JP2005159268A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維体と樹脂とを含有する絶縁層とする配線基板において、貫通導体間の絶縁信頼性および接続信頼性を向上することを可能とする高密度な配線基板を提供する。
【解決手段】少なくとも繊維体と樹脂とを含有する一層以上の第一絶縁層1と、前記第一絶縁層1を貫通する内壁孔3と、前記内壁3孔の内側に設けられた少なくとも樹脂と無機粒子とを含有してなる内壁層5と、該内壁層5の内側に形成された第一貫通導体9とを具備することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも繊維体と樹脂とを含有する一層以上の第一絶縁層1と、前記第一絶縁層1を貫通する内壁孔3と、前記内壁3孔の内側に設けられた少なくとも樹脂と無機粒子とを含有してなる内壁層5と、該内壁層5の内側に形成された第一貫通導体9とを具備することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、配線基板及びその製造方法に関し、繊維体、特に、ガラスクロスを具備する絶縁層を備えた配線基板及びその製造方法に関するものである。
従来より、配線基板は、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させてなるプリプレグと呼ばれる樹脂を含む絶縁層の表面に金属箔を接着した後、これをエッチングして微細な導体配線層を形成し、この導体配線層が形成された絶縁層を複数積層した後、所望位置にマイクロドリルにより貫通孔を形成し、貫通孔の内壁にめっき法により金属を付着させて貫通導体を形成して各層間の導体配線層を電気的に接続して作製される。
一般に、現在の電子機器は、移動体通信機器に代表されるように小型・薄型・軽量・高性能・高機能・高品質・高信頼性が要求されており、このような電子機器に搭載される混成集積回路等の電子部品も小型・高密度化が要求されるようになってきており、このような高密度化の要求に応えるために、電子部品を構成する配線基板も、導体配線層の微細化や絶縁層の薄層化・貫通孔の微細化が必要となってきている。
ところが、従来のガラスクロスを破断して形成する貫通孔の内壁にめっき法により貫通導体を形成する方法では、貫通孔が配線基板の上面から下面にかけて貫通したものであることから、貫通孔の壁間でガラスクロスに添って金属箔のマイグレーションが発生しやすく貫通孔の数が増加すると貫通孔の壁間の絶縁性を確保できなくなってしまい、その結果、電子機器の軽薄短小化による配線基板へのより狭ピッチ化への要求に対して対応できないという問題点を有していた。
このような問題に対して、ガラスクロスが露出した貫通孔の壁面に樹脂からなる内壁層を形成して、金属イオンの移動を防止して、貫通孔同士のマイグレーションを抑制することが提案されている(特許文献1、2参照)。
特開平7−297546号公報
特開平11−87869号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、貫通孔を形成した絶縁層を加熱加圧して、絶縁層から樹脂成分を貫通孔に押し出して内壁層を形成するため、絶縁層と内壁層との間に界面が存在せず、絶縁層と内壁層とが強固に接着されてはいるものの、絶縁層が過度に薄くなったり、貫通孔の寸法精度が悪くなるなどの問題がある。
また、特許文献2の方法では、絶縁層と異なる樹脂を用いて内壁層を形成しているため特許文献1の課題は解決できるものの、絶縁層と内壁層とで異なる樹脂を用いているため、両者の接着性が劣り、絶縁層と内壁層との間に剥離が起こるなどの問題がある。
また、いずれの方法においても絶縁層と貫通導体とを遮断する内壁層は、吸湿性に劣る樹脂で形成されており、未だ、過酷な環境下においては十分な信頼性が得られていない。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、貫通孔の壁間の絶縁性と接続信頼性に優れた配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の配線基板は、少なくとも繊維体と樹脂とを含有する一層以上の第一絶縁層と、前記第一絶縁層を貫通する内壁孔と、前記内壁孔の内側に設けられた少なくとも樹脂と無機粒子とを含有してなる内壁層と、該内壁層の内側に形成された第一貫通導体とを具備することを特徴とする。
また、本発明の配線基板は、第一絶縁層の主面に第一導体配線層を形成していることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、第一絶縁層と、繊維体を含まない第二絶縁層とが積層され、該第二絶縁層を貫通して設けられた第二貫通導体と、前記第二絶縁層の主面に形成された第二導体配線層であることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、第一絶縁層に設けられた一つの内壁孔の中に複数の第一貫通導体が形成されてなることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、内壁層の厚みが1μm以上であることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、垂直な方向の第一絶縁層の熱膨張係数をA、内壁層の熱膨張係数をBとしたとき、A≦B≦30×10−6/℃であることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、内壁層が10〜70質量%の無機粒子、30〜90質量%の樹脂を含有してなることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、内壁層に用いられる樹脂が熱硬化性樹脂であることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、繊維体がガラスクロスであることを特徴とする。
また、本発明の配線基板の製造方法は、少なくとも繊維体と樹脂とを含有する第一絶縁層に内壁孔を形成する工程と、該内壁孔内に少なくとも樹脂と無機粒子とを含有する内壁層を形成する工程と、前記内壁層の内側に第一貫通孔を形成する工程と、該第一貫通孔に第一貫通導体を形成する工程と、前記内壁層と前記第一貫通導体とを具備する前記第一絶縁層の主面に第一導体配線層を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の配線基板の製造方法は、少なくとも繊維体と樹脂とを含有する第一絶縁層に内壁孔を形成する工程と、該内壁孔内に少なくとも樹脂と無機粒子とを含有する内壁層を形成する工程と、前記内壁層を貫通する第一貫通孔を形成する工程と、該第一貫通孔に第一貫通導体を形成する工程と、前記内壁層と前記第一貫通導体とを具備する前記第一絶縁層の主面に第一導体配線層を形成する工程と、前記第一絶縁層の主面に第二絶縁層を形成する工程と、前記第二絶縁層を貫通する第二貫通孔を形成する工程と、前記第二貫通孔に第二貫通導体を形成する工程と、前記第二絶縁層の主面に第二導体配線層を形成する工程と、を具備すること特徴とする。
また、本発明の配線基板の製造方法は、繊維体がガラスクロスであることを特徴とする。
本発明の配線基板では、貫通導体と繊維体を含有する絶縁層との間に、少なくとも樹脂と無機粒子を含有する内壁層を設けることで、内壁層と絶縁層とを強固に接続することができるとともに、貫通導体を、繊維体と樹脂とを含有する絶縁層に強固に固定することができる。また、内壁層に吸湿しにくい無機粒子を含有させることで内壁層の吸湿性を向上させることができるため、貫通導体と水とが接触することによって促進される貫通導体間のマイグレーションの発生を格段に抑制することができ、信頼性に優れた配線基板を提供できる。なお、吸湿性を向上させるとは、単位時間あたりの吸湿量を小さくすると言う意味である。
また、仮に、繊維体と樹脂とを含有する絶縁層と接触した場合に不具合を生じるような物質が貫通導体に入っていたとしても、貫通導体と繊維体と樹脂とを含有する絶縁層との接触を防止することができるため、不具合の発生を防止することができる。
また、このような絶縁層の主面に導体配線層を設けることで、配線基板に配線回路を引き回すことができ、回路設計の自由度が高くなり、配線密度の高い配線基板を提供することができる。
また、内壁孔の中に複数の第一貫通導体が形成されることによって貫通孔の壁間の絶縁性が確保されやすくなるので、貫通孔のピッチを狭くすることが可能となり、貫通孔の密度を向上することができる。また、内壁孔の数を減らすことができるため、工程、コストの面で有利となる。
なお、繊維体としては、ガラスクロス、紙繊維、無機針状粒子、有機針状粒子を用いることができる。
この内壁層の厚みを1μmより厚くすることで、繊維体と樹脂とを含有する絶縁層と貫通導体とを強固に接続することができる。また、繊維体と樹脂とを含有する絶縁層と貫通導体とを隔絶できるため、繊維体と樹脂とを含有する絶縁層と貫通導体との間にクラックや剥離が生じにくくなる。また、再現よく内壁層を形成することが可能となる。
また、本発明の配線基板では、垂直な方向の第一絶縁層の熱膨張係数をA、内壁層の熱膨張係数をBとしたとき、A≦B≦30×10−6/℃の関係を満足させることが望ましく、このような配線基板は、内壁層の熱膨張係数が、繊維体と樹脂とを含有する絶縁層と貫通導体の熱膨張係数の間の値となるため、内壁層が繊維体と樹脂とを含有する絶縁層と貫通導体の熱膨張係数差を緩和することができ、絶縁層と貫通導体の間にクラックが発生することを防止することができる。
また、内壁層を10〜70質量%の無機粒子、30〜90質量%の樹脂を含有してなる組成物で形成することで、内壁層の熱膨張係数を小さく抑えることができ、繊維体と樹脂とを含有する絶縁層と貫通導体の熱膨張係数の間の値となるため、内壁層が繊維体と樹脂とを含有する絶縁層と貫通導体の熱膨張係数差を緩和することができ、絶縁層と貫通導体間のクラックなどを防止することができるとともに、過酷な環境下において接続信頼性を向上することができる。
また、本発明の配線基板は、内壁層に熱硬化性樹脂を用いることで、配線基板を加熱することにより、絶縁層と貫通導体を内壁層の熱硬化性樹脂で強固に接着し、繊維体と樹脂とを含有する絶縁層と貫通導体の接続を特に強固にし、貫通導体の接続信頼性を向上させることができる。
特に、繊維体として高剛性のガラスクロスを用いることで、第一絶縁層並びに配線基板の剛性を向上させることができる。
また、本発明の配線基板の製造方法は、少なくとも繊維体と樹脂とを含有する第一絶縁層に内壁孔を形成する工程と、該内壁孔内に少なくとも樹脂と無機粒子とを含有する内壁層を形成する工程と、前記内壁層の内側に第一貫通孔を形成する工程と、該第一貫通孔に第一貫通導体を形成する工程と、前記内壁層と前記第一貫通導体とを具備する前記第一絶縁層の主面に第一導体配線層を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
このような配線基板の製造方法では、通常のプリント板製造プロセスから大きく変更すること無しに簡易に吸湿性に優れた内壁層を形成することができ、接続信頼性の高い配線基板を容易に製造することができる。
また、上述した製造方法において、内壁層を設けた繊維体と樹脂とを含有する絶縁層の少なくとも一方の主面に樹脂と無機粒子を含有してなる吸湿性に優れた内壁層を形成することで、低い積層温度でも導体配線層を内壁層を介して繊維体と樹脂とを含有する絶縁層の主面に容易に形成することができる。
また、本発明の配線基板の製造方法は、少なくとも繊維体と樹脂とを含有する第一絶縁層に内壁孔を形成する工程と、該内壁孔内に少なくとも樹脂と無機粒子とを含有する内壁層を形成する工程と、前記内壁層を貫通する第一貫通孔を形成する工程と、該第一貫通孔に第一貫通導体を形成する工程と、前記内壁層と前記第一貫通導体とを具備する前記第一絶縁層の主面に第一導体配線層を形成する工程と、前記第一絶縁層の主面に第二絶縁層を形成する工程と、前記第二絶縁層を貫通する第二貫通孔を形成する工程と、前記第二貫通孔に第二貫通導体を形成する工程と、前記第二絶縁層の主面に第二導体配線層を形成する工程と、を具備すること特徴とする。
このような配線基板の製造方法では内壁孔の形成と内壁層の形成が同時にできるため、製造工程の短縮化並びにコストの削減が可能となる。
また、以上説明した配線基板の製造方法において、繊維体としてガラス繊維を用いることで高剛性の配線基板を容易に作製することができる。
本発明の配線基板は、例えば、図1に示すように、少なくとも繊維体と樹脂とを含有する一層以上の第一絶縁層1と、第一絶縁層1を貫通する内壁孔3と、内壁孔3の内側に設けられた少なくとも樹脂と無機粒子とを含有してなる内壁層5と、内壁層5の内側に設けられた第一貫通孔7と、第一貫通孔7に形成された第一貫通導体9と、第一絶縁層1の主面に形成された第一導体配線層11と、第一絶縁層1に積層された繊維体を含まない第二絶縁層13と、第二絶縁層13を貫通して設けられた第二貫通孔15と、第二貫通孔15に充填された第二貫通導体17と、第二絶縁層13の主面に形成された第二導体配線層19とで構成されている。
なお、繊維体としては、従来、周知のガラスクロス、紙繊維、無機針状粒子、有機針状粒子を用いることができるが、以下の記載においてはガラスクロスを用いた例を示している。
このような配線基板において、第一絶縁層1、第二絶縁層13、内壁層5は、それぞれを挟持するように配置された第一導体配線層11、第二導体配線層19並びに、それぞれを貫通して設けられた第一貫通孔7、第二貫通孔15とを支持し、電気的に絶縁する機能を有している。
そして、第一導体配線層11、第二導体配線層19、第一貫通孔7、第二貫通孔15は、それぞれが任意に接続され、配線回路を形成している。
以上説明した本発明の配線基板において、内壁層5はガラスクロスと樹脂とを含有する第一絶縁層1と第一貫通導体9との間にあって、第一貫通導体9を第一絶縁層1に固定するとともに、第一貫通導体9と第一絶縁層1との接触を防止する機能を有している。そして、第一貫通導体9を構成する金属成分が第一絶縁層を介して、他の第一貫通導体9とマイグレーションを起こすことを防止することができるのである。また、仮に、第一貫通導体9にガラスクロスと樹脂とを含有する第一絶縁層1と反応して、不具合を発生させるような物質が含まれていたとしても、第一貫通導体9と第一絶縁層1とを隔絶することができるため、反応が発生することを防止することができる。
そのため、内壁層5には、第一貫通導体9と第一絶縁層1とを強固に接着するとともに、両者を隔絶する機能が求められ、樹脂を含有させることで、このような機能を内壁層に5に付与することができる。
また、内壁層5に用いられる樹脂は、第一絶縁層1に用いられる樹脂と、同一の樹脂を用いた場合には、両者の間で特性を劣化させるような不要の反応が発生することはなく、両者を強固に安定的に接続することができる。そして、内壁層5に含有される樹脂の割合は、第一貫通導体9と第一絶縁層1とを確実に遮断するために第一絶縁層1よりも多くすることが望ましく、30質量%以上、さらに40質量%以上とすることが望ましい。
第一絶縁層1並びに内壁層5に用いられる樹脂としては、特に熱硬化性樹脂が好適に用いられ、具体的にはエポキシ樹脂、PPE(ポリフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミノビスマレイミド等が好適に用いられる。
これらの樹脂の中では、貫通導体やガラスクロスと樹脂とを含有する絶縁層との接着強度が高く、安価に入手できるという点でエポキシ樹脂が望ましい。また、高周波における伝送特性を考慮する必要がある場合は、誘電率や誘電損失の優れたフッ素樹脂やPPE樹脂が望ましい。
また、内壁層5には、内壁層5の吸湿性を向上させるためや、熱膨張係数の調整や、機械的強度の向上のために、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化チタン・酸化バリウム・酸化ストロンチウム・酸化ジルコニウム・酸化カルシウム・ゼオライト・窒化珪素・窒化アルミニウム・炭化珪素・チタン酸カリウム・チタン酸バリウム・チタン酸ストロンチウム・チタン酸カルシウム・ホウ酸アルミニウム・スズ酸バリウム・ジルコン酸バリウム・ジルコン酸ストロンチウム等の無機粒子を含有させることが重要である。また、さらに繊維状ガラスを布状に織り込んだガラスクロスや耐熱性樹脂繊維の不織布等の補強材を含有させてもよい。
なお、上記の充填材の粒子形状は、略球状・針状・フレーク状等があり、充填性の観点からは略球状が好ましい。また、粒子径は、通常0.1μm程度であり、内壁層5の厚みよりも小さい方が望ましい。
そして、これらの充填材として用いる無機粒子を10〜70質量%の割合で内壁層5に含有させることが望ましく、内壁層5の吸湿性を格段に向上させることができるとともに、内壁層5の特性を任意に調製することができ、内壁層5に求められる機能を維持または、調整することができる。
この内壁層5の厚みは1μm以上であることが望ましい。内壁層5の厚みを1μmより厚くすることで、ガラスクロスと樹脂とを含有する第一絶縁層1と第一貫通導体9とを強固に接続することができ、また、ガラスクロスと樹脂とを含有する第一絶縁層1と第一貫通導体9とを隔絶できるため、ガラスクロスと樹脂とを含有する第一絶縁層1と第一貫通導体9との間にクラックや剥離が生じにくくなる。また、例えば、貫通導体組成にインジウムあるいはスズなどの低融点金属が含まれる場合、低融点金属の溶融に伴う急激な吸熱反応があっても、内壁層5がその影響を吸収して、ガラスクロスと樹脂とを含有する第一絶縁層1と第一貫通導体9の間のクラックや剥離を防止することができる。また、第一絶縁層1に設けられた一つの内壁孔の中に複数の第一貫通導体9が形成されてなることで第一貫通導体9のピッチを狭くすることができ、高密度配線基板を作製することができる。
また、例えば、ガラスクロスと樹脂とを含有する第一絶縁層1と第一貫通導体9の熱膨張係数差が大きい場合、内壁層5がその応力を緩和するため、特に、内壁層5の厚みを2μm以上、さらに5μm以上にすることが望ましい。
また、第一絶縁層1の熱膨張係数をA、内壁層5の熱膨張係数をBとしたとき、金属を含有するために比較的熱膨張係数が大きくなる第一貫通導体9と、比較的熱膨張係数が小さい第一絶縁層1との熱膨張差に起因する熱応力を緩和するためには、A≦B≦30×10−6/℃の関係を満足させることが望ましい。このような配線基板では内壁層5の熱膨張係数が第一絶縁層1と貫通導体4の熱膨張係数の間になることにより、第一絶縁層1と内壁層5の熱膨張係数差による第一絶縁層1と内壁層5との間のクラックや剥離が低減される。
次に、本発明の配線基板の製造方法の一形態を図2(a)〜図4(i)を用いて説明する。
まず、図2(a)に示すようなガラスクロスと樹脂とを含有する第一絶縁層1の所定箇所に対してドリル加工やレーザー加工、金型打ち抜き等を行ない、図2(b)に示すように内壁孔3を形成する。
次に、図2(c)に示すように、予め作製した内壁層5となる少なくとも樹脂と無機粒子とからなるワニスを内壁孔3に充填し、内壁孔3内に内壁層5を形成する。ワニスの充填は埋め込み印刷やディスペンサー等を用いて行う。
そして、図2(d)に示すように、レーザー加工やドリル加工、金型打ち抜き等の手段を用いて、内壁孔3に形成された内壁層5内に内壁層5を貫通する第一貫通孔7を形成する。
つぎに、図2(e)に示すように、埋め込み印刷やディスペンサー等により、第一貫通孔7に導電材を充填して第一貫通導体9を形成する。
そして、図3(f)に示すように、第一絶縁層1に、第一導体配線層11をめっきや印刷やディスペンサー等または、金属箔を積層してエッチングにより形成することで配線基板を作製することができる。
また、図3(g)に示すように、第一絶縁層1の主面に、第二絶縁層13となるシートをラミネートや熱プレスによって積層し、加熱して硬化させて第二絶縁層13を形成する。
そして、図4(h)に示すように、CO2やYAGレーザーを用いて、第二絶縁層13を貫通する第二貫通孔15を形成する。そして、埋め込み印刷やディスペンサー等により、第二貫通孔15に導電材を充填して第二貫通導体17を形成する。
つぎに、図4(i)に示すように、第二絶縁層13に、第二導体配線層19をめっきや印刷やディスペンサー等または、金属箔を積層した後エッチングするなどして、形成することで図1に示すような配線基板を作製することができる。
また、本発明の配線基板は図1で示した形態以外にも、例えば、図5に示すように一つの内壁層5に複数の第一貫通孔7を設け、一つの内壁層5内に、複数の第一貫通導体9を設けてもよく、この場合には、加工時間が短縮されるという利点がある。
また、複数のガラスクロスと樹脂とを含有する第一絶縁層1を積層し、第一絶縁層1間に導体配線層を形成してもよいことはいうまでもない。
また、本発明の配線基板に、さらに、ビルドアップ配線層を積層するなどしてもよく、この場合には、信頼性と、さらなる高密度配線とを併せて実現することができる。
また、上記の例では、第一貫通導体9は導電性ペーストを充填して形成しているが、抵抗の低いめっきにより第一貫通導体9を形成してもよく、さらに、めっきと導電性ペーストにより形成した場合には、さらに第一貫通導体9の抵抗を小さくすることができる。また、めっきと樹脂により形成してもよい。また、第二貫通導体19と第二貫通導体17とを、めっき法などにより同時に形成することもできる。
なお、第一貫通孔7の形成には、微細な第一貫通孔7を形成できる点で、レーザー光を用いることが望ましい。
エポキシ樹脂、PPE、BTレジン、ポリイミド樹脂に無機粒子である平均粒径が0.6μmの球状溶融シリカをその含有量が表1に示す値となるようにして加え、これに溶剤としてMEK(メチルエチルケトン)、さらに樹脂の硬化を促進させるための触媒を添加し、1時間混合して内壁層となる4種類のワニスを調整した。
次に、ガラスクロスとエポキシ樹脂と球状溶融シリカとを、それぞれ、50質量%、10質量%、40質量%の割合で含有する第一絶縁層1の所定の箇所にレーザー光で表1に示す孔径の内壁孔3を形成し、この内壁孔3に上記ワニスをスクリーン印刷にて充填し、内壁孔3内部に内壁層5を形成した。
そして、レーザー光により内壁孔3内に形成された内壁層5内に内壁層5を貫通するφ50μmの貫通孔7を形成した。なお、このときの内壁層3の厚さは表1に示す値となるように変化させた。
そして、この貫通孔7に、10質量%の熱硬化性樹脂、5質量%の銀および85質量%の銅を含有してなる導体ペーストをスクリーン印刷法により充填して、第一貫通導体9を形成した。
そして、内壁層5と第一貫通導体9とを形成した第一絶縁層1の両面に、予め、支持基体の表面に形成しておいた銅箔からなる配線パターンを位置合わせし、温度150℃、圧力3MPaの条件で加圧、加熱して、第一絶縁層1に第一導体配線層11を形成して、第一貫通導体9と第一導体配線層11とで配線回路を形成して配線基板を作製した。
また、内壁層5を設けない以外は同様にして、比較例の配線基板も作製した。
なお、絶縁信頼性の評価は、試料を温度が130℃、湿度が85%の条件で第一貫通導体9と第一導体配線層11とから形成される配線回路に5.5Vの電圧を印加した状態で吸湿試験(HAST)を行ない、192hr後の隣接する第一貫通導体9間の絶縁抵抗を測定した。表1に絶縁信頼性の評価結果を示す。また、第一貫通導体9の信頼性の評価は、試料を温度が−55℃の条件で30分、125℃の条件で30分を1サイクルとする温度サイクル試験(TCT)を行ない、第一貫通導体9と、第一貫通導体9を支持する部材との界面のクラックを観察して判断した。なお、クラックの観察は、配線基板の断面をSEM(走査電子顕微鏡分析)観察し、それぞれ50個の貫通導体を評価し、第一貫通導体9と内壁層5、内壁層5と第一絶縁層1の間のクラックの有無を確認した。
本発明の範囲外である内壁層を設けてはいるものの、内壁層に無機粒子を含有していない試料No.1〜4では、絶縁層と内壁層との熱膨張係数差が大きくなり、両者の間に多数のクラックが確認された。また、内壁層の吸湿性が劣るために絶縁抵抗も劣化している。
一方、本発明の樹脂と無機粒子とを含有する内壁層を設けた試料No.5〜16では、内壁層の吸湿性が向上するとともに、絶縁層と内壁層との熱膨張係数差が小さくなったためにHAST試験後の絶縁抵抗が10−10Ω以上となり、高い信頼性を示した。また、絶縁層と内壁層との界面においても、ほとんどクラックは認められなかった。
以下に、本発明の配線基板について、詳細に説明する。
内壁層の厚みを1〜20μmの範囲で変化させた試料No.4〜9においては、いずれも、絶縁抵抗が1×10−10以上であり、優れた信頼性を示した。特に、内壁層の厚みが2μm以上の試料No.6〜8では、絶縁抵抗が1×10−11以上であり、格段に高い信頼性を示した。また、いずれの試料においても、第一貫通導体と内壁層、内壁層と第一絶縁層の間に全く、クラックが認められなかった。
また、内壁層の無機粒子量、樹脂量を変化させた試料No.10〜13においては、内壁層の配線基板のZ軸方向の熱膨張係数が30×10−6/℃以下である試料No.10、11では、全くクラックが確認されず、良好な結果が得られた。内壁層の配線基板のZ軸方向の熱膨張係数が30×10−6/℃を超える試料No.12、13では、実用上問題のないものの微少なクラックが若干数確認された。
また、内壁層と絶縁層とで異なる樹脂を用いた試料No.14〜16においても、クラックは認められなかった。
1・・・第一絶縁層
3・・・内壁孔
5・・・内壁層
7・・・第一貫通孔
9・・・第一貫通導体
11・・・第一導体配線層
13・・・第二絶縁層
15・・・第二貫通孔
17・・・第二貫通導体
19・・・第二導体配線層
3・・・内壁孔
5・・・内壁層
7・・・第一貫通孔
9・・・第一貫通導体
11・・・第一導体配線層
13・・・第二絶縁層
15・・・第二貫通孔
17・・・第二貫通導体
19・・・第二導体配線層
Claims (12)
- 少なくとも繊維体と樹脂とを含有する一層以上の第一絶縁層と、前記第一絶縁層を貫通する内壁孔と、前記内壁孔の内側に設けられた少なくとも樹脂と無機粒子とを含有してなる内壁層と、該内壁層の内側に形成された第一貫通導体とを具備することを特徴とする配線基板。
- 前記第一絶縁層の主面に第一導体配線層を形成してなることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
- 前記第一絶縁層と、繊維体を含まない第二絶縁層とが積層され、該第二絶縁層を貫通して設けられた第二貫通導体と、前記第二絶縁層の主面に形成された第二導体配線層とを具備してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
- 前記第一絶縁層に設けられた一つの内壁孔の中に複数の第一貫通導体が形成されてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の配線基板。
- 前記内壁層の厚みが1μm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の配線基板。
- 配線基板の主面に対して、垂直な方向の第一絶縁層の熱膨張係数をA、内壁層の熱膨張係数をBとしたとき、A≦B≦30×10−6/℃であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに記載の配線基板。
- 内壁層が10〜70質量%の無機粒子、30〜90質量%の樹脂を含有してなることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれかに記載の配線基板。
- 内壁層に用いられる樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれかに記載の配線基板。
- 繊維体がガラスクロスであることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれかに記載の配線基板。
- 少なくとも繊維体と樹脂とを含有する第一絶縁層に内壁孔を形成する工程と、該内壁孔内に少なくとも樹脂と無機粒子とを含有する内壁層を形成するとともに工程と、前記内壁層の内側に第一貫通孔を形成する工程と、該第一貫通孔に第一貫通導体を形成する工程と、前記内壁層と前記第一貫通導体とを具備する前記第一絶縁層の主面に第一導体配線層を形成する工程と、を具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
- 少なくとも繊維体と樹脂とを含有する第一絶縁層に内壁孔を形成する工程と、該内壁孔内に少なくとも樹脂と無機粒子とを含有する内壁層を形成する工程と、前記内壁層を貫通する第一貫通孔を形成する工程と、該第一貫通孔に第一貫通導体を形成する工程と、前記内壁層と前記第一貫通導体とを具備する前記第一絶縁層の主面に第一導体配線層を形成する工程と、前記第一絶縁層の主面に第二絶縁層を形成する工程と、前記第二絶縁層を貫通する第二貫通孔を形成する工程と、前記第二貫通孔に第二貫通導体を形成する工程と、前記第二絶縁層の主面に第二導体配線層を形成する工程と、を具備すること特徴とする配線基板の製造方法。
- 繊維体がガラスクロスであることを特徴とする請求項10又は11に記載の配線基板の製造方法。
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