JPS585042Y2 - 横型エンジンにおける潤滑装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、横型エンジンにおける潤滑装置に関し、送
油ポンプをギヤケース側に配設したものに関する。

この種のエンジンでは、クランク軸がころがり軸受を介
してクランクケースに支持されており、この軸受に隣接
してクランクギヤが装着されている。

従って、クランクピン部に通じるクランク軸内の油路は
、同軸のフライホイル側でクランクケース壁に設けた油
路に連通される。

このため、フライホイルをクランクケース接近して設け
るために、送油ポンプをギヤケース側に配設したもので
は、オイルパンやクランクケースにギヤケースからフラ
イホイル側に亘る長い油路を形成しなければならず、ク
ランクケースなどに油路形成用のボスを収めるスペース
を特別に設けねばならない。

又ボス形成分だけクランクケース重量が増加し、そのう
え油路穴の加工費が高く付くなどの欠点がある。

この考案は上記のような欠点を解消するものである。

そのために本考案者は、カム軸がクランクケースのギヤ
ケース側とフライホイル側との両側壁に直接支持さｈて
いる点に着眼し、このカム軸内に軸心に沿う通油路を形
成して、この通油路を動弁部潤滑用油路ｌＬ連通させ、
□これを介して圧送油をフライホイル側に送給するよう
にした。

以下この考案の実施例を図面に基き説明する。

第１図は横型ディーゼルエンジンにおいて特に潤滑油路
構造を表わした要部断面図、第２図は第１図■−■線断
面図である。

図においてエンジンは、クランクケース１、ヘッドブロ
ック２、ギヤケース３などの外殻構造体と、これらの内
部に収容される、クランク＄１１１４、カム軸５、動弁
装置６、調時ギヤ群７、及び由外のピストンなどの運動
部材とで構成されている。

上記の運動部材の潤滑を行うために、強制潤滑装置Ｒが
設けられている。

この装置Ｒは、ギヤケ−ス３の前壁３ａに装着され、カ
ム軸５で駆動されるトロコイド型の送油ポンプ８と、同
前壁３ａの底部に固定され、クランクケース１の底部に
臨むストレーナ９と、圧力調整弁１０と、潤滑油圧を監
視するインジケータ１１と、これらの各部材同士及びこ
れらとエンジンの各潤滑個所を連通ずる油路とで構成さ
れている。

この油路は、第１油路Ｐ１〜第７油路Ｐ７に大別される
。

ストレーナ９と送油ポンプ８とを連通ずる第１の油路Ｐ
１と、送油ポンプ８と、圧力調整弁１０と、インジケー
タ１１とを連通ずる第２の油路Ｐ２とは、ギヤケース３
の前壁３ａに形成されている。

１２はアイドルギヤ７ａを支持する固定軸で、この内部
を軸心方向に貫通して、第３の油路Ｐ３が形成されてい
る。

この固定軸１２は基端がクランクケース１に固定されて
おり、その突端が前壁３ａの内面に膨出したボス穴３ｂ
内に油密状に挿嵌５されている。

この第３の油路Ｐ３によって、第２の油路Ｐ２と、クラ
ンクケース１の前壁を縦通して形成される第４の油路Ｐ
４．とが連通されている。

第４の油路Ｐ４の終端は、動弁装置６の油路と連通され
ている。

第５の油路Ｐ５は、クランクケース１の前後両壁間に軸
架されるカム軸５の内部に形成される。

この油路Ｐ５は、カム軸５の前部ジャーナル周に形成し
た溝１３を介して第４の油路Ｐ４と連通されており、又
これに連続する第６の油路Ｐ６とは、カム軸５の後部ジ
ャーナル端に臨む油室１４を介して連通されている。

油室１４１、はカム軸５の中心からクランク軸４寄りに
偏寄して形成されている。

第６の油路Ｐ６は、油室１４．の開口面を被蓋するベア
リングケース１５と、このケース１５の外面に固定され
るオイルシールケース１６と、このケース１６に内嵌さ
れ、クランク軸４に外嵌する継手ブロック１７との、各
部材の内部に形成された油路同士を連通して構成されて
いる。

クランク軸４の内部に形成される第７の油路Ｐ７は、上
記の継手ブロック１７に達した潤滑油をクランクピン部
４ａに導く。

図中符号１８は燃料噴射ポンプ、１９は始動軸、２０は
バランサ軸、２１はフライホイル、２２は図外の冷却フ
ァンプーリに動力を伝達する駆動プーリ、２３は前後一
対のころがり軸受で構成したメインベアリングである。

第１図及び第２図において、想像線で示すものは、第２
油路Ｐ２〜第５油路Ｐ５と第６油路Ｐ６の一部に該当す
る従来油路Ｐである。

尚上記実施例で説明したように、油室１４をクランク軸
４側に偏寄して形成すると、同室１４に連通する油路を
形成したオイルシールケース１６の外郭を１．駆動プー
リ２２の回転軌跡内の空間内に収める事ができ、その分
、フライホイル２１をクランクケース１に近付けて設け
る事ができる。

上記の実施例においては、固定軸１２に第３の油路Ｐ３
を形成したが、必ずしもこれに限るものではなく、同油
路Ｐ３は回転軸を利用して形成してもよい。

この場合は、第２の油路Ｐ２と回転軸の遊端との間をメ
カニカルシールで連結すると良い。

以上説明したようにこの考案では、送油ポンプをギヤケ
ース側に配設した横型エンジンにおいて、ギヤケース側
からフライホイル側に亘ってクランクケースを横断する
油路を、同ケースに支持されるカム軸の内部に形成する
ようにしたので、同油路をオイルパンやクランクケース
に形成していた従来のものに比段、油路形成のためのボ
スを省略する事ができ、その分クランクケースを小形で
軽量にできる。

又、クランクケースに比べて小形で軽いカム軸に油路を
形成するので、加工時の取扱いが容易であり、必要とす
る油路長も短くて済むため油路穴の加工費を低減する事
ができる。

しかも、カム軸に形成した横断油路を動弁部潤滑用油路
に連通連結しているから、動弁部潤滑用油路が横断油路
への渡し油路を兼ねるうえ、動弁部用潤滑油路への潤滑
油供給をクランクケースとギヤケースとの間に軸架した
アイドルギヤ支持軸内の油路で行うようにしていること
から、動弁部へ送給する温浴油路がアイドルギヤ支持部
の潤滑を兼ねることになり、全体としての潤滑系の構成
が簡素化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示すエンジンの要部断面図
、第２図は第１図■−■線断面図である。 １・・・・・・クランクケース、３・・・・・・ギヤケ
ース、４・・・・・・クランク軸、４ａ・・・・・・ピ
ン部、５・・・・・・カム軸、８・・・・・・送油ポン
プ、２１・・・・・・フライホイル、２３・・・・・・
ころがり軸受、Ｐ５・・・・・・１を横断する油路（第
５油路）、 Ｐ７・・・・・・ピン部潤滑用油路（第７油路）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランクケース１にころがり軸受２３を介してクランク
   軸４を支持させ、クランクケース１の一側にギヤケース
   ３を、他側に□フライホイル２１をそれぞれ配設し、潤
   滑油送油ポンプ８をギヤケース３側に配設し、この送油
   ポンプ８から送給される潤滑油を、クランクケース１の
   フライホイル２１側の壁に導いて、同壁側でクランク軸
   ４内のピン部潤滑用油路Ｐ７に送給するように構成した
   横型エンジンにおいて、ギヤケース３に透設した潤滑油
   路Ｐ２とクランクケース１のギヤケース固定側壁に透設
   した動弁部潤滑用油路Ｐ４とを、クランクケース１とギ
   ヤケース３との間に軸架したアイドルギヤ支持軸１２内
   に形成した油路ｐ３で連通させ、クランクケース１の前
   後両壁間に軸架されるカム軸５内にクランクケース１の
   ギヤケース３側からフライホイル２１側に横断する油路
   Ｐ５を形成し、この横断油路Ｐ５ｔ−動弁部潤滑用油路
   Ｐ４に連通させたことを特徴と、する横型エンジンにお
   ける潤滑装置。