JP2005243791A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貫通導体と配線層あるいは絶縁層との接続信頼性を向上させるとともに、高周波特性に優れた配線基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも樹脂を含有してなる複数の絶縁層3と、該絶縁層3に設けられた貫通孔5と、該貫通孔5に形成された貫通導体7と、前記絶縁層3の主面に形成された配線層9とを具備してなる配線基板1において、前記配線層9の一部が前記貫通導体7の端面を塞ぐように形成されたランド部9bを構成しているとともに、該ランド部9bに前記貫通孔5の端面の面積の5〜95%の面積を有する開口部9aを設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機材料系の配線基板に関し、特に、貫通導体と配線層とが強固に接続された配線基板およびその製造方法に関するものである。
従来、半導体素子等の能動部品や容量素子・抵抗素子等の受動部品を搭載して所定の電子回路を構成した混成集積回路を形成するための配線基板は、絶縁層に銅箔を接着した後、これをエッチングして微細な回路を形成し、これを積層した後、ドリルによって上下に貫通孔を形成し、この貫通孔内部および絶縁層表面にメッキ法により金属を付着させてスルーホール導体及び配線層で電気的な接続を行っている。
一般に、現在の電子機器は、移動体通信機器に代表されるように小型・薄型・軽量・高性能・高機能・高品質・高信頼性が要求されており、このような電子機器に搭載される混成集積回路等の電子部品も小型・高密度化が要求されるようになってきており、このような高密度化の要求に応えるために、電子部品を構成する配線基板も、多層化や配線導体の微細化、絶縁層の薄層化・貫通孔の微細化が必要となってきている。
ところが、従来のメッキ法による配線基板の製造方法では、スルーホール導体は配線基板全体にわたり貫通したものであるために、積層数の増加に伴い配線に必要なスペースが確保できなくなるという問題が生じ、多層化、配線の微細化への要求に対して対応できなくなっているのが現状である。
そこで、この様な問題を解決するために、異なる配線層および異なる層間の導体配線層を電気的に接続するため、導電性ペーストにより貫通孔を充填することで作製される貫通導体を形成した後に、積層して多層化する技術が提案されている(特許文献1、2、3参照)。
しかしながら、絶縁基板が有機樹脂を含有している関係上、導電性ペーストの導体として使用される銅や銀等の低抵抗金属を焼結できるような温度での処理ができないために、配線層に形成されたランドと貫通導体間の接続信頼性は、導電性ペースト中に含まれるエポキシ樹脂を主体とした樹脂成分と、配線層である銅との化学的な接着力のみに依存しており、温度サイクル試験や熱衝撃試験等による信頼性試験において、熱変形さらには振動により、配線導体層と貫通導体との抵抗が増大もしくは断線に至るという問題があった。
そこで、このような問題点を解決するために配線層となる金属の表面粗さを大きくして、導電性ペースト中の樹脂成分との物理的接着力を向上させる手法や、配線層の貫通導体が接する部分に金属バンプを作製する手法(特許文献4参照)、銅の表面をシランカップリング剤で処理して化学的接着力を向上させる手法(特許文献5参照)などが提案されている。
特開昭56−101739号公報 特開昭58−049966号公報 特開平8−138437号公報 特開2000−236166号公報 特開2000−397329号公報
しかしながら、貫通導体とランドとの物理的接着力向上のために、配線層となる金属の表面粗さを大きくすると、配線層をエッチングなどによりパターン加工する際、微細な配線を形成することが困難となり、また、高周波数の信号を伝送しようとした際に伝送損失が大きくなるという問題がある。また、導電性ペースト中の樹脂成分と配線層となる金属との化学的接着力だけでは、温度サイクル試験や熱衝撃試験といった信頼性試験において、各材料間の熱膨張差によって生じるせん断応力によりランドと貫通導体間の界面部分に界面剥離発生するといった問題がある。また、配線層となる金属の表面をシランカップリング処理して導電性ペースト中の樹脂成分との親和性を向上させる手法では、ランドを形成する配線層となる金属と、導電性ペースト中の導電性金属組成物が接触した状態で硬化することで導電性を発現する際に、金属同士が接触する界面部分に不導体であるシランカップリング剤が残留し、接触抵抗を高めることで初期の接続抵抗が大きくなり、また高温放置試験や耐半田耐熱試験といった信頼性試験において界面部分に存在するシランカップリング剤の変質・分解により抵抗値の上昇または接続界面の剥離が発生するといった問題がある。
本発明は、有機材料系の配線基板おいて、貫通導体と配線層とを強固に接続し、信頼性と高周波特性に優れた配線基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の配線基板は、少なくとも樹脂を含有してなる複数の絶縁層と、該絶縁層に設けられた貫通孔と、該貫通孔に形成された貫通導体と、前記絶縁層の主面に形成された配線層とを具備してなる配線基板において、前記配線層の一部が前記貫通導体の端面を塞ぐように形成されたランド部を構成しているとともに、該ランド部に前記貫通孔の端面の面積の5〜95%の面積を有する開口部を設けたことを特徴とする。
また、本発明の配線基板では、開口部内に導体が充填されていることが望ましい。
また、本発明の配線基板では、貫通導体の直上にランド部を介して、他の絶縁層に形成された貫通導体が積層されるとともに、積層された二つの貫通導体同士がランド部に形成された開口部を貫通して互いに接続されてなることが望ましい。
また、本発明の配線基板では、貫通導体が、少なくとも金属粉末と、熱硬化性樹脂とを含有してなることが望ましい。
また、本発明の配線基板では、配線層の表面粗さRaが0.5μm以下であることが望ましい。
本発明の配線基板の製造方法は、少なくとも熱硬化性樹脂を含有してなる絶縁層に貫通孔を形成する工程と、該貫通孔に貫通導体を形成する工程と、前記貫通導体を形成した絶縁層の主面に開口部を設けたランド部を有する配線層を、前記ランド部が貫通導体を塞ぐように形成する工程と、こうして作製した貫通導体と配線層を形成した絶縁層を複数積層し、硬化させる工程を具備してなることを特徴とする。
本発明の配線基板では、貫通導体が接続される配線層のランド部に貫通孔の端面の面積の5〜95%の面積を有する開口部を設けることで、貫通導体の端部において、貫通導体が、ランド部に加えて、他の絶縁層、あるいは他の絶縁層に形成された貫通導体と接続される。
一般に貫通導体とは導電性発現を担う金属粉末成分と、金属粉末成分同士を結びつける役割の樹脂成分からなり、従来の貫通導体とランド部との接続のみの場合には、貫通導体の樹脂と、ランド部の金属とが両者の接続を担っており、十分な接続強度を得ることはできない。
一方、本発明で実現される接続構造では、例えば、貫通導体と他の絶縁層とが接続され、貫通導体の樹脂と、絶縁層に含有される樹脂が接着剤の役割を果たすため、両者は強固に接続され、高い信頼性を有する配線基板となる。また、貫通導体と、他の絶縁層に形成された貫通導体とが接続された場合には、同じあるいは類似した組成を有する貫通導体同士であるために、両者の樹脂どうしによって、容易に強固な接続が実現され、高い信頼性を有する配線基板となる。そして、このようにして実現される高い信頼性は、ランド部の表面粗さや表面処理状態にほとんど影響を受けることがないため、信頼性の高い配線基板を提供できるとともに、例えば、微細配線パターンの加工が容易となる無粗化の電解銅箔や圧延銅箔といった種々の形態の配線層を採用することができ、設計の自由度を高くすることができ、高周波特性に優れた配線基板を提供することができる。
また、開口部分に導体を充填することで、貫通導体の端部の形状が凸形状となり、形状による鋲効果によってランドと貫通導体の接続信頼性を向上させることができる。また、開口部に絶縁層を構成する絶縁部材などが充填された場合と比較すると、貫通導体とランド部との接触面積を増加させることができ、導通抵抗を小さくすることができる。
また、本発明の配線基板では、貫通導体が直上にランド部を介して他の絶縁層に形成された貫通導体が積層される場合に、積層された二つの貫通導体同士をランド部に形成された開口部を貫通して互いに接続することで、貫通導体同士が開口部を介して互いに混ざり合い拡散し、積層された絶縁層が硬化することで異なる層に存在する貫通導体同士が一体化され、ランド部を介さない貫通導体同士の接続がなされることから接触抵抗が低減し、抵抗値が低くなり、また同一の熱膨張同士の貫通導体の接続がなされることから、温度サイクル試験や熱衝撃試験といった信頼性試験において貫通導体間の接続信頼性を格段に向上させることができる。
また、少なくとも金属粉末と熱硬化性樹脂とを含有してなる貫通導体を用いることで、ランド部と貫通導体の界面部分に化学的な接着力を発現させることができ、貫通導体やランド部又は他の絶縁層、あるいは他の貫通導体との接続信頼性が向上する。
また、配線層の表面粗さを0.5μm以下とすることで、高周波領域での信号のロスが格段に小さくなり、高性能の配線基板となる。なお、通常、配線層の表面粗さを0.5μm以下とした場合には、格段に配線層と貫通導体との接続信頼性が低下するのであるが、本発明においてはランドに設けた開口部を形成したことで、配線層と貫通導体との接続信頼性と高周波領域での信号のロスの低減を同時に達成することができるのである。
また、本発明の配線基板の製造方法によれば、配線層のパターンニングと、ランド部への開口部の形成とを同時に行うことができるため、従来の手法と何ら変わらない工程で、本発明の配線基板を作製することができる。
図1(a)、(b)に示すように、本発明の配線基板1は、例えば、絶縁層3を貫通して形成された貫通孔5に導電性ペーストを埋め込むことで貫通導体7が形成され、さらに貫通導体7と接する部分に貫通導体7の端面の面積の5〜95%の大きさとなる開口部9aを設けたランド部9bを有する配線層9を絶縁層3の主面に形成したものである。
このような配線基板1において絶縁層3はそれぞれを挟持するように配置された配線層9、貫通導体7を支持し、電気的に絶縁する機能を有している。そして、貫通導体7と、配線層9は、それぞれ任意に接続され、配線回路を形成している。
本発明の配線基板1においては、貫通導体7とランド部9bとの接続部分に、貫通口5の端面の面積の5〜95%の大きさとなる開口部9aを設けてあることが重要である。
本発明の配線基板1によれば、ランド部9bに、貫通口5の端面の面積の5〜95%の開口部9aを設けることで、例えば、図1(a)において、貫通導体7bが、ランド部9b(1)と接触することに加えて、ランド部9b(1)の設けられた開口部9aを介して、絶縁層3cと接続されて、貫通導体7bに含まれる樹脂と、絶縁層3cとに含まれる樹脂との接着構造が形成されることで、強固な接続構造が構成され、配線基板1の信頼性が格段に向上するのである。
また、例えば、図1(a)において、貫通導体7bが、ランド部9b(2)に設けられた開口部9aを介して、他の貫通導体7aと接続される部分においては、貫通導体7同士が直接、接触することで貫通導体7aと貫通導体7bとに含まれる樹脂同士の強固な接続構造が構成され、配線基板1の信頼性が格段に向上するのである。
また、開口部9aに貫通導体7などからなる導体が充填される場合には、貫通導体7とランド部9bとの接触面積が増加して、電気的抵抗が小さくなると言う利点がある。
また、開口部9aに絶縁層3に起因する組成物が充填される場合でも、導体が充填された場合でも、充填物とランド9bとの接触面積が増大することにより接合強度が増大し、配線基板1の信頼性が向上するという利点がある。
そのため、本発明の配線基板1においては、特に、接続信頼性が劣化しやすい貫通導体7と配線層9との接続部において、従来よりも格段に高い接続信頼性が得られることから、配線層9の表面状態に、特に依存せずに貫通導体7と配線層9との高い接続信頼性を実現できる。
従って、比較的表面粗さの小さい配線層9を用いた場合には、高い信頼性に加えて、高周波特性に優れた配線基板1を得ることができる。
特に、配線層9の表面粗さをRa0.5μm以下、さらに、Ra0.3μm以下とすることで格段に高周波特性に優れた配線基板1となる。
本発明の配線基板1において、開口部9aの面積を貫通孔5の端面の面積の5%以上としたのは、5%未満になると貫通導体7、あるいは絶縁層3を開口部9aに充填することが困難となり、配線基板1を作製するに際して、開口部9aに空隙が残りやすくなり、抵抗値の上昇及び接続信頼性が低下してしまうためである。
一方、開口部9aの面積を貫通孔5の端面の面積の5%以上とした場合、貫通導体7、あるいは絶縁層3を開口部9aに充填することが容易となり、配線基板1の、開口部9aに空隙が残ることが無く、抵抗値の低下及び接続信頼性の向上といった効果が発現するのである。
特に、開口部9aの面積は貫通孔5の端面の面積の10%以上、さらに20%以上とすることで、貫通導体7の樹脂と、他の貫通導体7の樹脂、あるいは他の絶縁層3の樹脂との接続構造をより大きくすることができ、配線基板1の信頼性を向上させることができる。
また、貫通導体7と配線層9が形成された絶縁層3を位置合わせして積層する際、積層の位置合わせズレが生じた場合でも、貫通導体7と開口部9aとの位置が完全にずれることが無いため、ランド径が150μm以下といった微細なデザインルールにおいても効果を発揮することができる。
また、開口部9aの面積が貫通孔5の端面の面積の95%を越える場合、貫通導体7と配線層9を具備した絶縁層3同士を位置合わせする際、絶縁層3間に発生する位置ズレによって貫通導体7がランド部9bと接する面積が小さくなってしまうため、信頼性試験における接続信頼性が低下してしまう。
従って、開口部9aの面積は貫通孔5の端面の面積の95%以下とすることが必要で、80%以下とすることで、位置ずれにも影響を受けにくくなり、さらに、70%以下とすることで、ランド部9bの構造的な強度も向上することから、製造しやすくなる。
また、ランド部9bの面積は、貫通孔5の端面の面積よりも大きければよいが、絶縁層と位置合わせして積層した場合に発生する位置ズレにより、ランド部9bから貫通孔5の端面がはみ出ることがないように、ランド部9bの面積は、貫通孔5の端面の面積の2倍以上であることが望ましい。なお、ここで説明したランド部9bの面積とは開口部9aも含むものとしている。
以上説明したように、貫通導体7と、他の貫通導体7あるいは、他の絶縁層3との接続強度を向上させるためには貫通導体7が、少なくとも熱硬化性樹脂と金属粉末から構成される、いわゆる導電性ペーストであることが好ましい。また、絶縁層3に含有される樹脂が熱硬化性樹脂であることも重要である。
また、貫通導体7は、必ずしも導体ペーストにより形成される必要はなく、例えば、めっき方で貫通孔5の内壁に貫通導体を形成し、貫通導体の内側に、少なくとも樹脂を含有する埋め込み樹脂を充填して、形成してもよい。ただし、この形態の場合には、接続信頼性は向上するものの、貫通導体同士の接続により電気的抵抗が低下することはない。
以下に本発明の配線基板1の製造方法について、詳細に説明する。
まず、図2(a)に示すように、絶縁層3に炭酸ガスレーザやUV−YAGレーザを用いて貫通孔5を形成する。次に図2(b)に示すように貫通孔5に導電性ペーストをスクリーン印刷法によって埋め込み、貫通導体7を形成する。
次に、支持基材であるフィルム11に、銅から成る金属箔9を、接着剤(図示せず)を介して接着した金属箔転写用フィルム13を用意する。次に、金属箔転写用フィルム13の金属箔9を公知のフォトレジストを用いたサブトラクティブ法を使用してパターン状にエッチングする。この際、貫通導体7と接するランド部9bには貫通孔5の端面の面積の5〜95%の開口部9aを設けるように金属箔9をエッチングする。そして、この金属箔転写用フィルム13と絶縁層3とを、図2(c−1)に示すように絶縁層3の両側、もしくは、図2(c−2)に示すように絶縁層3の片側に位置合わせし、仮積層する。次に、図3(d−1)もしくは(d−2)に示すように、金属箔転写用フィルム13の金属箔9を、50〜150℃の温度、0.5〜10MPaの圧力で3分〜1時間ホットプレスして熱圧着し、配線層9となる金属箔9を絶縁層3に埋設する。このとき、貫通導体7を形成する導体ペースト7の一部は流動し、開口部9aを充填する。
次に、支持基材であるフィルム11を剥離除去して、金属箔9を絶縁層3に転写することで、図3(e−1)に示すように絶縁層3の両面に、あるいは、図3(e−2)に示すように絶縁層3の片側に配線層9を形成することができる。
なお、このとき配線層9を絶縁層3に埋設させることで、平坦な配線基板1を容易に作製することができる。
次に、以上の工程で作成された配線層9と貫通導体7とが形成された絶縁層3を、図4(f)に示すように所望の配線層数、所望の配線回路を形成するように組み合わせて各絶縁層3間の位置合わせをして、仮積層した後、両面に加熱加圧板を当接させ、150〜300℃の温度、0.5〜10MPaの圧力で10分〜24時間ホットプレスして完全硬化させることで、例えば、図1(a)に示すような本発明の配線基板1を作製することができる。
なお、配線基板1の絶縁層3となるフィルムは少なくとも樹脂を含有するもので、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂・フェノール樹脂・変性ポリフェニレンエーテル樹脂・メラミン樹脂・アルキド樹脂・ウレタン樹脂・イミド樹脂等やこれらの混合体からなるフィルムや、熱可塑性樹脂である液晶ポリマー、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、およびフッ素樹脂等やこれらの混合体からなるフィルム、さらにはこれら熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の主面に熱硬化性樹脂が一定の厚みで塗布された構造等を用いることができる。
このフィルムは吸水率が0.5質量%、望ましくは0.3質量%以下であることが望ましい。吸水率を0.5質量%とすることにより、水分の影響を受けて貫通導体の抵抗が上昇するのを防止することができる。
また、絶縁層3としては、比誘電率が5.3以下、望ましくは4.3以下、誘電正接が350×10−4以下、望ましくは300×10−4以下が良い。比誘電率を5.3以下とすることで、信号の伝送速度を実用上問題のない範囲にでき、誘電正接を350×10−4以下とすることで信号の伝送損失を小さくできる。
また、上記のフィルムには、配線基板1全体の強度を高めるため、樹脂に対してフィラーを複合化させることもできる。無機フィラーを含む絶縁層3を作製する場合、樹脂と無機フィラーからなる組成物を混練機や3本ロールなどの手段によって充分に混合し、これを圧延法、押し出し法、射出法、ドクターブレード法などによってシート状に成型した後、樹脂を半硬化して前駆体シートを作製する。半硬化には樹脂が熱可塑性の場合には、加熱下で混合したものを冷却し、熱硬化性樹脂の場合には、完全硬化するのに十分な温度より低い温度にすればよい。
なお、樹脂と複合化される無機フィラーとしては、SiO、Al、ZrO、TiO、AlN、SiC、BaTiO、SrTiO、ゼオライト、CaTiO、ほう酸アルミニウム等が好適に用いられる。また、これら無機フィラーと樹脂との親和力を高めこれらの接合性向上と機械的強度を高めるためにシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤などのカップリング剤を含有しても良い。
この構成によれば、配線基板1の熱膨張率、熱伝導率を任意の値に調整することが可能となり、電子回路部品を実装しやすい配線基板1を作製することができる。
また、ガラスやアラミド樹脂からなる不織布、織布などに上記樹脂を含浸させて用いてもよい。この構成によれば、剛性が高く、電子回路部品を実装しやすい配線基板1を容易に作製することができる。
また、貫通導体7は、少なくとも金属粉末と、熱硬化性樹脂とを含有してなる導電性ペーストを充填することによって作製されることが望ましく、貫通導体7に埋め込む導電性ペーストは、熱硬化性樹脂と金属粉末を含有するものであり、金属粉末としては金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛の群の中から選ばれる少なくとも1種類以上を含有するものであり、2種以上の組み合わせによって構成するのが望ましい。さらに、低抵抗および価格の点で少なくとも銅を含有することが最も望ましい。
また、金属粉末としては、平均粒径が0.5〜10μm、特に1〜7μm、最適には2〜5μmであることが望ましい。これは平均粒径が0.5μmより小さいか、あるいは10μmよりも大きくなるといずれも導電性ペーストの埋め込み性および充填性が悪くなるとともに、金属粉末の充填密度が低下することにより抵抗が高くなってしまうためである。
また、導電性ペーストに含まれる熱硬化性樹脂は、金属粉末との結合性の高い熱硬化性エポキシ系樹脂のほか、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、イミド樹脂等を使用することができるが、このうち2種類以上の樹脂を混合したものを使用することもできる。
また、導電性ペーストに含まれる熱硬化性樹脂は、その量が多くなるほど、金属粉末粒子間に介在して接触抵抗を増大させる傾向にあるため、金属粉末100質量部に対して結合用有機樹脂を15質量部以下、特に0.05〜10質量部の割合であることが望ましい。さらに、充填作業性の観点から、場合によっては結合用有機樹脂に対して0.1〜20質量部の適当な溶剤等を含んでもよい。
導電性ペーストの調合方法にあたっては、上記組成物を攪拌脱泡機、プラネタリーミキサ、回転ミルや3本ロール等で混練することにより所定念その導電性ペーストを作製することができる。
以上、説明した本発明の配線基板1の製造方法によれば、従来の配線基板の製造方法において配線層を形成する際に配線層の形状を変更するのみで、なんら、特別な工程を加える必要がなく、容易に本発明の配線基板1を作製することができる。
なお、以上説明した例では、貫通導体7と配線層9との接続部の全てに開口部9aを設けていたが、必要に応じて、開口部9aのないランド部9bを有する配線層9を混在させてもよいことは、勿論である。また、開口部9aの形状は、作製の容易さから円形状が適しているが、例えば、楕円であっても、四角であってもよい。また、開口部9aは複数設けてもよく、その場合には、開口部9aの総面積は、貫通孔5の端面の面積の5〜95%とすることが望ましい。また、その他の特性も本発明の例に準じて適応できる。また、開口部9aにテーパーが形成されていてもよく、その場合には、開口部9aの充填のしやすさ、あるいは、接続構造の強化を図ることができる。
また、絶縁層3は、複数の層にわたって同一である必要はなく、例えば、コア基板にビルドアップ層が形成された形態の配線基板にも好適に適用できることは言うまでもない。
なお、本発明において貫通孔5の端面の面積として記載しているのは、貫通孔5の開口部の面積を意味している。また、開口部9aにテーパーが形成されている場合には、貫通導体7側の開口部9aの面積を、開口部9aの面積とする。
(1)評価基板の作製:まず、導電性粉末として平均粒径5μmの銀被覆銅粉末(銀含有量5%)と、樹脂組成としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828 油化シェルエポキシ製)と、および硬化剤としてアミンアダクト硬化剤(MY−24 味の素製)を、銀被覆銅粉末を93質量%と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を6.3%、アミンアダクト硬化剤を0.7%の比率で配合し、3本ロールにて混練し、導電性ペーストを作製した。
次に、熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂に平均粒径が0.6μmの球状溶融シリカをその含有量が40体積%になるように加え、これに溶剤としてトルエン、さらに樹脂の硬化を促進させるための触媒を添加し、1時間混合してワニスを調整した。次に、厚みが35μmの液晶ポリマー層(VECSTOR クラレ製)の表面をプラズマ処理して、この液晶ポリマー層の上面に上記ワニスをドクターブレード法により塗布し、厚さ約20μmの乾燥状態の熱硬化性ポリフェニレンエーテル被覆層を成形した。そして、この液晶ポリマー層1の下面にも同様にポリフェニレンエーテル被覆層を成形し、絶縁層を作製した。
さらに、この絶縁層に、波長355nmがエネルギー最大ピークとなるUV−YAGレーザにより孔径100μmの貫通孔を形成し、この貫通孔に前記導体ペーストをスクリーン印刷により埋め込むことにより貫通孔径100μmの貫通導体を形成した。
次に、貫通導体と接続する部分のランド部に、表1に示す大きさの開口部をもち、また、表1に示す表面粗さRaを具備する配線層を形成した厚さ12μmの銅箔が付いた転写用支持フィルムと、貫通導体を形成した絶縁層とを位置合わせして真空積層機により3MPaの圧力で30分加圧して、開口部に導体ペーストを充填した後、転写用支持フィルムを剥離して配線導体を絶縁層に埋設した。最後に、この配線導体4が形成された絶縁層を5枚重ね合わせ、3MPaの圧力下で200℃の温度で5時間加熱処理して完全硬化させて評価基板を作製した。
5枚の絶縁層のうち、奇数枚目の絶縁層には100個の貫通導体を設け、偶数枚目の絶縁層には奇数枚目の半分の貫通導体を設け、奇数枚目の絶縁層と偶数枚目の絶縁層との接続部においては、貫通導体同士の接続と、貫通導体と絶縁層との接続が同数、形成される構造とした。
貫通導体の組み合わせは、貫通導体同士の接続性を確認するために貫通孔が直列に接続する配線パターンと、貫通導体と絶縁層との接続を確認するために貫通導体と絶縁層が接続する配線パターンとなるように、5枚の絶縁層のうち、奇数枚目の絶縁層には100個の貫通導体を設け、偶数枚目の絶縁層には奇数枚目の半分の貫通導体を設け、奇数枚目の絶縁層と偶数枚目の絶縁層との接続部においては、貫通導体同士の接続と、貫通導体と絶縁層との接続が同数、形成される構造とした。
なお、評価基板の外形寸法は、縦50mm×横50mm×0.5mmであった。
また、ランド部の大きさは直径200μmとした。
そして、これらの評価基板をもちいて、接続信頼性の評価及び伝送特性の確認を行った。
配線導体層と貫通導体の接続信頼性の評価は、温度が−55℃〜125℃の温度サイクル試験を1000サイクル行った後、抵抗値の変化率と、試料の断面観察による配線導体層と貫通導体部分の界面の剥がれの有無を確認して行った。この温度サイクル試験の判断基準は、上記試験の前後で貫通導体とランドにより形成された配線パターンの抵抗値の変化率が15%以下で、かつ界面に剥がれのないものを問題ないレベルと判断した。
また、伝送特性の評価は、10GHzの周波数における伝送損失(S21)をネットワークアナライザーにより測定した。なお、高周波における伝送損失(S21)は誘電体層の誘電損失(Sd21)と配線層の導体損失(Sc21)を足した数値である。したがって、伝送損失(S21)には絶縁層の比誘電率(ε)と誘電正接(tanδ)の影響が加味されていることから、同一材料の絶縁層を使用して試験用基板を作製することで、導体の表面粗さに依存する導体損失の優劣を判断する基準とした。なお、伝送特性の判断基準は、10GHzにおける伝送損失(S21)が−1db/cm以下となるものを問題ないレベルと判断した。
表1に温度サイクル試験評価結果と10GHzでの高速伝送特性評価結果を示す。なお、評価は、それぞれ、10個の評価基板を作製して行った。
Figure 2005243791
本発明の範囲外であるランド部に開口部のない試料No.1では、配線層の表面粗さがRa0.1μmであり、高周波特性は優れているものの、温度サイクル後に貫通導体がランド部を介して連結している部分、貫通導体がランド部を介して絶縁層と接している部分において界面のはがれが確認された。そのため、温度サイクル試験後に配線の抵抗が40%も上昇した。また、本発明の範囲外であるランド部に開口部のない試料No.2では、配線層の表面粗さがRa0.6μmであり、信頼性は比較的高いものの、高周波特性に劣るものであった。
また、本発明の範囲外であるランド部に開口部はあるものの、開口面積が貫通孔の端面の面積の95%を越え、100%である試料No.15では、開口部の一部が貫通孔の外側にずれた部分があり、その部分に若干の剥離が確認され、抵抗が上昇し、信頼性が低下した。
一方、本発明の試料No.3〜14では、貫通導体同士の接続部においても、貫通導体と絶縁層との接続部においても、全く界面はがれは発生しておらず、抵抗上昇率は11%以下となり、信頼性に優れ、しかも高周波特性に優れた配線基板が得られた。
(a)は、本発明の配線基板の一形態を説明する断面図であり、(b)は、本発明の配線基板の一形態を説明する要部拡大平面図である。 本発明の配線基板の製造方法を説明する工程図である。 本発明の配線基板の製造方法を説明する工程図である。 本発明の配線基板の製造方法を説明する工程図である。
符号の説明
1・・・配線基板
3・・・絶縁層
5・・・貫通孔
7・・・貫通導体
9・・・配線層、金属箔
9a・・・開口部
9b・・・ランド部
11・・・フィルム
13・・・金属箔転写用フィルム13

Claims (6)

  1. 少なくとも樹脂を含有してなる複数の絶縁層と、該絶縁層に設けられた貫通孔と、該貫通孔に形成された貫通導体と、前記絶縁層の主面に形成された配線層とを具備してなる配線基板において、前記配線層の一部が前記貫通導体の端面を塞ぐように形成されたランド部を構成しているとともに、該ランド部に前記貫通孔の端面の面積の5〜95%の面積を有する開口部を設けたことを特徴とする配線基板。
  2. 開口部内に導体が充填されてなることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記貫通導体の直上にランド部を介して、他の絶縁層に形成された貫通導体が積層されるとともに、積層された二つの貫通導体同士がランド部に形成された開口部を貫通して互いに接続されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
  4. 貫通導体が、少なくとも金属粉末と、熱硬化性樹脂とを含有してなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の配線基板。
  5. 配線層の表面粗さRaが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の配線基板。
  6. 少なくとも熱硬化性樹脂を含有してなる絶縁層に貫通孔を形成する工程と、該貫通孔に貫通導体を形成する工程と、前記貫通導体を形成した絶縁層の主面に開口部を設けたランド部を有する配線層を、前記ランド部が貫通導体を塞ぐように形成する工程と、こうして作製した貫通導体と配線層を形成した絶縁層を複数積層し、硬化させる工程を具備してなることを特徴とする配線基板の製造方法。
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JP2015119195A (ja) * 2015-02-03 2015-06-25 新光電気工業株式会社 配線基板及びその製造方法
JP2015170676A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 大日本印刷株式会社 配線板、配線板の製造方法
JPWO2016021666A1 (ja) * 2014-08-07 2017-04-27 日本化薬株式会社 高周波回路用に適した両面回路用基板

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