JP2001173634A - オイルフィルタを備えたクランク軸 - Google Patents

オイルフィルタを備えたクランク軸

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JP2001173634A
JP2001173634A JP35611199A JP35611199A JP2001173634A JP 2001173634 A JP2001173634 A JP 2001173634A JP 35611199 A JP35611199 A JP 35611199A JP 35611199 A JP35611199 A JP 35611199A JP 2001173634 A JP2001173634 A JP 2001173634A
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crankshaft
oil
oil filter
oil passage
filter
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JP35611199A
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Atsushi Ogasawara
敦 小笠原
Takafumi Asakura
孝文 朝倉
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタの利用によりゴミ等の異物の分離性
能が良好であり、かつクランク軸の大型化・重量増を招
来することがないオイルフィルタ42を備えたクランク軸
を提供する。 【解決手段】 コンロッド15がクランクピン12に軸受16
を介して連結されたクランク軸10において、クランクウ
エイト13Rの側面13Raには、軸受16に潤滑油を供給す
る潤滑油路の一部を構成する円環状溝39が設けられ、円
環状溝39にオイルフィルタ42が収容される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願発明は、クランクピン
への潤滑油を供給する潤滑油路が設けられたクランク軸
に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関にみられるように、ピストンの
往復運動をクランク軸の回転運動に変換するために、ピ
ストンはコンロッドを介してクランク軸と連結される。
その際、コンロッドは、クランク軸のクランクピンに、
例えば軸受メタルからなる軸受を介して連結される。こ
の軸受は、供給された潤滑油により潤滑油の膜を形成す
ることで、金属同士を非接触状態に保つことができ、コ
ンパクトであるうえ、低騒音で耐久性もあるという利点
を有する。
【0003】しかしながら、軸受に供給される潤滑油に
ゴミ等の固形の異物が含まれていると、軸受の耐久性が
損なわれ、摺動面のフリクションロスが増大する。そこ
で、異物を含んだ潤滑油が軸受に供給されないように、
オイルポンプから吐出された潤滑油路の途中にはオイル
フィルタが設けられる。ところが、通常、クランクケー
スに配置されるこのオイルフィルタは、比較的大きなス
ペースを占めるため、例えば自動2輪車等に搭載される
小型の内燃機関においては、内燃機関の大型化を伴うこ
となく、オイルフィルタを配置するスペースを確保する
のが困難であった。
【0004】そこで、内燃機関を大型化することなく、
軸受に供給される潤滑油中の異物を分離するための装置
として、例えば特公昭61−22167号公報に開示さ
れた潤滑油路装置がある。この潤滑油路装置は、クラン
ク軸のクランクピン部に形成された潤滑油貯留室に、給
油路を連通させるとともに、該給油路の延長路と交差す
ることがなく、かつクランク軸のジャーナル部の回転軸
線側に偏らせて、クランクピンの外周部に連通する分配
油路を開口させている。
【0005】その結果、給油路の潤滑油が分配油路に直
接流入することはなく、しかも給油路の潤滑油中のゴミ
等は、クランク軸の回転により生じる遠心力で、潤滑油
貯留室の、分配油路の開口部と略対向する側面部に押圧
されるので、ゴミ等が分配油路に入ることがないもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記潤滑油
路装置では、比較的容積の大きい潤滑油貯留室が、ピス
トンからコンロッドを介して伝達される荷重が作用する
クランクピン部に設けられるため、クランクピン部の強
度を高める必要があって、クランク軸の大型化・重量増
を招来することがあった。また、軸受に供給される潤滑
油中のゴミ等は遠心力により分離されるものの、フィル
タを使用した場合と同程度の分離性能を確保することは
困難であった。
【0007】本出願発明は、このような事情に鑑みてな
されたものであって、請求項1ないし請求項5記載の発
明は、フィルタの利用によりゴミ等の異物の分離性能が
良好であり、かつクランク軸の大型化・重量増を招来す
ることがないオイルフィルタを備えたクランク軸を提供
することを共通の目的とする。また、請求項2記載の発
明は、さらに、遠心力およびオイルフィルタと共働によ
り異物を一層良好に分離することを目的とし、請求項3
記載の発明は、さらに、異物によるオイルフィルタの目
詰まりを抑制することを目的とし、請求項4記載の発明
は、さらに、部品点数の削減を目的とし、請求項5記載
の発明は、さらに、オイルフィルタをコンパクトに配置
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本出願
の請求項1記載の発明は、コンロッドがクランクピンに
軸受を介して連結され、該軸受に潤滑油を供給する潤滑
油路が設けられたクランク軸において、前記潤滑油路中
に設けられたオイルフィルタが、クランクウエイトにお
ける前記クランク軸の軸線方向の一側面側に配置されて
該クランクウエイトに取り付けられたオイルフィルタを
備えたクランク軸である。
【0009】この請求項1記載の発明によれば、クラン
ク軸に設けられた潤滑油路中に設けられたオイルフィル
タがクランクウエイトの一側面側に配置される。その結
果、オイルフィルタの使用により、軸受に供給される潤
滑油中のゴミ等の異物を良好に分離できて、軸受の耐久
性を向上できるうえ、大きなスペースを要することな
く、オイルフィルタを配置できる。また、クランクウエ
イトの側面側には、コンロッドからの荷重が直接作用す
ることがないため、オイルフィルタを設けたことによる
強度低下は殆どなく、強度を高めることによるにクラン
ク軸の大型化・重量増を招くこともない。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載のオ
イルフィルタを備えたクランク軸において、前記潤滑油
路は、前記オイルフィルタの直上流側に設けられた上流
側油路を有するとともに、該オイルフィルタの下流側に
おいて、上流側油路の前記クランク軸の径方向最外方の
油路面よりも該クランク軸の径方向内方に位置する下流
側油路を有するものである。
【0011】この請求項2記載の発明によれば、クラン
ク軸と一体に回転するオイルフィルタは、クランク軸の
軸線から偏心した位置にあるクランクウエイトの側面側
に配置されるため、やはりクランク軸の軸線から偏心し
た位置を占める。そのため、上流側油路の潤滑油中に異
物が含まれているときは、クランク軸の回転により、異
物が上流側油路の最外方の油路面側に押しやられて、下
流側油路よりもクランク軸の径方向外方にある該油路面
側に集積するため、異物がオイルフィルタを通過するこ
とが抑制される。しかも、遠心力により該油路面側に集
積されるに至らなかった異物は、オイルフィルタにより
分離されるため、異物のより良好な分離がなされる。
【0012】さらに、異物は遠心力によりクランク軸の
径方向で外方に位置する油路面側に押しやられて集積す
るため、堆積した異物により、下流側油路への潤滑油の
供給が大きく阻害されることがない。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載また
は請求項2記載のオイルフィルタを備えたクランク軸に
おいて、前記オイルフィルタは、前記クランク軸の軸線
を囲んで位置する外周縁部と、該外周縁部よりも該クラ
ンク軸の径方向内方において該クランク軸の軸線を囲ん
で位置する内周縁部と、該外周縁部と該内周縁部との間
に設けられたフィルタ部とを有するものである。
【0014】この請求項3記載の発明によれば、潤滑油
中の異物は遠心力によりクランク軸の径方向で外方に位
置する外周縁部側に押しやられて集積するため、外周縁
部よりも径方向内方に位置するフィルタ部に異物が堆積
することが抑制され、フィルタ部の目詰まりが生じ難く
なる。その結果、オイルフィルタの交換時期を延ばすこ
とができて、オイルフィルタを長期に渡って使用できる
ため、メンテナンスが容易になる。
【0015】また、クランクウエイトの側面の面積は比
較的広いので、オイルフィルタのフィルタ部の面積を大
きくすることができるため、十分な分離機能を確保した
うえで、目詰まりによるオイルフィルタの機能低下を緩
やかにすることができ、この点でも、オイルフィルタの
交換時期を延ばすことができる。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項3記載のオ
イルフィルタを備えたクランク軸において、前記外周縁
部が、前記オイルフィルタを支持する支持部に弾性変形
して当接することにより、該外周縁部と該支持部との間
が油密に保たれるものである。
【0017】この請求項4記載の発明によれば、遠心力
による潤滑油の飛散を防止するために、オイルフィルタ
の外周縁部と支持部との間を、外周縁部の弾性変形によ
り油密に保つことができるので、別途シール部材は不要
となり、部品点数の低減ができて、コスト削減が可能と
なる。また、オイルフィルタと支持部との間が油密に保
たれるので、潤滑油路内の潤滑油圧の低下を防止でき、
潤滑油の圧送源であるオイルポンプ駆動のための動力を
低減できる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1ないし請
求項4のいずれか1項記載のオイルフィルタを備えたク
ランク軸において、前記一側面側は前記クランクウエイ
トの側面であり、前記オイルフィルタは該側面に形成さ
れた溝内に収容されたものである。
【0019】この請求項5記載の発明によれば、オイル
フィルタがクランクウエイトの溝内に収容されるので、
オイルフィルタをクランクウエイトの側面側にコンパク
トに配置できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本出願発明の実施形態を図
1ないし図11を参照して説明する。図1ないし図6は
第1実施形態を説明するための図であり、図1は、本出
願発明のクランク軸が適用される内燃機関2を備えたパ
ワーユニット1の平断面図である。
【0021】自動2輪車に搭載されるパワーユニット1
は、内燃機関2と動力伝達装置3とを備え、動力伝達装
置3は、遊星ギヤ式変速機4および最終減速装置5を有
している。内燃機関2は、火花点火式の4サイクル単気
筒水冷式内燃機関であり、上下割りのクランクケース6
U,6L、シリンダヘッド7およびシリンダヘッドカバ
ー8が順次重ねられて組み付けられて構成され、上クラ
ンクケース6Uの上部にはシリンダ9(図2参照)が一
体成形されている。
【0022】前後一対のクランクジャーナル11F,11
R、クランクピン12および前後一対のクランクウエイト
13F,13Rが一体成形された一体式のクランク軸10は、
その軸線L1が車体の前後方向を指向して配置され、クラ
ンクジャーナル11F,11Rにそれぞれ圧入された前後一
対の玉軸受14F,14Rを介してクランクケース6U,6
Lに回転自在に支持されている。
【0023】シリンダ9に摺動自在に嵌合されたピスト
ンのピストンピンに小端部が枢着されたコンロッド15の
大端部は、軸受メタルからなる軸受16を介してクランク
ピン12に枢着され、このコンロッド15を介して、往復動
するピストンによりクランク軸10が回転駆動される。
【0024】前側の玉軸受14Fよりも前方に位置するク
ランク軸10の前軸端部には交流発電機17が設けられ、交
流発電機17のロータはナットによりクランク軸10に固定
されている。また、交流発電機17のロータには、ラジエ
ータに冷却用の空気を送る冷却ファン18が取り付けられ
ている。
【0025】また、後側の玉軸受14Rよりも後方に位置
するクランク軸10の後軸端部には、後方に向かって順に
バランサ駆動ギヤ19および出力ギヤ20が、クランク軸10
と一体に回転するように、クランク軸10に形成されたス
プラインにそれぞれ圧入されて結合されている。さら
に、出力ギヤ20の後方の後軸端部には、後述するオイル
ポンプ28が設けられている。
【0026】バランサ駆動ギヤ19は、その歯数と等しい
歯数を有してバランサ軸21に取り付けられた従動ギヤで
ある大ギヤ22と噛合する。さらに、大ギヤ22と同一の部
材に設けられた小ギヤ23は、複動型のピストン式過給機
25の過給ピストン25aを往復動させる過給クランク軸25b
にスプライン結合されたカムギヤ24と噛合し、過給クラ
ンク軸25bには、シリンダヘッド7に一対の玉軸受を介
して回転自在に支持され、動弁機構を駆動するカム軸26
が一体に回転するように取り付けられている。そして、
これら一連のギヤ列により、バランサ軸21はクランク軸
10と等しい回転数で回転し、カム軸26はクランク軸10の
1/2の減速比で回転する。
【0027】ところで、円筒状のバランサ軸21の外周面
には一部切欠を有する円筒状のウエイト21aが取り付け
られ、クランクウエイト13F,13Rを備えたクランク軸
10の回転により発生する振動と、ピストンおよびコンロ
ッド15の往復動により発生する振動とを抑制している。
また、バランサ軸21の内側には冷却水ポンプ27のハウジ
ングが収容されている。そして、バランサ軸21の内周面
には、永久磁石21bが周方向に取り付けられて、冷却水
ポンプ27のインペラ27aに周方向に取り付けられた永久
磁石27bとの間で磁気カップリングを形成し、バランサ
軸21により磁気カップリングを介してインペラ27aが回
転駆動される。
【0028】一方、動力伝達装置3の構成要素である遊
星ギヤ式変速機4は、出力ギヤ20と噛合する入力ギヤ4
a、発進クラッチ4b、2速用、3速用および4速用の、
遊星ギヤ機構とクラッチ機構とからなる各変速クラッチ
4c,4d,4e、そして出力軸4fを備えている。そして、出
力軸4fからの出力は、最終減速装置5のドライブ軸5aを
介して後輪の車軸に伝達される。
【0029】次に、図1のクランク軸10を中心としたよ
り詳細な図であってシリンダ9の軸線を通る断面図であ
る図2、図2のクランク軸10のみの図2のIII−II
I線断面図である図3、クランク軸10のみの図2のIV
矢視図である図4、図2のオイルフィルタの正面図であ
る図5、および図5のVI−VI線断面図である図6を
参照して、クランク軸10に設けられたオイルポンプ28、
潤滑油路の構造およびオイルフィルタ42を中心に説明す
る。
【0030】図2に図示されるように、クランク軸10の
後軸端部に設けられたオイルポンプ28は管材からなる駆
動軸29を有し、駆動軸29は、クランク軸10の後部端面か
らクランク軸10と同心に形成された嵌合穴内に圧入され
たカラー30に圧入され、クランク軸10と一体に回転す
る。なお、31は、駆動軸29と嵌合穴との間を油密に保つ
ためのオイルシールである。オイルポンプ28は、トロコ
イド式のものであり、変速機ケース32とカバープレート
33とにより形成された空間内で、ロータ34が駆動軸29に
より回転駆動される。そして、駆動軸29の中空部により
形成される油路35の一端は、オイルポンプ28の吐出口に
連通し、他端は、嵌合穴の底部においてクランク軸10と
同心の穴からなる油路36に連通する。
【0031】図4を併せて参照すると、油路36を横断し
てクランク軸10の直径方向に延びるとともに、クランク
軸10の軸線L1とクランクピン12の軸線L2とを含む仮想平
面に略直交する貫通孔からなる油路37が設けられる。油
路37の両開口は玉軸受14Rのインナレースの内周面に対
向しており、その一方の開口は、クランク軸10の軸線L1
に関して、クランクピン12の軸線L2の位置からクランク
軸10の回転方向とは逆方向に約90度回転した位置にあ
って、クランクジャーナル11Rの外周面に形成された連
絡溝38に開口し、他方の開口は、玉軸受14Rのインナレ
ースにより閉鎖されている。
【0032】連絡溝38は、玉軸受14Rのインナレースの
内周面に沿ってクランク軸10の軸線L1方向に延び、イン
ナレースのクランクウエイト13R側の側面で、後述する
円環状溝39に連通している。また、連絡溝38の底面は、
図2において異なる断面として示されるように、円弧状
をしており、連絡溝38から円環状溝39に流出する潤滑油
をクランク軸10の略径方向に向かうように偏向させてい
る。
【0033】ところで、一対のクランクウエイト13F,
13Rのうち、前側のクランクウエイト13Fは、図3に図
示されるように、クランク軸10の軸線L1に対してクラン
クピン12の位置とは反対側にバランスウエイト部13Fa
を有する一方で、後側のクランクウエイト13Rは、図4
に図示されるように、クランク軸10の軸線L1を中心線と
した円板状に形成されている。そして、クランクウエイ
ト13Rにおいて、クランク軸10の軸線L1から偏心して位
置し、かつクランク軸10の軸線L1方向の一側面側に位置
して、すなわち玉軸受14Rに隣接する側面13Raに位置
して、クランク軸10の軸線L1を囲んで該軸線L1を中心線
とする油路としての円環状溝39が設けられている。
【0034】図2および図4に図示されるように、この
円環状溝39は、玉軸受14Rのインナレースの径方向の厚
みの略中央位置とクランク軸10の軸線L1との間の距離を
半径とする内周面39aと、玉軸受14Rのアウタレースの
外径よりも大きな直径を有する外周面39bと、そして内
周面39aと外周面39bとの間を径方向に延びる平面状の底
面39cとを有している。そして、前記連絡溝38はこの内
周面39aに開口している。
【0035】クランクピン12の軸線L2方向で見て、クラ
ンクピン12と重なる部分の円環状溝39の底面39cには、
クランク軸10の軸線L1に沿って延びる油路40が開口して
いる。この油路40は、クランク軸10と同様に鍛造により
形成された穴からなり、その流路断面は、前記仮想平面
に直交する方向に長径を有し、該仮想平面上においてク
ランクピン12の軸線L2と直交する方向に短径を有すると
ともに、短径方向にやや膨出した略長円形状をしてい
る。
【0036】油路40からは、軸受16を介してコンロッド
15が連結されるクランクピン12の外周面に向けて、前記
仮想平面からクランク軸10の回転方向に向かって約40
度の角度の中心線を有する貫通孔からなる油路41が形成
されている。そして、この油路41は、前記外周面の周方
向に形成された円環状の溝12aに開口している。そし
て、油路40が略長円形状をしていることにより、油路41
の形成位置の自由度を増すことができ、また油路41が前
記仮想平面上に位置するのを回避しているため、ピスト
ンに作用する爆発荷重に基づいて、コンロッド15を介し
て作用する荷重によるクランクピン12への面圧を低下さ
せることができる。
【0037】そして、油路35、油路36、油路37、連絡溝
38、円環状溝39、油路40および油路41は、軸受16に潤滑
油を供給する潤滑油路を形成している。
【0038】一方、合成樹脂から形成される円環状のオ
イルフィルタ42は、図2、図5および図6に図示される
ように、円環状溝39の内周面39aに嵌合される円環状の
枠からなる内周縁部43と、円環状溝39の外周面39bに嵌
合される円環状の枠からなる外周縁部44と、周方向に等
間隔にかつ径方向に延びて形成されて、内周縁部43と外
周縁部44とを接続する複数のリブからなる複数の接続部
45と、それら内周縁部43、外周縁部44および接続部45と
により囲まれた部分に設けられた複数の網状のフィルタ
部46とから構成されている。
【0039】そして、オイルフィルタ42が、平面状のフ
ィルタ部46がクランク軸10の径方向に略沿う状態で円環
状溝39に取り付けられた際、図2および図6に図示され
るように、内周縁部43、接続部45およびフィルタ部46に
おいて、底面39cに対向する面とは反対側の面である円
環状溝39の開口側の面は、同一平面上に位置するように
形成される一方で、内周縁部43および接続部45はクラン
ク軸10の軸線L1方向の厚さが同一とされ、フィルタ部46
のクランク軸10の軸線L1方向の厚さはそれよりも薄くな
るように形成されている。また、外周縁部44のクランク
軸10の軸線L1方向の厚さは、内周縁部43よりも厚くされ
て、内周縁部43、接続部45およびフィルタ部46の前記開
口側の面、そして内周縁部43および接続部45の底面39c
側の面よりもクランク軸10の軸線L1方向に突出して延び
ている。
【0040】また、外周縁部44の外周面には、オイルフ
ィルタ42が円環状溝39に取り付けられたとき底面39cに
対向する側に傾斜面を有するとともに、外周面39bの直
径より大きな外径の円環状の突部44aが径方向に突出し
て形成されている。一方、内周縁部43の内径は、内周面
39aの直径よりも僅かに大きくされている。
【0041】図2に図示されるように、オイルフィルタ
42は、その外周縁部44のクランク軸10の軸線L1方向の厚
さと略同じ深さを有する円環状溝39に収容され、後側の
クランクウエイト13Rの外周面に形成された円環状の係
止溝13Rbに固定されたプレート47により押圧されて固
定されることで、クランクウエイト13Rに取り付けられ
て、クランク軸10と一体に回転する
【0042】すなわち、プレート47の外周部に形成され
た円筒状部分は、係止溝13Rbにかしめ付けられて固定
される固定部47aを構成し、プレート47のクランク軸10
の軸線L1方向の円環状の側面の内周寄りの部分は、プレ
ート47自体が有する弾性力により玉軸受14Rのインナレ
ースのクランクウエイト13R側の側面13Raに全周で当
接する当接部47bを構成している。そして、プレート47
の固定部47aと当接部47bとの間に位置してオイルフィル
タ42の外周縁部44と当接する押圧部47cにより、外周縁
部44が円環状溝39の底面39cに押圧されて、オイルフィ
ルタ42が固定される。
【0043】このとき、外周縁部44の底面39c側の面は
弾性変形を伴って底面39cに当接して支持され、また外
周縁部44の突部44aは外周面39bに弾性変形を伴って当接
して支持されて、外周縁部44と外周面39bおよび底面39c
との間が油密に保たれる。それゆえ、外周縁部44はオイ
ルシールの機能も有している。また、底面39cおよび外
周面39bはオイルフィルタ42の支持部を形成している。
【0044】また、円環状溝39において、オイルフィル
タ42とプレート47との間には、オイルフィルタ42の直上
流側の上流側油路である円環状の上流側潤滑油貯留室48
が形成され、連絡溝38を通った潤滑油が、上流側潤滑油
貯留室48にクランク軸10の略径方向から流入する。ま
た、外周縁部44が底面39cおよび外周面39bと当接し、プ
レート47の当接部47bが玉軸受14Rのインナレースに当
接することで、上流側潤滑油貯留室48内の潤滑油が漏れ
るのを極力抑制している。
【0045】一方、オイルフィルタ42と底面39cとの間
には、円環状の下流側潤滑油貯留室49が形成され、オイ
ルフィルタ42を通過した潤滑油が下流側潤滑油貯留室49
を経て油路40に流出する。オイルフィルタ42の下流側に
位置するこの油路40は、油路である円環状溝39のクラン
ク軸10の径方向最外方の油路面である外周面39bおよび
オイルフィルタ42の外周縁部44の内周面よりもクランク
軸10の径方向で内方に位置する下流側油路を構成してい
る。
【0046】次に、前述のように構成された第1実施形
態の作用効果を説明する。内燃機関2が運転されて、ク
ランク軸10によりオイルポンプ28が作動すると、下クラ
ンクケース6Lの底部に溜められていた潤滑油がオイル
ポンプ28に吸引され、オイルポンプ28から吐出された潤
滑油は、クランクケース6U,6Lおよび変速機ケース
32に設けられた油路および油管を通ってカム軸26、変速
機4や各軸受にそれぞれ供給される。
【0047】また、オイルポンプ28から吐出された一部
の潤滑油は、油路35、油路36および油路37を通り、連絡
溝38を経て、円環状溝39の内周面から上流側潤滑油貯留
室48に流入する。上流側潤滑油貯留室48に流入した潤滑
油中にゴミ等の異物が含まれているときは、クランク軸
10の回転により生じる遠心力で、異物は円環状溝39の外
周面39bに向かって移動し、外周縁部44に沿って集積さ
れる。そして、オイルフィルタ42のフィルタ部46により
異物を取り除かれた潤滑油が、油路40に流入し、油路41
を介してクランクピン12の外周面に供給され、クランク
ピン12、軸受16およびコンロッド15の大端部の間に供給
されて、潤滑がなされる。
【0048】このように、軸受16へ潤滑油を供給する潤
滑油路を構成する円環状溝39に収容されたオイルフィル
タ42が、円環状溝39が形成されたクランクウエイト13R
の一側面側であるクランクウエイト13Rの側面13Raに
配置されている。その結果、オイルフィルタ42の使用に
より、軸受16に供給される潤滑油中の異物を良好に分離
できて、軸受16の耐久性を向上できるうえ、大きなスペ
ースを要することなく、オイルフィルタ42を配置でき
る。また、クランクウエイト13Rの側面13Ra側には、
コンロッド15からの荷重が直接作用することがないた
め、オイルフィルタ42を設けたことによる強度低下は殆
どなく、強度を高めることによるにクランク軸10の大型
化・重量増を招くこともない。
【0049】そして、円環状溝39に取り付けられてクラ
ンク軸10と一体に回転するオイルフィルタ42は、クラン
ク軸10の軸線L1から偏心した位置にあるクランクウエイ
ト13Rの側面13Ra側に配置されるため、やはりクラン
ク軸10の軸線L1から偏心した位置を占める。そのため、
上流側油路である上流側潤滑油貯留室48の潤滑油中に異
物が含まれているときは、クランク軸10の回転により、
異物が上流側潤滑油貯留室48の最外方の油路面である円
環状溝39の外周面39b側に押しやられて、下流側油路で
ある油路40よりもクランク軸10の径方向外方にある外周
面39b側の外周縁部44に集積するため、異物がオイルフ
ィルタ42を通過することが抑制される。しかも、遠心力
により外周縁部44に集積されるに至らなかった異物は、
オイルフィルタ42により分離されるため、異物のより良
好な分離がなされる。
【0050】さらに、異物は遠心力によりクランク軸10
の径方向で外方に位置する外周縁部44に押しやられて集
積するため、堆積した異物により、油路40への潤滑油の
供給が大きく阻害されることがない。
【0051】潤滑油中の異物は遠心力によりクランク軸
10の径方向で外方に位置する外周縁部44に押しやられて
集積するため、外周縁部44よりも径方向内方に位置する
フィルタ部46に異物が堆積することが抑制され、フィル
タ部46の目詰まりが生じ難くなる。その結果、オイルフ
ィルタ42の交換時期を延ばすことができて、オイルフィ
ルタ42を長期に渡って使用できるため、メンテナンスが
容易になる。
【0052】また、クランクウエイト13Rの側面13Ra
の面積は比較的広いので、オイルフィルタ42のフィルタ
部46の面積を大きくすることができるため、十分な分離
機能を確保したうえで、目詰まりによるオイルフィルタ
42の機能低下を緩やかにすることができ、この点でも、
オイルフィルタ42の交換時期を延ばすことができる。
【0053】遠心力による潤滑油の飛散を防止するため
に、オイルフィルタ42の外周縁部44とその支持部である
円環状溝39の外周面39bと底面39cとの間を、外周縁部44
の弾性変形により油密に保つことができるので、別途シ
ール部材は不要となり、部品点数の低減ができて、コス
ト削減が可能となる。また、オイルフィルタ42と外周面
39bおよび底面39cとの間が油密に保たれるので、潤滑油
路内の潤滑油圧の低下を防止でき、オイルポンプ28駆動
のための摩擦損失馬力を低減できる。
【0054】さらに、円環状のオイルフィルタ42がクラ
ンクウエイト13Rの側面13Raに形成された円環状溝39
内に収容されるので、オイルフィルタ42をクランクウエ
イト13Rの側面13Ra側にコンパクトに配置できる。
【0055】異物がオイルフィルタ42を通過したとして
も、その異物は、遠心力により、油路40よりもクランク
軸10の径方向外方に位置する下流側潤滑油貯留室49を形
成する外周面39b側のオイルフィルタ42の外周縁部44に
集積するため、より異物の少ない潤滑油が油路40を経て
軸受16に供給することができる。
【0056】オイルフィルタ42の上流側に位置する上流
側潤滑油貯留室48へは、油路40の円環状溝39の底面39c
への開口位置から周方向に変位した位置において連絡溝
38より潤滑油が流入することから、油路40へ直接向かう
潤滑油の流れが発生しないようにして、油路40への異物
の流入の機会を少なくすることができる。
【0057】さらに、上流側潤滑油貯留室48へは、クラ
ンク軸10の径方向に連絡溝38より潤滑油が流入すること
から、遠心力による異物の分離が促進されるうえ、クラ
ンク軸10の軸線L1方向に延びる油路40の方向への異物の
移動を促すこともない。しかも、平面状のフィルタ部46
がクランク軸10の径方向に略沿う状態で配置されている
ため、異物は、遠心力によりフィルタ部46に沿って径方
向にかつ外周面39b側に移動し易くなっているため、異
物は、フィルタ部46に留まり難く、オイルフィルタ42を
通過し難くなる。
【0058】プレート47を玉軸受14Rに当接させて、ク
ランクウエイト13R、プレート47および玉軸受14Rの共
働により、上流側潤滑油貯留室48からの潤滑油の漏れが
極力抑制されること、またクランク軸10の軸端部にオイ
ルポンプ28が設けられているため、軸受16への潤滑油路
を短くすることができて、潤滑油路における流路抵抗を
小さくすることができることから、これらの点でも内燃
機関2の摩擦損失馬力を低減できる。
【0059】次に、クランク軸の図2に相当する断面図
である図7、クランク軸のみの図7のVIII−VII
I線断面図である図8、クランク軸のみの図7のIX矢
視図である図9、図7のオイルフィルタの正面図である
図10、および図10のXI−XI線断面図である図1
1を参照して、本出願発明の第2実施形態を説明する。
この第2実施形態は、第1実施形態とは異なる構成につ
いて主として説明し、第1実施形態と同じまたは対応す
る構成については、同じ符号を付すことによりその説明
を省略または簡略にする。
【0060】クランク軸10の後軸端部には、バランサ駆
動ギヤ61がクランク軸10と一体に回転するように、クラ
ンク軸10に形成されたスプラインに圧入されて結合され
ている。さらに、バランサ駆動ギヤ61には、バランサ軸
に取り付けられた従動ギヤとの間のバックラッシュをな
くすために、バランサ駆動ギヤ61に対してスプリング62
を介して所定範囲で回動自在に結合されたバランサ駆動
サブギヤ63が設けられている。さらに、バランサ駆動ギ
ヤ61の後方のクランク軸10の後軸端部に設けられたオイ
ルポンプの駆動軸29がクランク軸10と一体に回転する。
【0061】また、クランク軸10の前後一対のクランク
ウエイト13F,13Rのうち、前側のクランクウエイト13
Fには、図8に図示されるように、クランク軸10の軸線
L1に対してクランクピン12の位置とは反対側にバランス
ウエイト部13Faが形成されて、バランスウエイト部13
Faに3個のウエイト13Fbが圧入されている。
【0062】一方、後側のクランクウエイト13Rは、図
9に図示されるように、クランク軸10の軸線L1を中心線
とした円板状に形成された出力ギヤとなっており、その
外周面には多数の歯13Rcが形成されている。さらに、
クランクウエイト13Rにおいて、クランク軸10の軸線L1
方向の一側面側に位置して、すなわち玉軸受14Rに隣接
する側面13Raに、クランク軸10の軸線L1を囲んで該軸
線L1を中心線とする油路としての円環状溝64が設けられ
ている。
【0063】図7に図示されるように、この円環状溝64
は、クランク軸10の軸線L1に対して、玉軸受14Rのイン
ナレースの径方向の厚みの略中央位置の半径を有する内
周面64a、玉軸受14Rのアウタレースの外径よりも大き
な直径を有する外周面64b、そして内周面64aと外周面64
bとの間を径方向に延びる平面状の底面64cを有してい
る。そして、内周面64aには連絡溝38が開口している。
【0064】クランクピン12の軸線L2方向から見て、ク
ランクピン12と重なる部分の円環状溝64の底面64cに
は、クランク軸10の軸線L1に沿って延びる油路65が形成
される。この油路65は、クランク軸10と同様に鍛造によ
り形成された穴からなり、その流路断面は、図9に図示
されるように、クランク軸10の軸線L1およびクランクピ
ン12の軸線L2を含む仮想平面に直交する方向に長い径を
有し、該仮想平面上においてクランクピン12の軸線L2と
直交する方向に短い径を有する略長円形状をしている。
【0065】そして、油路65からは、軸受16を介してコ
ンロッド15が連結されるクランクピン12の外周面に開口
するように、前記仮想平面からクランク軸10の回転方向
に向かって約40度の角度の中心線を有する貫通孔から
なる油路66が形成されている。したがって、油路66の形
成位置の自由度および爆発荷重に基づくクランクピン12
への面圧については、第1実施形態と同様の効果があ
る。
【0066】ここで、油路35、油路36、連絡溝38、円環
状溝64、油路65および油路66は、軸受16に潤滑油を供給
する潤滑油路を形成している。
【0067】一方、合成樹脂から形成される円環状のオ
イルフィルタ67は、図7、図10および図11に図示さ
れるように、円環状溝64の内周面64aに嵌合される円環
状の枠からなる内周縁部68と、円環状溝64の外周面64b
に嵌合される円環状の枠からなる外周縁部69と、周方向
に等間隔にかつ径方向に延びて形成されて、内周縁部68
と外周縁部69とを接続する複数のリブからなる複数の接
続部70と、それら内周縁部68、外周縁部69および接続部
70とにより囲まれた部分に設けられた複数の網状のフィ
ルタ部71とから構成されている。
【0068】そして、オイルフィルタ67が、平面状のフ
ィルタ部71がクランク軸10の径方向に略沿う状態で円環
状溝64に取り付けられた際、図7および図11に図示さ
れるように、内周縁部68、外周縁部69の内周寄り部分、
接続部70およびフィルタ部71において、底面64cに対向
する面とは反対側の面である円環状溝64の開口側の面
は、同一平面上に位置するように形成される一方で、内
周縁部68、外周縁部69の前記内周寄り部分および接続部
70はクランク軸10の軸線L1方向の厚さが同一とされ、フ
ィルタ部71のクランク軸10の軸線L1方向の厚さはそれよ
りも薄くなるように形成されている。そして、外周縁部
69の外周寄り部分は、開口側の面が外周に沿って切欠か
れた形状とされることで、そのクランク軸10の軸線L1方
向の厚さが薄くされて、段部69aが形成されている。
【0069】また、内周縁部68の内径は、底面64cに隣
接する内周面64aに形成された円環状の凹溝64dの底面の
外径よりも小さくされ、オイルフィルタ67が凹溝64dに
嵌合されたとき、内周縁部68が弾性変形して内周面64a
との間を油密に保つようにしている。一方、外周縁部69
の外径は、外周面64bの直径と略同じ大きとされてい
る。
【0070】図7に図示されるように、オイルフィルタ
67は、内周縁部68および外周縁部69の底面64c側の面
が、円環状溝64の底面64cと接触する状態で収容され、
円環状溝64の外周面64bに固定されたプレート72により
押圧されて固定されることで、クランクウエイト13Rに
取り付けられて、クランク軸10と一体に回転する。
【0071】すなわち、プレート72の外周部に形成され
た円筒状部分は、その先端部が外周縁部69の段部69aを
底面64cに押圧することで、オイルフィルタ67が固定さ
れるように、円環状溝64の外周面64bに圧入される固定
部72aを構成し、プレート72のクランク軸10の軸線L1方
向の円環状の側面の内周寄りの部分は、プレート72自体
が有する弾性力により玉軸受14Rのインナレースのクラ
ンクウエイト13R側の側面に全周で当接する当接部72b
を構成している。
【0072】このとき、オイルフィルタ67の外周縁部69
の底面64c側の面は弾性変形を伴って底面64cに当接して
支持され、また内周縁部68は、前述のように内周面64a
の凹溝64dに弾性変形を伴って当接して支持されて、外
周縁部69と底面64cとの間、および内周縁部68と内周面6
4aとの間が油密に保たれる。それゆえ、内周縁部68およ
び外周縁部69はオイルシールの機能も有している。ま
た、底面64cはオイルフィルタ67の支持部を形成してい
る。
【0073】また、円環状溝64において、オイルフィル
タ67とプレート72との間には、オイルフィルタ67の直上
流側の上流側油路である円環状の上流側潤滑油貯留室73
が形成され、連絡溝38を通った潤滑油が、上流側潤滑油
貯留室73にクランク軸10の略径方向から流入する。ま
た、オイルフィルタ67の外周縁部69が底面64cと当接
し、プレート72の当接部が玉軸受14Rのインナレースに
当接することで、上流側潤滑油貯留室73内の潤滑油が漏
れるのを極力抑制している。
【0074】一方、オイルフィルタ67と底面64cとの間
には、円環状の下流側潤滑油貯留室74が形成され、オイ
ルフィルタ67を通過した潤滑油が下流側潤滑油貯留室74
を経て油路65に流出する。オイルフィルタ67の下流側に
位置するこの油路65は、油路である円環状溝64のクラン
ク軸10の径方向最外方の油路面である外周面64b、上流
側潤滑油貯留室73のプレート72の固定部72aの内周面、
および下流側潤滑油貯留室74のオイルフィルタ67の外周
縁部69の内周面よりもクランク軸10の径方向で内方に位
置する下流側油路を構成している。
【0075】第2実施形態はこのように構成されている
ので、第1実施形態と同様の作用効果を奏するほか、円
環状溝64の内周面64aの凹溝64dに嵌合されるオイルフィ
ルタ67の内周縁部68が、オイルフィルタ67と内周面64a
との間を油密に保つため、油路の底面64cにおける開口
部近傍のオイルフィルタ67の内周縁部68の支持が確実に
なされるとともに、上流側潤滑油貯留室73からの潤滑油
の漏れが一層抑制できる。
【0076】以下、前述した各実施形態の一部の構成を
変更した実施形態について、変更した構成に関して説明
する。
【0077】また、油路65が鍛造により形成されること
を利用して、前記第2実施形態において、図7および図
9に二点鎖線で示されるように、油路65において円環状
溝64の底部64cに隣接する部分に、クランク軸10の径方
向外方に膨出して流路断面積を拡大する拡大部分75を鍛
造により形成し、遠心力を利用して、この拡大部分75に
オイルフィルタ67を通過した異物を集積させることによ
り、油路65においても異物を分離することが可能とな
り、異物の一層少ない潤滑油を軸受16に供給できる。ま
た、第1実施形態の油路40についても、同様の構造を採
用することができる。
【0078】前記第1および第2実施形態では、オイル
フィルタ42,67が収容されるのは、クランクウエイト13
Rの側面13Raに形成された円環状溝39,64であった
が、オイルフィルタが収容される溝の形状は環状である
必要はなく、クランクウエイト13Rの側面13Raにクラ
ンク軸10の軸線L1を囲むことなく、クランクウエイト13
Rの径方向の一部分に形成された、例えば略円形の流路
断面を有する溝であってもよい。また、オイルフィルタ
は、クランク軸10の軸線L1と直交する平面に対して傾斜
させて、またはクランク軸10の軸線L1と平行に配置する
こともできる。
【0079】前記第1および第2実施形態では、クラン
クウエイト13Rの側面13Raにオイルフィルタ42,67が
収容される円環状溝39,64が形成されたが、クランクウ
エイト13Rの側面13Raとの間に間隙を置いて、クラン
クウエイト13Rの側面13Raの側方にオイルフィルタを
配置し、該オイルフィルタを収容して支持するとともに
油路を形成する部材をクランクウエイト13Rに固定し、
該部材を介してクランクウエイト13Rにオイルフィルタ
を取り付けるようにしてもよい。
【0080】クランク軸10は、一体式のものでなく、組
立式のものであってもよく、また軸受16は、ニードル軸
受等の転がり軸受であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明の第1実施形態のクランク軸が適用
される内燃機関を備えたパワーユニットの平断面図であ
る。
【図2】図1のクランク軸を中心としたより詳細な図で
あって、シリンダの軸線を通る断面図である。
【図3】クランク軸のみの図2のIII−III線断面
図である。
【図4】クランク軸のみの図2のIV矢視図である。
【図5】図2のオイルフィルタの正面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である
【図7】本出願発明の第2実施形態のクランク軸の図2
に相当する断面図である。
【図8】クランク軸のみの図7のVIII−VIII線
断面図である。
【図9】クランク軸のみの図7のIX矢視図である。
【図10】図7のオイルフィルタの正面図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【符号の説明】
1…パワーユニット、2…内燃機関、3…動力伝達装
置、4…変速機、5…減速装置、6U,6L…クランク
ケース、7…シリンダヘッド、8…シリンダヘッドカバ
ー、9…シリンダ、10…クランク軸、11F,11R…クラ
ンクジャーナル、12…クランクピン、13F,13R…クラ
ンクウエイト、14F,14R…玉軸受、15…コンロッド、
16…軸受、17…交流発電機、18…冷却ファン、19…バラ
ンサ駆動ギヤ、20…出力ギヤ、21…バランサ軸、22,2
3,24…ギヤ、25…過給機、26…カム軸、27…冷却水ポ
ンプ、28…オイルポンプ、29…駆動軸、30…カラー、31
…オイルシール、32…変速機ケース、33…カバープレー
ト、34…ロータ、35,36,37…油路、38…連絡溝、39…
円環状溝、40,41…油路、42…オイルフィルタ、43…内
周縁部、44…外周縁部、45…接続部、46…フィルタ部、
47…プレート、48,49…潤滑油貯留室、61…バランサ駆
動ギヤ、62…スプリング、63…バランサ駆動サブギヤ、
64…円環状溝、65,66…油路、67…オイルフィルタ、68
…内周縁部、69…外周縁部、70…接続部、71…フィルタ
部、72…プレート、73,74…潤滑油貯留室、75…拡大部
分、L1,L2…軸線。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンロッドがクランクピンに軸受を介し
    て連結され、該軸受に潤滑油を供給する潤滑油路が設け
    られたクランク軸において、 前記潤滑油路中に設けられたオイルフィルタが、クラン
    クウエイトにおける前記クランク軸の軸線方向の一側面
    側に配置されて該クランクウエイトに取り付けられたこ
    とを特徴とするオイルフィルタを備えたクランク軸。
  2. 【請求項2】 前記潤滑油路は、前記オイルフィルタの
    直上流側に設けられた上流側油路を有するとともに、該
    オイルフィルタの下流側において、上流側油路の前記ク
    ランク軸の径方向最外方の油路面よりも該クランク軸の
    径方向内方に位置する下流側油路を有することを特徴と
    する請求項1記載のオイルフィルタを備えたクランク
    軸。
  3. 【請求項3】 前記オイルフィルタは、前記クランク軸
    の軸線を囲んで位置する外周縁部と、該外周縁部よりも
    該クランク軸の径方向内方において該クランク軸の軸線
    を囲んで位置する内周縁部と、該外周縁部と該内周縁部
    との間に設けられたフィルタ部とを有することを特徴と
    する請求項1または請求項2記載のオイルフィルタを備
    えたクランク軸。
  4. 【請求項4】 前記外周縁部が、前記オイルフィルタを
    支持する支持部に弾性変形して当接することにより、該
    外周縁部と該支持部との間が油密に保たれることを特徴
    とする請求項3記載のオイルフィルタを備えたクランク
    軸。
  5. 【請求項5】 前記一側面側は前記クランクウエイトの
    側面であり、前記オイルフィルタは該側面に形成された
    溝内に収容されたことを特徴とする請求項1ないし請求
    項4のいずれか1項記載のオイルフィルタを備えたクラ
    ンク軸。
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