JP2004232546A - 内燃機関 - Google Patents

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internal combustion
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low thermal
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Takumi Kataoka
拓実 片岡
Naoya Kato
直也 加藤
Masaki Takeyama
雅樹 武山
Tetsuya Kato
哲也 加藤
Zenichiro Kato
善一郎 加藤
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
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Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】内燃機関の部品の強度や耐久性を低下させることなく、暖機時に内燃機関内に於いて発生される熱を有効に利用して潤滑オイルの昇温を促進させる。
【解決手段】シリンダブロック12のアッパケース20の内面、ロアケース22の内面、オイルパン26の内面がそれぞれ対応する部品を形成する金属材料よりも熱伝導率が低い材料80、82、84にて被覆され、シリンダブロック12内の内部通路60が熱伝導率が低い材料よりなる中空管86、88にて郭定されており、これらの材料が断熱層として機能することにより、内燃機関10の暖機時に燃焼熱により加熱された潤滑オイル28の温度がアッパケース20等への熱伝導により温度低下する度合を低減し、潤滑オイルの昇温を促進する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に係り、更に詳細には自動車等の車輌に搭載されるのに適した内燃機関に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌に搭載されるのに適した内燃機関として、構成部品の一部が樹脂にて形成された内燃機関が既に知られており、例えば下記の特許文献1にはピストンのスカート部が樹脂にて形成された内燃機関が記載されており、下記の特許文献2にはオイルパンが樹脂にて形成された内燃機関が記載されている。これらの構成によれば、内燃機関を軽量化することができる。
【特許文献1】
特開平5−296103号公報
【特許文献2】
実開平5−47395号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、自動車等の車輌に搭載される内燃機関に於いて、実用燃費を向上させるためには、内燃機関の暖機過程に於ける燃費を向上させる必要がある。また内燃機関の潤滑オイルは所定の循環経路に沿って循環されるので、暖機過程に於ける燃費を向上させるためには、暖機時に内燃機関内に於いて発生される熱を有効に利用して潤滑オイルの昇温を促進し、各摺動部の摺動抵抗を低減することが好ましい。
本願発明者は、暖機時に内燃機関内に於いて発生される熱を有効に利用して潤滑オイルの昇温を促進させるべく種々の検討を行った結果、内燃機関の構成材料は熱伝導率が高い金属であり、熱伝導に起因して熱が逸散し易いことに着目し、暖機時に内燃機関内に於いて発生される熱を有効に利用するためには、潤滑オイルの循環経路を断熱することによって熱の逸散を抑制することが非常に有効であることを見出した。
【0004】
しかるに上述の如き従来の内燃機関に於いては、樹脂は金属材料よりも熱伝導率が低いが強度や耐久性が低いので、構成部品全体が金属にて形成されている場合に比して樹脂にて形成された部分の強度や耐久性が低下し易いという問題がある。また上述の如き従来の内燃機関に於いては、内燃機関の軽量化の目的でその構成部品の一部が樹脂にて形成されているため、潤滑オイルの循環経路を効果的に断熱することができない。
【0005】
本発明は、構成部品の一部が樹脂にて形成された従来の内燃機関に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、潤滑オイルの循環経路を断熱することにより、内燃機関の構成部品の強度や耐久性を低下させることなく、暖機時に内燃機関内に於いて発生される熱を有効に利用して潤滑オイルの昇温を促進させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち潤滑オイルの循環経路を郭定する部品を有し、前記部品の前記循環経路を郭定する面の少なくとも一部が前記部品を構成する材料よりも熱伝導率が低い材料にて覆われていることを特徴とする内燃機関によって達成される。
【0007】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記熱伝導率が低い材料は前記循環経路郭定面の少なくとも一部に被覆されているよう構成される(請求項2の構成)。
【0008】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記熱伝導率が低い材料にて形成されたカバーが前記部品の表面の少なくとも一部に取り付けられ、前記カバーにより前記循環経路の少なくとも一部が郭定されているよう構成される(請求項3の構成)。
【0009】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記部品は前記循環経路の一部を郭定する内部通路を含み、前記内部通路の内面は前記熱伝導率が低い材料にて形成され前記内部通路を郭定する孔に固定された中空管により郭定されているよう構成される(請求項4の構成)。
【0010】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記部品はその外面に潤滑オイルが流動する部品であり、潤滑オイルが流動する外面が前記熱伝導率が低い材料にて覆われているよう構成される(請求項5の構成)。
【0011】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記内燃機関は互いに他に対し締結固定された複数個の部品にて形成され、前記複数個の部品のうちの少なくとも二つの部品は前記熱伝導率が低い材料を介して互いに他に対し締結固定されているよう構成される(請求項6の構成)。
【0012】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1の構成によれば、内燃機関は潤滑オイルの循環経路を郭定する部品を有し、部品の循環経路を郭定する面の少なくとも一部が部品を構成する材料よりも熱伝導率が低い材料にて覆われており、熱伝導率が低い材料が断熱材として作用するので、暖機時に温められた潤滑オイルの熱が伝導により部品の金属材料に奪われ、潤滑オイルの温度が低下することを抑制することができ、これにより暖機時に内燃機関内に於いて発生される熱を有効に利用して潤滑オイルの昇温を促進し、各摺動部の摺動抵抗を低減することができ、また部品全体が金属以外の材料にて形成される場合に比して強度や耐久性の低下を確実に低減することができる。
【0013】
また上記請求項2の構成によれば、熱伝導率が低い材料は循環経路を郭定する面の少なくとも一部に被覆されているので、循環経路を郭定する面を確実に断熱することができると共に、循環経路を郭定する面に熱伝導率が低い材料を取り付ける必要性を排除することができる。
【0014】
また上記請求項3の構成によれば、熱伝導率が低い材料にて形成されたカバーが部品の表面の少なくとも一部に取り付けられ、カバーにより循環経路の少なくとも一部が郭定されているので、熱伝導率が低い材料による断熱層の厚さを比較的自由に設定することができ、これにより循環経路を郭定する面を確実に且つ効果的に断熱することができる。
【0015】
また上記請求項4の構成によれば、部品は循環経路の一部を郭定する内部通路を含み、内部通路の内面は熱伝導率が低い材料にて形成され内部通路を郭定する孔に固定された中空管により郭定されており、中空管が断熱層として機能するので、潤滑オイルが内部通路を流れる際の温度低下を効果的に抑制することができる。
【0016】
また上記請求項5の構成によれば、部品はその外面に潤滑オイルが流動する部品であり、潤滑オイルが流動する外面が熱伝導率が低い材料にて覆われているので、潤滑オイルが部品の外面に流動する際の温度低下を効果的に抑制することができる。
【0017】
また上記請求項6の構成によれば、内燃機関は互いに他に対し締結固定された複数個の部品にて形成され、複数個の部品のうちの少なくとも二つの部品は熱伝導率が低い材料を介して互いに他に対し締結固定されているので、内燃機関の暖機時に於ける二つの部品の一方の温度が低い場合に、二つの部品の間に介在する熱伝導率が低い材料によって温度が高い部品より温度が低い部品への伝熱を抑制し、これにより温度が高い部品の温度低下に起因する潤滑オイルの温度低下を効果的に抑制することができる。
【0018】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至6の構成に於いて、他の部品に対する摺動面を除き循環経路を郭定する面の少なくとも一部が前記熱伝導率が低い材料にて覆われているよう構成される(好ましい態様1)。
【0019】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至6の構成に於いて、循環経路を郭定する面であって内燃機関の暖機時に潤滑オイルよりも高温になる部分の面は前記熱伝導率が低い材料にて覆われていないよう構成される(好ましい態様2)。
【0020】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至6の構成に於いて、前記熱伝導率が低い材料は樹脂、ゴム、塗料、発泡材よりなる群より選択された材料であるよう構成される(好ましい態様3)。
【0021】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至6の構成に於いて、潤滑オイルの循環経路を郭定する部品はシリンダブロックであり、シリンダブロックのクランクケースを郭定する部分の内面が前記熱伝導率が低い材料にて覆われているよう構成される(好ましい態様4)。
【0022】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至6の構成に於いて、潤滑オイルの循環経路を郭定する部品はロアケースであり、ロアケースのクランクケースを郭定する部分の内面が前記熱伝導率が低い材料にて覆われているよう構成される(好ましい態様5)。
【0023】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至6の構成に於いて、潤滑オイルの循環経路を郭定する部品はオイルパンであり、オイルパンの内面が前記熱伝導率が低い材料にて覆われているよう構成される(好ましい態様6)。
【0024】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、内部通路はシリンダブロックに設けられた内部通路であるよう構成される(好ましい態様6)。
【0025】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、内部通路はシリンダヘッドに設けられた内部通路であるよう構成される(好ましい態様7)。
【0026】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項5の構成に於いて、外面に潤滑オイルが流動する部品はクランクシャフトのメインジャーナル部を回転可能に支持するシリンダブロックのクランクシャフト支持部であるよう構成される(好ましい態様8)。
【0027】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項6の構成に於いて、複数個の部品のうちの少なくとも一方の部品は潤滑オイルの循環経路を郭定すると共に少なくとも部分的に前記熱伝導率が低い材料にて覆われているよう構成される(好ましい態様9)。
【0028】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項6又は上記好ましい態様9の構成に於いて、二つの部品はシリンダブロック及びロアケースであるよう構成される(好ましい態様10)。
【0029】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項6又は上記好ましい態様9の構成に於いて、二つの部品はロアケース及びオイルパンであるよう構成される(好ましい態様11)。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施の形態(以下単に実施形態という)について詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明による内燃機関の一つの実施形態の要部を示す縦断面図である。尚図1に於いては、シリンダヘッド、吸排気弁、カムシャフト等の図示は省略されている。
【0032】
図1に於いて、10は内燃機関を全体的に示しており、内燃機関10はシリンダブロック12を有している。シリンダブロック12は軸線14に沿って延在する複数のシリンダボア12Aを有し、各シリンダボア12A内にはそれぞれピストン16が往復動可能に配置されている。シリンダボア12Aの周りにはシリンダブロック内を冷却するためのウォータジャケット18が設けられている。
【0033】
シリンダブロック12の下方部はクランクケースのアッパケース20を郭定しており、アッパケース20はロアケース22と共働してクランクケース24を郭定している。ロアケース22の下端には図には示されていないボルトによりオイルパン26が取り付けられている。オイルパン26の上方にてロアケース22の下方部には潤滑オイル28が貯留されている。
【0034】
クランクケース24内にはクランクシャフト30が配置されており、クランクシャフト30は軸線14に垂直な軸線32に沿って延在している。図2に示されている如く、クランクシャフト30は軸線32に沿って互いに隔置された複数のメインジャーナル部34と、軸線32に対し横方向にオフセットされた複数のピンジャーナル部36とを有している。各ピンジャーナル部36は一対のアーム部38により両側のメインジャーナル部34と一体に接続されており、各アーム部38のピンジャーナル部36とは反対側の端部にはバランスウエイト40が一体に形成されている。
【0035】
図3に示されている如く、各メインジャーナル部34はシリンダブロック12の下端のクランクシャフト支持部12B及びこれにボルト42によって取り付けられた軸受キャップ44により軸線32の周りに回転可能に支持されている。各ピンジャーナル部36にはコネクティングロッド46の大端部が連結されており、コネクティングロッド46の小端部は対応するピストン16に取り付けられたピストンピン48に連結されており、これにより軸線14に沿うピストン16の往復動が軸線32の周りのクランクシャフト30の回転運動に変換されるようになっている。
【0036】
図4は図示の実施形態に於ける潤滑オイルの循環経路を示しており、図4に於いて、太い実線の矢印は導管内の流れを示し、細い実線の流れは内部通路内の流れを示し、太い破線の矢印は飛散による移動を示し、細い破線の矢印は滴下による移動を示している。
図4に示されている如く、オイルパン26に貯留された潤滑オイル28は、オイルストレーナ50及び導管52を経てオイルポンプ54により吸引され、オイルポンプ54よりシリンダブロック12内の内部通路56を経てオイルフィルタ58ヘ供給される。オイルフィルタ58により濾過された潤滑オイルはシリンダブロック12内の内部通路60を経てクランクシャフト30ヘ供給される。
【0037】
クランクシャフト30ヘ供給された潤滑オイルはクランクシャフト30内の内部通路62を経てコネクティングロッド46ヘ供給され、コネクティングロッド46より飛散によりピストン16へ供給され、ピストン16内のオイル通路を経てピストン16とシリンダボア12Aとの間の摺動部へ供給される。クランクシャフト30ヘ供給された潤滑オイルの一部、コネクティングロッド46ヘ供給された潤滑オイルの一部、ピストン16とシリンダボア12Aとの間の摺動部へ供給された潤滑オイルは高温に加熱された状態でクランクケース24内にて滴下することによりオイルパン26へ戻される。
【0038】
またオイルフィルタ58により濾過された潤滑オイルはシリンダブロック12内の内部通路64を経て図1には示されていないシリンダヘッド66及びカムシャフトギヤ68ヘ供給され、シリンダヘッド66よりカムシャフトジャーナル70ヘ供給され、カムシャフトジャーナル70よりカムシャフトギヤ68、バルブリフタ72及びバルブステム74、カム76ヘ供給される。カムシャフトギヤ68等へ供給された潤滑オイルはシリンダヘッド66内にて滴下し、シリンダヘッド66及びシリンダブロック12内の内部通路78内を下方へ流れ、高温に加熱された状態でクランクケース24内にて滴下することによりオイルパン26へ戻される。
【0039】
図2に示されている如く、クランクシャフト30内に設けられた内部通路62は一端にてメインジャーナル部34に開口し他端にてピンジャーナル部36に開口している。また図3に示されている如く、シリンダブロック12内の内部通路60はシリンダブロック12の表面に沿って延在するメインホール60Aと、一端にてメインホール60Aと連通し他端にてメインジャーナル部34に対する軸受リセス12Cと連通する複数の分岐油路60Bとを有している。
【0040】
従ってオイルフィルタ58により濾過された潤滑オイルはシリンダブロック12内のメインホール60A、分岐油路60B、軸受リセス12Cを経てクランクシャフト30のメインジャーナル部34ヘ供給され、該メインジャーナル部34を潤滑すると共に、軸受リセス12Cよりクランクシャフト30内の内部通路62を経てピンジャーナル部36ヘ供給され、該ピンジャーナル部36を潤滑し、しかる後ピンジャーナル部36に連結されたコネクティングロッド46へ移動し、コネクティングロッド46より飛散によりピストン16へ供給される。
【0041】
図示の実施形態に於いては、シリンダブロック12及びロアケース22はアルミニウム合金にて形成され、オイルパン26は鋼板にて形成されている。図1に示されている如く、シリンダブロック12のアッパケース20の内面はシリンダブロック12を形成するアルミニウム合金よりも熱伝導率が低い材料80にて被覆されている。同様にロアケース22の内面はロアケース22を形成するアルミニウム合金よりも熱伝導率が低い材料82にて被覆されている。更にオイルパン26の内面はオイルパン26を形成する鋼板よりも熱伝導率が低い材料84にて被覆されている。
【0042】
特に図示の実施形態に於いては、アッパケース20の下端のフランジ部20Aの下面もシリンダブロック12を形成するアルミニウム合金よりも熱伝導率が低い材料80にて被覆されており、ロアケース22の上端のフランジ部22Aの上面もロアケース22を形成するアルミニウム合金よりも熱伝導率が低い材料82にて被覆されている。
【0043】
また図3に示されている如く、シリンダブロック12内の内部通路60のメインホール60A及び分岐油路60Bは、それぞれシリンダブロック12に形成された孔に挿入され固定された中空管86及び88により郭定されており、中空管86及び88はシリンダブロック12を形成するアルミニウム合金よりも熱伝導率が低い材料にて形成されている。尚図には示されていないが、内部通路78も同様に構成されている。
【0044】
更に図には詳細に示されていないが、クランクシャフト30のメインジャーナル部34及びピンジャーナル部36を除く外面、シリンダブロック12の下端のクランクシャフト支持部12B及び軸受キャップ44の互いに接する部分を除く外面は、それらを構成する金属材料よりも熱伝導率が低い塗料にて比較的厚く塗装されている。
【0045】
尚、熱伝導率が低い材料80〜84、中空管86及び88を構成する材料、クランクシャフト30の外面等に塗装された塗料は、それぞれ対応する金属材料よりも熱伝導率が低い任意の材料であってよいが、特に耐熱性に優れた樹脂、ゴム、発泡材や耐熱塗料等であることが好ましい。また熱伝導率が低い材料80〜84は同一の材料であってもよく、また互いに異なる材料であってもよい。更に中空管86及び88を構成する材料も同一の材料であってもよく、また互いに異なる材料であってもよく、更にはそれらが一体であってもよい。
【0046】
かくして図示の実施形態によれば、シリンダブロック12のアッパケース20の内面、ロアケース22の内面、オイルパン26の内面はそれぞれ対応する部品を形成する金属材料よりも熱伝導率が低い材料80、82、84にて被覆されており、これらの材料は断熱層として機能するので、内燃機関10の暖機時に燃焼熱により加熱された潤滑オイル28がアッパケース20の内面を伝ってオイルパン26へ落下する際にアッパケース20等への熱伝導により温度低下する度合を低減し、またオイルパン26に貯留された潤滑オイル28がオイルパン26への熱伝導により温度低下する度合を低減することができ、これにより内燃機関10の暖機時に於ける潤滑オイル28の昇温を促進して潤滑性能を早期に向上させ、内燃機関10の各摺動部の摺動抵抗を効果的に低減することができる。
【0047】
また図示の実施形態によれば、ロアケース22やオイルパン26の全体が樹脂等にて形成される訳ではないので、内燃機関10の構成部品がその全体に亘り樹脂等にて形成される場合に比して、構成部品の強度や耐久性の低下を確実に低減することができる。
【0048】
特に図示の実施形態によれば、アッパケース20の下端のフランジ部20Aの下面及びロアケース22の上端のフランジ部22Aの上面もそれぞれ対応する部品を形成するアルミニウム合金よりも熱伝導率が低い材料80及び82にて被覆されており、ロアケース22はそれよりも高温になるアッパケース20に対し熱伝導率が低い材料80及び82を介して連結固定されているので、アッパケース20よりロアケース22への熱伝導に起因するアッパケース20の温度低下の度合を低減することができ、潤滑オイル28がアッパケース20の内面を伝ってオイルパン26へ落下する際に於けるアッパケース20等への熱伝導に起因する潤滑オイルの温度低下度合を効果的に低減することができる。
【0049】
尚、ロアケース22はアッパケース20に対し熱伝導率が低い材料80及び82を介して連結固定されているので、ロアケース22がアッパケース20に対し金属接触状態にて連結固定されている場合に比してロアケース22の温度上昇が抑制されるが、潤滑オイル28よりロアケース22への熱伝導に起因する潤滑オイルの温度低下は熱伝導率が低い材料82によって効果的に抑制される。
【0050】
また図示の実施形態によれば、シリンダブロック12内の内部通路60のメインホール60A及び分岐油路60Bは、それぞれシリンダブロック12に形成された孔に挿入され固定された中空管86及び88により郭定され、中空管86及び88はシリンダブロック12を形成するアルミニウム合金よりも熱伝導率が低い材料にて形成されており、中空管86及び88が断熱層として機能するので、潤滑オイルがシリンダブロック12の内部通路60を通過する際に於けるシリンダブロック12への熱伝導に起因する潤滑オイルの温度低下度合を効果的に低減することができる。尚このことは内部通路78についても同様である。
【0051】
また図示の実施形態によれば、クランクシャフト30のメインジャーナル部34及びピンジャーナル部36を除く外面、シリンダブロック12の下端のクランクシャフト支持部12B及び軸受キャップ44の互いに接する部分を除く外面は、それらを構成する金属材料よりも熱伝導率が低い塗料にて比較的厚く塗装されており、それらの塗膜が断熱層として機能するので、潤滑オイルがそれらの部品の外面を伝って移動する際に於ける対応する部品への熱伝導に起因する潤滑オイルの温度低下度合を効果的に低減することができる。
【0052】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0053】
例えば上述の実施形態に於いては、シリンダブロック12のアッパケース20の内面、ロアケース22の内面、オイルパン26の内面がそれぞれ対応する部品を形成する金属材料よりも熱伝導率が低い材料にて被覆されているが、何れかの部品に対する熱伝導率が低い材料の被覆が省略されてもよい。
【0054】
また上述の実施形態に於いては、アッパケース20の下端のフランジ部20Aの下面及びロアケース22の上端のフランジ部22Aの上面もそれぞれ熱伝導率が低い材料にて被覆されているが、互いに連結固定される二つの部品の間に熱伝導率が低い材料が介装されなくてもよく、シリンダブロックの下端に直接オイルパンが連結固定される構造の場合には、シリンダブロックの下端とオイルパンとの間に熱伝導率が低い材料が介装されてもよい。
【0055】
また上述の実施形態に於いては、シリンダブロック12内の内部通路60のメインホール60A及び分岐油路60Bは、それぞれシリンダブロック12に形成された孔に挿入され固定されアルミニウム合金よりも熱伝導率が低い材料にて形成された中空管86及び88により郭定されているが、他の内部通路にも熱伝導率が低い材料が適用されてもよく、内部通路に対する熱伝導率が低い材料の適用が省略されてもよい。
【0056】
また上述の実施形態に於いては、クランクシャフト30のメインジャーナル部34及びピンジャーナル部36を除く外面、シリンダブロック12の下端のクランクシャフト支持部12B及び軸受キャップ44の互いに接する部分を除く外面が熱伝導率が低い塗料にて比較的厚く塗装されているが、これらの部品の少なくとも何れかの塗装が省略されてもよい。
【0057】
また上述の実施形態に於いては、熱伝導率が低い材料は被覆、中空管、塗装により適用されているが、熱伝導率が低い材料の適用は任意の態様にて行われてよく、例えば熱伝導率が低い材料にて形成されたカバーが断熱を要する部位に固定されることにより適用されてもよい。
【0058】
更に上述の実施形態に於いては、熱伝導率が低い材料は特定の部品の特定の部位に適用されているが、他の部品との摺動部及び内燃機関の暖機時に於ける温度が潤滑オイルの温度よりも高くなる部位を除き断熱を要する任意の部位に適用されてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内燃機関の一つの実施形態の要部を示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたクランクシャフトを示す部分正面図である。
【図3】図1に示されたクランクシャフトの支持部を示す断面図である。
【図4】潤滑オイルの循環経路を示す説明図である。
【符号の説明】
10…内燃機関
12…シリンダブロック
20…アッパケース
22…ロアケース
26…オイルパン
28…潤滑オイル
30…クランクシャフト
44…軸受キャップ
46…コネクティングロッド
54…オイルポンプ
66…シリンダヘッド
80、82、84…熱伝導率が低い材料
86、88…中空管

Claims (6)

  1. 潤滑オイルの循環経路を郭定する部品を有し、前記部品の前記循環経路を郭定する面の少なくとも一部が前記部品を構成する材料よりも熱伝導率が低い材料にて覆われていることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記熱伝導率が低い材料は前記循環経路を郭定する面の少なくとも一部に被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記熱伝導率が低い材料にて形成されたカバーが前記部品の表面の少なくとも一部に取り付けられ、前記カバーにより前記循環経路の少なくとも一部が郭定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  4. 前記部品は前記循環経路の一部を郭定する内部通路を含み、前記内部通路の内面は前記熱伝導率が低い材料にて形成され前記内部通路を郭定する孔に固定された中空管により郭定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  5. 前記部品はその外面に潤滑オイルが流動する部品であり、潤滑オイルが流動する外面が前記熱伝導率が低い材料にて覆われていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  6. 前記内燃機関は互いに他に対し締結固定された複数個の部品にて形成され、前記複数個の部品のうちの少なくとも二つの部品は前記熱伝導率が低い材料を介して互いに他に対し締結固定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
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