JPH06346714A - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

エンジンの潤滑装置

Info

Publication number
JPH06346714A
JPH06346714A JP13864793A JP13864793A JPH06346714A JP H06346714 A JPH06346714 A JP H06346714A JP 13864793 A JP13864793 A JP 13864793A JP 13864793 A JP13864793 A JP 13864793A JP H06346714 A JPH06346714 A JP H06346714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
engine
crankshaft
cam chain
connecting rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13864793A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kurata
光次 倉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP13864793A priority Critical patent/JPH06346714A/ja
Publication of JPH06346714A publication Critical patent/JPH06346714A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】クランクシャフトの強度を低下させることなく
クランクピンとコンロッドの大端部との摺接面を潤滑可
能にする一方、エンジンの小型化が図れるエンジンの潤
滑装置を提供するにある。 【構成】エンジンのクランクシャフト41に固着される
ボールベアリング60Rの両側をシール装置83(8
4,85)で塞ぎ、上記ボールベアリング60Rのアウ
ターレース62とインナーレース63との間の空間をオ
イル溜まり65とする一方、クランクピン45の内部に
オイル通路57を形成し、上記シール装置の一方84に
上記オイル溜まり65と上記オイル通路57とを連通さ
せる手段89を設け、上記シール装置の他方85に外部
からオイルを導入する手段90,91を設けたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの潤滑装置に係
り、特に、クランクシャフト系を潤滑するエンジンの潤
滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン内に設けられるクランクシャフ
トは、ピストンに与えられた燃焼による爆発力を往復運
動から回転運動に変換するものであり、通常ピストンの
往復運動は、コンロッド(コネクティングロッド)によ
りクランクシャフトに伝達される。
【0003】例えば、Vベルト式自動変速装置を備えた
4サイクル単気筒エンジン1内に搭載されるクランクシ
ャフト2は、図7に示すように、クランクジャーナル3
と、クランクアーム4とから構成され、クランクアーム
4の一端にはバランスウェイト5が設けられる一方、ク
ランクアーム4の他端にはクランクピン6が設けられて
いる。
【0004】上記クランクピン6には、メタルベアリン
グ7を介してコンロッド8の大端部9が連結されてい
る。また、上記コンロッド8の小端部10は、ピストン
ピン11を介してピストン12が連結されている。この
ピストン12がシリンダライナ13内を図の上下方向に
往復運動するようになっている。
【0005】さらに、上記クランクシャフト2のクラン
クアーム4の左側には、スタータクラッチ14がニード
ルベアリング15を介して設けられている。
【0006】そして、上記クランクシャフト2は、この
クランクシャフト2に左右から圧入されて組付けられた
ボールベアリング16R,16Lに軸支されている。
【0007】上記クランクピン6とコンロッド大端部9
との摺接面、および上記ピストンピン11とコンロッド
小端部10との摺接面は、高速回転をする上に大きな負
荷が掛かるため、絶えず潤滑をする必要がある。また、
ピストン12もシリンダライナ13内に摺接しており高
速で摺動するため、絶えず潤滑をする必要がある。そこ
で、一般的には、上記クランクシャフト2内とクランク
ピン6内とにオイル通路17a…17eを形成し、外部
から供給されたオイルをこれらのオイル通路17a…1
7eから上記摺接面に導いている。同様に、クランクシ
ャフト2と上記スタータクラッチ14のニードルベアリ
ング15との摺接面にもオイル通路17fを形成してオ
イルを導いている。また、コンロッド小端部10および
シリンダライナ13内へは、コンロッド大端部9を潤滑
した後に飛散したオイルが用いられている(図7の矢印
参照)。
【0008】通常、外部からクランクシャフト2内にオ
イルを供給するには、上記左側ベアリング16Lの左側
に二つのオイルシール18a,18bによりオイル案内
路19を形成し、オイルはこのオイル案内路19を経由
してクランクシャフト2内およびクランクピン6内のの
オイル通路17a…17fに導かれている。
【0009】ところで、クランクシャフト2の左端部に
は、Vベルト式自動変速装置20の一部を構成するドラ
イブプーリ21が設けられ、また、クランクシャフト2
の右端部には充電装置の一部を構成するオルタネータ2
2およびエンジン冷却系の一部を構成する冷却ファン2
3が設けられる。
【0010】上記クランクシャフト2のクランクアーム
4の右側、上記オルタネータ22の手前には、オイルシ
ール18cが設けられ、上記オイル案内路19を形成す
る二つのオイルシール18a,18bと共にクランクシ
ャフト2のクランクアーム4が位置する空間(クランク
室)24を液密に保っている。
【0011】ところで、上記右側ベアリング16Rの右
側のクランクシャフト2上には動弁機構であるカムシャ
フトを駆動させるカムチェーンドライブスプロケット2
5が設けられており、カムチェーン26により上記カム
シャフトに連結される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ようにクランクシャフト2内にオイル通路17a…を形
成する場合、通路の数が多く必要だったり、通路の長さ
が長くなるなど加工が複雑になりコストアップの要因に
なりやすい。また、クランクシャフト2内にオイル通路
17a…を形成するとクランクシャフト2の強度が不足
しがちになり好ましくない。
【0013】また、オイル案内路19を二つのオイルシ
ール18a,18bで形成する場合、クランクシャフト
2に形成されるオイル通路17a…の径を大きくした
り、オイル通路17a…の数を増やすのはクランクシャ
フト2の強度上困難なため、オイル通路17a…の径は
小さくなり、上記オイルシール18a,18bはオイル
を確実にシールしてオイル通路17a…内に送り込まな
ければクランクシャフト2内のオイルの量が不足してし
まう。
【0014】さらに、外気温度が低く、オイルの粘度が
高い場合、エンジン1始動直後のオイル案内路19内の
オイルの油圧は高くなるため、オイルシール18a,1
8bからオイルが漏れるのは防げず、上述したオイルシ
ール18a,18bの配置では漏れたオイルがドライブ
プーリ21に付着する恐れがあり、Vベルト27が滑る
など好ましくない。
【0015】さらにまた、左側ベアリング16Lの左側
にオイル案内路19を二つのオイルシール18a,18
bで形成すると、このオイル案内路19の幅の分ドライ
ブプーリ21が左側に突出し、その結果、エンジン1の
全幅が大きくなる一方、ドライブプーリ21が左側に突
出する分Vベルト27が左側ベアリング16Lから離
れ、振動が不利となる。
【0016】そして、ドライブプーリ21が左側に突出
する分左側ベアリング16Lにかかる負担が大きくなる
ので左側ベアリング16Lの負荷容量を上げるために左
側ベアリング16Lのサイズを大型化する必要があり、
その結果、エンジン1も大型化してしまう。
【0017】一方、クランクシャフト2とニードルベア
リング15との摺接面にオイル通路17fを形成してオ
イルを導くと、クランクシャフト2とニードルベアリン
グ15との面圧が上がってしまい好ましくない。
【0018】また、従来、カムチェーンドライブスプロ
ケット25およびカムチェーン26には充分な潤滑が行
われておらず、カムチェーン26の性能を上げて自己潤
滑性を良くしていただけであるが、カムチェーン26の
小型化に伴ってカムチェーンドライブスプロケット25
との面圧が高くなり、従来以上に噛合い部の潤滑を考慮
する必要がある。
【0019】さらに、コンロッド小端部10およびシリ
ンダライナ13内の潤滑にコンロッド大端部9を潤滑し
た後に飛散したオイルを用いても、オイルの供給量は少
なく、充分な潤滑効果が得られない。
【0020】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、クランクシャフトの強度を低下させることなく
クランクピンとコンロッドの大端部との摺接面を潤滑可
能にする一方、エンジンの小型化が図れるエンジンの潤
滑装置を提供することを目的とする。
【0021】この発明の他の目的は、面圧を上げること
なくクランクシャフトとニードルベアリングとの摺接面
を潤滑可能なエンジンの潤滑装置を提供するにある。
【0022】さらに、この発明の他の目的は、カムチェ
ーンドライブスプロケットおよびカムチェーンに充分な
潤滑が行えるエンジンの潤滑装置を提供するにある。
【0023】この発明の別の目的は、コンロッドの小端
部およびシリンダライナ内に充分な潤滑が行えるエンジ
ンの潤滑装置を提供するにある。
【0024】さらにこの発明の別の目的は、コンロッド
の小端部およびシリンダライナ内に充分な量のオイルを
供給できるエンジンの潤滑装置を提供するにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエンジンの
潤滑装置は、上述した課題を解決するために、請求項1
に記載したように、エンジンのクランクシャフトに固着
されるボールベアリングの両側をシール装置で塞ぎ、上
記ボールベアリングのアウターレースとインナーレース
との間の空間をオイル溜まりとする一方、クランクピン
の内部にオイル通路を形成し、上記シール装置の一方に
上記オイル溜まりと上記オイル通路とを連通させる手段
を設け、上記シール装置の他方に外部からオイルを導入
する手段を設けたものである。
【0026】また、上述した課題を解決するために、請
求項2に記載したように、上記クランクピン内部のオイ
ル通路に、オイルを分配する手段を設けたものである。
【0027】さらに、上述した課題を解決するために、
請求項3に記載したように、動弁機構を備えたエンジン
において、上記動弁装置を駆動するカムチェーンドライ
ブスプロケットとカムチェーンは上記シール装置に隣接
して設けられ、上記シール装置から漏洩したオイルによ
って上記カムチェーンドライブスプロケットとカムチェ
ーンとを潤滑したものである。
【0028】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、請求項4に記載したように、上記シール装置から漏
洩したオイルによってコンロッドの小端部とシリンダラ
イナ内とを潤滑したものである。
【0029】そして、上述した課題を解決するために、
請求項5に記載したように、上記シール装置に、上記コ
ンロッドの小端部とシリンダライナ内とにオイルを供給
する手段を設けたものである。
【0030】
【作用】上記の構成を有する本発明においては、エンジ
ンのクランクシャフトに固着されるボールベアリングの
両側をシール装置で塞ぎ、上記ボールベアリングのアウ
ターレースとインナーレースとの間の空間をオイル溜ま
りとする一方、クランクピンの内部にオイル通路を形成
し、上記シール装置の一方に上記オイル溜まりと上記オ
イル通路とを連通させる手段を設け、上記シール装置の
他方に外部からオイルを導入する手段を設けたため、ク
ランクシャフトの強度を低下させることなくクランクピ
ンとコンロッドの大端部との摺接面を潤滑可能にする一
方、エンジンの小型化が図れる。
【0031】また、上記クランクピン内部のオイル通路
に、オイルを分配する手段を設けたため、面圧を上げる
ことなくクランクシャフトとニードルベアリングとの摺
接面を潤滑可能になる。
【0032】さらに、動弁機構を備えたエンジンにおい
て、上記動弁装置を駆動するカムチェーンドライブスプ
ロケットとカムチェーンは上記シール装置に隣接して設
けられ、上記シール装置から漏洩したオイルによって上
記カムチェーンドライブスプロケットとカムチェーンと
を潤滑したため、カムチェーンドライブスプロケットお
よびカムチェーンが充分に潤滑される。
【0033】さらにまた、上記シール装置から漏洩した
オイルによってコンロッドの小端部とシリンダライナ内
とを潤滑したため、コンロッドの小端部およびシリンダ
ライナ内が充分に潤滑される。
【0034】そして、上記シール装置に、上記コンロッ
ドの小端部とシリンダライナ内とにオイルを供給する手
段を設けたため、コンロッドの小端部およびシリンダラ
イナ内に充分な量のオイルを供給できる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0036】図1は、この発明を適用したVベルト式自
動変速装置を備えた自動二輪車用4サイクル単気筒エン
ジンユニットの一例を示す水平断面図である。そして、
図2は、上記エンジンユニットの要部を拡大した図であ
る。
【0037】図1および図2において、このエンジンユ
ニット30の前部にエンジン31が搭載される。このエ
ンジン31は、主にクランクケース32、シリンダ33
およびシリンダヘッド34から構成される。また、上記
シリンダ33内にはシリンダライナ35が嵌装される。
そして、上記クランクケース32内は、隔壁36a,3
6b,36cによりベルト室37と、クランク室38
と、カムチェーン室と、マグネト室40とに区画され
る。
【0038】上記クランクケース32内にはクランクシ
ャフト41が車両の進行方向に対して直角に配置され
る。このクランクシャフト41は、例えば左右に分割さ
れたもので、便宜上、それぞれを右側クランクシャフト
41Rおよび左側クランクシャフト41Lと称す。それ
ぞれのクランクシャフト41R,41Lは、クランクア
ーム42R,42Lとクランクジャーナル43R,43
Lとから構成される。
【0039】クランクアーム42R,42Lは、それら
の一端にバランスウェイト44R,44Lを形成する一
方、他端には後述するクランクピン45を嵌装する嵌装
口46R,46Lが形成される。
【0040】それぞれのクランクシャフト41R,41
Lはクランクピン45により接続され、一体化される。
このクランクピン45には、メタルベアリング47を介
してコンロッド48の大端部49が連結される。また、
上記コンロッド48の小端部50には、ピストンピン5
1を介してピストン52が連結される。このピストン5
2が上記シリンダ33のシリンダライナ35内を往復
し、この往復ストロークが上記コンロッド48を介して
クランクシャフト41に伝達され、クランクシャフト4
1を回転運動させる。
【0041】前記左側クランクアーム42L左側のクラ
ンクシャフト41上にはスタータクラッチ53がニード
ルベアリング54を介して設けられる。このスタータク
ラッチ53にはドリブンギヤ55が設けられ、このドリ
ブンギヤ55は、アイドルギヤ56を介して図示しない
スタータモータのドライブギヤに連結される。スタータ
クラッチ53は、エンジン31始動時に上記スタータモ
ータの動力をクランクシャフト41に伝達をする機能を
持ち、エンジン31始動後には、自動的に断絶されるよ
うになっている。
【0042】前記クランクピン45は、その中央にオイ
ル通路57が穿設される。また、このオイル通路57の
中央部から上記クランクピン45外周面の上記メタルベ
アリング47に対応する部位と、上記クランクピン45
と上記スタータクラッチ53とが接する部位に向かって
オイルを分配する手段であるオイル分配路58a,58
bがそれぞれ穿設される。なお、クランクピン45によ
り接続されたクランクアーム42R,42Lをクランク
部59と称し、このクランク部59は前記クランク室3
8内に収容される。
【0043】前記クランクジャーナル43R,43Lに
はそれぞれボールベアリング60R,60Lが圧入され
る。
【0044】図3(a)および(b)は、上記ボールベ
アリング60R,60Lの正面図およびI−I線に沿う
断面図である。
【0045】ボールベアリング60R,60Lは、ボー
ル61が上下からそれぞれアウターレース62とインナ
ーレース63とにより挟持される一方、左右をリテイナ
64によって挟持される構造である。そして、アウター
レース62とインナーレース63との間の空間には、オ
イル溜まり65が形成される。
【0046】ボールベアリング60R,60Lは、上述
した構造により、アウターレース62とインナーレース
63とが相対的に回転し、軸受としての機能を果たして
いる。一般に、アウターレース62またはインナーレー
ス63のどちらか一方を固定側に、そして他方を回転側
に固着するようになっている。本案では、アウターレー
ス62を前記クランクケース32内の隔壁36a,36
bに固定し、そしてインナーレース63を前記クランク
ジャーナル43R,43Lに圧入して固着することによ
り、上記クランクシャフト41を回転自在に支持する。
【0047】図1および図2において、上記クランクシ
ャフト41の左端部側、つまりベルト室37内には、V
ベルト式自動変速装置66のドライブプーリ67が取り
付けられており、Vベルト68を介してVベルト式自動
変速装置66のドリブンプーリ69にエンジン31の回
転力を伝達する。
【0048】上記ドリブンプーリ69は、エンジンユニ
ット30の後方部に設けられたドリブンシャフト70に
回転自在に支持されており、上記ドリブンプーリ69に
伝達されたエンジン31の回転力は遠心クラッチ機構7
1を介してドリブンシャフト70に伝達される。
【0049】このドリブンシャフト70は、減速歯車機
構であり動力伝達装置でもあるミッション機構72を通
じて後輪シャフト73に連結され、このミッション機構
72を介して後輪74にエンジン31の回転が伝えられ
るようになっている。
【0050】一方、クランクシャフト41の右端部側、
つまりマグネト室40内には充電装置の一部を構成する
オルタネータ75およびエンジン冷却系の一部を構成す
る冷却ファン76が設けられる。
【0051】上記オルタネータ75は、フタイホイール
マグネト75aと、ステータ75bとから構成される。
このオルタネータ75は、クランクシャフト41に接続
されたステータ75bが回転することにより発電し、車
体各部に送電している。
【0052】また、上記エンジン31のシリンダ33お
よび冷却ファン76はカウリング77によって覆われて
いる。エンジン31は、クランクシャフト41に接続さ
れた冷却ファン76が回転することにより外気をカウリ
ング77内に導入してシリンダ33回りを冷却する。
【0053】上記オルタネータ75と右側ボールベアリ
ング60Rとの間、つまりカムチェーン室39内のクラ
ンクシャフト41上にはカムチェーンドライブスプロケ
ット78が設けられる。一方、前記シリンダヘッド34
内には動弁機構79が設けられる。動弁機構79の一部
を構成するカムシャフト80の一端にはカムスプロケッ
ト81が設けられ、このカムスプロケット81はカムチ
ェーン82によって前記カムチェーンドライブスプロケ
ット78と連結される。そして、クランクシャフト41
の回転がカムシャフト80に伝達されることにより、動
弁機構79が作動される。
【0054】前記右側ボールベアリング60Rの両側に
はシール装置83が設けられる。このシール装置83
は、内側シールプレート84と外側シールプレート85
とから構成される。
【0055】図4(a)および(b)は、上記内側シー
ルプレート84の正面図およびII−II線に沿う断面
図であり、図5(a)および(b)は、上記外側シール
プレート85の正面図およびIII−III線に沿う断
面図である。
【0056】内側シールプレート84は、例えば円形の
鋼板の中央部を開口してドーナツ状に成形したもので、
内側シールプレート84の外側には内周面に沿って環状
の凸部86が形成される。
【0057】一方、外側シールプレート85は、例えば
円形の鋼板の中央部を開口してドーナツ状に成形したも
ので、外側シールプレート85の外周面には取付け用の
フランジ87が複数個設けられる一方、外側シールプレ
ート85の内側には内周面に沿って環状の凹部88が形
成される。
【0058】図2に示すように、内側シールプレート8
4は、右側クランクアーム42Rと、右側ボールベアリ
ング60Rとの間に介装される。そして、上記クランク
ピン45内に形成されたオイル通路57の右側開口部5
7aと、上記オイル溜まり65とに対応する部位には、
上記オイル通路57と、上記オイル溜まり65とを連通
させる手段であるオイル連通口89が形成される。ま
た、内側シールプレート84外側の凸部86は、上記オ
イル溜まり65を液密に塞ぐ。
【0059】一方、上記外側シールプレート85の内側
も上記オイル溜まり65を液密に塞ぐ。また、外側シー
ルプレート85下部の上記オイル溜まり65に対応する
部位にはオイルを導入する手段であるオイル導入口90
が穿設され、このオイル導入口90にはオイルを導入す
る手段であるオイルパイプ91の一端が接続される。そ
して、このオイルパイプ91の他端は図示しないオイル
ポンプに接続される。
【0060】なお、前記ベルト室37とクランク室38
とを区画する隔壁36aおよびカムチェーン室39とマ
グネト室40とを区画する隔壁36cにはオイルシール
92a,92bがそれぞれ設けられる。そしてこれらの
オイルシール92a,92bは、コの字の開放側が油圧
の掛かるほうに向かって設置される。
【0061】次に、本実施例の作用について説明する。
【0062】エンジン31が始動されると、エンジン3
1の回転力により図示しないオイルポンプが駆動され、
エンジン31各部へオイルが圧送される。オイルの一部
は、オイルを導入する手段であるオイルパイプ91から
シール装置83である外側シールプレート85下部に設
けられたオイルを導入する手段であるオイル導入口90
を経て右側ボールベアリング60Rのオイル溜まり65
に導入される。
【0063】オイル溜まり65に導入されたオイルは、
シール装置83である内側シールプレート84上部に設
けられたオイル溜まり65とオイル通路57とを連通さ
せる手段であるオイル連通口89を経てクランクピン4
5内のオイル通路57に案内される。その後、オイルを
分配する手段であるオイル分配路58a,58bにより
クランクピン45外周面のメタルベアリング47に対応
する部位からコンロッド大端部49に、また、クランク
ピン45とスタータクラッチ53とが接する部位からニ
ードルベアリング54に供給される。
【0064】上述したように、本案では従来のようにク
ランクシャフト41内にオイル通路を設ける必要がない
ため、クランクシャフト41の強度を低下させることが
なく、また、加工作業を必要としないので製作コストが
低減できる。
【0065】また、本案では、右側ボールベアリング6
0Rの左右にシール装置83(84,85)を設け、こ
れより右側ボールベアリング60R内を経てクランクピ
ン45内にオイルを導入するようにしたため、従来のよ
うにオイルシール92a,92bでオイルの案内路を形
成する必要がなく、その分ドライブプーリ67が左側に
突出することがない。その結果、エンジン31の横幅が
小さくなる。また、左側ボールベアリング60Lへの負
担も軽くなって左側ベアリング60Lのサイズを大型化
する必要もなく、全体的にエンジン31の小型化が可能
になる。さらに、Vベルト68が左側ボールベアリング
60Lに近付くため、振動も低減する。
【0066】さらにまた、オイル分配路58a,58b
は、従来のようにニードルベアリング54との接触面に
開口していないため、ニードルベアリング54とクラン
クシャフト41との面圧を下げることができる。
【0067】ところで、上記右側ボールベアリング60
R内のオイル溜まり65に圧送されたオイルの一部は、
どうしてもシール装置83から漏洩してしまう。
【0068】本案では、このシール装置83の外側シー
ルプレート85にカムチェーンドライブスプロケット7
8を隣接して配置したので、外側シールプレート85か
ら漏洩したオイルを外側シールプレート85の内側に形
成された凹部88から積極的に導くことによりカムチェ
ーンドライブスプロケット78とカムチェーン82とを
充分に潤滑できる。
【0069】また、内側シールプレート84から漏洩し
たオイルは、クランク部59の遠心力によりピストン5
2の方向へ飛散するので、コンロッド48の小端部50
およびシリンダライナ35内を充分潤滑できる。
【0070】さらに、図6に示すように、右側ボールベ
アリング160Rのアウターレース162とクランクケ
ースの隔壁136bとの間にラビリンスシール190を
設ける一方、内側シールプレート184の外周部端部に
オイルを供給する手段であるオイル吐出穴191を設
け、オイル溜まり165から積極的にオイルの一部をク
ランク部159の遠心力によりピストン152の方向へ
飛散させることにより、コンロッド148の小端部15
0およびシリンダライナ135内がよりいっそう潤滑可
能となる。
【0071】なお、上述した実施例では、本発明を自動
二輪車用4サイクルエンジンに適用した例を示したが、
他の用途のエンジンにも適用可能であり、また、2サイ
クルエンジンにも適用可能である。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るエン
ジンの潤滑装置によれば、エンジンのクランクシャフト
に固着されるボールベアリングの両側をシール装置で塞
ぎ、上記ボールベアリングのアウターレースとインナー
レースとの間の空間をオイル溜まりとする一方、クラン
クピンの内部にオイル通路を形成し、上記シール装置の
一方に上記オイル溜まりと上記オイル通路とを連通させ
る手段を設け、上記シール装置の他方に外部からオイル
を導入する手段を設けたため、クランクシャフトの強度
を低下させることなくクランクピンとコンロッドの大端
部との摺接面を潤滑可能にする一方、エンジンの小型化
が図れる。
【0073】また、上記クランクピン内部のオイル通路
に、オイルを分配する手段を設けたため、面圧を上げる
ことなくクランクシャフトとニードルベアリングとの摺
接面を潤滑可能になる。
【0074】さらに、動弁機構を備えたエンジンにおい
て、上記動弁装置を駆動するカムチェーンドライブスプ
ロケットとカムチェーンは上記シール装置に隣接して設
けられ、上記シール装置から漏洩したオイルによって上
記カムチェーンドライブスプロケットとカムチェーンと
を潤滑したため、カムチェーンドライブスプロケットお
よびカムチェーンが充分に潤滑される。
【0075】さらにまた、上記シール装置から漏洩した
オイルによってコンロッドの小端部とシリンダライナ内
とを潤滑したため、コンロッドの小端部およびシリンダ
ライナ内が充分に潤滑される。
【0076】そして、上記シール装置に、上記コンロッ
ドの小端部とシリンダライナ内とにオイルを供給する手
段を設けたため、コンロッドの小端部およびシリンダラ
イナ内に充分な量のオイルを供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの潤滑装置の一実施例を
示す自動二輪車用4サイクル単気筒エンジンユニットの
水平断面図。
【図2】図1に示すエンジンユニットの要部を拡大した
図。
【図3】(a)および(b)は、ボールベアリングの正
面図およびI−I線に沿う断面図。
【図4】(a)および(b)は、内側シールプレートの
正面図およびII−II線に沿う断面図。
【図5】(a)および(b)は、上記外側シールプレー
トの正面図およびIII −III 線に沿う断面図。
【図6】コンロッドの小端部とシリンダライナ内とにオ
イルを供給する手段を示す図。
【図7】従来のエンジンユニットの要部を示す図。
【符号の説明】
30 エンジンユニット 31 エンジン 32 クランクケース 35 シリンダライナ 41 クランクシャフト 45 クランクピン 47 メタルベアリング 48 コンロッド 49 大端部 50 小端部 51 ピストンピン 52 ピストン 53 スタータクラッチ 54 ニードルベアリング 57 オイル通路 58a,58b オイル分配路(オイルを分配する手
段) 60R,60L ボールベアリング 62 アウターレース 63 インナーレース 65 オイル溜まり 78 カムチェーンドライブスプロケット 82 カムチェーン 83 シール装置 84 内側シールプレート(シール装置) 85 外側シールプレート(シール装置) 89 オイル連通口(オイルを連通させる手段 90 オイル導入口(オイルを導入する手段) 91 オイルパイプ(オイルを導入する手段) 190 ラビリンスシール 191 オイル吐出穴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランクシャフトに固着され
    るボールベアリングの両側をシール装置で塞ぎ、上記ボ
    ールベアリングのアウターレースとインナーレースとの
    間の空間をオイル溜まりとする一方、クランクピンの内
    部にオイル通路を形成し、上記シール装置の一方に上記
    オイル溜まりと上記オイル通路とを連通させる手段を設
    け、上記シール装置の他方に外部からオイルを導入する
    手段を設けたことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  2. 【請求項2】 上記クランクピン内部のオイル通路に、
    オイルを分配する手段を設けた請求項1記載のエンジン
    の潤滑装置。
  3. 【請求項3】 動弁機構を備えたエンジンにおいて、上
    記動弁装置を駆動するカムチェーンドライブスプロケッ
    トとカムチェーンは上記シール装置に隣接して設けら
    れ、上記シール装置から漏洩したオイルによって上記カ
    ムチェーンドライブスプロケットとカムチェーンとを潤
    滑した請求項1または2記載のエンジンの潤滑装置。
  4. 【請求項4】 上記シール装置から漏洩したオイルによ
    ってコンロッドの小端部とシリンダライナ内とを潤滑し
    た請求項1,2または3記載のエンジンの潤滑装置。
  5. 【請求項5】 上記シール装置に、上記コンロッドの小
    端部とシリンダライナ内とにオイルを供給する手段を設
    けた請求項1,2,3または4記載のエンジンの潤滑装
    置。
JP13864793A 1993-06-10 1993-06-10 エンジンの潤滑装置 Pending JPH06346714A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13864793A JPH06346714A (ja) 1993-06-10 1993-06-10 エンジンの潤滑装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13864793A JPH06346714A (ja) 1993-06-10 1993-06-10 エンジンの潤滑装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06346714A true JPH06346714A (ja) 1994-12-20

Family

ID=15226887

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13864793A Pending JPH06346714A (ja) 1993-06-10 1993-06-10 エンジンの潤滑装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06346714A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102140946A (zh) * 2011-03-31 2011-08-03 力帆实业(集团)股份有限公司 沙滩车发动机连杆大头滚针的润滑结构

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102140946A (zh) * 2011-03-31 2011-08-03 力帆实业(集团)股份有限公司 沙滩车发动机连杆大头滚针的润滑结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4856486A (en) Internal combustion engine
US6497211B2 (en) Lubrication structure of power unit
US5511523A (en) Lubricating system for engine
JP2002276318A (ja) エンジンの潤滑装置配置構造
US5253547A (en) Balancer device for in-line engine
JP3435143B2 (ja) オーバヘッドカム型v型エンジン
US4793301A (en) Lubricating system for an internal combustion engine
JP2000087717A (ja) 4サイクルエンジンのクランク軸廻り構造
US5893346A (en) Engine balance shaft
JPH06346714A (ja) エンジンの潤滑装置
JP3522244B2 (ja) 自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置
JP3139222B2 (ja) 自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置
JP2000104790A (ja) エンジンバランサの潤滑構造
JP3261808B2 (ja) エンジンの潤滑装置
JP3139219B2 (ja) 自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置
JPH0711924A (ja) エンジンの潤滑装置
JP2003201857A (ja) エンジンのオイルポンプ駆動装置におけるテンショナーの連結構造
JP2605001B2 (ja) 2サイクル内燃機関の潤滑装置
JPH0245457Y2 (ja)
JPH11117806A (ja) バランサシャフト付きエンジン
JP2841038B2 (ja) 2サイクルエンジンのクランク軸受潤滑装置
JPS585042Y2 (ja) 横型エンジンにおける潤滑装置
US2939548A (en) Blower housing and drive lubricating means
JPH0444927Y2 (ja)
JPH07116929B2 (ja) エンジンの潤滑装置