JP6155782B2 - 自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造 - Google Patents

自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6155782B2
JP6155782B2 JP2013083216A JP2013083216A JP6155782B2 JP 6155782 B2 JP6155782 B2 JP 6155782B2 JP 2013083216 A JP2013083216 A JP 2013083216A JP 2013083216 A JP2013083216 A JP 2013083216A JP 6155782 B2 JP6155782 B2 JP 6155782B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
lubricating oil
clutch device
clutch
sleeve hub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013083216A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014206203A (ja
Inventor
長尾 誠
誠 長尾
修一 今成
修一 今成
西尾 祐二
祐二 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2013083216A priority Critical patent/JP6155782B2/ja
Priority to IN832DE2014 priority patent/IN2014DE00832A/en
Priority to CN201410142426.0A priority patent/CN104100655B/zh
Publication of JP2014206203A publication Critical patent/JP2014206203A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6155782B2 publication Critical patent/JP6155782B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

本発明は、典型的には自動二輪車のエンジンに用いられるクラッチ装置、特に湿式多板クラッチ装置の潤滑構造に関するものである。
湿式多板クラッチでは摩擦板(クラッチドライブプレート及びクラッチドリブンプレート)の発熱や磨耗を軽減するため、摩擦板が重なり合った部位に潤滑オイル(潤滑油)を供給している。この場合、過剰なオイル供給はギヤシフトチェンジ時のクラッチ切れ性が悪化するため、オイル供給量を絞り適度な供給量へ調整する潤滑構造を採用している。
具体的には主に小型アンダボーンやバックボーン等のタイプの自動二輪車において、クラッチ本体と連結・連動するカウンタシャフトの軸中心を潤滑油穴(通路)とし、お椀形の鉄製ノズルや樽形のアルミニウム製ノズルをそのカウンタシャフトの両端もしくは片端へ圧入して絞り調整を行なっている。
特許文献1には、この種のクラッチ装置においてクラッチ切れ性を向上するために工夫した構造が開示されている。この構造では、溝を形成する等で摩擦板の形状を工夫し、クラッチへ流入した潤滑油を遠心力で両摩擦板を離間させている。
特開2003−222159号公報
しかしながら、従来のクラッチ装置の潤滑構造ではノズル部品費及び圧入工程が必要であり、コストアップの要因となっている。
また、特許文献1のものでは、潤滑油の供給量のコントロールできないため、確実性に欠ける。即ち、過多の潤滑油が供給された場合には対応できないおそれがあり、何らかの絞り構造が必要となる。
本発明はかかる実情に鑑み、構成の簡素化を図りながら、潤滑オイルの供給量を適正に制御し得る自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明の自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造は、クランクシャフトによってカウンタシャフトのまわりに回転駆動されるクラッチハウジングと、前記カウンタシャフトと連動回転するスリーブハブとの間に複数の駆動摩擦板及び従動摩擦板が交互に配置され、これら駆動摩擦板及び従動摩擦板を相互に圧接及び開放することで前記クランクシャフトの回転力が変速機構を介して後輪に伝達及び遮断される自動二輪車用クラッチ装置において、前記カウンタシャフト及び前記スリーブハブを嵌合するために形成されたスプラインを潤滑オイル通路として機能させ、この潤滑オイル通路により前記駆動摩擦板及び前記従動摩擦板まわりに供給する潤滑オイルを適正に絞るようにし、前記カウンタシャフトに形成された前記スプラインは、前記カウンタシャフト内に設けたオイル通路と連通するように、該カウンタシャフトの外周部に形成されたオイル溝とオーバラップする位置まで延長されたことを特徴とする。
また、本発明の自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造は、クランクシャフトによってカウンタシャフトのまわりに回転駆動されるクラッチハウジングと、前記カウンタシャフトと連動回転するスリーブハブとの間に複数の駆動摩擦板及び従動摩擦板が交互に配置され、これら駆動摩擦板及び従動摩擦板を相互に圧接及び開放することで前記クランクシャフトの回転力が変速機構を介して後輪に伝達及び遮断される自動二輪車用クラッチ装置において、前記カウンタシャフト及び前記スリーブハブを嵌合するために形成されたスプラインを潤滑オイル通路として機能させ、この潤滑オイル通路により前記駆動摩擦板及び前記従動摩擦板まわりに供給する潤滑オイルを適正に絞るようにし、前記スリーブハブのカウンタシャフトへの締付端面にラジアル方向に複数のオイル吐出溝を形成し、前記オイル吐出溝の内側端は前記スプラインとオーバラップすると共に、その外側端は前記スリーブハブの締付部材の外径よりも外方まで延長されたことを特徴とする。
また、本発明の自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造において、前記オイル吐出溝と前記スリーブハブに設けたオイル導入口を回転変位させ、前記駆動摩擦板及び前記従動摩擦板に対する潤滑オイルの供給量を調整可能にしたことを特徴とする。
また、本発明の自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造において、前記スリーブハブの前記オイル吐出溝とは反対側の端面又はその近傍に、溝又はオイル排出口を形成し、前記駆動摩擦板及び前記従動摩擦板に対する潤滑オイルの供給量を調整可能にしたことを特徴とする。
本発明によれば、構成が簡単でありながら、即ち実質的に新たな部品を追加することなく、クラッチ装置に供給される潤滑オイルの供給量の適正にコントロールでき、クラッチ板まわりを安定的且つ満遍なく潤滑することが可能になる。
本発明に係る自動二輪車の全体構成を示す側面図である。 本発明の適用例としてエンジンユニットの例を示す断面図である。 本発明の適用例としての自動二輪車のエンジンに備えたクラッチ装置まわりを示す断面図である。 図3のA部拡大図である。 本発明によるクラッチ装置の潤滑構造における作用を示す図である。 本発明によるクラッチ装置の潤滑構造の比較例における作用を示す図である。 本発明によるクラッチ装置の潤滑構造の変形例を示す図3のA部拡大図である。 本発明の別の実施形態におけるエンジンに備えたクラッチ装置まわりを示す断面図である。 図8の実施形態に係るクラッチ装置の潤滑構造における作用を示す図である。
以下、図面に基づき、本発明による自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造における好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明の適用例としての自動二輪車100の側面図である。先ず、図1を用いて、自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、図1を含め、以下の説明で用いる図においては、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrによりそれぞれ示し、また、車両の側方右側を矢印Rtにより、車両の側方左側を矢印Ltによりそれぞれ示す。
自動二輪車100は、鋼製あるいはアルミニウム合金製でなる車体フレームにより車体骨格を形成し、車体フレームに対する各種部品の艤装を経て構成される。車体フレームの構成例として例えば所謂アンダーボーンタイプでよく、詳細図示を省略するが、その前上端部に結合するステアリングヘッドパイプから後斜め下方へ向けてメインフレーム101が延設され、このメインフレーム101の後部付近にシートレールが結合する。エンジンを含むパワーユニット10は車体フレームにより車体の略中央部で支持される。
ステアリングヘッドパイプは、フロントフォーク102を回動可能に支持し、このフロントフォーク102の上端側にはハンドルバー103が結合される。フロントフォーク102の下端側には前輪104が回転可能に支持される。前輪104の上方はフロントフェンダ105により覆われる。エンジンユニット10の後方には、ピボット軸106を介して上下方向に揺動可能なスイングアームがメインフレーム101により支持され、スイングアームの後端部に後輪107が回転可能に支持される。スイングアームの後端部と車体フレーム側の間にはショックアブソーバ108が装着され、後輪107の上方はリヤフェンダ109よって覆われると共に、その上方にライダーが着座するシート110が配置される。
車両外観としては、各種車体カバーが車体フレーム等の適所に支持されて被着される。例えば、レッグシールド111等を含むフロントフレームカバー112は車両前面側を覆うと共に、ウィンカ等が実装される。リヤフレームカバー113はシート110の下方乃至車両後方側を覆うと共に、ウィンカやブレーキランプが実装される。
なお、パワーユニット10のエンジンからの排気ガスを排気する排気系において、エンジン内で生成された燃焼ガスは排気ガスとして、エンジンのエキゾーストポートに接続されたエキゾーストパイプ114(排気管)を通り、最終的にマフラ115(排気消音器)から排気される。
次に、図2は本発明の適用例としてエンジンユニット10の例を示している。この例ではエンジンユニット10は空冷式4サイクル単気筒エンジンを有し、このエンジンの基本構成において左右方向に水平配置されるクランクシャフト11を回転自在に支持・収容するクランクケース12と、クランクケース12の略前部に結合し、その軸線が前方に向けて略水平方向に設定されたシリンダ13と、図示を省略するがシリンダ13の更に前部に結合するシリンダヘッド及びこのシリンダヘッドに蓋着するシリンダヘッドカバーとを含んで構成される。
クランクケース12はこの例では左右2つ割りに分割構成されてよく、その右外側に形成されたクラッチ室等がクラッチカバー14により覆われる。また、クランクケース12の左外側に形成されたマグネト室は、マグネトカバー15により覆われる。なお、クランクケース12の後側にミッション室が形成される。クランクケース12の左側壁12L及び右側壁12Rには、クランクシャフト11を支持するための一対のベアリング16(クランク軸受)がそれぞれ装着される。クランクケース12の右側壁12Rとクラッチカバー14との間に形成されたクラッチ室には、後述のクラッチ装置17が配設される。
クランクシャフト11の後側には所定間隔あけてカウンタシャフト18が平行配置されており、このカウンタシャフト18を中心にしてその周囲に配置されたプライマリドリブンギヤ19が、クランクシャフト11を中心にしてその周囲に配置されたプライマリドライブギヤ20と噛合する。プライマリドリブンギヤ19は後述するように、クラッチ装置17のクラッチハウジングにダンパを介して取り付けられる。自動二輪車100の発進後の通常運転ではクランクシャフト11及びカウンタシャフト18間の動力伝達は、カウンタシャフト18の軸端に取り付けられたクラッチ装置17を介して接続、切断される。なお、カウンタシャフト18は、クランクケース12の左側壁12L及び右側壁12Rにそれぞれ装着された一対のラジアル又はニードルベアリング21により支持される。
カウンタシャフト18の後側には所定間隔あけてドライブシャフト22が平行配置されており、このドライブシャフト22は一対のラジアル又はニードルベアリング23によって支持される。カウンタシャフト18及びドライブシャフト22にはそれぞれ、ギヤ列24,25が列設され、これらのギヤ列24,25に含まれるギヤ相互間の噛合関係を適宜設定することで変速比を変えるようにしたトランスミッション装置26が構成される。ドライブシャフト22の軸端にはスプロケット27が取り付けられ、このスプロケット27と後輪107(図1)の車軸に取り付けたスプロケットとの間に巻回されるチェーン28を介して、ドライブシャフト22の出力が後輪107へ伝達される。
また、クランクシャフト11のクランクケース12の左側壁12Lから左方へ延出する左延出部には、マグネト装置29を構成するマグネト30が一体的に結合する。このマグネト装置29は、クランクケース12の左側壁12Lとマグネトカバー15との間に形成されるマグネト室内に配設される。更にクランクシャフト11の前側にて、その回転力を駆動源として作動するオイルポンプ31がクランクケース12の右外側のクラッチ室内に配置される。
次に図3は、本発明の適用例としての自動二輪車100のエンジンに備えたクラッチ装置17まわりを示している。本実施形態ではクラッチ装置17は一般的な湿式多板クラッチとする。前述のようにクラッチ装置17のクラッチハウジング32には、ダンパ33を介してプライマリドリブンギヤ19が取り付けられる。クラッチ装置17は更に、クラッチハブあるいはスリーブハブ34と、プレッシャプレート35と、複数の駆動摩擦板であるドライブプレート36及び従動摩擦板であるドリブンプレート37と、クラッチスプリング38と、クラッチレリーズピース39等とにより構成される。クラッチハウジング32は複数のダンパ33及び複数のリベットピン40を介して、プライマリドリブンギア19と一体回転する。一方、スリーブハブ34はカウンタシャフト18の右端にてスプライン41を介して、回転一体且つ軸方向に移動自在に結合する。
交互に重ね合わせられたドライブプレート36とドリブンプレート37は、クラッチスプリング38に付勢されたプレッシャプレート35により全てスリーブハブ34側に押え付けられる。このため相互に接触するドライブプレート36及びドリブンプレート37間の摩擦力によりクラッチハウジング32とスリーブハブ34の間が回転一体になり、クランクシャフト11の回転がカウンタシャフト18以降に伝達される。なお、スリーブハブ34はカウンタシャフト18の右端にてナット42によって、ワッシャ43を介して締結される。
本実施形態においてもクラッチ装置17、特にドライブプレート36及びドリブンプレート37まわりの発熱や磨耗を軽減するため、潤滑オイルが供給される。この場合、図3のようにオイルポンプ31によってクランクケース12側から潤滑オイル入口44に潤滑オイルが供給される(矢印L)。カウンタシャフト18内には潤滑オイル入口44と連通するオイル通路45が形成されており、潤滑オイル入口44に供給された潤滑オイルがオイル通路45を通って、クラッチ装置17に供給されるようにしている。
本発明では特に、カウンタシャフト18及びスリーブハブ34を嵌合するために形成されたスプライン41を潤滑オイル通路として機能させ、この潤滑オイル通路によりドライブプレート36とドリブンプレート37まわりに供給する潤滑オイルを適正に絞るようにしている。この場合、図4に示されるようにカウンタシャフト18に形成されたスプライン41は、カウンタシャフト18内に設けたオイル通路45と連通するように、該カウンタシャフト18の外周部に形成されたオイル溝46とオーバラップする位置Pまで延長される(この延長部分を延長部41Aとする)。カウンタシャフト18内のオイル通路45とカウンタシャフト18の外周部のオイル溝46とは、カウンタシャフト18の径方向に沿って形成されたオイル穴47を介して相互に連通される。
上記の場合、図4に示されるようにスリーブハブ34のカウンタシャフト18への締付端面にラジアル方向に複数のオイル吐出溝48が形成される。オイル吐出溝48の内側端はスプライン41とオーバラップすると共に、その外側端はスリーブハブ34の締付部材の外径よりも外方まで延長される。この例ではスリーブハブ34の締付部材として、ナット42の内側にワッシャ43を有し、ワッシャ43の外径よりも外方までオイル吐出溝48が延設される。なお、ワッシャ43を使用しない場合には、ナット42の外径よりも外方までオイル吐出溝48が延設される。
また、図5を参照してスリーブハブ34の内壁面34aにはオイル穴49が形成されている。また、内壁面34aの径方向外方のスペースには、ドライブプレート36及びドリブンプレート37が収容配置される。オイル穴49はドライブプレート36及びドリブンプレート37の重ね方向で、略中程付近に配置される。
上記構成において、潤滑オイル入口44に供給された潤滑オイルは、カウンタシャフト18内のオイル通路45を通って、クラッチ装置17へと供給される。この場合、潤滑オイルはオイル通路45からオイル溝46を通って、延長部41Aを介してスプライン41へ流入し、オイル吐出溝48から吐出される。オイル吐出溝48から吐出したオイルLは、内壁面34aの抜き勾配に沿ってエンジン中心(図5ではスリーブハブ34よりも更に左方(Lt)に位置する)から外方(右方)へと流れ、その一部(図5、矢印L1)はオイル穴49を通ってドライブプレート36及びドリブンプレート37に供給される。また、オイルLの他の一部(図5、矢印L2)は、内壁面34aの抜き勾配に沿ってエンジン中心から外方へと流れ、その後スリーブハブ34とプレッシャプレート35とで構成された空間に溜まる。
上記のようにクラッチ装置17に潤滑オイルを供給する際その途中で、潤滑オイル通路として機能するスプライン41の嵌合部を潤滑オイルが通過する構造としている。オイル通路を形成するスプライン41の断面積は小さく、且つオイル流通方向に沿った表面積が大きいため、潤滑オイルが流通する際の抵抗となり、クラッチ装置17に供給される潤滑オイルの量を適度に絞ることができる。これにより潤滑オイルの供給量を適正にコントロールでき、特に潤滑オイルの供給過多になるのを確実に防止することができる。
また、オイル吐出溝48をエンジン中心方向に偏倚して配置することで、オイル穴49に対して潤滑オイルを安定的に供給することができる。つまり潤滑オイルの供給過多を防止しつつ、ドライブプレート36及びドリブンプレート37まわりを満遍なく潤滑することが可能になる。
また、部品構成的に既存のスプライン41を活用して、その延長部41Aをオイル溝46と連通させ、あるいはカウンタシャフト18の締付端面にオイル吐出溝48を設けることで潤滑オイル通路が形成される。このように部品を何ら付加することなく、加工及び成形で簡単に形成することができ、実質的に部品点数削減及びコスト低減を実現する。
ちなみに、本発明の比較例として従来の潤滑構造では図6を参照して、なお、対応部材には同一符号を用いて説明するが、例えばカウンタシャフト18のクラッチ装置17側の一端に潤滑オイルのオイル出口100が形成される。このオイル出口100にはお椀状の鉄製ノズル101を装着し、その絞り穴101aから潤滑オイルを吐出させることで、潤滑オイルを絞り調整している。なお、ノズル101に限らず、アルミニウム製の樽型ノズルの場合もある。
従来のものではカウンタシャフト18の先端のオイル出口100から吐出したオイルLは、内壁面34aに沿って外方へと流れるものの、特に半クラッチ操作中は潤滑オイルが常に飛散する。このためエンジン中心側に位置するオイル穴49への潤滑オイルの供給量が減少し、あるいは不安定にならざるを得ない。
また、従来のものではノズル101あるいは樽型ノズル等を別途、追加しなければならず、製造コストや部品点数が増加せざるを得ない。
上述のようにスリーブハブ34のカウンタシャフト18への締付端面にオイル吐出溝48が形成される。本発明では更に図7に示したように、このオイル吐出溝48とは反対側のスリーブハブ34の端面又はその近傍に、オイル吐出溝50(図7のもの)又はオイル排出口を形成し、潤滑オイルの供給量を調整することができる。なお、オイル吐出溝50あるいはオイル排出口はスプライン41を介して、カウンタシャフト18内のオイル通路45と連通する。
オイル吐出溝50を設けることで、カウンタシャフト18内のオイル通路45を通って、クラッチ装置17へと供給されるオイルの一部(図7、矢印L′)は、図7のようにスリーブハブ34の内側に流入することなく排出される。このようにカウンタシャフト18へ供給される潤滑オイルを絞りきれない場合、スリーブハブ34のオイル吐出溝48と反対側(クラッチアウタ側)端面に切り欠きあるいは穴構造を追加することにより、そこから潤滑オイルを排出し、湿式多板クラッチへのオイル供給量を簡単に調整することができる。
更に、本発明のクラッチ装置の潤滑構造における別の実施形態を説明する。この実施形態では、オイル吐出溝とスリーブハブに設けたオイル導入口を回転変位させ、ドライブプレート36及びドリブンプレート37に対する潤滑オイルの供給量を調整可能とする。この例は、潤滑オイルを溜める壁面が存在しない場合等に有効である。
具体的には図8及び図9を参照して、スリーブハブ34はカウンタシャフト18の右端にてスプライン41を介して、回転一体に結合する。ドライブプレート36及びドリブンプレート37は、クラッチスプリング38に付勢されたプレッシャプレート35により全てスリーブハブ34側に押え付けられる。クラッチレリーズ板51をクラッチスプリング38の弾力に抗して図8の矢印Xのように押すことで、プレッシャプレート35の押圧が解除されクラッチが切れるようになっている。
プレッシャプレート35及びクラッチレリーズ板51を締結するボルト52が螺着するボス部53の周囲には、該ボス部53の外径との径の大小差により空隙54が形成されている。本実施形態ではこの空隙54をオイル導入口55として構成する。この例では例えば4つのボルト52が円周4分割するかたちで配置され、これに対応して図9に示すように4つのオイル導入口55が形成される。カウンタシャフト18の締付端面には前述の実施形態と同様に構成されたオイル吐出溝48が設けられており、オイル吐出溝48から吐出された潤滑オイルは、図8の矢印Lで示されるようにスリーブハブ34の内椀部56を通って、遠心力により内椀部56の外側のオイル導入口55へと分散する。そして、潤滑オイルはドライブプレート36及びドリブンプレート37へと供給され、その一部はクラッチスプリング38等に形成された切欠きを通過して外部に排出される。
この実施形態においても、クラッチ装置17に供給される潤滑オイルの供給量の適正にコントロールでき、ドライブプレート36及びドリブンプレート37まわりを安定的且つ満遍なく潤滑することが可能になる。
本実施形態では特に、オイル吐出溝48とオイル導入口55を回転変位させて、両者の位相差を適宜設定することができ、これによりクラッチ板への潤滑オイル供給量を調整することが可能となる。即ち、図9(B)のようにオイル吐出溝48及びオイル導入口55間の位相角度θの大小に応じて、実質的にオイル通路長が長短変化し、これによりドライブプレート36及びドリブンプレート37に供給される潤滑オイルの供給量を調整することができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上記実施形態におけるオイル溝46やオイル吐出溝48、更には延長部41Aの数量、個数等は適宜必要に応じて増減することができる。
10 エンジンユニット、11 クランクシャフト、12 クランクケース、13 シリンダ、14 クラッチカバー、15 マグネトカバー、17 クラッチ装置、18 カウンタシャフト、19 プライマリドリブンギヤ、20 プライマリドライブギヤ、22 ドライブシャフト、24,25 ギヤ列、26 トランスミッション装置、27 スプロケット、28 チェーン、29 マグネト装置、30 マグネト、31 オイルポンプ、32 クラッチハウジング、33 ダンパ、34 スリーブハブ、35 プレッシャプレート、36 ドライブプレート、37 ドリブンプレート、38 クラッチスプリング、39 クラッチレリーズピース、40 リベットピン、41 スプライン、42 ナット、43 ワッシャ、44 潤滑オイル入口、45 オイル通路、46 オイル溝、47 オイル穴、48 オイル吐出溝、49 オイル穴、50 オイル吐出溝、51 クラッチレリーズ板、52 ボルト、53 ボス部、54 空隙、55 オイル導入口、56 内椀部、100 自動二輪車。

Claims (4)

  1. クランクシャフトによってカウンタシャフトのまわりに回転駆動されるクラッチハウジングと、前記カウンタシャフトと連動回転するスリーブハブとの間に複数の駆動摩擦板及び従動摩擦板が交互に配置され、これら駆動摩擦板及び従動摩擦板を相互に圧接及び開放することで前記クランクシャフトの回転力が変速機構を介して後輪に伝達及び遮断される自動二輪車用クラッチ装置において、
    前記カウンタシャフト及び前記スリーブハブを嵌合するために形成されたスプラインを潤滑オイル通路として機能させ、この潤滑オイル通路により前記駆動摩擦板及び前記従動摩擦板まわりに供給する潤滑オイルを適正に絞るようにし
    前記カウンタシャフトに形成された前記スプラインは、前記カウンタシャフト内に設けたオイル通路と連通するように、該カウンタシャフトの外周部に形成されたオイル溝とオーバラップする位置まで延長されたことを特徴とする自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造。
  2. クランクシャフトによってカウンタシャフトのまわりに回転駆動されるクラッチハウジングと、前記カウンタシャフトと連動回転するスリーブハブとの間に複数の駆動摩擦板及び従動摩擦板が交互に配置され、これら駆動摩擦板及び従動摩擦板を相互に圧接及び開放することで前記クランクシャフトの回転力が変速機構を介して後輪に伝達及び遮断される自動二輪車用クラッチ装置において、
    前記カウンタシャフト及び前記スリーブハブを嵌合するために形成されたスプラインを潤滑オイル通路として機能させ、この潤滑オイル通路により前記駆動摩擦板及び前記従動摩擦板まわりに供給する潤滑オイルを適正に絞るようにし、
    前記スリーブハブのカウンタシャフトへの締付端面にラジアル方向に複数のオイル吐出溝を形成し、
    前記オイル吐出溝の内側端は前記スプラインとオーバラップすると共に、その外側端は前記スリーブハブの締付部材の外径よりも外方まで延長されたことを特徴とする自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造。
  3. 前記オイル吐出溝と前記スリーブハブに設けたオイル導入口を回転変位させ、前記駆動摩擦板及び前記従動摩擦板に対する潤滑オイルの供給量を調整可能にしたことを特徴とする請求項に記載の自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造。
  4. 前記スリーブハブの前記オイル吐出溝とは反対側の端面又はその近傍に、溝又はオイル排出口を形成し、前記駆動摩擦板及び前記従動摩擦板に対する潤滑オイルの供給量を調整可能にしたことを特徴とする請求項に記載の自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造。
JP2013083216A 2013-04-11 2013-04-11 自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造 Active JP6155782B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013083216A JP6155782B2 (ja) 2013-04-11 2013-04-11 自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造
IN832DE2014 IN2014DE00832A (ja) 2013-04-11 2014-03-21
CN201410142426.0A CN104100655B (zh) 2013-04-11 2014-04-10 用于摩托车的离合器装置的润滑结构

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013083216A JP6155782B2 (ja) 2013-04-11 2013-04-11 自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014206203A JP2014206203A (ja) 2014-10-30
JP6155782B2 true JP6155782B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=51669085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013083216A Active JP6155782B2 (ja) 2013-04-11 2013-04-11 自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6155782B2 (ja)
CN (1) CN104100655B (ja)
IN (1) IN2014DE00832A (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017003011A (ja) 2015-06-11 2017-01-05 ヤマハ発動機株式会社 パワーユニットおよびそれを備えた車両
CN105952809A (zh) * 2015-12-17 2016-09-21 天津市天波科达科技有限公司 适用于摩托车离合器装置的润滑油路
JP2017110785A (ja) 2015-12-18 2017-06-22 ヤマハ発動機株式会社 多板クラッチおよびそれを備えた車両
JP6686468B2 (ja) * 2016-01-26 2020-04-22 スズキ株式会社 クラッチの潤滑構造及びこれを備えたエンジン
JP6899858B2 (ja) * 2019-03-05 2021-07-07 本田技研工業株式会社 内燃機関
JP7421698B2 (ja) * 2021-02-24 2024-01-25 井関農機株式会社 作業車両

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01203759A (ja) * 1988-02-05 1989-08-16 Honda Motor Co Ltd スプライン
JP2566156Y2 (ja) * 1991-10-18 1998-03-25 三菱自動車工業株式会社 湿式クラッチ用ドライブピニオン
JP3097439B2 (ja) * 1994-03-17 2000-10-10 日産自動車株式会社 無段変速機の油路構造
JP3440556B2 (ja) * 1994-07-05 2003-08-25 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 高速回転部の軸連結装置
JP2001165195A (ja) * 1999-12-06 2001-06-19 Honda Motor Co Ltd 湿式多板クラッチ
JP3925145B2 (ja) * 2001-10-12 2007-06-06 日産自動車株式会社 回転軸の軸受け潤滑構造
CN2617993Y (zh) * 2003-03-15 2004-05-26 胡济荣 全润滑多片湿式离合器
CN1707143B (zh) * 2004-03-22 2010-04-21 通用汽车公司 太阳齿轮衬套和套筒及密封混合机电自动变速器中的方法
CN2842070Y (zh) * 2005-10-13 2006-11-29 林崇传 一种摩托车离合器座
JP2008303975A (ja) * 2007-06-07 2008-12-18 Yamaha Motor Co Ltd クラッチ
JP5401821B2 (ja) * 2008-03-31 2014-01-29 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 発進装置
JP2009270701A (ja) * 2008-05-12 2009-11-19 Yamaha Motor Co Ltd エンジン及び小型車両
CN103380315B (zh) * 2011-03-31 2016-06-01 爱信艾达株式会社 起步装置

Also Published As

Publication number Publication date
IN2014DE00832A (ja) 2015-06-19
CN104100655B (zh) 2017-01-11
JP2014206203A (ja) 2014-10-30
CN104100655A (zh) 2014-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6155782B2 (ja) 自動二輪車用クラッチ装置の潤滑構造
JP7261645B2 (ja) ハイブリッド車両
JP2008019931A (ja) ベルト式無段変速機および鞍乗型車両
JP6110954B2 (ja) 過給機の動力伝達装置
US10619720B2 (en) Transmission
JP5648578B2 (ja) 多板式自動遠心クラッチ装置
JP4744417B2 (ja) 車両
JP5689770B2 (ja) 自動二輪車
JP6856425B2 (ja) 内燃機関
JP2006064157A (ja) バックトルク低減装置
JP5650608B2 (ja) 小型車両用内燃機関のキック始動装置
JP2006168468A (ja) 自動二輪車用パワーユニットおよび自動二輪車
JP2015001154A (ja) 内燃機関のクランクシャフト軸受構造
JP6044241B2 (ja) 鞍乗型車両
JP2013127272A (ja) 自動二輪車用動力伝達装置
US20200032856A1 (en) Power unit
JP5227922B2 (ja) 鞍乗り型車両のトルクダンパ装置
JP6187187B2 (ja) 動力伝達機構の潤滑構造
JP6357126B2 (ja) 鞍乗型車両用内燃機関
JP5601278B2 (ja) 駆動伝達装置の潤滑構造
JP2006275260A (ja) 遠心クラッチ
JPWO2017135320A1 (ja) エンジンユニット
JP6033908B2 (ja) Vベルト式無段変速機
JP6708051B2 (ja) エンジンのベアリング支持構造
JP4300952B2 (ja) トランスミッション装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170522

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6155782

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151