JP7406061B2 - 積層コアおよびその製造方法、回転電機 - Google Patents

積層コアおよびその製造方法、回転電機 Download PDF

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Description

本発明は、積層コアおよびその製造方法、回転電機に関する。
従来から、下記特許文献1に記載されているような積層コアが知られている。この積層コアでは、積層方向に隣り合う電磁鋼板が、接着およびかしめの両方法により接合されている。
特開2015-142453号公報
特許文献1には、電磁鋼板同士がかしめによって接合される組と、電磁鋼板同士が接着によって接合される組とを併用し、磁気特性を劣化させることなく寸法精度や機械強度を向上させることについては記載されておらず、当然、これらの組の境界部分における接合強度を向上させることについて改善の余地がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、電磁鋼板同士がかしめによって接合される組と、電磁鋼板同士が接着によって接合される組との境界部分における接合強度を向上させることを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]互いに積層された複数の電磁鋼板を備え、
積層方向に隣り合う全ての組の電磁鋼板同士が固定された積層コアであって、
電磁鋼板同士がかしめられ接着されていない第1の組と、電磁鋼板同士が接着されかしめられていない第2の組と、を含み、
前記第1の組と前記第2の組との境界部分における電磁鋼板同士は、SP値が7.8~10.7(cal/cm1/2である接着剤で接着され、互いにかしめられておらず、
前記境界部分で前記電磁鋼板同士を接着する前記接着剤からなる接着部が、平面視で前記境界部分における前記第1の組の電磁鋼板のかしめと同一円周上に点状に設けられ
前記第2の組における前記電磁鋼板の枚数が、前記第1の組における前記電磁鋼板の枚数よりも多い、
積層コア。
[2]前記境界部分において、前記第1の組の電磁鋼板のかしめ用凸部の先端が、前記第2の組の電磁鋼板の前記かしめ用凸部側の面に前記接着剤で接着されている、[1]に記載の積層コア。
[3]前記境界部分において、前記第1の組の電磁鋼板のかしめ以外の部分の少なくとも一部が、前記第2の組の電磁鋼板の前記かしめ側の面に前記接着剤で接着されている、[1]に記載の積層コア。
[4]前記境界部分における前記接着剤からなる接着部の積層方向の厚さが、前記かしめのかしめ用凸部の高さと同じである、[3]に記載の積層コア。
[5]前記電磁鋼板の打ち抜き加工に使用される打ち抜き油のSP値と前記接着剤のSP値との差の絶対値が0.1~2.3(cal/cm1/2である、[1]~[4]のいずれかに記載の積層コア。
[6]前記第2の組の電磁鋼板同士が、SP値が7.8~10.7(cal/cm1/2である接着剤で接着されている、[1]~[5]のいずれかに記載の積層コア。
[7]前記電磁鋼板は、環状のコアバック部と、前記コアバック部から前記コアバック部の径方向の内側に突出するとともに前記コアバック部の周方向に間隔をあけて配置された複数のティース部と、を備え、前記第1の組の電磁鋼板のかしめとして、前記コアバック部に設けられた第1かしめと、前記ティース部に設けられた第2かしめと、が形成されている[1]~[6]のいずれかに記載の積層コア。
[8][1]~[7]のいずれかに記載の積層コアを備える回転電機。
[9][1]に記載の積層コアの製造方法であって、
前記第1の組の電磁鋼板と、前記第2の組の電磁鋼板のいずれか一方または両方に、SP値が7.8~10.7(cal/cm1/2である接着剤を塗布し、硬化させてそれら電磁鋼板同士を接着する、積層コアの製造方法。
[10]前記第1の組の電磁鋼板のかしめ以外の部分の少なくとも一部に、前記かしめのかしめ用凸部の高さよりも厚くなるように前記接着剤を塗布し、
前記第2の組の電磁鋼板に前記かしめ用凸部の先端が接した状態で前記接着剤を硬化させて、前記かしめのかしめ用凸部の高さと同じ厚さの接着部によってそれらの電磁鋼板同士を接着する、[9]に記載の積層コアの製造方法。
[11]打ち抜き油を用いた打ち抜き加工によって前記電磁鋼板を製造し、
前記打ち抜き油のSP値と前記接着剤のSP値との差の絶対値を0.1~2.3(cal/cm1/2とする、[9]または[10]に記載の積層コアの製造方法。
本発明によれば、電磁鋼板同士がかしめによって接合される組と、電磁鋼板同士が接着によって接合される組との境界部分における接合強度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る回転電機の平面図である。 図1に示す回転電機が備えるステータの平面図である。 図1に示す回転電機が備えるステータの側面図である。 図1に示す回転電機が備えるステータの電磁鋼板およびかしめの平面図である。 図4の電磁鋼板の断面図であって、図5(A)はA-A断面図であり、図5(B)はB-B断面図である。 境界部分M1における電磁鋼板、かしめおよび接着部の一例を示した平面図である。 図6の境界部分M1における電磁鋼板同士の接合部分の断面図であって、図7(A)はC-C断面図であり、図7(B)はD-D断面図である。 境界部分M2における電磁鋼板同士の接合部分の断面図であって、図8(A)は第1かしめ部近傍の断面図であり、図7(B)は第2かしめ近傍の断面図である。 図1に示す回転電機が備えるステータの電磁鋼板および接着部の平面図である。 境界部分M1における電磁鋼板、かしめおよび接着部の他の例を示した平面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る回転電機を説明する。なお本実施形態では、回転電機として電動機、具体的には交流電動機、より具体的には同期電動機、より一層具体的には永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明する。この種の電動機は、例えば、電気自動車などに好適に採用される。
図1および図2に示すように、回転電機10は、ステータ20と、ロータ30と、ケース50と、回転軸60と、を備える。ステータ20およびロータ30は、ケース50に収容される。ステータ20は、ケース50に固定される。
本実施形態では、回転電機10として、ロータ30がステータ20の内側に位置するインナーロータ型を採用している。しかしながら、回転電機10として、ロータ30がステータ20の外側に位置するアウターロータ型を採用してもよい。また本実施形態では、回転電機10が、12極18スロットの三相交流モータである。しかしながら、例えば極数やスロット数、相数などは適宜変更することができる。なおこの回転電機10は、例えば、各相に実効値10A、周波数100Hzの励磁電流を印加することにより、回転数1000rpmで回転することができる。
ステータ20は、ステータコア21と、図示しない巻線と、を備える。
ステータコア21は、環状のコアバック部22と、複数のティース部23と、を備える。以下では、ステータコア21(コアバック部22)の軸方向(ステータコア21の中心軸線O方向)を軸方向といい、ステータコア21(コアバック部22)の径方向(ステータコア21の中心軸線Oに直交する方向)を径方向といい、ステータコア21(コアバック部22)の周方向(ステータコア21の中心軸線O周りに周回する方向)を周方向という。
コアバック部22は、ステータ20を軸方向から見た平面視において円環状に形成されている。
複数のティース部23は、コアバック部22から径方向の内側に向けて(径方向に沿ってコアバック部22の中心軸線Oに向けて)突出する。複数のティース部23は、周方向に同等の間隔をあけて配置されている。本実施形態では、中心軸線Oを中心とする中心角20度おきに18個のティース部23が設けられている。複数のティース部23は、互いに同等の形状で、かつ同等の大きさに形成されている。なお、複数のティース部23の形状、大きさは同等でなくてもよい。
前記巻線は、ティース部23に巻き回されている。前記巻線は、集中巻きされていてもよく、分布巻きされていてもよい。
ロータ30は、ステータ20(ステータコア21)に対して径方向の内側に配置されている。ロータ30は、ロータコア31と、複数の永久磁石32と、を備える。
ロータコア31は、ステータ20と同軸に配置される環状(円環状)に形成されている。ロータコア31内には、前記回転軸60が配置されている。回転軸60は、ロータコア31に固定されている。
複数の永久磁石32は、ロータコア31に固定されている。本実施形態では、2つ1組の永久磁石32が1つの磁極を形成している。複数組の永久磁石32は、周方向に同等の間隔をあけて配置されている。本実施形態では、中心軸線Oを中心とする中心角30度おきに12組(全体では24個)の永久磁石32が設けられている。なお、複数組の永久磁石32の間隔は、同等でなくてもよい。
本実施形態では、永久磁石界磁型電動機として、埋込磁石型モータが採用されている。ロータコア31には、ロータコア31を軸方向に貫通する複数の貫通孔33が形成されている。複数の貫通孔33は、複数の永久磁石32に対応して設けられている。各永久磁石32は、対応する貫通孔33内に配置された状態でロータコア31に固定されている。各永久磁石32のロータコア31への固定は、例えば永久磁石32の外面と貫通孔33の内面とを接着剤により接着すること等により、実現することができる。なお、永久磁石界磁型電動機として、埋込磁石型モータに代えて表面磁石型モータを採用してもよい。
ステータコア21およびロータコア31は、いずれも積層コアである。積層コアは、複数の電磁鋼板40が積層されることで形成されている。
なおステータコア21およびロータコア31それぞれの積厚は、例えば50.0mmとされる。ステータコア21の外径は、例えば250.0mmとされる。ステータコア21の内径は、例えば165.0mmとされる。ロータコア31の外径は、例えば163.0mmとされる。ロータコア31の内径は、例えば30.0mmとされる。ただし、これらの値は一例であり、ステータコア21の積厚、外径や内径、およびロータコア31の積厚、外径や内径はこれらの値に限られない。ここで、ステータコア21の内径は、ステータコア21におけるティース部23の先端部を基準としている。ステータコア21の内径は、全てのティース部23の先端部に内接する仮想円の直径である。
ステータコア21およびロータコア31を形成する各電磁鋼板40は、例えば、母材となる電磁鋼板を打ち抜き加工すること等により形成される。電磁鋼板40としては、公知の電磁鋼板を用いることができる。電磁鋼板40の化学組成は特に限定されない。本実施形態では、電磁鋼板40として、無方向性電磁鋼板を採用している。無方向性電磁鋼板としては、例えば、JISC2552:2014の無方向性電鋼帯を採用することができる。しかしながら、電磁鋼板40として、無方向性電磁鋼板に代えて方向性電磁鋼板を採用することも可能である。方向性電磁鋼板としては、例えば、JISC2553:2012の方向性電鋼帯を採用することができる。
電磁鋼板の加工性や、積層コアの鉄損を改善するため、電磁鋼板40の両面には、絶縁被膜が設けられている。絶縁被膜を構成する物質としては、例えば、(1)無機化合物、(2)有機樹脂、(3)無機化合物と有機樹脂との混合物、などが適用できる。無機化合物としては、例えば、(1)重クロム酸塩とホウ酸の複合物、(2)リン酸塩とシリカの複合物、などが挙げられる。有機樹脂としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
互いに積層される電磁鋼板40間での絶縁性能を確保するために、絶縁被膜の厚さ(電磁鋼板40片面あたりの厚さ)は0.1μm以上とすることが好ましい。
一方で絶縁被膜が厚くなるに連れて絶縁効果が飽和する。また、絶縁被膜が厚くなるに連れて占積率が低下し、積層コアとしての性能が低下する。したがって、絶縁被膜は、絶縁性能が確保できる範囲で薄い方がよい。絶縁被膜の厚さ(電磁鋼板40片面あたりの厚さ)は、好ましくは0.1μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上2μm以下である。
電磁鋼板40が薄くなるに連れて次第に鉄損の改善効果が飽和する。また、電磁鋼板40が薄くなるに連れて電磁鋼板40の製造コストは増す。そのため、鉄損の改善効果および製造コストを考慮すると電磁鋼板40の厚さは0.10mm以上とすることが好ましい。
一方で電磁鋼板40が厚すぎると、電磁鋼板40のプレスによる打ち抜き加工が困難になる。そのため、電磁鋼板40の打ち抜き加工を考慮すると電磁鋼板40の厚さは0.65mm以下とすることが好ましい。
また、電磁鋼板40が厚くなると鉄損が増大する。そのため、電磁鋼板40の鉄損特性を考慮すると、電磁鋼板40の厚さは0.35mm以下とすることが好ましく、より好ましくは、0.20mmまたは0.25mmである。
上記の点を考慮し、各電磁鋼板40の厚さは、例えば、0.10mm以上0.65mm以下、好ましくは、0.10mm以上0.35mm以下、より好ましくは0.20mmや0.25mmである。なお電磁鋼板40の厚さには、絶縁被膜の厚さも含まれる。
本実施形態のステータコア21では、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士の全ての組が、接着またはかしめのどちらかにより接合されている。ステータコア21は、電磁鋼板40同士がかしめられ接着されていない第1の組と、電磁鋼板40同士が接着されかしめられていない第2の組と、を含む。
本発明において、積層コアに含まれる第1の組は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。積層コアに含まれる第2の組は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
図3に示すように、本実施形態では、複数の電磁鋼板40のうち、積層方向に沿う第1側D1に位置するN1枚の電磁鋼板40、および積層方向に沿う第2側D2に位置するN2枚の電磁鋼板40は、いずれも互いにかしめられ接着されておらず、更にはかしめ以外の接合方法により接合されていない。複数の電磁鋼板40のうち、積層方向に沿う中央に位置するN3枚の電磁鋼板40は、互いに接着されかしめられておらず、更には接着以外の接合方法により接合されていない。
このように、N3枚の電磁鋼板40同士が接着されかしめられていない第2の組は、N1枚の電磁鋼板40同士がかしめられ接着されていない第1の組と、N2枚の電磁鋼板40同士がかしめられ接着されていない第1の組によって、積層方向の両側から挟み込まれている。N3枚の電磁鋼板40は、ステータコア21の中央部21cを形成している。電磁鋼板40の全体の枚数をN0とすると、N0は、N1、N2およびN3の和として求められる。
ステータコア21における積層方向の両端部のうち、第1側D1に位置する端部を第1端部21aとし、第2側D2に位置する端部を第2端部21bとする。第1端部21aは、N1枚の電磁鋼板40により形成されている。第2端部21bは、N2枚の電磁鋼板40により形成されている。なお本実施形態では、N1とN2とが等しい。ここで、N1とN2とが等しいことには、N1とN2とが完全に等しい場合だけでなく、N1とN2との間に微差がある場合(実質的に等しい場合)も含まれる。この微差は、ステータコア21の全体の枚数に対して、5%以内の枚数差をいう。
図4に示すように、互いにかしめられている電磁鋼板40(N1枚、N2枚の各電磁鋼板40)には、かしめC1、C2が形成されている。かしめC1、C2は、コアバック部22に設けられた第1かしめC1と、ティース部23に設けられた第2かしめC2と、を含む。
第1かしめC1は、周方向に沿って同等の間隔をあけて複数配置されている。図示の例では、第1かしめC1は、周方向に沿ってティース部23とずらされて配置されている。第1かしめC1は、周方向に沿って隣り合うティース部23の中間に配置されている。第1かしめC1は、径方向に沿ってコアバック部22の中央に配置されている。第2かしめC2は、全てのティース部23に設けられている。第2かしめC2は、各ティース部23の周方向の中央に配置されている。第2かしめC2は、各ティース部23に径方向に2つ並んで配置されている。
第1かしめC1は、図5(A)に示すように、鋼板の一部がU字状に屈曲して第1側D1に突出するかしめ用凸部C11と、かしめ用凸部C11の第2側D2に形成される溝状のかしめ用凹部C12とを備えている。互いにかしめられている電磁鋼板40のコアバック部22同士は、第2側D2の電磁鋼板40の第1かしめC1のかしめ用凸部C11が、第1側D1の電磁鋼板40の第1かしめC1のかしめ用凹部C12に嵌め込まれることでかしめられている。
第2かしめC2は、第1かしめC1と同様の形態であり、図5(B)に示すように、第1側D1に突出するかしめ用凸部C21と、かしめ用凸部C21の第2側D2に形成される溝状のかしめ用凹部C22とを備えている。互いにかしめられている電磁鋼板40のティース部23同士は、第2側D2の電磁鋼板40の第2かしめC2のかしめ用凸部C21が、第1側D1の電磁鋼板40の第2かしめC2のかしめ用凹部C22に嵌め込まれることでかしめられている。
N2枚の電磁鋼板40同士がかしめられ接着されていない第1の組と、N3枚の電磁鋼板40同士が接着されかしめられていない第2の組との境界部分M1においては、一方の電磁鋼板40にかしめ用凸部C11,C21が設けられ、他方の電磁鋼板40にはかしめが設けられていない。境界部分M1における電磁鋼板40同士は、SP値が7.8~10.7(cal/cm1/2である接着剤(以下、接着剤(X))で接着されている。また、N1枚の電磁鋼板40同士がかしめられ接着されていない第1の組と、N3枚の電磁鋼板40同士が接着されかしめられていない第2の組との境界部分M2においては、一方の電磁鋼板40にかしめ用凹部C12,C22が設けられ、他方の電磁鋼板40にはかしめが設けられていない。境界部分M2における電磁鋼板40同士も接着剤(X)で接着されている。
境界部分M1,M2における電磁鋼板40同士は、互いに局所的に接着されている。
この例では、図5(A)に示すように、境界部分M1において、第1かしめC1のかしめ用凸部C11の先端に、接着剤(X)からなる接着部50が設けられている。これにより、接着部50によって、かしめ用凸部C11の先端が、第2の組の電磁鋼板40の第1かしめC1側(第2側D2)の面に接着されている。同様に、図5(B)に示すように、第2かしめC2のかしめ用凸部C21の先端に、接着剤(X)からなる接着部52が設けられている。これにより、接着部52によって、かしめ用凸部C21の先端が、第2の組の電磁鋼板40の第2かしめC2側(第2側D2)の面に接着されている。
接着部50,52は、分断されることなく硬化した一連の接着剤(X)である。
本実施形態では、接着剤(X)からなる接着部50がかしめ用凸部C11の先端に設けられていることから、境界部分M1における接着部50は平面視で第1かしめC1と同一円周上に点状に設けられている。同様に、接着剤(X)からなる接着部52がかしめ用凸部C21の先端に設けられていることから、境界部分M1における接着部52は平面視で第2かしめC2と同一円周上に点状に設けられている。
本発明では、このように境界部分で電磁鋼板同士を接着する接着剤(X)からなる接着部が、平面視で境界部分のかしめと同一円周上に点状に設けられていることが好ましい。これにより、境界部分における電磁鋼板同士の接着強度が十分に高くなり、また磁気特性が向上する。
境界部分M1における接着部50,52の厚さは、安定して十分な接着強度を得るために、1μm以上とすることが好ましい。一方で接着部50,52の厚さが100μmを超えると接着力が飽和する。また、接着部50,52が厚くなるに連れて占積率が低下し、積層コアをモータにした時のトルク密度が低下する。したがって、接着部50,52の厚さは1μm以上100μm以下、さらに好ましくは1μm以上10μm以下とすることが好ましい。
なお、境界部分において接着部を平面視でかしめと同一円周上に点状に設ける態様は、前記した態様には限定されない。例えば、境界部分において、第1の組の電磁鋼板のかしめ以外の部分の少なくとも一部が、第2の組の電磁鋼板のかしめ側の面に接着剤(X)で接着されていてもよい。
具体的には、例えば、図6に例示した態様であってもよい。この例では、境界部分M1における第1の組の電磁鋼板40のコアバック部22で、接着剤(X)からなる接着部54が、平面視で第1かしめC1と同一円周上の各第1かしめC1の間に点状に設けられている。また、各ティース部23において、接着剤(X)からなる接着部56が、平面視で第2かしめC2と同一円周上の各第2かしめC2の両側に点状に設けられている。
接着部54,56は、分断されることなく硬化した一連の接着剤(X)である。
この態様の場合には、図7(A)に示すように、境界部分M1における接着剤(X)からなる接着部54の積層方向の厚さは、第1かしめC1のかしめ用凸部C11の高さと同じとする。同様に、図7(B)に示すように、境界部分M1における接着剤(X)からなる接着部56の積層方向の厚さは、第2かしめC2のかしめ用凸部C21の高さと同じとする。これにより、境界部分M1において接着部54,56によって電磁鋼板40同士をしっかりと接着できる。
図8(A)に示すように、境界部分M2では、N3枚の電磁鋼板40同士が接着されかしめられていない第2の組の電磁鋼板40のコアバック部22の第1側D1の面において、接着剤(X)からなる接着部58が、平面視で第1かしめC1と同一円周上の各第1かしめC1の間に点状に設けられている。また、図8(B)に示すように、N3枚の電磁鋼板40同士が接着されかしめられていない第2の組の電磁鋼板40のティース部23の第1側D1の面において、接着剤(X)からなる接着部60が、平面視で第2かしめC2と同一円周上の各第2かしめC2の両側の位置に点状に設けられている。境界部分M2においても、接着剤(X)からなる接着部が、平面視で境界部分のかしめと同一円周上に点状に設けられていることで、電磁鋼板同士の接着強度が十分に高くなり、磁気特性が向上する。
接着部58,60は、分断されることなく硬化した一連の接着剤(X)である。
境界部分M2における接着部58,60の厚さは、安定して十分な接着強度を得るために、1μm以上とすることが好ましい。一方で接着部58,60の厚さが100μmを超えると接着力が飽和する。また、接着部58,60が厚くなるに連れて占積率が低下し、積層コアをモータにした時のトルク密度が低下する。したがって、接着部58,60の厚さは1μm以上100μm以下、さらに好ましくは1μm以上10μm以下とすることが好ましい。
接着剤(X)は、SP値が7.8~10.7(cal/cm1/2である接着剤である。なお、SP値は、ヒルデブランドにより定義された溶解度パラメータを意味する。
電磁鋼板の打ち抜き加工には打ち抜き油が用いられるため、積層時の電磁鋼板40の積層面には打ち抜き油が残存している。電磁鋼板40の積層面に残存する打ち抜き油は、電磁鋼板の積層面と接着剤との間に介在するため、接着剤による電磁鋼板40同士の接着を阻害する傾向がある。境界部分M1や境界部分M2、特に境界部分M1においては、接着剤による電磁鋼板40同士の接着が難しくなる傾向が高い。また、打ち抜き油は、製造時に接着剤の中に吸収拡散される。
打ち抜き油のSP値は、7.3~7.8(cal/cm1/2であると知られている。SP値が7.8~10.7(cal/cm1/2の範囲である接着剤(X)は、打ち抜き油との相溶性に優れるため、打ち抜き加工後の電磁鋼板の積層において優れた油面接着性を発現する。そのため、境界部分M1,M2において電磁鋼板40同士が高い接着強度で接着される。
接着剤(X)のSP値は、油面接着性が向上する点から、7.8~10.0(cal/cm1/2が好ましく、8.1~8.7(cal/cm1/2がより好ましい。
打ち抜き油との相溶性に優れ、油面接着性が発現しやすい接着剤(X)とするには、打ち抜き油のSP値と接着剤(X)のSP値との差が小さい方が好ましい。一方、接着剤中に取り込まれた油は可塑剤の働きをするため、少量であれば問題ないが、多量になると接着強度を低下させる傾向がある。また、取り込む油の量が多くなりすぎると、接着剤の膨潤度が上がり、打ち抜き油の付着量が不均一になって寸法誤差の原因となり得る。
これらの観点から、打ち抜き加工に用いられる打ち抜き油のSP値(δoil)と接着剤(X)のSP値(δ)との差の絶対値(|δoil-δ|)は、0.1~2.3(cal/cm1/2が好ましく、0.3~1.0(cal/cm1/2がより好ましい。|δoil-δ|が前記範囲内であれば、境界部分M1,M2において電磁鋼板40同士の接着強度がさらに向上し、積層コアの信頼性が向上する。
接着剤(X)のSP値は、例えば、添加剤を配合することで調節できる。例えば、接着剤(X)がエポキシ樹脂系接着剤の場合、エポキシ樹脂(SP値:10.9(cal/cm1/2程度)よりもSP値が小さい、すなわち極性が低い添加剤を配合することで接着剤(X)のSP値を小さくできる。
接着剤(X)のSP値を調節する添加剤としては、接着剤(X)の接着性や回転電機の性能に影響しないものであればよく、例えば、アセトン(SP値:9.9(cal/cm1/2)、酢酸(10.1(cal/cm1/2)等を例示できる。また、後述のSP値が小さい合成ゴムを配合して接着剤(X)のSP値を小さくすることもできる。接着剤(X)に配合する添加剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
接着剤(X)としては、エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂を主成分とするアクリル樹脂系接着剤を例示できる。なお、「エポキシ樹脂を主成分とする」とは、接着剤の主剤(硬化剤以外の成分)の総質量に対するエポキシ樹脂の割合が50質量%以上であることを意味する。同様に、「アクリル樹脂を主成分とする」とは、接着剤の主剤(硬化剤以外の成分)の総質量に対するアクリル樹脂の割合が50質量%以上であることを意味する。エポキシ樹脂系接着剤がアクリル樹脂を含む場合、エポキシ樹脂系接着剤の主剤の総質量に対するアクリル樹脂の割合は50質量%以下である。アクリル樹脂系接着剤がエポキシ樹脂を含む場合、アクリル樹脂系接着剤の主剤の総質量に対するエポキシ樹脂の割合は50質量%未満である。接着剤(X)としては、耐熱性、接着性に優れる点から、エポキシ樹脂系接着剤が好ましい。
エポキシ樹脂系接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤を含む。耐熱性、速硬化性、油面接着性に優れる点から、エポキシ樹脂および硬化剤に加えて、アクリル樹脂をさらに含むエポキシ樹脂系接着剤が好ましい。エポキシ樹脂にアクリル樹脂をグラフト重合させたアクリル変性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂系接着剤を用いてもよい。
アクリル樹脂系接着剤は、エポキシ樹脂及び硬化剤をさらに含むことが好ましい。
エポキシ樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂を例示できる。なかでも、低粘度で作業性に優れる点から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂系接着剤に含まれるエポキシ樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
エポキシ樹脂のガラス転移温度(Tg)は、80~150℃が好ましく、100~150℃がより好ましく、120~150℃がさらに好ましい。エポキシ樹脂のTgが前記範囲の下限値以上であれば、耐熱性に優れ、機械強度が高い積層コアが得られやすい。エポキシ樹脂のTgが前記範囲の上限値以下であれば、鋼板との密着性が得られやすい。
なお、エポキシ樹脂のTgは、JISK7121-1987に準じ、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した中間点ガラス転移温度である。
エポキシ樹脂の数平均分子量(Mn)は、1200~20000が好ましく、2000~18000がより好ましく、2500~16000がさらに好ましい。エポキシ樹脂のMnが前記範囲の下限値以上であれば、接着強度を高めやすい。エポキシ樹脂のMnが前記範囲の上限値以下であれば、エポキシ樹脂系接着剤が高粘度になることを抑制しやすい。
なお、エポキシ樹脂のMnは、標準物質としてポリスチレンを用い、JIS K7252-1:2008に記載のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC:Size-Exclusion Chromatography)により測定できる。
硬化剤としては、特に限定されず、一般に使用されるエポキシ樹脂硬化剤を使用できる。硬化剤は、低温または室温硬化型であってもよく、加熱硬化型であってもよい。硬化剤の具体例としては、例えば、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、フェノールノボラック樹脂、有機リン化合物、ジシアンジアミド(DICY)を例示できる。エポキシ樹脂系接着剤に含まれる硬化剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
脂肪族ポリアミンとしては、例えば、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン(DTA)、ジエチルアミノプロピルアミン(DEAPA)を例示できる。
芳香族ポリアミンとしては、例えば、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、メタフェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)を例示できる。
酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、4-メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を例示できる。
フェノールノボラック樹脂は、酸触媒を用いてフェノール類(フェノールなど)とアルデヒド類(ホルムアルデヒドなど)とを縮合反応させて得られるノボラック型のフェノール樹脂である。
有機リン化合物は、特に限定されず、例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリ(ジクロロプロピル)、リン酸トリ(クロロプロピル)、亜リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、フェニルホスホン酸、トリフェニルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、ジフェニルホスフィンを例示できる。
硬化剤としては、耐熱性に優れる点から、加熱硬化型の硬化剤が好ましく、フェノールノボラック樹脂、芳香族ポリアミンがより好ましく、機械強度が高いステータコアが得られやすい点から、フェノールノボラック樹脂が特に好ましい。エポキシ樹脂硬化剤を2種以上用いる場合、例えば、フェノールノボラック樹脂を主成分とし、芳香族ポリアミンを配合する態様が挙げられる。
エポキシ樹脂系接着剤中の硬化剤の含有量は、硬化剤の種類に応じて適宜設定でき、例えばフェノールノボラック樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂100質量部に対して、5~35質量部が好ましい。
エポキシ樹脂系接着剤、及びエポキシ樹脂を含むアクリル樹脂系接着剤には、硬化促進剤を配合してもよい。硬化促進剤としては、例えば、三級アミン、二級アミン、イミダゾールを例示できる。エポキシ樹脂系接着剤に含まれる硬化促進剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
アクリル樹脂としては、特に限定されない。アクリル樹脂に用いるモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートを例示できる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。接着剤(X)に含まれるアクリル樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
接着剤にアクリル樹脂を用いる場合、硬化前の接着剤においては、アクリル樹脂を形成するモノマーとして含まれていてもよい。
アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)は、5000~100000が好ましく、6000~80000がより好ましく、7000~60000がさらに好ましい。アクリル樹脂のMnが前記範囲の下限値以上であれば、接着強度を高めやすい。アクリル樹脂のMnが前記範囲の上限値以下であれば、接着剤(X)が高粘度になることを抑制しやすい。
なお、アクリル樹脂のMnは、エポキシ樹脂のMnと同様の方法で測定できる。
エポキシ樹脂系接着剤がアクリル樹脂を含む場合、例えば、エポキシ樹脂系接着剤の主剤の総質量に対して、20~50質量%とすることができる。なお、エポキシ樹脂を含むアクリル樹脂系接着剤の場合、例えば、アクリル樹脂系接着剤の主剤の総質量に対し、エポキシ樹脂の割合を50質量%未満、アクリル樹脂の割合を50~80質量%とする。
エポキシ樹脂系接着剤、及びエポキシ樹脂を含むアクリル樹脂系接着剤は、エラストマーを含んでもよい。エラストマーを配合することで、接着部の引張弾性率を特定の範囲に制御でき、粘性、流動特性の向上に寄与する。
エラストマーとしては、天然ゴム、合成ゴムが挙げられ、合成ゴムが好ましい。エポキシ樹脂系接着剤に含まれるエラストマーは、1種でもよく、2種以上でもよい。
合成ゴムとしては、例えば、ポリブタジエン系合成ゴム、ニトリル系合成ゴム、クロロプレン系合成ゴムを例示できる。
ポリブタジエン系合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリイソブチレン(ブチルゴム、IIR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を例示できる。ニトリル系合成ゴムとしては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)を例示できる。クロロプレン系合成ゴムとしては、クロロプレンゴム(CR)を例示できる。
EPDM(SP値:7.9~8.0(cal/cm1/2)、SBR(SP値:8.1~8.7(cal/cm1/2)、BR(SP値:8.1~8.6(cal/cm1/2)、NBR(SP値:8.7~10.5(cal/cm1/2)等のエポキシ樹脂よりもSP値が小さいエラストマーは、接着剤(X)のSP値を調節する目的で使用することもできる。このようなエラストマーを用いることで、油面接着性を改善しながら、引張弾性率も制御できる。
好ましいエポキシ樹脂系接着剤としては、エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂とを含む接着剤、エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂とアクリル樹脂とを含む接着剤、Tgが120~180℃のエポキシ樹脂と有機リン化合物とを含む接着剤、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤とエラストマーとを含む接着剤を例示できる。
Tgが120~180℃のエポキシ樹脂とエラストマーとを含むエポキシ樹脂系接着剤で接着部50を形成する場合、接着部50は、常温引張弾性率が1500~5000MPaであり、150℃での引張弾性率が1000~3000MPaであることが好ましい。
接着部50の常温引張弾性率は、1500~5000MPaが好ましく、1500~4000MPaがより好ましい。常温引張弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、積層コアの鉄損特性に優れる。常温引張弾性率が前記範囲の上限値以下であれば、積層コアの結合強度が優れる。
なお、常温引張弾性率は、共振法により25℃で測定した値である。具体的には、JIS R 1602:1995に準拠して引張弾性率を測定する。
また、接着部50の150℃での引張弾性率は、1000~3000MPaが好ましく、1000~2800MPaがより好ましく、1000~2500がさらに好ましい。150℃での引張弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、積層コアの結合強度に優れる。150℃での引張弾性率が前記範囲の上限値以下であれば、積層コアの鉄損特性が優れる。
なお、150℃での引張弾性率は、共振法により150℃で測定した値である。150℃の引張弾性率は、測定温度以外は常温引張弾性率と同じ方法で測定される。
接着部52,54,56,58,60の常温引張弾性率、および150℃での引張弾性率についても、接着部50と同様の範囲が好ましい。
接着部50,52,54,56,58,60の平均直径は、2~20mmが好ましく、2~15mmがより好ましい。ステータコアの場合、ティース部に設ける点状の接着部の平均直径は3~7mmがより好ましく、コアバック部に設ける点状の接着部の平均直径は5~10mmがより好ましい。
平均直径は、電磁鋼板40同士を剥離した接着部の接着剤跡の直径を定規により測定することで求められる。接着剤跡の平面視形状が真円でない場合、その直径は平面視での接着剤跡の外接円(真円)の直径とする。
境界部分M1,M2における接着部による電磁鋼板40の接着面積率は、それぞれ1%以上、40%以下が好ましく、1%以上、20%以下がより好ましい。なお、接着部による電磁鋼板40の接着面積率とは、電磁鋼板40において積層方向を向く面(以下、電磁鋼板40の第1面という)の面積に対する、第1面のうちの接着部が設けられた領域(接着領域)の面積の割合である。接着部が設けられた領域とは、電磁鋼板40の第1面のうち、分断されることなく硬化した一連の接着剤が設けられている領域(接着領域)である。接着部が設けられた領域の面積は、例えば、剥離後の電磁鋼板40の第1面を撮影し、その撮影結果を画像解析することによって求められる。
N3枚の電磁鋼板40同士は、接着部41によって接着されている。接着部41は、積層方向に隣り合うN3枚の電磁鋼板40同士の間に設けられ、分断されることなく硬化した一連の接着剤である。接着部41を形成する接着剤としては、接着剤(X)が好ましい。
図9に示すように、接着部41によって接着された積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士は、互いに全面接着されていない。これらの電磁鋼板40同士は、互いに局所的に接着されている。
本実施形態では、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士は、電磁鋼板40の周縁に沿って設けられた接着部41によって接着されている。具体的には、積層方向に隣り合う電磁鋼板40同士は、電磁鋼板40を積層方向から見た平面視において、電磁鋼板40の外周縁に沿って設けられた第1の接着部41aと、電磁鋼板40の内周縁に沿って設けられた第2の接着部41bと、によって接着されている。なお、第1、第2の接着部41a、41bは、それぞれ平面視において帯状に形成されている。
ここで帯状とは、帯の幅が途中で変化する形状も含む。例えば、丸形状の点が分断されることなく一方向に連続する形状も、一方向に延びる帯状に含まれる。また、周縁に沿っていることには、周縁に対して完全に平行な場合だけでなく、周縁に対して例えば5度以内の傾斜を有している場合も含まれる。
第1の接着部41aは、電磁鋼板40の外周縁に沿って配置されている。第1の接着部41aは、周方向の全周にわたって連続して延びている。第1の接着部41aは、この第1の接着部41aを積層方向から見た平面視において円環状に形成されている。
第2の接着部41bは、電磁鋼板40の内周縁に沿って配置されている。第2の接着部41bは、周方向の全周にわたって連続して延びている。
第2の接着部41bは、周方向に間隔をあけて設けられ各ティース部23に配置された複数のティース部分44と、コアバック部22に配置され周方向に隣り合うティース部分44同士を連結する複数のコアバック部分45と、を備えている。
ティース部分44は、周方向に間隔をあけて配置され径方向に沿って延びる一対の第1部分44aと、一対の第1部分44a同士を周方向に連結する第2部分44bと、を備えている。第1部分44aは、径方向に帯状に延びている。第2部分44bは、周方向に帯状に延びている。
本実施形態では、電磁鋼板40同士の間に設けられた全ての接着部41の平面視形状は同一である。接着部41の平面視形状とは、接着部41が設けられた電磁鋼板40を積層方向から見た平面視における接着部41の全体形状を意味する。電磁鋼板40同士の間に設けられた全ての接着部41の平面視形状が同一であることは、電磁鋼板40同士の間に設けられた全ての接着部41の平面視形状が完全に同一である場合だけを含むものではなく、電磁鋼板40同士の間に設けられた全ての接着部41の平面視形状が95%以上の部分で共通している実質的に同一の場合を含む。
接着部41による電磁鋼板40の接着面積率は、1%以上、40%以下が好ましく、1%以上、20%以下がより好ましい。なお、接着部41による電磁鋼板40の接着面積率とは、電磁鋼板40において積層方向を向く面(以下、電磁鋼板40の第1面という)の面積に対する、第1面のうちの接着部41が設けられた領域(接着領域42)の面積の割合である。接着部41が設けられた領域とは、電磁鋼板40の第1面のうち、分断されることなく硬化した一連の接着剤が設けられている領域(接着領域42)である。接着部41が設けられた領域の面積は、例えば、剥離後の電磁鋼板40の第1面を撮影し、その撮影結果を画像解析することによって求められる。
本実施形態では、かしめC1、C2と接着部41とは、平面視において重複せず、互いに回避する位置に配置されている。かしめC1、C2と接着部41とは、平面視においてずらされて配置されている。平面視におけるかしめC1、C2の面積の合計は、接着部41の面積の合計よりも小さい。
本実施形態では、ロータコア31を形成する複数の電磁鋼板40は、かしめC(ダボ)によって互いに固定されている。しかしながら、ロータコア31を形成する複数の電磁鋼板40が、接着部41によって互いに接着されていてもよい。なお、ロータコア31は、いわゆる回し積みにより形成されていてもよい。
(積層コアの製造方法)
以下、本発明の一実施形態に係る積層コアの製造方法について説明する。本発明の積層コアは、第1の組の電磁鋼板と第2の組の電磁鋼板のいずれか一方または両方に接着剤(X)を塗布し、硬化させてそれら電磁鋼板同士を接着する以外は、公知の方法で製造できる。
例えば、以下の方法が挙げられる。
電磁鋼板40は、コイル(フープ)から電磁鋼板所定の方向に向かって送り出しつつ、打ち抜き油を用いた複数回の打ち抜きを行うことで製造できる。
第1かしめC1および第2かしめC2を有するN2枚の電磁鋼板40同士をかしめによって接合して積層する。境界部分M1において、N2枚の電磁鋼板40同士がかしめられ接着されていない第1の組の最も上の電磁鋼板40の第1かしめ用凸部C11の先端および第2かしめ用凸部C21の先端に接着剤(X)を塗布するか、図6に例示したパターンで接着剤(X)を塗布した後、かしめを有しない電磁鋼板40を重ねて圧着する。接着剤(X)が加熱硬化型である場合は、150~160℃に加熱し、硬化を促進する。
次いで、最も上の電磁鋼板40の上面に図9に例示したパターンで接着剤(X)を塗布し、かしめを有しない電磁鋼板40を重ねて圧着する操作を繰り返し、N3枚の電磁鋼板40同士が互いに接着されかしめられていない第2の組を積層する。接着剤(X)が加熱硬化型である場合は、150~160℃に加熱し、硬化を促進する。
さらに、境界部分M2において、N3枚の電磁鋼板40同士が互いに接着されかしめられていない第2の組の最も上の電磁鋼板40の上面に、図6に例示したパターンと同様のパターンで接着剤(X)を塗布した後、第1かしめC1および第2かしめC2を有する電磁鋼板40を重ねて圧着する。第1かしめC1および第2かしめC2を有する電磁鋼板40同士をかしめによって接合して積層する操作を繰り返し、N1枚の電磁鋼板40同士がかしめられ接着されていない第1の組を積層する。接着剤(X)が加熱硬化型である場合は、150~160℃に加熱し、硬化を促進する。
以上の工程により、ステータコア21が完成する。
本発明では、図6に例示した塗布パターンのように、境界部分において、第1の組の電磁鋼板のかしめ以外の部分の少なくとも一部に接着剤(X)を塗布する場合、塗布の段階では、かしめのかしめ用凸部の高さよりも厚くなるように接着剤(X)を塗布することが好ましい。そして、第2の組の電磁鋼板に前記かしめ用凸部の先端が接した状態で接着剤(X)を硬化させて、前記かしめのかしめ用凸部の高さと同じ厚さの接着部によってそれらの電磁鋼板同士を接着することが好ましい。これにより、境界部分において電磁鋼板同士をしっかりと接着することが容易になる。
接着剤(X)としては、電磁鋼板同士の接着強度がさらに向上し、積層コアの信頼性が向上する点から、打ち抜き油とのSP値の差の絶対値が0.1~0.3(cal/cm1/2であるものを使用することが好ましい。
以上説明したように、本発明では、積層コアにおいて、第1の組と第2の組との境界部分における電磁鋼板同士が、接着剤(X)で接着されている。これにより、当該境界部分において、電磁鋼板同士の接着強度が高くなるため、機械強度が高く、低騒音および低振動の積層コアとなる。
また、かしめによる接合は、接着による接合に比べて、寸法精度を高めることができる。一方、接着による接合は、かしめによる接合に比べて、電磁鋼板に生じる歪を抑えることができる。電磁鋼板に生じる歪は、電磁鋼板の鉄損および積層コアの磁気特性に影響を与えることから、小さいほうが好ましい。本発明における積層コアは、かしめによる接合と接着による接合とを組み合わせるため、外形状の寸法精度と磁気特性を両立できる。
前記したステータコア21のように、第2の組が第1の組によって積層方向の両側から挟み込まれる態様は、外形状の寸法精度と磁気特性をより高度に両立できる。また、かしめにより接合される電磁鋼板の枚数の比率が低い(例えば、N3>N1+N2)と、磁気特性を一層向上させることができる。N1=N2であれば、寸法精度がさらに向上し、取り扱い性が向上する。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
ステータコアの形状は、前記実施形態で示した形態に限定されるものではない。具体的には、ステータコアの外径および内径の寸法、積厚、スロット数、ティース部23の周方向と径方向の寸法比率、ティース部23とコアバック部22との径方向の寸法比率、などは所望の回転電機の特性に応じて任意に設計可能である。
積層コアは、第2の組が第1の組によって積層方向の両側から挟み込まれる態様には限定されない。例えば、複数の電磁鋼板が、積層方向に1組以上おき、具体的には素数組おき(少なくとも本明細書において、素数は1を含む)に接着されていてもよい。具体例としては、複数の電磁鋼板が、積層方向に1組おき(2枚おき)に接着され、1組おき(2枚おき)にかしめられていいてもよい。複数の電磁鋼板が、積層方向に2組おき(3枚おき)に接着され、2組おき(3枚おき)にかしめられていてもよい。このような態様も、外形状の寸法精度と磁気特性を両立できる。
境界部分において、接着剤(X)からなる接着部を平面視でかしめと同一円周上に設けなくてもよい。例えば、図10に示すように、コアバック部22における各第1かしめC1の間の各ティース部23との境界部分に点状に接着部54が設けられ、また各ティース部23において、各第2かしめC2の両側の径方向の内側と外側にそれぞれ接着部56が設けられていてもよい。
接着剤(X)からなる接着部は点状でなくてもよい。例えば、境界部分において、接着剤(X)からなる接着部が図9の接着部41のような態様で形成されていてもよい。
前記実施形態におけるロータでは、2つ1組の永久磁石32が1つの磁極を形成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、1つの永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよく、3つ以上の永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよい。
前記実施形態では、回転電機として、永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明したが、回転電機の構造は、以下に例示するようにこれに限られず、更には以下に例示しない種々の公知の構造も採用可能である。
前記実施形態では、同期電動機として、永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機がリラクタンス型電動機や電磁石界磁型電動機(巻線界磁型電動機)であってもよい。
前記実施形態では、交流電動機として、同期電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機が誘導電動機であってもよい。
前記実施形態では、電動機として、交流電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機が直流電動機であってもよい。
前記実施形態では、回転電機として、電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機が発電機であってもよい。
前記実施形態では、本発明に係る積層コアをステータコアに適用した場合を例示したが、ロータコアに適用することも可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[製造例1]
イソブチルメタクリレート80質量部とポリメチルメタクリレート20質量部とを混合してSP値が7.5(cal/cm1/2である接着剤(Y-1)を調製した。
[製造例2]
エピクロルヒドリンとビスフェノールFとを重合して得られたビスフェノールF型エポキシ樹脂(Tg:130℃)100質量部と、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂25質量部とを混合してSP値が7.9(cal/cm1/2である接着剤(X-1)を調製した。
[製造例3]
エピクロルヒドリンとビスフェノールFとを重合して得られたビスフェノールF型エポキシ樹脂(Tg:130℃)100質量部と、有機リン化合物としてヘキサメチルリン酸トリアミド25質量部とを混合してSP値が8.5(cal/cm1/2である接着剤(X-2)を調製した。
[製造例4]
メチルメタクリレート60質量部と、シクロヘキシルメタクリレート40質量部とを混合してSP値が10.2(cal/cm1/2である接着剤(X-3)を調製した。
[製造例5]
エピクロルヒドリンとビスフェノールFとを重合して得られたビスフェノールF型エポキシ樹脂(Tg:130℃)100質量部と、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂3質量部と、エラストマーとしてEPDM1質量部とを混合してSP値が10.8(cal/cm1/2である接着剤(Y-2)を調製した。
[例1]
Si:3.0質量%、Al:0.5質量%、Mn:0.1質量%を含有する無方向性電磁鋼板用の組成を有する厚み0.3mmの鋼板から矩形状の鋼板(幅25mm×長さ100mm)を2枚切り出した。2枚の鋼板のうちの一方にはかしめ(縦3.0mm×横2.0mm×高さ0.25mm)を形成して第1の試験用鋼板とし、他方はかしめを形成せずに第2の試験用鋼板とした。
第1の試験用鋼板のかしめ用凸部が形成された側の表面と、第2の試験用鋼板の第1の試験用鋼板側に向けられる面の全体に、打ち抜き油(SP値:7.7(cal/cm1/2)を、それぞれ塗布量が50mg/mとなるように塗布した。
第1の試験用鋼板のかしめ用凸部以外の部分に接着剤(Y-1)を厚さが0.27mmとなるように塗布し、第2の試験用鋼板の油面同士が向き合うように重ねた。それらを温度150℃、圧力100Paの条件で加熱圧着し、第1の試験用鋼板のかしめ用凸部の先端が第2の試験用鋼板に接している状態で接着剤(Y-1)を硬化させて試験片を得た。
[例2~5]
接着剤(Y-1)の代わりに接着剤(X-1)~接着剤(X-3)、接着剤(Y-2)を用いる以外は、例1と同様にして試験片を得た。
[例6]
第1の試験用鋼板のかしめ用凸部の先端面に接着剤(X-1)を塗布量が1g/mとなるように塗布する以外は、例1と同様にして試験片を得た。
[例7~10]
接着剤(Y-1)の代わりに接着剤(X-1)~接着剤(X-3)、接着剤(Y-2)を用いる以外は、例6と同様にして試験片を得た。
[接着強度]
各例の試験片について、JIS K6850:1999に準じて接着強度(剥離強度)を測定した。引張試験環境は常温(25℃)とした。試験速度は3mm/分とした。接着強度は以下の基準で評価した。
◎:100kgf/cm以上。
〇:50kgf/cm以上100kgf/cm未満。
△:10kgf/cm以上50kgf/cm未満。
×:10kgf/cm未満。
例1~10の接着強度の測定結果を表1に示す。
Figure 0007406061000001
[例11]
Si:3.0質量%、Al:0.5質量%、Mn:0.1質量%を含有する無方向性電磁鋼板用の組成を有する厚み0.3mmの鋼板から、打ち抜き油(SP値:7.7(cal/cm1/2)を用いた打ち抜き加工によって、図4のような第1かしめC1及び第2かしめC2を有する電磁鋼板40と、図2のようなかしめのない電磁鋼板40を得た。
第1かしめC1及び第2かしめC2を有する電磁鋼板40のかしめ用凸部側の面に、図6に示すように接着剤(X-2)を塗布量が1g/mとなるように塗布し、かしめのない電磁鋼板40を重ねた。それらを温度150℃、圧力100Paの条件で加熱圧着し、接着剤(X-2)を硬化させて試験片を得た。
[例12]
第1かしめC1及び第2かしめC2を有する電磁鋼板40のかしめ用凸部側の面に、図10に示すように接着剤(X-2)を塗布した以外は、例12と同様にして試験片を得た。
例11、12の接着強度の測定結果を表2に示す。
Figure 0007406061000002
10…回転電機、20…ステータ、21…ステータコア、40…電磁鋼板、41,50,52,54,56,58,60…接着部、M1,M2…境界部分。

Claims (11)

  1. 互いに積層された複数の電磁鋼板を備え、
    積層方向に隣り合う全ての組の電磁鋼板同士が固定された積層コアであって、
    電磁鋼板同士がかしめられ接着されていない第1の組と、電磁鋼板同士が接着されかしめられていない第2の組と、を含み、
    前記第1の組と前記第2の組との境界部分における電磁鋼板同士は、SP値が7.8~10.7(cal/cm1/2である接着剤で接着され、互いにかしめられておらず、
    前記境界部分で前記電磁鋼板同士を接着する前記接着剤からなる接着部が、平面視で前記境界部分における前記第1の組の電磁鋼板のかしめと同一円周上に点状に設けられ
    前記第2の組における前記電磁鋼板の枚数が、前記第1の組における前記電磁鋼板の枚数よりも多い、積層コア。
  2. 前記境界部分において、前記第1の組の電磁鋼板のかしめ用凸部の先端が、前記第2の組の電磁鋼板の前記かしめ用凸部側の面に前記接着剤で接着されている、請求項1に記載の積層コア。
  3. 前記境界部分において、前記第1の組の電磁鋼板のかしめ以外の部分の少なくとも一部が、前記第2の組の電磁鋼板の前記かしめ側の面に前記接着剤で接着されている、請求項1に記載の積層コア。
  4. 前記境界部分における前記接着剤からなる接着部の積層方向の厚さが、前記かしめのかしめ用凸部の高さと同じである、請求項3に記載の積層コア。
  5. 前記電磁鋼板の打ち抜き加工に使用される打ち抜き油のSP値と前記接着剤のSP値との差の絶対値が0.1~2.3(cal/cm1/2である、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層コア。
  6. 前記第2の組の電磁鋼板同士が、SP値が7.8~10.7(cal/cm1/2である接着剤で接着されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の積層コア。
  7. 前記電磁鋼板は、環状のコアバック部と、前記コアバック部から前記コアバック部の径方向の内側に突出するとともに前記コアバック部の周方向に間隔をあけて配置された複数のティース部と、を備え、
    前記第1の組の電磁鋼板のかしめとして、前記コアバック部に設けられた第1かしめと、前記ティース部に設けられた第2かしめと、が形成されている請求項1~6のいずれか一項に記載の積層コア。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の積層コアを備える回転電機。
  9. 請求項1に記載の積層コアの製造方法であって、
    前記第1の組の電磁鋼板と、前記第2の組の電磁鋼板のいずれか一方または両方に、SP値が7.8~10.7(cal/cm1/2である接着剤を塗布し、硬化させてそれら電磁鋼板同士を接着する、積層コアの製造方法。
  10. 前記第1の組の電磁鋼板のかしめ以外の部分の少なくとも一部に、前記かしめのかしめ用凸部の高さよりも厚くなるように前記接着剤を塗布し、
    前記第2の組の電磁鋼板に前記かしめ用凸部の先端が接した状態で前記接着剤を硬化させて、前記かしめのかしめ用凸部の高さと同じ厚さの接着部によってそれらの電磁鋼板同士を接着する、請求項9に記載の積層コアの製造方法。
  11. 打ち抜き油を用いた打ち抜き加工によって前記電磁鋼板を製造し、
    前記打ち抜き油のSP値と前記接着剤のSP値との差の絶対値を0.1~2.3(cal/cm1/2とする、請求項9または10に記載の積層コアの製造方法。
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