JP2013245577A - シリンダヘッド - Google Patents

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Mitsunori Uchida
光宣 内田
Tadayoshi Nakase
忠義 中瀬
Yoshimasa Kodama
好正 児玉
Atsushi Morita
篤士 森田
Tetsuya Manda
哲也 萬田
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Abstract

【課題】デッキ面上の小さい設置スペースに細かい放熱突出部を設置することができ、放熱突出部の放熱面積を大きくして潤滑油の冷却性能を向上させることができるシリンダヘッドを提供すること。
【解決手段】シリンダヘッド8は、内部にウォータジャケットが形成されるとともに、ウォータジャケットの上方に動弁機構に供給されたエンジンオイルが流れるデッキ面51が形成され、デッキ面51に、細かい放熱フィン54を有するプレート55が取付けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリンダヘッドに関し、特に、車両に搭載される内燃機関のシリンダヘッドに関する。
従来、自動車等の車両に搭載される内燃機関には吸排気バルブを駆動する吸排気カムシャフト、ロッカアーム、ラッシュアジャスタ等の動弁機構が設けられている。吸排気バルブは、シリンダヘッドに摺動自在に取付けられており、吸排気カムシャフトは、シリンダヘッドの上部に装着されたカムハウジングに回転自在に取付けられている。また、ロッカアームやラッシュアジャスタは、シリンダヘッドの上部に設けられている。
この動弁機構にあっては、動弁機構の摺動部位の摺り合い、摩擦によるエネルギー損失や、摩耗、過熱による焼き付きといった不具合が生じ得る。
このため、潤滑システムを用いて、動弁機構の摺動部位に潤滑油の薄い膜を形成し、摺動部位の摺動抵抗を小さくしている。
したがって、潤滑システムは、内燃機関内で潤滑油を循環させて、シリンダヘッド等に潤滑油を送るようになっている。この潤滑油は、動弁機構を潤滑した後、シリンダヘッドのデッキ面に滴下された後、デッキ面を沿って流れることでシリンダヘッドから排出されるようになっている。
ところが、潤滑油は、内燃機関の高回転、高負荷時に動弁機構の摺動部位の熱によって粘性が低くなるため、動弁機構の摺動部位の潤滑性を低下させてしまうことがある。このため、潤滑油の温度変化により粘性が変化しないことが求められている。
一般に、シリンダヘッドは、シリンダブロックの上部に取付けられており、シリンダブロックと共に燃焼室を形成しているため、シリンダヘッドにはシリンダヘッドを冷却するための冷却水が流れるウォータジャケットが設けられている。
また、デッキ面は、ウォータジャケットの上方のシリンダヘッドの上面に位置しているため、動弁機構を潤滑して高温となった潤滑油がデッキ面に滴下されると、デッキ面を流れる潤滑油が冷却水と熱交換されることで、冷却される。
ところで、デッキ面は、単なる平面形状に形成されていることから、デッキ面を流れる潤滑油に対して充分な放熱面積を与えることができず、潤滑油の冷却性能を向上させることが困難となることがある。
これに対して、デッキ面を流れる潤滑油に対して充分な放熱面積を与えて潤滑油の冷却性能を向上させることができるものとしては、例えば、特許文献1に記載されたシリンダヘッドが知られている。
このシリンダヘッドは、シリンダヘッドのデッキ面(ミドルデッキ)から突出し、吸気側と排気側を横切るようシリンダヘッドの延在方向に亘って所定の高さで延在する隔璧と、デッキ面から突出し、隔壁と吸気バルブの設置部との間および隔壁と排気バルブの設置部との間にそれぞれ設けられた放熱突出部とを備えている。
このシリンダヘッドは、隔壁によって冷却水量が多い排気側で潤滑油を流動させることができるとともに、放熱突出部によって放熱面積を増加させることができるため、潤滑油の温度を適切な水準に維持することができる。
特開2003−343346号公報
しかしながら、このような従来のシリンダヘッドにあっては、放熱突出部がデッキ面と一体成形されているため、細かい放熱突出部をデッキ面に形成し難く、放熱突出部の放熱面積を大きくし難いという問題がある。
具体的には、シリンダヘッドは、鋳造で成形されている。このため、小型な内燃機関では、隔壁と吸気バルブの設置部との間および隔壁と排気バルブの設置部との間のスペースが小さく、この小さいスペースに細かい放熱突出部を鋳造によってデッキ面上の小さい設置スペースに設置し難く、放熱突出部の放熱面積を大きくし難いのである。この結果、潤滑油の冷却性能を向上させることが困難となる。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、デッキ面上の小さい設置スペースに細かい放熱突出部を設置することができ、放熱突出部の放熱面積を大きくして潤滑油の冷却性能を向上させることができるシリンダヘッドを提供することを目的とする。
本発明に係るシリンダヘッドは、上記目的を達成するため、(1)内部に冷却水通路が形成されるとともに、前記冷却水通路の上方に潤滑油が流れるデッキ面が形成されたシリンダヘッドであって、前記デッキ面に複数の放熱突出部を有するプレートが取付けられたものから構成されている。
このシリンダヘッドは、デッキ面に複数の放熱突出部を有するプレートが取付けられるので、デッキ面上の小さい設置スペースに細かい放熱突出部を設置することができる。このため、放熱突出部の放熱面積を大きくして潤滑油の冷却性能を向上させることができる。
本発明によれば、デッキ面上の小さい設置スペースに細かい放熱突出部を設置することができ、放熱突出部の放熱面積を大きくして潤滑油の冷却性能を向上させることができるシリンダヘッドを提供することができる。
本発明に係るシリンダヘッドの第1の実施の形態を示す図であり、シリンダヘッドを備えるエンジンの概略構成図である。 本発明に係るシリンダヘッドの第1の実施の形態を示す図であり、シリンダヘッドの上面図である。 本発明に係るシリンダヘッドの第1の実施の形態を示す図であり、図2のA−A方向矢視断面図である。 本発明に係るシリンダヘッドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は、放熱部材の正面図、(b)は、同図(a)のB−B方向矢視断面図である。 本発明に係るシリンダヘッドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は、他の形状の放熱部材の正面図、(b)は、同図(a)のC−C方向矢視断面図である。 本発明に係るシリンダヘッドの第2の実施の形態を示す図であり、シリンダヘッドの上面図である。 本発明に係るシリンダヘッドの第2の実施の形態を示す図であり、図6のD−D方向矢視断面図である。
以下、本発明に係るシリンダヘッドの実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図5は、本発明に係るシリンダヘッドの第1の実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1において、内燃機関としてのエンジン1は、気筒としてのシリンダ2内に往復移動自在に収容されたピストン3が2往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる一連の4行程を行う、所謂、4サイクルのガソリンエンジンである。
このエンジン1は、シリンダ2およびピストン3をそれぞれ4つずつ備える直列4気筒のエンジンである。なお、気筒数は一例を示すもので4気筒に限られるものではない。また、エンジン1は、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジン、その他の燃料を用いるエンジンであってもよい。
エンジン1は、出力軸としてのクランクシャフト5を収容するクランクケース6と、クランクケース6の上部に取付けられ、内部にピストン3を収容するシリンダブロック7と、シリンダブロック7の上部に取付けられたシリンダヘッド8とを備えている。
また、エンジン1は、シリンダヘッド8の上部に設けられたカムハウジング9と、カムハウジング9の上部に取付けられたシリンダヘッドカバー10とを備えている。
シリンダヘッド8は、シリンダヘッド8の底面、シリンダ2およびピストン3の頂部の間の空間に燃焼室12を形成しており、シリンダヘッド8およびカムハウジング9は、燃焼室12を開閉する動弁機構を有している。
具体的には、カムハウジング9は、カムシャフト支持部によって吸気カムシャフト13および排気カムシャフト14を回転自在に支持しており、吸気カムシャフト13および排気カムシャフト14は、それぞれ吸気カム15および排気カム16を備えている。
また、シリンダヘッド8には吸気バルブ17および排気バルブ18が摺動自在に設けられている。また、吸気カム15および排気カム16との間にはロッカアーム19、20の一端部が介装されており、ロッカアーム19、20の他端部には油圧式のラッシュアジャスタ21、22が当接している。
本実施の形態では、吸気カムシャフト13、排気カムシャフト14、吸気カム15、排気カム16、ロッカアーム19、20およびラッシュアジャスタ21、22が動弁機構を構成している。
そして、吸気バルブ17および排気バルブ18にロッカアーム19、20を介して吸気カム15および排気カム16の回転が伝達されることにより、吸気バルブ17および排気バルブ18によって燃焼室12の開閉作動が行われる。
なお、ラッシュアジャスタ21、22は、潤滑油であるエンジンオイルを使って、吸気カムシャフト13とロッカアーム19との間、および排気カムシャフト14とロッカアーム20との間に生じるバルブクリアランスを常時、零に調節することを目的として動作する。
シリンダブロック7は、筒状の穴からなる気筒としてのシリンダ2を有しており、シリンダ2内でピストン3が往復移動するようになっている。通常、シリンダブロック7は、鋳鉄やアルミ合金等で成形されている。
クランクケース6は、シリンダブロック7の下部に取付けられており、内部にクランクシャフト5を回転自在に軸支している。そして、吸気カムシャフト13および排気カムシャフト14をクランクシャフト5の回転と同期して回転させて、吸気バルブ17と排気バルブ18を開閉させるようになっている。
エンジン1は、図示しないインジェクタから噴射された燃料と空気との混合気を、燃焼室12内で燃焼させ、吸気行程、圧縮行程、爆発行程、排気行程を繰り返し行うようになっている。
エンジン1は、燃焼によりシリンダ2内のピストン3を往復移動させることにより、ピストンピン23、コンロッド24を介してクランクシャフト5の回転運動に変換させるようになっている。
燃焼室12は、シリンダ2の配列方向に沿って配列されており、図3に示すように、シリンダヘッド8は、燃焼室12に空気を導入する吸気ポート25と、燃焼室12から燃焼ガスを排出する排気ポート26を備えている。
吸気ポート25は、吸気バルブ17により開閉コントロールされながら燃焼室12内に混合気を取り込む穴から構成されている。また、排気ポート26は、排気バルブ18により開閉コントロールされながら燃焼室12内から燃焼ガスを排出する穴から構成されている。
図1において、エンジン1の潤滑システム31は、オイルパン32と、オイルストレーナ33と、オイルポンプ34と、オイルフィルタ35とを含んで構成されている。潤滑油としてのエンジンオイルは、エンジン1の各部の潤滑作用と、エンジン1の各部を冷却させるとともに、各部の清掃、防錆や燃焼室12からのガス漏れを防ぐように機能する。
エンジン1は、内部でエンジンオイルを循環させるため、シリンダヘッド8等にエンジンオイルを送るようになっている。クランクケース6の下方には、オイルパン32が取付けられている。
オイルパン32は、内部にエンジンオイルが貯留されており、オイルポンプ34は、オイルパン32に貯留されたエンジンオイルを吸入し、エンジン1の各部に供給するようになっている。
オイルポンプ34は、例えば、ギヤポンプやトロコイドポンプ等から構成されており、エンジン1のクランクシャフト5や吸気カムシャフト13および排気カムシャフト14の回転が、図示しないチェーン等を介して伝達されることで駆動するようになっている。
オイルポンプ34の上流側にはエンジンオイルの濾過器として、オイルストレーナ33が取付けられており、エンジンオイルから比較的に大きな異物を除くようになっている。また、オイルポンプ34の下流側にはエンジンオイルを濾過し、金属等の摩耗屑やカーボン固まり等の異物を除く装置として、オイルフィルタ35が設けられている。
なお、図1に示す潤滑システム31は、エンジンオイルの流れがシリンダヘッド8やカムハウジング9に到達することを概略的に示したものであって、実際のエンジンオイルの流れは、エンジン1の各部を循環しながら、エンジンオイルがシリンダヘッド8やカムハウジング9に送られるようになっている。
シリンダヘッド8は、シリンダ列Sに沿って燃焼室12が配設されており、各燃焼室12に4個のボス43が配設されている。ボス43は、後述する点火プラグ44が挿入されるプラグホールを構成しており、このボス43に点火プラグ44を挿入してシリンダヘッド8に固定できるようになっている。
また、シリンダヘッド8は、冷却効率のよいアルミ合金等から構成されており、鋳造によって成形されている。
図2、図3に示すように、シリンダヘッド8は、吸気カムシャフト13および排気カムシャフト14を摺動自在に案内するバルブガイド45、46を備えている。
バルブガイド45、46には、吸気バルブ17および排気バルブ18が挿通されるようになっており、このバルブガイド45、46は、シリンダヘッド8に固定されている。また、バルブガイド45、46の周囲のシリンダヘッド8には図示しないバルブスプリングの一端部が載置される溝45a、46aが形成されている。
一方、図2において、シリンダヘッド8にはシリンダ列Sに沿ってリブ47が形成されており、このリブ47は、シリンダヘッド8から上方に突出し、シリンダ列Sに沿って断続的に延在している。このリブ47は、シリンダヘッド8がカムシャフト支持部を有するカムハウジング9と別体に形成されていることから、燃焼室12の上方のシリンダヘッド8の部位の剛性を確保するために設けられている。
また、シリンダヘッド8にはラッシュアジャスタ設置部48、49が設けられており、ラッシュアジャスタ設置部48、49にはラッシュアジャスタ21、22が挿入されるようになっている。
また、図3に示すようにシリンダヘッド8の内部には冷却水通路としてのウォータジャケット50が形成されており、このウォータジャケット50は、燃焼室12の上方を形成するシリンダヘッド8の略中央のボス43を取り巻くように設けられている。
一方、シリンダヘッド8は、燃焼室12で発生する熱によって、排気ポート26の上部や排気ポート26等において高温部が存在する。このため、エンジンオイルは、シリンダヘッド8に送られる際に、燃焼室12や排気ポート26(図3参照)等の高温部から受ける熱の影響を最小にするように、エンジンオイルを冷却する必要がある。このため、シリンダヘッド8の上面にエンジンオイルを流動させることで、冷却するようになっている。
すなわち、動弁機構を潤滑したエンジンオイルは、動弁機構からシリンダヘッド8の上面に自重によって滴下されるようになっており、シリンダヘッド8の上面は、デッキ面51を構成している。
このデッキ面51は、ウォータジャケット50の上部に位置しており、デッキ面51に滴下されたエンジンオイルは、デッキ面51を流れながらウォータジャケット50の冷却水と熱交換されることで冷却されるようになっている。
また、本実施の形態のエンジン1は、排気側のデッキ面51Aが吸気側のデッキ面51Bよりも下方に位置するようにエンジン1が傾いている。排気側のデッキ面51Bにはエンジンオイルをデッキ面51Bから排出する排出穴52が形成されており、この排出穴52は、シリンダ列S方向に一定の間隔で形成されている。
一方、ウォータジャケット50の上方のデッキ面51にはアルミ合金等のシリンダヘッド8と同一材料からなる放熱部材53が設けられている。放熱部材53は、細かい放熱突出部としての放熱フィン54と、放熱フィン54と一体的に設けられたプレート55とから構成されており、プレート55にはヘッドボルト56が挿通される挿通穴55aが形成されている(図4参照)。ここで、細かい放熱フィン54とは、細径で複数の放熱フィン54のことである。
なお、放熱部材53は、鋳造によって成形されてもよく、放熱フィン54をプレート55に溶接する等の加工方法によって成形されてもよい。放熱部材53の製造方法は、特に限定されるものではない。また、放熱フィン54の数は、限定されるものではない。
放熱フィン54は、細径の円柱形状から形成されており、プレート55から上方に同一の高さで突出している。なお、放熱フィン54は、円柱形状に限らず、四角柱や多角柱から形成されていてもよい。
また、プレート55は、シリンダ列S方向に延在しており、ヘッドボルト56によってデッキ面51に密着するようにしてデッキ面51上に固定されている。なお、ヘッドボルト56は、シリンダヘッド8をシリンダブロック7に固定するためのボルトである。また、プレート55は、ヘッドボルト56ではなく、溶接等によってデッキ面51に密着されるようにしてデッキ面51に固定されてもよい。
また、シリンダヘッド8は、鋳造で成形されているため、デッキ面51が平坦でなく、プレート55とデッキ面51との間に隙間が形成される可能性があるため、プレート55とデッキ面51との密着性を高めるために、デッキ面51またはプレート55の底面の少なくとも一方が平坦となるように表面加工されている。
また、プレート55の幅は、ラッシュアジャスタ設置部48、49とバルブガイド45、46との間の距離と略同一であり、プレート55は、ラッシュアジャスタ設置部48、49とバルブガイド45、46との間に設置されている。
次に、作用を説明する。
図2に示す矢印は、エンジンオイルの流れを示すものである。
動弁機構を潤滑したエンジンオイルは、デッキ面51に自重によって滴下される。吸気側のデッキ面51Aに滴下されたオイルは、バルブガイド45の間を通った後、ボス43の周囲を回り込む。
ボス43の周囲を回り込んだエンジンオイルは、リブ47に沿うようにしてバルブガイド45の間を通った後、排気側のデッキ面51B上を分岐して流れて排出穴52から排出される。
デッキ面51を流れるオイルは、ウォータジャケット50を流れる冷却水によって熱交換されることにより冷却され、温度が上昇することが抑制される。また、デッキ面51には放熱部材53が設けられており、エンジンオイルの熱は、放熱フィン54によって放熱され、エンジンオイルの冷却がより一層促進される。
特に、小型なエンジン1の場合には、ウォータジャケット50の容積を確保できないため、エンジンオイルと冷却水との熱交換が促進されない傾向にあるが、本実施の形態のシリンダヘッド8では、放熱フィン54によってエンジンオイルの熱が放熱され、エンジンオイルの冷却がより一層促進される。
ところで、シリンダヘッド8は、鋳造によって成形されているため、特に小型なエンジン1の場合には、ラッシュアジャスタ設置部48、49とバルブガイド45、46との間のスペースが小さく、鋳造によってシリンダヘッド8と細径の放熱フィン54とを一体成形することが困難である。
本実施の形態のシリンダヘッド8は、デッキ面51に複数の細径な放熱フィン54を有するプレート55を取付けたので、デッキ面51上のラッシュアジャスタ設置部48、49とバルブガイド45、46との間の小さい設置スペースに細かい放熱フィン54を設置することができる。このため、放熱フィン54の放熱面積を大きくしてエンジンオイルの冷却性能を向上させることができる。
また、プレート55をヘッドボルト56によってデッキ面51に取付けたので、プレート55とデッキ面51との密着性を向上させることができ、エンジンオイルの冷却性能をより一層向上させることができる。
また、デッキ面51またはプレート55の底面の少なくとも一方が平坦となるように表面加工しているので、プレート55とデッキ面51との密着性をより一層高めることができ、エンジンオイルの冷却性能をより一層向上させることができる。
また、シリンダヘッド8と放熱部材53とを同一材料であるアルミ合金等から構成したので、シリンダヘッド8と放熱部材53の線膨張率を同一にすることができ、熱膨張によってデッキ面51とプレート55との間に隙間が形成されるのを防止することができる。このため、プレート55とデッキ面51との密着性が低下するのを防止することができる。
なお、本実施の形態の放熱部材53は、プレート55を、シリンダ列S方向に延在、すなわち、全部のシリンダ2に共通の放熱部材53を取付けているが、図5に示すように、放熱部材53の延在方向長さを短くして、放熱部材53をシリンダ2毎に独立して設けてもよい。
また、本実施の形態の放熱部材53は、吸気側および排気側のデッキ面51A、51Bの両方に設置されているが、吸気側または排気側のデッキ面51A、51Bのいずれか一方に設置されてもよい。
(第2の実施の形態)
図6、図7は、本発明に係るシリンダヘッドの第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一の符号には同一番号を付して説明を省略する。
図6、図7において、シリンダヘッド8にはシリンダ列Sに沿ってリブ65が形成されており、このリブ65は、シリンダヘッド8から上方に突出し、シリンダ列Sに沿って断続的に延在している。
また、ボス43の間には複数の開口部61が形成されており、この開口部61は、シリンダヘッド8を鋳造するときの砂抜き用の穴を構成している。
この開口部61の下方のシリンダヘッド8の内部にはウォータジャケット50が形成されており、この開口部61は、放熱部材62によって閉塞されている。放熱部材62は、細かい放熱突出部としての放熱フィン63と、放熱フィン63と一体的に設けられたプレート64とから構成されている。
放熱部材62は、シリンダヘッド8と同一材料であるアルミ合金等から構成されており、エンジンオイルの冷却機能およびウォータジャケット50を閉塞する蓋として機能する。
なお、放熱部材62は、鋳造によって成形されてもよく、放熱フィン63をプレート64に溶接する等の加工方法によって成形されてもよい。放熱部材62の製造方法は、特に限定されるものではない。
放熱フィン63は、細径の円柱形状から形成されており、プレート64から上方に同一の高さで突出している。なお、放熱フィン63は、円柱形状に限らず、四角柱や多角柱から形成されていてもよい。
また、プレート64は、開口部61に打ち込み等によって固定されており、プレート64の下面は、冷却水に浸っている。
なお、プレート64の外周面と開口部61の内周面にネジを形成し、プレート64を開口部61に螺合してもよい。また、プレート64を開口部61に溶接等によって固定してもよい。なお、放熱フィン63の数は、特に限定されるものではない。
また、放熱部材62は、リブ65の閉止端である頂部側に形成されており、デッキ面51を流れるエンジンオイルが放熱部材62に集まる位置に設けられている。
次に、作用を説明する。
図6に示す矢印は、エンジンオイルの流れを示すものである。
動弁機構を潤滑したエンジンオイルは、デッキ面51に自重によって滴下される。吸気側のデッキ面51Aに滴下されたオイルは、その一部がバルブガイド45の間を通った後、ボス43の周囲を回り込むようにして流れるが、大半は、リブ65に沿うようにしてリブ65の閉止端である頂部に集められる。
リブ65の頂部に集められたエンジンオイルは、放熱部材62上を流れてリブ65を乗り越えて排気側のデッキ面51B上を分岐して流れて排出穴52から排出される。デッキ面51Bを流れるオイルは、ウォータジャケット50を流れる冷却水によって熱交換されることにより冷却され、温度が上昇することが抑制される。
また、ボス43の間のデッキ面51には放熱部材62が設けられており、エンジンオイルの熱は、放熱フィン63によって放熱され、エンジンオイルの冷却がより一層促進される。
特に、小型なエンジン1の場合には、ウォータジャケット50の容積を確保できないため、エンジンオイルと冷却水との熱交換が促進されない傾向にあるが、放熱フィン63によってエンジンオイルの熱が放熱され、エンジンオイルの冷却がより一層促進される。
また、本実施の形態の放熱部材62は、プレート64がウォータジャケット50の直上の開口部61を閉塞する栓を兼ねており、冷却水に浸るようになっている。すなわち、放熱部材62をウォータジャケット50に近接する部位に設置しているため、プレート64から放熱フィン63に冷却水の低温の熱が効率よく伝達される。この結果、エンジンオイルの熱がより効率よく放熱され、エンジンオイルの冷却がより一層促進される。
また、本実施の形態のシリンダヘッド8は、シリンダヘッド8と放熱部材62とを同一材料であるアルミ合金等から構成したので、シリンダヘッド8と放熱部材62の線膨張率を同一にすることができ、熱膨張によってプレート64と開口部61との間に隙間が形成されるのを防止することができる。このため、ウォータジャケット50内の冷却水がウォータジャケット50から漏出するのを防止することができる。
なお、上記各実施の形態では、シリンダヘッドとカムハウジングとを別体に成形しているが、シリンダヘッドとカムハウジングとを鋳造によって一体成形することにより、シリンダヘッドを構成してもよい。
以上のように、本発明に係るシリンダヘッドは、デッキ面上の小さい設置スペースに細かい放熱突出部を設置することができ、放熱突出部の放熱面積を大きくして潤滑油の冷却性能を向上させることができるという効果を有し、車両に搭載される内燃機関のシリンダヘッド等として有用である。
8 シリンダヘッド
50 ウォータジャケット(冷却水通路)
51 デッキ面
54、63 放熱フィン(放熱突出部)
55、64 プレート

Claims (1)

  1. 内部に冷却水通路が形成されるとともに、前記冷却水通路の上方に潤滑油が流れるデッキ面が形成されたシリンダヘッドであって、
    前記デッキ面に複数の放熱突出部を有するプレートが取付けられたことを特徴とするシリンダヘッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015117631A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 三菱自動車工業株式会社 シリンダヘッド構造
JP2017044118A (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 日産自動車株式会社 内燃機関

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