JP2004278634A - 自動二輪車のクランクシャフト支持軸受における打音防止構造 - Google Patents

自動二輪車のクランクシャフト支持軸受における打音防止構造 Download PDF

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義博 手塚
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Abstract

【課題】クランクケースに鋳込まれた保持ブッシュによりボールベアリングを介してクランクシャフトを支持する軸受構造部において、その熱的影響によるクリアランスの変化を小さくして、該軸受構造部における打音の発生を抑制する。
【解決手段】ボールベアリング1b,1cのアウタレース部1b、1cをブッシュBuにより保持してクランクシャフト1を支持する軸受構造となし、該ブッシュBuの構造をクランクケースCに直接鋳込まれたブッシュBuと該鋳込みブッシュBuに嵌入されたブッシュBuとから構成する。そして、鋳込みブッシュBuとブッシュBuは共に略同じ厚さとされ、かつ略同じ材質の鋳鉄製とされる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車のクランクシャフト支持軸受におけるボールベアリング等のころがり軸受の取付構造に関し、特にころがり軸受(ボールベアリング)のアウタレース部を保持する鉄製ブッシュを介して前記ころがり軸受をクランクケースに取付ける構造における打音防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クランクシャフト支持軸受としてボールベアリング(ころがり軸受)を使用するものが知られており、このようなボールベアリング使用の軸受においては、該ボールベアリングによる支持がそのアウタレース部をクランクケースに直接鋳込まれた通常1重の鉄製等のブッシュにより保持することによりなされていた。
また、クランクケースに直接鋳込まれたブッシュを備えるものではないが、クランクシャフトからの衝撃力のクランクケースへの直接的な伝達を緩和する効果が考慮されて、クランクシャフト支持軸受であるボールベアリングやローラベアリングとクランクケースとの間に保持ブッシュとしての裏金と合成ゴムや合成樹脂等からなる緩衝材を介装したものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実願昭55−149327号(実開昭57−71812号公報)のマイクロフイルム(第6頁第3行−第7頁第7行、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載された従来から知られたクランクシャフト支持軸受の構造は、前記のように、クランクケースに直接鋳込まれた鉄等の金属ブッシュを備える軸受構造ではなく、図4(a)ないし(d)に図示されるように、クランクシャフト支持軸受であるころがり軸受01bのアウタレース部01b2とクランクケース0Cとの間に緩衝材である合成ゴムや合成樹脂等の緩衝材0Buが介装された構造を備えている。
【0005】
そして、前記緩衝材0Buとして、耐油性、耐衝撃性および耐熱性等に優れたものが使用され、該緩衝材0Buは、軸受01bとクランクケース0Cに直接焼付け固着され一体構造とされている。また、前記緩衝材0Buに加えて裏金0Meが介装されて一体に焼付け固着された多層の緩衝材層とされた変形例も開示(図4の(b)ないし(d)参照)されている。
【0006】
ところで、前記特許文献1に記載のクランクシャフト支持軸受構造は、上述のように、クランクシャフトの急激な衝撃力がクランクケースに直接伝達するのを緩和するための対策として採られた構造を具備するものであり、勿論、前記衝撃力の緩和という効果については明瞭なものである。
【0007】
しかしながら、前記軸受構造は、その製造における煩雑さと製造コスト、さらにはその耐久性等において課題を残すものであり、もともと衝撃力の緩和という特別な目的のために採用された構造と位置付けられるものであり、前記クランクケースに鋳込まれた鉄等の金属ブッシュ構造を備えるものでなく、その打音防止対策という視点はなく、この点については何らの示唆すらなされていないものである。
【0008】
一方、図5、6に図示されるような、従来よく知られている上記クランクシャフト01の支持軸受であるボールベアリング01b,01cが、アルミニュウム合金製のクランクケース0Cに直接鋳込まれた1重の鉄製等のブッシュ0Buにより保持された構造の軸受支持構造は、アルミニュウム合金製クランクケース0Cに、熱膨張率の異なる金属材である鉄製等のブッシュ0Buが直接鋳込まれたものであるから、両金属材の熱膨張率の差、すなわち、その線膨張係数の差に起因する問題が存在することは知られるところである。
【0009】
そして、前記1重の鋳込み鉄製等のブッシュ0Buによりボールベアリング01b,01cが保持された軸受支持構造においては、前記両金属材の線膨張係数の差異に起因して、軸受部の温度上昇による熱的影響で軸受支持部におけるクリアランスの変化が生じるという問題があり、該クリアランスの変化は軸受支持部における打音の発生要因となるものである。
【0010】
そこで、従来は、前記クリアランスの変化を解消するために、鉄製等のブッシュのトータルの線膨張係数がアルミニュウム合金製クランクケースの該軸受支持構造部における線膨張係数よりも小さくなるようにして、該軸受支持部における温度上昇による熱的影響により前記クリアランスが変化するのを小さく抑える方策が採られてきた。
【0011】
しかしながら、その効果は限られたものであり、前記クリアランスの変化による打音の発生に対して充分な対策が採れないというのが実状であり、また、アルミニュウム合金製のクランクケース内に直接鉄製等のブッシュが鋳込まれることからクランクシャフトの衝撃的な力、すなわち燃焼爆発力等の外力が、クランクシャフトからボールベアリング、さらに鋳込みブッシュ、クランクケースへと直接的に伝播して、これが打音発生のさらなる要因ともなり、このための効果的な打音対策も充分に採れないという改善すべく課題を残すものである。
【0012】
そこで、前記アルミニュウム合金製のクランクケース内に鉄製等のブッシュが直接鋳込まれた構造のころがり軸受(ボールベアリング)保持ブッシュを備えたクランクシャフト支持軸受における、前記課題を解決するための適切な方策が求められるところである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、前記課題を解決するためのころがり軸受(ボールベアリング)保持ブッシュを備えたクランクシャフトの軸受支持構造の改良に関し、とりわけ、アルミニューム合金製のクランクケース内に鋳込まれた鉄製の保持ブッシュを備えたクランクシャフトの軸受支持構造における打音対策に視点をおいた該軸受支持構造の改良に関し、自動二輪車のクランクシャフトをころがり軸受によりクランクケースに回転自在に支持するものであって、前記クランクシャフトのころがり軸受によるクランクケースへの回転支持が、該クランクケースに鋳込まれた鉄製のブッシュを介して前記ころがり軸受の支持によりなされる自動二輪車のクランクシャフト支持軸受における打音防止構造において、前記クランクケースに鋳込まれる鉄製のブッシュは、その内径部に他のブッシュである鉄製のブッシュが嵌め入された2重構造とされていることを特徴とし、また、前記クランクケースに鋳込まれる鉄製ブッシュと、前記嵌入されたブッシュは、その厚みが略同じか該嵌入されたブッシュが厚めであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項1に係る発明は、前記自動二輪車のクランクシャフト支持軸受における打音防止構造において、前記クランクケースに鋳込まれる鉄製ブッシュは、その内径部に他のブッシュである鉄製のブッシュが嵌入された2重構造とされているから、嵌入されたブッシュの外方へ拡がろうとする拡大力によりブッシュトータルとしての線膨張係数を小さくできるから、軸受部の温度上昇による熱的影響によって該軸受部に生じるクリアランスの変化がより小さく抑えられて、該クリアランスの変化に起因する打音の発生が効果的に抑制される。
【0015】
また、クランクケースに鋳込まれる鋳込みブッシュと、該鋳込みブッシュに嵌入されるブッシュとからなる2重構造のブッシュであるから、クランクシャフトの回転駆動トルクの変動による振動が、鋳込みブッシュと嵌入されたブッシュの両者の圧入面間に相対的な微小ズレを起こし、該微小ズレに基づく摩擦効果により前記振動が効果的に吸収されるので、該振動に起因する異常音の発生が抑えられる。
【0016】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記クランクケースに鋳込まれる鉄製ブッシュと、前記嵌入されたブッシュは、その厚みが略同じか該嵌入されたブッシュが厚めであるから、軸受部の温度上昇による熱的影響を小さくすることができ、また軸受部製作上のコストの低減を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様を図に基づいて以下に説明する。
図1には、本発明のクランクシャフト支持軸受構造が適用される内燃機関Eが図示されており、該内燃機関Eは、頭上弁式の4サイクルの単気筒機関であり、その基本構造部として、クランクケースCと、シリンダCと、シリンダヘッドCとを備えている。
【0018】
前記クランクケースCは、アルミニュウム合金により形成され、左右に分割された2分割ケース部C,Cからなり、左右の分割形成されたケース部C,Cが互いにボルトBにより一体的に締結されて一つのケースCとして構成され、そして、クランクケースCには該ケースCと一体をなすミッションケース部Mが備えられており、したがってミッションケース部MもクランクケースCの分割形成に伴い同様に左右ケース部M,Mに分割形成されている。
【0019】
そして、クランクケースCには、シリンダCが取付けられ、さらに該シリンダCにはシリンダヘッド部Cが取付けられ、結局前記クランクケースC、シリンダCおよびシリンダヘッドCは互いにスタッドボルトBにより強固に一体的に締結されて前記内燃機関Eの基本構造部が構成される。
【0020】
クランクケースC内には、クランクシャフト1が回転自在に軸受支持されており、該クランクシャフト1は、クランクピン1aを挟んで該クランクピン1aに隣接した対称的な位置においてボールベアリング1b、1cを介してクランクケースCの軸受支持のために張出された構造部Ca,Caに支持されており、該クランクケースCの軸受支持のための構造部Ca,Caは、クランクケースCの左右分割クランクケース部C,Cにそれぞれ分離配設されている。
【0021】
クランクシャフト1の一端部(図1において右方端側)には、遠心クラッチである発進クラッチ1dが装着され、また、その他端部(図1において左方端側)には、発電機1eが装着されており、さらに、左方の軸受支持部近傍外側の位置には、シリンダヘッド部Cの後述する吸・排気バルブ開閉作動のためのカムシャフトC3固定のスプロケットC に掛け渡されるタイミングチエーンのためのスプロケット1gが固定されている。
【0022】
そして、さらにクランクシャフト1の右方側の軸受支持部近傍外側の位置には、後述するミッションケース部Mに配設されるメインシャフト2に遊嵌されるプライマリドリブンギア2aと噛合うプライマリドライブギア1fが前記発進クラッチ1dとの連接関係をもって遊嵌されている。
【0023】
また、クランクケースCと一体のミッションケース部M内には、上述のメインシャフト2とカウンタシャフト3がボールベアリング2b、2cおよび3b、3cを介して該ミッションケース部Mに軸受支持されており、メインシャフト2には、その一端部(右方端側)に通常は接合状態にあり、変速操作に伴う作動時にその接合が開放される開閉クラッチ2dが装着されており、またその他端部(左方端側)寄りの位置には変速用の複数の歯車からなる歯車郡2eが装着されている。
【0024】
そして、カウンタシャフト3には、メインシャフト2に装着された変速用の歯車郡2eと適宜選択的に噛合う複数の歯車からなる変速用歯車郡3aが装着されており、また、該カウンタシャフト3の軸端部(図1における左方端側)には、図示されない車両走行用の駆動輪である後車輪を駆動するための無端の駆動チエーンが掛けられるスプロケット3dが固定されている。
【0025】
また、シリンダCには、単気筒であるから一つのシリンダ開孔C が開孔しており、該開孔C 内には周知のようにピストンPが摺動可能に嵌入され、該ピストンPはピストンピンPによりコンロッドCの小端部C に揺動自在に取付けられ、該コンロッドCの大端部C が前記クランクシャフト1のクランクピン1aに回動自在に連接されることで、ピストンPとクランクシャフト1は連動するように連結される。
【0026】
そして、シリンダCに取付けられるシリンダヘッド部Cには、燃焼室C 、点火プラグC 、図示されない吸・排気管、吸・排気バルブと、吸・排気バルブ開閉用カムC 、カムシャフトC 、さらには、該カムシャフトC の回転駆動のためのタイミングチエーンが掛けられるスプロケットC 等が設けられている。
【0027】
前記内燃機関Eの作動状況を以下に簡単に説明する。
【0028】
クランクシャフト1に固定のスプロケット1gとカムシャフトC に固定のスプロケットC 間に掛け渡される明確には図示されないタイミングチエーンにより、カムシャフトC がクランクシャフト1の1/2回転で駆動回転され、このカムシャフトC の回転により該カムシャフトC に設けられたカムC が作動し、該カムC の作動により図示されない吸・排気バルブが開閉作動される。
【0029】
そして、前記カム作動による吸・排気バルブの閉鎖状態において、燃焼室C 内で圧縮状態とされた混合気が点火され、混合気の燃焼による圧力を受けたピストンPは下降運動し、該ピストンPの下降運動がコンロッドCを介してクランクシャフト1のクランクピン1aに伝達され、クランクシャフト1が回転駆動される。
【0030】
クランクシャフト1の回転駆動力は、遠心クラッチである発進クラッチ1dを介してクランクシャフト1に遊嵌されたプライマリドライブギア1fとミッションケースM内のメインシャフト2に遊嵌されたプライマリドリブンギア2aとの噛合い、また通常接合状態にあり変速ギアの切換時にその接合が開放される開閉クラッチ2dを介して該メインシャフト2に伝達される。
【0031】
メインシャフト2に伝達された前記駆動力は、さらにメインシャフト2に装着された変速歯車郡2eの歯車とカウンタシャフト3に装着された変速歯車郡3aの歯車との適宜選択された歯車の噛合いを介して所望の変速比をもってカウンタシャフト3に伝達され、該カウンタシャフト3の軸端部に固定された駆動用スプロケット3dにより、適宜無端の駆動チエーン等の駆動手段を介して図示されない車両走行用の駆動輪に伝達される。
【0032】
本発明の内燃機関Eの構造とその作動状況は概ね上述のようなものである。
次に、本発明の主要な構造部であるクランクシャフト1の軸受支持部の構造について図1,2に基づき説明する。
【0033】
上述のように、また図1,2に図示されるように、クランクシャフト1は、そのクランクピン1aに隣接する一対の対称的な位置において、ボールベアリング1b、1cによりクランクケースCの軸受支持のための張出部Ca,Caに軸受支持されている。
【0034】
そして、クランクシャフト1のボールベアリング1b、1cによる前記軸受支持は、ボールベアリング1b、1cのインナレース部1b,1cがクランクシャフト1に強固に嵌入固定されるとともに、そのアウタレース部1b,1cが、前記クランクケース1の張出部Ca,Caに鋳込まれた鉄製の鋳込みブッシュBuに、該ブッシュBuに嵌入されたブッシュBuを介して嵌入されることでなされている。
【0035】
クランクケースCの張出部Ca,Caに鋳込まれた鉄製の鋳込みブッシュBuは、図2に図示されるように、クランクケースCの張出部Ca,Caが形成する環状開口の内周面に沿って適宜ボールベアリング1b、1cのアウタレース1b,1cの巾に適合する巾をもって、また適宜深さにおいて均一の厚みをもって環状に鋳込まれており、鉄製の鋳込みブッシュBuは、張出部の環状開口内周面に沿って露出した状態とされている。なお、該鉄製の鋳込みブッシュBuの材質としてはFCもしくはFCD等が使用される。
【0036】
そして、前記のように構成された鉄製の鋳込みブッシュBuには、第2の鉄製環状ブッシュBuが嵌入され、該第2の鉄製環状ブッシュBuの嵌入は、鋳込みブッシュBuの内径部に該内径より僅かに大きな外形に形成された前記環状嵌入ブッシュBuが所定の圧力下において嵌入されることでなされる(図3参照)。
【0037】
したがって、結局、ボールベアリング1b,1cのアウタレース1b,1cを保持するブッシュBuは、アルミニューム合金製のクランクケースCに鋳込まれた鉄製鋳込みブッシュBuと、環状の鉄製嵌入ブッシュBuからなる2重構造のブッシュBuとして形成される(図3参照)。
そして、この第2の環状ブッシュであるブッシュBuは、炭素鋼製あるいは鋳込みブッシュBuと同様の材質、すなわち、FCもしくはFCDからなるブッシュBuとして形成される。
【0038】
保持ブッシュBuにおける鉄製鋳込みブッシュBuと鉄製嵌入ブッシュBuは共に、図3に図示されるように、また上述したように環状の該環状に沿って均一の厚みをもつものであり、しかも両ブッシュBu,Buの厚みは略同じ厚さか嵌入されるブッシュBuがやや厚めとされていて、これら両ブッシュBu,Buの厚みは、既述した従来の1重の鉄製鋳込みブッシュ0Buの厚みに比して略同等かそれより少し厚めになるように形成される。
【0039】
前記図1ないし図3に図示された実施形態は前記のように構成されるので、ボールベアリング1b、1cを保持するブッシュBuを、アルミニュウム合金製のクランクケースCに鋳込まれた鉄製の鋳込みブッシュBuと、さらに該鋳込みブッシュBuのその内径部に嵌入される鉄製の嵌入ブッシュBuとの2重構造としたので、嵌入されるブッシュBuの拡大力(外方に拡がろうとする力)によりブッシュBuのトータルとしての線膨張係数を従来の1重の鉄製ブッシュ0Buに比較してより小さくできる。
【0040】
したがって、結果として軸受部の温度上昇によるボールベアリング1b、1c嵌合部におけるクリアランスの熱的影響による変化の縮小を図ることができ、さらには、該クリアランスの変化により発生する打音の発生を抑えることができ、打音防止効果の向上を図ることができる。
【0041】
また、ボールベアリング1b,1c保持ブッシュにおけるブッシュBuの2重構造の採用により、クランクシャフト1における衝撃的な回転トルク変動力による振動は、前記2重のブッシュBu,Bu間の嵌入面に生じる相対的なズレによる摩擦力で効果的に吸収されることになるので、該振動吸収効果により打音の発生は抑制される。
【0042】
本発明の実施形態に換えて他の実施形態が考えられる。
【0043】
本発明の前記実施形態における軸受構造における保持ブッシュは、ボールベアリングにおける保持ブッシュとされているが、該保持ブッシュの適用は、ボールベアリング支持軸受に限られるものではなくローラベアリング等の他のベアリング支持軸受においても適宜採用される。
【0044】
また、鋳込みブッシュBuに嵌入、圧入されるブッシュBuには、図4に図示されるようにその抜け止めのためのフランジ部Bu21を設けることもできる。
【0045】
さらに、鋳込みブッシュBuへのブッシュBuの嵌入方法としては、単なる嵌め込み、圧入、軽圧入等も含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴的な軸受支持構造部を備えた内燃機関を示す図である。
【図2】本発明の主要構造部を示す拡大図である。
【図3】本発明の軸受保持ブッシュを示す図である。
【図4】本発明の軸受保持ブッシュの他の実施形態を示す図である。
【図5】従来の軸受保持ブッシュを示す図である。
【図6】従来の軸受支持構造部を示す図である。
【図7】図6に図示される従来の軸受支持構造部における保持ブッシュを示す図である。
【符号の説明】
1・・・クランクシャフト、1a・・・クランクピン、1b,1c・・・ボールベアリング、1d・・・発進クラッチ、1e・・・発電機、1f・・・プライマリドライブギア、1g・・・スプロケット、2・・・メインシャフト、2a・・・プライマリドリブンギア、2b,2c・・・ボールベアリング、2d・・・開閉クラッチ、2e・・・変速歯車群、3・・・カウンタシャフト、3a・・・変速歯車群、3b,3c・・・ボールベアリング、3d・・・スプロケット、B,B・・・ボルト、Bu・・・ブッシュ、Bu・・・鋳込みブッシュ、Bu・・・圧入ブッシュ、Bu21・・・フランジ部、C・・・クランクケース、C,C・・・分割クランクケース部、Ca,Ca・・・張出部、C・・・シリンダ、C ・・・シリンダ開孔、C・・・シリンダヘッド、C ・・・燃焼室、C ・・・点火プラグ、C ・・・カムシャフト、C ・・・カム、C ・・・スプロケット、C・・・コンロッド、C ・・・コンロッドの小端部、C ・・・コンロッドの大端部、E・・・内燃機関、P・・・ピストン、P・・・ピストンピン、M・・・ミッションケース部、M,M・・・分割ミッションケース部。

Claims (2)

  1. 自動二輪車のクランクシャフトをころがり軸受によりクランクケースに回転支持するものであって、前記クランクシャフトのころがり軸受によるクランクケースへの回転支持が、該クランクケースに鋳込まれた鉄製のブッシュを介した前記ころがり軸受の支持によりなされる自動二輪車のクランクシャフト支持軸受における打音防止構造において、
    前記クランクケースに鋳込まれる鉄製のブッシュは、その内径部に他のブッシュである鉄製のブッシュが嵌入された2重構造とされていることを特徴とする自動二輪車のクランクシャフト支持軸受における打音防止構造。
  2. 前記クランクケースに鋳込まれる鉄製ブッシュと、前記嵌入されたブッシュは、その厚みが略同じか該嵌入されたブッシュが厚めであることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のクランクシャフト支持軸受における打音防止構造。
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