JP3522244B2 - 自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents

自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置

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JP3522244B2
JP3522244B2 JP2001254466A JP2001254466A JP3522244B2 JP 3522244 B2 JP3522244 B2 JP 3522244B2 JP 2001254466 A JP2001254466 A JP 2001254466A JP 2001254466 A JP2001254466 A JP 2001254466A JP 3522244 B2 JP3522244 B2 JP 3522244B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は自動二輪車用4サイクル
エンジンの潤滑装置に係り、特に、クランクシャフト系
を潤滑する自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】エンジン内に設けられるクランクシャフ
トは、ピストンに与えられた燃焼による爆発力を往復運
動から回転運動に変換するものである。ピストンの往復
運動は、コンロッド(コネクティングロッド)によりク
ランクシャフトに伝達される。 【0003】例えば、図6に示すように、Vベルト式自
動変速装置を備えた4サイクル単気筒エンジン1内に搭
載されるクランクシャフト2は、クランクジャーナル3
と、クランクアーム4とから構成され、クランクアーム
4の一端にはバランスウェイト5が設けられる一方、ク
ランクアーム4の他端にはクランクピン6が設けられて
いる。 【0004】上記クランクピン6には、メタルベアリン
グ7を介してコンロッド8の大端部9が連結されてい
る。また、上記コンロッド8の小端部10は、ピストン
ピン11を介してピストン12が連結されている。 【0005】ところで、上記クランクアーム4に上記ク
ランクピン6を嵌装する嵌装口13を、例えばドリル等
で成形すると、上記クランクジャーナル3の外表面に切
欠部14が成形されてしまう。 【0006】一方、上記クランクシャフト2のクランク
アーム4の左側には、スタータクラッチ15がニードル
ベアリング16を介して設けられている。 【0007】そして、上記クランクシャフト2は、この
クランクシャフト2に左右から圧入されて組付けられた
ボールベアリング17R,17Lに軸支されている。 【0008】上記クランクピン6とコンロッド大端部9
との摺接面は、高速回転をする上に大きな負荷が掛かる
ため、絶えず潤滑をする必要がある。そこで、一般的に
は、上記クランクシャフト2内とクランクピン6内とに
オイル通路18a…18eを形成し、外部から供給され
たオイルをこれらのオイル通路18a…18eから上記
摺接面に導いている。同様に、クランクシャフト2とス
タータクラッチ15との摺接面にもオイル通路18fを
形成してオイルを導いている。 【0009】外部から供給されるオイルは、上記左側ボ
ールベアリング17Lの左側に、二つのオイルシール1
9a,19bにより形成されたオイル案内路20を経由
してクランクシャフト2内およびクランクピン6内のオ
イル通路18a…18fに導かれている。 【0010】上記クランクシャフト2のクランクアーム
4の右側にはオイルシール19cが設けられ、上記オイ
ル案内路20を形成する二つのオイルシール19a,1
9bと共にクランクシャフト2のクランクアーム4が位
置する空間(クランク室)21を液密に保っている。 【0011】ところで、上記右側ボールベアリング17
Rの右側のクランクシャフト2上には、動弁機構である
カムシャフトを駆動させるカムチェーンドライブスプロ
ケット22が設けられており、カムチェーン23により
上記カムシャフトに連結される。 【0012】一方、クランクシャフト2の左端部には、
Vベルト式自動変速装置24の一部を構成するドライブ
プーリ25が設けられる。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ようにクランクシャフト2内にオイル通路18a,18
b,18c,18fを形成する場合、通路の数が多く必
要だったり、通路の長さが長くなるなど加工が複雑にな
りコストアップの要因になりやすい。 【0014】また、クランクシャフト2とニードルベア
リング16との摺接面にオイル通路18fを形成してオ
イルを導くと、クランクシャフト2とニードルベアリン
グ16との面圧が上がってしまい好ましくない。 【0015】一方、左側ボールベアリング17Lの左側
にオイル案内路20を二つのオイルシール19a,19
bにより形成すると、このオイル案内路20の幅の分ド
ライブプーリ25が左側に突出し、その結果、エンジン
1の全幅が大きくなる一方、ドライブプーリ25が左側
に突出する分Vベルト26が左側ボールベアリング17
Lから離れ、振動が不利となる。 【0016】また、ドライブプーリ25が左側に突出す
る分左側ボールベアリング17Lにかかる負担が大きく
なるので左側ボールベアリング17Lの負荷容量を上げ
るために左側ボールベアリング17Lのサイズを大型化
する必要があり、その結果、エンジン1も大型化してし
まう。 【0017】さらにまた、従来のオイルシール19a…
19cのレイアウトは、いずれのオイルシール19a…
19cもオイルを確実にシールしなければエンジン構造
として成立せず、不都合が発生する恐れがある。例え
ば、オイル案内路20を形成する二つのオイルシール1
9a,19bの場合、クランクシャフト2内に形成され
るオイル通路18a…の径を大きくしたり、オイル通路
18a…の数を増やすのはクランクシャフト2の強度上
困難なため、オイル通路18a…の径は小さくなり、上
記オイルシール19a,19bはオイルを確実にシール
してオイル通路18a…内に送り込まなければクランク
シャフト2内のオイルの量が不足してしまう。また、外
気温度が低く、オイルの粘度が高い場合、エンジン1始
動直後のオイル案内路20内の油圧は高くなるため、オ
イルシール19a,19bからオイルが漏れるのは防げ
ず、上述したオイルシール19a,19bの配置では漏
れたオイルがドライブプーリ25に付着する恐れがあ
り、Vベルト26が滑るなど好ましくない。 【0018】そして、従来、カムチェーンドライブスプ
ロケット22およびカムチェーン23には充分な潤滑が
行われておらず、カムチェーン23の性能を上げて自己
潤滑性を良くしていただけであるが、カムチェーン23
の小型化に伴ってカムチェーンドライブスプロケット2
2との面圧が高くなり、従来以上に噛合い部の潤滑を考
慮する必要がある。 【0019】また、クランクジャーナル3の外表面に成
形された切欠部14はデッドスペースとなっており、有
効に活用されていない。 【0020】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、エンジン内のデッドスペースを有効に活用した
自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置を提供する
ことを目的とする。 【0021】 【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る自動
二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置は、上述した課
題を解決するために、請求項1に記載したように、一端
にクランクアームを、他端に充電装置の一部を構成する
オルタネータを設けた一方のクランクシャフと、一端に
クランクアームを、他端にVベルト式自動変速装置を設
けた他方のクランクシャフトと、これら両クランクシャ
フトの各クランクアーム間を連結するクランクピンとを
有し、前記クランクシャフト内から、前記クランクピン
に設けたオイル通路に向けてオイルポンプによってオイ
ルを圧送する自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装
置において、前記オルタネータを設けた一方のクランク
シャフトのクランクアームに隣接するクランクジャーナ
ル部に、クランクシャフト軸支用のボールベアリングを
装着するとともに、このボールベアリングと前記一方の
クランクシャフトのクランクアームとの間に前記一方の
クランクシャフトのクランクジャーナル部外周に嵌合さ
れた環状の板材の内周側にオイル中継室を構成し、前記
環状の板材の内径を前記ボールベアリングのインナレー
スの内径とほぼ同径に形成し、前記クランクシャフトの
軸心を通るオイル案内路から前記オイル中継室を中継さ
せてこのオイル中継室内のクランクジャーナル部側のオ
イルを前記クランクピン内のオイル通路に送り込むよう
に構成したものである。 【0022】 【0023】 【作用】請求項1に係る発明によれば、4サイクルエン
ジンのクランクシャフトのクランクピン嵌装口加工時に
形成されるデッドスペースの切欠部を、クランクジャー
ナルと、クランクアームと、クランクシャフトに固着さ
れるベアリングと、上記ベアリングとクランクアームと
の間のデッドスペースでオイル中継室を形成したので、
エンジン内のデッドスペースを有効に活用することがで
き、エンジンの小型化を図ることができる。 【0024】また、オイルポンプによってエンジン内に
オイルを圧送する4サイクルエンジンの潤滑装置におい
て、上記クランクシャフトとクランクピンの内部とにそ
れぞれオイルを案内する手段を形成し、これらのオイル
を案内する手段を上記オイル中継室により連通させたた
め、オイルを案内する手段をクランクシャフト内に必要
最小限に形成できる。 【0025】さらに、クランクシャフトの高速回転時の
遠心力により、このクランクピンのオイル通路内を通る
オイルの油圧を昇圧させることができる。このために、
オイルの劣化による流動性の低下を抑制してクランクピ
ンへの給油量の低下を抑制し、またはその給油量を増大
させることができる。 【0026】また、エンジンの停止時には、前回運転時
にオイルがオイル中継室に溜められているので、エンジ
ン停止後の再始動時には、オイルポンプによるオイルパ
ンからのオイルの汲み上げ圧送を待たずに、オイル中継
室に溜められているオイルを逸早くクランクピンに供給
することができる。このために、エンジン再始動時のク
ランクピンの給油不足を未然に防止することができる。 【0027】さらに、ベアリングの側方に環状の板材
装着され、その環状板材の内側に内周側空間のデッドス
ペースにオイル中継室を形成しているので、エンジン内
のデッドスペースを有効に活用することができる。 【0028】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 【0029】図1は、この発明を適用したVベルト式自
動変速装置を備えた自動二輪車用4サイクル単気筒エン
ジンユニットの一例を示す水平断面図である。そして、
図2は、上記エンジンユニットの要部を拡大した図であ
る。 【0030】図1および図2において、このエンジンユ
ニット31の前部にエンジン32が搭載される。このエ
ンジン32は、主にクランクケース33、シリンダ34
およびシリンダヘッド35から構成される。上記クラン
クケース33内は、隔壁36a,36b,36cにより
ベルト室37と、クランク室38と、カムチェーン室3
9と、マグネト室40とに区画される。 【0031】上記クランクケース33内にはクランクシ
ャフト41が車両の進行方向に対して直角に配置され
る。このクランクシャフト41は、例えば左右に分割さ
れたもので、便宜上、それぞれを右側クランクシャフト
41Rおよび左側クランクシャフト41Lと称す。それ
ぞれのクランクシャフト41R,41Lは、クランクア
ーム42R,42Lとクランクジャーナル43R,43
Lとから構成される。 【0032】クランクアーム42R,42Lは、その一
端にバランスウェイト44R,44Lを形成する一方、
他端には後述するクランクピン45を嵌装する嵌装口4
6R,46Lが形成される。 【0033】ところで、図3(a),(b)および
(c)に示すように、右側クランクアーム42Rに上記
嵌装口46Rをドリル47により成形すると、上記右側
クランクジャーナル43Rの外表面に、エンジン32内
のデッドスペースである断面が円弧状の切欠部48が形
成される。 【0034】それぞれのクランクシャフト41R,41
Lはクランクピン45により接続され、一体化される。
このクランクピン45には、メタルベアリング49を介
してコンロッド50の大端部51が連結される。また、
上記コンロッド50の小端部52は、ピストンピン53
を介してピストン54が連結される。このピストン54
が上記エンジン32のシリンダ34内を往復し、この往
復ストロークが上記コンロッド50を介してクランクシ
ャフト41に伝達され、クランクシャフト41を回転運
動させる。 【0035】前記左側クランクジャーナル43L上には
スタータクラッチ55がニードルベアリング56を介し
て設けられる。このスタータクラッチ55にはドリブン
ギヤ57が設けられ、このドリブンギヤ57は、アイド
ルギヤ58を介して図示しないスタータモータのドライ
ブギヤに連結される。スタータクラッチ55は、エンジ
ン32始動時に上記スタータモータの動力をクランクシ
ャフト41に伝達する機能を持ち、エンジン32始動後
には、自動的に断絶されるようになっている。 【0036】また、前記右側クランクアーム42R右側
の右側クランクジャーナル43Rおよび上記スタータク
ラッチ55左側の左側クランクジャーナル43Lにはそ
れぞれボールベアリング59R,59Lが圧入される。
ボールベアリング59R,59Lは、ボール60がそれ
ぞれアウターレース61とインナーレース62とにより
挟持される一方、左右をリテイナ63によって挟持され
る。上記アウターレース61は、前記クランクケース3
3内の隔壁36a,36bに固定される一方、インナー
レース62には前記クランクジャーナル43R,43L
が圧入され固着されることにより、クランクシャフト4
1を回転自在に支持する。 【0037】前記右側ボールベアリング59Rの右側に
はシール装置64が設けられる。図4(a)および
(b)は、上記シール装置64の平面図およびI−I線
に沿う断面図である。このシール装置64は、例えば円
形の鋼板の中央部を開口してドーナツ状に成形したもの
で、シール装置64の外周面には取付け用のフランジ6
5が複数個設けられる一方、シール装置64の内側には
内周面に沿って環状の凹部66が形成される。 【0038】図2に示すように、上記凹部66は上記右
側ボールベアリング59Rとの間に空間67を形成す
る。また、シール装置64の上記凹部66にはオイル導
入口68が穿設され、このオイル導入口68にはオイル
パイプ69の一端が接続される。そして、このオイルパ
イプ69の他端は図示しないオイルポンプに接続され
る。 【0039】前記クランクピン45内にはオイルを案内
する手段であるオイル通路70が形成される。このオイ
ル通路70の開口部70aは上記右側クランクジャーナ
ル43Rに形成された切欠部48に面して開口される。
また、オイル通路70はクランクピン45の中心に向か
って穿設される。 【0040】このオイル通路70の先端部付近からは、
上記クランクピン45外周面の前記メタルベアリング4
9に対応する部位と、上記クランクピン45と前記スタ
ータクラッチ55とが接する部位に向かってオイルを分
配する手段であるオイル分配路71a,71bがそれぞ
れ穿設される。なお、クランクピン45により接続され
た左右のクランクアーム42R,42Lをクランク部7
2と称し、このクランク部72は前記クランク室38内
に収容される。 【0041】上記右側ボールベアリング59Rと、前記
右側クランクアーム42Rとの間には、右側ボールベア
リング59Rと右側クランクアーム42Rとの間をシー
ルする手段であるシールワッシャ73が介装される。こ
のシールワッシャ73は、例えば環状の板材であり、そ
の内径および外径は、上記右側ボールベアリング59R
のインナーレース62とほぼ同径となっている。 【0042】図5は、図2のII−II線に沿う断面図
である。図2および図5に示すように、前記右側クラン
クジャーナル43Rに形成された切欠部48は、上記ク
ランクピン45と、上記右側ボールベアリング59Rの
インナーレース62と、上記シールワッシャ73とに囲
まれてオイル中継室74を形成する。 【0043】上記右側ボールベアリング59Rのインナ
ーレース62に接する右側クランクジャーナル43R内
には、オイルを案内する手段であるオイル案内路75が
穿設される。このオイル案内路75の一端は、上記シー
ル装置64の凹部66と上記右側ボールベアリング59
Rとの間に形成される空間67に開口する。また、上記
オイル案内路75の他端は、前記オイル中継室74に開
口する。 【0044】上記右側ボールベアリング59Rの右側、
つまりカムチェーン室39内のクランクシャフト41上
にはカムチェーンドライブスプロケット76が設けられ
る。一方、前記シリンダヘッド35内には動弁機構77
が設けられる。動弁機構77の一部を構成するカムシャ
フト78の一端にはカムスプロケット79が設けられ、
このカムスプロケット79はカムチェーン80によって
前記カムチェーンドライブスプロケット76と連結され
る。そして、クランクシャフト41の回転がカムシャフ
ト78に伝達されることにより、動弁機構77が作動さ
れる。 【0045】ところで、図1に示すように、前記クラン
クシャフト41の左端部側、つまりベルト室37内に
は、Vベルト式自動変速装置81のドライブプーリ82
が取り付けられており、Vベルト83を介してVベルト
式自動変速装置81のドリブンプーリ84にエンジン3
2の回転力を伝達する。 【0046】上記ドリブンプーリ84は、エンジンユニ
ット31の後方部に設けられたドリブンシャフト85に
回転自在に支持されており、上記ドリブンプーリ84に
伝達されたエンジン32の回転力は遠心クラッチ機構8
6を介して上記ドリブンシャフト85に伝達される。 【0047】このドリブンシャフト85は、減速歯車機
構であり動力伝達装置でもあるミッション機構87を通
じて後輪シャフト88に連結され、このミッション機構
87を介して後輪89にエンジン32の回転が伝えられ
るようになっている。 【0048】一方、クランクシャフト41の右端部側、
つまりマグネト室40内には充電装置の一部を構成する
オルタネータ90およびエンジン冷却系の一部を構成す
る冷却ファン91が設けられる。 【0049】上記オルタネータ90は、フタイホイール
マグネト90aと、ステータ90bとから構成される。
このオルタネータ90は、クランクシャフト41に接続
されたステータ90bが回転することにより発電し、車
体各部に送電している。 【0050】また、上記エンジン32のシリンダ34お
よび冷却ファン91はカウリング92によって覆われて
いる。エンジン32は、クランクシャフト41に接続さ
れた冷却ファン91が回転することにより外気をカウリ
ング92内に導入してシリンダ34回りを冷却する。 【0051】なお、前記ベルト室37とクランク室38
とを区画する隔壁36aおよびカムチェーン室39とマ
グネト室40とを区画する隔壁36cにはオイルシール
93a,93bがそれぞれ設けられる。そしてこれらの
オイルシール93a,93bコの字の開放側が油圧の掛
かるほうに向かって設置される。 【0052】次に、本実施例の作用を説明する。 【0053】エンジン32が始動されると、エンジン3
2の回転力により図示しないオイルポンプが駆動され、
エンジン32各部へオイルが圧送される。オイルの一部
は、オイルパイプ69を経てシール装置64の内側に形
成された凹部66に案内される。 【0054】上記凹部66と右側ボールベアリング59
Rとの間には空間67が形成されており、この空間67
に上記オイルが導入される。 【0055】この空間67に導入されたオイルは、上記
右側クランクジャーナル43R内に形成されたオイルを
案内する手段であるオイル案内路75の開口部75aか
らクランクピン45と、右側ボールベアリング59Rの
インナーレース62と、右側ボールベアリング59Rと
右側クランクアーム42Rとの間をシールする手段であ
るシールワッシャ73とに囲まれたオイル中継室74に
向かって案内される。 【0056】本案によれば、エンジン32内のデッドス
ペースを有効に活用できるうえに、右側クランクジャー
ナル43R内のオイル案内路75は、従来のように長く
なく、加工も容易なため、コストアップを押さえること
ができる。 【0057】一方、オイルは、その後クランクピン45
内に形成されたオイルを案内する手段であるオイル通路
70の開口部70aからオイル通路70を経てクランク
ピン45の中心に向かって案内される。オイルの一部
は、オイル通路70の先端部付近からクランクピン45
外周面に向かって穿設されたオイルを分配する手段であ
るオイル分配路71aを経てコンロッド大端部51のメ
タルベアリング49へ案内される。また、オイルの一部
は、上記オイル通路70の先端部付近からクランクピン
45とスタータクラッチ55との接合面に向かって穿設
されたオイルを分配する手段であるオイル分配路71b
を経てスタータクラッチ55にも案内される。 【0058】スタータクラッチ55に導かれたオイル分
配路71bの開口部は、従来のようにニードルベアリン
グ56との接触面に開口していないため、ニードルベア
リング56とクランクシャフト41との面圧が上がるこ
とはない。 【0059】また、オイル通路70の開口部70aは、
嵌装口46Rの内面に接しておらず、さらに、オイル案
内路75の開口部75aも右側ボールベアリング59R
のインナーレース62に接していないため、クランクピ
ン45や右側ボールベアリング59Rの圧入時にカジリ
が起こることがないため、オイル通路70やオイル案内
路75を穿設するとき、それらの開口部70a,75a
縁部の面取りが不要となるので、組付け作業が容易にな
ったり、加工コストが低減できる。そして、圧入時のカ
ジリが起こらないことにより、加工不良品が減って、コ
ストの低減になる。 【0060】一方、本案では、右側ボールベアリング5
9Rの右側にシール装置64を設け、これよりクランク
シャフト41内にオイルを導入するようにしたため、従
来のようにオイルシールでオイルの案内路を形成する必
要がなく、ドライブプーリ82が左側に突出することが
ない。その結果、エンジン32の横幅が小さくなる。ま
た、左側ボールベアリング59Lへの負担も軽くなって
左側ベアリング59Lのサイズを大型化する必要もな
く、全体的にエンジン32の小型化が可能になる。さら
に、Vベルト83が左側ボールベアリング59Lに近付
くため、振動も低減する。 【0061】ところで、上記シール装置64内に圧送さ
れたオイルの一部は、どうしてもシール装置64から漏
洩してしまうが、本案では、このシール装置64をカム
チェーンドライブスプロケット76に隣接して配置した
ので、漏洩したオイルを積極的に利用してカムチェーン
ドライブスプロケット76とカムチェーン80を充分に
潤滑できる。 【0062】なお、上述した実施例では、本発明を自動
二輪車用4サイクルエンジンに適用した例を示したが、
他の用途のエンジンにも適用可能であり、また、2サイ
クルエンジンにも適用可能である。 【0063】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置によれば、4サ
イクルエンジンのクランクシャフトのクランクピン嵌装
口加工時に形成されるデッドスペースの切欠部を、クラ
ンクジャーナルと、クランクアームと、クランクシャフ
トに固着されるベアリングと、上記ベアリングとクラン
クアームとの間のデッドスペースでオイル中継室を形成
したので、エンジン内のデッドスペースを有効に活用す
ることができ、エンジンの小型化を図ることができる。 【0064】また、オイルポンプによってエンジン内に
オイルを圧送する4サイクルエンジンの潤滑装置におい
て、上記クランクシャフトとクランクピンの内部とにそ
れぞれオイルを案内する手段を形成し、これらのオイル
を案内する手段を上記オイル中継室により連通させたた
め、オイルを案内する手段をクランクシャフト内に必要
最小限に形成できる。 【0065】さらに、クランクピンの高速回転時の遠心
力により、このクランクピンのオイル通路内を通るオイ
ルの油圧を昇圧させることができる。このために、オイ
ルの劣化による流動性の低下を抑制してクランクピンへ
の給油量の低下を抑制し、またはその給油量を増大させ
ることができる。 【0066】また、エンジンの停止時には、前回運転時
にオイルがオイル中継室に溜められているので、エンジ
ン停止後の再始動時には、オイルポンプによるオイルパ
ンからのオイルの汲み上げ圧送を待たずに、オイル中継
室に溜められているオイルを逸早くクランクピンに供給
することができる。このために、エンジン再始動時のク
ランクピンの給油不足を未然に防止することができる。 【0067】さらに、ベアリングの側方に環状の板材
装着され、その環状板材の内側に内周側空間のデッドス
ペースにオイル中継室を形成しているので、エンジン内
のデッドスペースを有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る自動二輪車用4サイクルエンジン
の潤滑装置の一実施例を示す自動二輪車用4サイクル単
気筒エンジンユニットの水平断面図。 【図2】図1に示すエンジンユニットの要部を拡大した
図。 【図3】(a),(b)および(c)は、クランクピン
嵌装口の加工過程を示す図。 【図4】(a)および(b)は、シール装置の平面図お
よびI−I線に沿う断面図。 【図5】図2のII−II線に沿う断面図。 【図6】従来のエンジンユニットの要部を示す図。 【符号の説明】 31 エンジンユニット 32 エンジン 33 クランクケース 41 クランクシャフト 42R,42L クランクアーム 43R,43L クランクジャーナル 45 クランクピン 46R,46L (クランクピンの)嵌装口 48 切欠部 50 コンロッド 51 コンロッド大端部 55 スタータクラッチ 56 ニードルベアリング 59R,59L ボールベアリング 61 アウターレース 62 インナーレース 64 シール装置 66 (シール装置の内側に形成された)凹部 67 (凹部と右側ボールベアリングとの間に形成され
た)空間 70 オイル通路(オイルを案内する手段) 71a,71b オイル分配路(オイルを分配する手
段) 73 シールワッシャ(ベアリングとクランクアームと
の間をシールする手段) 74 オイル中継室 75 オイル案内路(オイルを案内する手段) 76 カムチェーンドライブスプロケット 80 カムチェーン

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一端にクランクアームを、他端に充電装
    置の一部を構成するオルタネータを設けた一方のクラン
    クシャフと、一端にクランクアームを、他端にVベルト
    式自動変速装置を設けた他方のクランクシャフトと、こ
    れら両クランクシャフトの各クランクアーム間を連結す
    るクランクピンとを有し、前記クランクシャフト内か
    ら、前記クランクピンに設けたオイル通路に向けてオイ
    ルポンプによってオイルを圧送する自動二輪車用4サイ
    クルエンジンの潤滑装置において、 前記オルタネータを設けた一方のクランクシャフトのク
    ランクアームに隣接するクランクジャーナル部に、クラ
    ンクシャフト軸支用のボールベアリングを装着するとと
    もに、このボールベアリングと前記一方のクランクシャ
    フトのクランクアームとの間に前記一方のクランクシャ
    フトのクランクジャーナル部外周に嵌合された環状の板
    材の内周側にオイル中継室を構成し、前記環状の板材の
    内径を前記ボールベアリングのインナレースの内径とほ
    ぼ同径に形成し、前記クランクシャフトの軸心を通るオ
    イル案内路から前記オイル中継室を中継させてこのオイ
    ル中継室内のクランクジャーナル部側のオイルを前記ク
    ランクピン内のオイル通路に送り込むように構成したこ
    とを特徴とする自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑
    装置。
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