JP2009150323A - 内燃機関及び車両 - Google Patents

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Kengo Nishi
賢悟 西
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雄策 山岡
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Abstract

【課題】クランクシャフトの内部に形成された潤滑油通路に送られる潤滑油の圧力を低減しつつ、潤滑油通路内に確実に潤滑油を送ることができる内燃機関、及び当該内燃機関を備えた車両を提供する。
【解決手段】潤滑油通路300は、クランクシャフトの外側部分に開口し、潤滑油が滲出する開口部(例えば、開口部326a)と、クランクシャフトの外部から潤滑油が流入する入口部310と、入口部310に連通し、クランクシャフトの軸方向に沿って形成される通路部320〜370とを有する。入口部310は、クランクシャフトの軸線方向に沿って延びるとともに、クランクシャフトの一端部に形成される。
【選択図】図5

Description

本発明は、クランクシャフトの外側部分に開口し、潤滑油が滲出する開口部を含む潤滑油通路がクランクシャフトの内部に形成された内燃機関、及び当該内燃機関が備えられた車両に関する。
自動二輪車などの車両の動力源として用いられる内燃機関では、一般的に、クランクシャフトに取り付けられたコネクティングロッドの大端部に潤滑油を供給する構造が採用されている。
具体的には、クランクシャフトの内部には、所定の方向に向かって潤滑油が流れる潤滑油通路が形成される。コネクティングロッドの大端部が取り付けられるクランクピンには、潤滑油通路の開口部が形成される。開口部から滲出した潤滑油は、クランクピンの外周及びコネクティングロッドの大端部、具体的には、大端部とクランクピンとの間に介在するベアリング(メタル)に付着し、油膜を形成する。
また、潤滑油通路は、クランクシャフトに設けられたクランクジャーナルの径方向外側から中心に向かって形成される潤滑油の入口部と、入口部に連通し、クランクシャフトの軸方向に沿って形成される通路部とを含む(例えば、特許文献1参照)。入口部は、クランクシャフトの軸線方向に沿ってシリンダブロックに形成された潤滑油のメインギャラリーに連通する。
特開平5−272365号公報(第4頁、第1図)
しかしながら、上述した従来の内燃機関には、次のような問題があった。すなわち、潤滑油通路の入口部は、クランクジャーナルの径方向外側から中心に向かって形成されるため、入口部から通路部に送られる潤滑油は、クランクジャーナル、つまり、クランクシャフトの回転によって生じる遠心力に逆らうこととなる。
このため、メインギャラリーから潤滑油通路に送られる潤滑油の圧力を高くしなければならないといった問題があった。特に、競技用の車両など、最高回転速度が高い内燃機関(例えば、15,000回転/分以上)の場合、クランクシャフトの回転によって生じる遠心力も強くなるため、潤滑油通路に送られる潤滑油の圧力をさらに高めなければならない。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、クランクシャフトの内部に形成された潤滑油通路に送られる潤滑油の圧力を低減しつつ、潤滑油通路内に確実に潤滑油を送ることができる内燃機関、及び当該内燃機関を備えた車両を提供することを目的とする。
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、シリンダ(シリンダ111)を有するシリンダブロック(シリンダブロック110)と、前記シリンダ内に配設されたピストン(ピストン141〜144)と、前記ピストンが連結され、前記ピストンの前記シリンダ内の往復によって回転させられるクランクシャフト(クランクシャフト200)とを備え、前記クランクシャフトの内部に潤滑油通路(潤滑油通路300)が形成された内燃機関(エンジン100)であって、前記潤滑油通路は、前記クランクシャフトの外側部分に開口し、潤滑油が滲出する開口部(例えば、開口部326a)と、前記クランクシャフトの外部から前記潤滑油が流入する入口部(入口部310)と、前記入口部に連通し、クランクシャフトの軸方向に沿って形成される通路部(例えば、通路部320)とを有し、前記入口部は、前記クランクシャフトの軸線(軸線SL)方向に沿って延びるとともに、前記クランクシャフトの一端部(端部200a)に形成されることを要旨とする。
このような内燃機関によれば、クランクシャフトの外部から潤滑油が流入する潤滑油通路の入口部は、クランクシャフトの軸線方向に沿って延びるとともに、クランクシャフトの一端部に形成される。このため、クランクシャフトの外部から送り込まれる潤滑油は、クランクシャフトの回転によって生じる遠心力に殆ど逆らうことなく潤滑油通路に流入できる。つまり、潤滑油通路に送られる潤滑油の圧力を低減しつつ、潤滑油通路内に確実に潤滑油を送ることができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記クランクシャフトが収容されるクランクケース部(クランクケース部110a)と、前記ピストンに連結されるコネクティングロッド(コネクティングロッド151〜154)とを備え、前記クランクシャフトは、前記クランクケース部によって回転可能に支持される複数のクランクジャーナル(クランクジャーナル211〜215)と、前記クランクジャーナルの間に設けられ、前記コネクティングロッドが取り付けられるクランクピン(クランクピン221〜224)とを有し、前記開口部は、前記クランクピンに開口することを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記クランクジャーナルは、前記入口部側に設けられる第1クランクジャーナル部(例えば、クランクジャーナル215)と、前記入口部の反対側に設けられる第2クランクジャーナル部(例えば、クランクジャーナル214)とを有し、前記通路部は、前記入口部側に形成され、前記第1クランクジャーナル部から前記クランクピンにかけて延在する第1通路部(例えば、通路部320)と、前記第1通路部と連なり、前記クランクピンから前記第2クランクジャーナル部にかけて延在する第2通路部(例えば、通路部330)とを有することを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、前記入口部は、前記第1クランクジャーナル部(クランクジャーナル215)に形成されることを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、前記クランクシャフトは、前記入口部側に設けられ、前記クランクピン(例えば、クランクピン224)に隣接する第1クランクアーム部(例えば、クランクアーム234B)と、前記入口部の反対側に設けられ、前記クランクピンに隣接する第2クランクアーム部(例えば、クランクアーム234A)とを有し、前記第1クランクアーム部及び前記第2クランクアーム部は、前記第1クランクジャーナル部及び前記第2クランクジャーナル部の軸心(軸線SL)から偏心した状態で前記クランクピンを支持することを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、本発明の第5の特徴に係り、前記潤滑油通路は、前記第1通路部と前記第2通路部とが前記クランクピンにおいて交差する交差部(例えば、交差部325)を含むことを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記潤滑油通路は、前記交差部からクランクピンの径方向外側に向かって延びる分岐部(例えば、分岐部326)を含み、前記分岐部の先端に前記開口部が形成されることを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記第1通路部は、前記第2クランクアーム部の外側部分に開口する第1開口部分(例えば、開口部分320a)を含み、前記第1開口部分には、前記第1開口部分を封止する封止部(ストッパー390)が取り付けられることを要旨とする。
本発明の第9の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記第2通路部は、前記第1クランクアーム部の外側部分に開口する第2開口部分(開口部分330a)を含み、前記第2開口部分には、前記第2開口部分を封止する封止部(ストッパー390)が取り付けられることを要旨とする。
本発明の第10の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記シリンダブロックには、前記潤滑油が通過する潤滑油ギャラリー(オイルギャラリー160)が形成され、前記潤滑油ギャラリーは、前記クランクジャーナルまで延在する延在部(延在部163〜163)を有することを要旨とする。
本発明の第11の特徴は、本発明の第10の特徴に係り、前記潤滑油ギャラリーは、前記入口部と接続される接続部(接続部164)を有することを要旨とする。
本発明の第12の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記潤滑油通路には、前記潤滑油通路内に入り込んだ気体を排出する排気通路(排気通路380)が形成され、前記排気通路は、前記クランクシャフトの他端部(端部200b)に形成されることを要旨とする。
本発明の第13の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記排気通路の内径は、前記潤滑油通路の内径よりも小さいことを要旨とする。
本発明の第14の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記内燃機関は、複数の前記シリンダが並んで配設された直列型であることを要旨とする。
本発明の第15の特徴は、本発明の第1乃至第14の特徴に係る内燃機関を備える車両(自動二輪車10)であることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、クランクシャフトの内部に形成された潤滑油通路に送られる潤滑油の圧力を低減しつつ、潤滑油通路内に確実に潤滑油を送ることができる内燃機関、及び当該内燃機関を備えた車両を提供することができる。
次に、本発明に係る内燃機関及び車両の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)車両の全体概略構成、(2)内燃機関の構造、(3)クランクシャフトの構造、(4)作用・効果、及び(5)その他の実施形態について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)車両の全体概略構成
図1は、本実施形態において車両を構成する自動二輪車10の左側面図である。図1に示すように、自動二輪車10は、前輪20と後輪40とを備える。自動二輪車10は、エンジン100が発生する駆動力によって後輪40を駆動する。本実施形態において、エンジン100は、内燃機関を構成する。自動二輪車10は、高速走行やワインディング路の走行に適したスポーツタイプの自動二輪車である。
具体的には、エンジン100が生成した駆動力は、トランスミッション(不図示)及びドライブチェーン30を介して後輪40に伝達される。エンジン100は、スポーツタイプの自動二輪車10の特徴を踏まえ、上限回転速度が高く設定される(例えば、10,000rpm以上)。
(2)内燃機関の構造
図2は、本実施形態において内燃機関を構成するエンジン100の右側面図である。図3は、図2に示したF3−F3線に沿ったエンジン100の断面図である。
図2及び図3に示すように、エンジン100は、シリンダブロック110と、シリンダブロック110に連結されるシリンダヘッド120とを備える。
シリンダブロック110は、シリンダ111〜114を有する。シリンダ111〜114内には、ピストン141〜144がそれぞれ配設される。つまり、エンジン100は、複数、具体的には、4つのシリンダが並んで配設された直列型である。ピストン141〜144には、コネクティングロッド151〜154がそれぞれ連結される。
シリンダヘッド120には、インテークカムシャフト122及びエキゾーストカムシャフト124が配設される。インテークカムシャフト122は、インテークバルブ121を所定のタイミングで押し下げるカム(不図示)を有する。同様に、エキゾーストカムシャフト124は、エキゾーストバルブ123を所定のタイミングで押し下げるカム(不図示)を有する。
シリンダブロック110の下方には、クランクシャフト200が収容されるクランクケース部110aが設けられる。
クランクシャフト200には、コネクティングロッド151〜154を介してピストン141〜144が連結される。具体的には、コネクティングロッド151〜154の大端部151a〜154aがクランクシャフト200に連結される。クランクシャフト200は、ピストン141〜144がシリンダ111〜114内を往復することによって回転させられる。
クランクシャフト200の内部には、エンジンオイル、つまり、潤滑油が送り込まれる潤滑油通路300が形成されている。潤滑油通路300は、クランクシャフト200の下方に形成されたオイルギャラリー160と連なっている。すなわち、潤滑油は、シリンダブロック110に形成されたオイルギャラリー160を通過し、潤滑油通路300に送り込まれる。
クランクシャフト200の端部200b(図3において不図示、図4及び図5参照)には、ボルト240が螺入される。ボルト240が端部200bに螺入されることによって潤滑油通路300からの潤滑油の滲出を防止する。
(3)クランクシャフトの構造
次に、クランクシャフト200の構造について説明する。具体的には、クランクシャフト200の全体構造及び潤滑油通路300の形状の形状について説明する。
(3.1)クランクシャフト200の全体構造
図4は、クランクシャフト200の斜視図である。また、図4では、クランクシャフト200の下方に形成されたオイルギャラリー160も示されている。
図3及び図4に示すように、クランクシャフト200は、クランクジャーナル211〜215を有する。クランクジャーナル211〜215は、クランクケース部110aによって回転可能に支持される。
クランクジャーナル215は、潤滑油通路300の入口部310(図4において不図示、図5参照)側に設けられる。一方、クランクジャーナル214は、入口部310の反対側に設けられる。本実施形態において、クランクジャーナル215は、第1クランクジャーナル部を構成する。また、クランクジャーナル214は、クランクジャーナル215との関係においては第2クランクジャーナル部を構成するとともに、クランクジャーナル213との関係においては入口部310側に設けられる第1クランクジャーナル部を構成する。
同様に、クランクジャーナル213(212)は、クランクジャーナル214(213)との関係においては第2クランクジャーナル部を構成するとともに、クランクジャーナル212(211)との関係においては第1クランクジャーナル部を構成する。
クランクシャフト200は、クランクジャーナル211とクランクジャーナル212との間に設けられ、コネクティングロッド151の大端部151aが取り付けられるクランクピン221を有する。また、クランクシャフト200は、クランクピン221と同様な形状を有するクランクピン222〜224を有する。
クランクピン221の側端には、クランクアーム231A及びクランクアーム231Bが連結される。つまり、クランクアーム231A及びクランクアーム231Bは、クランクピン221に隣接する。同様に、クランクピン222(〜224)の側端には、クランクアーム232A(〜234A)、及びクランクアーム232B(〜234B)が連結される。
クランクアーム234Bは、入口部310側に設けられる。一方、クランクアーム234Aは、クランクアーム234Bとの関係において入口部310の反対側に設けられる。同様に、クランクアーム233B(232B,231B)は、クランクアーム233A(232A,231A)との関係において、それぞれ入口部310側に設けられる。つまり、クランクアーム233A(232A,231A)は、クランクアーム233B(232B,231B)との関係において、それぞれ入口部310の反対側に設けられる。本実施形態において、クランクアーム234B,233B,232B及び231Bは、第1クランクアーム部を構成する。また、クランクアーム234A,233A,232A及び231Aは、第2クランクアーム部を構成する。
クランクアーム233A及びクランクアーム234Bは、クランクジャーナル215及びクランクジャーナル214の軸線SLから偏心した状態でクランクピン224を支持する。他のクランクアームも同様に、クランクジャーナルの軸線SLから偏心した状態でクランクピンを支持する。
クランクシャフト200の下方には、オイルギャラリー160が形成される。オイルギャラリー160は、接続部161、メインギャラリー部162、延在部163〜163及び接続部164を有する。
接続部161は、オイルポンプ及びオイルパン(不図示)側の潤滑油通路と接続される。メインギャラリー部162は、接続部161に連なる。メインギャラリー部162は、クランクシャフト200の長手方向と略平行になるように形成されている。本実施形態では、オイルギャラリー160内を流れる潤滑油は、約2.5kg/cmの圧力でオイルポンプから送り出される。
延在部163〜163は、メインギャラリー部162から分岐し、クランクシャフト200まで延在する。具体的には、延在部163は、クランクジャーナル211まで延在する。同様に、延在部163〜163は、クランクジャーナル212〜215までそれぞれ延在する。
接続部164は、潤滑油通路300、具体的には、入口部310(図4において不図示、図5参照)と接続される。
(3.2)潤滑油通路300の形状
図5は、潤滑油通路300の全体斜視図である。また、図6は、図2に示したF6−F6線に沿ったクランクシャフト200の断面図である。同様に、図7〜図9は、図2に示したF7−F7線、F8−F8線及びF9−F9線に沿ったクランクシャフト200の断面図である。
図4〜図9に示すように、潤滑油通路300は、入口部310及び通路部320,330,340,350,360,370を有する。
入口部310は、クランクジャーナル215に形成される。入口部310には、クランクシャフト200の外部、具体的には、オイルギャラリー160の接続部164から潤滑油が流入する。入口部310は、クランクシャフト200の一端部、具体的には、端部200a(図4参照)に設けられる。入口部310は、クランクシャフト200の軸線SL方向に沿って延びる。つまり、接続部164から供給された潤滑油は、図中のD方向から潤滑油通路300に流入する。
通路部320は、入口部310に連通する。また、通路部320,330,340,350,360,370は、クランクシャフト200の軸方向に沿って形成される。
通路部320は、入口部310側に形成される。通路部320は、クランクジャーナル215からクランクピン224にかけて延在する。通路部330は、通路部320と連なる。通路部330は、クランクピン224からクランクジャーナル214にかけて延在する。
さらに、通路部330は、クランクジャーナル214からクランクピン223にかけて延在する。通路部340は、通路部330と連なり、クランクピン223からクランクジャーナル213にかけて延在する。本実施形態において、通路部320は、第1通路部を構成する。また、通路部330は、通路部320との関係において、第2通路部を構成するとともに、通路部340との関係において、第1通路部を構成する。同様に、通路部340(350,360)は、通路部330(340,350)との関係において、第2通路部を構成するとともに、通路部350(360,370)との関係において、第1通路部を構成する。
潤滑油通路300は、交差部325,335,345,355及び365を有する。交差部325は、通路部320と通路部330とがクランクピン224において交差する部分である。同様に、交差部335(345,365)は、通路部330(340,360)と通路部340(350,370)がクランクピン223(222,221)において交差する部分である。交差部355は、通路部350と通路部360とがクランクジャーナル212において交差する部分である。
また、潤滑油通路300は、交差部325からクランクピン224の径方向外側に向かって延びる分岐部326を有する。同様に、クランクシャフト200は、交差部335(345,365)からクランクピン223(222,221)の径方向外側に向かって延びる分岐部336(346,366)を有する。
分岐部326(336,346,366)の先端には、開口部326a(336a,346a,366a)が形成される。開口部326a(336a,346a,366a)は、クランクシャフト200の外側部分、具体的には、クランクピン224(〜221)に開口している。開口部326a(336a,346a,366a)からは、潤滑油通路300の入口部310から送り込まれた潤滑油がクランクピン224(〜221)に滲出する。
通路部320は、クランクアーム234Aの外側部分に開口する開口部分320aを含む。また、通路部330は、クランクアーム234Bの外側部分に開口する開口部分330aを含む。同様に、通路部340(360)は、クランクアーム232A(231A)の外側部分に開口する開口部分340a(360a)を含む。また、通路部350(370)は、クランクアーム232Bの外側部分に開口する開口部分350a(370a)を含む。本実施形態において、開口部分320a,340a、360aは、第1開口部分を構成する。また、開口部分330a,350a,370aは、第2開口部分を構成する。
開口部分320a(330a,340a,350a,360a,370a)には、開口部分320a(330a,340a,350a,360a,370a)を封止するストッパー390が取り付けられる。ストッパー390は、開口部分320a(330a,340a,350a,360a,370a)から潤滑油が滲出することを防止する。
また、潤滑油通路300には、潤滑油通路300に入り込んだ空気を排出する排気通路380が形成される。排気通路380は、クランクシャフト200の端部200b(他端部)に形成される。排気通路380の内径は、潤滑油通路300の内径よりも小さい。また、排気通路380は、通路部370に対して斜めに交差する方向に沿って延びる。クランクシャフト200の端部200b、具体的には、通路部370には、ボルト240が螺入される。
本実施形態では、車幅方向外側に位置するクランクアーム231Aと、オイルギャラリー160の延在部163とは、クリアランスが少なく接近している。クランクアーム231Aのサイズは、クランクアーム231Aと延在部1631とのクリアランスを確保するため、他のクランクアームよりも小さい。具体的には、クランクアーム231Aは、他のクランクアームよりもクランクシャフト200の半径方向に沿った長さが短い。
さらに、クランクアーム231Aとクランクピン221を介して対向するクランクアーム231Bには、クランクアーム231Bの重量をクランクアーム231Aの重量と合わせるため、凹部231dが形成される。また、クランクシャフト200の半径方向に沿った長さが他のクランクアームより短く、重心が軸線SLの位置からずれるクランクアーム231A、及び凹部231dが形成されたことによって重心が軸線SLの位置からずれるクランクアーム231Bをスムーズに回転させるため、通路部360及び通路部370の直径は、通路部320,330,340,350の直径よりも大きい。
(4)作用・効果
エンジン100によれば、クランクシャフト200の外部から潤滑油が流入する潤滑油通路300の入口部310は、クランクシャフト200の軸線SL方向に沿って延びるとともに、クランクシャフト200の端部200aに形成される。このため、クランクシャフト200の外部から送り込まれる潤滑油は、クランクシャフト200の回転によって生じる遠心力に殆ど逆らうことなく潤滑油通路300に流入できる。つまり、潤滑油通路300に送り込まれる潤滑油の圧力を低減しつつ、潤滑油通路300内に確実に潤滑油を送ることができる。
具体的には、本実施形態では、オイルギャラリー160内を流れる潤滑油は、約2.5kg/cmの圧力でオイルポンプから送り出される。一方、クランクシャフト200の回転によって生じる遠心力に逆らう方向、つまり、クランクシャフト200の径方向外側からクランクシャフト200の回転中心に向かって入口部が形成される場合、概ね2倍の圧力、つまり、約5kg/cmの圧力で潤滑油をオイルポンプから送り出さなければならない。
本実施形態では、開口部326a(336a,346a,366a)は、クランクピン224(〜221)に開口する。このため、クランクピン221(〜224)に連結されるコネクティングロッド151(〜154)の大端部151a(〜154a)を確実に潤滑できる。
本実施形態では、潤滑油通路300を構成する通路部320,330,340,350,360,370は、クランクジャーナル、クランクアームまたはクランクピンに形成される。また、入口部310は、クランクジャーナル215に形成される。さらに、クランクアーム(例えば、クランクアーム234A,234B)は、軸線SLから偏心した状態でクランクピン(クランクピン224)を支持する。すなわち、従来から用いられている形状と同形状のクランクシャフトを用いつつ、潤滑油通路300を形成できる。
本実施形態では、潤滑油通路300には、交差部(例えば、交差部325)が形成される。また、交差部からクランクピンの径方向外側に向かって延びる分岐部(例えば、分岐部326)が形成される。さらに、開口部分(例えば、開口部分320a,330a)には、ストッパー390が取り付けられる。このため、クランクシャフト200を製造後、ドリリングによって潤滑油通路300を形成できる。つまり、開口部分は、クランクシャフト200をドリリングすることによって形成されたものである。
本実施形態では、オイルギャラリー160は、クランクジャーナル211(〜215)まで延在する延在部163(〜163)を有する。このため、クランクジャーナル211(〜215)が潤滑される。すなわち、クランクシャフト200により確実に潤滑油を送ることができる。
また、オイルギャラリー160は、入口部310と接続される接続部164を有する。つまり、本実施形態では、潤滑油通路300への潤滑油の供給と、クランクジャーナル211(〜215)への潤滑油への供給とは、オイルギャラリー160から行われる。このため、潤滑油通路300への潤滑油の供給のために、別個の潤滑油の供給経路を設ける必要がなく、エンジン100の小型化に寄与する。
本実施形態では、潤滑油通路300の排気通路380は、クランクシャフト200の端部200bに形成される。また、排気通路380の内径は、潤滑油通路300の内径よりも小さい。さらに、排気通路380は、通路部370に対して斜めに交差する方向に沿って延びる。このため、潤滑油は、開口部326a、336a,346a,366aから潤滑油通路300外に滲出し、潤滑油通路300に入り込んだ空気のみを排気通路380から潤滑油通路300外に排出できる。
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
例えば、上述した実施形態では、排気通路380は、通路部370に対して斜めに交差する方向に沿って延びていたが、排気通路380は、必ずしも通路部370に対して斜めに交差する方向に沿って延びていなくても構わない。
上述した実施形態では、オイルギャラリー160から潤滑油通路300に潤滑油が供給されていたが、オイルギャラリー160とは別個の供給経路を用いて潤滑油通路300に潤滑油を供給してもよい。また、オイルギャラリー160は、必ずしも設けなくても構わない。
さらに、潤滑油通路300の形状は、必ずしも上述した実施形態に限定されない。例えば、開口部分320a,330aは、形成されていなくても構わない。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の実施形態に係る自動二輪車10の左側面図である。 本発明の実施形態に係るエンジン100の右側面図である。 図2に示したF3−F3線に沿ったエンジン100の断面図である。 本発明の実施形態に係るクランクシャフト200の斜視図である。 本発明の実施形態に係る潤滑油通路300の全体斜視図である。 図2に示したF6−F6線に沿ったクランクシャフト200の断面図である。 図2に示したF7−F7線に沿ったクランクシャフト200の断面図である。 図2に示したF8−F8線に沿ったクランクシャフト200の断面図である。 図2に示したF9−F9線に沿ったクランクシャフト200の断面図である。
符号の説明
10…自動二輪車、20…前輪、30…ドライブチェーン、40…後輪、100…エンジン、110…シリンダブロック、110a…クランクケース部、111…シリンダ、120…シリンダヘッド、121…インテークバルブ、122…インテークカムシャフト、123…エキゾーストバルブ、124…エキゾーストカムシャフト、141〜144…ピストン、151〜154…コネクティングロッド、151a〜154a…大端部、160…オイルギャラリー、161…接続部、162…メインギャラリー部、163〜163…延在部、164…接続部、200…クランクシャフト、200a,200b…端部、211〜215…クランクジャーナル、221〜224…クランクピン、231A〜234A,231B〜234B…クランクアーム、231d…凹部、240…ボルト、300…潤滑油通路、310…入口部、320,330,340,350,360,370…通路部、320a,330a,340a,350a,360a,370a…開口部分、325,335,345,355,365…交差部、326,336,346,366…分岐部、326a,336a,346a,366a…開口部、380…排気通路、ストッパー390、SL…軸線

Claims (15)

  1. シリンダを有するシリンダブロックと、
    前記シリンダ内に配設されたピストンと、
    前記ピストンが連結され、前記ピストンの前記シリンダ内の往復によって回転させられるクランクシャフトと
    を備え、
    前記クランクシャフトの内部に潤滑油通路が形成された内燃機関であって、
    前記潤滑油通路は、
    前記クランクシャフトの外側部分に開口し、潤滑油が滲出する開口部と、
    前記クランクシャフトの外部から前記潤滑油が流入する入口部と、
    前記入口部に連通し、クランクシャフトの軸方向に沿って形成される通路部と
    を有し、
    前記入口部は、前記クランクシャフトの軸線方向に沿って延びるとともに、前記クランクシャフトの一端部に形成される内燃機関。
  2. 前記クランクシャフトが収容されるクランクケース部と、
    前記ピストンに連結されるコネクティングロッドと
    を備え、
    前記クランクシャフトは、
    前記クランクケース部によって回転可能に支持される複数のクランクジャーナルと、
    前記クランクジャーナルの間に設けられ、前記コネクティングロッドが取り付けられるクランクピンと
    を有し、
    前記開口部は、前記クランクピンに開口する請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記クランクジャーナルは、
    前記入口部側に設けられる第1クランクジャーナル部と、
    前記入口部の反対側に設けられる第2クランクジャーナル部と
    を有し、
    前記通路部は、
    前記入口部側に形成され、前記第1クランクジャーナル部から前記クランクピンにかけて延在する第1通路部と、
    前記第1通路部と連なり、前記クランクピンから前記第2クランクジャーナル部にかけて延在する第2通路部と
    を有する請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記入口部は、前記第1クランクジャーナル部に形成される請求項3に記載の内燃機関。
  5. 前記クランクシャフトは、
    前記入口部側に設けられ、前記クランクピンに隣接する第1クランクアーム部と、
    前記入口部の反対側に設けられ、前記クランクピンに隣接する第2クランクアーム部と
    を有し、
    前記第1クランクアーム部及び前記第2クランクアーム部は、前記第1クランクジャーナル部及び前記第2クランクジャーナル部の軸心から偏心した状態で前記クランクピンを支持する請求項3に記載の内燃機関。
  6. 前記潤滑油通路は、前記第1通路部と前記第2通路部とが前記クランクピンにおいて交差する交差部を含む請求項5に記載の内燃機関。
  7. 前記潤滑油通路は、前記交差部からクランクピンの径方向外側に向かって延びる分岐部を含み、
    前記分岐部の先端に前記開口部が形成される請求項6に記載の内燃機関。
  8. 前記第1通路部は、前記第2クランクアーム部の外側部分に開口する第1開口部分を含み、
    前記第1開口部分には、前記第1開口部分を封止する封止部が取り付けられる請求項6に記載の内燃機関。
  9. 前記第2通路部は、前記第1クランクアーム部の外側部分に開口する第2開口部分を含み、
    前記第2開口部分には、前記第2開口部分を封止する封止部が取り付けられる請求項6に記載の内燃機関。
  10. 前記シリンダブロックには、前記潤滑油が通過する潤滑油ギャラリーが形成され、
    前記潤滑油ギャラリーは、前記クランクジャーナルまで延在する延在部を有する請求項2に記載の内燃機関。
  11. 前記潤滑油ギャラリーは、前記入口部と接続される接続部を有する請求項10に記載の内燃機関。
  12. 前記潤滑油通路には、前記潤滑油通路内に入り込んだ気体を排出する排気通路が形成され、
    前記排気通路は、前記クランクシャフトの他端部に形成される請求項1に記載の内燃機関。
  13. 前記排気通路の内径は、前記潤滑油通路の内径よりも小さい請求項12に記載の内燃機関。
  14. 前記内燃機関は、複数の前記シリンダが並んで配設された直列型である請求項1に記載の内燃機関。
  15. 請求項1乃至14の内燃機関を備える車両。
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