JPH11117806A - バランサシャフト付きエンジン - Google Patents

バランサシャフト付きエンジン

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JPH11117806A
JPH11117806A JP28694897A JP28694897A JPH11117806A JP H11117806 A JPH11117806 A JP H11117806A JP 28694897 A JP28694897 A JP 28694897A JP 28694897 A JP28694897 A JP 28694897A JP H11117806 A JPH11117806 A JP H11117806A
Authority
JP
Japan
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balancer shaft
oil pump
cylinder block
balancer
engine
Prior art date
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JP28694897A
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English (en)
Inventor
Satoshi Murata
聡 村田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バランサシャフトの支持剛性を高め、潤滑油
を速やかに戻すことができるバランサシャフト付きエン
ジンを提供する。 【解決手段】 シリンダブロック3の側壁部にバランサ
シャフトを支承する軸受部を備えるバランサシャフト付
きエンジンにおいて、シリンダブロック3の側壁部にバ
ランサシャフトとオイルポンプを並んで配置し、バラン
サハウジング7にバランサシャフトを収装するバランサ
シャフト収装部51とオイルポンプを収装するオイルポ
ンプ収装部52を一体形成するものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バランサシャフト
付きエンジンの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジン等にあっては、アンバ
ランスマスを有するバランサシャフトをエンジン回転に
同期して回転させて、ピストン等の慣性力を相殺するも
のがある。
【0003】従来のバランサシャフト付きエンジンのシ
リンダブロック構造として例えば実開平3−30558
号公報に開示されたものがある。これは、バランサシャ
フトを支承するバランサシャフト軸受部がシリンダブロ
ックの側壁部に一体形成される。
【0004】バランサシャフトはクランク室の上部に配
置され、バランサシャフトを潤滑した潤滑油がクランク
室を通ってオイルパンへと戻されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来装置にあっては、バランサシャフトの支持剛性
が低いと、エンジン運転時にバランサシャフト軸受部が
エンジン前後方向または上下方向に倒れる変形を起こ
し、バランサシャフトのフリクションを増加させる。ま
た、各バランサシャフト軸受部の倒れ変形によりシリン
ダ壁部のボアが変形し、ピストンのフリクションを増加
させる。
【0006】また、バランサシャフトを潤滑した潤滑油
がクランク室を通ってオイルパンへと戻される過程で、
高速回転するクランクシャフトやコンロッドと衝突して
撹拌されるため、フリクションが増大したり、潤滑油に
空気が混入してエンジンの潤滑性を悪化させる原因にな
る。
【0007】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、バランサシャフト付きエンジンのバランサシ
ャフトの支持剛性を高め、潤滑油を速やかに戻すことを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のバラン
サシャフト付きエンジンは、クランクシャフトに回転駆
動されるオイルポンプと、クランクシャフトと同期して
回転駆動されるバランサシャフトとを備え、シリンダブ
ロックの側壁部にバランサシャフトを支承する軸受部を
を備えるバランサシャフト付きエンジンにおいて、前記
シリンダブロックの側壁部にバランサシャフトとオイル
ポンプを上下方向に並んで配置し、シリンダブロックと
の間にバランサシャフトを収装するバランサハウジグを
備え、バランサハウジングにバランサシャフトを収装す
るバランサシャフト収装部とオイルポンプを収装するオ
イルポンプ収装部を一体形成するものとした。
【0009】請求項2に記載のバランサシャフト付きエ
ンジンは、請求項1に記載の発明において、前記バラン
サシャフト収装部とオイルポンプ収装部を結ぶ補強リブ
を形成するものとした。
【0010】請求項3に記載のバランサシャフト付きエ
ンジンは、請求項1または2に記載の発明において、前
記バランサシャフトにクランクシャフトの回転力を伝達
するチェーンと、シリンダブロックの前壁部との間にチ
ェーンを収装するチェーン室とを備え、シリンダブロッ
クとオイルポンプ収装部の間に画成されるオイルポンプ
収装室をチェーン室に連通させ、オイルポンプ収装部と
シリンダブロックが接合する部位に沿ってチェーン室に
向けて下降するオイル戻し溝を形成し、バランサシャフ
トを潤滑した潤滑油がオイルポンプ収装室を通ってチェ
ーン室へと流下する構成とした。
【0011】請求項4に記載のバランサシャフト付きエ
ンジンは、請求項3に記載の発明において、前記バラン
サシャフト収装部をバランサシャフトの外周に対して一
定の間隙を持って包囲する半円筒状に形成し、シリンダ
ブロックの側壁部をバランサシャフトの外周に対してバ
ランサシャフト収装部より大きい間隙をもって対峙さ
せ、バランサシャフトの回転方向をバランサシャフトか
ら飛散する潤滑油がシリンダブロックの側壁部に沿って
流下するように設定するものとした。
【0012】請求項5に記載のバランサシャフト付きエ
ンジンは、請求項4に記載の発明において、前記オイル
ポンプをチェーンの背後でオイルポンプ収装室とチェー
ン室を仕切るように配置するものとした。
【0013】
【発明の作用および効果】請求項1に記載のバランサシ
ャフト付きエンジンにおいて、バランサハウジングはバ
ランサシャフトを収装するバランサシャフト収装部とオ
イルポンプを収装するオイルポンプ収装部が一体形成さ
れ、シリンダブロックの側壁部の上下方向について広い
範囲に渡って結合する構造により、バランサシャフト軸
受部を含むシリンダブロックの剛性を有効に高められ
る。
【0014】シリンダブロックの剛性が高められ、バラ
ンサシャフト軸受部の倒れ変形が抑えられることによ
り、バランサシャフトのフリクションが増加することを
抑えられる。また、シリンダ壁部のボアが変形すること
を抑えられ、フリクションが増加することを抑えられ
る。
【0015】また、バランサハウジングはバランサシャ
フト収装部とオイルポンプ収装部を一体形成することに
より、シリンダブロックに取付けられる部品数を削減
し、製品のコストダウンがはかれる。
【0016】請求項2に記載のバランサシャフト付きエ
ンジンにおいて、補強リブはバランサシャフト収装部と
オイルポンプ収装部を結んでバランサハウジグの剛性を
高め、バランサハウジグを介してバランサシャフト軸受
部を含むシリンダブロックの剛性を有効に高める。
【0017】請求項3に記載のバランサシャフト付きエ
ンジンにおいて、バランサシャフトを潤滑した潤滑油が
オイルポンプ収装室を通ってチェーン室へと流下する。
オイルポンプ収装室において潤滑油はオイルポンプ収装
部とシリンダブロックが接合する部位に沿ったオイル戻
し溝に集められ、このオイル戻し溝を通って流下するこ
とにより、チェーン室を通ってオイルパンへと速やかに
戻される。
【0018】これにより、潤滑油がクランク室を通って
戻される従来装置に比べて、潤滑油がクランクシャフト
に当たってフリクションが増大することを防止できると
ともに、潤滑油に空気分が混入してエンジンの潤滑性が
悪化することを防止できる。
【0019】請求項4に記載のバランサシャフト付きエ
ンジンにおいて、シリンダブロックの側壁部をバランサ
シャフトの外周部に対して半円筒状のバランサシャフト
収装部より大きい間隙をもって対峙させることにより、
回転するバランサシャフトから飛散する潤滑油は、シリ
ンダブロックの側壁部に沿って流下し、オイルパンへと
速やかに戻され、エンジンの潤滑性を維持することがで
きる。
【0020】請求項5に記載のバランサシャフト付きエ
ンジンにおいて、オイルポンプがチェーンの背後でオイ
ルポンプ収装室とチェーン室を仕切ることにより、バラ
ンサシャフトを潤滑した潤滑油がオイルポンプ収装室を
通ってチェーン室に流入する過程でチェーン等に当たる
ことなく、チェーン室を通ってオイルパンへと速やかに
流下する。これにより、潤滑油がチェーンに当たってフ
リクションが増大することを防止できるとともに、潤滑
油に空気分が混入してエンジンの潤滑性が悪化すること
を防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0022】図5、図6に示すように、直列4気筒エン
ジンはシリンダブロック3の左右に2本のバランサシャ
フト2がクランクシャフト1と平行に設けられる。
【0023】図5、図6において、20はクランクシャ
フト1を支承する軸受部である。5つの軸受部20がシ
リンダブロック3の気筒間および前後端部に位置して設
けられる。
【0024】図4において、21,22は右のバランサ
シャフト2を支承する前後の軸受部である。前の軸受部
21はシリンダブロック3の前端部に位置して設けら
れ、後の軸受部22は#1気筒と#2気筒の間に位置し
て設けられる。各バランサシャフト2は後述するように
クランクシャフト1の2倍の速度で回転し、それぞれの
アンバランスマスに働く遠心力によりピストンやコンロ
ッド等の慣性力を打ち消して、エンジン振動を抑制する
ようになっている。
【0025】図3に示すように、シリンダブロック3の
左右側壁部には各バランサシャフト2を収装するバラン
サハウジング6,7がそれぞれ取付けられる。
【0026】シリンダブロック3およびバランサハウジ
ング6,7の前部には図示しないチェーンケースが取付
けられ、チェーン室5が画成される。
【0027】エンジン運転時に、図示しないオイルパン
に貯溜された潤滑油は、オイルポンプ9によって吸い上
げられる。オイルポンプ9から吐出する潤滑油は、リリ
ーフバルブ61を経てオイルパンに取付けられる図示し
ないオイルフィルターを通過した後、シリンダブロック
3に形成された導入側オイル通路63からメインギャラ
リ64を通ってクランクシャフト20および各バランサ
シャフト2の軸受部に供給される。メインギャラリ64
に供給された一部の潤滑油はヘッド側オイル通路65を
通って図示しないシリンダヘッド上の動弁系に送られ
る。
【0028】図6に示すように、メインギャラリ64に
供給される潤滑油の一部は、通孔66を通ってクランク
シャフト20の軸受部21に供給され、クランクシャフ
ト20の各ジャーナル部を潤滑するとともに、通孔66
から通孔67に分岐して左のバランサシャフト2の軸受
部に供給され、バランサシャフト2の前後ジャーナル部
を潤滑するようになっている。
【0029】図5に示すように、メインギャラリ64に
供給される潤滑油の一部は、通孔68等を通って右のバ
ランサシャフト2の軸受部21に供給され、バランサシ
ャフト2の前後ジャーナル部を潤滑するようになってい
る。
【0030】シリンダブロック3は、ピストンを摺動可
能に収装するシリンダ壁部10と、各シリンダ壁部10
のまわりにウォータジャケット4を画成する外壁部11
と、外壁部11とシリンダ壁部10の途中を結ぶウォー
タジャケット底壁部12と、クランク室を画成するクラ
ンクケース部13等を有する。シリンダブロック3は隣
り合う各シリンダ壁部10どうしが互いに接合するサイ
アミーズ部18を有しており、各シリンダ壁部10を可
能な限り近接させて、エンジンの前後長を小さくしてい
る。
【0031】シリンダブロック3はウォータジャケット
2におけるデッキ部14側の端部を開放した、いわゆる
オープンデッキ型となっている。シリンダブロック3は
アルミ合金を材質とし、金型によるダイキャスト製法に
より鋳造される。
【0032】図示しないウォータポンプから送られる冷
却水は、ウォータジャケット4を通ってシリンダ壁部1
0のまわりを循環して、シリンダ壁部10の熱を吸収し
つつ、ウォータジャケット4のデッキ部14側の開口部
から図示しないシリンダヘッドに設けられた連通孔を通
ってシリンダヘッド内のウォータジャケットへと分流
し、シリンダヘッドの熱を吸収するようになっている。
【0033】ウォータジャケット4の底部を画成するウ
ォータジャケット底壁部12をシリンダ壁部10の途中
に接続する構造により、ウォータジャケット4をシリン
ダ壁部10の上部のまわりに限定して形成する浅底化が
為されている。ウォータジャケット2の浅底化により、
シリンダ壁部10の過剰冷却を防止して、エンジンの燃
費を低減することができる。また、暖機時に冷却水の温
度上昇を早めて、排気性能やヒータ性能を改善すること
ができる。
【0034】外壁部11にはヘッドボルトボス部16が
形成される。各ヘッドボルトボス部16は各気筒間また
は前後端に位置して形成される。ヘッドボルトボス部1
6に開口したネジ孔15には図示しないヘッドボルトが
シリンダヘッドを貫通して螺合し、シリンダヘッドとシ
リンダブロック3をガスケットを介して締結するように
なっている。
【0035】シリンダブロック3における各バランサシ
ャフト軸受部21,22の剛性を確保するため、前のバ
ランサシャフト軸受部21の上部とヘッド側接合フラン
ジ35を結ぶリブ41がシリンダブロック3の右側壁部
から突出して形成される。さらに、後のバランサシャフ
ト軸受部22の上部とヘッド側接合フランジ35を結ぶ
各リブ42,43がシリンダブロック3の右側壁部から
突出して形成される。
【0036】シリンダブロック3の側壁部にはメインギ
ャラリ64を画成するメインギャラリ壁部44が筒状に
膨出して形成される。メインギャラリ壁部44は各バラ
ンサシャフト軸受部21,22の下部に連接して形成さ
れる。
【0037】シリンダブロック3の側壁部には導入側オ
イル通路63を画成する導入側オイル通路壁部45が筒
状に膨出して形成される。導入側オイル通路壁部45は
後のバランサシャフト軸受部22に沿って連接して形成
される。
【0038】シリンダブロック3の側壁部にはヘッド側
オイル通路65を画成するヘッド側オイル通路壁部46
が筒状に膨出して形成される。ヘッド側オイル通路壁部
46は前のバランサシャフト軸受部21の後部に沿って
連接して形成される。
【0039】図4に示すように、シリンダブロック3の
後端部には図示しないトランスミッションケースに対す
る接合フランジ31を有する。シリンダブロック3の前
端部にはチェーンケースに対するチェーンケース側接合
フランジ32を有する。シリンダブロック3の上端部に
はシリンダヘッドに対するヘッド側接合フランジ35を
有する。シリンダブロック3の側壁部にはエンジンマウ
ントに対する取付ボス33を有する。
【0040】右のバランサシャフト2は左のバランサシ
ャフト2より高く配置される。左右のバランサシャフト
2が互いに異なる高さに配置されることにより、エンジ
ン振動を高回転域で有効に抑えられる。
【0041】シリンダブロック3の前部には右のバラン
サシャフト2の下方にオイルポンプ9が配置される。右
のバランサシャフト2を左のバランサシャフト2より高
く配置することにより、右のバランサシャフト2の下方
にオイルポンプ9を配置することが可能となる。オイル
ポンプ9はシリンダブロック3の前部に複数のボルト1
9を介して取付けられる。
【0042】そして本発明の要旨とするところである
が、シリンダブロック3の剛性を高めるため、図1に示
すように、右のバランサハウジング7はバランサシャフ
ト2を収装するバランサシャフト収装部51とオイルポ
ンプ9を収装するオイルポンプ収装部52が一体形成さ
れる。
【0043】バランサシャフト収装部51は、シリンダ
ブロック3の側壁部との間にバランサシャフト2を収装
するバランサシャフト収装室58を画成する。
【0044】オイルポンプ収装部52はシリンダブロッ
ク3の側壁部との間にオイルポンプ収装室59を画成す
る。
【0045】バランサシャフト収装部51とオイルポン
プ収装部52は、それぞれ半円筒状に形成され、バラン
サシャフト収装部51とオイルポンプ収装部52を結ぶ
2本の補強リブ55が突出して形成される。
【0046】バランサハウジング7は、バランサシャフ
ト収装部51と、オイルポンプ収装部52の他にも、シ
リンダブロック3に対するシリンダブロック側接合フラ
ンジ53と、図示しないチェーンケースに対するチェー
ンケース側接合フランジ54等を有し、これらがアルミ
合金を材質として一体形成される。
【0047】バランサハウジング7は、オイルポンプ収
装部52とチェーンケース側ボス部56を結ぶ1本のリ
ブ57が突出して形成される。
【0048】そして本発明は、右のバランサシャフト2
の前後ジャーナル部を潤滑した潤滑油が、バランサハウ
ジング7を介してシリンダブロック3側に集められ、チ
ェーン室5を通ってオイルパンへと流下する構成とす
る。
【0049】バランサハウジグ7のオイルポンプ収装部
52とシリンダブロックが接合する部位に沿ってチェー
ン室5に向けて下降するオイル戻し溝30が形成され
る。
【0050】シリンダブロック3の右側壁部にはバラン
サハウジング7に対するハウジング側接合フランジ34
がリブ状に突出して形成される。ハウジング側接合フラ
ンジ34は、図4の側面図上において、水平方向に延び
るフランジ上部47と、バランサシャフト軸受部22の
後部で垂直方向に延びるフランジ後部48と、各バラン
サシャフト軸受部21,22の下部で水平線に対して傾
斜して延びるフランジ下部49とを有する。
【0051】ハウジング側接合フランジ34のフランジ
下部49は、チェーン室5に向かって下降するように傾
斜する。これにより、バランサシャフト2を潤滑した潤
滑油が、図2に矢印で示すように、ハウジング側接合フ
ランジ34のフランジ下部49に沿ってチェーン室5へ
と流下するようになっている。
【0052】バランサシャフト収装部31をバランサシ
ャフト2のバランサウェイト部外周2aに対して一定の
間隙を持って包囲する半円筒状に形成し、シリンダブロ
ック3の側壁部をバランサウェイト部外周2aに対して
バランサシャフト収装部31より大きい間隙をもって対
峙させる。
【0053】バランサシャフト2の回転方向をバランサ
シャフト2から飛散する潤滑油がシリンダブロック3の
側壁部に沿って流下するように図1に矢印で示す方向に
設定する。
【0054】オイルポンプ9を構成するオイルポンプハ
ウジング71は、オイルポンプ収装室59からクランク
シャフト1の下方へと延びる。オイルポンプハウジング
71内には図示しないポンプギアが収装されるととも
に、ポンプギアに潤滑油を出入りさせる通路が画成され
る。
【0055】図7に示すように、エンジンの前部にはク
ランクスプロケット83、ポンプスプロケット84、バ
ランサスプロケット85、中継スプロケット86が設け
られ、これらに渡ってチェーン87が掛け回される。ク
ランクスプロケット83はクランクシャフトの前端に結
合される。ポンプスプロケット84はオイルポンプ9の
駆動軸に結合される。バランサスプロケット85は右の
バランサシャフト2に結合される。中継スプロケット8
6は、ギア88,89を介して左のバランサシャフト2
に回転力を伝えるようになっている。チェーン87が図
7において時計回り方向に循環することにより、クラン
クシャフト1の回転を2倍の回転速度に増速して各バラ
ンサシャフト2に伝達する。
【0056】また、エンジンの前部にはクランクスプロ
ケット81と2つのカムスプロケット82が設けられ、
これらに渡ってチェーン80が掛け回される。クランク
スプロケット81はクランクシャフト1の前端に結合さ
れる。各カムスプロケット82は図示しない吸・排気弁
を開閉駆動するカムシャフトの前端に結合される。チェ
ーン80が図7において時計回り方向に循環することに
より、クランクシャフト1の回転を1/2の回転速度に
減速して各カムシャフトに伝達する。
【0057】オイルポンプハウジング71は、チェーン
87の背後でオイルポンプ収装室59とチェーン室5を
仕切るように配置される。オイルポンプハウジング71
の下方には、ポンプハウジング7のチェーンケース側接
合フランジ54およびシリンダブロック3のチェーンケ
ース側接合フランジ32との間に間隙72が画成され
る。間隙72はオイルポンプ収装室59とチェーン室5
を連通している。これにより、バランサシャフト2を潤
滑した潤滑油がオイルポンプ収装室59を通ってチェー
ン室5に流入する過程でチェーン87等に当たることな
く、図3に矢印で示すようにオイルポンプハウジング7
1の下方に画成された間隙72を通ってチェーン室5へ
と流下するようになっている。
【0058】次に、作用について説明する。
【0059】エンジン運転時に各バランサシャフト2は
クランクシャフト1の2倍の速度で回転し、それぞれの
アンバランスマスに働く遠心力によりピストンやコンロ
ッド等の慣性力を打ち消して、エンジン振動を抑制す
る。
【0060】しかし、バランサシャフト2はそのアンバ
ランスマスに働く遠心力により曲げ変形し、各バランサ
シャフト軸受部21,22が前後方向または上下方向に
倒れる変形を起こそうとする。
【0061】これに対処して、バランサハウジング7は
バランサシャフト2を収装するバランサシャフト収装部
51とオイルポンプ9を収装するオイルポンプ収装部5
2が一体形成され、シリンダブロック3の側壁部の上下
方向について広い範囲に渡って結合する構造により、バ
ランサシャフト軸受部21,22を含むシリンダブロッ
ク3の剛性を有効に高められる。
【0062】2本の補強リブ55は半筒状のバランサシ
ャフト収装部52と半筒状のオイルポンプ収装部51を
結んでバランサハウジグ7の剛性を高め、バランサハウ
ジグ7を介してバランサシャフト軸受部21,22を含
むシリンダブロック3の剛性を有効に高める。
【0063】こうしてシリンダブロック3の剛性が高め
られ、各バランサシャフト軸受部21,22の倒れ変形
が抑えられることにより、エンジン運転時にバランサシ
ャフト2に対する各バランサシャフト軸受部21,22
の同軸度が高められ、エンジン運転時にバランサシャフ
ト2のジャーナル部の潤滑性を維持して、バランサシャ
フト2のフリクションが増加することを抑えられる。
【0064】また、各バランサシャフト軸受部21,2
2の倒れ変形が抑えられることにより、ヘッドボルトボ
ス部16と外壁部11とウォータジャケット底壁部12
を介してシリンダ壁部10のボアが変形することを抑え
られ、ピストンの潤滑性を維持してピストンのフリクシ
ョンが増加することを抑えられる。
【0065】右のバランサシャフト2を潤滑した潤滑油
は、バランサハウジング7を介してシリンダブロック3
側に集められ、チェーン室5を通ってオイルパンへと速
やかに戻される。
【0066】シリンダブロック3の側壁部をバランサウ
ェイト部外周2aに対して半円筒状のバランサシャフト
収装部31より大きい間隙をもって対峙させることによ
り、図1に矢印で示す方向に高速回転するバランサシャ
フト2から飛散する潤滑油が、図1に白抜き矢印で示す
ようにバランサハウジング7を介してシリンダブロック
3側に集められ、オイル戻し溝30を通ってオイルパン
へと速やかに流下する。
【0067】オイルポンプハウジング71がチェーン8
7の背後でオイルポンプ収装室59とチェーン室5を仕
切ることにより、バランサシャフト2を潤滑した潤滑油
がオイルポンプ収装室59を通ってチェーン室5に流入
する過程でチェーン87等に当たることが抑えられ、図
3に矢印で示すようにオイルポンプハウジング71の下
方に画成された間隙72を通ってチェーン室5へと速や
かに流下する。
【0068】以上のように、バランサシャフト2を潤滑
した潤滑油が、オイルポンプ収装室59からチェーン室
5を通ってオイルパンへと速やかに流下することによ
り、前記従来装置のように潤滑油がクランクシャフトに
当たってフリクションが増大することを防止できるとと
もに、潤滑油に空気分が混入してエンジンの潤滑性が悪
化することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示し、図2のC−C線に沿
うシリンダブロックおよびバランサハウジングの断面
図。
【図2】同じくシリンダブロック等の側面図。
【図3】同じくシリンダブロック等の正面図。
【図4】同じくシリンダブロックの側面図。
【図5】同じく図4のA−A線に沿う断面図。
【図6】同じく図4のB−B線に沿う断面図。
【図7】同じくチェーン等を示す正面図。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 2 バランサシャフト 3 シリンダブロック 5 チェーン室 7 バランサハウジング 9 オイルポンプ 21 バランサシャフト軸受部 22 バランサシャフト軸受部 30 オイル戻し溝 34 ハウジング側接合フランジ 51 バランサシャフト収装部 52 オイルポンプ収装部 58 バランサシャフト収装室 59 オイルポンプ収装室 71 オイルポンプハウジング 72 間隙 87 チェーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02B 67/06 F02B 67/06 F F16F 15/26 F16F 15/26 H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クランクシャフトに回転駆動されるオイル
    ポンプと、 クランクシャフトと同期して回転駆動されるバランサシ
    ャフトとを備え、 シリンダブロックの側壁部にバランサシャフトを支承す
    る軸受部をを備えるバランサシャフト付きエンジンにお
    いて、 前記シリンダブロックの側壁部にバランサシャフトとオ
    イルポンプを上下方向に並んで配置し、 シリンダブロックとの間にバランサシャフトを収装する
    バランサハウジグを備え、 バランサハウジングにバランサシャフトを収装するバラ
    ンサシャフト収装部とオイルポンプを収装するオイルポ
    ンプ収装部を一体形成したことを特徴とするバランサシ
    ャフト付きエンジン。
  2. 【請求項2】前記バランサシャフト収装部とオイルポン
    プ収装部を結ぶ補強リブを形成したことを特徴とする請
    求項1に記載のバランサシャフト付きエンジン。
  3. 【請求項3】前記バランサシャフトにクランクシャフト
    の回転力を伝達するチェーンと、 シリンダブロックの前壁部との間にチェーンを収装する
    チェーン室とを備え、 シリンダブロックとオイルポンプ収装部の間に画成され
    るオイルポンプ収装室をチェーン室に連通させ、 オイルポンプ収装部とシリンダブロックが接合する部位
    に沿ってチェーン室に向けて下降するオイル戻し溝を形
    成し、 バランサシャフトを潤滑した潤滑油がオイルポンプ収装
    室を通ってチェーン室へと流下する構成としたことを特
    徴とする請求項1または2に記載のバランサシャフト付
    きエンジン。
  4. 【請求項4】前記バランサシャフト収装部をバランサシ
    ャフトの外周に対して一定の間隙を持って包囲する半円
    筒状に形成し、 シリンダブロックの側壁部をバランサシャフトの外周に
    対してバランサシャフト収装部より大きい間隙をもって
    対峙させ、 バランサシャフトの回転方向をバランサシャフトから飛
    散する潤滑油がシリンダブロックの側壁部に沿って流下
    するように設定したことを特徴とする請求項3に記載の
    バランサシャフト付きエンジン。
  5. 【請求項5】前記オイルポンプをチェーンの背後でオイ
    ルポンプ収装室とチェーン室を仕切るように配置したこ
    とを請求項4に記載の特徴とするバランサシャフト付き
    エンジン。
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