JP3261808B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents
エンジンの潤滑装置Info
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Description
り、特に、クランクシャフト系を潤滑するエンジンの潤
滑装置に関する。
トは、ピストンに与えられた燃焼による爆発力を往復運
動から回転運動に変換するものである。ピストンの往復
運動は、コンロッド(コネクティングロッド)によりク
ランクシャフトに伝達される。
動変速装置を備えた4サイクル単気筒エンジン1内に搭
載されるクランクシャフト2は、クランクジャーナル3
と、クランクアーム4とから構成され、クランクアーム
4の一端にはバランスウェイト5が設けられる一方、ク
ランクアーム4の他端にはクランクピン6が設けられて
いる。
グ7を介してコンロッド8の大端部9が連結されてい
る。また、上記コンロッド8の小端部10は、ピストン
ピン11を介してピストン12が連結されている。
ランクピン6を嵌装する嵌装口13を、例えばドリル等
で成形すると、上記クランクジャーナル3の外表面に切
欠部14が成形されてしまう。
アーム4の左側には、スタータクラッチ15がニードル
ベアリング16を介して設けられている。
クランクシャフト2に左右から圧入されて組付けられた
ボールベアリング17R,17Lに軸支されている。
との摺接面は、高速回転をする上に大きな負荷が掛かる
ため、絶えず潤滑をする必要がある。そこで、一般的に
は、上記クランクシャフト2内とクランクピン6内とに
オイル通路18a…18eを形成し、外部から供給され
たオイルをこれらのオイル通路18a…18eから上記
摺接面に導いている。同様に、クランクシャフト2とス
タータクラッチ15との摺接面にもオイル通路18fを
形成してオイルを導いている。
ールベアリング17Lの左側に、二つのオイルシール1
9a,19bにより形成されたオイル案内路20を経由
してクランクシャフト2内およびクランクピン6内のオ
イル通路18a…18fに導かれている。
4の右側にはオイルシール19cが設けられ、上記オイ
ル案内路20を形成する二つのオイルシール19a,1
9bと共にクランクシャフト2のクランクアーム4が位
置する空間(クランク室)21を液密に保っている。
Rの右側のクランクシャフト2上には、動弁機構である
カムシャフトを駆動させるカムチェーンドライブスプロ
ケット22が設けられており、カムチェーン23により
上記カムシャフトに連結される。
Vベルト式自動変速装置24の一部を構成するドライブ
プーリ25が設けられる。
ようにクランクシャフト2内にオイル通路18a,18
b,18c,18fを形成する場合、通路の数が多く必
要だったり、通路の長さが長くなるなど加工が複雑にな
りコストアップの要因になりやすい。
リング16との摺接面にオイル通路18fを形成してオ
イルを導くと、クランクシャフト2とニードルベアリン
グ16との面圧が上がってしまい好ましくない。
にオイル案内路20を二つのオイルシール19a,19
bにより形成すると、このオイル案内路20の幅の分ド
ライブプーリ25が左側に突出し、その結果、エンジン
1の全幅が大きくなる一方、ドライブプーリ25が左側
に突出する分Vベルト26が左側ボールベアリング17
Lから離れ、振動が不利となる。
る分左側ボールベアリング17Lにかかる負担が大きく
なるので左側ボールベアリング17Lの負荷容量を上げ
るために左側ボールベアリング17Lのサイズを大型化
する必要があり、その結果、エンジン1も大型化してし
まう。
19cのレイアウトは、いずれのオイルシール19a…
19cもオイルを確実にシールしなければエンジン構造
として成立せず、不都合が発生する恐れがある。例え
ば、オイル案内路20を形成する二つのオイルシール1
9a,19bの場合、クランクシャフト2内に形成され
るオイル通路18a…の径を大きくしたり、オイル通路
18a…の数を増やすのはクランクシャフト2の強度上
困難なため、オイル通路18a…の径は小さくなり、上
記オイルシール19a,19bはオイルを確実にシール
してオイル通路18a…内に送り込まなければクランク
シャフト2内のオイルの量が不足してしまう。また、外
気温度が低く、オイルの粘度が高い場合、エンジン1始
動直後のオイル案内路20内の油圧は高くなるため、オ
イルシール19a,19bからオイルが漏れるのは防げ
ず、上述したオイルシール19a,19bの配置では漏
れたオイルがドライブプーリ25に付着する恐れがあ
り、Vベルト26が滑るなど好ましくない。
ロケット22およびカムチェーン23には充分な潤滑が
行われておらず、カムチェーン23の性能を上げて自己
潤滑性を良くしていただけであるが、カムチェーン23
の小型化に伴ってカムチェーンドライブスプロケット2
2との面圧が高くなり、従来以上に噛合い部の潤滑を考
慮する必要がある。
形された切欠部14はデッドスペースとなっており、有
効に活用されていない。
もので、エンジン内のデッドスペースを有効に活用した
エンジンの潤滑装置を提供することを目的とする。
は、一端にクランクアームを、他端に充電装置の一部を
構成するオルタネータを設けたクランクシャフトと、一
端にクランクアームを、他端にVベルト式自動変速装置
を設けたクランクシャフトと、これら両クランクシャフ
トの各クランクアーム間を連結するクランクピンとを有
し、前記クランクシャフト内から、前記クランクピンに
設けたオイル通路に向けてオイルポンプによってオイル
を圧送し、前記一対のクランクシャフトのクランクアー
ムに隣接するクランクジャーナル部にクランクシャフト
軸支用のボールベアリングをそれぞれ配設し、前記クラ
ンクアームを収容するクランク室と、前記一対のクラン
クシャフトの回転力を動弁機構に伝動するカムチェーン
を収容するカムチェーン室との両側に、前記Vベルト式
自動変速装置を収容するVベルト室と、前記オルタネー
タを収容するマグネット室とをそれぞれ配設した自動二
輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置において、前記一
対のボールベアリングのいずれか一方のボールベアリン
グの軸方向内側と外側に、オイル中継室とオイルが溜ま
る空間をそれぞれ配設し、この外側のオイルが溜まる空
間に、前記オイルポンプからのオイルを導くと共に、前
記一対のクランクシャフトの一方のクランクジャーナル
に形成したオイル案内路を介して前記オイル中継室を連
通させ、さらに、このオイル中継室を前記クランクピン
のオイル通路に連通させ、このオイル通路からこのクラ
ンクピンに給油するように構成したものである。
ームを、他端に充電装置の一部を構成するオルタネータ
を設けた一方のクランクシャフトと、一端にクランクア
ームを、他端にVベルト式自動変速装置を設けた他方の
クランクシャフトと、これら両クランクシャフトの各ク
ランクアーム間を連結するクランクピンとを有し、前記
クランクシャフト内から、前記クランクピンに設けたオ
イル通路に向けてオイルポンプによってオイルを圧送す
るエンジンの潤滑装置において、前記オルタネータを設
けた一方のクランクシャフトのクランクアームに隣接す
るクランクジャーナル部にクランクシャフト軸支用のボ
ールベアリングを装着するとともに、このボールベアリ
ングの一側方にシール装置を装着し、このシール装置の
内側に環状のオイル溜め凹部を形成し、この凹部に外部
からオイルを導入して前記クランクピンのオイル通路に
圧送するように構成したものである。
ームを、他端に充電装置の一部を構成するオルタネータ
を設けた一方のクランクシャフトと、一端にクランクア
ームを、他端にVベルト式自動変速装置を設けた他方の
クランクシャフトと、これら両クランクシャフトの各ク
ランクアーム間を連結するクランクピンとを有し、前記
クランクシャフト内から、前記クランクピンに設けたオ
イル通路に向けてオイルポンプによってオイルを圧送す
るエンジンの潤滑装置において、前記オルタネータを設
けた一方のクランクシャフトのクランクアームに隣接す
るクランクジャーナル部にクランクシャフト軸支用のボ
ールベアリングを装着するとともに、このボールベアリ
ングの一側方にオイルプレートでシールされたオイル溜
め凹部を形成し、さらに前記オルタネータ装着側のクラ
ンクシャフトであって前記オイルプレートに近接した位
置のクランクシャフトにカムシャフト駆動用のドライブ
スプロケットを設け、前記オイル溜め凹部から漏洩した
オイルによって上記カムシャフトとドライブスプロケッ
ト間に掛け渡したチェーンとを潤滑したものである。
ト軸支用ボールベアリングの両側に、オイルが溜まるオ
イル溜まりとオイル中継室をそれぞれ設けているので、
エンジン停止後の再始動の際にも、前回エンジン運転時
にオイル溜まりとオイル中継室に溜められたオイルを、
オイルポンプからの給油を待たずに逸早くクランクピン
に給油することができる。しかも、このオイル溜まりと
オイル中継室とをクランクピンの近傍にて設けているの
で、エンジン再始動時のクランクピンの潤滑不足の虞を
さらに軽減することができる。
オイルはクランクピンの高速回転時の遠心力により油圧
が昇圧されるので、クランクピンにオイルを確実かつ迅
速に供給することができる。
心力による油圧の昇圧効果は、4サイクルエンジンにお
いて、特に重要である。すなわち、2サイクルエンジン
では、クランクピン外周面に供給されたオイルは、クラ
ンクピン周辺の空間で燃料に混入し、シリンダー内で燃
焼され、消費されるために、常に新しいオイルをクラン
クピンに補給する必要がある。このために、クランクピ
ンに供給されるオイルには、オイル通路を流れることに
よる摩耗粉の混入や汚れ等による劣化、その劣化による
流動性の低下を招くことが少ない。
サイクルエンジンのようにクランクピンに供給されるオ
イルが燃料に混入して燃焼され、消費されることがない
ので、オイルを循環させて繰返し使用することにより新
しいオイルを常に補給する必要がない。その反面、オイ
ルは繰返し使用されるために劣化して流動性が低下し易
いという課題がある。このために、4サイクルエンジン
ではオイルを所定期間使用毎に新しいオイルに交換する
必要がある。
給されるオイルの油圧を、クランクシャフトのオイル案
内路内を通る際に、そのオイル案内路の遠心力により昇
圧することにより、オイルの流動性を向上させ、クラン
クピンへのオイルの給油量を増大させる必要性が高い。
ンクシャフト軸支用のベアリングの一側方にシール装置
を装着し、このシール装置の内側に環状のオイル溜め凹
部を形成し、この凹部に外部からオイルを導入してクラ
ンクピンのオイル案内路に圧送するように構成したの
で、エンジンの小型化が図れる。
駆動するカムチェーンドライブスプロケットとカムチェ
ーンをシール装置に隣接して設け、このシール装置から
漏洩したオイルによってカムチェーンドライブスプロケ
ットとカムチェーンとを潤滑するので、カムチェーンド
ライブスプロケットおよびカムチェーンを充分に潤滑で
きる。
する。
動変速装置を備えた自動二輪車用4サイクル単気筒エン
ジンユニットの一例を示す水平断面図である。そして、
図2は、上記エンジンユニットの要部を拡大した図であ
る。
ニット31の前部にエンジン32が搭載される。このエ
ンジン32は、主にクランクケース33、シリンダ34
およびシリンダヘッド35から構成される。上記クラン
クケース33内は、隔壁36a,36b,36cにより
ベルト室37と、クランク室38と、カムチェーン室3
9と、マグネト室40とに区画される。
ャフト41が車両の進行方向に対して直角に配置され
る。このクランクシャフト41は、例えば左右に分割さ
れたもので、便宜上、それぞれを右側クランクシャフト
41Rおよび左側クランクシャフト41Lと称す。それ
ぞれのクランクシャフト41R,41Lは、クランクア
ーム42R,42Lとクランクジャーナル43R,43
Lとから構成される。
端にバランスウェイト44R,44Lを形成する一方、
他端には後述するクランクピン45を嵌装する嵌装口4
6R,46Lが形成される。
(c)に示すように、右側クランクアーム42Rに上記
嵌装口46Rをドリル47により成形すると、上記右側
クランクジャーナル43Rの外表面に、エンジン32内
のデッドスペースである断面が円弧状の切欠部48が形
成される。
Lはクランクピン45により接続され、一体化される。
このクランクピン45には、メタルベアリング49を介
してコンロッド50の大端部51が連結される。また、
上記コンロッド50の小端部52は、ピストンピン53
を介してピストン54が連結される。このピストン54
が上記エンジン32のシリンダ34内を往復し、この往
復ストロークが上記コンロッド50を介してクランクシ
ャフト41に伝達され、クランクシャフト41を回転運
動させる。
スタータクラッチ55がニードルベアリング56を介し
て設けられる。このスタータクラッチ55にはドリブン
ギヤ57が設けられ、このドリブンギヤ57は、アイド
ルギヤ58を介して図示しないスタータモータのドライ
ブギヤに連結される。スタータクラッチ55は、エンジ
ン32始動時に上記スタータモータの動力をクランクシ
ャフト41に伝達する機能を持ち、エンジン32始動後
には、自動的に断絶されるようになっている。
の右側クランクジャーナル43Rおよび上記スタータク
ラッチ55左側の左側クランクジャーナル43Lにはそ
れぞれボールベアリング59R,59Lが圧入される。
ボールベアリング59R,59Lは、ボール60が上下
からそれぞれアウターレース61とインナーレース62
とにより挟持される一方、左右をリテイナ63によって
挟持される。上記アウターレース61は、前記クランク
ケース33内の隔壁36a,36bに固定される一方、
インナーレース62には前記クランクジャーナル43
R,43Lが圧入され固着されることにより、クランク
シャフト41を回転自在に支持する。
はシール装置64が設けられる。図4(a)および
(b)は、上記シール装置64の平面図およびI−I線
に沿う断面図である。このシール装置64は、例えば円
形の鋼板の中央部を開口してドーナツ状に成形したもの
で、シール装置64の外周面には取付け用のフランジ6
5が複数個設けられる一方、シール装置64の内側には
内周面に沿って環状の凹部66が形成される。
側ボールベアリング59Rとの間に空間67を形成す
る。また、シール装置64の上記凹部66にはオイル導
入口68が穿設され、このオイル導入口68にはオイル
パイプ69の一端が接続される。そして、このオイルパ
イプ69の他端は図示しないオイルポンプに接続され
る。
する手段であるオイル通路70が形成される。このオイ
ル通路70の開口部70aは上記右側クランクジャーナ
ル43Rに形成された切欠部48に面して開口される。
また、オイル通路70はクランクピン45の中心に向か
って穿設される。
上記クランクピン45外周面の前記メタルベアリング4
9に対応する部位と、上記クランクピン45と前記スタ
ータクラッチ55とが接する部位に向かってオイルを分
配する手段であるオイル分配路71a,71bがそれぞ
れ穿設される。なお、クランクピン45により接続され
た左右のクランクアーム42R,42Lをクランク部7
2と称し、このクランク部72は前記クランク室38内
に収容される。
右側クランクアーム42Rとの間には、右側ボールベア
リング59Rと右側クランクアーム42Rとの間をシー
ルする手段であるシールワッシャ73が介装される。こ
のシールワッシャ73は、例えば環状の板材であり、そ
の内径および外径は、上記右側ボールベアリング59R
のインナーレース62とほぼ同径となっている。
である。図2および図5に示すように、前記右側クラン
クジャーナル43Rに形成された切欠部48は、上記ク
ランクピン45と、上記右側ボールベアリング59Rの
インナーレース62と、上記シールワッシャ73とに囲
まれてオイル中継室74を形成する。
ーレース62に接する右側クランクジャーナル43R内
には、オイルを案内する手段であるオイル案内路75が
この右側クランクジャーナル43を所要角度で直径方向
に貫通するように穿設される。このオイル案内路75の
一端は、上記シール装置64のオイル溜りである凹部6
6と上記右側ボールベアリング59Rとの間に形成され
る空間67に開口する。また、上記オイル案内路75の
他端は、前記オイル溜りのオイル中継室74に開口し、
これら両オイル溜りに連通している。
つまりカムチェーン室39内のクランクシャフト41上
にはカムチェーンドライブスプロケット76が設けられ
る。一方、前記シリンダヘッド35内には動弁機構77
が設けられる。動弁機構77の一部を構成するカムシャ
フト78の一端にはカムスプロケット79が設けられ、
このカムスプロケット79はカムチェーン80によって
前記カムチェーンドライブスプロケット76と連結され
る。そして、クランクシャフト41の回転がカムシャフ
ト78に伝達されることにより、動弁機構77が作動さ
れる。
クシャフト41の左端部には、ベルト室37内におい
て、Vベルト式自動変速装置81のドライブプーリ82
が取り付けられており、Vベルト83を介してVベルト
式自動変速装置81のドリブンプーリ84にエンジン3
2の回転力を伝達する。
ット31の後方部に設けられたドリブンシャフト85に
回転自在に支持されており、上記ドリブンプーリ84に
伝達されたエンジン32の回転力は遠心クラッチ機構8
6を介して上記ドリブンシャフト85に伝達される。
構であり動力伝達装置でもあるミッション機構87を通
じて後輪シャフト88に連結され、このミッション機構
87を介して後輪89にエンジン32の回転が伝えられ
るようになっている。
つまりマグネト室40内には充電装置の一部を構成する
オルタネータ90およびエンジン冷却系の一部を構成す
る冷却ファン91が設けられる。
マグネト90aと、ステータ90bとから構成される。
このオルタネータ90は、クランクシャフト41に接続
されたマグネット90aが回転することにより発電し、
車体各部に送電している。
よび冷却ファン91はカウリング92によって覆われて
いる。エンジン32は、クランクシャフト41に接続さ
れた冷却ファン91が回転することにより外気をカウリ
ング92内に導入してシリンダ34回りを冷却する。
とを区画する隔壁36aおよびカムチェーン室39とマ
グネト室40とを区画する隔壁36cにはオイルシール
93a,93bがそれぞれ設けられる。そしてこれらの
オイルシール93a,93bコの字の開放側が油圧の掛
かるほうに向かって設置される。
2の回転力により図示しないオイルポンプが駆動され、
エンジン32各部へオイルが圧送される。オイルの一部
は、オイルパイプ69を経てシール装置64の内側に形
成された凹部66に案内される。
Rとの間には空間67が形成されており、この空間67
に上記オイルが導入される。
右側クランクジャーナル43R内に形成されたオイルを
案内する手段であるオイル案内路75の開口部75aか
らクランクピン45と、右側ボールベアリング59Rの
インナーレース62と、右側ボールベアリング59Rと
右側クランクアーム42Rとの間をシールする手段であ
るシールワッシャ73とに囲まれたオイル中継室74に
向かって案内される。
ペースを有効に活用できるうえに、右側クランクジャー
ナル43R内のオイル案内路75は、従来のように長く
なく、加工も容易なため、コストアップを押さえること
ができる。
内に形成されたオイルを案内する手段であるオイル通路
70の開口部70aからオイル通路70を経てクランク
ピン45の中心に向かって案内される。オイルの一部
は、オイル通路70の先端部付近からクランクピン45
外周面に向かって穿設されたオイルを分配する手段であ
るオイル分配路71aを経てコンロッド大端部51のメ
タルベアリング49へ案内される。また、オイルの一部
は、上記オイル通路70の先端部付近からクランクピン
45とスタータクラッチ55との接合面に向かって穿設
されたオイルを分配する手段であるオイル分配路71b
を経てスタータクラッチ55にも案内される。
配路71bの開口部は、従来のようにニードルベアリン
グ56との接触面に開口していないため、ニードルベア
リング56とクランクシャフト41との面圧が上がるこ
とはない。
嵌装口46Rの内面に接しておらず、さらに、オイル案
内路75の開口部75aも右側ボールベアリング59R
のインナーレース62に接していないため、クランクピ
ン45や右側ボールベアリング59Rの圧入時にカジリ
が起こることがないため、オイル通路70やオイル案内
路75を穿設するとき、それらの開口部70a,75a
縁部の面取りが不要となるので、組付け作業が容易にな
ったり、加工コストが低減できる。そして、圧入時のカ
ジリが起こらないことにより、加工不良品が減って、コ
ストの低減になる。
9Rの右側にシール装置64を設け、これよりクランク
シャフト41内にオイルを導入するようにしたため、従
来のようにオイルシールでオイルの案内路を形成する必
要がなく、ドライブプーリ82が左側に突出することが
ない。その結果、エンジン32の横幅が小さくなる。ま
た、左側ボールベアリング59Lへの負担も軽くなって
左側ベアリング59Lのサイズを大型化する必要もな
く、全体的にエンジン32の小型化が可能になる。さら
に、Vベルト83が左側ボールベアリング59Lに近付
くため、振動も低減する。
れたオイルの一部は、どうしてもシール装置64から漏
洩してしまうが、本案では、このシール装置64をカム
チェーンドライブスプロケット76に隣接して配置した
ので、漏洩したオイルを積極的に利用してカムチェーン
ドライブスプロケット76とカムチェーン80を充分に
潤滑できる。
二輪車用4サイクルエンジンに適用した例を示したが、
他の用途のエンジンにも適用可能であり、また、2サイ
クルエンジンにも適用可能である。
明によれば、クランクシャフト軸支用ボールベアリング
の両側に、オイルが溜まるオイル溜まりとオイル中継室
とをそれぞれ設けているので、エンジン停止後の再始動
の際にも、前回エンジン運転時にオイル溜まりとオイル
中継室とに溜められたオイルを、オイルポンプからの給
油を待たずに逸早くクランクピンに給油することができ
る。しかも、このオイル溜まりとオイル中継室とをクラ
ンクピンの近傍にて設けているので、エンジン再始動時
のクランクピンの潤滑不足の虞をさらに軽減することが
できる。
オイルはクランクピンの高速回転時の遠心力により油圧
が昇圧されるので、クランクピンにオイルを確実かつ迅
速に供給することができる。
ンクシャフト軸支用のベアリングの一側方にシール装置
を装着し、このシール装置の内側に環状のオイル溜め凹
部を形成し、この凹部に外部からオイルを導入してクラ
ンクピンのオイル案内路に圧送するように構成したの
で、エンジンの小型化が図れる。
駆動するカムチェーンドライブスプロケットとカムチェ
ーンをシール装置に隣接して設け、このシール装置から
漏洩したオイルによってカムチェーンドライブスプロケ
ットとカムチェーンとを潤滑するので、カムチェーンド
ライブスプロケットおよびカムチェーンを充分に潤滑で
きる。
示す自動二輪車用4サイクル単気筒エンジンユニットの
水平断面図。
図。
嵌装口の加工過程を示す図。
よびI−I線に沿う断面図。
た)空間 70 オイル通路(オイルを案内する手段) 71a,71b オイル分配路(オイルを分配する手
段) 73 シールワッシャ(ベアリングとクランクアームと
の間をシールする手段) 74 オイル中継室 75 オイル案内路(オイルを案内する手段) 76 カムチェーンドライブスプロケット 80 カムチェーン
Claims (3)
- 【請求項1】一端にクランクアームを、他端に充電装置
の一部を構成するオルタネータを設けたクランクシャフ
トと、一端にクランクアームを、他端にVベルト式自動
変速装置を設けたクランクシャフトと、これら両クラン
クシャフトの各クランクアーム間を連結するクランクピ
ンとを有し、前記クランクシャフト内から、前記クラン
クピンに設けたオイル通路に向けてオイルポンプによっ
てオイルを圧送し、前記一対のクランクシャフトのクラ
ンクアームに隣接するクランクジャーナル部にクランク
シャフト軸支用のボールベアリングをそれぞれ配設し、
前記クランクアームを収容するクランク室と、前記一対
のクランクシャフトの回転力を動弁機構に伝動するカム
チェーンを収容するカムチェーン室との両側に、前記V
ベルト式自動変速装置を収容するVベルト室と、前記オ
ルタネータを収容するマグネット室とをそれぞれ配設し
た自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置におい
て、 前記一対のボールベアリングのいずれか一方のボールベ
アリングの軸方向内側と外側に、オイル中継室とオイル
が溜まる空間をそれぞれ配設し、この外側のオイルが溜
まる空間に、前記オイルポンプからのオイルを導くと共
に、前記一対のクランクシャフトの一方のクランクジャ
ーナルに形成したオイル案内路を介して前記オイル中継
室を連通させ、さらに、このオイル中継室を前記クラン
クピンのオイル通路に連通させ、このオイル通路からこ
のクランクピンに給油するように構成したことを特徴と
する自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置。 - 【請求項2】 一端にクランクアームを、他端に充電装
置の一部を構成するオルタネータを設けた一方のクラン
クシャフトと、一端にクランクアームを、他端にVベル
ト式自動変速装置を設けた他方のクランクシャフトと、
これら両クランクシャフトの各クランクアーム間を連結
するクランクピンとを有し、前記クランクシャフト内か
ら、前記クランクピンに設けたオイル通路に向けてオイ
ルポンプによってオイルを圧送するエンジンの潤滑装置
において、 前記オルタネータを設けた一方のクランクシャフトのク
ランクアームに隣接するクランクジャーナル部にクラン
クシャフト軸支用のボールベアリングを装着するととも
に、このボールベアリングの一側方にシール装置を装着
し、このシール装置の内側に環状のオイル溜め凹部を形
成し、この凹部に外部からオイルを導入して前記クラン
クピンのオイル通路に圧送するように構成したことを特
徴とするエンジンの潤滑装置。 - 【請求項3】 一端にクランクアームを、他端に充電装
置の一部を構成するオルタネータを設けた一方のクラン
クシャフトと、一端にクランクアームを、他端にVベル
ト式自動変速装置を設けた他方のクランクシャフトと、
これら両クランクシャフトの各クランクアーム間を連結
するクランクピンとを有し、前記クランクシャフト内か
ら、前記クランクピンに設けたオイル通路に向けてオイ
ルポンプによってオイルを圧送するエンジンの潤滑装置
において、 前記オルタネータを設けた一方のクランクシャフトのク
ランクアームに隣接するクランクジャーナル部にクラン
クシャフト軸支用のボールベアリングを装着するととも
に、このボールベアリングの一側方にオイルプレートで
シールされたオイル溜め凹部を形成し、さらに前記オル
タネータ装着側のクランクシャフトであって前記オイル
プレートに近接した位置のクランクシャフトにカムシャ
フト駆動用のドライブスプロケットを設け、前記オイル
溜め凹部から漏洩したオイルによって上記カムシャフト
とドライブスプロケット間に掛け渡したチェーンとを潤
滑したことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14201293A JP3261808B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | エンジンの潤滑装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14201293A JP3261808B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | エンジンの潤滑装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001254466A Division JP3522244B2 (ja) | 2001-08-24 | 2001-08-24 | 自動二輪車用4サイクルエンジンの潤滑装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06346715A JPH06346715A (ja) | 1994-12-20 |
JP3261808B2 true JP3261808B2 (ja) | 2002-03-04 |
Family
ID=15305327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14201293A Expired - Fee Related JP3261808B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | エンジンの潤滑装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3261808B2 (ja) |
-
1993
- 1993-06-14 JP JP14201293A patent/JP3261808B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06346715A (ja) | 1994-12-20 |
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