JP2002005236A - 内燃機関のクランク軸 - Google Patents
内燃機関のクランク軸Info
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- internal combustion
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C3/00—Shafts; Axles; Cranks; Eccentrics
- F16C3/04—Crankshafts, eccentric-shafts; Cranks, eccentrics
- F16C3/06—Crankshafts
- F16C3/10—Crankshafts assembled of several parts, e.g. by welding by crimping
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C3/00—Shafts; Axles; Cranks; Eccentrics
- F16C3/04—Crankshafts, eccentric-shafts; Cranks, eccentrics
- F16C3/20—Shape of crankshafts or eccentric-shafts having regard to balancing
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2360/00—Engines or pumps
- F16C2360/22—Internal combustion engines
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Ocean & Marine Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 クランク軸に発生する振動を低減すると共
に、コンロッドとクランクピンとの間の摩擦抵抗および
摩耗を低減する内燃機関のクランク軸を提供する。 【解決手段】 内燃機関のクランク軸2は、一対の主軸
受17,18の間に位置して異なる形状を有する第1,第2
クランクウェブ23,24と、コンロッド12が軸支されたク
ランクピン25とを有する。第1カウンタウエイト部23a
のバランス量をW1、第2カウンタウエイト部24aのバラ
ンス量をW2、シリンダ4の中心軸線C2を含んでクラ
ンク軸2の回転軸線C1と直交する仮想平面Pと第1,
第2カウンタウエイト部23a,24aの重心G1,G2との距
離である第1,第2重心距離をL 1,L2としたとき、 W1+W2=W ここで、Wは、ピストン11およびコンロッド12等の往復
動部分の慣性力を低減するために設定されたバランス量
が成立し、かつ積W1×L1と積W2×L2とが等しくまた
は略等しくなるように、第1,第2カウンタウエイト部
23a,24aのバランス量と第1,第2重心距離とが設定さ
れる。
に、コンロッドとクランクピンとの間の摩擦抵抗および
摩耗を低減する内燃機関のクランク軸を提供する。 【解決手段】 内燃機関のクランク軸2は、一対の主軸
受17,18の間に位置して異なる形状を有する第1,第2
クランクウェブ23,24と、コンロッド12が軸支されたク
ランクピン25とを有する。第1カウンタウエイト部23a
のバランス量をW1、第2カウンタウエイト部24aのバラ
ンス量をW2、シリンダ4の中心軸線C2を含んでクラ
ンク軸2の回転軸線C1と直交する仮想平面Pと第1,
第2カウンタウエイト部23a,24aの重心G1,G2との距
離である第1,第2重心距離をL 1,L2としたとき、 W1+W2=W ここで、Wは、ピストン11およびコンロッド12等の往復
動部分の慣性力を低減するために設定されたバランス量
が成立し、かつ積W1×L1と積W2×L2とが等しくまた
は略等しくなるように、第1,第2カウンタウエイト部
23a,24aのバランス量と第1,第2重心距離とが設定さ
れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、内燃機関のクラ
ンク軸に関し、詳細には、一対の主軸受の間に位置する
形状の異なる一対のクランクウェブの構造に関する。
ンク軸に関し、詳細には、一対の主軸受の間に位置する
形状の異なる一対のクランクウェブの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の内燃機関のクランク軸と
して、例えば特許第2653516号公報に開示された
ものが知られている。この内燃機関は、一次バランサお
よび二次バランサからなるバランサ装置を備えると共
に、そのクランク軸は、クランクピンにより一体に結合
された一対のクランク半体からなり、両クランク半体は
それぞれクランクウェブを有する。そして、二次バラン
サウエイトが設けられた中空軸を回動するための駆動ギ
ヤが、一方のクランクウェブの外周面に一体に形成され
ることで、内燃機関の小型化および組付け性の向上がな
されている。
して、例えば特許第2653516号公報に開示された
ものが知られている。この内燃機関は、一次バランサお
よび二次バランサからなるバランサ装置を備えると共
に、そのクランク軸は、クランクピンにより一体に結合
された一対のクランク半体からなり、両クランク半体は
それぞれクランクウェブを有する。そして、二次バラン
サウエイトが設けられた中空軸を回動するための駆動ギ
ヤが、一方のクランクウェブの外周面に一体に形成され
ることで、内燃機関の小型化および組付け性の向上がな
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来技
術では、ピストンおよびとコンロッド等の往復動部分と
の慣性力を低減するために設定される両クランクウェブ
のカウンタウエイト部に発生する遠心力、すなわちカウ
ンタウエイト部のバランス量は、両クランクウェブの形
状が異なっているため、両カウンタウエイト部で異なる
ものとなっていると考えられ、また各カウンタウエイト
部の重心の位置についても考慮されていない。
術では、ピストンおよびとコンロッド等の往復動部分と
の慣性力を低減するために設定される両クランクウェブ
のカウンタウエイト部に発生する遠心力、すなわちカウ
ンタウエイト部のバランス量は、両クランクウェブの形
状が異なっているため、両カウンタウエイト部で異なる
ものとなっていると考えられ、また各カウンタウエイト
部の重心の位置についても考慮されていない。
【0004】そのため、図4に図示されるように、両カ
ウンタウエイト部のバランス量f1,f2および重心位置
g1,g2の相違に起因して、ピストンおよびコンロッド
等の往復動部分とに生じる慣性力fの作用線と両クラン
クウエイト部の遠心力の合力f1+f2の作用線とは、ク
ランク軸の回転軸線c1の方向おいて距離eだけ異なる
位置となり、該回転軸線c1とシリンダの中心軸線c2と
を含む平面に直交する直線回りのモーメントが発生す
る。
ウンタウエイト部のバランス量f1,f2および重心位置
g1,g2の相違に起因して、ピストンおよびコンロッド
等の往復動部分とに生じる慣性力fの作用線と両クラン
クウエイト部の遠心力の合力f1+f2の作用線とは、ク
ランク軸の回転軸線c1の方向おいて距離eだけ異なる
位置となり、該回転軸線c1とシリンダの中心軸線c2と
を含む平面に直交する直線回りのモーメントが発生す
る。
【0005】そして、このモーメントにより、クランク
ピンが回転軸線c1に対して傾斜する、すなわちクラン
クピンの倒れを生じて、コンロッドとクランクピンとの
間の摩擦抵抗および摩耗が増大したり、また一対のクラ
ンクウェブの両側に位置する一対の主軸受に作用する荷
重が不均衡となって、主軸受の耐久性が低下する要因の
一つとなっていた。さらに、このモーメントの大きさが
クランク軸の回転位置により変動することから、クラン
ク軸に振動を発生させていた。
ピンが回転軸線c1に対して傾斜する、すなわちクラン
クピンの倒れを生じて、コンロッドとクランクピンとの
間の摩擦抵抗および摩耗が増大したり、また一対のクラ
ンクウェブの両側に位置する一対の主軸受に作用する荷
重が不均衡となって、主軸受の耐久性が低下する要因の
一つとなっていた。さらに、このモーメントの大きさが
クランク軸の回転位置により変動することから、クラン
ク軸に振動を発生させていた。
【0006】本願発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、請求項1ないし請求項3記載の発明
は、クランク軸に発生する振動を低減すると共に、コン
ロッドとクランクピンとの間の摩擦抵抗および摩耗を低
減する内燃機関のクランク軸を提供することを共通の目
的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、主
軸受の耐久性を向上させる内燃機関のクランク軸を提供
することを目的とし、請求項3記載の発明は、さらに、
内燃機関を小型化できる内燃機関のクランク軸を提供す
ることを目的とする。
れたものであって、請求項1ないし請求項3記載の発明
は、クランク軸に発生する振動を低減すると共に、コン
ロッドとクランクピンとの間の摩擦抵抗および摩耗を低
減する内燃機関のクランク軸を提供することを共通の目
的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、主
軸受の耐久性を向上させる内燃機関のクランク軸を提供
することを目的とし、請求項3記載の発明は、さらに、
内燃機関を小型化できる内燃機関のクランク軸を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本願の
請求項1記載の発明は、内燃機関の機関本体に保持され
た複数の主軸受に支持されたクランク軸であって、隣接
する一対の前記主軸受の間に位置して異なる形状を有す
る一対の第1および第2クランクウェブと、該第1およ
び第2クランクウェブの間に位置して両者を連結してい
るクランクピンとを有し、前記内燃機関のシリンダ内で
往復動自在とされるピストンに連結されたコンロッドが
該クランクピンに軸支された内燃機関のクランク軸にお
いて、前記第1クランクウェブの第1カウンタウエイト
部のバランス量をW1、前記第2クランクウェブの第2
カウンタウエイト部のバランス量をW2、前記内燃機関
の前記シリンダの中心軸線を含んで前記クランク軸の回
転軸線と直交する仮想平面と前記第1および第2カウン
タウエイト部の重心との距離である第1および第2重心
距離をそれぞれL1およびL2としたとき、 W1+W2=W ここで、Wは、前記ピストンおよび前記コンロッド等の
往復動部分の慣性力を低減するために設定されたバラン
ス量が成立し、かつ積W1×L1と積W2×L2とが等しく
または略等しくなるように、前記第1および第2カウン
タウエイト部のそれぞれのバランス量および前記第1お
よび第2重心距離が設定された内燃機関のクランク軸で
ある。
請求項1記載の発明は、内燃機関の機関本体に保持され
た複数の主軸受に支持されたクランク軸であって、隣接
する一対の前記主軸受の間に位置して異なる形状を有す
る一対の第1および第2クランクウェブと、該第1およ
び第2クランクウェブの間に位置して両者を連結してい
るクランクピンとを有し、前記内燃機関のシリンダ内で
往復動自在とされるピストンに連結されたコンロッドが
該クランクピンに軸支された内燃機関のクランク軸にお
いて、前記第1クランクウェブの第1カウンタウエイト
部のバランス量をW1、前記第2クランクウェブの第2
カウンタウエイト部のバランス量をW2、前記内燃機関
の前記シリンダの中心軸線を含んで前記クランク軸の回
転軸線と直交する仮想平面と前記第1および第2カウン
タウエイト部の重心との距離である第1および第2重心
距離をそれぞれL1およびL2としたとき、 W1+W2=W ここで、Wは、前記ピストンおよび前記コンロッド等の
往復動部分の慣性力を低減するために設定されたバラン
ス量が成立し、かつ積W1×L1と積W2×L2とが等しく
または略等しくなるように、前記第1および第2カウン
タウエイト部のそれぞれのバランス量および前記第1お
よび第2重心距離が設定された内燃機関のクランク軸で
ある。
【0008】この請求項1記載の発明によれば、積W1
×L1と積W2×L2とが等しくまたは略等しくなるた
め、ピストンおよびコンロッドに発生する慣性力の作用
線と、隣接する一対の主軸受間での第1および第2カウ
ンタウエイトのバランス量である遠心力の合力の作用線
とは、仮想平面上に位置するか、または仮想平面上に略
位置することになり、それら慣性力および遠心力に基づ
くクランク軸の回転軸線とシリンダの中心軸線とを含む
平面に直交する直線回りのモーメントが発生しないか、
または略ゼロ(零)となる。そのため、該モーメントに
よるクランク軸の振動の発生が低減され、該振動が伝達
されることで機関本体から発生する騒音が低減される。
しかもクランクピンの、前記回転軸線に対する倒れが生
じることもないので、コンロッドとクランクピンとの間
の摩擦抵抗および摩耗が低減される。
×L1と積W2×L2とが等しくまたは略等しくなるた
め、ピストンおよびコンロッドに発生する慣性力の作用
線と、隣接する一対の主軸受間での第1および第2カウ
ンタウエイトのバランス量である遠心力の合力の作用線
とは、仮想平面上に位置するか、または仮想平面上に略
位置することになり、それら慣性力および遠心力に基づ
くクランク軸の回転軸線とシリンダの中心軸線とを含む
平面に直交する直線回りのモーメントが発生しないか、
または略ゼロ(零)となる。そのため、該モーメントに
よるクランク軸の振動の発生が低減され、該振動が伝達
されることで機関本体から発生する騒音が低減される。
しかもクランクピンの、前記回転軸線に対する倒れが生
じることもないので、コンロッドとクランクピンとの間
の摩擦抵抗および摩耗が低減される。
【0009】その結果、モーメントによるクランク軸の
振動の発生が低減されることで、該振動により発生する
騒音が低減される。そのうえ、クランクピンの倒れが生
じないので、コンロッドとクランクピンとの間の摩擦抵
抗および摩耗が低減され、摩擦損失が減少して機関出力
を増大することができ、また、部品の耐久性が向上す
る。
振動の発生が低減されることで、該振動により発生する
騒音が低減される。そのうえ、クランクピンの倒れが生
じないので、コンロッドとクランクピンとの間の摩擦抵
抗および摩耗が低減され、摩擦損失が減少して機関出力
を増大することができ、また、部品の耐久性が向上す
る。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の内
燃機関のクランク軸において、前記隣接する一対の主軸
受間の前記回転軸線方向での中央位置が前記仮想平面上
に位置するものである。
燃機関のクランク軸において、前記隣接する一対の主軸
受間の前記回転軸線方向での中央位置が前記仮想平面上
に位置するものである。
【0011】この請求項2記載の発明によれば、さら
に、両主軸受に作用する慣性力および燃焼による爆発力
による荷重を略等しくすることができるので、両主軸受
に同一の剛性を有する軸受を使用することができ、また
荷重が偏ることにより、大きな荷重が作用する主軸受の
摩擦抵抗および摩耗の増大を回避できる。
に、両主軸受に作用する慣性力および燃焼による爆発力
による荷重を略等しくすることができるので、両主軸受
に同一の剛性を有する軸受を使用することができ、また
荷重が偏ることにより、大きな荷重が作用する主軸受の
摩擦抵抗および摩耗の増大を回避できる。
【0012】その結果、請求項1記載の発明の効果に加
えて、両主軸受に同一の剛性を有する軸受を使用するこ
とができて、振動低減の観点からの主軸受の剛性の設定
が容易になる。また、荷重が偏ることによる主軸受の摩
擦抵抗および摩耗の増大を防止できて、摩擦損失の減少
により機関出力を増大することができると共に、主軸受
の耐久性を向上させることができる。
えて、両主軸受に同一の剛性を有する軸受を使用するこ
とができて、振動低減の観点からの主軸受の剛性の設定
が容易になる。また、荷重が偏ることによる主軸受の摩
擦抵抗および摩耗の増大を防止できて、摩擦損失の減少
により機関出力を増大することができると共に、主軸受
の耐久性を向上させることができる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の内燃機関のクランク軸において、前記内燃
機関は単気筒内燃機関であり、前記第1または第2クラ
ンクウェブの外周に動力取出しギヤが設けられているも
のである。
求項2記載の内燃機関のクランク軸において、前記内燃
機関は単気筒内燃機関であり、前記第1または第2クラ
ンクウェブの外周に動力取出しギヤが設けられているも
のである。
【0014】この請求項3記載の発明によれば、さら
に、動力取出しギヤをクランク軸の回転軸線方向での位
置でクランクウェブと同じ位置に設けることができるの
で、クランクウェブと動力取出しギヤとを前記回転軸線
方向で異なる位置に設ける場合に比べてクランク軸の長
さを短くできる。その結果、請求項1または請求項2記
載の発明の効果に加えて、クランク軸の長さを短くする
ことができて、内燃機関の小型化ができる。
に、動力取出しギヤをクランク軸の回転軸線方向での位
置でクランクウェブと同じ位置に設けることができるの
で、クランクウェブと動力取出しギヤとを前記回転軸線
方向で異なる位置に設ける場合に比べてクランク軸の長
さを短くできる。その結果、請求項1または請求項2記
載の発明の効果に加えて、クランク軸の長さを短くする
ことができて、内燃機関の小型化ができる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項2または請
求項3記載の内燃機関のクランク軸において、前記第1
および第2重心距離のうち小さい値を有する前記第1ま
たは第2クランクウェブには、その隣接する主軸受側の
側面に設けられた凹部で形成されるストレーナ室を有す
る遠心式オイルストレーナが設けられているものであ
る。
求項3記載の内燃機関のクランク軸において、前記第1
および第2重心距離のうち小さい値を有する前記第1ま
たは第2クランクウェブには、その隣接する主軸受側の
側面に設けられた凹部で形成されるストレーナ室を有す
る遠心式オイルストレーナが設けられているものであ
る。
【0016】この請求項4記載の発明によれば、さら
に、クランクウェブにおいて隣接する主軸受側の側面に
設けられた凹部で形成されるストレーナ室は、前記仮想
平面までの重心距離が小さいカウンタウエイト部を有す
るクランクウェブ、換言すれば、カウンタウエイト部の
重心が、もう一方のクランクウェブに比べて、ストレー
ナ室が設けられる側面とは反対側の側面に、より近い位
置にあるクランクウェブに設けられるので、遠心式オイ
ルストレーナの浄化性能向上および容量増大のための、
ストレーナ室の、クランク軸の径方向の寸法およびクラ
ンク軸の回転軸線方向の寸法を大きくすることに対する
カウンタウエイト部の重心位置からの制約が少ない。
に、クランクウェブにおいて隣接する主軸受側の側面に
設けられた凹部で形成されるストレーナ室は、前記仮想
平面までの重心距離が小さいカウンタウエイト部を有す
るクランクウェブ、換言すれば、カウンタウエイト部の
重心が、もう一方のクランクウェブに比べて、ストレー
ナ室が設けられる側面とは反対側の側面に、より近い位
置にあるクランクウェブに設けられるので、遠心式オイ
ルストレーナの浄化性能向上および容量増大のための、
ストレーナ室の、クランク軸の径方向の寸法およびクラ
ンク軸の回転軸線方向の寸法を大きくすることに対する
カウンタウエイト部の重心位置からの制約が少ない。
【0017】その結果、請求項2または請求項3記載の
発明の効果に加えて、オイルストレーナのストレーナ室
の径方向の寸法および回転軸線方向の寸法の設定の自由
度が増して、遠心式オイルストレーナの浄化性能向上お
よび容量増大を容易に行うことができる。
発明の効果に加えて、オイルストレーナのストレーナ室
の径方向の寸法および回転軸線方向の寸法の設定の自由
度が増して、遠心式オイルストレーナの浄化性能向上お
よび容量増大を容易に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施例を図1な
いし図3を参照して説明する。図1は、本願発明のクラ
ンク軸を有する内燃機関と伝動装置とを備えた自動二輪
車用の動力装置Uの要部概略平断面図であり、概略、ク
ランク軸の回転軸線を中心に、クランク軸の回転軸線お
よびシリンダの中心軸線を含む平面、そしてクランク軸
の回転軸線および変速機の主軸の回転軸線を含む平面で
の断面図となっている。
いし図3を参照して説明する。図1は、本願発明のクラ
ンク軸を有する内燃機関と伝動装置とを備えた自動二輪
車用の動力装置Uの要部概略平断面図であり、概略、ク
ランク軸の回転軸線を中心に、クランク軸の回転軸線お
よびシリンダの中心軸線を含む平面、そしてクランク軸
の回転軸線および変速機の主軸の回転軸線を含む平面で
の断面図となっている。
【0019】内燃機関1は、水冷式の単気筒4サイクル
内燃機関であり、クランク軸2の回転軸線C1が車体の
前後方向を指向した縦置き配置とされ、シリンダ4の中
心軸線C2が回転軸線C1に対して右方の斜め上方を指向
している。また、クランク軸2の動力を後輪に伝達する
伝動装置は、発進クラッチ50と変速機(図示されず)と
最終減速装置(図示されず)とを有し、変速機の主軸51
が、回転軸線C1に対して左方の斜め上方に配置され
る。なお、この明細書において、「前後左右」は、車体
の「前後左右」を意味するものとする。
内燃機関であり、クランク軸2の回転軸線C1が車体の
前後方向を指向した縦置き配置とされ、シリンダ4の中
心軸線C2が回転軸線C1に対して右方の斜め上方を指向
している。また、クランク軸2の動力を後輪に伝達する
伝動装置は、発進クラッチ50と変速機(図示されず)と
最終減速装置(図示されず)とを有し、変速機の主軸51
が、回転軸線C1に対して左方の斜め上方に配置され
る。なお、この明細書において、「前後左右」は、車体
の「前後左右」を意味するものとする。
【0020】内燃機関1のクランクケース3は、回転軸
線C1を含みかつシリンダ4の中心軸線C2と直交する平
面を割り面とする上下割りとされ、シリンダ4と共に鋳
造により一体成形された上クランクケース3aと、発進ク
ラッチ50を収容するケースの一部を兼ねる下クランクケ
ース3bとに分割される。そして、シリンダ4にはシリン
ダヘッド5およびシリンダヘッドカバー6が順次組み付
けられ、このうちシリンダヘッド5には、シリンダヘッ
ド5に形成される燃焼室7に開口する管材からなる吸気
管8および排気管9が鋳込まれ、さらに吸気管8に取り
付けられた燃料噴射弁10から噴射される燃料と吸入空気
との混合気に点火するための点火栓(図示されず)が装
着される。
線C1を含みかつシリンダ4の中心軸線C2と直交する平
面を割り面とする上下割りとされ、シリンダ4と共に鋳
造により一体成形された上クランクケース3aと、発進ク
ラッチ50を収容するケースの一部を兼ねる下クランクケ
ース3bとに分割される。そして、シリンダ4にはシリン
ダヘッド5およびシリンダヘッドカバー6が順次組み付
けられ、このうちシリンダヘッド5には、シリンダヘッ
ド5に形成される燃焼室7に開口する管材からなる吸気
管8および排気管9が鋳込まれ、さらに吸気管8に取り
付けられた燃料噴射弁10から噴射される燃料と吸入空気
との混合気に点火するための点火栓(図示されず)が装
着される。
【0021】シリンダ4に摺動自在に嵌合されて往復動
するピストン11は、小端部12aがピストンピン13に軸支
され、大端部12bがクランクピン25に滑り軸受14を介し
て軸支されるコンロッド12を介してクランク軸2に連結
される。また、上死点および下死点におけるコンロッド
12の中心軸線は、シリンダ4の中心軸線C2と一致する
ようにされる。
するピストン11は、小端部12aがピストンピン13に軸支
され、大端部12bがクランクピン25に滑り軸受14を介し
て軸支されるコンロッド12を介してクランク軸2に連結
される。また、上死点および下死点におけるコンロッド
12の中心軸線は、シリンダ4の中心軸線C2と一致する
ようにされる。
【0022】クランク軸2は、前後方向に配置されてプ
レス加工された鋼板からなる一対の軸受ホルダ15,16に
それぞれ装着された隣接する一対の主軸受である玉軸受
17,18に支持され、両軸受ホルダ15,16がクランクケー
ス3にボルトにより締結される。それゆえ、両玉軸受1
7,18は、シリンダ4およびクランクケース3から構成
される機関本体に両軸受ホルダ15,16を介して保持され
る。そして、両玉軸受17,18は等しい剛性を有するもの
とされ、さらに両玉軸受17,18間の回転軸線C1方向で
の中央位置、すなわち両玉軸受17,18の回転軸線C1方
向での間隔の中央点が、シリンダ4の中心軸線C2を含
んでクランク軸2の回転軸線C1と直交する仮想平面P
上に位置するようにされる。
レス加工された鋼板からなる一対の軸受ホルダ15,16に
それぞれ装着された隣接する一対の主軸受である玉軸受
17,18に支持され、両軸受ホルダ15,16がクランクケー
ス3にボルトにより締結される。それゆえ、両玉軸受1
7,18は、シリンダ4およびクランクケース3から構成
される機関本体に両軸受ホルダ15,16を介して保持され
る。そして、両玉軸受17,18は等しい剛性を有するもの
とされ、さらに両玉軸受17,18間の回転軸線C1方向で
の中央位置、すなわち両玉軸受17,18の回転軸線C1方
向での間隔の中央点が、シリンダ4の中心軸線C2を含
んでクランク軸2の回転軸線C1と直交する仮想平面P
上に位置するようにされる。
【0023】なお、これら軸受ホルダ15,16には、それ
ぞれ、玉軸受17,18のほか、変速機の主軸51を支持する
一対の玉軸受30,31と、後述するカム軸(図示されず)
を支持する一対の軸受(図示されず)も装着される。
ぞれ、玉軸受17,18のほか、変速機の主軸51を支持する
一対の玉軸受30,31と、後述するカム軸(図示されず)
を支持する一対の軸受(図示されず)も装着される。
【0024】玉軸受17よりも前方に延びるクランク軸2
の前端部21bには交流発電機32が設けられ、さらにクラ
ンク軸2に一体に固定された交流発電機32のロータ32a
には、その前方に配置されたラジエータ33に、冷却風を
当てるための冷却ファン34が一体に固定される。
の前端部21bには交流発電機32が設けられ、さらにクラ
ンク軸2に一体に固定された交流発電機32のロータ32a
には、その前方に配置されたラジエータ33に、冷却風を
当てるための冷却ファン34が一体に固定される。
【0025】さらに、クランク軸2の後方にはトロコイ
ド式のオイルポンプ35が設けられ、玉軸受18よりも後方
に延びるクランク軸2の後端部22bに回転軸線C1と同心
に設けられた有底の穴22c(図2参照)に挿入されて固
定された管材からなる中空のポンプ駆動軸35aに取り付
けられたロータ35bが、クランクケース3に固定された
ポンプケーシング35cの内部で回転駆動される。そし
て、クランクケース3の底部のオイル溜めから吸引され
てオイルポンプ35から吐出されたオイルは、ポンプ駆動
軸35aの中空部により形成された油路36、またクランク
ケース3、シリンダ4さらにはシリンダヘッド5に設け
られた油路37,38を経て内燃機関1および変速機の各潤
滑箇所に供給される。
ド式のオイルポンプ35が設けられ、玉軸受18よりも後方
に延びるクランク軸2の後端部22bに回転軸線C1と同心
に設けられた有底の穴22c(図2参照)に挿入されて固
定された管材からなる中空のポンプ駆動軸35aに取り付
けられたロータ35bが、クランクケース3に固定された
ポンプケーシング35cの内部で回転駆動される。そし
て、クランクケース3の底部のオイル溜めから吸引され
てオイルポンプ35から吐出されたオイルは、ポンプ駆動
軸35aの中空部により形成された油路36、またクランク
ケース3、シリンダ4さらにはシリンダヘッド5に設け
られた油路37,38を経て内燃機関1および変速機の各潤
滑箇所に供給される。
【0026】さらに、クランク軸2の後端部22bに一体
的に回転するように結合されたタイミングギヤ39は、カ
ム軸に一体的に回転するように結合されたカムギヤと噛
合して、カム軸がクランク軸2の2回転毎に1回転する
ようにされる。そして、シリンダヘッド5に設けられた
ロッカアーム軸に揺動自在に支持された一対のロッカア
ーム(図示されず)が、図示されない一対のプルロッド
を介してカムにより揺動され、シリンダヘッド5に摺動
自在に設けられた吸気弁41および排気弁42が、該一対の
ロッカアームの一端に当接して、それぞれ所定のタイミ
ングで、吸気管8および排気管9の燃焼室7側の開口部
を開閉する。
的に回転するように結合されたタイミングギヤ39は、カ
ム軸に一体的に回転するように結合されたカムギヤと噛
合して、カム軸がクランク軸2の2回転毎に1回転する
ようにされる。そして、シリンダヘッド5に設けられた
ロッカアーム軸に揺動自在に支持された一対のロッカア
ーム(図示されず)が、図示されない一対のプルロッド
を介してカムにより揺動され、シリンダヘッド5に摺動
自在に設けられた吸気弁41および排気弁42が、該一対の
ロッカアームの一端に当接して、それぞれ所定のタイミ
ングで、吸気管8および排気管9の燃焼室7側の開口部
を開閉する。
【0027】さらに、クランク軸2の後述する第2クラ
ンクウェブ24の外周に設けられた動力取出しギヤである
一次駆動ギヤ43が、変速機の主軸51に回転自在に装着さ
れた発進クラッチ50の一次従動ギヤ52と噛合し、クラン
ク軸2の動力が発進クラッチ50を介して変速機の主軸51
に伝達される。ここで、一次従動ギヤ52は、一次駆動ギ
ヤ43と等しい回転速度で回転される。
ンクウェブ24の外周に設けられた動力取出しギヤである
一次駆動ギヤ43が、変速機の主軸51に回転自在に装着さ
れた発進クラッチ50の一次従動ギヤ52と噛合し、クラン
ク軸2の動力が発進クラッチ50を介して変速機の主軸51
に伝達される。ここで、一次従動ギヤ52は、一次駆動ギ
ヤ43と等しい回転速度で回転される。
【0028】発進クラッチ50は、主軸51と一体的に回転
するように結合された椀状のクラッチアウタ53と、クラ
ッチアウタ53の内側にあって一次従動ギヤ52に駆動連結
されて主軸51に回転自在に嵌合されたスリーブ54と共に
一体的に回転するドライブプレート55とを有する。そし
て、一次従動ギヤ52が内燃機関1の所定の回転速度より
大きな回転速度で回転すると、ドライブプレート55に揺
動自在に支持された複数のクラッチシュー56が、クラッ
チスプリング57のばね力に抗して遠心力により径方向外
方に揺動して、各クラッチシュー56の外周面に設けられ
た摩擦部材58がクラッチアウタ53の内周面に当接し、発
進クラッチ50が接続状態となり、一次従動ギヤ52の回転
が主軸51に伝達される。
するように結合された椀状のクラッチアウタ53と、クラ
ッチアウタ53の内側にあって一次従動ギヤ52に駆動連結
されて主軸51に回転自在に嵌合されたスリーブ54と共に
一体的に回転するドライブプレート55とを有する。そし
て、一次従動ギヤ52が内燃機関1の所定の回転速度より
大きな回転速度で回転すると、ドライブプレート55に揺
動自在に支持された複数のクラッチシュー56が、クラッ
チスプリング57のばね力に抗して遠心力により径方向外
方に揺動して、各クラッチシュー56の外周面に設けられ
た摩擦部材58がクラッチアウタ53の内周面に当接し、発
進クラッチ50が接続状態となり、一次従動ギヤ52の回転
が主軸51に伝達される。
【0029】次に、図2および図3を併せて参照して、
クランク軸2についてさらに説明する。クランク軸2
は、外周形状が円形の第1クランクウェブ23を有する第
1クランク半体21と、第1クランクウェブ23とは異なる
形状および重量の第2クランクウェブ24を有する第2ク
ランク半体22と、第1,第2クランクウェブ23,24にそ
れぞれ設けられた第1,第2圧入穴23b,24bに圧入され
る管材からなる円筒状のクランクピン25とからなり、第
1,第2クランクウェブ24の間に位置するこのクランク
ピン25により第1,第2クランクウェブ23,24が連結さ
れている。
クランク軸2についてさらに説明する。クランク軸2
は、外周形状が円形の第1クランクウェブ23を有する第
1クランク半体21と、第1クランクウェブ23とは異なる
形状および重量の第2クランクウェブ24を有する第2ク
ランク半体22と、第1,第2クランクウェブ23,24にそ
れぞれ設けられた第1,第2圧入穴23b,24bに圧入され
る管材からなる円筒状のクランクピン25とからなり、第
1,第2クランクウェブ24の間に位置するこのクランク
ピン25により第1,第2クランクウェブ23,24が連結さ
れている。
【0030】第1クランク半体21は、さらに、圧入され
た玉軸受17に支持される第1ジャーナル部21aと、クラ
ンク軸2の前端部21bを構成する第1軸端部とを有し、
第2クランク半体22は、さらに、圧入された玉軸受18に
支持される第2ジャーナル部22aと、クランク軸2の後
端部22bを構成する第2軸端部とを有する。また、外周
に一次駆動ギヤ43が設けられた第2クランクウェブ24は
円板状の平歯車を構成する。
た玉軸受17に支持される第1ジャーナル部21aと、クラ
ンク軸2の前端部21bを構成する第1軸端部とを有し、
第2クランク半体22は、さらに、圧入された玉軸受18に
支持される第2ジャーナル部22aと、クランク軸2の後
端部22bを構成する第2軸端部とを有する。また、外周
に一次駆動ギヤ43が設けられた第2クランクウェブ24は
円板状の平歯車を構成する。
【0031】第1クランクウェブ23には、ピストン11お
よびコンロッド12等の往復動部分とに発生する一次慣性
力を低減するための第1カウンタウエイト部23aと、第
2クランクウェブ24に対向する側面23eに開口し、回転
軸線C1に平行な中心軸線C3を有する有底の第1圧入穴
23bとが設けられる。ここで、ピストン11とコンロッド1
2等の往復動部分とは、ピストン11自体およびコンロッ
ド12自体のほかに、ピストン11に装着されるピストンリ
ングやピストンピンといったピストン11自体またはコン
ロッド12自体に装着される部品を含めての往復動部分と
いう意味である。そして、第1圧入穴23bの底面23cに
は、クランクピン25の端面と当接して、第1クランク半
体21におけるクランクピン25の軸方向位置を規定するス
トッパ23dが設けられる。ストッパ23dは、図3に図示さ
れるように、同一円周上で周方向に等間隔に設けられた
複数個、この実施例では3個の突起部により形成され
る。
よびコンロッド12等の往復動部分とに発生する一次慣性
力を低減するための第1カウンタウエイト部23aと、第
2クランクウェブ24に対向する側面23eに開口し、回転
軸線C1に平行な中心軸線C3を有する有底の第1圧入穴
23bとが設けられる。ここで、ピストン11とコンロッド1
2等の往復動部分とは、ピストン11自体およびコンロッ
ド12自体のほかに、ピストン11に装着されるピストンリ
ングやピストンピンといったピストン11自体またはコン
ロッド12自体に装着される部品を含めての往復動部分と
いう意味である。そして、第1圧入穴23bの底面23cに
は、クランクピン25の端面と当接して、第1クランク半
体21におけるクランクピン25の軸方向位置を規定するス
トッパ23dが設けられる。ストッパ23dは、図3に図示さ
れるように、同一円周上で周方向に等間隔に設けられた
複数個、この実施例では3個の突起部により形成され
る。
【0032】第2クランクウェブ24には、ピストン11お
よびコンロッド12等の往復動部分とに発生する一次慣性
力を低減するための第2カウンタウエイト部24aと、回
転軸線C1に平行な中心軸線C3を有し、第1クランクウ
ェブ23に対向する側面24fおよび玉軸受18に対向する側
面24gにそれぞれ開口した第2圧入穴24bが設けられる。
この第2圧入穴24bは、第1クランクウェブ23に圧入さ
れたクランクピン25がストッパ23dに当接した状態で、
第1クランクウェブ23に対向する側面24fから軸方向の
所定長さに渡ってクランクピン25が圧入される大径部24
b1と小径部24b2とを有する。クランクピン25の圧入が完
了した段階で、大径部24b1と小径部24b2とで形成される
段部とクランクピン25の端面との間には、軸方向の若干
の間隔が形成される。
よびコンロッド12等の往復動部分とに発生する一次慣性
力を低減するための第2カウンタウエイト部24aと、回
転軸線C1に平行な中心軸線C3を有し、第1クランクウ
ェブ23に対向する側面24fおよび玉軸受18に対向する側
面24gにそれぞれ開口した第2圧入穴24bが設けられる。
この第2圧入穴24bは、第1クランクウェブ23に圧入さ
れたクランクピン25がストッパ23dに当接した状態で、
第1クランクウェブ23に対向する側面24fから軸方向の
所定長さに渡ってクランクピン25が圧入される大径部24
b1と小径部24b2とを有する。クランクピン25の圧入が完
了した段階で、大径部24b1と小径部24b2とで形成される
段部とクランクピン25の端面との間には、軸方向の若干
の間隔が形成される。
【0033】また、クランク軸2の後端部22bの後端面
から第2クランクウェブ24に向けて設けられた穴22cに
おいて、その底面側は油路22dとされ、開口側には、ポ
ンプ駆動軸35aがカラー26に当接する位置まで挿入され
る。そして、第2圧入穴24bの回転軸線C1寄りの位置
で、該穴22cは第2圧入穴24bと交差しており、油路22d
が小径部24b2と連通している。
から第2クランクウェブ24に向けて設けられた穴22cに
おいて、その底面側は油路22dとされ、開口側には、ポ
ンプ駆動軸35aがカラー26に当接する位置まで挿入され
る。そして、第2圧入穴24bの回転軸線C1寄りの位置
で、該穴22cは第2圧入穴24bと交差しており、油路22d
が小径部24b2と連通している。
【0034】さらに、第2クランクウェブ24に隣接する
玉軸受18側の側面24gには、第2圧入穴24bよりも径方向
外方の位置に円形の内周面を有する外周壁24cにより囲
まれた環状の凹部24eが設けられる。この凹部24eは第2
ジャーナル部22aよりも大径の内周壁24dを有し、該内周
壁24dから外周壁24cに渡って凹部24eを覆う環状のプレ
ート27が設けられる。このプレート27は、その外周縁が
外周壁24cの内周面に圧入され、かつその内周縁が第2
ジャーナル部22aに圧入される玉軸受18の内輪と第2ク
ランクウェブ24との間に挟持されることにより、第2ク
ランク半体22に固定される。そして、このプレート27と
凹部24eとの間に形成された空間により、遠心式オイル
ストレーナ28のストレーナ室28aが形成される。
玉軸受18側の側面24gには、第2圧入穴24bよりも径方向
外方の位置に円形の内周面を有する外周壁24cにより囲
まれた環状の凹部24eが設けられる。この凹部24eは第2
ジャーナル部22aよりも大径の内周壁24dを有し、該内周
壁24dから外周壁24cに渡って凹部24eを覆う環状のプレ
ート27が設けられる。このプレート27は、その外周縁が
外周壁24cの内周面に圧入され、かつその内周縁が第2
ジャーナル部22aに圧入される玉軸受18の内輪と第2ク
ランクウェブ24との間に挟持されることにより、第2ク
ランク半体22に固定される。そして、このプレート27と
凹部24eとの間に形成された空間により、遠心式オイル
ストレーナ28のストレーナ室28aが形成される。
【0035】ストレーナ室28aでは、回転するクランク
軸2により発生する遠心力でオイル中の固形異物が分離
されるため、クランク軸2の径方向の寸法が大きいほど
遠心力が大きくなって浄化性能が向上し、また径方向の
寸法およびクランク軸2の回転軸線C1方向の寸法が大
きいほど、容量が大きくなって分離された異物の収容能
力が大きくなり、オイルストレーナ28は、より長期に渡
って良好な浄化性能を維持できるものである。
軸2により発生する遠心力でオイル中の固形異物が分離
されるため、クランク軸2の径方向の寸法が大きいほど
遠心力が大きくなって浄化性能が向上し、また径方向の
寸法およびクランク軸2の回転軸線C1方向の寸法が大
きいほど、容量が大きくなって分離された異物の収容能
力が大きくなり、オイルストレーナ28は、より長期に渡
って良好な浄化性能を維持できるものである。
【0036】ところで、クランク軸2が回転したとき、
第1,第2カウンタウエイト部23a,24aにそれぞれ発生
する遠心力の大きさの合計、すなわちバランス量Wは、
ピストン11およびコンロッド12等の往復動部分とに発生
する一次慣性力の略50%、すなわちバランス率が略5
0%となるように設定される。そして、図2に図示され
るように、そのときの第1,第2カウンタウエイト部23
a,24aのそれぞれのバランス量を、それぞれW1,W2と
し、仮想平面Pと第1,第2カウンタウエイト部23a,2
4aのそれぞれの重心G1,G2との間の第1,第2重心距
離を、それぞれL1,L2とすると、両バランス量W1,
W2および両重心距離L1,L2は、次の式(1)を満た
すと共に、積W1×L1と積W2×L2とが、等しいかまた
は略等しくなるように設定される。 W1+W2=W 式(1) さらに、一次駆動ギヤ43が設けられる第2クランクウェ
ブ24の重心距離L2は、重心距離L1よりも小さな値とな
るように設定される。また、必要であれば、両バランス
量W1,W2および両重心距離L1,L2を設定する際に、
第1および第2クランクウェブ23,24に、重量を増やす
ために金属等を埋め込んだり、重量を減らすために有底
の孔を形成するなど、周知の重量調整手段が施される。
第1,第2カウンタウエイト部23a,24aにそれぞれ発生
する遠心力の大きさの合計、すなわちバランス量Wは、
ピストン11およびコンロッド12等の往復動部分とに発生
する一次慣性力の略50%、すなわちバランス率が略5
0%となるように設定される。そして、図2に図示され
るように、そのときの第1,第2カウンタウエイト部23
a,24aのそれぞれのバランス量を、それぞれW1,W2と
し、仮想平面Pと第1,第2カウンタウエイト部23a,2
4aのそれぞれの重心G1,G2との間の第1,第2重心距
離を、それぞれL1,L2とすると、両バランス量W1,
W2および両重心距離L1,L2は、次の式(1)を満た
すと共に、積W1×L1と積W2×L2とが、等しいかまた
は略等しくなるように設定される。 W1+W2=W 式(1) さらに、一次駆動ギヤ43が設けられる第2クランクウェ
ブ24の重心距離L2は、重心距離L1よりも小さな値とな
るように設定される。また、必要であれば、両バランス
量W1,W2および両重心距離L1,L2を設定する際に、
第1および第2クランクウェブ23,24に、重量を増やす
ために金属等を埋め込んだり、重量を減らすために有底
の孔を形成するなど、周知の重量調整手段が施される。
【0037】一方、円筒状のクランクピン25には、その
中空部により小径部24b2と連通する油路25aが形成さ
れ、さらに滑り軸受14にオイルを供給するための径方向
に設けられた貫通孔からなる油路25bが形成される。そ
れゆえ、オイルポンプ35から吐出されたオイルは、ポン
プ駆動軸35a内の油路36およびクランク軸2内の油路22d
を通り、第2圧入穴24bの小径部24b2を経てストレーナ
室28aに流入する。このストレーナ室28aでオイル中のゴ
ミ等の固形異物は遠心力により分離され、清浄なオイル
がクランクピン25内の油路25aに流入し、さらに油路25b
を経て滑り軸受14に供給され、クランクピン25と大端部
12bとの連結部が潤滑される。
中空部により小径部24b2と連通する油路25aが形成さ
れ、さらに滑り軸受14にオイルを供給するための径方向
に設けられた貫通孔からなる油路25bが形成される。そ
れゆえ、オイルポンプ35から吐出されたオイルは、ポン
プ駆動軸35a内の油路36およびクランク軸2内の油路22d
を通り、第2圧入穴24bの小径部24b2を経てストレーナ
室28aに流入する。このストレーナ室28aでオイル中のゴ
ミ等の固形異物は遠心力により分離され、清浄なオイル
がクランクピン25内の油路25aに流入し、さらに油路25b
を経て滑り軸受14に供給され、クランクピン25と大端部
12bとの連結部が潤滑される。
【0038】次に、前述のように構成された実施例の作
用について説明する。内燃機関1が運転されてクランク
軸2が回転しているとき、ピストン11およびコンロッド
12等の往復動部分との一次慣性力は、略50%に設定さ
れた第1,第2カウンタウエイト部23a,24aの合計のバ
ランス量Wにより低減される。その際、第1,第2カウ
ンタウエイト部23a,24aのバランス量W1,W2および第
1,第2重心距離L1,L2は、積W1×L1と積W2×L2
とが、等しくまたは略等しくなるように設定されるた
め、それらを合わせたバランス量である遠心力の合力の
作用線は、仮想平面P上に位置するか、または仮想平面
P上に略位置する。そして、前記慣性力の作用線は仮想
平面P上にあるので、結局、それら遠心力および慣性力
に基づく回転軸線C1と中心軸線C2とを含む平面に直交
する直線回りのモーメントは発生しないか、または略ゼ
ロ(零)となる。
用について説明する。内燃機関1が運転されてクランク
軸2が回転しているとき、ピストン11およびコンロッド
12等の往復動部分との一次慣性力は、略50%に設定さ
れた第1,第2カウンタウエイト部23a,24aの合計のバ
ランス量Wにより低減される。その際、第1,第2カウ
ンタウエイト部23a,24aのバランス量W1,W2および第
1,第2重心距離L1,L2は、積W1×L1と積W2×L2
とが、等しくまたは略等しくなるように設定されるた
め、それらを合わせたバランス量である遠心力の合力の
作用線は、仮想平面P上に位置するか、または仮想平面
P上に略位置する。そして、前記慣性力の作用線は仮想
平面P上にあるので、結局、それら遠心力および慣性力
に基づく回転軸線C1と中心軸線C2とを含む平面に直交
する直線回りのモーメントは発生しないか、または略ゼ
ロ(零)となる。
【0039】そのため、該モーメントによるクランク軸
2の振動の発生が低減され、該振動が伝達されることで
クランクケース3から発生する騒音が低減される。しか
も、回転軸線C1に対するクランクピン25の倒れが生じ
ることもないので、滑り軸受14を介して連結されるコン
ロッド12とクランクピン25との間の摩擦抵抗および摩耗
が低減される。
2の振動の発生が低減され、該振動が伝達されることで
クランクケース3から発生する騒音が低減される。しか
も、回転軸線C1に対するクランクピン25の倒れが生じ
ることもないので、滑り軸受14を介して連結されるコン
ロッド12とクランクピン25との間の摩擦抵抗および摩耗
が低減される。
【0040】両玉軸受17,18間の回転軸線C1方向での
中央位置が仮想平面P上に位置するため、前記直線回り
のモーメントが発生しないことと相俟って、両玉軸受1
7,18に作用する慣性力および燃焼による爆発力による
荷重を略等しくすることができるので、それら玉軸受1
7,18に同一の剛性を有する軸受を使用することがで
き、また荷重が偏ることにより、大きな荷重が作用する
玉軸受17,18の摩擦抵抗および摩耗の増大を回避でき
る。
中央位置が仮想平面P上に位置するため、前記直線回り
のモーメントが発生しないことと相俟って、両玉軸受1
7,18に作用する慣性力および燃焼による爆発力による
荷重を略等しくすることができるので、それら玉軸受1
7,18に同一の剛性を有する軸受を使用することがで
き、また荷重が偏ることにより、大きな荷重が作用する
玉軸受17,18の摩擦抵抗および摩耗の増大を回避でき
る。
【0041】一次駆動ギヤ43を回転軸線C1方向での位
置で第2クランクウェブ24と同じ位置に設けることがで
きるので、第2クランクウェブ24と一次駆動ギヤ43とを
前記回転軸線C1方向で異なる位置に設ける場合に比べ
てクランク軸2の長さを短くできる。
置で第2クランクウェブ24と同じ位置に設けることがで
きるので、第2クランクウェブ24と一次駆動ギヤ43とを
前記回転軸線C1方向で異なる位置に設ける場合に比べ
てクランク軸2の長さを短くできる。
【0042】管材からなるクランクピン25は、管材の中
空部を油路25aとして利用できるため、油路25aを形成す
るための機械加工が不要となる。さらに、クランクピン
25を第1クランク半体21に圧入する際、第1圧入穴23b
の底面23cに設けられたストッパ23dにより、第1クラン
クウェブ23に対するクランクピン25の軸方向の位置決め
が容易であり、また位置決めをするための治具は不要で
ある。しかも、クランクピン25が圧入される第1圧入穴
23bは、有底の穴であるので、クランクピン25の中空部
により形成される油路25aの端部を閉塞するためのプラ
グは不要である。
空部を油路25aとして利用できるため、油路25aを形成す
るための機械加工が不要となる。さらに、クランクピン
25を第1クランク半体21に圧入する際、第1圧入穴23b
の底面23cに設けられたストッパ23dにより、第1クラン
クウェブ23に対するクランクピン25の軸方向の位置決め
が容易であり、また位置決めをするための治具は不要で
ある。しかも、クランクピン25が圧入される第1圧入穴
23bは、有底の穴であるので、クランクピン25の中空部
により形成される油路25aの端部を閉塞するためのプラ
グは不要である。
【0043】第2クランクウェブ24において隣接する玉
軸受18側の側面24gに設けられた凹部24eで形成されるス
トレーナ室28aは、第1クランクウェブ23の重心距離L1
に比べて小さい重心距離L2を有する第2カウンタウエ
イト部24aが設けられた第2クランクウェブ24、換言す
れば、カウンタウエイト部の重心が、第1クランクウェ
ブ24aに比べて、ストレーナ室28aが設けられる側面24g
とは反対側の側面24fに、より近い位置にある第2クラ
ンクウェブ24に設けられるので、オイルストレーナ28の
浄化性能向上および容量増大のための、ストレーナ室28
aの、クランク軸2の径方向の寸法およびクランク軸2
の回転軸線C1方向の寸法を大きくすることに対する第
2カウンタウエイト部24aの重心位置からの制約が少な
い。
軸受18側の側面24gに設けられた凹部24eで形成されるス
トレーナ室28aは、第1クランクウェブ23の重心距離L1
に比べて小さい重心距離L2を有する第2カウンタウエ
イト部24aが設けられた第2クランクウェブ24、換言す
れば、カウンタウエイト部の重心が、第1クランクウェ
ブ24aに比べて、ストレーナ室28aが設けられる側面24g
とは反対側の側面24fに、より近い位置にある第2クラ
ンクウェブ24に設けられるので、オイルストレーナ28の
浄化性能向上および容量増大のための、ストレーナ室28
aの、クランク軸2の径方向の寸法およびクランク軸2
の回転軸線C1方向の寸法を大きくすることに対する第
2カウンタウエイト部24aの重心位置からの制約が少な
い。
【0044】この実施例は以上のように構成されている
ので、次の効果が奏される。前記直線回りのモーメント
によるクランク軸2の振動の発生が低減されることで、
該振動により発生する騒音が低減される。そのうえ、ク
ランクピン25の倒れが生じないので、コンロッド12とク
ランクピン25との間の摩擦抵抗および摩耗が低減される
ので、摩擦損失が減少して機関出力を増大することがで
き、また、コンロッド12とクランクピン25との間に介在
する滑り軸受14の耐久性が向上する。
ので、次の効果が奏される。前記直線回りのモーメント
によるクランク軸2の振動の発生が低減されることで、
該振動により発生する騒音が低減される。そのうえ、ク
ランクピン25の倒れが生じないので、コンロッド12とク
ランクピン25との間の摩擦抵抗および摩耗が低減される
ので、摩擦損失が減少して機関出力を増大することがで
き、また、コンロッド12とクランクピン25との間に介在
する滑り軸受14の耐久性が向上する。
【0045】両玉軸受17,18に同一の剛性を有する軸受
を使用することができて、振動低減の観点からの主軸受
としての両玉軸受17,18の剛性の設定が容易になる。ま
た、荷重が偏ることによる玉軸受17,18の摩擦抵抗およ
び摩耗の増大を防止できて、摩擦損失の減少により機関
出力を増大することができると共に、玉軸受17,18の耐
久性を向上させることができる。
を使用することができて、振動低減の観点からの主軸受
としての両玉軸受17,18の剛性の設定が容易になる。ま
た、荷重が偏ることによる玉軸受17,18の摩擦抵抗およ
び摩耗の増大を防止できて、摩擦損失の減少により機関
出力を増大することができると共に、玉軸受17,18の耐
久性を向上させることができる。
【0046】一次駆動ギヤ43は、第2クランクウェブ24
に設けられるため、クランク軸2の長さを短くすること
ができ、内燃機関1の小型化ができる。
に設けられるため、クランク軸2の長さを短くすること
ができ、内燃機関1の小型化ができる。
【0047】クランクピン25は、管材の中空部を油路25
aとして利用できるため、油路25aを形成するための機械
加工が不要となり、コスト削減ができる。さらに、クラ
ンクピン25を第1クランク半体21に圧入する際、第1圧
入穴23bの底面23cに設けられたストッパ23dにより、第
1クランクウェブ23に対するクランクピン25の軸方向の
位置決めが容易となると共に、位置決めをするための治
具も不要となり、この点でもコスト削減ができる。しか
も、クランクピン25が圧入される第1圧入穴23bは、有
底の穴であるので、クランクピン25の油路25aの端部を
閉塞するためのプラグが不要となり、さらにコスト削減
ができる。
aとして利用できるため、油路25aを形成するための機械
加工が不要となり、コスト削減ができる。さらに、クラ
ンクピン25を第1クランク半体21に圧入する際、第1圧
入穴23bの底面23cに設けられたストッパ23dにより、第
1クランクウェブ23に対するクランクピン25の軸方向の
位置決めが容易となると共に、位置決めをするための治
具も不要となり、この点でもコスト削減ができる。しか
も、クランクピン25が圧入される第1圧入穴23bは、有
底の穴であるので、クランクピン25の油路25aの端部を
閉塞するためのプラグが不要となり、さらにコスト削減
ができる。
【0048】ストレーナ室28aの径方向の寸法および回
転軸線C1方向の寸法を大きくすることに対する第2カ
ウンタウエイト部24aの重心位置からの制約が少ないの
で、オイルストレーナ28のストレーナ室28aの径方向の
寸法および回転軸線C1方向の寸法の設定の自由度が増
して、オイルストレーナ28の浄化性能向上および容量増
大を容易に行うことができる。
転軸線C1方向の寸法を大きくすることに対する第2カ
ウンタウエイト部24aの重心位置からの制約が少ないの
で、オイルストレーナ28のストレーナ室28aの径方向の
寸法および回転軸線C1方向の寸法の設定の自由度が増
して、オイルストレーナ28の浄化性能向上および容量増
大を容易に行うことができる。
【0049】以下、前述した実施例の一部の構成を変更
した実施例について、変更した構成に関して説明する。
前記実施例では、内燃機関1は単気筒であったが、多気
筒であってもよく、その場合に、3個以上の主軸受にク
ランク軸2が支持されるものでは、隣接する一対の主軸
受の間に位置する一対のクランクウェブが、前記実施例
の第1,第2クランクウェブ23,24に相当する。また、
ストッパ23dは、周方向に間隔をおいて形成された複数
の突起部から構成されたが、クランクピン25の中心軸線
C3と同心の環状の突起部であってもよい。両玉軸受1
7,18は、軸受ホルダ15,16を使用することなく、クラ
ンクケース3で直接保持するようにしてもよい。
した実施例について、変更した構成に関して説明する。
前記実施例では、内燃機関1は単気筒であったが、多気
筒であってもよく、その場合に、3個以上の主軸受にク
ランク軸2が支持されるものでは、隣接する一対の主軸
受の間に位置する一対のクランクウェブが、前記実施例
の第1,第2クランクウェブ23,24に相当する。また、
ストッパ23dは、周方向に間隔をおいて形成された複数
の突起部から構成されたが、クランクピン25の中心軸線
C3と同心の環状の突起部であってもよい。両玉軸受1
7,18は、軸受ホルダ15,16を使用することなく、クラ
ンクケース3で直接保持するようにしてもよい。
【0050】バランス率は略50%に設定されたが、こ
れ以外のバランス率であってもよく、その値は必要に応
じて適宜設定される。また、第2圧入穴24bは、第2ク
ランクウェブ24を貫通する穴とされたが、第1圧入穴23
bと同様の有底の穴であってもよく、その場合は、第1
クランクウェブ23に対向する側面24fのみに開口する穴
とされ、その底面には、ストレーナ室と連通する油路が
設けられる。さらに、一次駆動ギヤ43は、第2クランク
ウェブ24に設けられたが、第1クランクウェブ23の外周
に設けることもできる。
れ以外のバランス率であってもよく、その値は必要に応
じて適宜設定される。また、第2圧入穴24bは、第2ク
ランクウェブ24を貫通する穴とされたが、第1圧入穴23
bと同様の有底の穴であってもよく、その場合は、第1
クランクウェブ23に対向する側面24fのみに開口する穴
とされ、その底面には、ストレーナ室と連通する油路が
設けられる。さらに、一次駆動ギヤ43は、第2クランク
ウェブ24に設けられたが、第1クランクウェブ23の外周
に設けることもできる。
【図1】本願発明のクランク軸を有する内燃機関を備え
た自動二輪車用の動力装置の要部概略平断面図である。
た自動二輪車用の動力装置の要部概略平断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2においてクランクピンを外したときのII
I矢視図である。
I矢視図である。
【図4】慣性力と遠心力とにより発生するモーメントを
説明するための図である。
説明するための図である。
1…内燃機関、2…クランク軸、3…クランクケース、
4…シリンダ、5…シリンダヘッド、6…シリンダヘッ
ドカバー、7…燃焼室、8…吸気管、9…排気管、10…
燃料噴射弁、11…ピストン、12…コンロッド、13…ピス
トンピン、14…滑り軸受、15,16…軸受ホルダ、17,18
…玉軸受、21,22…クランク半体、23,24…クランクウ
ェブ、23a,24b…カウンタウエイト部、24f,24g…側
面、25…クランクピン、26…カラー、27…プレート、28
…遠心式オイルストレーナ、30,31…玉軸受、32…交流
発電機、33…ラジエータ、34…冷却ファン、35…オイル
ポンプ、36,37,38…油路、39…タイミングギヤ、40…
ロッカアーム軸、41…吸気弁、42…排気弁、43…一次駆
動ギヤ、50…発進クラッチ、51…主軸、52…一次従動ギ
ヤ、53…クラッチアウタ、54…スリーブ、55…ドライブ
プレート、56…クラッチシュー、57…クラッチスプリン
グ、58…摩擦部材、C1…回転軸線、C2,C3…中心軸
線、G1,G2…重心、L1,L2…重心距離、P…仮想平
面、U…動力装置。
4…シリンダ、5…シリンダヘッド、6…シリンダヘッ
ドカバー、7…燃焼室、8…吸気管、9…排気管、10…
燃料噴射弁、11…ピストン、12…コンロッド、13…ピス
トンピン、14…滑り軸受、15,16…軸受ホルダ、17,18
…玉軸受、21,22…クランク半体、23,24…クランクウ
ェブ、23a,24b…カウンタウエイト部、24f,24g…側
面、25…クランクピン、26…カラー、27…プレート、28
…遠心式オイルストレーナ、30,31…玉軸受、32…交流
発電機、33…ラジエータ、34…冷却ファン、35…オイル
ポンプ、36,37,38…油路、39…タイミングギヤ、40…
ロッカアーム軸、41…吸気弁、42…排気弁、43…一次駆
動ギヤ、50…発進クラッチ、51…主軸、52…一次従動ギ
ヤ、53…クラッチアウタ、54…スリーブ、55…ドライブ
プレート、56…クラッチシュー、57…クラッチスプリン
グ、58…摩擦部材、C1…回転軸線、C2,C3…中心軸
線、G1,G2…重心、L1,L2…重心距離、P…仮想平
面、U…動力装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16N 39/06 F16N 39/06
Claims (4)
- 【請求項1】 内燃機関の機関本体に保持された複数の
主軸受に支持されたクランク軸であって、隣接する一対
の前記主軸受の間に位置して異なる形状を有する一対の
第1および第2クランクウェブと、該第1および第2ク
ランクウェブの間に位置して両者を連結しているクラン
クピンとを有し、前記内燃機関のシリンダ内で往復動自
在とされるピストンに連結されたコンロッドが該クラン
クピンに軸支された内燃機関のクランク軸において、 前記第1クランクウェブの第1カウンタウエイト部のバ
ランス量をW1、前記第2クランクウェブの第2カウン
タウエイト部のバランス量をW2、前記内燃機関の前記
シリンダの中心軸線を含んで前記クランク軸の回転軸線
と直交する仮想平面と前記第1および第2カウンタウエ
イト部の重心との距離である第1および第2重心距離を
それぞれL1およびL2としたとき、 W1+W2=W ここで、Wは、前記ピストンおよび前記コンロッド等の
往復動部分の慣性力を低減するために設定されたバラン
ス量が成立し、かつ積W1×L1と積W2×L2とが等しく
または略等しくなるように、前記第1および第2カウン
タウエイト部のそれぞれのバランス量および前記第1お
よび第2重心距離が設定されたことを特徴とする内燃機
関のクランク軸。 - 【請求項2】 前記隣接する一対の主軸受間の前記回転
軸線方向での中央位置が前記仮想平面上に位置すること
を特徴とする請求項1記載の内燃機関のクランク軸。 - 【請求項3】 前記内燃機関は単気筒内燃機関であり、
前記第1または第2クランクウェブの外周に動力取出し
ギヤが設けられていることを特徴とする請求項1または
請求項2記載の内燃機関のクランク軸。 - 【請求項4】 前記第1および第2重心距離のうち小さ
い値を有する前記第1または第2クランクウェブには、
その隣接する主軸受側の側面に設けられた凹部で形成さ
れるストレーナ室を有する遠心式オイルストレーナが設
けられていることを特徴とする請求項2または請求項3
記載の内燃機関のクランク軸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000181208A JP2002005236A (ja) | 2000-06-16 | 2000-06-16 | 内燃機関のクランク軸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000181208A JP2002005236A (ja) | 2000-06-16 | 2000-06-16 | 内燃機関のクランク軸 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002005236A true JP2002005236A (ja) | 2002-01-09 |
Family
ID=18682176
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000181208A Pending JP2002005236A (ja) | 2000-06-16 | 2000-06-16 | 内燃機関のクランク軸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002005236A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006250256A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のクランクシャフト構造 |
JP2013224676A (ja) * | 2009-10-14 | 2013-10-31 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | エンジンの過給機駆動装置 |
EP2942536A1 (en) | 2014-05-07 | 2015-11-11 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Internal combustion engine and straddle-type vehicle equipped with the engine |
CN105626772A (zh) * | 2016-03-16 | 2016-06-01 | 浙江中马园林机器股份有限公司 | 小型二冲程汽油机用曲柄连杆机构 |
JP2017089852A (ja) * | 2015-11-17 | 2017-05-25 | 本田技研工業株式会社 | パーキングロック装置 |
WO2021152631A1 (en) * | 2020-02-01 | 2021-08-05 | Tvs Motor Company Limited | A power unit and a translating member thereof |
CN115076209A (zh) * | 2022-06-25 | 2022-09-20 | 王良瑞 | 曲轴总成及发动机 |
-
2000
- 2000-06-16 JP JP2000181208A patent/JP2002005236A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006250256A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のクランクシャフト構造 |
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US9127591B2 (en) | 2009-10-14 | 2015-09-08 | Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha | Engine supercharger drive device |
JP5882059B2 (ja) * | 2009-10-14 | 2016-03-09 | 川崎重工業株式会社 | エンジンの過給機駆動装置 |
EP2942536A1 (en) | 2014-05-07 | 2015-11-11 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Internal combustion engine and straddle-type vehicle equipped with the engine |
CN105090231A (zh) * | 2014-05-07 | 2015-11-25 | 雅马哈发动机株式会社 | 内燃机和具备该内燃机的骑乘型车辆 |
JP2017089852A (ja) * | 2015-11-17 | 2017-05-25 | 本田技研工業株式会社 | パーキングロック装置 |
CN106884981A (zh) * | 2015-11-17 | 2017-06-23 | 本田技研工业株式会社 | 驻车锁定装置 |
US10415702B2 (en) | 2015-11-17 | 2019-09-17 | Honda Motor Co., Ltd. | Parking lock system |
CN105626772A (zh) * | 2016-03-16 | 2016-06-01 | 浙江中马园林机器股份有限公司 | 小型二冲程汽油机用曲柄连杆机构 |
WO2021152631A1 (en) * | 2020-02-01 | 2021-08-05 | Tvs Motor Company Limited | A power unit and a translating member thereof |
CN115076209A (zh) * | 2022-06-25 | 2022-09-20 | 王良瑞 | 曲轴总成及发动机 |
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