JP2007177866A - ベルト式変速装置を備えるパワーユニット - Google Patents

ベルト式変速装置を備えるパワーユニット Download PDF

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Abstract

【課題】ベルト式変速装置の駆動プーリに伝達されるクランク軸の回転速度変動を緩和することにより、ベルトの耐久性の向上を図る。
【解決手段】パワーユニットは、クランク軸を備える内燃機関と、クランク軸の動力により回転駆動される駆動プーリおよび該駆動プーリにより伝動ベルトを介して回転駆動される被動プーリを備えるベルト式変速装置とを備える。クランク軸7と駆動プーリの駆動軸26とはダンパ54を有する減速機構50により連結される。減速50は、クランク軸7に設けられる駆動ギヤ51と、駆動軸26に設けられる被動ギヤ52とを有し、ダンパ54は、クランク軸7から駆動ギヤ51および被動ギヤ52を介して駆動軸26に至るまでのトルク伝達経路に配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関のクランク軸の動力により回転駆動される駆動プーリおよび駆動プーリにより伝動ベルトを介して回転駆動される被動プーリを備えるベルト式変速装置を備えるパワーユニットに関する。
内燃機関のクランク軸の動力により回転駆動される駆動プーリおよび駆動プーリにより伝動ベルトを介して回転駆動される被動プーリを備えるベルト式変速装置を備えるパワーユニットは知られている(例えば特許文献1参照)。
特公昭64−592号公報
ところで、従来のベルト式変速装置では、クランク軸と駆動プーリの駆動軸とが一体化された単一の軸部材により構成されるため、ピストンにより回転駆動されるクランク軸の回転速度変動が駆動軸に直接伝達されるので、伝動ベルトに作用する負荷変動が大きくなる。また、クランク軸と駆動軸とが単一の軸部材で構成されると、パワーユニットがシリンダ軸線方向で大型化する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜5記載の発明は、ベルト式変速装置の駆動プーリに伝達されるクランク軸の回転速度変動を緩和することにより、ベルトの耐久性の向上を図ることを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、減速機構での騒音の低減を図ることを目的とし、請求項3記載の発明は、さらに、変速装置の振動・騒音の低減を図ることを目的とし、請求項4,5記載の発明は、さらに、パワーユニットの小型化を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、ピストンにより回転駆動されるクランク軸を備える内燃機関と、前記クランク軸の動力により回転駆動される駆動プーリおよび該駆動プーリにより伝動ベルトを介して回転駆動される被動プーリを備えるベルト式変速装置とを備えるパワーユニットにおいて、前記クランク軸と前記駆動プーリの駆動軸とが、ダンパを有するトルク伝達機構により連結されるパワーユニットである。
これによれば、クランク軸の回転速度変動がダンパにより緩和されるので、伝動ベルトは、クランク軸の回転速度変動の影響を受けにくくなって、駆動プーリと伝動ベルトとの間の滑りが減少するので、伝動ベルトの発熱や摩耗が減少する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のパワーユニットにおいて、前記トルク伝達機構は、前記クランク軸に設けられる駆動ギヤと、前記駆動軸に設けられて前記駆動ギヤと噛合する被動ギヤとを有する減速機構であり、前記ダンパは、前記クランク軸から前記駆動ギヤおよび前記被動ギヤを介して前記駆動軸に至るまでのトルク伝達経路に配置されるである。
これによれば、クランク軸の回転速度変動が減速機構により低減するので、ベルト式変速装置の伝動ベルトは、クランク軸の回転速度変動の影響を一層受けにくくなる。また、ダンパにより、クランク軸の回転速度変動による減速機構での駆動ギヤおよび被動ギヤの歯打音が発生しにくくなる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のパワーユニットにおいて、前記被動ギヤは前記駆動軸に回転可能に支持されるものである。
これによれば、減速機構を構成する駆動ギヤおよび被動ギヤの噛合による振動および歯打音が駆動軸に伝達されにくくなる。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載のパワーユニットにおいて、前記駆動軸の回転中心線は、前記クランク軸の回転中心線に対して前記被動プーリの回転中心線とは反対側にオフセットするものである。
これによれば、クランク軸の回転中心線に対して、駆動プーリが被動プーリの回転中心線とは反対側に配置されるので、クランク軸と駆動軸とが同軸に配置される場合に比べて、被動プーリをクランク軸の回転中心線により近接させて配置することができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載のパワーユニットにおいて、前記ダンパは、前記クランク軸と前記駆動軸との、該駆動軸の回転中心線方向での重なり部分に配置されるものである。
これによれば、クランク軸の回転中心線に対して駆動軸の回転中心線がオフセットすることにより、駆動軸の回転中心線方向で、クランク軸と駆動軸とが重なるように配置することができるので、その重なり部分のスペースを利用してダンパを配置することができる。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、伝動ベルトは、クランク軸の回転速度変動の影響を受けにくくなって、駆動プーリと伝動ベルトとの間の滑りが減少するので、伝動ベルトの発熱や摩耗が減少して、伝動ベルトの耐久性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、伝動ベルトは、クランク軸の回転速度変動の影響を一層受けにくくなるので、伝動ベルトの耐久性が一層向上する。また、ダンパにより、減速機構での駆動ギヤおよび被動ギヤの歯打音が発生しにくくなるので、減速機構での騒音が低減する。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、減速ギヤの振動および歯打音が駆動軸に伝達されにくくなるので、変速装置での振動・騒音が低減する。
請求項4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、被動プーリをクランク軸の回転中心線により近接させて配置することができるので、パワーユニットが小型化される。
請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、クランク軸と駆動軸との重なり部分のスペースを利用してダンパを配置することができるので、駆動軸の回転中心線方向でパワーユニットが小型化される。
以下、本発明の実施形態を図1〜図6を参照して説明する。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態を説明するための図である。
先ず、図1,図2を参照すると、本発明が適用されたパワーユニットPは、内燃機関Eと動力伝達装置とを備え、車両としての自動二輪車に搭載される。前記動力伝達装置は、内燃機関Eが発生する動力を変速するベルト式変速装置Mと、発進クラッチとしての遠心式クラッチCと、減速機構Rと、該減速機構Rからの動力を駆動輪としての後輪に伝達する終減速機構(図示されず)とを備える。
クランク軸7の回転中心線L1が左右方向を指向する横置き配置される内燃機関Eは、空冷式の単気筒4ストローク内燃機関であり、シリンダ1と、シリンダ軸線L4の方向でシリンダ1のクランク軸側に結合されるクランクケース2と、シリンダ軸線方向でシリンダ1の反クランク軸側に結合されるシリンダヘッド3とから構成される機関本体を備える。
なお、この実施形態において、上下、前後および左右は、それぞれ、自動二輪車を基準にしたときの上下、前後および左右を意味するものとし、軸方向は、クランク軸7の回転中心線L1に平行な方向を意味し、側面視は、軸方向から見ることを意味する。
水平方向から前方斜め上方に僅かに傾斜したシリンダ軸線L4を有するシリンダ1にピストン5が摺動可能に嵌合し、該ピストン5がコンロッド6を介して連結されるクランク軸7は、クランクケース2に玉軸受からなる1対の主軸受8a,8bを介して回転可能に支持される。クランク軸7を収容するクランク室9を形成する左右割りのクランクケース2は、回転中心線L1に直交する平面で二分される左クランクケース2aと右クランクケース2bとから構成される。
ヘッドボルト10によりクランクケース2にシリンダ1と共締めされるシリンダヘッド3には、シリンダ軸線方向でピストン5と対向する燃焼室11と、燃焼室11に開口する吸気ポートおよび排気ポートとが形成され、点火栓12が装着される。そして、シリンダヘッド3に設けられる吸気弁および排気弁は、動弁用伝動機構を介して伝達されるクランク軸7の動力により回転駆動されるカム軸13aおよびロッカアーム13bを備えるOHC型の動弁装置13により、クランク軸7の回転に同期して駆動されて、前記吸気ポートおよび前記排気ポートをそれぞれ開閉する。
左クランクケース2aとクランクケースカバー14とにより形成される収納室15には、左クランクケース2aを貫通して左方に突出する軸端部7aと、該軸端部7aに取り付けられる交流発電機16とが収納される。右クランクケース2bの右方には、変速装置MおよびクラッチCが収納される伝動室を形成する伝動ケース20が結合される。伝動ケース20は、右クランクケース2bに多数のボルトにより結合される左伝動ケース20aと、左伝動ケース20aの右方に多数のボルトにより結合される右伝動ケース20bとから構成される。
右クランクケース2bと左伝動ケース20aとにより形成される収納室22には、右クランクケース2bを貫通して右方に突出するクランク軸7の軸端部7bと、クランク軸7の動力を変速装置に伝達するトルク伝達機構としての減速機構50とが収納される。この減速機構50の詳細は後述する。
内燃機関Eの吸気装置を流通する吸入空気に燃料を供給する燃料噴射弁から噴射された燃料は、吸入空気と混合して混合気を形成し、前記吸気ポートを経て燃焼室11に流入し、燃焼室11で点火栓12により点火されて燃焼する。そして、発生する燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動するピストン5がコンロッド6を介してクランク軸7を回転駆動する。燃焼ガスは、排気ガスとして前記排気ポートを経て排気管を備える排気装置を通じて内燃機関Eの外部に排出される。
シリンダ1およびクランクケース2の右方から後方にかけて配置される変速装置Mは、前記動力伝達装置の構成要素である減速機構50を介して伝達されるクランク軸7の動力により駆動される駆動軸26に一体回転可能に支持される可変式駆動プーリ23と、被動軸27に回転可能に支持されてクラッチCを介して被動軸27に一体回転可能に連結される可変式被動プーリ24と、駆動プーリ23および被動プーリ24に掛け渡される合成ゴム製の無端のVベルトからなる伝動ベルト25と、変速装置Mの変速比を制御する変速比制御手段とを備える。
駆動プーリ23は、駆動軸26に相対移動不能に結合される固定プーリ半体23aおよび該固定プーリ半体23aに対して駆動軸26の回転中心線方向(この実施形態では、軸方向に一致する。)に移動可能な可動プーリ半体23bから構成される。被動プーリ24は、クラッチCの入力部材30aと一体回転可能な固定プーリ半体24a、および該固定プーリ半体24aにトルクカム28を介して被動プーリ24または被動軸27の回転中心線方向(この実施形態では、軸方向に一致する。)に移動可能にかつ僅かに相対回転可能に連結される可動プーリ半体24bから構成される。
前記変速比制御手段は、駆動軸26に固定されたカムプレート29aにより軸方向での位置が変更される複数の遠心ウエイト29bと、被動軸27と同軸に配置されて可動プーリ半体24bに伝動ベルト25を締め付ける方向の弾発力を作用させるバネ29cとを備える。駆動プーリ23においては、クランク軸7の回転速度に応じて発生する遠心力でカムプレート29aに案内されて移動する各遠心ウエイト29bにより押圧される可動プーリ半体23bが軸方向に移動して、巻掛け半径が変更される。このとき発生する伝動ベルト25の張力の変化により、被動プーリ24においては、可動プーリ半体24bがバネ29cの弾発力に抗して、またはその弾発力により、軸方向に移動して巻掛け半径が変更されて、変速装置Mの変速比が、機関回転速度に応じて自動的に変更される。
変速装置Mで変速されたクランク軸7の動力の、減速機構Rへの伝達および遮断を行うクラッチCは、クラッチウエイト30cを揺動可能に支持する入力部材30aと、被動軸27に一体回転可能に結合される出力部材30bとを備える。クラッチCは、固定プーリ半体24aと一体に回転する入力部材30aが内燃機関Eのアイドリング回転速度に対応する回転速度を越えて回転するとき、クラッチバネ30dの弾発力に抗して遠心力により飛開して出力部材30bを押圧するクラッチウエイト30cを介して、入力部材30aおよび出力部材30bが一体に回転する接続状態になる。
減速機構Rは、被動軸27と一体に回転する入力ギヤ31aと、入力ギヤ31aに噛合すると共に出力取出軸32に回転可能に支持される第1中間減速ギヤ31b、被動軸27に回転可能に支持されると共に第1中間減速ギヤ31bと噛合する第2中間減速ギヤ31cと、出力取出軸32に一体回転可能に支持されると共に第2中間減速ギヤ31cと噛合する出力ギヤ31dとから構成される。出力取出軸32には、自動二輪車の後輪を駆動するために、例えばチェーン式伝動機構の駆動スプロケットを備える前記終減速機構が連結される。
内燃機関Eには、始動手段として、始動モータ34のほかに、該始動モータ34と択一的に使用されるキックスタータ機構35が備えられる。キックスタータ機構35は、運転者により操作されるキックペダルが結合されるキック軸35aと、キック軸35aに回転可能に支持される始動用駆動ギヤ35cと、キックペダルによる始動操作によりキック軸35aと共に回転しながら軸方向に移動して駆動ギヤ35cのラチェットに噛合可能なラチェットを有するクラッチ体35bと、出力取出軸32および被動軸27に回転可能に支持されて互いに噛合する第1,第2アイドルギヤ35d,35eおよび始動用被動ギヤとしての駆動ギヤ51から構成される始動用増速ギヤ列と、キックペダルの解放時にキック軸35aを元の位置に戻す戻しバネ35fとを備える。そして、始動操作時、キック軸35aの回転が、クラッチ体35bから駆動ギヤ35c、両アイドルギヤ35d,35eおよび駆動ギヤ51を介してクランク軸7に伝達される。
駆動軸26の回転中心線L2、被動軸27の回転中心線L3、出力取出軸32およびキック軸35a回転中心線は、いずれも回転中心線L1に平行である。そして、駆動軸26は、駆動ギヤ51および後述するオイルポンプ駆動用駆動ギヤ42と駆動プーリ23との間において軸受36aを介して左伝動ケース20aに回転可能に支持され、軸受36bを介して右伝動ケース20bに回転可能に支持される。また、被動軸27は、両軸端部で、左クランクケース2aおよび右伝動ケース20bにそれぞれ軸受37a,37bを介して回転可能に支持され、中間部で、第2中間減速ギヤ31cおよび第2アイドルギヤ35eとの間において軸受37cを介して右クランクケース2bに回転可能に支持される。さらに、出力取出軸32は、両軸端部で、それぞれ左クランクケース2aおよび右クランクケース2bにそれぞれ軸受38a,38bを介して回転可能に支持され、キック軸35aは、両軸端部で、左クランクケース2aおよび左伝動ケース20aにそれぞれ摺動可能に嵌合して回転可能に支持される。
また、内燃機関Eは、所定レベルの油面Aを形成する潤滑油が溜められる油溜部40と、油溜部40から吸入した潤滑油を吐出するオイルポンプ41と、潤滑油を導く多数の油路からなる潤滑油路構造とから構成される潤滑系統を備える。オイルポンプ41は、変速装置Mの駆動軸26に設けられる駆動ギヤ42と、オイルポンプ41のポンプ軸に設けられて駆動ギヤ42と噛合する被動ギヤ43とから構成されるポンプ駆動用伝動機構を介して伝達されるクランク軸7の動力により回転駆動される。
図2,図3を参照すると、駆動軸26は、シリンダ軸線方向おいて、また実施形態では前後方向において、クランク軸7の回転中心線L1に対して被動プーリ24およびその回転中心線L2とは反対側で、シリンダ1寄りにオフセットして位置する。このため、駆動軸26は、下死点にあるピストン5と、シリンダ軸線方向で重なる位置にあり(図1参照)、その回転中心線L2は、側面視でクランクウェブ7cの最大径の外周縁7c1と交差する位置(図1参照)、またはクランク軸7の回転軌跡の最大外周部の近傍に位置する。それゆえ、シリンダ軸線方向で、駆動プーリ23の回転中心線L2と被動プーリ24の回転中心線L3との間にクランク軸7の回転中心線L1が位置する。
また、クランク軸7と駆動軸26とは、駆動軸26の回転中心線方向(軸方向)で重なるように配置され、その重なり部分Bに、後述するダンパ54を含むダンパ機構Dが配置される。
図3,図4を参照すると、減速機構50は、クランク軸7の軸端部7bにスプライン嵌合して一体回転するように設けられる駆動ギヤ51と、駆動軸26に設けられるダンパ機構Dとを有する。ダンパ機構Dは、左伝動ケース20aから左方に突出する軸端部26aに相対回転可能に設けられて駆動ギヤ51と噛合する被動ギヤ52と、軸端部26aにスプライン嵌合して一体回転するように設けられる回転体53と、被動ギヤ52と回転体53との間に配置されて被動ギヤ52と回転体53との所定の角度範囲2θ(図4(C)参照)での相対回転を可能とする1または複数の弾発部材からなるダンパ54、この実施形態では4つの圧縮コイルバネからなるダンパ54と、被動ギヤ52を軸方向で回転体53に向けて付勢する付勢部材としての皿バネ55とを有する。
回転体53は、内周にスプラインが設けられたボス部53aと、ボス部53aと一体化された円板状のフランジ部53bとを有し、両者が一体成形された部材である。ボス部53aの外周には被動ギヤ52が相対回転可能に嵌合される。被動ギヤ52とボス部53aとの間には潤滑油の侵入により薄い油膜が形成されていて、被動ギヤ52は回転体53に対してフローティング状態で支持されている。駆動軸26の回転中心線方向で、ウェブ部52bおよびフランジ部53bの対向面には、それぞれ、各ダンパ54が収容される凹部53eからなる収容部52c,53cが周方向に等間隔に4つ設けられる。各収容部52c,53cはダンパ54の端部が当接する1対の受け部52d,53dを有する。また、ウェブ部52bには、周方向で隣接する収容部52cの間にストッパとしての突出部52eが4つ設けられ、フランジ部53bには、周方向で隣接する収容部53cの間にストッパとしての凹部53eが4つ設けられる。凹部53eの周方向での幅は、突出部52eの周方向での幅よりも大きい。それゆえ、ダンパ機構Dが駆動軸26に取り付けられた状態で、ダンパ54は、回転体53または被動ギヤ52を介して駆動軸26に支持される。
被動ギヤ52と回転体53とが、各収容部52c,53cにダンパ54が収容されるように組み付けられた状態(図4(C)参照)で、各ダンパ54は、両収容部52c,53cの受け部52d,53dに当接しており、突出部52eは凹部53eに周方向での両側に等しい間隔を形成して挿入される。このため、被動ギヤ52と回転体53とは、クランク軸7の回転速度の変動などに起因してクランク軸7と駆動軸26とを相対回転させるトルクが発生したとき、ダンパ54の弾発力に抗して突出部52eと凹部53eとが周方向で当接する間でダンパ54を圧縮し、前記間隔により規定される角度範囲2θで相対回転可能である。
そして、クランク軸7のトルクは、クランク軸7から、駆動ギヤ51、被動ギヤ52、ダンパ54および回転体53に順次伝達されて、駆動軸26に伝達される。それゆえ、駆動ギヤ51、被動ギヤ52および回転体53は、クランク軸7から駆動ギヤ51および被動ギヤ52を介して駆動軸26に至るまでのトルク伝達経路を構成し、ダンパ54はこのトルク伝達経路に配置される。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
パワーユニットPにおいて、クランク軸7と駆動プーリ23の駆動軸26とが、ダンパ54を有するトルク伝達機構としての減速機構50により連結されることにより、クランク軸7の回転速度変動がダンパ54により緩和されることから、伝動ベルト25は、クランク軸7の回転速度変動の影響を受けにくくなって、駆動プーリ23と伝動ベルト25との間の滑りが減少するので、伝動ベルト25の発熱や摩耗が減少して、伝動ベルト25の耐久性が向上する。
減速機構50が有するダンパ54は、クランク軸7から駆動ギヤ51および被動ギヤ52を介して駆動軸26に至るまでのトルク伝達経路に配置されることにより、クランク軸7の回転速度変動が減速機構50により低減することで、伝動ベルト25は、クランク軸7の回転速度変動の影響を一層受けにくくなって、伝動ベルト25の耐久性が一層向上する。また、ダンパ54により、クランク軸7の回転速度変動による減速機構50での駆動ギヤ51および被動ギヤ52による歯打音が発生しにくくなるので、減速機構50での騒音が低減する。
被動ギヤ52は駆動軸26に回転可能に支持されることにより、減速機構50を構成する駆動ギヤ51および被動ギヤ52の噛合による振動および歯打音が駆動軸26に伝達されにくくなるので、変速装置での振動・騒音が低減する。
内燃機関Eはピストン5が摺動可能に嵌合するシリンダ1を備え、駆動軸26の回転中心線L2は、シリンダ軸線方向において、クランク軸7の回転中心線L1に対して被動プーリ24の回転中心線L3とは反対側で、シリンダ1寄りにオフセットすることにより、回転中心線L1に対して、駆動プーリ23が被動プーリ24の回転中心線L3とは反対側に配置されるので、クランク軸7と駆動軸26とが同軸に配置される場合に比べて、シリンダ軸線方向で、被動プーリ24を回転中心線L1により近接させて配置することができて、パワーユニットPがシリンダ軸線方向または車体の前後方向で小型化される。
ダンパ54は、クランク軸7と駆動軸26との、駆動軸26の回転中心線方向(軸方向)での重なり部分Bに配置されることにより、回転中心線L1に対して回転中心線L2がオフセットすることにより、軸方向で、クランク軸7と駆動軸26とが重なるように配置することができるので、その重なり部分Bのスペースを利用してダンパ54を配置することができて、駆動軸26の回転中心線方向でパワーユニットPが小型化される。
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態は、トルク伝達機構としての減速機構の構造が第1実施形態とは相違し、その他は基本的に同一の構成を有するものである。そのため、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態の部材と同一の部材または対応する部材については、必要に応じて同一の符号を使用した。
トルク伝達機構としての減速機構60は、クランク軸7の軸端部に設けられるダンパ機構Dと、ダンパ機構Dの駆動ギヤ61と噛合すると共に駆動軸26の軸端部26aに一体回転するように圧入されて設けられた被動ギヤ62とを有する。ダンパ機構Dは、軸端部7bに相対回転可能に設けられる駆動ギヤ61と、軸端部7bにスプライン嵌合してクランク軸7と一体回転するように設けられる回転体63と、駆動ギヤ61と回転体63との間に配置されて駆動ギヤ63と回転体63との所定の角度範囲での相対回転を可能とするダンパ54と、駆動ギヤ61を軸方向で回転体53に向けて付勢する皿バネ55とを有する。
回転体63は、回転体53と同様に、内周にスプラインが設けられたボス部63aと、ボス部63aと一体化されたフランジ部63bとを有し、ボス部53aの外周には駆動ギヤ61が相対回転可能に嵌合される。駆動ギヤ61のウェブ部61aとフランジ部63bと対向面には、第1実施形態のダンパ機構Dと同様に、各ダンパ54が収容部61c,63cに収容されて配置される。また、ウェブ部61bにはストッパとしての突出部52eが設けられ、フランジ部63bにはストッパとしての凹部63eが設けられる。
そして、駆動ギヤ61と回転体63とが組み付けられた状態で、駆動ギヤ61と回転体63とは、クランク軸7の回転速度の変動などに起因してクランク軸7と駆動軸26とを相対回転させるトルクが発生したとき、第1実施形態と同様に規定される角度範囲で相対回転可能である。
そして、クランク軸7のトルクは、クランク軸7から、回転体53、ダンパ54、駆動ギヤ61および被動ギヤ62に順次伝達されて、駆動軸26に伝達される。したがって、ダンパ54は、回転体53、駆動ギヤ61および被動ギヤ62により構成されるトルク伝達経路に配置される。
また、重なり部分Bにおいて軸端部26aは、軸方向で被動ギヤ62を挟んで軸受36aとは反対側で、ニードル軸受からなる軸受36cを介して右クランクケース2bに回転可能に支持される。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用および効果が奏されるほか、次の作用および効果が奏される。すなわち、両回転中心線L1,L2がオフセットすることで形成されるクランク軸7と駆動軸26との軸方向での重なり部分Bに、軸受36cに支持される駆動軸26のジャーナル部26a1が配置されることにより、駆動軸26は、伝動ケース20に支持されるのに加えて軸受36cを介して右クランクケース2bにも支持されるので、軸方向でパワーユニットPを小型化しながら、駆動軸26の振れが効果的に防止されて、変速装置Mの振動の低減に寄与する。
次に、図6を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。第1実施形態とは、トルク伝達機構が減速機構により構成されない点で相違し、その他は基本的に同一の構成を有するものである。そのため、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態の部材と同一の部材または対応する部材については、必要に応じて同一の符号を使用した。
トルク伝達機構は、回転中心線L1,L2を共有して同軸に設けられた軸端部7bと軸端部26aとの間に介在して設けられるダンパ機構Dにより構成される。ダンパ機構Dは、軸端部7bにスプライン嵌合して一体回転するように設けられるギヤからなる入力側回転体71と、軸端部26にスプライン嵌合して一体回転するように設けられる出力側回転体72と、両回転体71,72の間に配置されて所定の角度範囲で両回転体71,72の相対回転を可能とする圧縮コイルバネからなるダンパ54とを有する。
キックスタータ機構35(図1参照)のアイドルギヤ35eと噛合する歯部71kを有する回転体71は、内周にスプラインが設けられたボス部71aと、ボス部71aと歯部71kとの間にそれらと一体化されたウェブ部71bとを有する。また、回転体72は、回転体53と同様に、内周にスプラインが設けられたボス部72aと、ボス部72aと一体化された円板状のフランジ部72bとを有する。ウェブ部71bとフランジ部72bと対向面には、第1実施形態のダンパ機構Dと同様に、各ダンパ54が収容部71c,72cに収容されて配置される。また、ウェブ部71bにはストッパとしての突出部71eが設けられ、フランジ部72bにはストッパとしての凹部72eが設けられる。
両回転体71,72が組み付けられた状態で、両回転体71,72は、滑り軸受からなる主軸受8bを介して右クランクケース2bに支持されるクランク軸7の回転速度の変動などに起因してクランク軸7と駆動軸26とを相対回転させるトルクが発生したとき、第1実施形態と同様に規定される角度範囲で相対回転可能である。そして、クランク軸7のトルクは、クランク軸7から、回転体71、ダンパ54および回転体72に順次伝達されて、駆動軸26に伝達される。したがって、ダンパ54は、回転体71および回転体72により構成されるトルク伝達経路に配置される。
この第3実施形態によれば、第1実施形態の減速機構50および重なり部分Bに関連する点を除いて、第1実施形態と同様の作用および効果が奏される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
ダンパは、バネに限定されず、ゴムなどのゴム状弾性を有する弾発部材により構成されてもよい。
本発明の第1実施形態を示し、本発明が適用された内燃機関の、図2の概ねI−I線での断面図である。 図1の概ねII−II線での断面図および矢視図であり、シリンダブロックおよびシリンダヘッドについてはヘッドボルトの軸線を含む平面での断面図、クランクケースについては伝動ケースとの結合面での矢視図である。 図1の要部拡大図である。 (A)は、図1の内燃機関に備えられるダンパ機構の回転体を軸方向で見た図であり、(B)は、該ダンパ機構の被動ギヤを軸方向で見た図であり、(C)は、被動ギヤと回転体とが組み付けられ、回転体の一部が破断された状態を示す図である。 本発明の第2実施形態を示し、図3に対応する断面図である。 本発明の第3実施形態を示し、図3に対応する断面図である。
符号の説明
1…シリンダ、2…クランクケース、5…ピストン、7…クランク軸、50,60…減速機構、54…ダンパ、P…パワーユニット、E…内燃機関、M…ベルト式変速装置、D…ダンパ機構。

Claims (5)

  1. ピストンにより回転駆動されるクランク軸を備える内燃機関と、前記クランク軸の動力により回転駆動される駆動プーリおよび該駆動プーリにより伝動ベルトを介して回転駆動される被動プーリを備えるベルト式変速装置とを備えるパワーユニットにおいて、
    前記クランク軸と前記駆動プーリの駆動軸とが、ダンパを有するトルク伝達機構により連結されることを特徴とするパワーユニット。
  2. 前記トルク伝達機構は、前記クランク軸に設けられる駆動ギヤと、前記駆動軸に設けられて前記駆動ギヤと噛合する被動ギヤとを有する減速機構であり、前記ダンパは、前記クランク軸から前記駆動ギヤおよび前記被動ギヤを介して前記駆動軸に至るまでのトルク伝達経路に配置されることを特徴とする請求項1記載のパワーユニット。
  3. 前記被動ギヤは前記駆動軸に回転可能に支持されることを特徴とする請求項1記載のパワーユニット。
  4. 前記駆動軸の回転中心線は、前記クランク軸の回転中心線に対して前記被動プーリの回転中心線とは反対側にオフセットすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のパワーユニット。
  5. 前記ダンパは、前記クランク軸と前記駆動軸との、該駆動軸の回転中心線方向での重なり部分に配置されることを特徴とする請求項4記載のパワーユニット。

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