の2.7%以上20%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の配線基板。
  4. 前記第1の絶縁膜の内側の面から前記第2の絶縁膜の膜厚の中心までの距離と前記第1の絶縁膜の内側の面から前記第3の絶縁膜の外側の面までの距離の2分の1との差と、前記第1の絶縁膜の内側の面から前記第3の絶縁膜の外側の面までの距離との比は、0.2以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか一項記載の配線基板。
  5. 前記第1の絶縁膜の膜厚と前記第3の絶縁膜の膜厚との和は、前記第1の絶縁膜の膜厚と前記第2の絶縁膜の膜厚と前記第3の絶縁膜の膜厚との和の89%以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか一項記載の配線基板。
  6. 前記貫通ビアはAu、Ag、Cu、Ni、W、Snおよび導電性有機物質からなる第1の群から選択される少なくとも一種類の導電体を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか一項記載の配線基板。
  7. 電極配線をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか一項記載の配線基板。
  8. 前記電極配線がストリップライン、マイクロストリップライン、コプレーナーラインおよび同軸ラインからなる第2の群から選択される少なくとも一種類の伝送路を備えることを特徴とする請求項7記載の配線基板。
  9. 前記電極配線、前記第1の絶縁膜、前記第2の絶縁膜および前記第3の絶縁膜から選択される少なくとも一つがキャパシタ、レジスタ、インダクタからなる第3の群から選択される少なくとも一種類の電気部品を構成することを特徴とする請求項7記載の配線基板。
  10. 貫通ビアを形成し、
    前記貫通ビアの周囲に第1の絶縁膜を形成し、
    前記第1の絶縁膜の周囲に前記第1の絶縁膜の比誘電率より低い比誘電率を有する第2の絶縁膜を形成し、
    前記第2の絶縁膜の周囲に前記第2の絶縁膜の比誘電率より高い比誘電率を有する第3の絶縁膜を形成し、
    前記第3の絶縁膜の周囲にフィラー含有樹脂を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
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