JP6161413B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真式のプリンタや複写機等の画像形成装置に搭載される画像加熱装置に関する。
電子写真プリンタや電子写真複写機などに搭載される画像加熱装置として外部加熱方式の定着装置が知られている。
特許文献1には、記録材上の画像と接触して加熱する定着ローラと、筒状のベルトと、ベルトの内周面と接触しベルトを介して定着ローラとニップ部を形成するニップ部形成部材(加圧パッド)を有している定着装置が記載されている。未定着トナー画像を担持した記録材は、ニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより未定着トナー画像は記録材上に定着される。
特開2004−279857号公報
特許文献1の定着装置のように、ニップ部形成部材(加圧パッド)として断熱性を有する部材を用いると次のような課題がある。
小サイズの記録材を高速で連続的に定着処理すると、定着ローラ及びベルトの記録材が通過しない領域(非通紙領域)が過度に昇温する、いわゆる非通紙部昇温が発生し、定着ローラ及びベルトが熱で損傷する場合がある。特許文献1の定着装置では、ニップ部形成部材(加圧パッド)とベルトの内面との摺動性を確保するために、加圧パッドの基材にガラスコートやフッ素樹脂等の熱伝導率の低い摺動層を設けている。しかしながら、加圧パッドの基材に摺動層を設けると、定着ローラ及びベルトの熱が加圧パッドの基材に逃げにくく非通紙部昇温は緩和されにくい。また、加圧パッドの基材についても断熱性の確保のためにゴムや樹脂等で形成されているため、熱伝導率は低く非通紙部昇温が緩和しにくい。
一方で、加圧パッドに摺動層を設けないと、定着ローラ及びベルトの熱はニップ部形成部材に伝わりやすくなるものの、ニップ部形成部材とベルトの内面との摺動性が低下してしまう。その為、ニップ部形成部材やベルトが摩耗して削れ粉が発生し、ますます摺動性が低下することがある。その結果、定着ローラの駆動トルクが増大したり、スティックスリップ現象による異音が発生したりすることがある。
以上述べたことから、外部加熱方式の定着装置では、非通紙部昇温を抑制しつつニップ部形成部材とベルトの内面との摺動性が低下しないようにすることが望まれる。
本発明の目的は、ニップ部形成部材とベルトの内面との摺動性の低下を抑制しつつ非通紙部昇温を抑制できる画像加熱装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の構成は、ニップ部でトナー画像を担持した記録材を搬送しながら前記トナー画像を加熱する画像加熱装置であって、前記トナー画像と接触する回転体と、無端のベルトと、前記ベルトの内面に接触し前記回転体と共に前記ベルトを介して前記ニップ部を形成するニップ部形成部材と、を有する画像加熱装置において、前記ニップ部形成部材は、前記ベルトの内面と接触する面にアルマイト処理で酸化被膜層を形成された金属部材であることを特徴とする。
本発明によれば、ニップ部形成部材とベルトの内面との摺動性の低下を抑制しつつ非通紙部昇温を抑制できる画像加熱装置の提供を実現できる。
実施例1に係る画像形成装置の横断面の模式図 実施例1に係る定着装置の横断面の模式図 実施例1に係る定着装置の記録材導入側からの正面図 実施例1に係る定着装置のニップ部形成部材と加熱フィルムとの接触領域の横断面を表す図 実施例1の参考例に係る定着装置の横断面の模式図 (a)は参考例1に係る定着装置の横断面の模式図、(b)は参考例1に係る定着装置のニップ部形成部材と加熱フィルムとの接触領域の横断面を表す図
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置
図1は実施例1に係る画像形成装置の横断面の模式図である。実施例1の画像形成装置はインライン方式のフルカラーのレーザープリンタである。
本実施例に示す画像形成装置は、記録材記録材上に未定着のトナー画像を形成する画像形成部10と、記録材上に形成したトナー画像を定着する定着部50と、を有する。定着部50には(2)項で説明する定着装置を備えている。
画像形成部10において、中間転写体としての中間転写ベルト30の回転方向に沿って上流側から下流側にかけて4つの画像形成ステーションSY,SM,SC,SKが配設されている。各画像形成ステーションSY,SM,SC,SKは、その順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像を形成する。
各画像形成ステーションSY,SM,SC,SKにおいて、22Y,22M,22C,22Kは、像担持体としての感光ドラムである。各感光ドラムは、駆動モータ(不図示)の駆動力が伝達され矢印方向に回転する。
感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kの周囲には、それぞれ、感光体ドラムの回転方向に沿って帯電部23Y,23M,23C,23Kと、露光部24Y,24M,24C,24Kが、配設されている。更に、感光体ドラム22Y,22M,22C,22Kの周囲には、それぞれ、現像部26Y,26M,26C,26Kと、一次転写部31Y,31M,31C,31Kと、クリーニング部27Y,27M,27C,27Kなどが、配設されている。
更に、現像部26Y,26M,26C,26Kの上方には、現像部にトナーを供給するためのトナーカートリッジ25Y,25M,25C,25Kが配設してある。
中間転写ベルト30は、樹脂製の無端状ベルトで構成されている。この中間転写ベルト30は、駆動ローラ34aと、二次転写対向ローラ34bと、テンションローラ34cの3つの回転可能な支持部材に張架されている。この中間転写ベルト30の外周面を感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの外周面に接触させることにより、中間転写ベルト30の表面と感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面とで一次転写ニップ部Tn1を形成している。この中間転写ベルト30には上記駆動モータの駆動力が伝達され矢印方向に回転する。
二次転写ローラ32は、中間転写ベルト30を介して二次転写対向ローラ34bと対向するように配設されている。この二次転写ローラ32の外周面(表面)を中間転写ベルト30表面と接触させることにより、二次転写ニップ部Tn2を形成している。
制御部40は、CPUとRAMやROMなどのメモリを有する。メモリには画像形成のための制御シーケンスなどが記憶されている。そしてこの制御部40は、ホストコンピュータなどの外部装置(不図示)から出力されるプリント指令に応じて画像形成のための制御シーケンスを実行し画像形成部10と定着部50などを制御する。
本実施例の画像形成装置は、画像形成制御シーケンスが実行されると、画像形成ステーションSYでは感光ドラム22Yが矢印方向へ回転される。
まず感光ドラム22Y表面は帯電装置23Yにより所定の極性・電位に一様に帯電される(帯電工程)。そして、露光装置24Yは、この感光ドラム22Yの帯電面に外部装置から入力した画像データに応じたレーザ光を照射することによって感光ドラム22Yに静電潜像が形成される(露光工程)。現像装置26Yは、トナーを用いてこの静電潜像を顕像化してトナー画像にする(現像工程)。これにより感光ドラム22Yの表面にトナー画像が形成される。
画像形成ステーションSM,SC,SKにおいても同様の帯電工程、露光工程、現像工程の画像形成プロセスが行われ、各感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面にトナー画像が形成される。
感光ドラム22Y上に形成されたトナー画像は一次転写ニップ部Tn1で一次転写部26Yに印加される所定の電圧によって中間転写ベルト30表面に転写される(一次転写工程)。同様に、感光ドラム22M,22C,22Kの各色のトナー画像はそれぞれの一次転写ニップ部Tn1で中間転写ベルト30表面に重ねて転写される。これにより中間転写ベルト30の表面には4色のフルカラーの未定着トナー画像が形成される。
一次転写後に感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面に残った転写残トナーはクリーニング部27Y,27M,27C,27Kによって除去され、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kは次の画像形成に供される。
一方、中間転写ベルト30の下方に配設された給紙カセット20に積載収納されている記録材11は、給紙ローラ21とリタードローラ28によって給紙カセット20から1枚ずつ分離して給紙されレジストローラ29に給送される。レジストローラ29は給送された記録材11を二次転写ニップ部Tn2に送り出す。この記録材11は二次転写ニップ部Tn2で挟持搬送される。そしてその搬送過程において二次転写ローラ32に所定の電圧が印加され、これにより中間転写ベルト30表面の未定着トナー画像は記録材11に転写される(二次転写工程)。
未定着トナー画像が形成された記録材11は定着装置50に導入される。そして定着装置50を通過する際に熱と圧力を受けることによって未定着トナー画像は記録材上に定着される。定着装置50を出た記録材11は排紙ローラ54、55により搬送されて排出トレー56に排出される。
二次転写後に中間転写ベルト30の表面に残った転写残トナーは、転写残トナーの帯電ローラによって画像形成時の極性と逆極性に帯電される。そして一次転写器31によって感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面上に静電気力によって回収されクリーニング部27Y,27M,27C,27Kによって回収される。
(2)定着装置50
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向をいう。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向をいう。長手幅とは長手方向の寸法をいう。短手幅とは短手方向の寸法をいう。記録材に関し、短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向をいう。短手幅とは短手方向の寸法をいう。
図2は本実施例に係る定着装置50の横断面の模式図である。図3は図2に示す定着装置50の記録材導入側からの正面図である。この定着装置50は外部加熱方式の定着装置である。
本実施例に示す定着装置50は、記録材上の画像と接触して加熱する回転体としての定着ローラ51と、加熱ユニット52と、加圧ユニット53を有している。
定着ローラ51は、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなる丸軸状の芯金60を有している。この芯金60の外周面上にシリコーンゴムなどを主成分とする弾性層61が形成され、この弾性層61の外周面上にPTFE、PFAまたはFEPなどを主成分とする離型層(最表層)62が形成されている。
ここで、PTFEはポリテトラフルオロエチレンであり、PFAはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、FEPはテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体である。
この定着ローラ51は、長手方向に長い部材であり、芯金60の長手方向の両端部が定着装置の装置フレーム(不図示)に回転可能に支持されている。
加熱ユニット52は、セラミックヒータ(以下、ヒータと記す)63と、回転可能な筒状の加熱フィルム(加熱ベルト)64と、支持部材としての加熱フィルムガイド65を有する。ヒータ63と、加熱フィルム64と、加熱フィルムガイド65は、何れも長手方向に長い部材である。
耐熱性を有する樹脂材料を用いて横断面が略樋型形状になるように成形された加熱フィルムガイド65は、長手方向に沿って形成された凹部65aでヒータ63を支持している。そして、加熱フィルムガイド65の外周に加熱フィルム64がルーズに外嵌されている。加熱フィルム64は、ポリイミド樹脂で形成された基層と、基層の外周面にPFA等のフッ素樹脂で形成された離型層と、を有する。
加熱フィルムガイド65の長手方向の両端部は、装置フレームに支持され、加圧ばね(不図示)により定着ローラ51の母線方向と直交する垂直方向に加圧されている。これによりヒータ63を加熱フィルム64を介して定着ローラ51に押圧して弾性層61をヒータ63の長手方向に沿って弾性変形させることにより、定着ローラ51表面と加熱フィルム64表面とで所定の幅の加熱圧接部Nkを形成している。
ヒータ63は横断面長方形状の細長いセラミック製の基板63aを有している。基板63aの加熱圧接部Nk側の表面には、基板63aの長手方向に沿ってAg/Pd(銀パラジウム)などの発熱抵抗体63bがスクリーン印刷で形成されている。また、基板63aの表面には、保護層63cが発熱抵抗体63bを覆うように形成してある。発熱抵抗体63bは通電されて発熱する。
加圧ユニット53は、ニップ部形成部材68と、回転可能な筒状の加圧フィルム(無端のベルト)66と、加圧フィルムガイド(支持部材)67と、を有している。ニップ部形成部材68と、加圧フィルム66と、加圧フィルムガイド67と、は何れも長手方向に長い部材である。
ニップ部形成部材68は横断面が長方形になるように形成してある。耐熱性の樹脂材料で横断面が略逆樋型形状になるように成形された加圧フィルムガイド67は、長手方向に沿って形成された凹部67aでニップ部形成部材68を支持している。そして加圧フィルムガイド67の外周に加圧フィルム66がルーズに外嵌されている。加圧フィルム66は、ポリイミド樹脂で形成された基層と、基層の外周面上にPFA等のフッ素樹脂で形成された離型層と、を有している。加熱フィルム66の基層は、ニップ部形成部材68と接触する。
加圧フィルムガイド67の長手方向の両端部は、装置フレームに支持され、加圧ばね(不図示)により定着ローラ51の母線方向と直交する垂直方向に押圧されている。これによりニップ部形成部材68が加圧フィルム66を介して定着ローラ51に押圧されて、弾性層61がニップ部形成部材68の長手方向に沿って弾性変形することにより、定着ニップ部Nが形成される。
加熱フィルム64と加圧フィルム66の内面には、回転トルクを低減するため潤滑剤としてフッ素系グリスが塗布されている。
本実施例の定着装置50は、プリント指令に応じてモータ(不図示)が回転駆動され、駆動モータの出力軸の回転が所定のギア機構(不図示)を介して定着ローラ51の芯金61に伝達される。これにより定着ローラ51は矢印方向に回転される。
定着ローラ51の回転は、加熱圧接部Nkにおいて定着ローラ51の表面と加熱フィルム64の表面と間に生じる摩擦力によって加熱フィルム64に伝達される。これにより加熱フィルム64は定着ローラ51の回転に従動してヒータ63の保護層63cと接触しながら矢印方向へ回転する。また、定着ローラ51の回転は定着ニップ部Nにおいて定着ローラ51表面と加圧フィルム66表面との摩擦力により加圧フィルム66に伝わる。これにより加圧フィルム66は定着ローラ51の回転に追従してニップ部形成部材68と接触しながら矢印方向へ回転する。
更に、プリント指令に応じて双方向サイリスタとしてのトライアックがヒータ63への給電を開始する。ヒータ63は発熱抵抗体63bに通電されることにより急速に発熱して加熱フィルム64内面を加熱し、その加熱フィルム64が定着ローラ51表面を加熱する。
ヒータ63の温度は基板63aの加熱圧接部Nkと反対側の裏面に設けられた温度検知素子としてのサーミスタSにより検知される。制御部40は、サーミスタSからの検知信号(出力信号)を取り込む。そしてその検知信号に基づき、トライアックが発熱抵抗体63bに印加する電圧のデューティー比や波数等を決定し制御してヒータ63の検知温度を定着温度(目標温度)に保つ。
定着ローラ51を回転駆動し、かつヒータ63を定着温度に維持した状態において、未定着トナー画像tが形成された記録材11がトナー形成面を定着ローラ51側にして定着ニップ部Nに導入される。この記録材11は定着ニップ部Nで挟持搬送され、未定着トナー画像tがヒータ63の熱と圧力を受けて記録材上に定着される。未定着トナー画像tが定着された記録材11は定着ニップ部Nから排出される。
(3)ニップ部形成部材68
次に、図4を用いて、ニップ部形成部材68について詳細に述べる。図4はニップ部形成部材68と加熱フィルム66との接触領域の横断面を表す図である。
ニップ部形成部材68は、加圧フィルム66の内面(基層)と接触し、加圧フィルム66を定着ローラ51側に押圧している。
図3に示すように、ニップ部形成部材68の長手幅はヒータ63の長手幅よりも長く、ヒータ63の長手幅は記録材11の短手幅よりも長くなっている。従って、ヒータ63の記録材11の短手幅よりも外側の領域では、ヒータ63から供給された熱は記録材11及びその記録材11上の未定着トナー画像tに吸収されず、定着ローラ51や加熱フィルムガイド65等の構成部材に蓄積していく。
ヒータ63の記録材11が通過する領域(通紙部)よりも外側の領域(以下、非通紙部という)で過昇温しやすいため、この現象を「非通紙部昇温」(図3参照)という。定着装置を構成する各部材の耐熱上限温度があり、この耐熱上限温度を超えて使用すると部材が破損する場合があるめ、耐念上限温度以下で使用する必要がある。ヒータ63の長手幅に対して記録材11の幅が短い時ほど非通紙部昇温は顕著に発生するので、記録材11の間隔を空けて記録材11を搬送するなどの対策が必要となり、画像形成の生産性を落とすことになる。
ニップ部形成部材68に熱伝導率が高い金属を用いると長手方向の温度ムラを均一化する効果が得られる。ニップ部形成部材68によって、温度ムラを均一化できるメカニズムと熱伝導経路を説明する。
記録材11の通紙部では、定着ローラ51の熱は記録材11によって吸熱され、ニップ部形成部材68の熱も記録材11に吸熱されるため、ニップ部形成部材の非通紙部の温度は上昇しにくい。
一方、記録材11の非通紙部では、記録材11が存在しないので定着ローラ51の熱が直接加圧フィルム66に伝わり、その加圧フィルム66の熱はニップ部形成部材68に伝わる。従って、ニップ部形成部材68の温度分布は、非通紙部では温度が高く、通紙部では非通紙部よりも温度が低くなる傾向がある。その結果、このニップ部形成部材68の非通紙部の熱は、ニップ部形成部材68の中で非通紙部よりも相対的に温度の低い通紙部に移動する。そしてそのニップ部形成部材68の通紙部に移動した熱が記録材11へ伝わり、定着ローラ51や加圧フィルム66などの非通紙部の過昇温を抑制できる。
よって、小サイズの記録材11であっても大サイズの記録材の場合と同等あるいはそれに近い生産性で連続的に画像形成することができる。
上記の方法で非通紙部昇温を抑制するためには、ニップ部形成部材68の熱伝導率を高くすること、及び、加圧フィルム66とニップ部形成部材68の間の熱抵抗を低くすることが重要である。
ここで、ニップ部形成部材68の基材としてアルミニウムを用いる場合について説明する。アルミニウムは、金属部材の中でも、熱伝導率が高く、表面仕上げがしやすい点でニップ部形成部材に適している。アルミニウムの含有率が99.0wt%以上の純アルミニウムの熱伝導率は約235W/m・Kである。熱伝導率は、レーザーフラッシュ法熱物性測定装置LFA−502(京都電子工業製)により熱拡散率と比熱を測定し、電子天秤精密比重計(アズワン)で密度を測定し、測定した熱拡散率と比熱と比重より計算した。尚、熱伝導率の測定には測定誤差が±10%程度存在する。
表1は、ニップ部形成部材68の材質と熱伝導率、A4もしくはB5サイズの記録紙を100枚連続で定着ニップ部Nに導入(通紙)した際の出力速度を示したものである。
出力速度は、各部材の耐熱上限温度を超えないように調整しながら、100枚目を通紙した時点の速度で、純アルミニウムを基準とした相対値である。材質の違いのみに着目するため、ニップ部形成部材68の形状は同一のものを用いている。本実施例における画像形成装置は、最大でLTRサイズ(幅215.9mm)まで通紙可能であり、それに合わせてヒータ63の幅が設計されている。従って、A4サイズ(幅210mm)でも非通紙部昇温は若干ながら発生し、B5サイズ(幅182mm)ではより顕著である。
表1に示したように、A4サイズではニップ部形成部材68の熱伝導率を110W/m・K以上とすることで純アルミニウムの出力速度と同等を達成できる。B5サイズでは非通紙部昇温がより顕著に発生するため、ニップ部形成部材68の熱伝導率を180W/m・K以上とすることで純アルミニウムと出力速度と同等を達成できる。
ステンレス鋼などの純アルミニウムよりも熱伝導率の低い材質でも、ガラスのような熱伝導率の低い材質と比較すると、長手方向の温度ムラを均一化する効果は得られる。しかしながら、熱伝導率が高い純アルミニウムをニップ形成部材の基材として用いると非通紙部昇温の抑制効果は大きく有利である。
また、ニップ部形成部材68の断面積を増やすことでも温度ムラを均一化する効果は向上するものの、ニップ部形成部材68の熱容量が大きくなるため、定着ローラ51の温度は上がりにくくなる。このため、定着ローラ51が定着温度に達するまでの時間が長くなり、特に1枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:First Print Out Time)が長くなるという課題がある。従って、ニップ部形成部材68に熱伝導率がより高い材質を用いるほど、断面積を小さくすることができるので、速い出力速度(高生産性)とFPOT短縮とを両立可能である。
ところで、前述したようにニップ部形成部材68として本実施例に必要な熱伝導率を有し且つ比較的安価で汎用性の高い材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金である。しかしながら、ポリイミドなどの樹脂からなる加圧フィルム66を、アルミニウムなどの金属からなるニップ部形成部材68と、摺動接触させるとニップ部形成部材68表面、および加圧フィルム66内面が削れるという課題が生じる場合がある。
加圧フィルム66との摺擦で、ニップ部形成部材68表面に傷がつき、発生したアルミニウムの削れ粉が、加圧フィルム66とニップ部形成部材68の表面を傷つけて、さらに削れを促進する。アルミニウム及びポリイミドの削れ粉は加圧フィルム66の内面に塗布された潤滑剤を吸着し、摺動性を低下させる。
加圧フィルム66とニップ部形成部材68との摺動性が低下すると、定着ローラ51の駆動トルクの上昇や、スティックスリップ現象による異音が発生するといった課題が生じる場合がある。或いは、加圧フィルム66が停止することにより記録材11が定着ローラ51との間でスリップして搬送されなくなるといった課題が生じる場合がある。
従来は、ポリイミド等の樹脂からなる加圧フィルム66の内面と摺動するニップ部形成部材の表面は、ガラス層や、フッ素樹脂やポリイミド樹脂、アラミド樹脂などの樹脂層や樹脂シートで保護されており、互いに傷つけ合わないようにし、摺動性を確保している。
しかしながら、フッ素樹脂やポリイミド、アラミド樹脂などの樹脂の熱伝導率は、0.3W/m・K程度と非常に低い。ガラスも1W/m・K程度と低い。一般的に摺動保護層として形成される厚みはフッ素樹脂層で20〜30μm程度、ガラスで60μm程度で、熱伝導も良くない。
ニップ部形成部材68の加圧フィルム66との接触面に大きな熱抵抗があると、小サイズの記録紙を通紙した際に、非通紙部において、定着ローラ51や加圧フィルム66の余分な熱がニップ部形成部材68へ移動しにくくなる。更に、通紙部においてはニップ部形成部材68の熱が記録材へ伝わりにくくなる。ニップ部形成部材68が高熱伝導の材質で形成されていたとしても、その高熱伝導性を十分に活用する事ができず、非通紙部昇温の抑制効果が十分に得られない。
本実施例では、ニップ部形成部材68の基材68aとして、アルミニウムの含有率が99.0wt%以上の純アルミニウム(A1050)を用いている。そしてアルミニウムの陽極酸化処理であるアルマイト処理を行うことによって、少なくとも基材68aの加圧フィルム66内面と摺動する表面に酸化被膜層68bを形成している(図4参照)。つまり、ニップ部形成部材68は、純アルミニウムからなる基材68aと、ニップ部形成部材68の加圧フィルム66と対向する面に形成された酸化被膜層68bと、を有している。
アルマイト処理とは、硫酸や蓚酸などの電解液を用いて、アルミニウムの表面を電気化学的に酸化させ、酸化アルミニウムAl(アルミナ)の皮膜を生成させる方法である。酸化被膜層68bは、摺動によって傷つきやすいニップ部形成部材68表面を保護する層として機能する。
酸化被膜層68bの熱伝導率は約60W/m・Kで、ガラスやフッ素樹脂に比べて熱伝導率は高い。酸化被膜層68bの厚みは、50μm以下であれば加圧フィルム66からニップ部形成部材68への熱伝達への影響は十分小さくできるので、非通紙部昇温の抑制効果を十分に得られる。
また、加圧フィルム66の内面と接触する酸化被膜層68bの表面形状によって非通紙部昇温の抑制効果は変化する。ここで、スキューネスRskという指標について説明する。スキューネスRskは、粗さ曲線の中心線に対する偏りを示す指標であって、次式で算出される。
上式の中で、Z(x)は粗さ曲線、Rqは2乗平均平方根粗さ、lrは基準長さを示す(Japanese Industrial standards B0601参照)。Rsk<0の場合、高さ分布が中心線に対して上側に偏っていることを示しており、Rsk>0の場合、高さ分布が中心線に対して下側に偏っていることを示す。
本実施例においては、酸化被膜層68bの表面の凸部先端が凹部底部よりも尖ったプロファイルになると、スキューネスRskは、Rsk>0を満足しやすくなる。反対に、酸化被膜層68bの表面の凸部先端が凹部底部よりも丸いプロファイルになると、スキューネスRskは、Rsk<0を満足しやすくなる。
この凸部先端と凹部底部とが同じようなプロファイルである場合には、凸部の密度が高い程Rsk<0になりやすく、凸部の密度が低い程Rsk>0になりやすい。つまり、酸化被膜層68bの表面の粗さ曲線のスキューネスRskがRsk<0を満たす場合は、Rsk>0を満たす場合よりも加圧フィルム66と酸化被膜層68bとの接触面積が大きくなる。その結果、非通紙部昇温した加圧フィルム66の熱が酸化被膜層68bに伝わりやすくなり非通紙部昇温の抑制効果が大きくなる。
更に、酸化被膜層68bの表面の算術平均表面粗さが小さいと加圧フィルム68の内面と酸化被膜層68bとの接触面積が大きくなり、非通紙部昇温の抑制効果が大きくなる。
アルミニウムの酸化皮膜66bの表面形状は、アルマイト処理の電解液の種類、温度や、処理の時間などによって異なる。例えば、硫酸を電解液にした酸化皮膜は、無数の微細孔を持つ多孔質皮膜となり、蜂の巣のような六角柱のセルの集合体で、それぞれ中心に微細な孔があり、純アルミニウムより算術平均表面粗さRaが大きくなる。
酸化被膜層68bを形成した高熱伝導のニップ部形成部材68を用いて、非通紙部昇温抑制効果の効果を得ようとした場合、表面性を管理する事が重要である。
表2に示したように、ニップ部形成部材68の粗さ曲線のスキューネスRskが−1.0以下で、ニップ部形成部材68の算術平均表面粗さRaは1.0μm以下とすることで、A4サイズではアルマイト処理なしの純アルミニウムと出力速度と同等を達成できる。
先に述べたように、基材としてのアルミニウムの表面に酸化被膜層68bを形成したニップ部形成部材を用いることで、加圧フィルム66と摺動するニップ部形成部材の表面の摩耗(削れ)を抑制する事ができる。
次に、酸化被膜層及び加圧フィルム66の硬度について説明する。ビッカース硬度計MMT−X7(マツザワ製)による測定で、加圧フィルム66の基材であるポリイミドのビッカース硬度が約100(試験荷重:0.049N(5gf))である。これに対し、純アルミニウムのビッカース硬度は約30(試験荷重:0.98N(100gf))である。ここで、試験荷重は測定対象に応じて設定している。ビッカース硬度は一般的に測定荷重に依存しないとされており、異なる測定荷重・測定対象であっても比較可能である。ただし、ビッカース硬度の測定には、対象物によるが最大で測定誤差が±10%程度存在する。
表3に、ニップ部形成部材68の表面のビッカース硬度と加圧フィルム66との摺擦による削れのレベルとの関係を示す。アルマイト処理による酸化皮膜層68bのビッカース硬度は、150以上(試験荷重100gf)であれば、加圧フィルム66との摺動による削れは良好であった。本実施例ではビッカース硬度約400(試験荷重100gf)のものを用いている。ニップ部形成部材68の表面(酸化皮膜層68b)の硬度を高くすることで、加圧フィルム66内面との摺擦によるニップ部形成部材68の表面の摩耗(削れ)が抑制される。加圧フィルム66のポリイミド樹脂よりなる基層はニップ部形成部材68との摺擦によって微量な削れ粉が生じるものの、摺動性に対する影響は小さい。
ニップ部形成部材68の表面粗さは、非通紙部昇温の抑制効果を大きくするために小さい方が望ましい。しかしながら、ニップ部形成部材68の表面粗さが小さくなりすぎると、加圧フィルム68の内面とニップ部形成部材68の表面とが密着性が高くなりすぎてグリスが介在しにくくなり、摺動性が低下して、スティックスリップが発生する。表4に示したように、ニップ部形成部材68の算術平均表面粗さRaは0.5μm以上とすることで、スティックスリップを防止できる。
酸化被膜層68bの厚みは、50μm以下が望ましい。ニップ部形成部材68は、非通紙部昇温によって最大で200℃の高温になる場合がある。酸化被膜層68bとアルミニウム基材との熱膨張率は異なる為、酸化皮膜層68bが基層66aの膨張に追従できずにクラックが発生する可能性がある。表5に示したように、ニップ部形成部材68の酸化皮膜層68bの厚みは50μm以下とする事で、通紙後のクラックを防止できる。
本実施例のニップ部形成部材68は、非通紙部昇温、表面の摩耗(削れ)、スティックスリップ、クラックの抑制を考慮したものになっている。厚さ50μmの酸化被膜層68bを純アルミニウムに形成したニップ部形成部材68は、厚み方向の熱伝導率、表面の粗さ曲線のスキューネスRsk、算術平均表面粗さRa、及びビッカース硬度が下記の値となるようにアルマイト処理条件を調整している。具体的には、厚み方向の熱伝導率が210W/m・Kで、表面の粗さ曲線のスキューネスRskが−1.0で、算術平均表面粗さRaが0.5μm、ビッカース硬度は400となるようにアルマイト処理条件を調整している。ニップ部形成部材68と加圧フィルム66との摺動による削れが少なく、摺動性が良好でスティックスリップもなく通紙後に酸化皮膜層68bにクラックが発生する事もなく、非通紙部昇温の発生を抑制できる。
以上説明したように本実施例では、加圧フィルムとニップ部形成部材との摺動性の低下を抑制しつつ非通紙部昇温の発生を抑制することが可能となる。
[実施例1の参考例
本実施例の参考例を示す。図5は本実施例の参考例の定着装置50の横断面の模式図である。
参考例に示す定着装置50は、加熱フィルム(ベルト)66が駆動ローラ70と3つの張架ローラ71で張架されている点と、加熱体として定着ローラ51に内包されるハロゲンヒータ69を用いている点が実施例1と異なる。
定着ローラ51は、中空状の芯金60を有し、この芯金60の内部にハロゲンヒータ69を内包している。定着ローラ51は内部から加熱され、表面に到達した熱を記録材11に伝達する。
加圧フィルム66は、駆動ローラ70によって定着ローラ51と表面速度が略等速になるように矢印方向に回転される。
ニップ部形成部材68は、加圧フィルム66内面と接触し、加圧フィルム66を定着ローラ51側に押圧している。これにより、ニップ部形成部材68は、加圧フィルム66を介して定着ローラ51と共に定着ニップ部Nを形成している。
参考例のニップ部形成部材68は、実施例1と同様に前記ベルトの内面と接触する面にアルマイト処理で酸化被膜層を形成された金属部材である。金属部材は、アルミニウムの含有率が99.0wt%以上の純アルミニウムであり、前記酸化被膜層の厚みは50μm以下である。本参考例は、実施例1と同じ効果を有する。
定着ローラ51の加熱方式はセラミックヒータもしくはハロゲンヒータに限られず電磁誘導加熱方式であってもよい。
定着ローラ51の代わりにベルトであってもよい。加圧フィルム66の材質はポリイミドに限られずポリアミド、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂等の耐熱性を有する他の材質であってもよい。
参考例1
参考例1の定着装置の横断面の模式図を図6(a)に示す。参考例1の定着装置は、トナー画像と接触する無端のフィルム(ベルト)640を有する。更に参考例1の定着装置は、フィルム640の内面と接触するニップ部形成部材680と、ニップ部形成部材680と共にフィルム640を介してニップ部Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ660と、を有する。本参考例の定着装置は、実施例1と異なり外部加熱方式ではない。
フィルム640は、ポリイミド樹脂で形成された基層と、基層の外周面にPFA等のフッ素樹脂で形成された離型層と、を有する。フィルム640の基層の材質は、ポリイミドに限られずポリアミド、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂等の耐熱性を有する他の材質であってもよい。更に、参考例1の定着装置は、フィルム640に内包されフィルム640の内面を加熱するハロゲンヒータ630と、ニップ部形成部材680を支持しフィルム640をガイドするフィルムガイド部材650と、を有する。ニップ部Nでトナー画像を担持した記録材11を搬送しながら加熱しトナー画像を記録材11に定着する。
上記のような定着装置で、本参考例のニップ部形成部材680の代わりに耐熱性の樹脂等からなるニップ部形成部材を用いた場合の課題について説明する。
フィルム640及びニップ部形成部材の通紙部はハロゲンヒータ630の輻射熱によって加熱されると、その熱はフィルム640を介して記録材11に吸熱されるので温度は上がりにくい。一方で、フィルム640及びニップ部形成部材の非通紙部はハロゲンヒータ630の輻射熱によって加熱されても、ニップ部形成部材の内部で熱が均一化しにくく加圧ローラ660に吸熱される。加圧ローラ660の非通紙部の蓄熱が進行すると、フィルム640、ニップ部形成部材、加圧ローラ660の非通紙部昇温が進み、これらの各部材の耐熱上限温度を超えて破損する場合があるという課題がある。
また、ニップ部形成部材はフィルム640の内面とも摺動するので、ニップ部形成部材の摩耗等によりニップ部形成部材とフィルム640との摺動性が低下しやすいという課題がある。
そこで、参考例1の定着装置においては、本参考例の実施例1と同じ構成であるニップ部形成部材680を用いる。図6(b)に参考例1の定着装置のニップ部Nの横断面の拡大図を示す。ニップ部形成部材680は、フィルム640の内面と接触する面にアルマイト処理で酸化被膜層680bが形成された金属部材である。本参考例では金属部材としてアルミニウムの含有率が99.0wt%以上の純アルミニウムを用いる。アルマイト処理されていない部分680aは純アルミニウムである。尚、金属部材は、純アルミニウムの代わりにアルミニウム合金でも良い。
酸化被膜層680bの厚みは50μm以下であり、ビッカース硬度は150以上である。また、酸化被膜層680bの表面の算術平均粗さRaは1.0μm以下であり、スキューネスRskは−1.0以下である。
参考例のニップ部形成部材680を用いることで、小サイズ記録材に連続的に画像形成する場合に、ニップ部形成部材の内部で温度が高くなる非通紙部から非通紙部よりも温度の低い非通紙部に熱が流れて長手方向で熱が均一化される。これによって、参考例1においても実施例1と同様に定着装置の非通紙部昇温が抑制される。更に、酸化被膜層を設けたことによって実施例1と同様にニップ部形成部材とフィルム640との摺動性の低下も抑制できる。
以上から、参考例1の定着装置の構成においてもニップ部形成部材とフィルムの内面との摺動性の低下を抑制しつつ非通紙部昇温を抑制できるという効果が得られる。尚、実施例1、及び参考例1の定着装置は記録材に形成された未定着トナー画像を記録材に定着する装置としての使用に限られない。例えば未定着トナー画像を加熱して記録材上に仮定着する画像加熱装置、或いは記録材上に定着されたトナー画像を加熱してトナー画像表面に光沢を付与する画像加熱装置としても使用できる。
51:定着ローラ、62:加圧フィルム、63:セラミックヒータ、64:加熱フィルム、68:ニップ部形成部材、68b:酸化被膜層、660:加圧ローラ、N:ニップ部、Nk:加熱圧接部、P:記録材、t:未定着トナー画像

Claims (9)

  1. ニップ部でトナー画像を担持した記録材を搬送しながら前記トナー画像を加熱する画像加熱装置であって、前記トナー画像と接触する回転体と、無端のベルトと、前記ベルトの内面に接触し前記回転体と共に前記ベルトを介して前記ニップ部を形成するニップ部形成部材と、を有する画像加熱装置において、
    前記ニップ部形成部材は、前記ベルトの内面と接触する面にアルマイト処理で酸化被膜層を形成された金属部材であることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記金属部材は、アルミニウムの含有率が99.0wt%以上の純アルミニウムであり、前記酸化被膜層の厚みは50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記金属部材はアルミニウム合金であり、前記酸化被膜層の厚みは50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  4. 前記酸化被膜層のビッカース硬度は150以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  5. 前記酸化被膜層の算術平均粗さRaは1.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記ベルトは樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記酸化被膜層のスキューネスRskは−1.0以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  8. 前記回転体は定着ローラであることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の画像加熱装置。
  9. 前記画像加熱装置は、無端の加熱ベルトと、前記加熱ベルトの内面に接触するヒータと、を有し、前記ヒータは前記加熱ベルトを介して前記定着ローラと共に加熱圧接部を形成することを特徴とする請求項8に記載の画像加熱装置。
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