JP2005282537A - クランク軸を備える機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランク軸を備える機械において、クランク軸の動力損失の低減および潤滑油の供給装置の小型化を図ると共に、さらに所要の油量の潤滑油の供給を確実にする。
【解決手段】プレーン軸受からなる主軸受に支持されるジャーナルJ1〜J4を有するクランク軸1には、ジャーナルJ2〜J4およびクランクピンP1〜P4に潤滑油を導く軸内油路41が形成される。ジャーナルJ1〜J4は、オイルポンプからの潤滑油が流入する軸内油路41の入口42が形成される一次ジャーナルJ1と、潤滑油が軸内油路41を経て導かれる二次ジャーナルJ2〜J4とから構成される。軸内油路41は、入口42を有する主通路43とピン用通路45とジャーナル用通路47とを含む。主通路43は、潤滑油が遠心力により加圧されて流れる第1通路51と、通路全体に渡ってクランク軸1の回転中心線Lから離れた位置で延びる第2通路52とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジャーナルおよびクランクピンを有するクランク軸を備える機械に関し、詳細には、ジャーナルおよびクランクピンに潤滑油を供給するためにクランク軸に形成される軸内油路の構造に関する。そして、該機械は例えば内燃機関である。
クランク軸に形成された軸内油路に関する技術として、例えば特許文献1,2に開示されたものが知られている。特許文献1に開示されたエンジンのクランクシャフトには、そのジャーナルの軸方向での側面に入口を有する油孔が形成される。オイルポンプから供給されたオイルは、油孔を通ってオイル出口穴からコンロッドに噴出する。また、各ジャーナルにおいて、油孔はクランク軸の回転中心線と交差する位置に形成される一方で、油孔のオイル出口穴は、ジャーナルには形成されていない。
特開2002−155717号公報(図1)
一般に、クランク軸を支持する主軸受にはプレーン軸受が使用される。プレーン軸受の軸受面には、オイルポンプから供給された潤滑油が、プレーン軸受を支持する軸受部(例えばシリンダブロック)に形成された油路を経て流入する溝が形成されていて、該溝を通じて供給される潤滑油によりジャーナルとプレーン軸受との間に油膜が形成される。しかしながら、溝内には、油膜の形成に必要な潤滑油に比べて多量の、しかも高圧の潤滑油が存在するため、往復運動部材(例えばピストン)からの間欠的な荷重が作用して発生するクランク軸の振れ回りにより、ジャーナルとプレーン軸受との間からの潤滑油の漏れ量が多くなる難点がある。そして、漏れた潤滑油がクランク軸に付着すると、クランク軸は付着した潤滑油を飛散させるための仕事を行うことになること、また飛散した潤滑油がクランク室内の部材やクランクケースで跳ね返ってクランク軸に衝突すると、衝突する潤滑油がクランク軸の回転に対して抵抗になることから、クランク軸の動力損失が発生していた。
そのうえ、ジャーナルとプレーン軸受との間からの潤滑油の漏れ量が多いために、ジャーナルを経て供給されるクランクピンへの所要の油量を確保するためには、ポンプ容量を小さくすることが困難で、オイルポンプの小型化の妨げになっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜7記載の発明は、クランク軸を備える機械において、クランク軸の動力損失の低減および潤滑油の供給装置の小型化を図ると共に、さらに所要の油量の潤滑油の供給を確実にすることを目的とする。そして、請求項2,3記載の発明は、さらに、軸内油路が軸方向に長く延びる場合にも、所要の油量の潤滑油の供給を確実にすることを目的とし、請求項6記載の発明は、さらに、軸内油路により潤滑油が供給される二次ジャーナルの被支持面およびクランクピンの支持面での潤滑の安定性の向上を図ることを目的とし、請求項7記載の発明は、さらに、主軸受の信頼性を高めるか、もしくはクランクウェブの剛性を高めることを目的とする。
請求項1記載の発明は、複数である所定数の軸受部と、前記所定数の前記軸受部にそれぞれ支持される前記所定数のジャーナルと1以上のクランクピンとを有するクランク軸と、潤滑油を供給する供給装置とを備え、前記各ジャーナルは、その被支持面にて前記各軸受部のプレーン軸受からなる主軸受により回転可能に支持され、前記クランクピンは、その支持面にて往復運動部材に連結される連結部材を枢支し、前記クランク軸には前記支持面に潤滑油を導く軸内油路が形成される機械において、前記所定数の前記ジャーナルには、前記供給装置から供給された潤滑油が流入する前記軸内油路の入口が形成されると共に前記供給装置から供給された潤滑油がその被支持面に導かれる一次ジャーナルと、前記入口から流入した潤滑油が前記軸内油路を経てその被支持面に導かれる二次ジャーナルとが含まれ、前記軸内油路は、前記入口を有する主通路と、前記主通路の第1接続部に接続して前記主通路の潤滑油を前記支持面に導くピン用通路と、前記主通路の第2接続部に接続して前記主通路の潤滑油を前記二次ジャーナルの被支持面に導くジャーナル用通路とを含み、前記主通路は、前記入口と該入口からの潤滑油が最初に流入する前記ピン用通路が接続する前記第1接続部との間で潤滑油が遠心力により加圧される外向き通路からなる第1通路と、前記第1接続部と前記第2接続部との間で通路全体に渡って前記クランク軸の回転中心線から離れた位置で延びる第2通路とを含む機械である。
これによれば、二次ジャーナルの被支持面には、一次ジャーナルに形成された入口から流入した潤滑油がクランク軸に形成された軸内油路を通じて供給されるため、軸受面に潤滑油が溜まる溝が形成されたプレーン軸受を主軸受として使用する必要がないので、二次ジャーナルの被支持面と主軸受との間からの潤滑油の漏れ量を減少させることができる。また、二次ジャーナルの被支持面およびクランクピンの支持面には、第1通路で遠心力により加圧された潤滑油が供給されるので、その分、供給装置での供給油圧を減少させることができる。さらに、第1通路からの潤滑油は、通路全体で回転中心線から離れた位置を通る第2通路を流れるので、通路形成上の観点から、潤滑油が径方向内方に向かって流れるように第2通路が形成される場合にも、第2通路での遠心力による油圧の低下が抑制される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の機械において、前記主通路は、前記第1通路および前記第2通路により、軸方向に延びるにつれて前記回転中心線の回りで周方向にも延びる螺旋状の通路に形成されるものである。
これによれば、軸内油路を経て供給される二次ジャーナルが複数個あって、軸内油路が軸方向に長く形成される場合にも、一次ジャーナルから最下流位置の二次ジャーナルまで、第2通路での遠心力による油圧の低下が抑制された状態で、潤滑油を供給することが可能になる。さらに、第1,第2通路における通路の急激な屈曲が生じるのを回避できるので、通路形状に起因する油圧損失が減少する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の機械において、潤滑油は、前記第1通路および前記第2通路内を、前記クランク軸の回転方向とは反対の方向に周方向に曲がりながら流れるものである。
これによれば、クランク軸の回転により、潤滑油が第1,第2通路のより奥に押し込まれるので、軸内油路での油圧の上昇が促進される。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の機械において、前記第2通路の通路全体は、前記回転中心線から前記第1通路の流入部までの距離以上の距離で、前記回転中心線から離れているものである。
これによれば、第2通路の潤滑油が径方向内方に流れるときにも、遠心力による油圧の低下が第1通路での遠心力による上昇分よりも低下することが防止または抑制されるので、軸内油路における油圧の低下が一層抑制されて、潤滑油に混入した空気が軸内油路の途中に滞留したとしても、その空気圧に打ち勝つ油圧を確保できる。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の機械において、前記入口は、前記回転中心線に直交する平面と交差する状態で、前記回転中心線に向かって径方向内方に直線状に延びる導入通路を介して前記第1通路に接続するものである。
これによれば、最短の長さの導入通路により、該導入通路に接続する第1通路の流入部の位置を、回転中心線に交差する位置、または回転中心線に近接した位置に設定できるので、導入通路における油圧損失が減少し、また第1通路の潤滑油に対する遠心力による加圧作用を増大させることができる。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の機械において、前記所定数は5以上の奇数であり、前記一次ジャーナルおよび前記二次ジャーナルが、軸方向での中央に位置する中央ジャーナルに対して、それぞれ対称に配置されるものである。
これによれば、中央ジャーナルに対して、一次ジャーナルおよび二次ジャーナルが対称に配置されるので、軸内油路が2系統になって、最下流位置の各二次ジャーナルの被支持面またはクランクピンの支持面に所要の油量の潤滑油を供給することが容易になり、しかも対称に配置される二次ジャーナルに対してほぼ等しい油量の潤滑油を供給できる。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の機械において、前記所定数の前記ジャーナルは、1つの前記一次ジャーナルと、残りの前記二次ジャーナルとで構成され、前記入口は、前記一次ジャーナルの被支持面に周方向に延びて形成された環状の溝に開口し、すべての前記二次ジャーナルは、軸受面に潤滑油が溜まる溝が形成されていない前記主軸受により前記軸受部に支持されるものである。
これによれば、軸受面に潤滑油が溜まる溝が形成されたプレーン軸受に比べて、二次ジャーナルの被支持面と主軸受との間からの潤滑油の漏れ量が減少し、しかも潤滑油が溜まる溝がない分、主軸受の軸受面の面積を増加させるか、もしくは主軸受の幅を小さくできる。また、軸内油路の入口が一次ジャーナルの環状の溝内に開口するので、潤滑油が軸内油路に流入し易くなって、一次ジャーナルの被支持面と主軸受との間からの潤滑油の漏れも減少する。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、クランク軸の二次ジャーナルの被支持面と主軸受との間からの潤滑油の漏れ量を減少させることができるので、漏れた潤滑油のクランク軸による飛散およびクランク軸との衝突に起因するクランク軸の動力損失を減少させることができ、しかも供給装置からの給油量を減少させることができるため、供給装置が小型化される。また、二次ジャーナル被支持面と主軸受との間およびクランクピンの支持面と連結部材との間には、遠心力により加圧された潤滑油が供給されるので、その分、供給装置での供給油圧を減少させることができ、この点でも供給装置が小型化される。さらに、軸内油路の潤滑油を二次ジャーナルに導く第2通路での遠心力による油圧の低下が抑制されるので、二次ジャーナルの被支持面と主軸受との間、さらにはクランクピンの支持面と連結部材との間へ、供給装置の供給油圧が低く設定されても、所要の油量の潤滑油を確実に供給できる。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、軸内油路が軸方向に長く延びる場合にも、第2通路での遠心力による油圧の低下が抑制され、かつ通路形状に起因する油圧損失が減少するので、軸内油路の最下流位置までの二次ジャーナルの被支持面およびクランクピンの支持面に、所要の油量を確実に供給できる。
請求項3記載の発明によれば、主通路の潤滑油がより奥に押し込まれるので、請求項2記載の発明の効果がさらに高められる。
請求項4記載の発明によれば、軸内油路において遠心力による油圧の低下が一層抑制されて、軸内油路の途中に滞留した空気の空気圧に打ち勝つ油圧を確保できるので、所要の油量の潤滑油をより確実に供給できる。
請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、導入通路での潤滑油の圧力損失が減少し、第1通路の潤滑油に対する遠心力による加圧作用を増大させることができるので、所要の油量の潤滑油をより確実に供給できる。
請求項6記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、最下流位置の各二次ジャーナルの被支持面またはクランクピンの支持面に所要の油量の潤滑油を供給することが容易になり、しかも対称に配置される二次ジャーナルに対してほぼ等しい油量の潤滑油を供給できるので、軸内油路により潤滑油が供給される二次ジャーナルの被支持面およびクランクピンの支持面での潤滑の安定性が向上する。
請求項7記載の発明によれば、二次ジャーナルの被支持面と主軸受との間からの潤滑油の漏れ量が減少するのに加えて、さらに一次ジャーナルの被支持面と主軸受との間からの潤滑油の漏れ量も減少するので、クランク軸の動力損失が減少および供給装置の小型化の点で、請求項1記載の発明と同様の効果が高められる。また、主軸受の軸受面の面積を増加させて、主軸受の信頼性を向上させることができるか、もしくは主軸受の幅を小さくして、その分、クランクウェブの軸方向での幅を大きくして、その剛性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図11を参照して説明する。
図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。本発明が適用された機械である内燃機関は、V型6気筒4ストローク内燃機関であり、図1に示されるクランク軸1が左右方向を指向する横置き配置で車両に搭載される。前記内燃機関は、往復運動部材としてのピストンが往復運動可能に嵌合されるシリンダが3つずつ配列されてV字を形成する第1,第2バンクが一体に形成されたシリンダブロックと、該シリンダヘッドの上端部に結合されるシリンダヘッドと、該シリンダブロックの下端部に結合されるオイルパンとから構成される機械本体としての機関本体を備える。前記シリンダブロックの下部と前記オイルパンとから構成されるクランクケースは、クランク軸1が収容されるクランク室を形成する。前記各ピストンは、該ピストンと前記シリンダヘッドとの間に形成される燃焼室に供給された燃料と空気との混合気が燃焼することにより発生する燃焼圧力により往復運動するように駆動されて、該ピストンとクランク軸1とを連結する連結部材であるコンロッド11(図2参照)を介してクランク軸1を回転駆動する。
併せて図2,図3を参照すると、クランク軸1は、軸方向に離隔する1番〜4番ジャーナルJ1〜J4からなる所定数、ここでは4つのジャーナルと、3組の1対のクランクウェブW1a,W1b;W2a,W2b;W3a,W3bと、3つの1番〜3番クランクピンP1〜P3とが、金属により一体成形された一体型クランク軸である。軸方向で隣接するジャーナルJ1,J2;J2,J3;J3,J4にそれぞれ連なる1対のクランクウェブW1a,W1b;W2a,W2b;W3a,W3bは、それぞれクランクアーム2a〜7aとバランスウエイト2b〜7bとを有する。各組の1対のクランクウェブW1a,W1b;W2a,W2b;W3a,W3bのクランクアーム2a,3a;4a,5a;6a,7a同士を連結するクランクピンP1,P2,P3は、30°の角度でオフセットしている1対の第1,第2ピン部分P1a,P1b;P2a,P2b;P3a,P3bにより構成される。各クランクピンP1,P2,P3において、第1ピン部分P1a,P2a,P3aは、前記第1バンクの前記シリンダに属する前記ピストンに連結されるコンロッド11をラジアル軸受としてのプレーン軸受12介して枢支し、第2ピン部分P1b,P2b,P3bは、前記第2バンクのシリンダに属するピストンに連結されるコンロッド11をプレーン軸受12を介して枢支する。そして、各ジャーナルJ1〜J4は、その被支持面13〜16にて後述する各軸受部B1〜B4のプレーン軸受31〜34により回転可能に支持され、各クランクピンP1〜P3は、その支持面21〜23にてコンロッド11を枢支する。
なお、図2,図5では、煩雑さを避けるため、コンロッド11およびプレーン軸受12は、一部のクランクピンP1のみに関して示されている。
クランク軸1の一方の軸端部1aには、1番ジャーナルJ1寄りから順に、潤滑油の供給装置としてのオイルポンプの取付部、吸排気弁を開閉する動弁装置のカム軸をクランク軸1に同期して回転駆動するための伝動機構の駆動回転体である駆動スプロケットの取付部、および冷却水ポンプや発電機などの補機を駆動する補機駆動機構のクランクプーリの取付部が設けられる。クランク軸1の他方の軸端部1bには、変速機等を備える伝動装置に結合されるフライホイールの取付部27が設けられる。それゆえ、前記オイルポンプは、クランク軸1の動力により駆動されるポンプであり、例えばポンプハウジング内を摺動して回転するロータを有する回転ポンプとしてのトロコイドポンプから構成される。
なお、明細書および特許請求の範囲において、軸方向、径方向、および周方向は、それぞれ、クランク軸1の回転中心線Lが延びる方向、回転中心線Lを中心とする放射方向、および回転中心線L回りの方向を意味する。
クランク軸1は、1番〜4番ジャーナルJ1〜J4にて、所定数である4つの1番〜4番軸受部B1〜B4から構成される軸受装置に回転可能に支持される。各軸受部B1〜B4は、主軸受を構成するプレーン軸受31〜34と、プレーン軸受31〜34を支持する軸受支持部材とから構成される。前記軸受支持部材は、前記シリンダブロックの一部である第1軸受支持部材としての軸受壁36と、各軸受壁36にボルト(図示されず)により締結される第2軸受支持部材としての軸受キャップ37とからなる。各プレーン軸受31〜34は、軸受壁36の半円形断面の軸受溝に支持される半円筒状の第1軸受半体31a〜34aと、軸受キャップ37の半円形断面の軸受溝に支持される半円筒状の第2軸受半体31b〜34bとからなる。そして、各プレーン軸受31〜34は、両軸受半体31a〜34a,31b〜34bの内周面である軸受面に潤滑油が溜まる溝が形成されていない軸受である溝なしプレーン軸受である。また、図4に示されるように、1番ジャーナルJ1を支持するプレーン軸受31の一方の軸受半体31aには、軸受壁36に形成された油路38からの潤滑油を軸受面31a1,31b1に導く油路39が形成されている。
図1〜図4を参照すると、クランク軸1には供給路40と軸内油路41とが形成される。(なお、便宜上、図3では軸内油路41は一点鎖線で示されている。)供給路40には、前記オイルポンプから吐出された後、前記シリンダブロックに形成された通路であるメインギャラリを経て供給される潤滑油が導かれる。軸内油路41は、供給路40の潤滑油を、供給路40が形成される1番ジャーナルJ1以外の2番〜4番ジャーナルJ2〜J4の被支持面14〜16および1番〜3番クランクピンP1〜P3の支持面21〜23に導く。ここで、被支持面13〜16は、それぞれジャーナルJ1〜J4の外周面により構成されてプレーン軸受31〜34の軸受面に支持される面であり、支持面21〜23は、それぞれクランクピンP1〜P3の外周面により構成されてプレーン軸受12の軸受面を支持する面である。また、軸内油路41は、ドリル加工などの機械加工により、クランク軸1の内部に形成される孔H1〜H7から構成される。
4つのジャーナルJ1〜J4は、前記オイルポンプから供給された潤滑油が流入する軸内油路41の入口42および供給路40が形成される一次ジャーナルとしての1番ジャーナルJ1と、入口42から流入した潤滑油が軸内油路41を経て被支持面14〜16に導かれる二次ジャーナルとしての2番,3番,4番ジャーナルJ2〜J4とからなる。
供給路40は、1番ジャーナルJ1の外周面に周方向に延びる環状の溝により構成され、該供給路40の潤滑油が1番ジャーナルJ1の被支持面13に直接導かれて、被支持面13とプレーン軸受31の軸受面31a1,31b1との間に油膜が形成される。入口42は、供給路40に開口するように、供給路40の壁面に開口して形成される。そして、供給路40には、前記メインギャラリからの潤滑油が、軸受部B1に形成された油路38およびプレーン軸受31に形成された油路39を通って供給される。
図1〜図3を参照すると、軸内油路41は、入口42を有すると共に軸方向に延びて1番ジャーナルJ1から2番ジャーナルJ2および3番ジャーナルJ3を順次経て4番ジャーナルJ4に達する主通路43と、主通路43の第1接続部44に接続して主通路43の潤滑油を1番〜3番クランクピンP1〜P3の支持面21〜23に導くピン用通路45と、主通路43の第2接続部46に接続して主通路43の潤滑油を2番〜4番ジャーナルJ2〜J4の被支持面14〜16に導くジャーナル用通路47とから構成される。
各クランクピンP1〜P3に形成されるピン用通路45は、この実施形態では、第1,第2ピン部分P1a,P1b;P2a,P2b;P3a,P3bにそれぞれ形成され、ジャーナル用通路47は、2番〜4番ジャーナルJ2〜J4にそれぞれ形成される。そして、第1接続部44は、主通路43において各クランクピンP1〜P3に形成される通路部分に位置し、この実施形態では、2つの第1接続部44がそれぞれ第1,第2ピン部分P1a,P1b;P2a,P2b;P3a,P3bに形成される通路部分する。また、第2接続部46は、主通路43において各ジャーナルJ1〜J4に形成される通路部分に位置する。
そして、各ピン用通路45の潤滑油が各クランクピンP1〜P3の支持面21〜23に導かれて、該支持面21〜23とプレーン軸受12の軸受面との間に油膜が形成され、各ジャーナル用通路47の潤滑油が2番〜4番ジャーナルJ2〜J4のそれぞれの被支持面14〜16に導かれて、該被支持面14〜16とプレーン軸受32〜34の軸受面との間に油膜が形成される。
主通路43は、入口42を有すると共に入口42からの潤滑油を後述する第1通路51に導く導入通路50と、入口42と該入口42からの潤滑油が導入通路50を経て最初に流入するピン用通路45の第1接続部44である1番クランクピンP1のいずれか一方の第1接続部44との間で潤滑油が遠心力により加圧されて流れる第1通路51と、第1接続部44と第2接続部46との間で延びる第2通路52とから構成される。ここで、導入通路50、第1,第2通路51,52は、通路全体に渡って回転中心線Lから離れた位置で延びている(図3参照)。
導入通路50は、1番ジャーナルJ1に回転中心線Lと平行に直線状に延びて、第1通路51の流入部51a(図1,図2参照)に接続する。この導入通路50は、1番ジャーナルJ1の軸方向での端面18から形成された孔H1により構成される。それゆえ、導入通路50は、第1ジャーナルJ1の被支持面13よりも径方向内方の位置で第1通路51に接続する。
第1通路51は、1番ジャーナルJ1から、該1番ジャーナルJ1に隣接する1番クランクピンP1に向かって、さらに具体的には第1,第2ピン部P1a,P1bに向かって、導入通路50から両第1接続部44までほぼ通路全体で潤滑油が径方向外方にかつ軸方向に向かって流れる外向き通路である。
なお、この明細書または特許請求の範囲において、外向き通路とは、遠心力による油圧上昇の割合が、遠心力による油圧低下の割合よりも多い通路を意味し、内向き通路とは、遠心力による油圧上昇の割合が、遠心力による油圧低下の割合よりも少ない通路を意味する。
第2通路52は、1番クランクピンP1から2番ジャーナルJ2に向かって第1接続部44から第2接続部46まで延びる第1通路部61と、第1通路部61に接続すると共に2番ジャーナルJ2から2番クランクピンP2に向かって第2接続部46から第1接続部44まで延びる第2通路部62と、第2通路部62に接続すると共に2番クランクピンP2から3番ジャーナルJ3に向かって第1接続部44から第2接続部46まで延びる第3通路部63と、第3通路部63に接続すると共に3番ジャーナルJ3から3番クランクピンP3に向かって第2接続部46から第1接続部44まで延びる第4通路部64と、第4通路部64に接続すると共に3番クランクピンP3から4番ジャーナルJ4に向かって第1接続部44から第2接続部46まで延びる第5通路部65と、から構成される。ここで、第1,第3,第5通路部61,63,65は、ほぼ通路全体で潤滑油が径方向内方にかつ軸方向に向かって流れる内向き通路であり、第2,第4通路部62,64は、ほぼ通路全体で潤滑油が径方向外方にかつ軸方向に向かって流れる外向き通路である。
そして、第1通路51はクランクアーム3aから加工された直線状の孔H2およびクランクアーム2aから加工された直線状の孔H3の一部により、第1通路部61は孔H3により、第2通路部62はクランクアーム4aから加工された直線状の孔H4により、第3通路部63はクランクアーム4aから加工された直線状の孔H5により、第4通路部64はクランクアーム7aから加工された直線状の孔H6により、第5通路部65はクランクアーム6aから加工された直線状の孔H7により、それぞれ構成される。なお、各孔H1〜H7の開口端部には栓が圧入されて、該栓により各孔H1〜H7が閉塞される。
図3によく示されるように、第1通路51、第2通路52は、流入部51aから、主通路43に最下流の位置で接続する4番ジャーナルJ4のジャーナル用通路47に達するまで、潤滑油の流れに沿って、軸方向に延びるにつれて回転中心線Lの回りで周方向にも延びて、螺旋状の通路を構成する。ここで、通路が螺旋状とは、通路が軸方向に延びるにつれて回転中心線Lの回りに周方向にも延びることを意味し、周方向に延びる角度範囲は360°以下であってもよい。そして、潤滑油の流れ方向で主通路43が周方向で延びる方向は、クランク軸1の回転方向Rとは反対の方向であり、潤滑油は反回転方向に曲がりながら第1,第2通路51,52を流れる。
また、第1,第2通路51,52の通路全体は、回転中心線Lから第1通路51の流入部51aまでの距離(図3において、二点鎖線で描かれた円の半径に相当する。)以上の距離で、回転中心線Lから離れるように形成されており、この実施形態では、最も回転中心線Lに近づく部分である第2接続部46付近において、回転中心線Lから流入部51aまでの距離にほぼ等しい距離で、回転中心線Lから離れている。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
内燃機関に備えられるクランク軸1の複数のジャーナルJ1〜J4は、前記オイルポンプから供給された潤滑油が流入する軸内油路41の入口42が形成されると共に前記オイルポンプから供給された潤滑油がその被支持面13に導かれる1番ジャーナルJ1と、潤滑油が軸内油路41を経てその被支持面14〜16に導かれる2番〜4番ジャーナルJ2〜J4とから構成され、クランク軸1に形成された軸内油路41は、入口42を有する主通路43とピン用通路45とジャーナル用通路47とを含み、主通路43は、入口42と該入口42からの潤滑油が最初に流入するピン用通路45が接続する1番クランクピンP1の第1接続部44との間で潤滑油が遠心力により加圧される外向き通路からなる第1通路51と、第1接続部44と第2接続部46との間で通路全体に渡ってクランク軸1の回転中心線Lから離れた位置で延びる第2通路52とを含むことにより、2番〜4番ジャーナルJ2〜J4の被支持面14〜16には、1番ジャーナルJ1に形成された入口42から流入した潤滑油が軸内油路41を通じて供給されるため、軸受面に潤滑油が溜まる溝が形成されたプレーン軸受を主軸受として使用する必要がないので、2番〜4番ジャーナルJ2〜J4の被支持面14〜16とプレーン軸受32〜34との間からの潤滑油の漏れ量を減少させることができるので、漏れた潤滑油のクランク軸1による飛散およびクランク軸1との衝突に起因するクランク軸1の動力損失を減少させることができ、しかも前記オイルポンプからの給油量を減少させることができるため、前記オイルポンプが小型化される。
また、2番〜4番ジャーナルJ2〜J4の被支持面14〜16および1番〜3番クランクピンP1〜P3の支持面21〜23には、第1通路51で遠心力により加圧された潤滑油が供給されるので、その分、前記オイルポンプでの供給油圧を減少させることができ、この点でも前記オイルポンプが小型化される。
さらに、第1通路51からの潤滑油は、通路全体で回転中心線Lから離れた位置を通る第2通路52を流れるので、通路形成上の観点から、潤滑油が径方向内方に向かって流れるように第2通路52が形成される場合にも、第2通路52での遠心力による油圧の低下が抑制されて、2番〜4番ジャーナルJ2〜J4の被支持面14〜16とプレーン軸受32〜34との間、さらには各クランクピンP1〜P3の支持面21〜23とプレーン軸受12との間へ、前記オイルポンプの供給油圧が低く設定されても、所要の油量の潤滑油を確実に供給できる。
また、クランク軸1の動力により駆動される前記オイルポンプを小型化できるので、ポンプ駆動動力を減少させ、さらに前記オイルポンプのロータでの摺動抵抗による動力損失を減少できるので、この点でも、クランク軸1の動力損失を減少できる。
軸内油路41の入口42は、1番ジャーナルJ1の被支持面13に周方向に延びて形成された環状の溝で構成される供給路40に開口するので、2番〜4番ジャーナルJ2〜J4とプレーン軸受32〜34との間からの潤滑油の漏れ量が減少するのに加えて、1番ジャーナルにおいては、前記オイルギャラリから供給された潤滑油が軸内油路41に流入し易くなって、1番ジャーナルJ1の被支持面13とプレーン軸受31との間からの潤滑油の漏れ量も減少するので、クランク軸1の動力損失が減少および前記オイルポンプの小型化の効果が高められる。しかも、潤滑油が溜まる溝がない分、プレーン軸受32〜34の軸受面の面積を増加させて、プレーン軸受32〜34の信頼性を向上させることができるか、もしくはプレーン軸受32〜34の幅を小さくして、その分、クランクウェブW1a,W1b;W2a,W2b;W3a,W3bの軸方向での幅を大きくして、その剛性を高めることができる。そして、クランク軸1のジャーナルのうち、1つの一次ジャーナル以外は、すべて二次ジャーナルとなることから、軸内通路41が形成されることによる潤滑油の漏れ量の減少効果が最も効果的に奏される。
主通路43は、第1通路51および第2通路52により、軸方向に延びるにつれて回転中心線Lの回りで周方向にも延びる螺旋状の通路に形成されることにより、軸内油路41を経て供給される二次ジャーナルとして3つのジャーナルJ2,J3,J4があって、軸内油路41が軸方向に長く形成される場合にも、1番ジャーナルJ1から最下流位置の4番ジャーナルJ4まで、第2通路52での遠心力による油圧の低下が抑制された状態で、潤滑油を供給することが可能になり、さらに第1,第2通路51,52における通路の急激な屈曲が生じるのを回避できるので、通路形状に起因する油圧損失が減少することから、軸内油路41の最下流位置までの2番〜4番ジャーナルJ2〜J4の被支持面14〜16および各クランクピンP1〜P3の支持面21〜23に、所要の油量を確実に供給できる。
潤滑油は、第1,第2通路51,52内を、クランク軸1の回転方向Rとは反対の方向に周方向に曲がりながら流れることにより、クランク軸1の回転により、潤滑油が第1,第2通路51,52のより奥に押し込まれるので、軸内油路41での油圧の上昇が促進されて、軸内油路41が軸方向に長く延びる場合にも、軸内油路41の最下流位置までの二次ジャーナルとしての2番〜4番J2〜J4および各クランクピンP1〜P3に、所要の油量を確実に供給できる。
第2通路52の通路全体は、回転中心線Lから第1通路51の流入部51aまでの距離以上の距離で、回転中心線Lから離れていることにより、第2通路52の潤滑油が径方向内方に流れるときにも、遠心力による油圧の低下が第1通路51での遠心力による上昇分よりも低下することが防止または抑制されるので、軸内油路41における油圧の低下が一層抑制されて、潤滑油に混入した空気が軸内油路41の途中に滞留したとしても、その空気圧に打ち勝つ油圧を確保できるので、2番〜4番ジャーナルJ2〜J4および各クランクピンP1〜P3に所要の油量の潤滑油をより確実に供給できる。
次に、図5〜図7を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態は、第1実施形態とは、内燃機関の型が相違し、それに伴ってクランク軸の形状が相違するものの、それらの基本的な構成は同一である。そのため、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態の部材と同一の部材または対応する部材については、必要に応じて同一の用語または符号を使用した。
図5,図6を参照すると、クランク軸70は、直列4気筒4ストローク内燃機関に備えられる。該内燃機関は、ピストンが往復運動可能に嵌合されるシリンダが4つ直列に配列されたシリンダブロックとシリンダヘッドとオイルパンとから構成される機関本体を備え、クランクケースは、クランク軸70が収容されるクランク室を形成する。
クランク軸70は、軸方向に離隔する1番〜5番ジャーナルJ1〜J5からなる5つのジャーナルと、4組の1対のクランクウェブW1a,W1b;W2a,W2b;W3a,W3b;W4a,W4bと、4つの1番〜4番クランクピンP1〜P4とが、金属により一体成形された一体型クランク軸である。1対のクランクウェブW1a,W1b;W2a,W2b;W3a,W3b;W4a,W4bは、それぞれクランクアームとバランスウエイトとを有し、各組の1対のクランクウェブW1a,W1b;W2a,W2b;W3a,W3b;W4a,W4bのクランクアーム同士がクランクピンP1〜P4により連結される。各クランクピンP1〜P4は、前記ピストンに連結されるコンロッド11をラジアル軸受としてのプレーン軸受12を介して枢支する。そして、各ジャーナルJ1〜J5は、その被支持面13〜17にて各軸受部B1〜B5のプレーン軸受31〜35により回転可能に支持され、各クランクピンP1〜P4は、その支持面21〜24にてコンロッド11を枢支する。
クランク軸70の一方の軸端部には、1番ジャーナルJ1寄りから順に、オイルポンプおよび動弁装置のカム軸を駆動する駆動スプロケットの各取付部が設けられ、さらにクランクプーリ26が取り付けられる。クランク軸70の他方の軸端部には、フライホイールの取付部27が設けられる。
クランク軸70は、1番〜5番ジャーナルJ1〜J5にて、5つの1番〜5番軸受部B1〜B5から構成される軸受装置に回転可能に支持される。各軸受部B1〜B5は、プレーン軸受31〜35と軸受支持部材とから構成される。該軸受支持部材は、前記シリンダブロックの一部である軸受壁36と、各軸受壁36に締結される軸受キャップ37とからなる。1対の軸受半体31a〜35a,31b〜35bからなる各プレーン軸受31〜35は、各軸受半体の軸受面に潤滑油が溜まる溝が形成されていない軸受である溝なしプレーン軸受である。
図7に示されるように、1番ジャーナルJ1を支持するプレーン軸受31の軸受半体31a,31bには、軸受壁36に形成された油路38からの潤滑油を軸受面31a1,31b1に導く油路39が形成されている。また、図5に示されるように、3番軸受部B3は、3番ジャーナルJ3を支持するプレーン軸受33の軸方向での各端に、軸受壁36および軸受キャップ37に保持される1対のスラスト軸受71a,71b;72a,72bを有する。
クランク軸70には、供給路40と軸内油路41とが形成される。供給路40には、前記シリンダブロックに形成されたメインギャラリを経て供給される潤滑油が導かれる。軸内油路41は、供給路40の潤滑油を、供給路40が形成される1番,3番,5番ジャーナルJ1,J2,J3以外の2番,4番ジャーナルJ2,J4の被支持面14,16および各クランクピンP1〜P4の支持面21〜24に導く軸内油路41とが形成される。
そして、5つのジャーナルJ1〜J5は、前記オイルポンプから供給された潤滑油が流入する軸内油路41の入口42および供給路40が形成される一次ジャーナルとしての1番,5番ジャーナルJ1,J5と、入口42から流入した潤滑油が軸内油路41を経て被支持面14,16に導かれる二次ジャーナルとしての2番,4番ジャーナルJ2,J4と、供給路40のみが形成される三次ジャーナルとしての3番ジャーナルJ3とからなる。それゆえ、5つのジャーナルJ1〜J5において、1番,5番ジャーナルJ1,J5および2番,4番ジャーナルJ2,J4が、軸方向での中央に位置する中央ジャーナルである3番ジャーナルJ3に対して、それぞれ対称に配置される。
図5〜図7を参照すると、供給路40は、1番,3番,5番ジャーナルJ1,J3,J5の外周面に周方向に延びる環状の溝により構成される。そして、供給路40には、前記メインギャラリからの潤滑油が、軸受壁36に形成された油路38と、1番,3番,5番ジャーナルJ1,J3,J5を支持する第1軸受半体31a,33a,35aに形成された油路39を通って供給される。また、1番,5番ジャーナルJ1,J5において、入口42は供給路40に開口するように、供給路40の底壁面に開口して形成される。
そして、1番,5番ジャーナルJ1,J5においては、供給路40の潤滑油が被支持面13,17とプレーン軸受31,35の軸受面との間に直接導かれ、3番ジャーナルJ3においては、供給路40の潤滑油が、被支持面15とプレーン軸受33の軸受面の間、そして3番ジャーナルJ3に隣接する1対のクランクウェブW2b,W3aとスラスト軸受71a,71b;72a,72bとの間に、直接導かれる。
軸内油路41は、3番ジャーナルJ3に対して軸方向でほぼ対称に形成されて、別個の入口42を有して、互いに独立の第1,第2油路81,82からなる。以下、便宜上、第1油路81を中心に説明し、第2油路82で対応するものについては、必要に応じて部材名または符号を括弧内に記す。
第1(第2)油路81(82)は、入口42を有すると共に軸方向に延びて1番(5番)ジャーナルJ1(J5)から2番(4番)ジャーナルJ2(J4)に達する主通路43と、第1接続部44に接続して主通路43の潤滑油を1番(4番),2番(3番)クランクピンP1(P4),P2(P3)の支持面21(24),22(23)に導くピン用通路45と、第2接続部46に接続して主通路43の潤滑油を2番(4番)ジャーナルJ2(J4)の被支持面14(16)に導くジャーナル用通路47とから構成される。
ピン用通路45は各クランクピンP1〜P4に形成され、ジャーナル用通路47は2番,4番ジャーナルJ1,J4に形成される。そして、第1接続部44は主通路43において各クランクピンP1〜P4に形成される通路部分に位置し、第2接続部46は主通路43において2番,4番ジャーナルJ2,J4に形成される通路部分に位置する。
第1(第2)油路81(82)において、主通路43は、導入通路50と第1通路51と第2通路52とから構成される。ここで、導入通路50、第1,第2通路51,52は、通路全体に渡ってクランク軸70の回転中心線Lから離れた位置で延びている(図6参照)。
導入通路50は、1番(5番)ジャーナルJ1(J5)において、回転中心線Lに直交する平面と交差する状態で、回転中心線Lに向かって径方向内方に直線状に延びて、第1通路51の流入部51aに接続する。それゆえ、導入通路50は、1番(5番)ジャーナルJ1(J5)の被支持面13(17)よりも径方向内方の位置で第1通路51に接続する。
第1通路51は、1番(5番)ジャーナルJ1(J5)から、1番(5番)ジャーナルJ1(J5)に隣接する1番(4番)クランクピンP1(P4)に向かって導入通路50から第1接続部44まで延びており、第1接続部44が流入部51aよりも径方向外方に位置する外向き通路である。
第2通路52は、1番(4番)クランクピンP1(P4)から2番(4番)ジャーナルJ2(J4)に向かって第1接続部44から第2接続部46まで延びると共に第1接続部44が第2接続部46よりも径方向内方に位置する内向き通路である第1通路部61と、第1通路部61に接続すると共に2番(4番)ジャーナルJ2(J4)から2番(3番)クランクピンP2(P3)に向かって第2続部部46から第1接続部44まで延びていて第1接続部44が第2接続部46よりも径方向外方に位置する外向き通路である第2通路部62と、から構成される。
第1,第2通路51,52は、流入部51aから主通路43に最下流の位置で接続する2番(3番)クランクピンP2(P3)のピン用通路45に達するまで、潤滑油の流れに沿って、軸方向に延びるにつれて回転中心線Lの回りで周方向にも延びて、螺旋状の通路を構成する。そして、潤滑油の流れ方向で主通路43が周方向で延びる方向は、クランク軸70の回転方向Rとは反対の方向であり、潤滑油は反回転方向に曲がりながら第1,第2通路51,52を流れる。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用および効果が奏されるほか、次の作用および効果が奏される。
クランク軸70は、5つのジャーナルJ1〜J5を有し、1番,5番ジャーナルJ1,J5および2番,4番ジャーナルJ2,J4が、軸方向での中央に位置する3番ジャーナルJ3に対して、それぞれ対称に配置されることにより、軸内油路41が第1,第2油路81,82の2系統になって、最下流位置のクランクピンP2,P3の支持面22,23に所要の油量の潤滑油を供給することが容易になり、しかも対称に配置される2番,4番ジャーナルJ2,J4に対してほぼ等しい油量の潤滑油を供給できるので、軸内油路41により潤滑油が供給される2番,4番ジャーナルJ2,J4の被支持面14,16およびクランクピンP1〜P4の支持面21〜24での潤滑の安定性が向上する。
入口42は、回転中心線Lに直交する平面と交差する状態で、回転中心線Lに向かって径方向内方に直線状に延びる導入通路50を介して第1通路51に接続することにより、最短の長さの導入通路50により、該導入通路50に接続する第1通路51の流入部51aの位置を回転中心線Lに近接した位置に設定できるので、導入通路50における油圧損失が減少し、また第1通路51の潤滑油に対する遠心力による加圧作用を増大させることができるので、所要の油量の潤滑油をより確実に供給できる。
クランク軸70の軸方向移動を規制するスラスト軸受71a,71b,72a,72bが、供給路40が形成される3番ジャーナルJ3を支持する軸受部B3に設けられることにより、スラスト軸受71a,71b,72a,72bには、軸受部B3を経て前記メインギャラリから供給された潤滑油が導かれる供給路40からの潤滑油が直接供給されるので、プレーン軸受33に対してはもちろん、スラスト軸受71a,71b,72a,72bに対しても所要の油量の潤滑油を確実に供給できる。
次に、図8〜図11を参照して、本発明の第3,第4実施形態を説明する。第3,第4実施形態は、第2実施形態とは、一次,二次ジャーナルとなるジャーナルの配置が相違し、その他は基本的に同一の構成を有するものである。そのため、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態の部材と同一の部材または対応する部材については、必要に応じて同一の符号を使用した。
図8を参照すると、第3実施形態において、クランク軸70が有する5つのジャーナルJ1〜J5は、一次ジャーナルとして2番,4番ジャーナルJ2,J4と、二次ジャーナルとしての1番,5番ジャーナルJ1,J5と、三次ジャーナルとしての3番ジャーナルJ3とからなる。それゆえ、5つのジャーナルJ1〜J5において、1番,5番ジャーナルJ1,J5および2番,4番ジャーナルJ2,J4が、軸方向での中央に位置する中央ジャーナルである3番ジャーナルJ3に対して、それぞれ対称に配置される。
図9を併せて参照すると、供給路40は2番,3番,4番ジャーナルJ2,J3,J4に形成され、2番,4番ジャーナルJ2,J4において、入口42が供給路40に開口して形成される。なお、3番ジャーナルJ3の構造は第2実施形態と同様である。
軸内油路41は、3番ジャーナルJ3に対して軸方向でほぼ対称に形成されて、別個の入口42を有して、互いに独立の第1,第2油路81,82からなる。以下、便宜上、第1油路81を中心に説明し、第2油路82で対応するものについては、必要に応じて部材名または符号を括弧内に記す。
第1(第2)油路81(82)は、入口42を有すると共に軸方向に延びて、2番(4番)ジャーナルJ2(J4)から1番(5番)ジャーナルJ1(J5)および2番(3番)クランクピンP2(P3)に達する主通路43と、第1接続部44に接続して主通路43の潤滑油を1番(4番),2番(3番)クランクピンP1(P4),P2(P3)の支持面21(24),22(23)に導くピン用通路45と、第2接続部46に接続して主通路43の潤滑油を1番(5番)ジャーナルJ1(J5)の被支持面13(17)に導くジャーナル用通路47とから構成される。ジャーナル用通路47は1番,5番ジャーナルJ1,J5に形成され、第2接続部46は、主通路43において1番,5番ジャーナルJ1(J5)に形成される通路部分に位置する。
第1(第2)油路81(82)において、主通路43は、導入通路50と第1通路51と第2通路52とから構成される。ここで、導入通路50、第1,第2通路51,52は、通路全体に渡ってクランク軸70の回転中心線Lから離れた位置で延びている。
導入通路50は、2番(4番)ジャーナルJ2(J4)において、回転中心線Lに直交する平面と交差する状態で、回転中心線Lに向かって径方向内方に直線状に延びて、第1通路51の流入部51a(図9参照)に接続する。
第1通路51は、2番(4番)ジャーナルJ2(J4)から、2番(4番)ジャーナルJ2(J4)に隣接する1番,2番(3番,4番)クランクピンP1,P2(P3,P4)に向かって導入通路50から第1接続部44まで延びており、第1接続部44が流入部51aよりも径方向外方に位置する外向き通路である。
第2通路52は、1番(4番)クランクピンP1(P4)から1番(5番)ジャーナルJ1(J5)に向かって第1接続部44から第2接続部46まで延びており、第2接続部46が第1接続部44よりも径方向内方に位置する内向き通路である。
この第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用および効果が奏されるほか、次の作用および効果が奏される。
クランク軸70のジャーナルJ1〜J5のうちの端に位置して、それらジャーナルJ1〜J5のうち最も前記クランクケースに近接している1番,5番ジャーナルJ1,J5には、その被支持面13,17に潤滑油が溜まる環状の溝が形成されていないので、その剛性が高められていることから、1番,5番ジャーナルJ1,J5とプレーン軸受31,35との間のクリアランスが大きくなることが抑制され、該クリアランスに基づく振動および打音の発生が抑制される。
次に、図10,図11を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。
第4実施形態では、クランク軸70は、単一の一次ジャーナルを有する。具体的には、5つのジャーナルJ1〜J5は、一次ジャーナルとしての3番ジャーナルJ3と、二次ジャーナルとしての1番,2番,4番,5番ジャーナルJ1,J2,J4,J5とからなる。それゆえ、5つのジャーナルJ1〜J5において、二次ジャーナルJ1,J2,J4,J5である1番,2番,4番,5番ジャーナルJ1,J2,J4,J5が、軸方向での中央に位置する3番ジャーナルJ3に対して、それぞれ対称に配置される。
供給路40は、3番ジャーナルJ3の外周面に周方向に延びる環状の溝により構成される。そして、3番ジャーナルJ3において、供給路40の潤滑油が、被支持面15とプレーン軸受33の軸受面の間、そして1対のクランクウェブW2b,W3aとスラスト軸受71a,71b,72a,72bとの間に導かれ、さらに供給路40には、前記メインギャラリからの潤滑油が供給され、入口42は供給路40に開口するように、供給路40の底壁面に形成される。
軸内油路41は、3番ジャーナルJ3に対して軸方向でほぼ対称に形成されて、入口42が共用される第1,第2油路81,82からなる。以下、便宜上、第1油路81を中心に説明し、第2油路82で対応するものについては、必要に応じて部材名または符号を括弧内に記す。
第1(第2)油路81(82)は、入口42から軸方向に延びて3番ジャーナルJ3から2番(4番)ジャーナルJ2(J4)を経て1番(5番)ジャーナルJ1(J5)に達する主通路43と、第1接続部44に接続して主通路43の潤滑油を2番,1番(3番,4番)クランクピンP2,P1(P3,P4)の支持面22,21(23,24)に導くピン用通路45と、第2接続部46に接続して主通路43の潤滑油を2番,1番(4番,5番)ジャーナルJ2,J1(J4,J5)の被支持面14,13(16,17)に導くジャーナル用通路47とから構成される。
ジャーナル用通路47は、1番,2番,4番,5番ジャーナルJ1,J2,J4,J5に形成され、第2接続部46は主通路43において1番,2番,4番,5番ジャーナルJ1,J2,J4,J5に形成される通路部分に位置する。
第1(第2)油路81(82)において、主通路43は、導入通路50と第1通路51と第2通路52とから構成される。ここで、導入通路50、第1,第2通路51,52は、通路全体に渡ってクランク軸70の回転中心線Lから離れた位置で延びている。
導入通路50は、3番ジャーナルJ3において、回転中心線Lに直交する平面と交差する状態で、回転中心線Lに向かって径方向内方に直線状に延びて、第1通路51の流入部51a(図11参照)に接続する。
第1通路51は、3番ジャーナルJ3から、3番ジャーナルJ3に隣接する2番(3番)クランクピンP2(P3)に向かって導入通路50から第1接続部44まで延びており、第1接続部44が流入部51aよりも径方向外方に位置する外向き通路である。
第2通路52は、2番(3番)クランクピンP2(P3)から2番(4番)ジャーナルJ2(J4)に向かって第1接続部44から第2接続部46まで延びると共に第2接続部46が第1接続部44よりも径方向内方に位置する内向き通路である第1通路部61と、第1通路部61に接続すると共に2番(4番)ジャーナルJ2(J4)から1番(4番)クランクピンP1(P4)に向かって第2接続部46から第1接続部44まで延びていて第1接続部44が第2接続部46よりも径方向外方に位置する外向き通路である第2通路部62と、第2通路部62に接続すると共に1番(4番)クランクピンP1(P4)から1番(5番)ジャーナルJ1(J5)に向かって第1接続部44から第2接続部46まで延びていて第2接続部46が第1接続部44よりも径方向内方に位置する内向き通路である第3通路部63と、から構成される。
第1,第2通路51,52は、流入部51aから主通路43に最下流の位置で接続する1番(5番)ジャーナルJ1(J5)のジャーナル用通路47に達するまで、潤滑油の流れに沿って、軸方向に延びるにつれて回転中心線Lの回りで周方向にも延びて、螺旋状の通路を構成する。そして、潤滑油の流れ方向で主通路43が周方向で延びる方向は、クランク軸70の回転方向Rとは反対の方向であり、潤滑油は反回転方向に曲がりながら第1,第2通路51,52を流れる。
この第4実施形態によれば、第3実施形態と同様の作用および効果が奏されるほか、次の作用および効果が奏される。
クランク軸70のジャーナルのうち、1つの一次ジャーナル以外は、すべて二次ジャーナルとなることから、第1実施形態と同様に、軸内通路41が形成されることによる潤滑油の漏れ量の減少効果が最も効果的に奏される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
導入通路50および第1通路51は、第2通路52よりも通路断面積が大きくなるように形成されてもよく、その場合には、前記メインギャラリからの潤滑油が軸内油路41に流入し易くなるので、主通路における最下流のジャーナル用油路またはピン用油路まで、所要の油量を一層確実に供給できる。
入口42は、1番ジャーナルJ1の軸方向での端面18に形成されてもよい。供給路40は、1番ジャーナルJ1でなく軸受部B1に形成されてもよい。また、主通路は導入通路を有していなくてもよい。
第2〜第4実施形態において、導入通路50に接続する第1通路51の流入部51aの位置は、回転中心線Lに交差する位置に設定されてもよい。
内燃機関は、前記各実施形態では車両に使用されるものであったが、鉛直方向を指向するクランク軸70を備える船外機等の船舶推進装置に使用されるものであってもよい。また、内燃機関は、1つのクランクピンP1,P2,P3,P4を有するクランク軸70を備える単気筒内燃機関、または4気筒,6気筒以外の多気筒内燃機関であってもよい。さらに、クランク軸70を備える機械は、内燃機関以外の機械、例えば圧縮機であってもよい。
本発明の第1実施形態を示し、本発明が適用されたV型6気筒内燃機関のクランク軸の斜視図である。 図1のクランク軸の側面図である。 図2のIII矢視図である。 図1のクランク軸の1番ジャーナルでの要部断面図であり、(A)は、(B)のA−A線での断面図であり、(B)は、(A)のB−B線での断面図である。 本発明の第2実施形態を示し、本発明が適用された直列4気筒内燃機関のクランク軸の側面図である。 図5のクランク軸の、図5のVI矢視での模式図である。 図5のクランク軸の1番ジャーナルでの要部断面図であり、(A)は、(B)のA−A線での断面図であり、(B)は、(A)のB−B線での断面図である。 本発明の第3実施形態を示し、図5に相当するクランク軸の側面図である。 図8のクランク軸において、図6に相当する模式図である。 本発明の第4実施形態を示し、図5に相当するクランク軸の側面図である。 図10のクランク軸において、図6に相当する模式図である。
符号の説明
1,70…クランク軸、2a〜7a…クランクアーム、2b〜7b…バランスウエイト、11…コンロッド、12…プレーン軸受、13〜17…被支持面、18…端面、21〜24…支持面、26…クランクプーリ、27…取付部、
31〜35…プレーン軸受、36…軸受壁、37…軸受キャップ、38,39…油路、40…供給路、41…軸内油路、42…入口、43…主通路、44…第1接続部、45…ピン用通路45、46…第2接続部、47…ジャーナル用通路、50…導入通路、51…第1通路、52…第2通路、61〜65…通路部、71a,71b,72a,72b…スラスト軸受、81…第1油路、82…第2油路、
J1〜J5…ジャーナル、W1a,W1b;W2a,W2b;W3a,W3b;W4a,W4b…クランクウェブ、P1〜P4…クランクピン、L…回転中心線、B1,B2,B3,B4…軸受部、H1〜H7…孔、R…回転方向。

Claims (7)

  1. 複数である所定数の軸受部と、前記所定数の前記軸受部にそれぞれ支持される前記所定数のジャーナルと1以上のクランクピンとを有するクランク軸と、潤滑油を供給する供給装置とを備え、前記各ジャーナルは、その被支持面にて前記各軸受部のプレーン軸受からなる主軸受により回転可能に支持され、前記クランクピンは、その支持面にて往復運動部材に連結される連結部材を枢支し、前記クランク軸には前記支持面に潤滑油を導く軸内油路が形成される機械において、
    前記所定数の前記ジャーナルには、前記供給装置から供給された潤滑油が流入する前記軸内油路の入口が形成されると共に前記供給装置から供給された潤滑油がその被支持面に導かれる一次ジャーナルと、前記入口から流入した潤滑油が前記軸内油路を経てその被支持面に導かれる二次ジャーナルとが含まれ、前記軸内油路は、前記入口を有する主通路と、前記主通路の第1接続部に接続して前記主通路の潤滑油を前記支持面に導くピン用通路と、前記主通路の第2接続部に接続して前記主通路の潤滑油を前記二次ジャーナルの被支持面に導くジャーナル用通路とを含み、前記主通路は、前記入口と該入口からの潤滑油が最初に流入する前記ピン用通路が接続する前記第1接続部との間で潤滑油が遠心力により加圧される外向き通路からなる第1通路と、前記第1接続部と前記第2接続部との間で通路全体に渡って前記クランク軸の回転中心線から離れた位置で延びる第2通路とを含むことを特徴とする機械。
  2. 前記主通路は、前記第1通路および前記第2通路により、軸方向に延びるにつれて前記回転中心線の回りで周方向にも延びる螺旋状の通路に形成されることを特徴とする請求項1記載の機械。
  3. 潤滑油は、前記第1通路および前記第2通路内を、前記クランク軸の回転方向とは反対の方向に周方向に曲がりながら流れることを特徴とする請求項2記載の機械。
  4. 前記第2通路の通路全体は、前記回転中心線から前記第1通路の流入部までの距離以上の距離で、前記回転中心線から離れていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の機械。
  5. 前記入口は、前記回転中心線に直交する平面と交差する状態で、前記回転中心線に向かって径方向内方に直線状に延びる導入通路を介して前記第1通路に接続することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の機械。
  6. 前記所定数は5以上の奇数であり、前記一次ジャーナルおよび前記二次ジャーナルが、軸方向での中央に位置する中央ジャーナルに対して、それぞれ対称に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の機械。
  7. 前記所定数の前記ジャーナルは、1つの前記一次ジャーナルと、残りの前記二次ジャーナルとで構成され、前記入口は、前記一次ジャーナルの被支持面に周方向に延びて形成された環状の溝に開口し、すべての前記二次ジャーナルは、軸受面に潤滑油が溜まる溝が形成されていない前記主軸受により前記軸受部に支持されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の機械。
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