JP6152430B2 - 駆動装置の回転部品及び揺動部品の潤滑のための断熱システム - Google Patents

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Description

本発明は、回転部品又は揺動部品の潤滑のための断熱潤滑システム、特にガソリン若しくはディーゼルエンジンなどの燃焼機関の作動部品の潤滑及び/又はトランスミッションの潤滑に使用されることが可能な自動車の潤滑システムに関する。該潤滑システムは、例えば従来の駆動車両において、又はハイブリッド若しくは電気車両において、そして発電機、加工機などの据置型設備においても使用されることができる。
駆動装置の、特にエンジンの作動部品或いは機械式トランスミッションの潤滑システムは、十分に知られたものである。その目的は、作動部品同士の摩擦を低減することと、作動部品が互いに対して作動する平滑度を向上することである。そのため、摩耗が抑えられ、部品の加熱が低減され、そして耐用期間が延長される。また、作動部品の剛性のため、その剛性を克服するために非生産的に使用されざるを得ない駆動エネルギーが増加し、燃料又は電気の消費が増加するので、まず排出ガス及び作動コストが増大し、そして例えば自動車の航続可能距離が減少する。特に、排気による汚染の減少及び低エネルギー消費は、エンジンにとって技術的に望まれる特性であるだけでなく、世界的に見ても様々な国の基準や制限値に見合う重要な条件である。また、駆動装置の非効率的な潤滑管理によって、運転者に課せられる税金や義務が少なからず増加し得る。
冷間始動段階において、特に0℃などの低温、又は−15℃若しくはそれ未満などの極低温では、用いられる潤滑媒体、特に潤滑オイルが高粘性を示し、そのため潤滑性能が低くなるという問題が起こる。つまり、燃焼機関において、冷間(開始温度は約24℃)から開始されるNEDCテスト時の燃料消費は、NEDCのホットテストとして既知である約90℃の高温状態のエンジンオイル温度で同テストがおこなわれる時より約10%〜15%高い。これはひとつには、潤滑オイルが低温でより高い粘性を示すためである。それと共に、供給されるエネルギーは高い割合で排気ガスエンタルピーとして散逸され使用されない。これは全体で、供給される燃料のエネルギーの約30%〜40%に相当する。
摩擦損失を低減する1つの方法は、低温において粘性を低下させた高品質の潤滑オイルを使用することであるが、他の可能性として、冷間始動段階において潤滑媒体を計画的で迅速に加熱することが目的とされる。
特に冷間始動段階時に、潤滑システムへと投入される熱を増大させて搬送する熱交換器の使用の提案では、冷間始動段階時の加熱を促進することが意図される。これについて、排気ガス・オイル熱交換器を用いたエンジンオイルの加熱により燃料消費及び排出ガスを有意に低減することができることは、種々の出版物から既知である。これはつまり、エンジンオイルを加熱し、油圧を低下させる複合的な方法で排気ガス熱交換器が使用されることでエンジンの暖機段階が促進されることを意味する。しかしながら、エンジン、特にエンジンオイルが、この加熱段階時に過熱されることから保護される必要があるという問題が起こる。この理由から、追加の高性能のオイル冷却器が用いられる。だが、既知の方法は設計において技術的に複雑であり欠陥が起こりやすく、燃料消費が多少低減されるのみであるので、経済的な理由から多くの場合に実際には適用されない。
本明細書で一例として言及される参考文献は、独国特許第10 2009 013 943A号及び国際出願第EP2010/053643号であり、いずれも、オイル潤滑用の少量の潤滑オイルが、大量の潤滑オイルから少なくとも部分的に分離されながら、迅速に加熱される燃焼機関又はトランスミッションの部品を始動段階時に選択的に通過するオイルバイパスラインを提案している。
オイル潤滑システムは日本特願第2001−323808A号に見受けられ、そこではオイルがオイルパンに配置されたオイル吸入管からオイルポンプによって潤滑システムに導入され、そのオイルがオイルバイパスライン及び熱交換器を介して排気ガス系によって加熱されることが可能である。加熱されたオイルは、断熱された中間のタンクに貯留され、オイルパンの吸入ベル直下の供給ラインを用いて潤滑システムに戻される。
さらなる解決方法の提案が、カンファレンス資料である、Will,F.「A novel exhaust heat recovery system to reduce fuel consumption」F2010A073、FISITAカンファレンス、ブダペスト、及びWill,F.、Boretti,A.、「A new Method to warm up Lubricating Oil to improve Fuel Economy」SAE 2011−01−0318、2011年(Society of Automotive Engineers)に記載されている。
独国特許第10 2011 005 496 A1号には、オイルを加熱するためにエンジンから上流側に配置されたオイル回路、冷却器、及び熱リザーバを含む燃焼機関のための潤滑システムが記載されている。熱リザーバは冷却器と並行に接続され、弁が冷却器と熱リザーバとの間のオイル回路を切り替えることができる。熱リザーバへのオイルラインの外部断熱は、熱リザーバがエンジンから離れて配置される場合に言及される。外部断熱は後の段階での適用が容易であり、機械的な寸法及び断熱された領域の外観を大きく変化させ、またその耐久性及び機械的頑健性を変化させる。さらに、外部断熱は、通常、火に対して抵抗性が低く、故に火災安全上の問題がある。また例えばテンに齧られることで損害になり得る。外部断熱のさらなる不利な点は表面積が結果的に増大することであり、これは熱損失の増加をもたらす。総重量も外部断熱によって増加する。一方で、金属筐体が内部で断熱される場合に、重量のある金属の筐体の一部がより軽量な断熱層、特にプラスチックに置き換えられるので、減量される。該文献では、特に金属筐体の場合ではないオイルラインの内部断熱については言及されていない。筐体がプラスチックなどの断熱材料で作製される場合に、金属筐体と同様の構造の強度、硬度、又は頑健性は得られないか、又はその他の不利な点が、例えばセラミックが用いられる場合の費用高騰などが起こる。
加熱されたトランスミッションオイルを貯留するオイル潤滑システムの熱リザーバは、独国特許第10 2009 051 820 A1号により既知である。トランスミッションオイルは、ばね式シリンダによってトランスミッションから貯留リザーバへ、及びその逆方向へ搬送され、該トランスミッションオイルはばね力によりリザーバへ及びリザーバから搬送されることが可能である。記載されるばね式シリンダを備えた熱リザーバは、複雑な幾何学的及び機械的設計を包含し、相応に高価である。ばね式シリンダのため、容積を増大させる外部断熱のみがリザーバ筐体の可能な断熱として考慮され、上述の不利な点がもたらされる。ばね式シリンダの使用はパッシブトランスミッションの潤滑に限定される。
独国特許第30 32 090 A1号は、燃焼機関の暖機段階における潤滑オイルの加熱促進方法に関し、潤滑オイルは加熱管又は熱交換器によってより迅速に加熱される。オイルパンを冷却するか、又は周囲の空気から遮断するために、オイルパンは、必要に応じて換気装置がフラップするか又はルーバが開閉できる調整された断熱材を備えることが提案される。
摩擦力を低減するための上述の提案の不利な点は、高い設計費用及び欠陥の生じやすさ、並びに、特に費用に関しては単に小さいものである摩擦損失の低減であり、これはシリンダブロック及びシリンダヘッド、並びに筐体(例えばオイルパンやクランクケース)のオイルギャラリなどの冷却要素と接触すると加熱されたオイルは迅速に再び冷却されるためである。
以下の本発明の目的は、上述した先行技術の不利な点を解決し、簡易に技術的適用をおこなうことを可能にし、特に冷間始動段階において摩擦を有意に低減する潤滑システムを提案することである。
上述の目的は独立請求項1に記載された潤滑システムによって達成される。本発明の有利な実施形態は従属請求項の主題である。
本発明において、回転部品又は揺動部品の潤滑のためのシステムは、オイルリザーバに配置された少なくとも1つのオイル吸入管、オイルポンプ、熱源、及びさらに金属筐体に一体化される接続ライン、特に、クランクシャフト、カムシャフト、トランスミッション部品など潤滑を必要とする部品に潤滑オイルを搬送するためのオイルギャラリを含む。オイルリザーバは通常は断熱されていない解放リザーバであり、その構成及び設計はオイルパンに対応することが可能である。少なくとも1つの接続ラインは、オイルギャラリの内側及び熱源の下流側でその内壁に内部断熱材を備え、内部断熱材の熱伝導率は、接続ライン又はオイルギャラリの残りの部分の熱伝導率の5%以下であり、好ましくは少なくとも1W/(m・K)より低いということと、第1のオイル上限温度に達するときに、熱源はスイッチをオフにされるか又は少なくともその熱出力において低減されるということとが提案される。接続ラインの外周は、少なくとも1か所で、接続ラインの内周の少なくとも2倍の大きさであり得る。
換言すると、本発明では、オイルポンプ後の接続ラインの少なくとも部分、つまり圧力下にある潤滑システムの接続ラインの一部において、好ましくは熱交換器など熱源の後で、断熱材、特に内部断熱材を備え、該断熱材は潤滑オイルから金属周囲部への熱伝達を防止するということが提案される。結果として、圧力下のオイル量は、加熱された後に、高い熱伝導率を有する金属周囲部に吸収される少量の熱を失うのみであり、潤滑を必要とする位置、特にオイルギャラリに搬送される。このように、潤滑箇所を介して潤滑されるべき位置に直接的に搬送されるオイルを迅速に加熱することが、摩擦の低減効果を伴って、特に冷間始動時におこなわれる。
独国特許第10 2009 013 943号では、シリンダヘッドのオイル戻りラインとの組合せを含み、冷間始動段階の潤滑効果の向上を可能にし、そのため燃料消費を抑える、潤滑オイルを加熱するための排気ガス・オイル熱交換器の使用について記載されているが、その使用にはエンジンの複雑な設計が必要とされ、現存するエンジン構造に適用されることはできない。とりわけ容積に対する表面積の比率が特に低い、比較的大きいオイルギャラリを備える強力なエンジンの場合に、排気ガス・オイル熱交換器の使用の有利性は理解される。排気ガス熱の大部分が潤滑システムに搬送され得る小型の燃焼機関では、容積に対する表面積の高い比率の結果として、比較的大量の熱が金属周囲部に散逸されるので、とりわけ有利である迅速な潤滑オイルの加熱は達成されることができない。これについて、以下の例示的な比較において示される。直径2mmのオイル供給ラインが直径1mmのものと比較される場合、容積は式V=lπD/4で表され、lはオイルギャラリの長さであり、Dはその直径である。オイルギャラリの表面積は式A=lπDで表され、故に容積に対する表面積の比率はA/V=4/Dに対応する。直径D=2mmでは、2/mmの比率である一方で、D=1mmでは数字は4/mmであり、これはD=2mmの数字の2倍の大きさである。つまり、直径Dが50%減少すると容積に対する表面積の比率が2倍になることを示す。結果として高容積特有の熱伝達が存在し、より大きい直径では、オイルギャラリを介するオイルの温度の損失はより小さくなり、潤滑箇所でのオイルはより流動的になり得る。この効果は、より小さい燃焼室を備えるエンジンよりも特有の高効率を有する、大きい燃焼室を備えたエンジンの設計から既知であり、つまりより大きい燃焼室の場合に容積に対する表面積の比率がより低いことから、壁を介した様々な熱損失が著しく少ないためである。
オイルギャラリ内側の断熱材の導入により、特に部品を潤滑にするための機能的な構造環境の潤滑箇所、また金属環境、クランクシャフト、接続ロッド、カムシャフト、軸受、歯車、筐体の部分、クランクの内壁のエンジンブロック、若しくはトランスミッション筐体、又は互いに対して動作する部品によって構成される構造的な構造環境の潤滑箇所において、冷温のエンジンブロックに熱を伝達するときに、
・断熱による熱抵抗の増加、
・容積に対する表面積の比率の減少、
・オイルギャラリにおけるオイル量、つまり加熱されるオイル量の低減、
・断熱材とエンジンブロック又はシリンダヘッドとの間の接触抵抗による熱抵抗の増加、
という、いくつかの有利性が得られる。
容積に対する表面積の比率の減少によって、金属周囲部に散逸される熱はより少なくなる。これは、20mmの直径及び10mmの内径を有するオイルギャラリにおいて1W/(m・K)の熱伝導率を有する断熱ラインを検討した例において示される。熱伝達抵抗は、オイルとシリンダブロックとの熱伝達係数h=40を考慮して得られ、オイルはエンジンブロックよりも20℃高いと考えられる。この結果、熱抵抗R=1/(hA)=1/(hlπD)=0.4K/Wとなる。熱抵抗は、
で表され、r=外径、r=内径、l=オイルギャラリの長さ、k=所定の材料定数である。この結果、熱抵抗Ri=0.1k/Wがもたらされる。40W/(mK)の表面伝達抵抗hcから、伝達抵抗Rc=0.4mK/Wがもとめられる。もとの容積と比較して断熱材の容積における容積に対する表面積の比率は減少するので、結果はDi=1mm及びD=2mmでVi/V=(Di/D)=0.25、又は25%となる。
最終結果として、上述で用いられた値を用いて、
・断熱は熱伝達抵抗を25%増加させ、
・容積に対する表面積の比率は50%減少し、これにより熱抵抗をさらに100%増加させ、
・オイルギャラリのオイル量を75%低減し、
・接触抵抗のため、熱抵抗はまたさらに100%増加する、
ということが言える。
このため、総熱伝達抵抗は提示の内部断熱材のない場合よりも3.3倍大きい。この理由から、冷間始動段階におけるオイルによるエネルギー損失が低減され、冷間始動段階の潤滑が向上するので、優れた加熱をおこなうことが可能である。
自動車技術会(JSAE)による刊行物235−20125071では、冷間始動段階におけるオイル加熱の向上のため、オイルリザーバのオイルが2つの部分量に分割され、暖機段階ではオイルリザーバのオイルの一部のみが潤滑に使用されるということが提示される。同様の熱量が、減少された量のオイルに導入されると、オイルは熱量がオイル全量に導入される場合の2倍の速さで加熱される。しかしながら、これは刊行物JSAE235−20125071に記載されるように適用できないということが理解される。オイルリザーバを2つの部分量に分割することによって、より外側に配置されより冷却されたオイル量では、最高温度の85℃は45℃に、つまり40℃低下するが、内部のオイル量では、温度が85℃から125℃へと同様の40℃の上昇をすることはできないということがテストにおいて明らかになったという事例が示されている。内部チャンバのオイル量は外部チャンバのものより少ないので、温度の上昇が対応して大きくなることが期待されていた。これもまた、内部の温度は単に0.8%の著しく少ない燃料節約をもたらす最大5℃の上昇が可能であるのみであるので、誤解であった。内部のオイル量の熱は、主にエンジンブロックとクランクシャフトとの熱伝達によって散逸され、オイルがクランクシャフト軸受に到達するとすぐにクランクケースの外壁に飛散されることが原因であるということが理解される。筐体及びエンジンブロックの温度は、その表面積の大きさのため、オイルの温度を主に決定する。この理由から、オイルの温度は、少なくとも平均的な冷間始動段階ではないときに、冷媒及びエンジンの温度を超えて有意に上昇することができず、燃料消費が少し抑えられるのみである。しかしながら、断熱材の向上によりこれらの不利な点が克服され、摩擦が有意に低減され、燃料消費が有意に抑えられ、排出ガスが低減される。
さらに、金属筐体及び金属管路の内部断熱材により、オイルライン及び筐体が金属又は頑健だが熱伝導性の材料から製造され、所定の外部の機械的寸法を保持することができる。これは内部断熱材のみが適用され、外部の寸法及び設計の細部は保持されるので、現在のユニットの再設計が避けられるためである。オイルライン及び筐体部品の内部断熱材によって、現在のエンジン及びユニットは、設計の変更の必要なく、より効率的になる。
本発明の有利な実施形態によると、潤滑システムの筐体、特にクランクシャフト又はトランスミッション筐体は、内部断熱材によって断熱されてもよく、該内部断熱材の熱伝導率は、構造環境の熱伝導率の、特に潤滑箇所、筐体、潤滑される部品、金属環境の熱伝導率の5%以下であり、好ましくは少なくとも1W/(m・K)未満である。構造環境は、潤滑システムの機能的な構造環境、即ち表面が互いに対して動作する潤滑箇所と、構造的な構造環境、即ち金属筐体、部品、エンジンブロックなどの周囲の物体とを表す。
さらなる有利な実施形態では、オイルリザーバは内部断熱材によって断熱されてもよく、該内部断熱材の熱伝導率は、オイルリザーバの熱伝導率の5%以下であり、好ましくは少なくとも1W/(m・K)未満である。代替的又は追加的に、オイルリザーバは、全体又は少なくとも一部が、好ましくは高くても1W/(m・K)未満の熱伝導率を有する断熱材料から製造されてもよい。
本発明の有利な実施形態によると、潤滑される少なくとも1つの回転又は揺動部品は、少なくとも内部断熱材及び/又は外部断熱材によって断熱されてもよく、該外部断熱材の熱伝導率は、潤滑される回転又は揺動部品の熱伝導率の5%以下であり、好ましくは少なくとも1W/(m・K)未満である。
クランクケースとオイルパンとの内部からの断熱によって、また潤滑される回転又は揺動部品の少なくとも一部の領域の断熱によって、オイルは金属環境に対して少量の熱を失うのみであり、強く冷却されることはないが、一方で冷間始動段階におけるオイルは、例えば排気ガス・オイル熱交換器である熱源などのより高温の熱の入力によって加熱される。クランクシャフトの断熱によって、オイルを冷却するために利用可能な熱質量は低減され、オイルの熱を保持するために大変重要とされるクランクケース内側の断熱によって、加熱が改善されオイルの粘性が低下される。
有利な実施形態では、高断熱の熱リザーバは、特に0.01W/(m・K)未満の熱伝導率を有する少なくとも5mmの厚さの熱リザーバ断熱材によって包囲され、特にオイル吸入管とオイルポンプとの間か、又はオイルポンプと熱源との間か、又は熱源と潤滑箇所との間に配置されてもよく、好ましくは、25℃の周囲温度で100℃〜80℃の温度を有するオイルの冷却は6時間を超える。好ましくは、熱リザーバ断熱材は真空断熱材として設計されてもよい。
前述の熱リザーバにおける熱貯留を向上させるために、熱リザーバのオイル接続ライン及び/又は外装材が20W/(m・K)未満の熱伝導率を有する断熱材料からなることが有利である。プラスチック断熱材はこの目的のために有利に用いられることが可能である。さらに熱リザーバの外装材は2重壁で設計され、0.04W/(m・K)未満の熱伝導率を有するエアロゲルの断熱層は外装材の内壁と外壁との間の中間領域に配置されてもよい。またさらに、エアロゲルで充填された空間は周囲よりも低い圧力を有してもよい。このため、断熱が有意に向上され、熱損失又は不要な熱の入力が防止される。
本発明のさらなる有利な実施形態では、熱リザーバを備える潤滑システムをもとにして、潤滑システムにバイパス弁が含まれることから、熱リザーバの外側で少なくとも90℃の第2のオイル上限温度に達するときに熱リザーバはオイルで充填され、潤滑される部品の冷間始動時に熱リザーバの外側の温度が多くとも50℃の予め決定された第1のオイル下限温度を下まわるときに熱リザーバに貯留されたオイルを潤滑システムに搬送することが可能である。
潤滑システムにおける熱リザーバの使用は数年にわたって知られており、これまでに刊行物SAE922244に提示されたように、特に0℃を下まわる冷間始動時に、好ましくは車室を暖めるため、そして排気ガスを低減するためにしばしば用いられる。このような熱リザーバの不利な点は、前述の2つの部分のオイルパン又はオイルリザーバの不利な点と類似し、24℃の周囲温度でおこなわれた実験が示すように燃料の節約は単に小さいものとなる。また、この種の熱リザーバが燃料消費の低減にあまり貢献しない理由についての説明は、シリンダヘッド及びエンジンブロックに導入される熱がここでも直ぐに消散されることから、2つの部分又は複数の部分のオイルパンについてのものと同様である。しかしながら、提示の熱リザーバでは、過剰な熱が冷却系から、又は冷却器によって、又はオイル冷却器によって熱リザーバに供給されることが可能であり、その熱が断熱材の改善のためオイルの粘性を直ちに低下させ、また摩擦の低減に貢献するので、燃料消費が低減されるという実施形態の上位の態様でこれを有利に解決することができる。
熱リザーバを備える潤滑システムをもとにして、熱リザーバは、有利な実施形態において、相変化材料、特にエリスリトール、トレイトール若しくはパラフィン若しくは類似のものなどの糖アルコール、又は好ましくは塩化マグネシウム六水和物若しくは硝酸マグネシウム六水和物などの水和物、硝酸、水酸化物、若しくは塩化物の塩で充填される、少なくとも1つの個別のチャンバを含むことが可能である。相変化材料の融解における潜熱は、オイルの第1の下限温度と第1の上限温度との温度差に基づいて熱リザーバが貯留できる熱よりも顕著に大きい必要がある。相変化材料の融解温度は特に第1のオイル上限温度よりも低い必要があり、好ましくは、相変化材料の融解温度が100℃よりも高いという条件で、相変化材料は約120℃の融解温度を有するエリスリトールである必要があることから、冷間始動時に可能な限りの最高温度が熱リザーバに存在することが可能である。糖アルコールは好ましくは相変化材料として用いられ、相変化材料の融解温度は100℃を超える。
既に上述されたように、潜熱リザーバは先行技術より既知である。様々な実施形態において、潜熱リザーバには、水酸化バリウム又はケイ酸ナトリウムなどの60℃〜80℃の融解温度を有する塩が用いられ、そのような塩はその他の材料に対して侵食性があり、冷却系又は潤滑システムへの漏出を起こしうる腐食損傷を引き起こす。このため、この種の潜熱リザーバの連続的生産は取りやめになっている。相変化材料を伴う既知の潜熱リザーバのさらなる不利な点は、融解温度が通常は60℃〜80℃であることであり、これは好ましくは120℃であるオイル潤滑にとっての最適温度にはあまりに低すぎる。故に、塩に基づく相変化材料を伴うそのような潜熱リザーバの使用では、冷間始動での適用において、改善された潤滑特性を持続的に提供することができない。潜熱貯留媒体として、80℃を超える相変化温度を有する相変化材料、特にエリスリトールの使用は、エンジンオイルの潤滑に最適である融解温度を有することから、これらの問題を解決する。
熱リザーバを備える潤滑システムをもとにして、熱リザーバは、本発明の有利な実施形態において、円筒の形状であり、熱リザーバを2つのチャンバに分割する断熱材料のフリーピストンを含む。この方法において、熱リザーバが、第1のチャンバにおいて少なくとも90℃の第1のオイル上限温度を超えるオイルで充填されるとき、オイル量は第2のチャンバから潤滑システムに押し戻され、冷間始動段階において高くて50℃の第1のオイル下限温度のもと、オイルが第1のチャンバから潤滑システムに排出されるとき、第2のチャンバはオイルで充填される。このように、オイルリザーバのオイルレベルは有意ではない程度に影響を受けるのみであり、熱リザーバは、熱源、特に加熱装置として、またヒートシンク、特に冷却装置として必要とされるときに用いられることが可能である。オイルの限界温度は、潤滑オイル回路内のいずれか、有利には、熱リザーバの接続点、又はエンジンブロックなどからの排出位置などオイルの予期される最高温度が通常生じるオイルの排出点の直接的な潤滑オイルのオイル温度であり得る。熱リザーバを充填する場合、熱リザーバはオイル回路からの高温のオイルを受け取り、より冷温のオイルが放出され、故に熱リザーバはヒートシンクとして作用する。冷間始動段階において熱リザーバを空にするときに、より冷温のオイルを受け取り、高温のオイルが放出され、故に熱リザーバは熱源としての役割を果たす。
潤滑される部品が高圧力下にあるとき、オイルの温度は上昇するので、断熱された熱リザーバに貯留された低温のオイルの冷却効果が用いられてもよい。つまり、熱リザーバは、オイル回路のオイルが少なくとも110℃の第2のオイル上限温度を超えると直ちにオイルを冷却するためにオイルを第1のチャンバから排出させるように、有利に設定されることが可能である。この場合、第1のチャンバ内のオイル温度は、第2のオイル上限温度よりも通常低いので、熱リザーバから流出するオイルは流入するオイルよりも冷温である。オイルの冷却はこのように効果的におこなわれる一方で、最適な潤滑効果及び粘性が得られ、オイル回路の過熱が回避される。
冷間始動段階時に、帰還する冷却オイルが貯留される加熱オイルと混合されるので、混合温度は周囲環境とのやり取りが生じる前の熱リザーバの以前の温度より低いものとなることは熱リザーバのさらなる問題である。温度の低下は潤滑特性を悪化させ、故に潤滑システムの摩擦も悪化する。この問題はフリーピストンが熱リザーバ内に提供されることで解決され得り、熱リザーバは好ましくは円筒の形状を有し、該円筒の形状は切り替え弁によって相互に接続される2つの部分的なチャンバに分割されるので、予熱されたオイルは流入される冷温のオイルと混合されない。フリーピストンはオイルの量を一定に保持するので、圧力比及び潤滑回路におけるオイル量に不利な影響はない。
本発明の有利な実施形態によると、潤滑システム、オイルリザーバ、構造環境及び熱源は燃焼機関、特に自動車の燃焼機関内に封入されてもよい。
代替的に又は上述の実施形態の追加として、潤滑システム、オイルリザーバ、及び構造環境はトランスミッション、特に自動車のトランスミッションに封入され、熱源は燃焼機関及び/又は電気バッテリ及び/又はインバータによって提供されてもよい。インバータは直流電気を交流に変換可能であり、またその逆も可能である。またインバータは、バッテリによって交流及び三相駆動部に電力を供給するために用いられる。このように、トランスミッション又は機械的パワートレインにおける潤滑媒体は、燃焼機関からの廃熱によって、或いは、例えば電気又はハイブリッド車両が使用される場合には、バッテリ又はエネルギーを放出若しくは受け取る際に高温になる電気消費ユニットの加熱特性によって、加熱されることが可能である。また例えば水素駆動の場合に、燃料セルを、駆動メカニズム・トランスミッション用の潤滑システムを加熱するために利用される熱源にすることも考えられる。
電気モータと燃焼機関との組合せで駆動される電気車両及びハイブリッド車両では、燃焼機関などの固有の熱源を含まないという問題があり、特に30℃より低い温度で潤滑特性が著しく低下し、摩擦を増大させ、燃焼消費を増加させる。例えばインバータ、燃料セル、又は電気バッテリにおいて発生する廃熱は潤滑オイルを迅速に加熱するために使用されるか、又は電気ユニットからの廃熱は、特にトランスミッション用の最適な潤滑温度に到達させるために用いられてもよい。冷却回路は、トランスミッションをより迅速に加熱するため、又はトランスミッションオイルを冷媒・オイル熱交換器で加熱するため、及びインバータ、燃料セル、若しくはバッテリを冷却するために、トランスミッション、インバータ及びバッテリを接続するように例えば提供され、それにより効率が改善され、範囲が拡大され、そして消費が低減され得る。
本発明の上述の2つの実施形態における有利な展開では、熱リザーバはエンジンオイル及びトランスミッションオイルを1つのユニットに包含し、特にエンジンオイル用に少なくとも1つのチャンバを、そしてトランスミッションオイル用に1つのチャンバを含んでもよい。
エンジンオイル及びトランスミッションオイル用の、特にそれぞれのオイル潤滑システム用の個別のチャンバを含む組合せ熱交換器に、同一のタンク部が提供されてもよく、リザーバは単一の高品質断熱材を含み、設置空間をほとんど必要としない。このため、真空断熱材を含むか、又は相変化材料で充填される高品質の断熱タンクが提供されることが可能になり、例えば、特に2つのチャンバを2つの個別の潤滑システム用に含む。単一のユニットに統合することによって、特に自動車などに起こる逼迫した空間の問題がある場合に、総容積は著しく減少され得る。さらに部品の費用が抑えられ、またユニット全体に高品質の断熱材が用いられ、費用が大きく下がり、この種の潤滑システムの開発における問題を最少化することができる。
さらなる有利な実施形態によると、燃焼機関の場合の熱源は排気ガス熱交換器を含んでもよく、又は特にトランスミッションに適用される場合の熱源は冷媒熱交換器及び/又は燃焼機関の排気ガス熱交換器を含んでもよい。冷媒熱交換器と排気ガス熱交換器との組合せの場合には、排気ガス熱交換器は冷媒熱交換器の下流側に配置されてもよい。冷媒弁が冷媒回路に配置されてもよく、該弁は、冷媒の限界温度より温度が低下するとき、特に一次冷水器の作動ための冷媒回路サーモスタットの開放温度より温度が低下するとき、特に冷媒回路サーモスタット温度よりも最大で10℃低い温度に低下するときに閉じられ、そして冷媒の限界温度を超えるときに開かれてもよい。冷媒弁は、特に冷媒回路サーモスタットの開放温度より低い温度、好ましくは冷媒回路サーモスタットの開放温度よりも最大で5℃低い温度で開かれてもよい。
本発明の有利な実施形態によると、トランスミッションはオイルポンプを有しないマニュアルトランスミッション又はオートマチックトランスミッションであってよく、冷媒熱交換器はオイルリザーバに配置され、トランスミッションオイルはエンジン冷媒によって加熱される。本明細書において、冷媒熱交換器は冷媒弁を備える冷媒側に設けられ、該弁は、冷媒の限界温度より温度が低下するとき、特に一次冷水器の作動ための冷媒回路サーモスタットの開放温度より温度が低下するとき、特に冷媒回路サーモスタット温度よりも10℃以上温度が低下するときに閉じられ、そして冷媒の限界温度を超えるときに開かれ、特に冷媒回路サーモスタットの開放温度より低い温度、特に冷媒回路サーモスタットの開放温度よりも最大で5℃低い温度で開かれることは有利である。
車両のマニュアルトランスミッション又はオートマチックトランスミッションでは、潤滑の向上により燃料消費が顕著に低減される。トランスミッションの潤滑用オイルは好ましくは冷却回路によって加熱され、特に高圧力下でオイル温度が迅速に上昇され得り、またトランスミッションの高圧力により引き起こされる温度の上昇が冷却回路によって冷却されてもよい。また、例えばSAE2011−01−1171に記載されるように、トランスミッションオイル及び冷媒が排気ガス熱交換器によって加熱されることも考えられる。しかしながら、冷媒熱交換器がトランスミッションオイルの加熱に直接的に用いられる場合に、その所定の大きい熱容量のため冷媒がトランスミッションオイルよりもゆっくりと加熱され、エンジンの摩擦及び熱損失が特に冷間始動段階時に悪化するので、冷媒回路とトランスミッションオイルとの熱の交換によって得られる有利な形態よりも燃料消費が増加することが不利になる。SAE2011−01−1171の研究では、冷媒の温度がオートマチックトランスミッション内の潤滑オイルの温度よりもゆっくりと上昇することが例えば示されている。これを解決するために、潤滑システムの断熱の向上に加えて、冷媒の温度が冷媒回路サーモスタットの切り替え温度よりも低下し、外部冷水器のスイッチが入るときに冷媒とトランスミッションオイルとの熱交換が中断される場合、そして冷媒・トランスミッションオイル熱交換器を通過する冷媒の流動が、冷媒回路サーモスタットの温度を超えるまで、つまり冷媒が十分に加温されるまで、そして特に冷媒からオイルへの熱交換がおこなわれて初めて、つまり冷媒回路の温度が冷媒回路サーモスタットの温度よりわずかに下回るときまで開始されない場合に、有利になり得る。これは、熱伝達、即ち冷媒回路による潤滑オイルの加熱は冷媒回路が対応して加熱されるまでおこなわれない、つまりオイル回路の冷却は車両が温間駆動段階に達した時におこなわれるのみであるということを確実にする。
さらなる有利な実施形態によると、トランスミッション潤滑システムの場合、トランスミッションがマニュアルトランスミッションであり、オイルポンプ機能が一対の歯車の、特にトランスミッションの最終駆動部の変位動作によって提供されることが可能である。この場合にオイル圧ラインが2つの歯車面が互いに係合するように作動する側に配置されることは有利であり、オイル戻りラインが2つの歯車面が互いから離れるように作動する側に配置されてもよい。
オートマチックトランスミッションに類似の方法において、トランスミッションのオイル温度が上昇する場合に切り替えトランスミッションもまた顕著に効率的であり、燃料消費を低減させる。しかしながら、通常の切り替えトランスミッションは例えばオートマチックトランスミッションが備えるような個別のオイルポンプを有しないので、切り替えトランスミッションのオイルは熱交換器を介して送られることができず、切り替えトランスミッションは効率的な潤滑回路を備えない。オイル回路、特にトランスミッション潤滑用の熱源からの熱入力を提供するために追加の電気オイルポンプが提供されることが可能であるが、これは追加の設置空間、追加費用を必要とし、さらなる電気エネルギーを消費するので、潤滑の向上から起こる燃料の削減の一部が無効になる。このため、有利なさらなる展開では、切り替えトランスミッション用の潤滑回路について、熱交換器がマニュアルトランスミッションのオイルパンのオイルをより迅速に加熱する冷却系と連結されることが提案される。オイルポンプ効果を作り出すため、オイルを外部オイル熱交換器に搬送するオイル吸入管が歯車の近傍に配置されてもよく、該歯車は互いに対向して作動し、それによりオイルポンプ効果に用いられ得る圧力を発生させてもよい。オイル熱交換器の戻りラインはトランスミッションの最終駆動部の反対側の端部に提供され、歯車は互いから離れるように作動し、それにより不の圧力を発生させ、オイル吸入効果が提供されてもよい。この方法では、潤滑回路を作動するためのオイルポンプ効果が追加費用なく提供され、外部熱源及び潤滑システムの断熱の向上によって消費削減が達成され得る。
ブローバイガスは、シリンダ燃焼チャンバからピストンを介してクランクケースに送られるガスであり、適切な排出基準を満たすために大気環境に直接的に放出されるべきではない。通常、これらのガスはエンジンの吸気部に戻されて、触媒コンバータによってまず浄化されて大気環境に放出される。代表的な適用は、ポジティブクランクケースベンチレーション又はPCVとして既知であるものに相応する。クランクシャフト排気ガス開口部はエンジンの吸気部と連結され、ブローバイガス弁は、クランクケースを外気取込口、通常では空気フィルタに連結するように提供される。この設計の1つの不利な点は、外気がクランクケース内に入り込み、多くの場合に外気がクランクシャフトの温度よりも低いため、クランクシャフトが応じて冷却され、潤滑オイルの粘性を増加させ、特に冷間始動段階においては摩擦の増加をもたらし、故に燃焼消費の増加を生じる。
有利な実施形態では、熱源は、燃焼機関の排気ラインにおける、クランクケース又はエンジンブロックへの接続ラインを含み、クランクケースは周囲の空気とクランクケースとの間の接続ラインを有しないので、周囲の空気によって冷却されない。つまり、燃焼機関からのさらなる排気ガスはクランクケースを貫流し、潤滑オイルの温度を低下し得るクランクケース筐体内への外気の取込は阻止される。
現代の燃焼機関の多くには、特にターボ過給を備えるものにはピストン噴射冷却設備が提供され、高速回転又は高負荷段階時に、ピストンリングの後に配置されたエンジンオイルがコークス化されることを防ぐために、オイル冷却ジェットが、クランクケースから又は接続ロッドのオイルラインにおける開口部を介して、シリンダピストンの下面に高圧でオイルを噴射する。多くの場合に、ピストン噴射冷却はエンジンオイル圧次第で制御されるので、例えば2barより低い低オイル圧では、オイルは噴射ノズルを介して排出されず、そのためオイルポンプにより消費される機械的動力は低下する。この不利な点は、温間駆動段階時には、ピストン噴射ノズルのオイル圧は比較的低く、ピストン噴射冷却はエンジン低速のためおこなわれないということである。しかしながら、オイルはピストン噴射ノズルを介して排出される場合に、オイルギャラリ及びクランクケース又はクランクシャフトが断熱された断熱の向上と組み合わせて、オイルの加熱を著しく改善させ、オイルの迅速な加熱がおこなわれ得る。冷却ノズルの開口が比較的小さいため、ピストン噴射冷却の作動時に、総オイル流量のうち通常は30%より少ない少量のみがピストン噴射ノズルを通過可能である。
さらなる有利な実施形態によると、熱源は燃焼機関のピストン噴射冷却を含み、燃焼機関のピストンの下面にピストン噴射ノズルによって噴射されるオイルの容積流量は、エンジン潤滑システムのオイル流量の最大容積率だが、オイルポンプによって搬送されるオイル容積流量の少なくとも30%に相当する。この場合、触媒コンバータが提供されることを考慮すると、ピストン噴射ノズルを通過するオイル流量の容積率は、触媒コンバータ温度が「着火」温度限界値、つまり触媒コンバータの作動限界温度を下まわると直ちに低下し、オイル圧が予め規定された限度を下まわると直ちにピストン噴射ノズルの流量の容積率が低下、特にゼロまで低下される、ということが可能である。ピストン噴射ノズル排出口を通過するオイル流量は、ノズルの排出断面を通常よりも大きい値に増大させることによって、オイルポンプを通過する総オイル流量の30%より多くなり、エンジンの回転速度から独立してピストン噴射ノズルを通過するオイル流量を制御することで、エンジンオイルへ熱を効果的に取り込むことができる。オイル噴射ノズルが冷間始動段階時に開かれる場合に、エンジンの最高温の部分に相当し、そして冷間始動段階における潤滑を著しく向上させるピストンの下面にオイルが噴射されるとオイルはより迅速に加熱されることが可能である。
燃焼機関において、多くの場合に、シリンダ壁を介してウォータジャケット冷却系へと、冷媒回路の水冷却器を通過する熱と共に廃熱が通過する。有利な実施形態によると、熱源はオイルラインの少なくとも一部、特に燃焼機関の燃焼チャンバと冷媒ダクトとの間の非断熱のオイルラインを含むとよい。特にオイルラインは、シリンダボアの上部領域において燃焼機関のシリンダボアと冷媒ダクトとの間に配置され、オイルラインの下端部とシリンダヘッドのガスケットによって密封されるシリンダボアの上端部との間の距離が、多くてもピストンストロークの50%であってよい。
上述の実施形態によると、燃焼チャンバと冷媒ダクトとの間に配置されたオイルラインの少なくとも一部では、内部から冷媒ダクトの側へと片側が断熱される。片側の断熱材の熱伝導率は構造環境の熱伝導率より著しく低くてもよく、好ましくは少なくとも1W/(m・K)未満である。オイルラインは特にシリンダの中心軸と平行に走行していてもよい。
オイルチャネルはシリンダの内壁とウォータジャケット冷却系との間に配置され、
・オイルが冷媒より高温である場合にシリンダ壁の温度は上昇し、燃焼処理を著しく向上して、シリンダ壁を介した熱損失を低減し、
・オイルが断熱材として作用し、追加的にシリンダ壁の温度を上昇させ、
・通過する潤滑オイルが著しくより強力に加熱され、摩擦を低減し、燃料消費を低減する、
という様々な有利性が得られる。
例えばピストン噴射冷却並びにオイルギャラリ及びクランクシャフトの断熱材との組合せにおいて、そして特に熱リザーバの配置によって、例えば高価な排気ガス・オイル熱交換器を省略することが可能である。
オイルダクトがシリンダの中心軸に平行に配置される場合、例えば後に穴を空けるなど、比較的容易に製造されることができる。また、カムシャフトタイマ用の軸受又はソレノイド弁などの弁駆動部の精密な部分が鋳型砂の残渣によって損傷を受けるリスクをもたらし得る、中心軸に対して水平である全ダクトのシリンダジャケット用の複雑な鋳型を提供する必要はない。さらに、オイルダクトが平行である場合に効果的に加熱されることができ、これは、オイルがより冷温の下端部からより高温の上端部領域に流れ、温度勾配を通過するので、強力に加熱されることが可能であるためである。ウォータジャケット冷却系に関してオイルダクトの片側を断熱することによって、本提案の手段の効果が有意に増大する。
さらなる有利な実施形態によると、トランスミッションオイル用熱リザーバが含まれてもよく、これは好ましくは相変化材料を備えるチャンバを有し、トランスミッションオイルを冷媒で加熱するために、1つのユニットとして冷媒熱交換器と構造的に一体化される。
熱交換器は大きい設置空間を必要とし、冷間始動段階においてタンクに貯留された高温の流体が戻った流体と混合され、高温のオイルは冷温の潤滑オイルに置換されるので、熱リザーバ内の全体的な温度が低下する。このため、例えばDE87108302Aに記載されているように、エンジンオイルの移動を制御するために多くの熱リザーバにおいて複合的なオイルダクトが提供される。
既に大きい容積と適切な優れた断熱材とを有する熱リザーバ内の少なくとも2つの流体用に熱交換器を組み込むことは有利である。排気ガス及び/又は冷媒は特に熱放出流体として考えられる一方で、エンジンオイル及び/又はトランスミッションオイルは熱吸収流体であると考えられ得る。好ましくは、排気ガス・エンジンオイル熱交換器及び冷媒・トランスミッションオイル熱交換器、並びに、例えば冷媒・トランスミッションオイル・エンジンオイル熱交換器又は排気ガス・エンジンオイル・トランスミッションオイル熱交換器などのこれらの組合せが考慮され得る。少なくとも2つの流体は相変化材料を備えたチャンバによって有利に連結される。相変化材料は好ましい連結温度を設定し、高温又は冷温を保持する補助になる。相変化材料は熱放出流体から熱を吸収することによって融解し、熱放出流体は冷却される。温度が低下するとき、相変化材料は熱吸収流体に熱を放出することで再び凍結されるので、熱吸収流体は加熱される。結果として、熱エネルギーが保持され、熱伝達が遅延され、及び好ましい熱伝達温度になる。
熱リザーバを備えるトランスミッション潤滑システムをもとにして、本発明のさらなる有利な実施形態において、構造的に熱リザーバと一体化された冷媒熱交換器がプレート型熱交換器として設計されることが可能であり、外側の2つの第1プレートのそれぞれは冷媒を備え、トランスミッションオイルが内側方向のそれぞれ次の第2プレート同士の間を通過し、相変化材料が内側方向のそれぞれ次の第3プレート同士の間に配置され、エンジンオイルは内側へのそれぞれ次の第4プレート同士の間を通過し、さらに好ましくは内側へのそれぞれ次の第5プレート同士の間に相変化材料が配置され、追加的にトランスミッションオイルが内側方向のそれぞれ次の第6プレートの間を通過し、さらに、冷媒が内側方向のそれぞれ次の第7プレートの間を通過し、上述されるようなさらなる層のシーケンスが必要な限り継続されるということが可能である。代替的に、冷媒熱交換器は、例えば管内に冷媒を備え、その同心円をなす外側の中空シリンダにトランスミッションオイルを備え、さらなる同心円状の中空シリンダに相変化材料を備え、さらなる同心円状の中空シリンダにエンジンオイルを備える管型熱交換器として設計されることができる。必要であれば、管型熱交換器の同心円構造は繰り返されるか、又は管型熱交換器は曲がった経路をとることもできる。
エンジンオイル、トランスミッションオイル、冷媒、相変化材料など種々の流体が異なる層に保持される単純なプレート型熱交換技術を用いることで、最高温の流体は相変化材料と隣接し、相変化材料は同様にトランスミッションオイルと隣接し、トランスミッションオイルは同様に冷媒流体と隣接し、これらのすべての流体の流動は、エンジンオイルの温度が予め規定されたエンジンオイル制限値より低くなるときにトランスミッションオイルが流動を止め、そして冷媒の温度が予め規定された制限値を下まわるときに冷媒流体が流動を止めるようにして制御され、排気ガス排出及び燃料消費の低減と共に、種々の潤滑オイルの加温を向上することができる。
熱リザーバを備えるトランスミッション潤滑システムをもとにして、さらなる有利な実施形態において、1つ以上の弁、特に冷媒弁及び/又はトランスミッションオイル弁が、熱交換器の種々のダクトを通過する流体の流動を制御するために提供され、冷媒の温度が冷媒の第1限界温度、特に90℃より低くなるとき及びトランスミッションオイルの温度が冷媒の温度よりも高いときに冷媒の供給が遮断され、エンジンオイルの温度がエンジンオイルの第1限界温度より低くなるとき、特に120℃より低くなるときに、トランスミッションオイルの供給が遮断されることが可能である。
熱リザーバを備えるトランスミッション潤滑システムをもとにして、さらなる有利な実施形態において、熱リザーバへのトランスミッションオイルの供給は、エンジンオイルの温度が熱交換器・エンジンオイルの第2限界温度に達すると、特に120℃を超えると直ちに開始されることが可能である。さらに、熱リザーバへのトランスミッションオイルの供給は、エンジンオイルの温度が熱交換器・エンジンオイルの第3下限温度に達すると、特に90℃より低くなると直ちに停止されてもよい。さらに、一体化された熱リザーバへの冷却水の供給は、トランスミッションオイルの温度が冷媒の温度より低くなると直ちに好ましくは開始され、一体化された熱リザーバへの冷却水の供給は、トランスミッションオイルの温度が冷媒の温度より高くなると直ちに停止されてもよい。
排気ガス・オイル熱交換器は、漏出及び火災のリスクと共に、高温及び高圧に対応する必要があるため、比較的高価で複雑なものである。排気ガスによる侵食と汚染を防止するための高価な手段がとられる必要があり、また凍結し得る水の蓄積が防止される必要がある。単一の構造ユニットにおけるエンジンオイル及びトランスミッションオイル用の排気ガス・オイル熱交換器の一体的設計によって、排気ガスバイパスラインが排気ガスバイパス弁と共に配置され、エンジンオイルの温度又はトランスミッションオイルの温度が最大に達するときに排気ガス・オイル熱交換器を通過する排気ガス路が切り替えられ、特に冷間始動段階時、高圧力下において加熱が最適に制御されることができる。この方法により、潤滑の向上もまた得られる。
本発明の有利な実施形態によると、エンジンオイル及びトランスミッションオイル用の排気ガス・オイル熱交換器は1つの部品として設計されることが可能である。熱交換器が対向流の原理で作動すること、特にエンジンオイル及びトランスミッションオイルが対向流で熱交換器を通過すること、好ましくはトランスミッションオイル・排気ガス熱交換器の領域が、エンジンオイル・排気ガス熱交換器の領域から排気ガス側で下流側に配置されることはさらに有利である。排気ガス・オイル熱交換器は、排気ガス側に排気ガスバイパスラインと少なくとも1つの排気ガスバイパス弁を備え、エンジンオイル・排気ガス熱交換器の領域を通過する排気ガスの流れは、予め規定されることが可能である第1の熱交換器・エンジンオイルの限界温度を、特に120℃を超えるときに遮断されてもよい。トランスミッションオイル・排気ガス熱交換器の領域を通過する排気ガスの流れは、第1の熱交換器・トランスミッションオイルの限界温度を、特に90℃を超えるときに遮断されてもよい。
トランスミッション及びエンジンオイル熱交換器を、切り替え可能な排気ガスバイパスを有する1つの筐体を備える1つのユニットに一体化することによって、オイルの加熱・冷却は、排気ガスの流れを作用させることで制御されてもよい。つまり排気ガスの流れは、エンジンオイル又はトランスミッションオイルが限界温度に達したときにバイパスラインを通過してもよい。
従来の冷媒では、燃焼チャンバ内における最高温度で冷媒が沸騰し始めるリスクの存在という不利な点があることから、燃焼チャンバ壁の温度は、個別の部品が熱的に過負荷になること回避し、エンジンを局所的に過熱又は損傷することを防ぐために、制限される必要がある。
本発明のさらなる有利な実施形態によると、冷媒回路の冷媒は、0℃より高い融解温度及び少なくとも120℃の沸騰温度を有し、特に固体から液体への相変化時に、密度が温度上昇と共に上がる相変化材料を含んでもよい。この相変化材料を含む冷媒回路は、その他の部品への接続ラインを有しないような方法で冷却されるために燃焼機関と一体化されてもよい。相変化材料を備える第1の冷媒回路は第2の冷媒回路に包囲されて冷却されてもよく、第2の冷媒回路は、少なくとも−30℃より低い融解温度を有する冷媒で充填され、燃焼機関の外側に配置された部品、特に冷却器を有してもよい。
相変化材料は水より高い沸騰温度を有することができるので、冷却系におけるそのような材料の使用により燃焼チャンバにおけるより高いピーク温度が可能になる。しかしながら、相変化材料は所定の低い熱容量及び貧弱な熱伝導性、またはその両方を有するので、冷媒回路には大きい冷却器、ポンプ及び接続ラインが必要とされる。さらに、高圧下の固体状態では、廃熱が冷却器に伝達されないので、−40℃〜0℃の周囲温度で固体になる相変化材料を使用することはできない。このため、特に例えば冷却器などの燃焼機関の外側に配置される冷却系の部品内において達成が困難である、相変化材料の融解がまず必要とされる。この理由から、40℃〜120℃の融解温度を有する相変化材料が内部冷却回路内のみで使用されることが前述の実施形態において提案され、冷間始動段階で相変化材料がその融解点に顕著に早く達して液体になり、冷間始動段階時に既に熱を運び去ることが可能である。内部冷却回路は熱交換器によって外部冷却回路と接続され、例えば−30℃より下の融解温度を有する従来の冷媒は、外部冷却回路に使用されてもよい。こうして内部の温度上昇による有利性が得られるが、断熱を向上した潤滑システムにおける安定的で効果的な冷却も用いられる。
加熱を改善するための個別の冷却回路を備える冷却系において、冷媒はシリンダヘッド及びシリンダブロックを個別に通過し、これは例えばJSAE Review23(2002年)pp.507-511より既知である。温間駆動段階時に、例えばシリンダブロック又はエンジンブロックを通過する冷媒回路は遮断されてもよく、冷媒は、より高温で、シリンダブロックと平行してシリンダヘッドを貫流し、そこから水冷却器に到達する。しかしこれも、冷間始動段階時にシリンダブロック内の冷媒が移動せず、特に冷間始動時のエンジン負荷が高いときに、局所的な過熱が起こり得るという不利な点を有しない。さらに、冷媒がシリンダヘッドを介したシリンダブロックへの混合された流動と共に上部から下方向に、つまり下部から上方向に作用する対流の方向、即ち熱流とは対向して流動することにおいて、冷媒は対流の結果として不利な方法で移動し、エンジンポンプでの流動抵抗を増加させ、水ポンプによるさらなる機械的圧力及びさらなる電気的消費がもたらされる。
有利な実施形態では、燃焼機関の冷却回路のシリンダヘッド冷媒ダクト及びシリンダブロック冷媒ダクトは、冷媒の加熱を促進するために個別に設計されるとよい。ここで、冷媒の第1の限界温度より低い、特に90℃より低い暖機段階時に、冷媒はまずシリンダヘッドを貫流して加熱され、そこからシリンダ・エンジンブロックを貫流し、壁の加熱損失を低減するために高温の冷媒はシリンダ壁を加熱し、そこから冷媒ポンプへと通過する。冷媒の第1の限界温度に達するとき、シリンダヘッドにおける第1の冷媒流動方向のサーモスタットが開放され、少なくとも冷媒流動の一部が冷却器を通過してもよい。冷媒の第2の限界温度に達する、特に100℃を超えるとき、シリンダヘッドにおける第2の冷媒流動方向のサーモスタット、特にシリンダ・エンジンブロックの前の排出口では3方サーモスタットが、冷媒ポンプの取込口への接続を閉じ、冷媒ポンプの排出口への接続をおこなうので、シリンダ・エンジンブロック内の冷媒はシリンダヘッド内の冷媒と対向する方向に流動し、混合された冷媒の流動がシリンダヘッド及びシリンダ・エンジンブロックから冷却器を通過する。
従って、提示の実施形態では、冷媒はシリンダヘッドをまず経由し、シリンダヘッドの端部でエンジンブロック内に戻るので、シリンダブロックもシリンダヘッドにおいて既に加熱された冷媒によって加温され、故に燃焼過程において改善がおこなわれる。これは、シリンダヘッドは通常、顕著により迅速に加温され、シリンダブロックよりも高温であり、また部分的にはシリンダヘッドで冷却をするウォータジャケットはあまり空間をとらず、高温の排気ガスもシリンダヘッドを経由するためであり、また、そこで廃熱の大部分が生成される。
さらなるステップにおいて、冷媒はより迅速に加熱され得る。冷媒が十分に高温であるとき、冷媒が水冷却器を貫流するように、冷媒サーモスタットは冷媒の流動方向を変更することができ、エンジンブロックが十分に高温であるとき、水冷却器が冷却を最大におこなうように、冷媒はエンジンブロック及びシリンダヘッドと並行に貫流することができる。この方法で、適切な冷却及び迅速な加熱、又はエンジンブロックのさらなる加熱がおこなわれるので、潤滑オイルがより速く過熱される。
潤滑システムのさらなる実施形態において、燃焼機関のピストンが少なくとも1つのピストンスカートの内側で断熱材によって断熱され、断熱材の熱伝導率はピストンスカートの熱伝導率の5%以下、好ましくは1W/(m・K)より低く、また好ましくはピストンヘッドの内側は断熱されないことが提案される。潤滑される揺動部品の断熱材はこのように提示され、冷間始動段階時に冷温のシリンダ側壁に面するピストンスカートは断熱されるが、迅速に加熱されるピストンヘッドは断熱されない。こうして、さらなる熱量がオイルに提供され、冷温のシリンダブロックに関して冷却を防止する断熱材が得られる。迅速に加熱する為にこのように断熱されたピストンは、大量のオイルがピストンヘッドと接触するピストン噴射冷却で特に有利である。
所望の温度範囲において一時的にオイルを貯留するために熱リザーバが提供される場合、排気ガス熱交換器は加熱及び冷却のために有利に提供され、少なくとも3つの空間又は3つのダクト又は3つのチャンバを備えて設計されてもよく、これらは熱交換器と構造的に一体化されることが可能である。排気ガス熱交換器は少なくとも排気ガスの第1部分が流動可能な第1空間を含み、第1空間は第1分離壁で境界を形成するか又は第1分離壁で包囲され、貫流する排気ガス量と接触しない第1分離壁の少なくとも1つの側において相変化材料が第2空間内に配置されることが可能であり、第2空間は第2分離壁で境界を形成するか又は第2分離壁で包囲され、相変化材料と接触しない第2分離壁の少なくとも1つの側において潤滑オイルが第3空間内を貫流する。順序が対向する第1、第2、及び第3空間又はダクトの配置順序(即ち、例えば、第1空間、第2空間、第3空間、第2空間、第1空間、第2空間、第3空間などの順序)は、少なくとも1度、特に1度以上繰り返されてもよい。相変化材料は、エリスリトール、トレイトール若しくはパラフィンなどの糖アルコール、又は塩化マグネシウム六水和物若しくは硝酸マグネシウム六水和物などの水和物、硝酸、水酸化物、若しくは塩化物の塩を含み得り、該相変化材料の融解における潜熱は、50℃であるオイルの第1下限温度と90℃である第1上限温度との温度差に基づいて熱リザーバが貯留できる熱よりも大きい。有利には、相変化材料の融解温度はオイルの第1上限温度よりも低くてもよく、好ましくは、相変化材料の融解温度が100℃よりも高いという条件では、相変化材料は約120℃の融解温度を有するエリスリトールであるので、冷間始動時に最高可能温度が熱リザーバ内に存在する。相変化材料を介してオイルと排気ガスとを非直接的に連結することを伴う、熱リザーバに一体化されたこの型の3つのチャンバの熱交換器によって、相変化材料は熱緩衝材として作用することから、非常に高温である排気ガスからオイルへの直接的な熱伝達が回避される。こうして、クッション層としての相変化材料(PCM)によってオイルの局所的な過熱が回避される。さらに、断熱性及び密封性が向上されるので、オイルと排気ガスとの直接的な接触が阻止される。例えば塩化マグネシウム六水和物(MgClx6HO)であるPCM材料は不燃性であるので、火災のリスクを低減する。排気ガス熱交換器は単純にプレート型熱交換器として設計され、熱リザーバに一体化されることが可能である。熱リザーバの断熱材は熱交換器を断熱するので、熱交換器自体の壁を加熱するための排気ガスを必要とすることなく、冷間始動時の効果的な熱伝達を迅速に確実化することができる。
前述の熱交換器は、好ましくは少なくとも3つの管が互いに内に挿入された管型熱交換器として設計されてもよい。つまり、管は2重壁構造を備え、相変化材料は内側管と外側管との間の中間領域に配置されることが可能である。このため、分離すること、コンパクトな構造及び簡単に製造されることが容易に可能である。漏出が起こる場合、漏出はPCMチャンバを超えて侵入しないので、液体が熱リザーバ内に漏れないことが確実であろう。
一体化された排気ガス・オイル熱交換器を備える熱リザーバによる前述の実施形態の有利な展開では、熱リザーバに一体化された排気ガス熱交換器における少なくとも1つの排気ガス接続ラインは、セラミックラインによって熱リザーバから断熱されてもよい。これはさらに断熱効果を向上し、熱損失を低減する。
有利な展開においては、シリンダヘッド及び/又はターボチャージャのオイル供給ラインは、熱源前の下流部でシリンダブロック・オイルギャラリに接続される。さらに冷媒熱交換器は、冷媒回路の冷媒が流動可能なシリンダヘッド及び/又はターボチャージャのオイル供給ライン内に配置されてもよい。シリンダヘッド及びターボチャージャオイル供給ラインが熱源前の下流部に経路をとることによって、オイルは熱源で加熱される前の最低可能温度を有するので、シリンダヘッド及びターボチャージャ内のオイル温度は低く維持され得る。結果的に、特に弁駆動部において低速度の場合に混合摩擦が回避されるので、弁駆動部における摩擦がシリンダヘッドにおいて低減される。ターボチャージャの吸入側におけるオイル漏出のリスクは低減されるので、特に直接注入を伴うガソリンエンジンにおいて、オイル粒子よるグロー着火の傾向が抑えられる。
さらなる有利な実施形態では、オイルポンプの容積流量は調整されてもよく、熱リザーバのオイル排出温度が高くて90℃の予め決定可能なオイル排出限界温度より低くなると、そして熱リザーバのオイル取込温度が少なくとも90℃の予め決定可能なオイル取込限界温度を超えると直ちに、熱リザーバ内のポンプで注入される容積流量を増大させるためにオイルポンプの搬送量が増大される。上述において言及されたようなオイル回路のオイル温度が比較的高い場合に、高温のオイルは低温のオイルを短絡回路のように貫流するので、流入する高温のオイルによって移動する低温のオイルはほとんどないということが理解される。このため、高温のオイルの場合に、特に高温段階に、高温のオイルの流動速度をより速くする、つまり乱流を得るためにポンプの搬送量を増大させることでオイル流動速度を上げ、層流する低温のオイルがより円滑に移動することは有利である。
さらなる有利性は以下の図面の説明により提示される。本発明の例示的実施形態は図面に示される。図面、詳細な説明及び特許請求の範囲は組合せでの多くの特性を含む。また、当業者は個別に該特性を考慮し、さらなる有用な組合せを作り出すであろう。
図1は、本発明に記載の潤滑システムの第1の例示的実施形態を示す。 図2は、本発明に記載の潤滑システムの第2の例示的実施形態を示す。 図3は、本発明に記載の潤滑システムのための熱リザーバの例示的実施形態を示す。 図4は、本発明に記載の潤滑システムのさらなる例示的実施形態を示す。 図5は、本発明に記載の潤滑システムための、燃焼機関のシリンダへッドを経由するオイル潤滑ラインの例示的実施形態を示す。 図6は、本発明に記載の潤滑システムのさらなる例示的実施形態を示す。 図7は、本発明に記載の潤滑システムにおいて使用するための、冷媒回路の例示的実施形態を示す。 図8は、本発明に記載の潤滑システムにおいて使用するための、部分的に断熱された燃焼機関のピストンの例示的実施形態を示す。 図9は、本発明に記載の潤滑システムのさらなる例示的実施形態を示す。
同一であるか、同様のタイプの部品は図面内で同じ参照番号が使用されている。
図1は、機能的構造環境11のための、特に、例えばオイルギャラリ、クランクシャフト、軸受、又は金属周囲部及び筐体を備えるトランスミッション部品などの金属構造環境63などの潤滑箇所のための、本発明による潤滑システムの第1の例示的実施形態100を示す。この種の潤滑システムは、燃焼機関、電気車両、又はハイブリッド車両に例えば使用されることが可能である。クランクケースは、一例として、クランクシャフト、軸受シェル、接続ロッド及び筐体が、所定の熱伝導率により低い周囲温度でオイルから熱を引き出す金属環境を形成するものとして考慮され得る。これらの領域、特に外気と接触する領域の内部断熱材はオイルの加熱を促進することが可能である。
図1において、潤滑オイルは、オイルシーブ2及び電気的に作動されるポンプ4を介して潤滑オイルが抽出されるオイルリザーバ1に貯留される。過剰な圧力を回避するために、過圧力弁5がポンプ排出口の後に配置され、オイル潤滑回路内に過剰な圧力がかかる場合にオイルがポンプ4を介してオイルリザーバ1に戻されることを可能にする。オイルは、他のオイルフィルタ6、及びこの場合では熱エネルギー用の供給ライン8及びエネルギー流残渣の排出ライン9を含む排気ガス・オイル熱交換器である熱源7を通過する。これらのラインは、例えば燃焼機関の触媒コンバータと排気部との間の供給管及び排出管であってもよい。また代替的に、熱源7はオイル潤滑システムと冷媒回路との間の熱交換器であってもよく、そこで潤滑オイルは冷間始動段階時に強力に加熱されることが可能である。熱源7に続いて、少なくとも1つの潤滑箇所11を備える接続ライン又はギャラリライン10が接続され、潤滑オイルで潤滑される領域を提供し、オイルギャラリ10のオイルを搬送する内側部分12がその中に経路をとる内部熱断熱材13を含む。断熱材は内側に向かって配置され、断面を減少させるので内径dは外径Dよりも著しく小さく、容積に対する表面積の比率が改善され、金属環境又は構造環境11、63への熱エネルギー損失が低減される。さらに、潤滑オイルと接触する内部筐体壁、揺動部品、又はその他の金属領域には断熱層が提供される。熱源7によって加熱されたオイルが潤滑される位置へと断熱環境を通過した後、オイルはオイルリザーバ1に戻され、回路を介する他の通路に利用される。熱源7の後のオイルギャラリ10、潤滑箇所11及び構造環境63の断熱材によって、シリンダへッド又はシリンダブロックなどの金属環境への熱エネルギー損失は顕著に低減されるので、冷間始動段階における暖機、低粘性、及び摩擦の低減が得られ、結果として燃料消費が低減され、燃焼機関からの排気ガス排出が削減される。トランスミッションの場合には、構造環境11、63はオイルリザーバ及びトランスミッション筐体を備えるトランスミッションパンであってよく、これによりパワートランスミッションが円滑に作動される。さらに、オイルリザーバ1は断熱されてもよく、潤滑される回転部品又は揺動部品などのさらなる部品、及びその周囲の筐体が断熱されてもよい。有利には、オイルポンプ4の後の領域の大部分が、特に圧力下にあるオイル回路の部分及び熱が熱源から供給される領域が断熱される。
図1に示される例示的実施形態に基づいて、図2は、図1の潤滑システム100の構造を土台にした本発明による潤滑システムの展開を示し、比較において使用される。図1に示された構成に加えて、断熱された熱交換器14は、オイルリザーバ1とオイルポンプ4との間のオイル吸入管3に配置され、オイル吸入管3に併行して接続され、オイル吸入管3の3/2方切り替え弁15を介して接続されることが可能である。断熱された熱リザーバ14において、オイルは、熱を保持し、それと関連して粘性を低下させるために加熱された状態で一時的に貯留されることができるので、例えば潤滑箇所11、及び筐体、部品などの金属環境63である断熱された構造環境において加熱が向上されることが可能である。例えば冷間始動時に、余熱と、そのため周囲環境に適応するオイルリザーバ1のオイルより低い粘性とを有するオイルは、熱リザーバ14から取得されることが可能である。この種の熱リザーバ14は、例えば真空断熱のなどの高性能断熱材を伴って設計され、オイルが流出するときに流入する外部の冷温オイルと混合され、熱リザーバ14のオイルの混合温度は低下する。
例として図2に示されるように外部リザーバをさらに向上するために、図3に示されるような高断熱熱リザーバ14が使用され、円筒状に設計された熱リザーバ14を2つの大きな可動式チャンバ16aと16bとに分割するフリーピストン19を含んでもよい。冷温のオイルは、例えばチャンバ16bに流入し、高温のオイルはチャンバ16a内に貯留されてもよい。高温のオイル16aが引き出されるとき、断熱されたフリーピストンは左に移動し、冷温のオイルがチャンバ16bに流入して、熱リザーバ14内の圧力比は一定に維持されることができる。4/3方弁20によって異なる作動モードが断熱オイルリザーバ14に設定されることが可能である。つまり引き出し位置が左位置に設定され、2つのチャンバの接続が中心位置に設定され、右にチャンバ16aが熱源7からのオイルで充填される負荷位置が設定され、チャンバ16bからのオイルがオイルリザーバ1に放出され戻されることができる。2つのチャンバは、圧力過剰を防ぐために予め張力がかかった逆止弁22、23に接続されるので、1方のチャネルの圧力過剰は他方のチャンバで軽減される。断熱材17は、例えば真空断熱材として非常に精巧に適用されるので、25度の周囲温度における例えば100℃〜80℃の温度損失には6時間を超える時間がかかる。このため、少なくとも車両が24時間未満の短時間放置される場合には、十分な量の高温の潤滑オイルが冷間始動段階においても最適な潤滑が可能になるように利用可能であることを確実にする。
図4は、図1に示された潤滑システム100の構造と原理的に対応する燃焼機関用の潤滑システムのさらなる例示的実施形態100を示す。図1の実施形態に加えて、さらなる熱交換器24が、オイルフィルタ6と排気ガス熱交換器60として設計された熱源7との間に、2/2方弁25を介して冷媒回路61に切り替え可能に接続される冷媒熱交換器として設けられる。熱は、冷媒回路61か又は排気ガス熱回路を介して熱源7に入力されることが可能である。混合気は吸入ライン26を介してエンジンブロック36のシリンダヘッド27に入り、その後廃ガス触媒コンバータ28を介して排気ライン55へと経路をとる。3/2方排気ガスバイパス弁29が排気ライン55に配置され、これにより排気ガスの流れが排気ガス/エンジンオイル熱交換器7、60か、又は特にオイルの最低温度に達するときに排気ガスバイパスライン30を介して直接的に排気管31を通過する。この方法で、2つの切り替え弁、つまりオイル回路においてオイルリザーバ1から下流の方向に配置される冷媒弁と、オイルギャラリ10及び部品63及び潤滑される潤滑箇所11の方向で上流側に配置される排気ガス熱交換器7、60とを介して、熱はエンジンオイルに供給されることが可能であることから、加熱され、故に高流動性のオイルは、オイルがオイルリザーバ1に戻る前に潤滑を必要とする部分に、高断熱されたオイルギャラリを介して構造環境11、63へと搬送される。
図5aは、エンジンブロック36並びにクランクシャフト67、接続ロッド64及びピストン66を備えるシリンダなどの部品、並びにシリンダブロック及び内部及び外部弁を備えるシリンダヘッド27を有する燃焼機関41を概略的に示す。エンジンブロック36はシリンダの中心軸58を有し、シリンダヘッド27はシリンダヘッドフランジ35及び燃焼チャンバ34を含む一方で、エンジンブロックはシリンダボア38を含み、シリンダボア38では接続ロッド64がクランクシャフト67をピストン66に接続する。シリンダジャケットは、例えば図5bの冷媒ダクト37に示されるように、冷媒用にダクト37を備えるウォータジャケット冷却系65を有する。
図5b及び図5cでは、潤滑システムのオイルの経路ライン32の2つの例示的実施形態のみが示されており、これは燃焼チャンバ34の上部領域を、外部及び内部シリンダ壁62とウォータジャケット冷却系65の冷媒ダクト37との間で、シリンダストローク33の半分の位置において延びている。燃焼チャンバ34は、シリンダにおける半シリンダストロークの上部領域に配置され、最も迅速に加熱される燃焼機関41の部品に相当し、潤滑オイルが特に効果的に加熱されることを可能にし、また、特に冷間始動段階時に潤滑の向上のための熱源7としての役割を担う。ここで、図5bは、シリンダ壁の熱を吸収し、燃焼チャンバ34を冷媒ダクト37から断熱することが可能である非断熱オイルライン32を示す。図5cは、片側で断熱されたオイルライン32、56を示すさらなる実施形態を提示し、オイルの経路ラインは、冷媒ダクト37に関して片側で断熱されるので、より迅速に加熱され、冷媒ダクト37からのシリンダ壁62の優れた断熱を提供することができ、一方でシリンダ壁62の内部の熱はオイルに伝達されることが可能である。
図1の実施形態に基づいて、図6は、図1に提示される部品に加えて、熱源7の後のオイル潤滑ラインの加圧領域における高断熱熱リザーバ14を含み、オイルギャラリ12を備えた断熱構造環境11、63の前に配置されるさらなる潤滑システム100を示す。加熱オイルは、熱リザーバ14に3/2方弁15を介して切り替え可能に取り込むことができ、例えば冷間始動段階において、必要であれば再び放出されることが可能である。図2に示される実施形態とは異なり、熱リザーバ14がオイル潤滑システム100の加圧領域に配置されるので、特に多くても1日又は2日の短期間のみ停止した後に始動するときに、熱源7によって最初に必ずしも加熱される必要のない高流動及び高温のオイルが潤滑に利用可能である。図2に示される熱リザーバ14とは対照的に、図6に示される熱リザーバ14は高圧用に設計され、異なって設計されることが可能である。
図7は、冷媒がシリンダヘッド27及びエンジンブロック・シリンダブロック36を介して2つの冷媒ダクト37に沿って燃焼機関41を通過することのできる冷媒回路61を示す。冷媒回路の熱は、冷却器45を介して第2の冷媒回路57又は空気の流動に伝えられる。冷媒ポンプ39は冷媒を冷媒回路57内に循環させ、2つの切り替え弁、即ち冷媒流動方向の2/2方サーモスタット44及び冷媒流動方向の3/2方サーモスタット40は、シリンダヘッド27及びエンジンブロック36を介した冷媒流動の方向と種類とを決定する。
図7aは、例えば冷間始動段階において、冷媒は冷媒ポンプ39を介して、まずシリンダヘッド27を貫流し、冷媒流動方向のサーモスタット44が閉じられるときにエンジンブロック36を貫流して戻るので、外部冷却がおこらない閉回路が形成され、冷媒はシリンダヘッド27及びエンジンブロック36の冷媒ダクト37を反平行に貫流する。
図7bは、まず、冷媒がシリンダヘッド27を貫流し、その後エンジンブロック36を通過して冷媒ポンプ39へと、また部分的に水冷却器45を通過して、反平行に分岐して戻るので、シリンダヘッド27は十分に冷却される一方で、エンジンブロック36はあまり冷却されないという、部分的な負荷領域のための第2の切り替えの可能性を示す。
図7cは、全負荷で作動させるための第3の切り替えの変形を示し、第1の冷媒方向のサーモスタット44が開放され、第2の冷媒方向のサーモスタット40も開放されるので、冷媒はシリンダヘッド27とエンジンブロック36とを平行に貫流でき、冷却容量を最大に利用可能である。図7a、図7b、及び図7cの切り替えの変形に示される3つの構成は、燃焼機関の様々な負荷段階又は冷間及び熱間始動段階時に作動されることができ、図7aは冷温間段階時に迅速に加熱するために使用され得る。図7bは、中間的作動段階における低冷却効果を示し、一方で図7cは、最大の冷却効果を有する冷却回路を示すことから、潤滑システムのオイルはあらゆる負荷状態において迅速に加熱され、低粘性及び最適な潤滑効果を得ることができる。
さらに、図8は、ピストンスカート102を内部シリンダ壁62から断熱するピストンスカート102の内側の環状断熱材13を含む、燃焼機関41のピストン66を示す。断熱材13の熱伝導率は、ピストンスカート102の熱伝導率の5%以下である。ピストンスカート102とは対照的に、ピストンヘッド103の内側は断熱されていない。結果的に、ピストンヘッドは冷間始動段階時に素早く加熱されることが可能であり、ピストン噴射冷却が使用される場合に、例えばピストンの下面に噴射されるオイルは著しく素早く加熱されることができる。
図9は、図1の実施形態に大部分が対応する、さらなる例示的実施形態の潤滑システム100を示す。燃焼機関の構造環境の潤滑箇所11は、オイルギャラリ10を介して潤滑オイルが供給される、オイルを搬送する内側部分12を備えたオイルギャラリ10を含む。オイル供給ライン104はオイルギャラリ10から分岐し、シリンダヘッド27を潤滑する。ターボチャージャも潤滑することができる、シリンダヘッド27のオイル供給ライン104は、熱源7としての排気ガス熱交換器6の下流で、シリンダブロックオイルギャラリ10に接続される。冷媒熱交換器24は、シリンダヘッド27のオイル供給ライン104に配置される。冷媒熱交換器24は、必要とされるような潤滑オイルの冷却又は加熱をすることが可能な冷媒回路61の供給部及び戻り部61a、61bに接続される。冷媒調整弁25は冷媒熱交換器24における熱交換を調整する目的のために設けられる。
断熱オイルラインは、オイルポンプの後、つまり加圧ライン領域に配置されるオイル供給領域に配置されるということが言及される必要がある。該ラインは、少なくとも所定の領域では、ラインの内径より大きいので、容積に対する表面積の比率が改善されることが可能である。断熱材は、好ましくはプラスチック又はセラミックからなり、壁の内側又は外側に配置されることが可能である。接続ラインの断熱領域の熱伝導率は、周囲の金属構造又はオイルギャラリの熱伝導率の5%以下であり、特に鋼又は鋳鉄は約50W/(m・K)の熱伝導率を有するので、断熱領域は2.5W/(m・K)、好ましくは1W/(m・K)以下の熱伝導率を有する必要がある。
断熱されるさらなる領域は、供給ライン及び潤滑箇所に加えて、特にトランスミッション筐体、又は燃焼機関におけるクランクケース、オイルパン、及びオイルギャラリを含む。クランクシャフト、クランクシャフト軸受、クランクケース、カムシャフト、軸受、歯車軸、及び歯車は、特に回転部品又は揺動部品の断熱を考慮する必要がある。好ましくは、断熱される領域は、その機能が使用されるとき、通常はオイルで湿潤されている領域である。外気がクランクケース内に入り込まない場合が有利であるので、冷外気に対して閉じられ、多くてもブローバイガスが生じるものの、加熱の増大又は促進を可能にするために外気はクランクケースを貫通しない。
エンジンオイル及びトランスミッションオイル、並びに/又はエンジンオイル及びトランスミッションオイル用の2つの熱リザーバのための2つの熱交換器の組合せによって、1つのユニットで高品質の断熱が得られ、漏出又侵食について高品質の部品を得ることができる一方で、重要である断熱空間が削減される。相変化材料が冷却回路に使用される場合には第2の包囲冷却回路を設けることも可能であり、第1の冷却回路はより高温で作動され、第2の冷却回路は内部冷却回路の冷却を目的とし、相変化材料の凍結又は固体状態が防止されるので、外部が著しく低温であっても作動特性を得ることができる。
1:オイルリザーバ
2:オイルシーブ
3:オイル吸入管
4:オイルポンプ
5:過圧力弁
6:オイルフィルタ
7:熱源
8:エネルギー流供給
9:エネルギー流残渣の排出
10:オイルギャラリライン
11:構造環境としての潤滑箇所
12:オイルギャラリにおけるオイルを搬送する内側部分
13:断熱材
14:熱リザーバ
15:バイパス弁
16:オイルチャンバ
17:熱リザーバ断熱材
18:供給ライン
19:分離型自由浮動ピストン・フリーピストン
20:切り替え弁
21:排出ライン
22:予め張力がかかった逆止弁1
23:予め張力がかかった逆止弁2
24:冷媒熱交換器
25:冷媒弁
26:吸入ライン
27:シリンダへッド
28:触媒コンバータ
29:排気ガスバイパス弁
30:排気ガスバイパスライン
31:排出管
32:非断熱オイルライン
33:半シリンダストローク
34:燃焼チャンバ
35:シリンダヘッドフランジ
36:エンジンブロック
37:冷媒ダクト
38:シリンダボア
39:冷媒ポンプ
40:第2の冷媒流動方向のサーモスタット
41:燃焼機関
42:シリンダヘッド冷媒ダクト
43:エンジンブロック冷媒ダクト
44:第1の冷媒流動方向のサーモスタット
45:冷却器
46:相変化材料
47:エンジンオイル
48:トランスミッションオイル
50:弁カバー
51:空気フィルタ
52:絞り弁
53:エンジン通気弁
54:通気ライン
55:排気ガスライン
56:片側断熱
57:第2冷媒回路、空気流
58:シリンダ中心軸
60:排気ガス熱交換器
61:冷媒回路
62:内部シリンダ壁
63:構造環境としての筐体、金属周囲部
64:接続ロッド
65:ジャケット冷却部
66:ピストン
67:クランクシャフト
68:カムシャフト
100:潤滑システム
102:ピストンスカート
103:ピストンヘッド
104:シリンダヘッドオイル供給ライン

Claims (14)

  1. 回転部品又は揺動部品の潤滑のための潤滑システム(100)であって、
    オイルリザーバ(1)に配置された少なくとも1つのオイル吸入管(3)と、該オイル吸入管(3)に接続されたオイルポンプ(4)と、該オイルポンプ(4)に接続する熱源(7)と、前記熱源の下流側で、潤滑される部品の潤滑箇所(11)に潤滑オイルを分布させるためのオイルギャラリの金属筐体の金属構造環境(63)に構造的に一体化され、潤滑箇所にオイルを送り、その後オイルを前記オイルリザーバ(1)に戻すためのさらなる接続ラインとを備え
    記潤滑システム(100)、前記オイルリザーバ(1)、前記構造環境(11、63)、及び前記熱源(7)は、マニュアル又はオートマチックのトランスミッションに封入され、
    前記熱源(7)は、燃焼機関(41)及び/又は電気バッテリ及び/又はインバータによって供給され、
    前記熱源の下流側で、前記熱源(7)と前記潤滑箇所(11)との間を接続する少なくとも1つの接続ライン(10)は、その内壁に内部断熱材(13)を備え、前記内部断熱材(13)の熱伝導率は、前記接続ライン又は前記構造環境(63)の他の部分の熱伝導率の5%以下であり、前記熱源(7)は、第1のオイル上限温度に達するときにスイッチをオフにされるか又は少なくともその熱出力が低下され、
    前記熱源(7)は、冷媒熱交換器(24)を含み、前記冷媒熱交換器(24)が前記オイルリザーバ(1)に配置されるので、前記トランスミッションオイルはエンジン冷媒によって加熱され、前記冷媒熱交換器(24)は、冷媒側の冷媒弁と共に設けられ、該弁は、冷媒の限界温度より温度が低下するとき、閉じられ、前記冷媒の限界温度を超えるとき、開かれ、
    マニュアルのトランスミッションのオイルポンプの機能は、一対の歯車の変位動作によって提供され、オイル圧ラインは2つの歯車面が互いに係合するように作動する側に配置され、オイル戻りラインは前記2つの歯車面が互いから離れるように作動する側に配置される、潤滑システム。
  2. 前記内部断熱材(13)の熱伝導率は、1W/(m・K)よりも低く、
    前記接続ライン(10)の外周は、前記接続ライン(10)の内周の少なくとも2倍の大きさである、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記潤滑システムの前記筐体は内部断熱材(13)によって断熱され、前記内部断熱材(13)の熱伝導率は、構造環境(11、63)の熱伝導率の5%以下であり、及び/又は前記オイルリザーバ(1)の熱伝導率の5%以下であり、
    又は前記オイルリザーバ(1)は、全体的又は少なくとも部分的に、1W/(m・K)未満の熱伝導率を有する断熱材から製造される、請求項1又は2に記載の潤滑システム。
  4. 前記オイル吸入管(3)と前記オイルポンプ(4)との間か、又は前記オイルポンプ(4)と前記熱源(7)との間か、又は前記熱源(7)と潤滑箇所(11)との間に配置され、0.01W/(m・K)未満の熱伝導率を有する少なくとも5mm厚の熱リザーバ断熱材(17)によって包囲される高断熱の熱リザーバ(14)を備え、
    前記潤滑システム(100)はバイパス弁(15)を含むことから、前記熱リザーバ(14)の外側で少なくとも90℃の第2のオイル上限温度に達するときに前記熱リザーバ(14)はオイルで充填され、潤滑される前記部品の冷間始動時に、前記熱リザーバ(14)の外側の温度が高くとも50℃の予め決定された第1のオイル下限温度を下まわるときに前記熱リザーバ(14)に貯留されたオイルが前記潤滑システム(100)に搬送される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑システム。
  5. 前記熱リザーバ(14)は、円筒状に設計され、前記熱リザーバ(14)を2つのチャンバ(16a、16b)に分割する断熱材料のフリーピストン(19)を含み、前記熱リザーバ(14)が前記第1のチャンバ(16a)において少なくとも90℃の第1のオイル上限温度を超えるオイルで充填されるとき、オイル量は前記第2のチャンバ(16b)から前記潤滑システム(100)に押し戻され、前記オイルが、冷間始動段階において、最大で50℃の第1のオイル下限温度のもと、前記第1のチャンバ(16a)から前記潤滑システム(100)に排出されるとき、前記第2のチャンバ(16b)はオイルで充填されることから、前記オイルリザーバ(1)のオイルレベルは有意ではない程度に影響を受けるのみであり、前記熱リザーバ(14)は、熱源、及びヒートシンクとして必要とされる場合に用いられることが可能である、請求項4に記載の潤滑システム。
  6. 前記熱源が、前記冷媒熱交換器(24)と排気ガス熱交換器(60)との組合せの場合には、前記排気ガス熱交換器(60)は前記冷媒熱交換器(24)の下流側に配置され、冷媒弁(25)が冷媒回路(57)に配置され、該弁は、冷媒の限界温度より温度が低下するとき、閉じられ、前記冷媒の限界温度を超えるとき、開かれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑システム。
  7. 前記熱源(7)は、構造環境(11、63)を備える燃焼機関(41)における排気ライン(55)の接続ラインを含み、
    前記熱源(7)は、燃焼機関のピストン噴射冷却を含み、ピストン噴射ノズルを介して前記燃焼機関(41)のピストン(66)に噴射されるオイルの容積流量は、エンジンの前記潤滑システムのオイル流量の最大容積率であるが、前記オイルポンプによって搬送されるオイル容積流量の少なくとも30%に相当し、
    前記ピストン噴射ノズルを介するオイル流量の容積率は、触媒コンバータの温度が「着火」温度限界値(作動限界温度)を下まわると直ちに低下され、オイル圧が予め規定され
    た限界を下まわると直ちに前記ピストン噴射ノズルの流量の容積率が低下され、
    前記オイルポンプ(4)の容積流量は調整されることが可能であり、前記オイルポンプ(4)の搬送量は、熱リザーバ(14)のオイル排出温度が高くて90℃の予め決定可能なオイル排出限界温度より低くなり、前記熱リザーバ(14)のオイル取込温度が少なくとも90℃の予め決定可能なオイル取込限界温度を超えると直ちに、前記熱リザーバ(14)内のポンプで注入される容積流量を増加させるために増大される、請求項1に記載の潤滑システム。
  8. 前記熱源(7)は、燃焼チャンバ(34)のシリンダボア(38)とシリンダボア(38)の上部領域における冷媒ダクト(37)との間の非断熱のオイルライン(32)の少なくとも一部を含み、前記オイルライン(32)の下端部とシリンダヘッド(27)のガスケットによって密封される前記シリンダボア(38)の上端部との間の距離が、長くてもシリンダストローク(33)の50%であり、
    前記燃焼チャンバ(34)と前記冷媒ダクト(37)との間に配置された前記オイルライン(32)の少なくとも一部は、内側から前記冷媒ダクト(37)側まで片側で断熱され、前記片側の断熱材(56)の熱伝導率は前記構造環境(11、63)の熱伝導率より低い、請求項1に記載の潤滑システム。
  9. トランスミッションオイルのための熱リザーバ(14)を含み、前記熱リザーバ(14)は、相変化材料(46)を備えるチャンバを有し、前記トランスミッションオイルを冷媒で加熱するために、1つのユニットとして冷媒熱交換器(24)と構造的に一体化され、
    前記熱リザーバ(14)と構造的に一体化された前記冷媒熱交換器(24)は、プレート型熱交換器として設計され、2つの外側の第1プレートのそれぞれは冷媒を備え、トランスミッションオイルはそれぞれの次の第2プレートの間を内側へ通過し、相変化材料(46)はそれぞれ次の第3プレートの間に内側に配置され、エンジンオイルはそれぞれ次の第4プレートの間を内側へ通過し、さらなる上記の層のシーケンスが必要な限り継続され、
    前記熱交換器(14)の種々のダクトを通過する流体の流動を制御するために、冷媒弁(25)及び/又はトランスミッションオイル弁が提供され、前記冷媒の温度が冷媒の第1限界温度より低くなるとき及び前記トランスミッションオイルの温度が前記冷媒の温度よりも高いときに前記冷媒の供給が遮断され、前記エンジンオイルの温度がエンジンオイルの第1限界温度より低くなるときに、前記トランスミッションオイルの供給が遮断され、
    前記熱リザーバ(14)への前記トランスミッションオイルの供給は、前記エンジンオイルの温度が熱交換器・エンジンオイルの第2限界温度に達すると直ちに開始され、前記熱リザーバ(14)への前記トランスミッションオイルの供給は、前記エンジンオイルの温度が熱交換器・エンジンオイルの第3下限温度に達すると直ちに停止される、請求項4に記載の潤滑システム。
  10. エンジンオイル及びトランスミッションオイル用の排気ガス熱交換器(60)は1つの部品として設計され、対向流の原理で作動され、トランスミッションオイル・排気ガス熱交換器の領域が、エンジンオイル・排気ガス熱交換器の領域から排気ガス側で下流側に配置され、前記排気ガス・オイル熱交換器は(60)は、排気ガスバイパスライン(30)と少なくとも1つの排気ガスバイパス弁(29)を排気ガス側に備え、前記エンジンオイル・排気ガス熱交換器の領域を通過する排気ガスの流れは、予め規定されることが可能である熱交換器・エンジンオイルの第1限界温度を超えるときに遮断され、前記トランスミッションオイル・排気ガス熱交換器の領域を通過する排気ガスの流れは、予め規定された熱交換器・トランスミッションオイルの第1限界温度を超えるときに遮断される、請求項1に記載の潤滑システム。
  11. 冷媒回路(61)の冷媒は、0℃より高い融解温度及び少なくとも120℃の沸騰温度を有する相変化材料(46)を含み、前記相変化材料(46)について、固体から液体への相変化時に、温度上昇と共に密度が高くなり、前記相変化材料(46)を含む前記冷媒回路(61)は、その他の部品への接続ラインを有しないで冷却するために燃焼機関(41)に一体化され、第1の前記冷媒回路(61)は第2の冷媒回路(57)に包囲されて冷却され、前記第2の冷媒回路は、少なくとも−30℃より低い融解温度を有する冷媒で充填され、前記燃焼機関(41)の外側に配置された部品、又は冷却器(45)を備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の潤滑システム。
  12. 燃焼機関の冷却回路(61)のシリンダヘッド冷媒ダクト(42)及びシリンダブロック冷媒ダクト(43)は、冷媒の加熱をより迅速にするために個別に設計され、冷媒の第1の限界温度より低い暖機段階時に、前記冷媒はまずシリンダヘッド(27)を貫流して加熱され、そしてシリンダ・エンジンブロック(36)を貫流し、高温の前記冷媒は壁の熱損失を低減するためにシリンダ壁を加熱し、そこから冷媒ポンプへと通過し、
    前記シリンダヘッド(27)において前記冷媒の第1の限界温度に達するときに、第2の冷媒流動方向のサーモスタット(44)が開放され、前記冷媒の流動の少なくとも一部が前記冷却器(45)に送達され、冷媒の第2の限界温度に達するとき、前記シリンダヘッド(27)における第2の冷媒流動方向のサーモスタット(40)が、前記冷媒ポンプの取込口への接続を閉じ、前記冷媒ポンプ(39)の排出口への接続をおこなうので、前記シリンダ・エンジンブロック(36)内の前記冷媒は前記シリンダヘッド(27)内の前記冷媒と対向する方向に流動し、混合された前記冷媒の流動が前記シリンダヘッド(27)及び前記シリンダ・エンジンブロック(36)から前記冷却器(45)を介して通過する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の潤滑システム。
  13. 燃焼機関(41)のピストン(66)において、少なくとも1つのピストンスカート(102)の内側が断熱材(13)によって断熱され、前記断熱材の熱伝導率は前記ピストンスカート(102)の熱伝導率の5%以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の潤滑システム。
  14. 排気ガス熱交換器(60)は少なくとも3つのチャンバを備え、前記熱リザーバ(14)と構造的に一体化され、排気ガスの少なくとも第1部分が流動可能である第1空間を含み、前記第1空間第1分離壁で境界が形成されるか又は第1分離壁で包囲され、流動する前記排気ガス量と接触しない前記第1分離壁の少なくとも1つの側において、相変化材料(46)が第2空間内に配置され、前記第2空間は第2分離壁で境界が形成されるか又は第2分離壁で包囲され、前記相変化材料(46)と接触しない前記第2分離壁の少なくとも1つの側において潤滑オイルが第3空間内を貫流し、前記相変化材料(46)の融解温度は前記オイルの第1上限温度よりも低く、冷間始動時に前記熱リザーバ内(14)で最高可能温度を得ることが可能である、請求項4に記載の潤滑システム。
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