JP2015001154A - 内燃機関のクランクシャフト軸受構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】局部的な負荷を回避してガタ詰め効果を高め、クランク打音を効率良く吸収し、耐久性を向上させることができる内燃機関のクランクシャフト軸受構造を提供する。【解決手段】内燃機関1のクランクケース10に転がり軸受90L,90Rを介してクランクシャフト11を支持させる内燃機関のクランクシャフト軸受構造において、周方向を複数に分割されたテーパーリング部材100が、転がり軸受のアウタレース92の外周93位置に配置されて、テーパーリング部材の内周101が、転がり軸受のアウタレースの外周と互いのテーパ面106,96を介して嵌合すると共に、テーパーリング部材の外周102がクランクケースの軸受穴部80L,80Rの内周81と接し、テーパーリング部材の径方向幅広側端面104と軸受穴部の内側面83との間に、テーパーリング部材を軸方向に押圧する皿状バネ部材110が配置された内燃機関のクランクシャフト軸受構造。【選択図】図4
Description
本発明は、クランクシャフトを転がり軸受を介してクランクケースに支持する内燃機関のクランクシャフト軸受構造に関する。
内燃機関のクランクシャフトを左右の転がり軸受でクランクケースに支持させるクランクシャフト支持構造において、転がり軸受のアウタレースとクランクケースの軸受穴部との間に常温において組み立てられる隙間を有する寸法公差を選択する場合があるが、その場合そのクリアランスによってクランク打音が発生しないように、アウタレースを軸心方向に押し付ける押し付け部材を設けたものが、例えば下記特許文献1に示されている。
しかしながら、下記特許文献1に示されるものにおいては、アウタレースのガタが吸収されるものの、押し付け部が一点であるため、押し付け部材や転がり軸受に局部的な押し付け負荷が掛かり、押し付け部の耐久性向上の必要等が課題となる。
しかしながら、下記特許文献1に示されるものにおいては、アウタレースのガタが吸収されるものの、押し付け部が一点であるため、押し付け部材や転がり軸受に局部的な押し付け負荷が掛かり、押し付け部の耐久性向上の必要等が課題となる。
本発明は、上記従来技術に鑑み、転がり軸受を一点で押し付ける場合の押し付け部材や転がり軸受の局部的な負荷を回避することができ、クランクシャフト軸受構造部におけるガタ詰め効果を高めて、クランク打音を効率良く吸収し、クランクシャフト軸受構造部の耐久性を向上させることができる内燃機関のクランクシャフト軸受構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランクケースに転がり軸受を介してクランクシャフトを支持させる内燃機関のクランクシャフト軸受構造において、周方向を複数に分割されたテーパーリング部材が、前記転がり軸受のアウタレースの外周位置に配置されて、同テーパーリング部材の内周が、前記転がり軸受のアウタレースの外周と互いのテーパ面を介して嵌合すると共に、同テーパーリング部材の外周が前記クランクケースの軸受穴部の内周と接し、前記テーパーリング部材の径方向幅広側端面とそれに対峙するように設けられた前記軸受穴部の内側面との間に、同テーパーリング部材を軸方向に押圧する皿状バネ部材が配置されたことを特徴とする内燃機関のクランクシャフト軸受構造である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のクランクシャフト軸受構造において、前記アウタレースにおける外周には、前記テーパ面と軸方向で隣り合う円筒面が形成されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関のクランクシャフト軸受構造において、前記クランクケースにおける前記軸受穴部には、同軸受穴部の前記内側面において前記皿状バネ部材より内周位置に、前記アウタレースの内周側外側面に向けて軸方向に張り出すスラスト受け部が形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関のクランクシャフト軸受構造において、前記クランクケースにおける前記軸受穴部は、前記アウタレースの外周と前記皿状バネ部材の側面とに対応した位置に鉄製の鋳込みブッシュを備え、同鋳込みブッシュは前記アウタレースの外周に対して常温においてクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有し、内燃機関稼動時における熱間時には、前記鋳込みブッシュを鋳込んだアルミ合金製の前記クランクケースの熱膨張により前記クリアランスが増大するクランクシャフト軸受構造であり、左右一対のクランクシャフト軸受構造部が共に、前記クリアランスに対して前記テーパーリング部材と前記皿状バネ部材によってガタ詰めされることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の内燃機関のクランクシャフト軸受構造において、前記テーパーリング部材は、周方向を複数に分割する分割面が、シリンダ軸線方向の反シリンダ側の位置を避けて位置されたことを特徴とする。
請求項1の発明の内燃機関のクランクシャフト軸受構造によれば、皿状バネ部材の押し力により、テーパーリング部材の内周と転がり軸受のアウタレースの外周の互いのテーパ面がなす押し付け効果が得られ、テーパーリング部材を介して転がり軸受の外周と軸受穴部の内周との間のガタを吸収する構造となるので、転がり軸受を全周から押し付けることとなり、転がり軸受を一点で押し付ける場合の押し付け部材や転がり軸受の局部的な負荷を回避することができ、クランクシャフト軸受構造部におけるガタ詰め効果を高めて、クランク打音を効率良く吸収し、クランクシャフト軸受構造部の耐久性を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、アウタレースの外周のテーパ面により転がり軸受の外周と軸受穴部の内周との間のガタが吸収されるとともに、アウタレースの外周の円筒面により、アウタレースをクランクケースの軸受穴部内に支持させる部分が残り、負荷変動に伴うクランクシャフトの挙動に対して、テーパーリング部材と協働してクランクシャフトの挙動を小さくすることができ、クランク打音を効率よく吸収しクランクシャフト軸受構造部の耐久性を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、転がり軸受に対するスラスト受け部を、軸受穴部の内側面から転がり軸受のアウタレースの内周側外側面に向けて軸方向に張り出すように設けたので、皿状バネ部材の負荷を低減することができ、皿状バネ部材の荷重を最適化しつつクランクシャフトの軸方向の挙動を小さくすることができ、クランク打音を効率よく吸収し、クランクシャフト軸受構造部の耐久性を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、クランクシャフトの左右両側の転がり軸受のアウタレースが共にクランクケースの軸受穴部に対して、組み、バラシが容易となり、また、左右両側からの皿状バネ部材によるクランクシャフトの左右位置決め効果と相俟って、左右のクランクシャフト軸受構造部のガタ詰めにより熱間時にもクランク打音が効率よく吸収され、クランクシャフト軸受構造部の耐久性を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、請求項3または請求項4の発明の効果に加え、シリンダにおける燃焼に伴い転がり軸受に掛かる爆発荷重に対して、テーパーリング部材の分割面のエッジ部とクランクケースの軸受穴部との叩かれ磨耗を防止することができて、クランク打音を効率よく吸収し、クランクシャフト軸受構造部の耐久性を向上させることができる。
図1から図4に基づき、本発明の一実施形態に係る内燃機関のクランクシャフト軸受構造につき説明する。
本実施形態において内燃機関は、自動二輪車に搭載される場合を示し、特許請求の範囲および本明細書の説明における前後左右上下等の向きは、本実施形態の内燃機関のクランクシャフト軸受構造を備えた内燃機関を、自動二輪車に搭載した状態での車両(自動二輪車)の向きに従うものとする。
図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
本実施形態において内燃機関は、自動二輪車に搭載される場合を示し、特許請求の範囲および本明細書の説明における前後左右上下等の向きは、本実施形態の内燃機関のクランクシャフト軸受構造を備えた内燃機関を、自動二輪車に搭載した状態での車両(自動二輪車)の向きに従うものとする。
図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
本実施形態に係る内燃機関1は、そのクランクケース10内の後部に変速機4(図2、図3参照)を一体に備えて、いわゆるパワーユニットを構成しており、そのクランク軸11を、自動二輪車2の車幅方向、すなわち左右方向に配向させて自動二輪車2に搭載された空冷単気筒の4ストロークサイクル内燃機関である。
図1に示されるように、本実施形態に係る内燃機関1を搭載した自動二輪車2の車体フレーム20は、ヘッドパイプ21から後方へ左右一対のメインフレーム22が、若干下向きに延出した後に、さらに下方に屈曲して急傾斜部22aを形成して下端部に至っている。
また、ヘッドパイプ21から斜め急角度に下方へ左右一対のダウンフレーム23が、側面視でメインフレーム22の急傾斜部22aに略平行に延出している。
また、ヘッドパイプ21から斜め急角度に下方へ左右一対のダウンフレーム23が、側面視でメインフレーム22の急傾斜部22aに略平行に延出している。
メインフレーム22の急傾斜部22aの上部からは、ガセット24を介してシートレール25が後方に延出し、シートレール25の中央部と急傾斜部22aの下部とを連結したバックステー26が、シートレール25を支持している。
以上のような車体フレーム20において、ヘッドパイプ21にはフロントフォーク27が枢支され、その下端に前輪28が軸支されている。
メインフレーム22の急傾斜部22aの下部に前端を支持されたリヤフォーク29が、後方へ延出し、その後端に後輪30が軸支され、リヤフォーク29と車体フレーム20のガセット24との間に、リヤクッション31が介装されている。
メインフレーム22の前部には、燃料タンク32が架設され、燃料タンク32の後方にシート33がシートレール25に支持されて設けられている。
メインフレーム22の急傾斜部22aの下部に前端を支持されたリヤフォーク29が、後方へ延出し、その後端に後輪30が軸支され、リヤフォーク29と車体フレーム20のガセット24との間に、リヤクッション31が介装されている。
メインフレーム22の前部には、燃料タンク32が架設され、燃料タンク32の後方にシート33がシートレール25に支持されて設けられている。
メインフレーム22とダウンフレーム23に懸架される内燃機関1は、上述のように変速機4(図2、図3参照)を一体に構成したもので、クランクケース10上にシリンダX軸線を若干前傾させて、シリンダブロック12、シリンダヘッド13、シリンダヘッドカバー14を起立させた姿勢で懸架される(図1参照)。
内燃機関1のシリンダヘッド13からは後方に、その吸気ポート15に接続して吸気管35が延出し、スロットルボディ36を介してエアクリーナ37に至っている。
シリンダヘッド13から前方には、その排気ポート16に接続して排気管38が延出し、下方に屈曲して内燃機関1の下方を後方に延び、後輪30の右側のマフラー39に至っている。
シリンダヘッド13から前方には、その排気ポート16に接続して排気管38が延出し、下方に屈曲して内燃機関1の下方を後方に延び、後輪30の右側のマフラー39に至っている。
内燃機関1の断面展開図である図3に示されるように、内燃機関1のクランクケース10は、アルミ合金の鋳造により形成された左側クランクケース半体10Lと右側クランクケース半体10Rとが合わされて、複数のボルトにより一体に結合して構成される。
左クランクケース半体10Lには一体に左軸受壁18Lが、右クランクケース半体10Rには一体に右軸受壁18Rが、左、右クランクケース半体10L、Rが締結された時、互いが対峙するように形成され、左、右軸受壁18L、18Rがクランク軸11を軸支するとともに、クランク軸11が配置されるクランク室17の後方に、変速機4を収容するミッション室40を構成されている。
左クランクケース半体10Lには一体に左軸受壁18Lが、右クランクケース半体10Rには一体に右軸受壁18Rが、左、右クランクケース半体10L、Rが締結された時、互いが対峙するように形成され、左、右軸受壁18L、18Rがクランク軸11を軸支するとともに、クランク軸11が配置されるクランク室17の後方に、変速機4を収容するミッション室40を構成されている。
クランクケース10の前側のクランク室17の上には、1本のシリンダボア(本発明における「シリンダ」)12aを有するシリンダブロック12と、シリンダブロック12の上にシリンダヘッド13が重ねられ、スタッドボルト19によりシリンダヘッド13,シリンダブロック12がクランクケース10に一体に締結され、シリンダヘッド13の上方をシリンダヘッドカバー14が覆っている。
シリンダブロック12のシリンダボア12a内にピストン50が往復摺動自在に嵌合され(図2参照)、ピストン50とクランク軸11がコンロッド51により連接されてクランク機構が構成されている。
シリンダヘッド13の下部には、シリンダボア12a中のピストン51に対向して、シリンダボア12aと一致する燃焼室周壁52aを画成して、燃焼室上壁53に覆われる燃焼室52が形成される。
燃焼室上壁53には、燃焼室52に開口して吸気弁55(図2参照)により開閉される吸気ポート15(図1、図2参照)が後方へ延出し、排気弁56により開閉される排気ポート16(図1、図2参照)が前方に延出し、さらに燃焼室52内に臨む点火プラグ57が装着される。
シリンダヘッド13の下部には、シリンダボア12a中のピストン51に対向して、シリンダボア12aと一致する燃焼室周壁52aを画成して、燃焼室上壁53に覆われる燃焼室52が形成される。
燃焼室上壁53には、燃焼室52に開口して吸気弁55(図2参照)により開閉される吸気ポート15(図1、図2参照)が後方へ延出し、排気弁56により開閉される排気ポート16(図1、図2参照)が前方に延出し、さらに燃焼室52内に臨む点火プラグ57が装着される。
シリンダヘッド13には、吸気弁54、排気弁55を開閉駆動する動弁カム軸61、被動カムチェーンスプロケット62、吸気ロッカアーム65、排気ロッカアーム66等およびそれらの支持部材67等の動弁系部品からなる動弁機構60が取り付けられ収容されている。
シリンダブロック12およびシリンダヘッド13の左側部(外側部)には、動弁機構60を駆動するカムチェーン64が収容されるカムチェーンチャンバ12b、13bが設けられている。
シリンダブロック12およびシリンダヘッド13の左側部(外側部)には、動弁機構60を駆動するカムチェーン64が収容されるカムチェーンチャンバ12b、13bが設けられている。
動弁機構60の動弁カム軸61に嵌着された被動カムチェーンスプロケット62とクランク軸11に嵌着された駆動カムチェーンスプロケット63との間に、カムチェーンチャンバ12b、13bを通してカムチェーン64が架渡され、クランク軸11の1/2の回転数で動弁カム軸61が回転され、吸気ロッカアーム65と排気ロッカアーム66を揺動して吸、排気弁をそれぞれ所要のタイミングで開閉駆動する。
クランク軸11のクランクケース10の左軸受壁18Lより左方に突出した部分には、駆動チェーンスプロケット63のほかACジェネレータ58が取り付けられ、左側クランクケース半体10Lの開口外面には左ケースカバー57Lが被覆されて締結される。
他方、クランク軸11のクランクケース10の右軸受壁18Rより右方に突出した部分には、プライマリ駆動ギヤ68が嵌合され、さらに遠心オイルフィルタ47が取付けられて、右側クランクケース半体10Rの開口外面には右ケースカバー57Rが被覆されて締結される。
他方、クランク軸11のクランクケース10の右軸受壁18Rより右方に突出した部分には、プライマリ駆動ギヤ68が嵌合され、さらに遠心オイルフィルタ47が取付けられて、右側クランクケース半体10Rの開口外面には右ケースカバー57Rが被覆されて締結される。
クランクケース10のミッション室40には、変速機4のメイン軸41とカウンタ軸42とが、クランク軸11の後方に左右方向に指向して互いに平行に左、右軸受壁18L、10R間にベアリング41a、42aを介して回転自在に架設されており、メイン軸41に軸支されたメインギヤ群とカウンタ軸42に軸支されたカウンタギヤ群とが常時噛み合って変速機4を構成している。
メイン軸41のクランクケース10の右軸受壁18Rより右方に突出した右側部には、多板摩擦式の変速クラッチ43が設けられている。
変速クラッチ43のクラッチアウタ43aは、メイン軸41に回転自在に軸支されたプライマリ被動ギヤ44に緩衝部材を介して支持されており、メイン軸41に一体に嵌合されたクラッチインナ43bとの間に複数のクラッチ板が介装され、圧縮部材43cの駆動により断接を行う。
変速クラッチ43のクラッチアウタ43aは、メイン軸41に回転自在に軸支されたプライマリ被動ギヤ44に緩衝部材を介して支持されており、メイン軸41に一体に嵌合されたクラッチインナ43bとの間に複数のクラッチ板が介装され、圧縮部材43cの駆動により断接を行う。
プライマリ被動ギヤ44は、クランク軸11に嵌着された前記プライマリ駆動ギヤ68と噛合しており、クランク軸11の回転動力は、クランク軸11側のプライマリ駆動ギヤ65、変速クラッチ43側のプライマリ被動ギヤ44を介して変速クラッチ43に伝達されるが、変速クラッチ43は、変速機4のギヤ切換え中にはクランク軸11の回転動力を変速機4に伝達せずに、変速機4のギヤ切換えが終了するとともにクランク軸11の回転動力を変速機4のメイン軸41に伝達するように構成されている。
カウンタ軸42はクランクケース10の左軸受壁18Lを左方に貫通して外部に突出して、内燃機関1の最終の出力軸42となっており、突出部位に出力スプロケット45がスプライン嵌合されている。
出力スプロケット45に巻き掛けられる駆動チェーン46が、後輪30側(図1参照)の被動スプロケット47に架渡されてチェーン伝達機構が構成され後輪30に動力が伝達される。
出力スプロケット45に巻き掛けられる駆動チェーン46が、後輪30側(図1参照)の被動スプロケット47に架渡されてチェーン伝達機構が構成され後輪30に動力が伝達される。
図3に示されるように、シリンダブロック12のシリンダボア12aに摺動可能に嵌装されたピストン50は、コンロッド51を介してクランク軸11の左右のクランクウエブ70L、70R間に架設されるクランクピン71に接続され、ピストン50の動きに応じてクランク軸11を回転駆動する。
クランク軸11の左右のクランクウエブ70L、70Rの外側部付け根は、クランクケース10の左軸受壁18Lと右軸受壁18Rに、それぞれ左ボールベアリング(本発明における「転がり軸受」)90L、右ボールベアリング(本発明における「転がり軸受」)90Rを介して回転自在に軸支される。
クランク軸11の左右のクランクウエブ70L、70Rの外側部付け根は、クランクケース10の左軸受壁18Lと右軸受壁18Rに、それぞれ左ボールベアリング(本発明における「転がり軸受」)90L、右ボールベアリング(本発明における「転がり軸受」)90Rを介して回転自在に軸支される。
左、右側クランクケース半体10L、10Rの左、右軸受壁18L、18Rには、同一軸線上に左、右軸受穴部80L、80R(左軸受穴部80Lは、右軸受孔部80Rよりも大径)がそれぞれ開口されている。
左、右軸受穴部80L、80Rの軸受面となる内周81は、クランクケース10の鋳造時に鋳込まれる鉄製(鋼製を含む)の鋳込みブッシュ82によって形成されている。左、右軸受穴部80L、80Rには、左、右ボールベアリング90L、90Rを介して、クランクシャフト11の左、右ジャーナル軸部72L,72Rが回転自在に支承される。
左、右軸受穴部80L、80Rの軸受面となる内周81は、クランクケース10の鋳造時に鋳込まれる鉄製(鋼製を含む)の鋳込みブッシュ82によって形成されている。左、右軸受穴部80L、80Rには、左、右ボールベアリング90L、90Rを介して、クランクシャフト11の左、右ジャーナル軸部72L,72Rが回転自在に支承される。
図3に示されるように(詳細には、図4参照)、右側のクランクシャフト軸受構造部9Rにおいては、右ボールベアリング90Rのインナレース91は、クランクシャフト10の右ジャーナル軸部72Rに圧入嵌合され、また、そのアウタレース92は右軸受壁18Rの右軸受穴部80Rの内周81の鋳込みブッシュ82に、常温においてクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有すように遊嵌される。
同様に、左側のクランクシャフト軸受構造部9Lにおいては、左ボールベアリング90Lのインナレース91は、クランクシャフト11の左ジャーナル軸部72Lに圧入嵌合され、また、そのアウタレース92は左軸受壁18Lの左軸受穴部80Lの内周81の鋳込みブッシュ82に、常温においてクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有すように遊嵌される。
同様に、左側のクランクシャフト軸受構造部9Lにおいては、左ボールベアリング90Lのインナレース91は、クランクシャフト11の左ジャーナル軸部72Lに圧入嵌合され、また、そのアウタレース92は左軸受壁18Lの左軸受穴部80Lの内周81の鋳込みブッシュ82に、常温においてクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有すように遊嵌される。
図4の(a)部に、本実施形態の右側のクランクシャフト軸受構造部9Rを拡大して示し、さらに詳しく説明する。特に右軸受穴部80Rと右ボールベアリング90Rのアウタレース92と、以下述べるテーパーリング部材100との関係は同図中(c)部に拡大して示される。
なお、左側のクランクシャフト軸受構造部9Lも、軸径が異なり、左右対称に構成されること以外は、右側のクランクシャフト軸受構造部9Rと同様の構成と作用を有する。
なお、左側のクランクシャフト軸受構造部9Lも、軸径が異なり、左右対称に構成されること以外は、右側のクランクシャフト軸受構造部9Rと同様の構成と作用を有する。
右ボールベアリング90Rのアウタレース92は、その外周93において、最大外径をなす円筒面94を備え、円筒面94に軸方向外方(クランクシャフト11の軸端方向)に隣り合い、円筒面94よりやや段部95をなし縮径し、さらに軸方向外方に向けて径が縮小するテーパ面96、すなわち凸状円錐面が形成されている。
円筒面94は、右軸受壁18Rの右軸受穴部80Rの内周81の鋳込みブッシュ82に、常温においてクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有して形成されて、遊嵌される。
円筒面94は、右軸受壁18Rの右軸受穴部80Rの内周81の鋳込みブッシュ82に、常温においてクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有して形成されて、遊嵌される。
アウタレース92の外周93位置には、図4の(a)部、(c)部に示す軸方向断面においてアウタレース92のテーパ面96と同じ勾配をなすテーパ面106、すなわち凹状円錐面を有するテーパーリング部材100が配置されており、テーパーリング部材100の内周101は右ボールベアリング90Rのアウタレース92の外周に、互いのテーパ面106、96を介して嵌合している。
また、テーパーリング部材100の外周102は、テーパーリング部材100の径方向幅狭側端面103が、アウタレース92の段部95との間に所定の間隙99を有した状態で、アウタレース92の円筒面94と同じ径となるように形成され、テーパーリング部材100の径方向幅広側端面104は、アウタレース92の外側面97と軸方向位置で概ね一致する。
また、テーパーリング部材100の外周102は、テーパーリング部材100の径方向幅狭側端面103が、アウタレース92の段部95との間に所定の間隙99を有した状態で、アウタレース92の円筒面94と同じ径となるように形成され、テーパーリング部材100の径方向幅広側端面104は、アウタレース92の外側面97と軸方向位置で概ね一致する。
右軸受穴部80Rの内周81の鋳込みブッシュ82は、アウタレース92の円筒面94とテーパーリング部材100の外周102を囲むとともに、テーパーリング部材100の径方向幅広側端面104と対峙するように設けられた右軸受穴部80Rの内側面83に延設されており、径方向幅広側端面104と内側面83との間には、テーパーリング部材100を軸方向に押圧する皿状バネ部材110が介装されている。
テーパーリング部材100は周方向を複数の分割面105で分割されており(本実施形態では図4(b)部に示すように3分割)、図4の(a)部、(c)部に示されるように、そのテーパ面106をアウタレース92のテーパ面96と接した状態で鋳込みブッシュ82の内側に嵌装された状態で皿状バネ部材110によって軸方向内方へ押圧されると、アウタレース92のテーパ面96に沿ってテーパーリング部材100が軸方向内方に若干移動し、分割面105が開くとともに若干拡径し、右軸受穴部80Rの内周81の鋳込みブッシュ82に当接する。
したがって、右ボールベアリング90Rのアウタレース92の円筒面96は、組み立て容易のため、鋳込みブッシュ82に対し常温においてクリアランスを有すように寸法公差を有しているが、組み立て後においては、皿状バネ部材110の押し力により、テーパーリング部材100の内周101と右ボールベアリング90Rのアウタレース92の外周93の互いのテーパ面96、106がなす押し付け効果が得られ、テーパーリング部材100がそのクリアランスを埋めるように拡径するので、テーパーリング部材100を介して右ボールベアリング90Rの外周93と右軸受穴部80Rの内周81との間のガタを吸収する構造となる。
また、アウタレース92の外周93の円筒面94により、アウタレース92をクランクケース10の右軸受穴部80R内に支持させる部分が残り、負荷変動に伴うクランクシャフト11の挙動に対して、テーパーリング部材100と協働してクランクシャフト11の挙動を小さくすることができ、クランク打音を効率よく吸収しクランクシャフト軸受構造部の耐久性を向上させることができる。
さらに、内燃機関1が稼動した熱間時には、鋳込みブッシュ82を鋳込むクランクケース10がアルミ合金製の場合、鋼製のクランクシャフト11および右ボールベアリング90Rに対して、クランクケース10側の熱膨張が大きく、そのため、右ボールベアリング90Rのアウタレース92の外周93と右軸受穴部80Rの内周81をなす鋳込みブッシュ82とのクリアランスが増大するが、クリアランス増大に対しては、皿バネ部材110によるテーパーリング部材100の軸方向移動と拡径によってガタ詰めされる。
なお、テーパーリング部材100の径方向幅狭側端面103とアウタレース92の段部95との間の常温時の所定の間隙99は、熱間時のテーパーリング部材100の軸方向内方への移動を許容するように設定される。
なお、テーパーリング部材100の径方向幅狭側端面103とアウタレース92の段部95との間の常温時の所定の間隙99は、熱間時のテーパーリング部材100の軸方向内方への移動を許容するように設定される。
また、図4に示される右側のクランクシャフト軸受構造部9Rと同様に、左側のクランクシャフト軸受構造部9Lも同様に構成され、しかも左右対称の配置なので(図3参照)、左右一対のクランクシャフト軸受構造部9L、9Rによって左右ともに熱膨張によるクリアランスの増大に対して同様にガタ詰めがなされるほか、左右両側からの皿状バネ部材110によりクランクシャフト11の左右位置決めがなされるので、クランク打音の吸収がより効率良く行われ、左右のクランクシャフト軸受構造部9L、9Rの耐久性が向上している。
そして、テーパーリング部材100は、アウタレース92の全周に亘って配置されるので、左、右ボールベアリング90L、90Rをともに全周から押し付けることとなり、上記従来技術のように転がり軸受を一点で押し付ける場合の押し付け部材や転がり軸受の局部的な負荷を回避することができ、クランクシャフト軸受構造部9L、9Rにおけるガタ詰め効果を高めて、クランク打音を効率良く吸収し、クランクシャフト軸受構造部9L、9Rの耐久性を向上させることができるものとなっている。
また、図4に示されるように、右軸受穴部80Rは、その内側面83において皿状バネ部材110を保持する位置よりも内周側が、アウタレース92の内周側外側面97aに向けて軸方向内方に張り出して、アウタレース92に当接するスラスト受け部84が形成されている。
したがって、皿状バネ部材110が不要に圧縮されることが防止され、皿状バネ部材110の負荷が低減し、皿状バネ部材110の荷重を最適化しつつクランクシャフト11の軸方向の挙動を小さくすることができ、クランク打音を効率よく吸収し、クランクシャフト軸受構造部9Rの耐久性を向上させることができる。
以上のことは、左側のクランクシャフト軸受構造部9Lも同様である(図3参照)。
したがって、皿状バネ部材110が不要に圧縮されることが防止され、皿状バネ部材110の負荷が低減し、皿状バネ部材110の荷重を最適化しつつクランクシャフト11の軸方向の挙動を小さくすることができ、クランク打音を効率よく吸収し、クランクシャフト軸受構造部9Rの耐久性を向上させることができる。
以上のことは、左側のクランクシャフト軸受構造部9Lも同様である(図3参照)。
本実施形態のクランクシャフト軸受構造を備えた場合の、その組み付けは、例えば以下のように行なわれる。
図3、図4を参照して、クランクシャフト10の左、右ジャーナル軸部72L、72Rにそれぞれ左、右ボールベアリング90L、90Rのインナレース91を圧入嵌合した上で、右クランクケース半体10Rにおいて、右軸受穴部80Rの内周81の鋳込みブッシュ82の内側に皿状バネ部材110とテーパーリング部材110をセットし、常温において鋳込みブッシュ82とクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有する右ボールベアリング90Rのアウタレース92を挿入する。
しかるのち、右ボールベアリング90Rのインナレース91の、クランクシャフト11の右ジャーナル軸部72Rへの固定は、プライマリ駆動ギヤ68、遠心オイルフィルタ47(図3、図4参照)等と共にクランクシャフト11の軸端からナット48により共締めすることにより行なわれる。
図3、図4を参照して、クランクシャフト10の左、右ジャーナル軸部72L、72Rにそれぞれ左、右ボールベアリング90L、90Rのインナレース91を圧入嵌合した上で、右クランクケース半体10Rにおいて、右軸受穴部80Rの内周81の鋳込みブッシュ82の内側に皿状バネ部材110とテーパーリング部材110をセットし、常温において鋳込みブッシュ82とクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有する右ボールベアリング90Rのアウタレース92を挿入する。
しかるのち、右ボールベアリング90Rのインナレース91の、クランクシャフト11の右ジャーナル軸部72Rへの固定は、プライマリ駆動ギヤ68、遠心オイルフィルタ47(図3、図4参照)等と共にクランクシャフト11の軸端からナット48により共締めすることにより行なわれる。
一方、左クランクケース半体10Lにおいては、左軸受穴部80Lの内周81の鋳込みブッシュ82の内側に皿状バネ部材110とテーパーリング部材100をセットしたうえで、常温において鋳込みブッシュ82とクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有する左ボールベアリング90Lのアウタレース92が挿入されるように、左、右のクランクケース半体10L、10Rを締結する。
したがって、クランクシャフト11の左右両側のボールベアリング90L、90Rのアウタレース92が共に、クランクケース10の軸受穴部80L、80Rに対して、組み、バラシを容易に行なえる。
したがって、クランクシャフト11の左右両側のボールベアリング90L、90Rのアウタレース92が共に、クランクケース10の軸受穴部80L、80Rに対して、組み、バラシを容易に行なえる。
また、図4の(b)部に示されるように、本実施形態においては、テーパーリング部材は周方向を3分割されるが、その分割面105は、図2中に右側のテーパーリング部材100の配置を2点鎖線で示すように、シリンダ軸線X方向のシリンダボア12aと反対側の位置を避けて位置されている。左側のテーパーリング部材100も同様である。
すなわち、シリンダボア12a内の燃焼時にはピストン50は爆発荷重を受けて下降し下死点に至り、方向反転するが、その際に左、右ボールベアリング90L、90Rはシリンダ軸線X方向のシリンダボア12aと反対側の位置に大きな荷重を受け、ガタ詰めのため嵌装されたテーパーリング部材100は直接その荷重を受けることになる。
その箇所にテーパーリング部材100の分割面105が位置すると、分割面105のエッジ部とクランクケース10側の鋳込みブッシュ82との叩かれ磨耗が発生し易いが、分割面105がシリンダ軸線X方向のシリンダボア12aと反対側の位置を避けて位置されているので、かかる叩かれ磨耗を防止することができ、クランク音の吸収が向上し、クランクシャフト軸受構造部9L、9Rの耐久性も向上する。
すなわち、シリンダボア12a内の燃焼時にはピストン50は爆発荷重を受けて下降し下死点に至り、方向反転するが、その際に左、右ボールベアリング90L、90Rはシリンダ軸線X方向のシリンダボア12aと反対側の位置に大きな荷重を受け、ガタ詰めのため嵌装されたテーパーリング部材100は直接その荷重を受けることになる。
その箇所にテーパーリング部材100の分割面105が位置すると、分割面105のエッジ部とクランクケース10側の鋳込みブッシュ82との叩かれ磨耗が発生し易いが、分割面105がシリンダ軸線X方向のシリンダボア12aと反対側の位置を避けて位置されているので、かかる叩かれ磨耗を防止することができ、クランク音の吸収が向上し、クランクシャフト軸受構造部9L、9Rの耐久性も向上する。
以上述べた本実施形態の内燃機関のクランクシャフト軸受構造の特徴を、以下纏めて記載する。
すなわち、本実施形態においては、内燃機関1のクランクケース10に左、右ボールベアリング90L、90Rを介してクランクシャフト11を支持させる内燃機関のクランクシャフト軸受構造において、周方向を複数に分割されたテーパーリング部材100が、左、右ボールベアリング90L、90Rのアウタレース92の外周93位置に配置されて、テーパーリング部材100の内周101が、左、右ボールベアリング90L、90Rのアウタレース92の外周93と互いのテーパ面106、96を介して嵌合すると共に、テーパーリング部材100の外周102がクランクケース10の左、右軸受穴部80L、80Rの内周81と接し、テーパーリング部材100の径方向幅広側端面104とそれに対峙するように設けられた左、右軸受穴部80L、80Rの内側面83との間に、テーパーリング部材100を軸方向に押圧する皿状バネ部材110が配置されている。
すなわち、本実施形態においては、内燃機関1のクランクケース10に左、右ボールベアリング90L、90Rを介してクランクシャフト11を支持させる内燃機関のクランクシャフト軸受構造において、周方向を複数に分割されたテーパーリング部材100が、左、右ボールベアリング90L、90Rのアウタレース92の外周93位置に配置されて、テーパーリング部材100の内周101が、左、右ボールベアリング90L、90Rのアウタレース92の外周93と互いのテーパ面106、96を介して嵌合すると共に、テーパーリング部材100の外周102がクランクケース10の左、右軸受穴部80L、80Rの内周81と接し、テーパーリング部材100の径方向幅広側端面104とそれに対峙するように設けられた左、右軸受穴部80L、80Rの内側面83との間に、テーパーリング部材100を軸方向に押圧する皿状バネ部材110が配置されている。
そのため、皿状バネ部材110の押し力により、テーパーリング部材100の内周101と左、右ボールベアリング90L、90Rのアウタレース92の外周93の互いのテーパ面106、96がなす押し付け効果が得られ、テーパーリング部材100を介して左、右ボールベアリング90L、90Rの外周93と左、右軸受穴部80L、80Rの内周81との間のガタを吸収する構造となるので、左、右ボールベアリング90L、90Rを全周から押し付けることとなり、転がり軸受を一点で押し付ける場合の押し付け部材や転がり軸受の局部的な負荷を回避することができ、クランクシャフト軸受構造部9L、9Rにおけるガタ詰め効果を高めて、クランク打音を効率良く吸収し、クランクシャフト軸受構造部9L、9Rの耐久性を向上させることができる。
また、アウタレース92における外周93には、テーパ面96と軸方向で隣り合う円筒面94が形成されたので、アウタレース92の外周93のテーパ面96により左、右ボールベアリング90L、90Rの外周93と左、右軸受穴部80L、80Rの内周81との間のガタが吸収されるとともに、アウタレース92の外周93の円筒面94により、アウタレース92をクランクケース10の左、右軸受穴部80L、80R内に支持させる部分が残り、負荷変動に伴うクランクシャフト11の挙動に対して、テーパーリング部材100と協働してクランクシャフト11の挙動を小さくすることができ、クランク打音を効率よく吸収しクランクシャフト軸受構造部9L、9Rの耐久性を向上させることができる。
また、クランクケース10における左、右軸受穴部80L、80Rには、左、右軸受穴部80L、80Rの内側面83において皿状バネ部材110より内周位置に、アウタレース92の内周側外側面97aに向けて軸方向に張り出すスラスト受け部98が形成されたので、皿状バネ部材110の負荷を低減することができ、皿状バネ部材110の荷重を最適化しつつクランクシャフト11の軸方向の挙動を小さくすることができ、クランク打音を効率よく吸収し、クランクシャフト軸受構造部9L、9Rの耐久性を向上させることができる。
また、クランクケース10における左、右軸受穴部80L、80Rは、アウタレース92の外周93と皿状バネ部材110の側面とに対応した位置に鉄製の鋳込みブッシュ82を備え、鋳込みブッシュ82はアウタレース92の外周93に対して常温においてクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有し、内燃機関1稼動時における熱間時には、鋳込みブッシュ82を鋳込んだアルミ合金製のクランクケース10の熱膨張により前記クリアランスが増大するクランクシャフト軸受構造であり、左右一対のクランクシャフト軸受構造部9L、9Rが共に、前記クリアランスに対してテーパーリング部材100と皿バネ部材110によってガタ詰めされるので、クランクシャフト11の左右両側のボールベアリング90L、90Rのアウタレース92が共にクランクケース10の左、右軸受穴部80L、80Rに対して、組み、バラシが容易となり、また、左右両側からの皿状バネ部材110によるクランクシャフト11の左右位置決め効果と相俟って、左右のクランクシャフト軸受構造部9L、9Rのガタ詰めにより熱間時にもクランク打音が効率よく吸収され、クランクシャフト軸受構造部9L、9Rの耐久性を向上させることができる。
そして、テーパーリング部材100は、周方向を複数に分割する分割面105が、シリンダ軸線X方向の反シリンダボア12a側の位置を避けて位置されたので、シリンダボア12aにおける燃焼に伴い左、右ボールベアリング90L、90Rに掛かる爆発荷重に対して、テーパーリング部材100の分割面105のエッジ部とクランクケース10の左、右軸受穴部80L、80Rとの叩かれ磨耗を防止することができて、クランク打音を効率よく吸収し、クランクシャフト軸受構造部9L、9Rの耐久性を向上させることができる。
以上、本発明の内燃機関のクランクシャフト軸受構造の一実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態の態様に限定されること無く、本発明の要旨の範囲で広く多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
たとえば、内燃機関は請求項1の構成を有する内燃機関であれば、実施形態で示されたものに限定されることは無く、自動二輪車に搭載される内燃機関に限定されず、他の態様の車両に搭載されるもの、さらに定置されるものも含まれる。内燃機関の種類、構造も、本発明の各請求項の要旨の範囲で多様に適用される。
また、上記実施形態の内燃機関の内部の配置は一例であって、左右反転した配置であってもよい。
たとえば、内燃機関は請求項1の構成を有する内燃機関であれば、実施形態で示されたものに限定されることは無く、自動二輪車に搭載される内燃機関に限定されず、他の態様の車両に搭載されるもの、さらに定置されるものも含まれる。内燃機関の種類、構造も、本発明の各請求項の要旨の範囲で多様に適用される。
また、上記実施形態の内燃機関の内部の配置は一例であって、左右反転した配置であってもよい。
1…内燃機関、2…自動二輪車、4…変速機、9L…(左側の)クランクシャフト軸受構造部、9R…(右側の)クランクシャフト軸受構造部、10…クランクケース、10L…左クランクケース半体、10R…右クランクケース半体、11…クランク軸、12…シリンダブロック、12a…シリンダボア(本発明における「シリンダ」)、13…シリンダヘッド、14…シリンダヘッドカバー、17…クランク室、18L…左軸受壁、18R…右軸受壁、47…遠心オイルフィルタ、48…ナット、50…ピストン、51…コンロッド、52…燃焼室、68…プライマリ駆動ギヤ、70L…左クランクウエブ、70B…右クランクウエブ、71…クランクピン、72L…左ジャーナル軸部、72R…右ジャーナル軸部、80L…左軸受穴部、80R…右軸受穴部、81…内周、82…鋳込みブッシュ、83…内側面、84…スラスト受け部、90L…左ボールベアリング(本発明における「転がり軸受」)、90R…右ボールベアリング(本発明における「転がり軸受」)、91…インナレース、92…アウタレース、93…外周、94…円筒面、95…段部、96…テーパ面、97a…内周側外側面、99…間隙、100…テーパーリング部材、101…内周、102…外周、103…径方向幅狭側端面、104…径方向幅広側端面、105…分割面、106…テーパ面、110…皿状バネ部材、X…シリンダ軸線
Claims (5)
- 内燃機関(1)のクランクケース(10)に転がり軸受(90L,90R)を介してクランクシャフト(11)を支持させる内燃機関のクランクシャフト軸受構造において、
周方向を複数に分割されたテーパーリング部材(100)が、前記転がり軸受(90L,90R)のアウタレース(92)の外周(93)位置に配置されて、同テーパーリング部材(100)の内周(101)が、前記転がり軸受(90L,90R)のアウタレース(92)の外周(93)と互いのテーパ面(106,96)を介して嵌合すると共に、同テーパーリング部材(100)の外周(102)が前記クランクケース(10)の軸受穴部(80L,80R)の内周(81)と接し、
前記テーパーリング部材(100)の径方向幅広側端面(104)とそれに対峙するように設けられた前記軸受穴部(80L,80R)の内側面(83)との間に、同テーパーリング部材(100)を軸方向に押圧する皿状バネ部材(110)が配置されたことを特徴とする内燃機関のクランクシャフト軸受構造。 - 前記アウタレース(92)における外周(93)には、前記テーパ面(96)と軸方向で隣り合う円筒面(94)が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のクランクシャフト軸受構造。
- 前記クランクケース(10)における前記軸受穴部(80L,80R)には、同軸受穴部(80L,80R)の前記内側面(83)において前記皿状バネ部材(110)より内周位置に、前記アウタレース(92)の内周側外側面(97a)に向けて軸方向に張り出すスラスト受け部(84)が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のクランクシャフト軸受構造。
- 前記クランクケース(10)における前記軸受穴部(80L,80R)は、前記アウタレース(92)の外周(93)と前記皿状バネ部材(110)の側面とに対応した位置に鉄製の鋳込みブッシュ(82)を備え、同鋳込みブッシュ(82)は前記アウタレース(92)の外周(93)に対して常温においてクリアランスを有すようにして組み立てられる寸法公差を有し、内燃機関(1)稼動時における熱間時には、前記鋳込みブッシュ(82)を鋳込んだアルミ合金製の前記クランクケース(10)の熱膨張により前記クリアランスが増大するクランクシャフト軸受構造であり、左右一対のクランクシャフト軸受構造部(9L,9R)が共に、前記クリアランスに対して前記テーパーリング部材(100)と前記皿状バネ部材(110)によってガタ詰めされることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のクランクシャフト軸受構造。
- 前記テーパーリング部材(100)は、周方向を複数に分割する分割面(105)が、シリンダ軸線(X)方向の反シリンダ(12a)側の位置を避けて位置されたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の内燃機関のクランクシャフト軸受構造。
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JP2013124316A JP2015001154A (ja) | 2013-06-13 | 2013-06-13 | 内燃機関のクランクシャフト軸受構造 |
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JP (1) | JP2015001154A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016181482A1 (ja) * | 2015-05-12 | 2016-11-17 | ヤマハ発動機株式会社 | 2バルブエンジン |
WO2016181483A1 (ja) * | 2015-05-12 | 2016-11-17 | ヤマハ発動機株式会社 | 2バルブエンジン |
WO2019065693A1 (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-04 | 本田技研工業株式会社 | 内燃機関 |
-
2013
- 2013-06-13 JP JP2013124316A patent/JP2015001154A/ja active Pending
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