JP3499330B2 - 4サイクル船外機の補機類配置構造 - Google Patents

4サイクル船外機の補機類配置構造

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JP3499330B2
JP3499330B2 JP19888195A JP19888195A JP3499330B2 JP 3499330 B2 JP3499330 B2 JP 3499330B2 JP 19888195 A JP19888195 A JP 19888195A JP 19888195 A JP19888195 A JP 19888195A JP 3499330 B2 JP3499330 B2 JP 3499330B2
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正哲 高橋
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B67/00Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for
    • F02B67/04Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus
    • F02B67/06Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus driven by means of chains, belts, or like endless members

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4サイクルエンジ
ンを搭載した船外機の補機類配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、船外機では2サイクルエンジンが
一般的であり、2サイクルエンジンの場合、特に動弁機
構を有しないことからシリンダヘッドの構造が極めて簡
単でかつ小型であり、従ってエンジン補機類の配置にあ
たっても必要な配置スペースの確保が容易であり、また
重量バランスの確保についても比較的容易である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが最近では、主
として排気ガス浄化の観点から4サイクルエンジンを採
用することが検討されている。4サイクルエンジンを船
外機用エンジンとして採用する場合、2サイクルエンジ
ンと異なり、特にエンジン頭部の構造が複雑であり、大
型かつ大重量となることから、エンジン補機類の配置に
ついても、特に重量バランスを考慮しつつその配置スペ
ースを確保する必要がある。
【0004】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、4サイクルエンジンを船外機に採用する場合に、重
量バランスをとりながら補機類の配置スペースを確保で
きるようにした4サイクル船外機の補機類配置構造を提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、4サ
イクルエンジンを航走時にクランク軸が略垂直をなよう
縦置に配置した4サイクル船外機の補機類配置構造にお
いて、シリンダヘッドを船体後方に向けるとともに、ク
ランク軸を挟んでシリンダヘッドと反対側の前側空間に
補機類を配置し、クランク軸の下端に接続されたフライ
ホイール外周のリングギヤを回転駆動するスタータモー
タを上記前側空間の下部に、駆動軸を下方に向けて配置
するとともに該駆動軸に形成された駆動ギヤを上記リン
グギヤに噛合させ、クランク軸の上端に装着された駆動
プーリにより駆動される発電機を上記前側空間の上部
に、従動軸を上方に向けて配置するとともに該従動軸に
装着された従動プーリを上記駆動プーリに伝動ベルトで
連結したことを特徴ととしている。
【0006】請求項2の発明は、請求項1において、上
記エンジンが、気筒が形成されたシリンダ部をV字形
(Vバンク)をなすように配置してなるV型エンジンで
あり、上記補機類がクランク軸を挟んでVバンクと反対
側の前側空間に配置されていることを特徴としている。
【0007】
【0008】請求項3の発明は、請求項1又は2におい
て、該船外機の旋回中心線がクランク軸より前側に位置
しており、上記補機類が旋回中心より前側に位置する上
記前側空間に配置されていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1〜図21は本発明の一実
施形態による船外機を説明するための図であり、図1は
左側面図、図2〜図7は平面図、図8はクランク室部分
の断面平面図、図9は吸気系の背面図、図10はカム軸
回りの背面図、図11は吸気系の断面左側面図、図12
は断面左側面図、図13は図12のXIII-XIII 矢視図、
図14は潤滑油,冷却水の流れ方向を説明するための
図、図15,図16,図17は図12のXV-XV 線,XVI-
XVI 線,XVII-XVII線断面図、図18,図19ははオイル
パン付近の断面左側面図、図20は排気マニホールドの
断面左側面図、図21は排気マニホールドの断面背面図
である。
【0010】図において、1は船外機であり、該船外機
1は船体2の船尾2aに固着されたクランプブラケット
3にスイベルアーム4を介してチルト軸5回りに上下方
向(図1矢印a方向)に揺動可能に枢支され、かつ旋回
軸6回りに左右方向(図2矢印b方向)に旋回可能に支
持されている。上記船外機1は、スクリュー7及び前後
進切換機構7aを保持するロアケース8上にアッパケー
ス9を接続し、該アッパケース9上にエキゾーストガイ
ド40を介して搭載されたエンジン10の周囲をカウリ
ング11で囲んだ構造のものである。
【0011】ここで上記カウリング11は、樹脂の射出
成形品であり、合面11aを境に上側カリング11bと
下側カウリング11cとに上下二分割されている。そし
て上側カウリング11bは、合面11a部分が開口する
ボックス状のもので、該合面11aから上側に行くほど
その横断面形状が小さくなる型抜き勾配を有している。
また上記上側カウリング11bの後壁の上端付近に左,
右一対の外気導入開口11dが形成されている。なお、
この左,右の外気導入口11d,11d全体に渡って外
気導入口としても良い。
【0012】上記エンジン10は水冷式4サイクルV型
6気筒クランク軸縦置きタイプのものである。該エンジ
ン10のシリンダブロック12は、V字形(Vバンク)
をなすように形成された左,右シリンダ部12a,12
bと、該両シリンダ部12a,12bの底部同士を接続
するように一体形成された共通のクランクケース部12
cとから構成されている。ここで図7に示すように、上
記左,右シリンダ部12a,12bのVバンク内側壁の
ヘッド側合面近傍部分同士はカバー壁12gによって接
続されており、該カバー壁12gと上記内側壁とで囲ま
れた空間はトンネル状に上下方向に延びるVバンク空間
Aとなっている。
【0013】そして上記各シリンダ部12a,12bに
は、それぞれ3組ずつ気筒(シリンダボア)12dが形
成されており、該左,右シリンダ部12a,12bの気
筒はクランク軸方向にオフセットされて交互に配置形成
されている。また上記クランクケース部12cには、こ
れの前側合面に接続されたクランクケースカバー17と
で上記オフセット配置された一対の気筒12d,12d
に対して1つのクランク室Eを形成するクランク凹部1
2eが形成されている。
【0014】上記各気筒12d内に摺動自在に挿入配置
された各ピストン14はコンロッド15を介してクラン
ク軸16に連結されている。このクランク軸16のジャ
ーナル部16aは、上記クランクケース部12c内に上
記各クランク室Eの境界を構成するように形成された軸
受壁12fと、該軸受壁12fに着脱可能に装着された
軸受キャップ13とで回転自在に支持されている。
【0015】上記クランク室E内には、バッフルプレー
ト(仕切板)75が配設されている。このバッフルプレ
ート75は、多数の小孔が形成された金属プレートをク
ランクケースカバー17と大略同一形状に成形してなる
ものであり、該バッフルプレート75とクランクケース
カバー17との間には空間が設けられており、該空間
は、オイルミストを含むガスを上昇させるための上昇通
路E′となっている。
【0016】上記上昇通路E′の上端は、後述するオイ
ルセパレータ機能付のチェン室Bに連通している。また
上記クランク室Eの下端部に落下した潤滑油は図12に
破線の矢印Hで示すオイル戻り通路を通ってオイルパン
41内に落下する。詳細には、図15に示すように上記
潤滑油は、ポンプ室Cとクランク室Eとの境界壁面上を
伝わって流れ、上側ガイド40aの開口Iを通って上側
ガイド40aの凹みKに流下した後、これの開口Lを通
ってオイルパン41へと落下する。
【0017】なお、後述するようにクランクケースカバ
ー17の前側にはスタータモータ52が配設されている
が、該クランクケースカバー17のスタータモータ52
に対応する部分はエンジン内側に凹んでおり、これによ
り船外機全体の前側への膨出を回避している。またこの
凹みにより上記上昇通路E′の凹み17d部分の幅は他
の部分より狭くなっている。
【0018】また上記シリンダブロック12の左,右の
シリンダ部12a,12bの後側合面(ヘッド側合面)
には左,右のシリンダヘッド18a,18bが装着され
ヘッドボルトでシリンダブロック12に締結されてい
る。また該両シリンダヘッド18a,18bの後側合面
(カバー側合面)は左,右のヘッドカバー19a,19
bで覆われており、これによりクランク軸方向(上下方
向)に延びる左,右カム室F,Fが形成されている。
【0019】上記シリンダヘッド18a,18bのブロ
ック側合面に凹設された燃焼凹部18cには各気筒毎に
2つの吸気開弁開口,排気弁開口が形成され、該各開口
を開閉する吸気弁20a,排気弁20bはそれぞれ吸気
カム軸21a,排気カム軸21bのカムノーズ21eで
開閉駆動される。
【0020】上記吸気,排気カム軸21a,21bは、
シリンダヘッド18a,18bとヘッドカバー19a,
19bとで形成された左,右のカム室F,F内にそれぞ
れ2本ずつ上記クランク軸16と平行に配置されてい
る。そして左側シリンダ部用吸気カム軸21a及び右側
シリンダ部用排気カム軸21bの上端部には大径(クラ
ンクスプロケットの2倍)のカムスプロケット32a,
32bが装着され、ボルト21cによりボルト締め固定
されている。この両カムスプロケット32a,32bと
上記クランク軸16の上端近傍に形成された小径のクラ
ンクスプロケット16bとはタイミングチェン33aに
より連結されている。このタイミングチェン33aは上
記カム室F,Fとクランク室Eとを連通し、かつエンジ
ン上端に位置する上記チェン室B内に配置されている。
【0021】ここで上記上側カウリング11bは、上述
のように上側ほど横断面形状が小さくなる型抜き勾配を
有しているのであるが、本エンジン10の場合、図10
に示すように、上記カムスプロケット32a,32bの
配置されているチェン室Bの幅(図示左右寸法)に基づ
いて上記上側カウリング11bの基本幅寸法が決定さ
れ、該部分より上側ほど幅が狭くなり、下側ほど幅が広
くなるような抜き勾配が設定されている。
【0022】上記Vバンク空間A内には、ガイドスプロ
ケット34aを軸支するガイド軸34が配設されてお
り、該ガイドスプロケット34aは上記タイミングチェ
ン33aをVバンク形状に沿うようにガイドしている。
また上記タイミングチェン33aのクランクスプロケッ
ト16b〜カムスプロケット32b間部分,及びカムス
プロケット32b〜ガイドスプロケット34a部分は、
固定式のカイドプレート35a,35bによりガイドさ
れている。
【0023】さらにまた、上記タイミングチェン33a
の左側カムスプロケット32a〜クランクスプロケット
16b間部分には可動式のテンショナプレート35cが
摺接している。このテンションプレート35cは、その
後端部がピン35dにより軸支され、その前部が押圧機
構36によりエンジン中心側に押圧されている。これに
よりタイミングチェン33の張力は常に一定になるよう
調整されている。
【0024】上記各スプロケット16b,32a,32
b,34a、タイミングチェン33a、及びガイドプレ
ート35a,35b,テンションプレート35cは、上
記シリンダブロック12,クランクケースカバー17,
シリンダヘッド18a,18b及びヘッドカバー19
a,19bで形成される平面視略Y字形の上端開口部に
チェンカバー37を着脱可能に装着してなるチェン室B
内に配置されている。
【0025】また上記各シリンダ部の吸気,排気カム軸
21a,21b同士は、カムスプロケットより小径(1
/2程度)の中間スプロケット32c,32cに中間チ
ェン33bを巻回することにより連結されている。この
中間スプロケット32cは、上端部のカムスプロケット
32a,32bにカム軸受21dを挟んで隣接するよう
に、つまりカムスプロケット32aより下側でかつ最も
高所に位置している。
【0026】ここで上記チェン室B内には上記クランク
室E及びカム室F,Fが連通している。また図示してい
ないが、上記チェン室Bには、該室に導入されたオイル
ミストを含むエンジン内ガスから潤滑油成分を分離する
オイルセパレータ機能が付与されている。この機能は、
例えば該チェン室B内を迷路構造とすることにより実現
できる。
【0027】また上記チェンカバー37の、上記カムス
プロケット32a,32bと対向する部分にはスプロケ
ット固定用ボルト21cとの干渉を回避するために平面
視略円形の膨出部37aが上方に膨出形成されている。
この膨出部37aはチェン室B中、最も高所に位置して
いる。該膨出部37aにエンジン内ガスを排出するため
の排出孔37bが形成されており、該各排出孔37bは
排出ホース37cにより後述する吸気系22のスロット
ル弁28より下流側に接続されている。
【0028】なお、上記排出孔37bは、図5に二点鎖
線で示すように、上記チェン室Bのクランク軸とカム軸
との間の部分に設けても良い。
【0029】また上記各シリンダヘッド18a,18b
の吸気弁開口は吸気ポート18d,18dによりVバン
ク内側に船体後方に向けて導出されており、該吸気ポー
ト18d,18dの外部接続開口に吸気系22が接続さ
れている。この吸気系22は、左,右のシリンダ部12
a,12bへの吸気管長を等しくすべく、左,右対称と
なっている。即ち、左,右のサージタンク23a,23
bを上記左,右のヘッドカバー19a,19bの後側に
クランク軸16と平行に配置し、該左,右のサージタン
ク23a,23bと上記吸気ポート18d,18dとを
吸気マニホールド部23c,及び吸気孔24aを有する
吸気プレート24を介して連通接続した構造になってお
り、実質的吸気管長は全気筒同一となっている。
【0030】上記吸気プレート24は、上記左,右のシ
リンダヘッド18a,18bの上記吸気ポート18d,
18dの外部接続開口間に、上記Vバンクの上面を塞ぐ
ように架設された平板状のものである。該吸気プレート
24は上記吸気ポート18dと上記吸気マニホールド部
23cとを連通する吸気孔24aを有し、また該吸気プ
レート24には燃料噴射弁26が上記吸気孔24aから
上記吸気ポート18dを通って吸気弁20aの弁頭の裏
面に向けて燃料を噴射供給するように装着されている。
【0031】上記左,右のサージタンク23a,23
b、及び左,右の吸気マニホールド部23c,23cは
一体鋳造されたものであり、該左,右の吸気マニホール
ド部23c,23cで形成されたトンネル内に、上記各
燃料噴射弁26に燃料を供給する燃料供給レール25が
上下方向に挿入配置されている。また該燃料供給レール
25の上端には燃料圧力を調整するレギュレータ27が
装着されている。ここで該燃料供給レール25は上記吸
気プレート24に立設された脚部24bに固定されてい
る。従って、燃料供給レール25,吸気プレート24及
び各燃料噴射弁26を予め別工程で組み立ておくことが
可能である。また、燃料は、上記供給レール25内にそ
の下端から流入し、上端のレギュレータ27を通って排
出される。これにより燃料中の空気抜きを容易に行うこ
とができる。
【0032】また上記左,右のサージタンク23a,2
3bの上端部に一体形成された左,右の吸気管部(分岐
通路)23d,23dはエンジン上端付近かつ幅方向中
心にて1つに合流しており、該合流管部(合流通路)2
3eは船体前側を向いている。そして該合流管部23e
にスロットル弁28aを内蔵するスロットルボディ28
が接続されており、該スロットルボディ28には可撓性
を有するジャバラホース29を介して導入管30が接続
されている。該導入管30の開口は、エンジンの上端に
位置しており、吸入空気がエンジンからの熱を受け難
く、吸気温度の上昇が回避されている。
【0033】上記スロットルボディ28は、上記吸気プ
レート24の上端部を上方に延長してなるブラッケト部
24cに上記合流管部23eと共締め固定されており、
該スロットルボディ28は上記シリンダブロック12の
上壁の少し上方に位置している。なお、上記ジャバラホ
ース29は、上記導入管30とスロットルボディ28と
の接続部における気密性を高め、該接続部から空気が吸
引されることによる騒音の発生を防止するためのもので
あり、該ホース29の上流側に接続された導入管30が
ゴムバンド30aを介してチェンカバー37により支持
されている。
【0034】また上記左,右のサージタンク23a,2
3bの後面同士には金属製の支持プレート77が架設さ
れており、該支持プレート77の後面にはコントロール
ボックス等の電装品78が搭載されている。この支持プ
レート77は、電装品78で発生した熱をサージタンク
23a,23bに逃して電装品78の冷却を促進するヒ
ートシンクとして機能するばかりでなく、左,右のサー
ジタンク23a,23b同士を結合して剛性を高めるこ
とにより振動,騒音の発生を防止する機能も果す。
【0035】上記左,右のシリンダヘッド18a,18
bの排気弁開口は左,右の排気ポート18e,18eに
よりVバンク外側壁面(左右壁面)に導出されており、
該左,右の排気ポート18e,18eには対称形に形成
された左,右の排気系38a,38bが接続されて
る。該各排気系38a,38bは、上記3つの排気ポー
ト18eに接続された排気マニホールド39と、該排気
マニホールド39にエキゾーストガイド40,及びオイ
ルパン41に形成された排気口41aを介して接続され
た排気パイプ42と、該排気パイプ42に接続されたマ
フラ65とを備えている。
【0036】上記排気マニホールド39は、図20,2
1に示すように、上記3つの排気ポート18eを合流さ
せつつ上記シリンダブロック12の各シリンダ部12
a,12bの外壁面に沿って下方に延び、シリンダヘッ
ド18a,18bとエキゾーストガイド40との間を通
って上記Vバンク内側に延び、該エキゾーストガイド4
0の排気通路40eに接続されている。
【0037】上記排気マニホールド39は、水冷ジャケ
ットJを有する一体鋳造製の二重管構造のもので、排気
ガスが流れる内管部43の外周を水冷ジャケットを構成
する外管部44で囲んだ構造となっている。そして上記
排気マニホールド39は、上側に位置する本体部39a
と下側に位置するエルボ状の継手部39bとに、シリン
ダヘッド18a,18bとエキゾーストガイド40との
間にて水平をなしている部位で二分割されており、両者
はゴムジョイント45で接続されている。このように水
平部分で二分割したので、両者をゴムジョイント45で
接続する際の作業性を向上できる。
【0038】上記ゴムジョイント45は、内管部43同
士を接続するゴム製の内側リング45aと、外管部44
同士を接続するゴム製の外側リング45bとから構成さ
れており、上記内側リング45aはバンド45cで内管
部43に固定されている。
【0039】ここで上記本体部39aと継手部39bと
の組立時には、まず外側リング45bを図21の破線位
置に軸方向にずらした状態で内側リング45aをバンド
45cで内管部43に固定し、その後、外側リングを正
規位置に移動させる。このように二分割構造とし、かつ
可撓性を有するゴムジョイント45により接続したの
で、シリンダヘッドの排気ポート18eの外部接続開口
位置とエキゾーストガイド40の排気通路40eの開口
位置との間の寸法誤差を吸収可能であるとともに、組立
が容易である。
【0040】また上記クランクケースカバー17の前壁
面17aの上端部には支持ブラッケト48が固着されて
おり、該支持ブラッケト48には発電機47が出力軸4
7aを上方に向けてかつクランク軸16と平行に配置さ
れている。該発電機47の出力軸47aに装着された従
動プーリ47bはクランク軸16の上端に装着された駆
動プーリ51に伝動ベルト50で連結されている。また
上記発電機47は、支持ブラッケト48に対して左側ボ
ルト49を中心に回動可能となっており、これによりベ
ルト50の伸びを吸収して張力を調整可能となってい
る。
【0041】また上記クランクケースカバー17の前壁
面17aの下部にはフランジ部17bがオーバーハング
状に前側に向けて膨出形成されており、該フランジ部1
7b上にスタータモータ52が出力ギヤ(ピニオンギ
ヤ)52aを下方に向けてかつ上記クランク軸16と平
行に装着されている。そしてこのスタータモータ52の
出力ギヤ52aは、フライホイール53の外周に形成さ
れたリングギヤ53aに噛合している。このフライホイ
ール53は上記クランク軸16の下端部に接続固定され
ている。
【0042】なお、52bは、上記スタータモータ52
に取り付けられたピニオンギヤ移動用モータであり、エ
ンジンが始動すると上記ピニオンギヤ52aを上昇させ
る。
【0043】上記シリンダブロック12の下端面には上
記クランクケースカバー17のフランジ部17bとで接
続合面を形成するフランジ部12hが形成されており、
該接続合面に上記エキゾーストガイド40が接続されて
いる。また該エキゾーストガイド40の下側合面にはオ
イルパン41及び上述のアッパケース9が接続されてお
り、該オイルパン41の外側をアッパケース9が囲んで
いる。
【0044】上記エキゾーストガイド40は、排気ガス
をマフラ65に導入するとともに、該船外機1を船体2
にマウントするためのものであり、上側ガイド40aと
下側ガイド40bとの上下二分割構造となっている。上
記下側ガイド40bにボルト締め固定されたマウント部
材81に支持アーム82が固定されており、該支持アー
ム82が船体2側に固定されたクランプブラケット3に
支持されている。
【0045】また上記エキゾーストガイド40は縦壁4
0dによりポンプ室(ホイール室)Cと、オイル落下室
Dとに隔成されている。さらにまた上記下側ガイド40
bの後部は上側ガイド部40aより後方に延長されてお
り、該延長部とシリンダヘッド18a,18bとの間に
は空間が形成されている。そして上記後方延長部の後端
部には排気ガス膨張室74が形成されている。該膨張室
74は、アイドリング運転時に排気ガスを大気中に排出
することによりアイドリング運転を安定化するためのア
イドル排気系における消音室であり、下側ガイド40b
に形成された凹部40hの開口を蓋74aで覆った構造
となっている。
【0046】上記ポンプ室Cの上端開口は上記シリンダ
ブロック12,クランクケースカバー17の下端部に形
成されたフランジ部17a,12hによって閉塞されて
おり、該ポンプ室Cは水が侵入することのない密閉空間
となっている。
【0047】上記フライホイール53は上記ポンプ室C
内に収容されており、該フライホイール53には、上述
のスクリュー7にエンジン回転を伝達する駆動軸54が
継手ロッド55を介して接続されている。該駆動軸54
と上記クランク軸16とで同一直線状の出力軸が構成さ
れている。上記駆動軸54の継手ロッド55部分、つま
り最下位置のジャーナル部16aとこれの下方に配置さ
れたオイルパン41との間の部分には潤滑油を圧送する
オイルポンプ56が配設されている。このオイルポンプ
56は、上記上側ガイド40aの横壁40cと蓋部材5
7とで形成されたポンプケース内にアウタリング58を
駆動軸54と同軸をなすように固定配置し、該アウタリ
ング58内で上記継手ロッド55の外周に偏芯させて一
体形成されたインナリング55aを回転させるようにし
たトロコイドポンプである。このトロコイドポンプ56
は上記密閉状のポンプ室C内に配設されており、これに
よりポンプ内への水の侵入が回避されている。
【0048】なお、上記オイルポンプ56は、クランク
軸16の最下位置ジャーナル部16aより下側に設ける
ことも可能であり、またこのようなオイルポンプの配置
構造はフライホイールをクランク軸上端に設けたタイプ
のエンジンにも適用可能である。
【0049】また、上記ポンプ室Cを密閉状に形成した
場合、フライホイール53の回転により空気温度が上昇
して内部圧力が高くなったり、フライホイール53の回
転抵抗となったりすることが懸念されるので、これを回
避するために、散気管66が大気とポンプ室Cとを連通
するように配設されている。また散気管66からの水の
侵入を回避するために、該散気管66は上方に延長する
とともに上端を下方に曲げた形状となっている。さらに
上記ポンプ室Cには排水ホース67が取り付けられてお
り、水が侵入した場合には排水できるようになってい
る。
【0050】上記オイルポンプ56の吸込口56aは吸
引通路60により上記オイルパン41に連通接続されて
おり、吐出口56bは吐出通路61により、上記エキゾ
ーストガイド40の上側ガイド40aの後壁に装着され
たオイルフィルタ62に連通接続されている。このオイ
ルフィルタ62は、エキゾーストガイド40の下側ガイ
ド40bを後方に延長したことにより生じた上述の空間
を利用して配置されている。
【0051】上記吸引通路60は、上記オイルパン41
内に配置された吸引パイプ60aと、上記下側,上側ガ
イド40b,40aに形成された縦孔60bと、上記横
壁40cと蓋部材57との間に形成された横孔60cに
より構成されている。なお、上記吸引パイプ60aの吸
込口には金網等からなるオイルストレーナ83が装着さ
れている。
【0052】上記吐出通路61は上記横壁40cと蓋部
材57との間に形成された横孔61aと、上記縦壁40
dを貫通するU字孔61bと、上記オイル落下室Dを横
切る横切孔61cにより構成されている。ここで上記U
字孔61bの底辺部は、上記上側,下側ガイド40a,
40bの合面に凹設されている。つまりエキゾーストガ
イド40を上下二分割したことによりこのU字孔61を
容易に形成可能となったものである。なお、82は上記
吐出通路61内の油圧の異常上昇を回避するためのリリ
ーフ弁である。
【0053】そして上記オイルフィルタ62の出口から
の供給経路63は主として、クランク軸16のジャーナ
ル部16aに潤滑油を供給するクランク軸潤滑系と、カ
ム軸21a,21bのジャーナル,カム摺動面に潤滑油
を供給するカム軸潤滑系とから構成されており、両潤滑
系は直列に配置されている。
【0054】上記クランク軸潤滑系は、上記吐出通路6
1の横切孔61cと平行に延びる横切孔63aと、縦壁
40d内を上方に延びる縦孔63bと、さらにシリンダ
ブロック12のVバンク底壁内を上端まで延びるメイン
ギャラ部(クランク軸オイル供給通路)63cとを有し
ている。そして該メインギャラ部63cからクランクジ
ャーナル部16aへの分岐孔63dは、該ジャーナル部
16bより高所から分岐し、斜め下方に傾斜した後ジャ
ーナル軸受部16dに達している。つまり該分岐孔63
dは油溜まりとなっている。
【0055】上記カム軸潤滑系は、上記メインギャラ部
63bの上端から左,右に分岐するようにシリンダブロ
ック12の上端面に形成されたブロック孔63eと、こ
れに続き、カム軸の軸受部に連通するようにシリンダヘ
ッド18a,18bの上端面に形成されたヘッド孔63
fとで構成されており、該ブロック孔63e,ヘッド孔
63fがカム軸オイル供給通路となっている。上記ヘッ
ド孔63fは、各カム軸21a,21bの軸芯に形成さ
れたオイル孔21cに連通しており、該オイル孔21c
はカム軸軸受部,カムノーズ摺動面に連通している。
【0056】上記ブロック孔63e,ヘッド孔63fを
介してオイル孔21cの上端に供給された潤滑油は、オ
イル孔21c内を流下しつつカム軸軸受部に対応する位
置に形成された供給孔を通って流出し、カム軸軸受部,
カムノーズ摺動面を潤滑する。
【0057】そして上記各部に供給された潤滑油をオイ
ルパン41に回収するための回収経路64は以下のよう
に構成されている。クランク軸ジャーナル軸受16dに
供給され、該軸受16dとジャーナル部16aとの隙間
から各クランク室E内に落下した潤滑油の回収経路は、
上記クランク凹部12eの上記メインギャラ部63c寄
り部分(中央寄り部分)に上記Vバンク空間Aと連通す
るように形成された横孔(回収孔)64aと、該Vバン
ク空間Aと、戻り開口63gと、上記エキゾーストガイ
ド40のオイル落下室Dとを経る経路で構成されてい
る。また上記各クランク凹部12e同士は、平面視で気
筒軸延長線上に貫通形成された縦孔64b(図6,14
参照)によっても上記戻り開口63gに連通している。
【0058】カム軸ジャーナル部と軸受部との摺動面あ
るいはカムノーズ摺動面に供給された潤滑油の回収経路
は、カム室F,Fの底部に連通するようシリンダヘッド
18a,18bの下端部に気筒軸方向に形成された横孔
64cと、これに連通するようにシリンダブロック12
の各シリンダ部12a,12bのヘッド側合面に気筒軸
方向に形成された横孔64dと、上記開口63g,及び
オイル落下室Dを経る経路によって構成されている。
【0059】また本船外機1の冷却水系は以下のように
構成されている。上記駆動軸54の下端部に配設された
冷却水ポンプ(図示せず)の吐出口に接続された冷却パ
イプ68を駆動軸54とマフラ65との間を通って上方
に延長して上記オイルパン41の底部に形成された冷却
水通路69に接続し、これを平面視V字状に形成された
分岐通路69a,69aにより左,右シリンダ部用に分
岐し、各分岐通路69aをオイルパン41に上下方向に
形成された縦孔41b,及び上記下側ガイド40bに形
成された連通孔40fを介して上記左,右の排気マニホ
ールド39の水冷ジャケットJに連通接続する。
【0060】また上記各排気マニホールド39の水冷ジ
ャケットJの上端部を、冷却ホース70,プレッシャバ
ルブ71を介して上記シリンダブロック12の左,右の
シリンダ部12a,12bの水冷ジャケットの下端の接
続口12iに接続する(図20参照)。そして上記各シ
リンダ部12a,12bに供給された冷却水は、該各シ
リンダ部の水冷ジャケット及び各シリンダヘッド18
a,18bの水冷ジャケットを通り、各シリンダ部12
a,12bの水冷ジャケットの上端部に達する。
【0061】上記各シリンダ部の水冷ジャケットの上端
部をサーモバルブ72,戻りホース73を介して上記上
側ガイド40aの各戻り孔40gに接続し、該各戻り孔
40gを上記下側ガイド40bの上記排気膨張室40h
の蓋74aの落下孔74bに接続し、図18の室41n
に導く。該室41nに導かれた冷却水は、オイルパン4
1の開口41jから該オイルパン41の排気パイプ挿通
孔41hに落下するとともにオイルパン41の後部とア
ッパケース9との間に落下する。そしてマフラ65の排
気パイプ42,42間に形成された開口65aからアッ
パケース9内を下方に落下流出する。
【0062】このように本船外機1のエンジン内ガス排
出装置によれば、縦置きに配置されたクランク軸16,
カム軸21a,21bのクランクスプロケット16b,
カムスプロケット32a,32bを連結するタイミング
チェン33aを収容するチェン室Bという縦置きエンジ
ンの場合に最も高所に位置する室の天壁を構成するチェ
ンカバー37に排出孔37bを形成し、これを排出ホー
ス37cで吸気系に接続したので、エンジン内ガスを吸
気系に吸引させ、確実に排出できる。しかも、チェンカ
バー37の一部をカム軸との干渉を回避するために上方
に膨出させた膨出部37aに排出孔37bを形成したの
で、この膨出部37aが排出室として機能し、専用の排
出室を形成する必要がない。
【0063】またこの場合、上記チェン室Bはクランク
室E及びカム室Fの両方に連通しているので、クランク
室E内のブローバイガスやオイルミストを含むガス、及
びカム室F内のオイルミストを含むガスの両方とも、チ
ェン室Bに向かって上昇し、排出孔37bから排出ホー
ス37cを通って吸気経路に吸引排出される。
【0064】またチェンカバー37の、各シリンダ部1
2a,12bのカム軸に対向する部位にそれぞれ排出孔
を形成したので、Vバンクをなす各シリンダ部12a,
12bのカム室からのエンジン内ガスを確実に排出でき
る。
【0065】なお、上記排出孔37bの形成位置は、カ
ム軸と対向する部位に限定されるものではなく、チェン
室Bの天壁を構成するチェンカバー37の何れの部位で
も構わない。
【0066】またこのエンジン内ガス排出装置は、V型
エンジンに限らず、シリンダ部が1つの直列型エンジン
にも勿論適用可能である。
【0067】ここで、本エンジン内ガス排出装置の如
く、チェン室Bにエンジン内ガス排出孔を形成した場
合、タイミングチェンから飛散される潤滑油がエンジン
外に排出され、潤滑油排出量が増加する懸念があるが、
本船外機1では、上記チェン室B内にエンジン内ガス中
の潤滑油成分を分離するオイルセパレータ機能を付加し
たので、上記潤滑油の排出が抑制される。
【0068】また本船外機1の潤滑油供給装置によれ
ば、クランク軸16の下端にフライホイール53を介し
て接続された駆動軸54の、上記フライホイール53と
これよりより下方に配設されたオイルパン41との間の
部分にオイルポンプ56を同軸をなすように装着したの
で、オイルポンプ56はクランク軸直結となり、例えば
クランク軸と平行に配置して歯車等を介して駆動するよ
うにしたものに比べて構造が極めて簡単となるととも
に、オイルポンプの配置スペースが少なくて済み、船外
機に特に要求される小型化を図ることができる。またオ
イルポンプ56はエンジン回転数と同じ回転数で駆動さ
れることから油量,油圧の確保が容易である。
【0069】またオイルポンプ56をフライホイール5
3とオイルパン41との間でかつ該オイルパン41の直
近上側に配置したので、該オイルポンプ56からオイル
パン41内の油面までの吸込水頭(ヘッド)が小さくて
済み、この点からも油量,油圧の確保が容易であり、ポ
ンプの小型化を図ることができる。
【0070】さらにまた、上記駆動軸54を上記フライ
ホイール53近傍にて上下に分割するとともに該分割体
の一方である継手ロッド(接続用ジョイント)55の外
周面に上記オイルポンプ56の回転体であるインナロー
タ55aを加工形成したので、継手ロッド55が短尺も
のである分だけ加工時の取り扱いが容易であり、1本も
のの駆動軸にポンプ回転体を加工する場合に比べて加工
作業が容易である。
【0071】また本船外機1では、上記オイルパン41
の近傍に固定されたマウント部材81と上記フライホイ
ール53との間にオイルポンプ56を配設したので、マ
ウント部材81から船体側に向かって支持アーム82が
延びているために、船外機下部で発生したスプラッシュ
が上方に飛び散っても支持アーム82が邪魔になってマ
ウント部材上方のオイルポンプ56にかかりにくい。ま
たオイルポンプ56上方には大径のフライホイール53
が配設されているためにこれが邪魔になって上方からか
かった水しぶきがオイルポンプ56にかかりにくくな
る。従ってオイルポンプ56への水入りが確実に防止さ
れる。
【0072】また、エキゾーストガイド40とシリンダ
ブロック12及びクランクケースカバー17とで外部か
らの水の侵入を阻止すべく形成されたポンプ室(ホイー
ル室)C内にオイルポンプ56を収容配置したので、海
上で使用される船外機に特に要求されるオイルポンプ5
6への水入り防止機能を向上できる。
【0073】さらにまたは、本船外機1では、シリンダ
ブロックと別体に形成された別部材としてのエキゾース
トガイド40内に潤滑油吸引通路60及び潤滑油戻り通
路(オイル落下孔D)を形成したので、例えばシリンダ
ブロック12に形成する場合に比較して通路の形成が容
易である。またこの場合に、エキゾーストガイド40を
上下二分割構造とし、該分割面間にオイル通路の一部
(U字孔61bの底部)を形成したので、オイル通路の
形成がさらに容易である。
【0074】なお、上記潤滑油供給装置は、V型エンジ
ンに限らず、シリンダ部が1つの直列型のエンジンにも
勿論適用可能である。
【0075】本船外機1のオイルフィルタ配置構造によ
れば、シリンダブロック12及びクランクケースカバー
17の下端に接続されたエキゾーストガイド40にオイ
ルポンプ56からエンジンへの吐出通路61を形成する
とともに、該エキゾーストガイド40の後壁にオイルフ
ィルタ62を取り付けたので、側面視でシリンダヘッド
18a,18bの下方かつエキゾーストガイド後壁後方
に生じている空間を利用してオイルフィルタ62を配置
することが可能となり、例えばシリンダブロックの側壁
にオイルフィルタを配置した場合に比較して船外機の幅
の拡大を回避でき、船外機に特に要請される小型化を確
保できる。この場合、平面視でVバンクの中央下方にオ
イルフィルタ62を配置したので、より一層確実に船外
機幅の拡大を回避できる。
【0076】また、エキゾーストガイド40内にオイル
ポンプ56を配設し、かつ該エキゾーストガイド40に
オイルパン41からオイルポンプ56への吸引通路60
及びオイルポンプ56からオイルフィルタ62への吐出
通路61を形成したので、オイルポンプの配置に起因し
て船外機幅が拡大する問題を回避できる。
【0077】本船外機1の潤滑油供給回収構造によれ
ば、フライホイール53とオイルパン41との間に配設
されたオイルポンプ56からクランク軸ジャーナル部等
の被潤滑部へのオイル供給通路及び被潤滑部からオイル
パン41へのオイル戻り通路の上記フライホイール部分
63b,Dを、クランク軸方向に見て上記フライホイー
ル53の外周より外側を通るように形成したので、特に
潤滑油の落下回収においてフライホイール53が抵抗と
なることがなく、潤滑油の回収が容易となる。
【0078】またオイルポンプ56からクランク軸ジャ
ーナル部16aに潤滑油を供給するためのメインギャラ
部(クランク軸オイル供給通路)63cをシリンダブロ
ック12のVバンク底壁内にクランク軸16と略平行に
形成するとともに、各シリンダ部12a,12bのVバ
ンク内側壁同士を接続壁12gで接続してなるVバンク
空間Aを、上記クランク軸ジャーナル部,カム軸ジャー
ナル部からの潤滑油をオイルパン41に戻すオイル戻り
通路としたので、V型縦置きエンジンにおいてVバンク
底壁内及びVバンク空間という比較的利用されていない
部分を利用でき、従って供給通路,戻り通路を直線状に
かつ大径に形成することが可能となり、供給油量,油圧
の確保が容易となるとともに、回収抵抗が円滑となる。
【0079】またメインギャラ部63cから各ジャーナ
ル部16aへの分岐孔63dを、ジャーナル部側が低く
なる傾斜状に形成したので、該分岐孔63dが油溜まり
として機能する。そのため、エンジンの再始動時には上
記油溜まり内の潤滑油によってジャーナル部16aが潤
滑され、始動時の潤滑性を確保できる。
【0080】また、クランク軸ジャーナル部16aから
の潤滑油を上記Vバンク空間A(オイル戻り通路)に回
収する横孔64a(回収孔)をクランク室Eと上記Vバ
ンク空間Aとを連通するように形成したので、潤滑油の
クランク室内溜まり量を減少できる。またこの場合、オ
フセット配置された気筒(シリンダボア)12d,12
dの間を利用したので、上記横孔64aの配置スペース
を確保できる。
【0081】また、上記メインギャラ部(クランク軸オ
イル供給通路)63cの上端からカム軸の軸受部に連通
するカム軸オイル給油通路63e,63fを分岐形成し
たので、つまりクランク軸オイル供給通路にカム軸オイ
ル供給通路を直列接続したので、クランク軸ジャーナル
部への給油量をカム軸ジャーナル部への給油量より増加
でき、各ジャーナル部の要求量に容易に対応できる。
【0082】なお、上記潤滑油供給回収構造では、カム
軸の上端から下方に潤滑油を流すようにしたが、これと
逆にカム軸の下端から上方に潤滑油を流すようにするこ
とも可能であり、またV型エンジンに限らず、シリンダ
部が1つだけの直列型エンジンにも勿論適用可能であ
る。
【0083】また上記直列接続ではなく、クランク軸オ
イル供給通路の下部からカム軸オイル供給通路を分岐さ
せることも可能であが、このようにすると、クランク軸
ジャーナル部への給油量が不足する懸念がある。このよ
うな構成を採用する場合には、カム軸オイル供給通路の
該分岐部付近に油量調整用のオリフィスを配置すること
となる。
【0084】また本船外機1の排気装置によれば、左,
右のシリンダヘッド18a,18bのVバンク外側壁に
排気マニホールド39の上流端を接続するとともに、該
排気マニホールド39を該シリンダヘッドの外側から該
シリンダヘッドと上記エキゾーストガイド40との間の
空間をVバンク中央側に延長し、該Vバンク中央側にて
上記エキゾーストガイド40の排気通路40eに接続し
たので、V型縦置きエンジンの場合の空き空間となり易
いVバンク下方空間を利用した排気管の配設が可能とな
り、4サイクルV型エンジンを備えた船外機の場合に、
排気管の配設に起因する船外機幅の拡大を回避でき、船
外機の場合に特に要請される小型化に対応できる。
【0085】なお、上記排気装置における排気管の取り
回しは、V型エンジンの場合だけでなく、直列型エンジ
ンにも適用可能である。
【0086】また本船外機1の補機類配置構造によれ
ば、V型エンジンをシリンダヘッド18a,18bを船
体後側に向けてかつ縦置きに配置した場合に、クランク
軸16を挟んでVバンク空間と反対側の前側空間Gにス
タータモータ52,発電機47といった補機類を配置し
たので、シリンダヘッドが船体後側に位置することによ
る重心の後側偏位を補機類の前側配置により補正するこ
とができ、重量バランスを良好にできる。
【0087】また特にV型エンジンの場合、左,右のシ
リンダヘッドの幅が広くなることから、エンジン側部に
補機類を配置した場合は船外機幅が大きくなり、好まし
くない。従って上記前側空間Gに補機類を配置すること
は、上記重量バランス上だけでなくスペース確保上も有
利である。
【0088】また本船外機1では、前側空間Gに補機類
を配置したことにより船体前後方向の重量バランスが得
られるとともに、該前側空間Gの下部にスタータモータ
52を、上部に発電機47を振り分け配置したので、上
下方向の重量バランスも得られる。しかもこの場合、ク
ランク軸下端にリングギヤ53aを有するフライホイー
ル53を、上端に駆動プーリ51をそれぞれ配置し、前
側空間Gの下部にスタータモータ52を、上部に発電機
47を配置したので、スタータモータ52の駆動ギヤ5
2aをリングギヤ53aに直接噛合させることができ、
また駆動プーリ51を伝動ベルト50で従動プーリ47
bに連結するだけというように、動力伝達機構が極めて
簡単である。
【0089】また4サイクルV型エンジンの場合に旋回
中心線をクランク軸より前側に設定した場合には、より
一層後側ヘビーの状態となるが、本船外機1では、旋回
中心線6をクランク軸16より前側に位置させている場
合に補機類を該旋回中心線6より前側に配置したので、
上記重量バランスの偏位補正作用がより有効となる。
【0090】なお、上記補機類配置構造は、V型エンジ
ンだけでなく、直列型のエンジンにも勿論適用可能であ
る。
【0091】本船外機1の動弁装置によれば、大径のカ
ムスプロケットを、左側のシリンダ部12aについては
Vバンク内側の吸気カム軸21aに装着し、右側のシリ
ンダ部12bについてはVバンク外側の排気カム軸21
bに装着したので、Vバンク角度を必要以上に大きくす
ることなく動弁機構のカムスプロケットに起因してエン
ジン幅が大きくなるのを抑制できる。
【0092】即ち、カムスプロケットは大径であるか
ら、各シリンダ部の吸気,排気カム軸の両方にカムスプ
ロケットを設けるとバルブ挟み角が大きくなるととも
に、エンジン全体の幅が大きくなる。また各シリンダ部
の一方のカム軸のみにカムスプロケットを設ける場合
に、両シリンダ部ともVバンク外側に設けるとこれもエ
ンジン幅が大きくなり、一方、両シリンダ部ともVバン
ク内側に設けるとVバンク角度が必要以上に大きくなる
懸念がある。本船外機1では、各シリンダ部の一方のカ
ム軸のみにカムスプロケットを設ける場合に、左側シリ
ンダ部12aではVバンク内側の吸気カム軸21aに、
右側のシリンダ部12bについてはVバンク外側の排気
カム軸21bにそれぞれカムスプロケット32a,32
bを設けたので上述の各問題を回避できる。
【0093】また本船外機1では、大径のカムスプロケ
ットを両シリンダ部のVバンク外側に装着することなく
一方のシリンダ部のみについてVバンク外側に配設した
ので、エンジン全体の幅が必要以上に大きくなることは
ない。また上記カムスプロケットの装着されていないカ
ム軸側については上側カウリング11bの横断面寸法
を、無理なく合面11aから上側にいく程小さくするこ
とができ、型抜きテーパを設ける必要に起因してカウリ
ング寸法が大型化するのを回避できる効果がある。ちな
みにカムスプロケットの配置に起因してエンジン幅が大
きくなると、上側カウリング11bの合面11a寸法も
それだけ大きくする必要があり、結局カウリング11が
大型化する。
【0094】カム室F内のオイルは、カム軸受等を潤滑
しながらオイル出口64cに向かって流下する途中で中
間チェン33bで攪拌されることとなるが、中間チェン
33bをタイミングチェン33a、つまりカムチェン室
Bよりも下方に位置させたので、たとえ中間スプロケッ
ト32cあるいは中間チェン33bによって落下するオ
イルが攪拌されても、上記カムチェン室Bが中間チェン
33bよりも上方に位置していることから、攪拌された
オイルがカムチェン室Bを通ってクランク室Eに流れる
ことはほとんどなく、従ってカム室F内のオイルの回収
を効率よく行える。
【0095】なお、上記動弁装置は、V型エンジンに限
らず直列型エンジンにも勿論適用可能である。
【0096】本船外機1の吸気装置によれば、クランク
軸と略平行に延びる左,右サージタンク23a,23b
を各シリンダ部12a,12bのヘッドカバー19a,
19bに沿うように左右対称に配設し、上記左,右サー
ジタンク23a,23b同士を左右対称の分岐通路23
d,23dを介して合流通路23eに合流させたので、
各シリンダ部への空気の分配量を均一にできる。
【0097】また上記各左,右サージタンク23a,2
3bと各気筒の吸気ポートとを同一長さの吸気マニホー
ルド23cで接続したので、左,右サージタンク23
a,23bが大容量を有していることから、各気筒の吸
気ポート18eまでの実質的吸気管長に影響を与えるの
は上記同一長さの吸気マニホールドのみとなり、従って
各気筒への実質的吸気管長を全ての気筒に対して同一に
することができる。
【0098】さらにまた上記合流通路23eの外部開口
を上記カウリング11の上部に形成された外気導入口1
1d近傍、つまり上端部に位置させたので、エンジン等
からの熱影響を受けていないカウリング上部の空気を導
入することができ、吸気温度の上昇を回避できる。また
外部開口が最も高所に位置していることから、海面から
の跳水がエンジン内に侵入するのを防止できる。
【0099】また上記左,右のサージタンク23a,2
3d同士を支持プレート77で接続し、これにコントロ
ールユニット78を取り付けたので、Vバンク空間を利
用してエンジン部品を配置できる。
【0100】さらにまた、燃料噴射弁26が装着された
吸気プレート24を上方に延長した延長部24cに上記
スロットルボディ28を取り付けたので、専用のスロッ
トルボディ取付ブラケットが不要となり、スロットルボ
ディ取付構造を簡素化できる。
【0101】なお、上記船外機1では、サージタンクを
左,右一対設けた場合を説明したが、図22に示すよう
に、左,右シリンダ部共通のサージタンク90をVバン
ク中央に配設しても良い。この場合には、該サージタン
ク90と各気筒の吸気ポートを接続する吸気マニホール
ド部91を直線状にできる等、構造が簡素となる。
【0102】本船外機1の冷却構造によれば、冷却水路
69をシリンダブロック12の下方に配置されたオイル
パン41の底部を通すとともに排気管39の冷却ジャケ
ットJに接続し、該排気管冷却ジャケットJをエンジン
冷却ジャケットKに接続したので、エンジン冷却ジャケ
ットまでの冷却水路の配置位置を工夫するだけの簡単な
構造により、別途に専用の冷却水路を設けることなくオ
イルパン41及び排気管39の冷却を行うことができ
る。
【0103】また、冷却水路69をオイルパン41の底
部で左,右に分岐し、該各分岐水路69a,69aを各
シリンダ部用の各排気冷却ジャケットJからエンジン冷
却ジャケットKに接続したので、各シリンダ部毎に独立
の冷却系を構成して各シリンダ部の冷却バランスを向上
できる。
【0104】また上記各冷却系のエンジン冷却ジャケッ
トKの出側に各冷却系独立のサーモスタットバルブ72
を設けたので、各冷却系毎に独立した温度管理が可能と
なり、各シリンダ部の冷却バランスをより一層向上でき
る。
【0105】さらにまたエンジン冷却ジャケットKを経
た冷却水を、上記オイルパン61の周囲及び上記マフラ
65の周囲を通って水中に落下するように構成したの
で、水中に戻る途中の冷却水を有効利用してオイルパン
41及びマフラ65を効果的に冷却できる。
【0106】なお、上記冷却構造は、V型エンジンに限
らず、シリンダ部が1つの直列型エンジンにも勿論適用
可能である。
【0107】本船外機1のオイルパン配置構造によれ
ば、各シリンダ部12a,12bからの排気マニホール
ド39,39を船幅方向に所定間隔をあけて上記エキゾ
ーストガイド40の後部に上下方向に挿入接続し、オイ
ルパン41の膨出部41iを上記両排気マニホールド3
9,39の間に位置させたので、V型縦置きエンジンの
場合に左,右の排気管の間に生じるデッドスペースを利
用してオイルパン容積を確保できる。
【0108】上記膨出部41iの下端部にドレンプラグ
80を設けるとともに、上端部からオイルレベルゲージ
79を挿入するようにしたので、上記デッドスペースに
配置された膨出部41iの下部から廃油でき、かつ上部
から給油でき、潤滑油の補給,入れ替え作業等の点検作
業性を向上できる。
【0109】上記エキゾーストガイド40の、上記膨出
部41i両側部分に、冷却水をオイルパン41及びマフ
ラ65の周囲に戻す冷却水戻し口41j及び開口65a
を設けたので、上述のデッドスペースを利用してオイル
パン41,及びマフラ65を戻り水によって冷却でき
る。
【0110】またエキゾーストガイド40の後部に、ア
イドル排気系の排気膨張室74を設けたので、上記デッ
ドスペースを利用して排気膨張室配設スペースを確保で
きる。またこの場合に、下側ガイド40bの上面に凹部
40hを形成し、これに蓋74aを被せる構造としたの
で、該凹部を鋳造により形成できるとともに、塩溜まり
を回避できる。
【0111】本船外機1の潤滑油補給構造によれば、潤
滑油を縦置きエンジン上端のクランク軸ジャーナル部1
6aを潤滑した潤滑油をオイルパン41に戻すためのオ
イル戻り通路(Vバンク空間A,オイル落下孔D)をク
ランク軸16と略平行に形成し、該オイル戻り通路の上
端部に潤滑油注入口37eを形成し、該注入口37eに
オンルパン41に達する長さのオイルレベルゲージ7
9′を装着したので、オイル注入口とオイルレベルゲー
ジ挿入口とが共用され、注入口開閉とレベルゲージ着脱
作業が同時に行われる分だけ作業性を改善できる。
【0112】また上記オイル戻り通路は、クランク軸1
6と略平行に形成されており、オイルパン21内に直に
連通しているので、注入口37eから補給された潤滑油
は直ちにオイルパン41内に落下し、オイルパン41内
のオイルレベルが一定になるまでの待ち時間が大幅に短
縮され、この点からも作業性を改善できる。
【0113】本船外機1の潤滑油回収構造によれば、ク
ランクケースカバー17とバッフルプレート(仕切板)
75との間の空間をオイルミストガスの上昇通路E′と
し、該上昇通路E′の上端部をエンジン上端部に形成さ
れたオイルセパレータ機能を有するチェン室Bに連通さ
せるとともに、クランク室の下端部からオイルパン41
に連通するオイル戻り通路Hを形成したので、クランク
軸ジャーナル部16aから排出された潤滑油は仕切板7
5の内面を伝って落下し、オイルパン41内に回収さ
れ、またオイルミストガスは仕切板75の細孔から上昇
通路E′を通ってチェン室Bに上昇し、ここでオイルミ
ストが空気から分離され、クランクケースカバー17あ
るいは仕切板75を伝って落下し、オイルパンに回収さ
れ、潤滑油の回収効率を向上できる。
【0114】なお、上記潤滑油補給構造及び潤滑油回収
構造は、V型エンジンに限らず、シリンダ部が1つだけ
の直列型エンジンにも勿論適用可能である。
【0115】図23は、カムスプロケット32a,32
bの配置構造の変形例であり、この例ではカムスプロケ
ット32a,32bの両方ともVバンクの内側に位置す
る吸気カム軸21a,21aに取り付けている。これに
より左,右シリンダ部12a,12bの何れも外方への
張り出し量が小さくなり、カウリング11の左右幅を小
型化できる。
【0116】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係る4サ
イクル船外機の補機類配置構造によれば、4サイクルエ
ンジンをシリンダヘッドを船体後側に向けるとともに縦
置きに配置し、クランク軸を挟んでシリンダヘッドと反
対側の前側空間に補機類を配置したので、シリンダヘッ
ドが船体後側に位置することによる重心の後側偏位を補
機類の前側配置により補正することができ、重量バラン
スを良好にできる効果があり、また大型のシリンダヘッ
ドと反対側に補機類を配置するようにしたので、配置ス
ペースの確保が容易である。また、前側空間に補機類を
配置したことにより前後方向の重量バランスが得られる
とともに、該前側空間の下部にスタータモータを、上部
に発電機をそれぞれ配置したので、上下方向の重量バラ
ンスも得られる効果がある。そしてこの場合、クランク
軸下端にリングギヤを有するフライホイールを、上端に
駆動プーリを配置し、前側空間の下部にスタータモータ
を、上部に発電機を配置したので、スタータモータから
リングギヤへの動力伝達機構,及びクランク軸から発電
機への動力伝達機構が共に極めて簡単な構造となる。
【0117】請求項2の発明によれば、V型エンジンの
場合に補機類をクランク軸を挟んでVバンクと反対側の
前側空間に配置したので、上記重心の後側偏位がより大
きくなるところを補機類の配置で補正できる効果があ
り、またV型エンジンの場合にはシリンダヘッドの幅が
広くなることから、前側空間に補機類を配置することが
スペース確保上、より有利となる。
【0118】
【0119】請求項3の発明によれば、船外機の旋回中
心線がクランク軸より前側に位置している場合に、補機
類を該旋回中心線より前側に配置したので、上記重量バ
ランスの補正効果が大きくなる。即ち、4サイクルエン
ジンの場合に旋回中心線をクランク軸より前側に設定し
た場合には、より一層後側ヘビーの状態となり、従って
補機類を旋回中心線より前側に配置することにより重量
バランスをとることはより意味のあることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による船外機の左側面図で
ある。
【図2】上記船外機の平面図である。
【図3】上記船外機の平面図である。
【図4】上記船外機の平面図である。
【図5】上記船外機のチェンカバーを外した状態の平面
図である。
【図6】上記船外機の上端部のオイル通路を示す平面図
である。
【図7】上記船外機の断面平面図である。
【図8】上記船外機のスタータモータ部分の断面平面図
である。
【図9】上記船外機の吸気系の一部断面背面図である。
【図10】上記船外機のカム軸配置状態を示す背面図で
ある。
【図11】上記船外機の吸気系の断面左側面図である。
【図12】上記船外機の断面左側面図である。
【図13】図12のXIII-XIII 線矢視図である。
【図14】上記船外機の潤滑油, 冷却水の流れを説明す
るための図である。
【図15】図12のXV-XV 線断面図である。
【図16】図12のXVI-XVI 線断面図である。
【図17】図12のXVII-XVII 線矢視図である。
【図18】上記船外機の排気系のエキゾーストガイド部
分の断面左側面図である。
【図19】上記船外機のオイルパン,マフラ部分の断面
左側面図である。
【図20】上記船外機の排気系の排気マニホールド部分
の断面左側面図である。
【図21】上記船外機の排気系のジョイント部分の断面
背面図である。
【図22】上記船外機の吸気装置のサージタンク部分の
変形例を示す断面平面図である。
【図23】上記船外機のカムスプロケットの配置の変形
例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 船外機 2 船体 6 旋回中心線 10 4サイクルエンジン 12a,12b シリンダ部 16 クランク軸 18a,18b シリンダヘッド 47 発電機 47b 従動プーリ 50 伝動ベルト 51 駆動プーリ 52 スタータモータ 53 フライホイール 53a リングギヤ G 前側空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 67/00 F02B 67/06 F02B 61/04 B63H 20/00 F02N 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4サイクルエンジンを航走時にクランク
    軸が略垂直をなよう縦置に配置した4サイクル船外機の
    補機類配置構造において、シリンダヘッドを船体後方に
    向けるとともに、クランク軸を挟んでシリンダヘッドと
    反対側の前側空間に補機類を配置し、クランク軸の下端
    に接続されたフライホイール外周のリングギヤを回転駆
    動するスタータモータを上記前側空間の下部に、駆動軸
    を下方に向けて配置するとともに該駆動軸に形成された
    駆動ギヤを上記リングギヤに噛合させ、クランク軸の上
    端に装着された駆動プーリにより駆動される発電機を上
    記前側空間の上部に、従動軸を上方に向けて配置すると
    ともに該従動軸に装着された従動プーリを上記駆動プー
    リに伝動ベルトで連結したことを特徴とする4サイクル
    船外機の補機類配置構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記エンジンが、気
    筒が形成されたシリンダ部をV字形(Vバンク)をなす
    ように配置してなるV型エンジンであり、上記補機類が
    クランク軸を挟んでVバンクと反対側の前側空間に配置
    されていることを特徴とする4サイクル船外機の補機類
    配置構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該船外機の旋
    回中心線がクランク軸より前側に位置しており、上記補
    機類が旋回中心より前側に位置する上記前側空間に配置
    されていることを特徴とする4サイクル船外機の補機類
    配置構造。
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