JP6164039B2 - 積層鉄心の製造方法 - Google Patents
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Description
上記複数の鉄心ブロックを積層したブロック積層厚みが上記積層鉄心の目標厚みよりも小さくなるよう、上記複数の鉄心ブロックを形成するための上記複数の電磁鋼板の枚数を決定して、上記複数の鉄心ブロックを積層する積層ステップと、
上記ブロック積層厚みを測定し、上記積層鉄心の目標厚みから上記ブロック積層厚みを差し引いた差分に応じた電磁鋼板の枚数を特定する測定ステップと、
上記複数の鉄心ブロックと上記特定された枚数の電磁鋼板とを積層する追加積層ステップと、
上記複数の鉄心ブロック及び上記特定された枚数の電磁鋼板の全体を接合する接合ステップとを含むことを特徴とする積層鉄心の製造方法にある。
それ故、上記積層鉄心の製造方法によれば、積層鉄心の生産性を高めることができる。
上記追加積層ステップにおいて、上記特定された枚数の電磁鋼板は、上記鉄心ブロックの間に配置して積層することができる。
この場合には、追加で積層する特定枚数の電磁鋼板が鉄心ブロックの外側に配置されず、接合ステップにおいて、複数の鉄心ブロックと特定枚数の電磁鋼板の全体を接合することが容易になる。
これにより、複数の鉄心ブロックを積層したブロック積層厚みが意図的に小さくなるように、複数の電磁鋼板を積層する枚数を決定する。そのため、追加積層ステップにおいて、複数の鉄心ブロックを積層したブロック積層厚みを、積層鉄心の目標厚みの範囲よりも小さくすることが容易になる。
この場合には、追加積層ステップにおいて、複数の鉄心ブロックを転積することにより、積層鉄心の厚みが周方向においてできるだけ均一になるようにすることができる。
複数の鉄心ブロックの転積は、複数の鉄心ブロックがプレス装置によって打ち抜かれた状態を基準回転位置として、各鉄心ブロックの周方向の回転位置を互いに異ならせることによって行うことができる。
この場合には、かしめ部によるかしめ固定によって、鉄心ブロックにおける各電磁鋼板が容易に外れないようにすることができる。
そして、上記追加積層ステップにおいて、上記複数の鉄心ブロックと上記特定された枚数の電磁鋼板とを積層する際には、上記複数の鉄心ブロックにおける上記複数の取付用突出部となる部分を互いに合わせる状態で、上記帯状鋼板から打ち抜かれたときの上記複数の鉄心ブロックの周方向の回転位置を適宜異ならせ、上記積層鉄心における上記複数の鉄心ブロックの周方向の回転位置を、上記複数の取付用突出部の間で均等に振り分けることができる。
そして、追加積層ステップにおいて、複数の鉄心ブロックの周方向の回転位置を適宜異ならせることにより、主に長尺状の帯状鋼板の幅方向(送り方向に直交する方向)に生じる厚みのばらつきが、積層鉄心の周方向の各部におけるばらつきとして生じることを防止することができる。そして、積層鉄心の厚みが周方向においてできるだけ均一になるようにすることができる。
例えば、取付用突出部の数が3つであり、鉄心ブロックの数を3つとする場合には、第1の鉄心ブロックの周方向の回転位置を0°とし、第2の鉄心ブロックの周方向の回転位置を120°とし、第3の鉄心ブロックの周方向の回転位置を240°として、複数の鉄心ブロックの周方向の回転位置を決定することをいう。また、例えば、取付用突出部の数が3つであり、鉄心ブロックの数を6つとする場合には、いずれか2つの第1の鉄心ブロックの周方向の回転位置を0°とし、他のいずれか2つの第2の鉄心ブロックの周方向の回転位置を120°とし、残りの2つの第3の鉄心ブロックの周方向の回転位置を240°として、複数の鉄心ブロックの周方向の回転位置を決定することをいう。また、例えば、取付用突出部の数が2つであり、鉄心ブロックの数を2つとする場合には、第1の鉄心ブロックの周方向の回転位置を0°とし、第2の鉄心ブロックの周方向の回転位置を180°として、複数の鉄心ブロックの周方向の回転位置を決定することをいう。その他の場合も同様である。
本例の積層鉄心1の製造方法においては、積層ステップ、測定ステップ、追加積層ステップ及び接合ステップを行って、複数の電磁鋼板2を積層して鉄心ブロック3を複数形成し、複数の鉄心ブロック3を積層して積層鉄心1を製造する。
積層ステップにおいては、図1〜図4に示すごとく、複数の電磁鋼板2を積層して鉄心ブロック3を複数形成する。測定ステップにおいては、図4に示すごとく、複数の鉄心ブロック3を積層したブロック積層厚みU2を測定し、積層鉄心1の目標厚みT1からブロック積層厚みU2を差し引いた差分に応じた追加電磁鋼板4の枚数を特定する。追加積層ステップにおいては、図5、図6に示すごとく、複数の鉄心ブロック3と特定された枚数の追加電磁鋼板4とを積層して、複数の鉄心ブロック3及び特定された枚数の追加電磁鋼板4による全体の積層厚みU1を、積層鉄心1の目標厚みT1の許容範囲内にする。接合ステップにおいては、図7に示すごとく、複数の鉄心ブロック3及び特定された枚数の追加電磁鋼板4の全体を接合する。
図7に示すごとく、本例の積層鉄心1の製造方法において製造する積層鉄心1は、回転電機用のステータコアである。積層鉄心1の外周には、径方向外方へ突出する3つの取付用突出部11が周方向Cに等間隔に設けられている。積層鉄心1の中心部には、ロータを配置するための中心穴10が形成されており、中心穴10の外周側には、コイルを配置するための複数のスロット部12が周方向Cに等間隔に形成されている。また、積層鉄心1は、スロット部12同士の間にティース部13を有しており、複数のティース部13は、その外周側に位置する円環状のヨーク部14から内周側に突出している。取付用突出部11には、積層鉄心1を種々の被組付対象に組み付けるためのボルトが挿通される挿通穴111が、軸方向Lに貫通して形成されている。
図4、図5に示すごとく、本例の積層ステップにおいては、複数の電磁鋼板2のうち最下部に位置する電磁鋼板2Aには、かしめ部としてのダボ穴21が形成される。また、複数の電磁鋼板2のうち最下部に位置する電磁鋼板2Aを除く残りの電磁鋼板2Bには、かしめ部としてのダボ突起22が形成される。ダボ突起22は、ヨーク部14における一部を厚み方向に突出させるように変形させて形成される。ダボ突起22は、ダイス62側に位置する一方の表面に突出する凸部221と、パンチ61側に位置する他方の表面に、凸部221の形成によって陥没する凹部222とを有している。最下部に位置する電磁鋼板2Aには、凸部221を形成しないことにより、複数の電磁鋼板2を積層して形成された鉄心ブロック3の下面に、突起物が存在しなくなる。これにより、鉄心ブロック3の管理を容易にすることができる。
追加積層ステップにおいて積層する鉄心ブロック3の数は、積層鉄心1における複数の取付用突出部11の数の整数倍として決定する。本例の取付用突出部11は3つ形成されており、追加積層ステップにおいて積層する鉄心ブロック3は3つとしている。
そこで、図3に示すごとく、複数の鉄心ブロック3と所定枚数の追加電磁鋼板4とを積層する際には、複数の鉄心ブロック3における複数の取付用突出部11となる部分を互いに合わせる状態で、帯状鋼板20から打ち抜かれたときの複数の鉄心ブロック3の周方向Cの回転位置301,302,303を適宜異ならせる。
また、鉄心ブロック3の間に追加電磁鋼板4が挟まれ、追加電磁鋼板4が積層鉄心1の端面に位置していないことにより、TIG溶接、レーザ溶接、EB溶接等の溶接によって上記接合を行う場合には、溶接の熱影響によって積層鉄心1の端面の面精度が悪化することを防止することができる。
まずは、プレス装置6において、帯状鋼板20から積層鉄心1となる形状の電磁鋼板2を打ち抜き、この電磁鋼板2をプレス装置6のダイス62内に所定の枚数積層して、鉄心ブロック3を形成する(図8のステップS1)。次いで、鉄心ブロック3を、周方向Cに回転させず、かつ向きを変えないでダイス62内から取り出す(S2)。そして、3つの鉄心ブロック3を所定の角度ずつ周方向Cに回転させながら積層(転積)する(S2)。次いで、3つの鉄心ブロック3を積層した全体のブロック積層厚みU2を測定する(S3)。次いで、積層鉄心1の目標厚みT1から測定したブロック積層厚みU2を差し引いた差分に応じた枚数の追加電磁鋼板4を、鉄心ブロック3の間に配置する(S4)。その後、3つの鉄心ブロック3及び追加電磁鋼板4の全体に溶接を行って、積層鉄心1を製造する(S5)。
また、積層ステップにおいては、複数の鉄心ブロック3を積層したブロック積層厚みU2が意図的に小さくなるように、複数の電磁鋼板2を積層する枚数を決定している。これにより、追加積層ステップにおいて、複数の鉄心ブロック3を積層したブロック積層厚みU2を、積層鉄心1の目標厚みT1の許容範囲内にすることが容易になる。
それ故、本例の積層鉄心1の製造方法によれば、プレス装置6の構造を簡単にすることができ、積層鉄心1の生産性を高めることができる。
また、鉄心ブロック3を構成する複数の電磁鋼板2は、かしめ固定する以外にも、溶接を行うことによって、あるいは接着剤によって固定することもできる。
また、測定ステップにおいては、複数の鉄心ブロック3を積層したブロック積層厚みU2は、測定を行って検知する以外にも、帯状鋼板20の厚みの状態、あるいは先に測定を行った鉄心ブロック3のブロック積層厚みU2等に基づいて推測して検知することも可能である。
11 取付用突出部
2 電磁鋼板
20 帯状鋼板
21 ダボ穴(かしめ部)
22 ダボ突起(かしめ部)
3 鉄心ブロック
4 追加電磁鋼板
6 プレス装置
Claims (5)
- 複数の電磁鋼板を積層して形成した複数の鉄心ブロックを積層して積層鉄心を製造する方法であって、
上記複数の鉄心ブロックを積層したブロック積層厚みが上記積層鉄心の目標厚みよりも小さくなるよう、上記複数の鉄心ブロックを形成するための上記複数の電磁鋼板の枚数を決定して、上記複数の鉄心ブロックを積層する積層ステップと、
上記ブロック積層厚みを測定し、上記積層鉄心の目標厚みから上記ブロック積層厚みを差し引いた差分に応じた電磁鋼板の枚数を特定する測定ステップと、
上記複数の鉄心ブロックと上記特定された枚数の電磁鋼板とを積層する追加積層ステップと、
上記複数の鉄心ブロック及び上記特定された枚数の電磁鋼板の全体を接合する接合ステップとを含むことを特徴とする積層鉄心の製造方法。 - 上記測定ステップ及び上記追加積層ステップにおいては、上記複数の鉄心ブロック及び上記特定された枚数の電磁鋼板による全体の積層厚みが、上記積層鉄心の目標厚みの許容範囲内になるようにすることを特徴とする請求項1に記載の積層鉄心の製造方法。
- 上記追加積層ステップにおいて、上記特定された枚数の電磁鋼板は、上記鉄心ブロックの間に配置して積層することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層鉄心の製造方法。
- 上記積層鉄心は、回転電機用のステータコアであり、
上記追加積層ステップにおいて積層する上記鉄心ブロックの数は、上記ステータコアの外周に周方向に等間隔に配置されて突出する複数の取付用突出部の数の整数倍であり、
上記追加積層ステップにおいて、上記複数の鉄心ブロックと上記特定された枚数の電磁鋼板とを積層する際には、上記複数の鉄心ブロックにおける上記複数の取付用突出部となる部分を互いに合わせるように転積することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層鉄心の製造方法。 - 上記複数の鉄心ブロックを形成するための上記複数の電磁鋼板は、該複数の電磁鋼板にそれぞれ設けられたかしめ部によって、互いにかしめ固定しながら積層することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層鉄心の製造方法。
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